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JP7361666B2 - プラズマリアクタ用電源装置、及びプラズマリアクタ用電源装置の制御方法 - Google Patents
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JP7361666B2 - プラズマリアクタ用電源装置、及びプラズマリアクタ用電源装置の制御方法 - Google Patents

プラズマリアクタ用電源装置、及びプラズマリアクタ用電源装置の制御方法 Download PDF

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本発明は、プラズマリアクタを駆動するプラズマリアクタ用電源装置、及びプラズマリアクタ用電源装置の制御方法に関する。
ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスには、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)およびPM(Particulate Matter:粒子状物質)などが含まれる。
これに対し、排ガスに含まれるPMなどを、プラズマリアクタを用いて除去する手法が提案されている。プラズマリアクタは、例えば、正負の電極パネルを複数備えている。これらの電極パネルは、誘電体内に電極を内蔵した構成とされており、正負の電極パネルは、排ガスの流れ方向と直交する方向に間隔を空けて、正極パネルと負極パネルとが交互に対向して配置されている。プラズマリアクタ用電源装置から正極パネルと負極パネルとの間にパルス状の高電圧が印加されると、誘電体バリア放電(無声放電)が生じて、正負の電極パネルの間の空間に低温プラズマ(非平衡プラズマ)が発生し、正負の電極パネル間を流れる排ガス中のPMなどが、酸化されてCO2,H2Oなどとされて除去されたり、無害化される。また、酸素からあるいは空気からオゾンを発生させるに当たって、プラズマリアクタを用いる場合もある。
プラズマリアクタ用電源装置には、フライバック型昇圧トランスを用いる。例えば特許文献1では、このフライバック型昇圧トランスの一次コイルの接地電位側を、スイッチング素子を介して接地する一方、この一次コイルの電源側を直流電源の正極端子に直接接続する。また、フライバック型昇圧トランスの二次コイルを、プラズマリアクタの電極に接続する。そして、スイッチング素子をオンにすると、フライバック型昇圧トランスの一次コイルに電流が流れ、一次コイルにエネルギが蓄積される。その後、スイッチング素子をオフにすると、一次コイルに逆起電力が生じ、これに伴って、フライバック型昇圧トランスの二次コイルに、一次コイルとの巻数比に応じたパルス状の高電圧が発生する。そこで、スイッチング素子のオンとオフとを一定の周期で繰り返すことで、二次コイルに、間欠的にパルス状の高電圧を発生させ、これをプラズマリアクタの電極間に印加して放電を間欠的に生じさせる。
また、例えば特許文献2のプラズマリアクタ用電源装置では、このフライバック型昇圧トランスの一次コイルの接地電位側(ローサイド)をスイッチング素子を介して接地するほか、この一次コイルの電源側(ハイサイド)は別のスイッチング素子を介して直流電源の正極端子に接続する。また、フライバック型昇圧トランスの二次コイルを、プラズマリアクタの電極に接続する。そして、2つのスイッチング素子をオンにすると、フライバック型昇圧トランスの一次コイルに電流が流れ、一次コイルにエネルギが蓄積される。その後、ローサイドのスイッチング素子をオフにすると、一次コイルに逆起電力が生じ、これに伴って、フライバック型昇圧トランスの二次コイルに、一次コイルとの巻数比に応じたパルス状の高電圧が発生する。そこで、スイッチング素子のオンとオフとを一定の周期で繰り返すことで、二次コイルに、間欠的にパルス状の高電圧を発生させ、プラズマリアクタの電極間に印加して放電を間欠的に生じさせる。
加えてこの特許文献2の電源装置では、フライバック型昇圧トランスの一次コイルに印加される一次電圧を高めるため、ローサイドのスイッチング素子と並列に接続されたスナバ回路、ダイオード、昇圧用コンデンサなどを設けて、二次コイルにパルス状の高電圧を発生させた後に残ったエネルギを昇圧用コンデンサに蓄積する。そして、再びローサイドのスイッチング素子をオンした際に、一次コイルに印加される電圧が直流電源の電圧と昇圧用コンデンサの電圧との和となり、直流電源の電圧よりも高くなるようにしている。
特開2017-150456号公報 特開2017-118751号公報
しかしながら、いずれの文献のプラズマリアクタ用電源装置においても、ローサイドのスイッチング素子をオンにした後にオフした場合に、二次コイルに1発のパルス状の高電圧を発生させるのに留まる。即ち、これらのプラズマリアクタ用電源装置は、ローサイドのスイッチング素子をオンにした後にオフする毎に、二次コイルに1発のパルス状の高電圧を発生させるものであり、一次コイルに蓄積したエネルギを、プラズマリアクタにおける誘電体バリア放電に十分に活用できず、エネルギ効率が低かった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、一次コイルへの一度のエネルギのチャージで、プラズマリアクタにおいて複数回に亘る正負交番放電を生じさせることができ、さらにエネルギ効率の良好なプラズマリアクタ用電源装置、及びプラズマリアクタ用電源装置の制御方法を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、接地側端子及び電源側端子を含む一次コイル、及び、プラズマリアクタを両端に接続する二次コイル、を有するフライバック型昇圧トランスと、上記一次コイルの上記接地側端子と接地電位との間に接続されたローサイドスイッチ素子と、上記一次コイルの上記電源側端子と直流電源の正極端子との間に接続されたハイサイドスイッチ素子と、上記ローサイドスイッチ素子及び上記ハイサイドスイッチ素子のオンオフを制御する素子制御部と、を備えるプラズマリアクタ用電源装置であって、上記素子制御部は、上記直流電源及び上記プラズマリアクタを接続した状態において、上記ハイサイドスイッチ素子と上記ローサイドスイッチ素子とをオンとして、上記直流電源から、上記一次コイルにエネルギをチャージさせるチャージ制御と、上記ローサイドスイッチ素子をオフとして、上記二次コイルを介して上記プラズマリアクタに正負交番する交番電圧を印加し、上記プラズマリアクタに正負交番する放電を発生させる交番放電制御と、上記交番放電制御における上記ローサイドスイッチ素子のオフと同時に、又は上記ローサイドスイッチ素子をオフとした直後の上記一次コイルに上記接地側端子が上記電源側端子よりも高電位となる電圧が発生しているターンオフ許容期間内に、上記ハイサイドスイッチ素子をオフとするハイサイドオフ制御と、上記ターンオフ許容期間より後に、上記ハイサイドスイッチ素子をオンとし、上記二次コイル及び上記プラズマリアクタに残留するエネルギの一部を、上記直流電源に回生させる回生制御と、を繰り返し実行可能に構成されてなるプラズマリアクタ用電源装置システムである。
上述のプラズマリアクタ用電源装置では、フライバック型昇圧トランス、ローサイドスイッチ素子、及び、ハイサイドスイッチ素子に加え、上述のチャージ制御、交番放電制御、ハイサイドオフ制御、及び回生制御を繰り返し実行可能に構成された素子制御部を備えている。このため、一次コイルへの一度のエネルギのチャージで、プラズマリアクタにおいて複数回に亘る正負交番放電を生じさせることができる。さらに一部のエネルギを直流電源に回生することができるので、エネルギ効率の良好なプラズマリアクタ用電源装置とすることができる。
なお、ローサイドスイッチ素子及びハイサイドスイッチ素子としては、耐電圧の高い電力制御用のスイッチ素子を用いると良く、例えば、パワーMOSFET、IGBT、サイリスタ、GTO、トライアックなどを用いることができる。
また、素子制御部は、チャージ制御、交番放電制御、ハイサイドオフ制御、及び回生制御を繰り返し実行可能に構成されていればよく、その全体をこれらの制御を実行する論理回路で構成しても良いし、マイクロコンピュータによるソフトウェア上の処理と、このマイクロコンピュータからの指示によってローサイドスイッチ素子及びハイサイドスイッチ素子を駆動するドライバ回路で構成してもよい。また、マイクロコンピュータによるソフトウェア上の処理と、このマイクロコンピュータからの指示に従って所定の論理処理を行う論理回路、及び、この論理回路の指示によってローサイドスイッチ素子及びハイサイドスイッチ素子を駆動するドライバ回路で構成してもよい。
更に、プラズマリアクタとしては、前述のように、内燃機関の排ガス中のPMなどの除去に用いるものや、供給された空気や酸素を用いてオゾンを発生させるものなどを例示することができる。
また、直流電源としては、例えば、直流安定化電源やバッテリのほか、バッテリとバッテリ電圧を昇圧又は降圧した出力電圧を出力するDC-DCコンバータとからなる直流電源も挙げられる。
上述のプラズマリアクタ用電源装置であって、前記一次コイルの前記接地側端子と前記電源側端子とに導通して、上記一次コイルと並列に接続されたスナバコンデンサを備える
プラズマリアクタ用電源装置とすると良い。
このプラズマリアクタ用電源装置では、一次コイルと並列にスナバコンデンサを設けている。これにより、チャージ制御において一次コイルにエネルギをチャージした後、ローサイドスイッチ素子をオフとして二次コイルに高電圧を発生させた際に生じる、サージ電圧を吸収して過電圧を低減し、ローサイドスイッチ素子及びハイサイドスイッチ素子を保護することができる。
更に、前述のいずれかに記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、前記接地電位に対する前記一次コイルの前記接地側端子の電圧であるローサイド電圧を検知するローサイド電圧検知部、及び、前記直流電源の前記正極端子に対する前記一次コイルの前記電源側端子の電圧であるハイサイド電圧を検知するハイサイド電圧検知部、の少なくともいずれかを備え、前記素子制御部は、前記回生制御において前記ハイサイドスイッチ素子をオンとした後の前記チャージ制御において、上記ローサイド電圧検知部又は上記ハイサイド電圧検知部によって上記ローサイド電圧が前記直流電源の出力電圧より低い第1しきい電圧以下であることを検知したときに、前記ローサイドスイッチ素子をオンさせるソフトオン制御を、実行可能に構成されてなるプラズマリアクタ用電源装置とすると良い。
上述のプラズマリアクタ用電源装置では、ローサイド電圧検知部及びハイサイド電圧検知部の少なくともいずれかを備えており、素子制御部はチャージ制御において、ローサイド電圧検知部でローサイド電圧が第1しきい電圧以下であることを検知したとき、あるいはハイサイド電圧検知部で検知したハイサイド電圧を通じてローサイド電圧が第1しきい電圧以下であることを検知したときにローサイドスイッチ素子をオンさせるソフトオン制御を行う。即ち、ローサイドスイッチ素子をソフトスイッチングによりオンさせる。これにより、チャージ制御において、ローサイドスイッチ素子をオンさせるに当たり、ローサイドスイッチ素子におけるスイッチング損失を低減でき、さらにエネルギ効率を高めることができる。
更に、前述のいずれかに記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、前記接地電位に対する前記一次コイルの前記接地側端子の電圧であるローサイド電圧を検知するローサイド電圧検知部、及び、前記直流電源の前記正極端子に対する前記一次コイルの前記電源側端子の電圧であるハイサイド電圧を検知するハイサイド電圧検知部、の少なくともいずれかを備え、前記素子制御部は、前記回生制御において、上記ローサイド電圧検知部又は上記ハイサイド電圧検知部によって上記ハイサイド電圧が前記直流電源の出力電圧より低い第2しきい電圧以下であることを検知したときに、前記ハイサイドスイッチ素子をオンさせるソフトオン制御を、実行可能に構成されてなるプラズマリアクタ用電源装置とすると良い。
上述のプラズマリアクタ用電源装置でも、ローサイド電圧検知部及びハイサイド電圧検知部の少なくともいずれかを備えている。加えて、素子制御部は回生制御において、ローサイド電圧検知部で検知したローサイド電圧を通じてハイサイド電圧が第2しきい電圧以下であることを検知したとき、あるいはハイサイド電圧検知部でハイサイド電圧が第2しきい電圧以下であることを検知したときに、ハイサイドスイッチ素子をオンさせるソフトオン制御を行う。即ち、ハイサイドスイッチ素子をソフトスイッチングによりオンさせる。これにより、回生制御のソフトオン制御において、ハイサイドスイッチ素子をオンさせるに当たり、ハイサイドスイッチ素子におけるスイッチング損失を低減でき、さらにエネルギ効率を高めることができる。
上記課題を解決するための他の態様は、接地側端子及び電源側端子を含む一次コイル、及び、プラズマリアクタを両端に接続する二次コイル、を有するフライバック型昇圧トランスと、上記一次コイルの上記接地側端子と接地電位との間に接続されたローサイドスイッチ素子と、上記一次コイルの上記電源側端子と直流電源の正極端子との間に接続されたハイサイドスイッチ素子と、を備えるプラズマリアクタ用電源装置の制御方法であって、上記直流電源及び上記プラズマリアクタを接続した状態において、上記ハイサイドスイッチ素子と上記ローサイドスイッチ素子とをオンとして、上記直流電源から、上記一次コイルにエネルギをチャージさせるチャージステップと、上記ローサイドスイッチ素子をオフとして、上記二次コイルを介して上記プラズマリアクタに正負交番する交番電圧を印加し、上記プラズマリアクタに正負交番する放電を発生させる交番放電ステップと、上記交番放電ステップにおける上記ローサイドスイッチ素子のオフと同時に、又は上記ローサイドスイッチ素子をオフとした直後の上記一次コイルに上記接地側端子が上記電源側端子よりも高電位となる電圧が発生しているターンオフ許容期間内に、上記ハイサイドスイッチ素子をオフとするハイサイドオフステップと、上記ターンオフ許容期間より後に、上記ハイサイドスイッチ素子をオンとし、上記二次コイル及び上記プラズマリアクタに残留するエネルギの一部を、上記直流電源に回生させる回生ステップと、を繰り返し実行するプラズマリアクタ用電源装置の制御方法である。
上述のプラズマリアクタ用電源装置の制御方法では、プラズマリアクタ用電源装置にフライバック型昇圧トランス、ローサイドスイッチ素子、及び、ハイサイドスイッチ素子を備え、上述のチャージステップ、交番放電ステップ、ハイサイドオフステップ、及び回生ステップを繰り返し実行可能に構成された素子制御部を備えている。このため、この電源装置によって、一次コイルへの一度のエネルギのチャージで、プラズマリアクタにおいて複数回に亘る正負交番放電を生じさせることができる。さらに一部のエネルギを直流電源に回生できるので、エネルギ効率良好にプラズマリアクタ用電源装置を制御することができる。
また上述のプラズマリアクタ用電源装置の制御方法であって、前記プラズマリアクタ用電源装置は、前記一次コイルの前記接地側端子と前記電源側端子とに導通して、上記一次コイルと並列に接続されたスナバコンデンサを備えるプラズマリアクタ用電源装置の制御方法である。
このプラズマリアクタ用電源装置の制御方法では、プラズマリアクタ用電源装置において、一次コイルと並列にスナバコンデンサを設けている。これにより、チャージステップで一次コイルにエネルギをチャージした後の交番放電ステップで、ローサイドスイッチ素子をオフとして二次コイルに高電圧を発生させた際に生じる、サージ電圧を吸収して過電圧を低減し、ローサイドスイッチ素子及びハイサイドスイッチ素子を保護することができる。
さらに、上述のいずれかのプラズマリアクタ用電源装置の制御方法であって、前記プラズマリアクタ用電源装置は、前記接地電位に対する前記一次コイルの前記接地側端子の電圧であるローサイド電圧を検知するローサイド電圧検知部、及び、前記直流電源の前記正極端子に対する前記一次コイルの前記電源側端子の電圧であるハイサイド電圧を検知するハイサイド電圧検知部、の少なくともいずれかを備え、前記回生ステップにおいて前記ハイサイドスイッチ素子をオンとした後の前記チャージステップは、上記ローサイド電圧検知部又は上記ハイサイド電圧検知部によって上記ローサイド電圧が前記直流電源の出力電圧より低い第1しきい電圧以下であることを検知したときに、前記ローサイドスイッチ素子をオンさせるソフトオンステップを含む、プラズマリアクタ用電源装置の制御方法とすると良い。
上述のプラズマリアクタ用電源装置の制御方法では、プラズマリアクタ用電源装置に、さらにローサイド電圧検知部及びハイサイド電圧検知部の少なくともいずれかを備えている。加えて、チャージステップのソフトオンステップでは、ローサイド電圧検知部でローサイド電圧が第1しきい電圧以下であることを検知したとき、あるいはハイサイド電圧検知部で検知したハイサイド電圧を通じてローサイド電圧が第1しきい電圧以下であることを検知したときに、ローサイドスイッチ素子をオンさせる。即ち、ローサイドスイッチ素子をソフトスイッチングによりオンさせる。これにより、チャージステップにおいて、ローサイドスイッチ素子をオンさせるに当たり、ローサイドスイッチ素子におけるスイッチング損失を低減でき、さらにエネルギ効率を高めることができる。
加えて、前述のいずれかのプラズマリアクタ用電源装置の制御方法であって、前記プラズマリアクタ用電源装置は、前記接地電位に対する前記一次コイルの前記接地側端子の電圧であるローサイド電圧を検知するローサイド電圧検知部、及び、前記直流電源の前記正極端子に対する前記一次コイルの前記電源側端子の電圧であるハイサイド電圧を検知するハイサイド電圧検知部、の少なくともいずれかを備え、前記回生ステップは、上記ローサイド電圧検知部又は上記ハイサイド電圧検知部によって上記ハイサイド電圧が前記直流電源の出力電圧より低い第2しきい電圧以下であることを検知したときに、前記ハイサイドスイッチ素子をオンさせるソフトオンステップを含むプラズマリアクタ用電源装置の制御方法とすると良い。
上述のプラズマリアクタ用電源装置の制御方法でも、プラズマリアクタ用電源装置に、さらにローサイド電圧検知部及びハイサイド電圧検知部の少なくともいずれかを備えている。加えて、回生ステップのうちソフトオンステップでは、ローサイド電圧検知部で検知したローサイド電圧を通じてハイサイド電圧が第2しきい電圧以下であることを検知したとき、あるいはハイサイド電圧検知部でハイサイド電圧が第2しきい電圧以下であることを検知したときに、ハイサイドスイッチ素子をオンさせる。即ち、ハイサイドスイッチ素子をソフトスイッチングによりオンさせる。これにより、回生ステップのソフトオンステップにおいて、ハイサイドスイッチ素子をオンさせるに当たり、ハイサイドスイッチ素子におけるスイッチング損失を低減でき、さらにエネルギ効率を高めることができる。
実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置で駆動するプラズマリアクタの概略構成を示す説明図である。 バッテリ及びプラズマリアクタに接続した、実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置の概略回路構成を示す説明図である。 実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置の駆動制御のフローチャートである。 実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置を駆動した場合の各部の動作を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1にプラズマリアクタPRの概略構成を、また、図2に実施形態に係るプラズマリアクタ用電源装置10の概略構成を示す。また、図3にプラズマリアクタ用電源装置10の駆動制御のフローチャートを示す。
<プラズマリアクタの説明>
まず、プラズマリアクタ用電源装置10で駆動するプラズマリアクタPRについて説明する。プラズマリアクタPRは、たとえば、自動車のエンジン(図示しない)から排出される排ガスGSに含まれるPM、CO、HC、NOx等を除去するために、エンジンの排気管EXの途中に介装される。
プラズマリアクタPR(図1参照)は、バッテリBT(バッテリ電圧Vs=12V(公称))に接続されたプラズマリアクタ用電源装置10で駆動される。このプラズマリアクタPRでは、矩形板状の正放電電極Dpが矩形板状の誘電体Dd内に内蔵された正極パネルPNpと、矩形板状の負放電電極Dnが矩形板状の誘電体Dd内に内蔵された負極パネルPNnとを有しており、これらが、間隙GPを介して厚み方向に交互に積層されている。積層された正極パネルPNpと負極パネルPNnとは、間隙GPが排ガスGSの流れに沿う方向(図1において左右方向)に延びる姿勢に配置されている。正放電電極Dp及び負放電電極Dnの材質としては、例えばタングステンが例示できる。また、誘電体Ddの材質としては、アルミナが例示できる。
本実施形態においては、プラズマリアクタPRの正放電電極Dpと負放電電極Dnとの間に、プラズマリアクタ用電源装置10から出力される正負交番しつつ減衰する正弦波状で高電圧の二次コイル出力電圧VL2(図4(j)欄参照)が繰り返し(例えば、周波数が概ね100kHz)印加される。プラズマリアクタ用電源装置10の出力電圧VL2が放電電極Dp,Dn間に印加されると、正極パネルPNpと負極パネルPNnと間に誘電体バリア放電が生じ、この誘電体バリア放電によって間隙GPに低温プラズマが発生する。この低温プラズマの発生により、電極パネルPNp,PNn間を流通する排ガスGSに含まれるPMなどが酸化(燃焼)されて除去されるなど、無害化される。
<プラズマリアクタ用電源装置の説明>
次いで、プラズマリアクタPRを駆動するプラズマリアクタ用電源装置10ついて説明する。このプラズマリアクタ用電源装置10は、フライバック型昇圧トランス1、通電制御用のローサイドスイッチ素子4及びハイサイドスイッチ素子5、スナバコンデンサ6、及び、ローサイドスイッチ素子4及びハイサイドスイッチ素子5のオンオフを制御する素子制御部11を備えている。素子制御部11は、ローサイドスイッチ素子4をオンオフさせるローサイドゲートドライバ12、ハイサイドスイッチ素子5をオンオフさせるハイサイドゲートドライバ13、ローサイド電圧Vldsを検知する電圧検知部14L、及びコントローラ15を有している。
フライバック型昇圧トランス1は、一次コイル2および二次コイル3を有している。一次コイル2の電源側端子2sは、ハイサイドスイッチ素子5を介して電源側端子10bpに接続されている。この電源側端子10bpには、バッテリBTの正極端子BTPが接続される。一方、一次コイル2の接地側端子2eは、ローサイドスイッチ素子4を介して、接地電位GNDに接続(接地)されている。二次コイル3のうち図2において上側の一端は正極端子3pとされ、プラズマリアクタPRの正放電電極Dpに接続される。一方、二次コイル3の他端は負極端子3nとされ、プラズマリアクタPRの負放電電極Dnに接続される。
なお、本実施形態では、一次コイル2に生じる一次コイル電圧VL1は、接地側端子2eを基準として電源側端子2sが高電位となるとき正の値をとり、その逆のときに負の値をとるものとする。また、一次コイル2に流れる一次コイル電流IL1は、電源側端子2sから接地側端子2eに向けて流れるときに正の値をとり、その逆向きに流れるときに負の値をとるものとする。さらに、二次コイル3に生じる二次コイル出力電圧VL2は、負極端子3nを基準として正極端子3pが高電位となるとき正の値をとり、その逆のときに負の値をとるものとする。
ローサイドスイッチ素子4は、本実施形態では図2に示すように、たとえば、エンハンスメント型のnMOSFETであり、そのドレイン端子Dが一次コイル2の接地側端子2eに接続され、ソース端子Sが接地電位GNDに接続されている。一方、ゲート端子Gは、ローサイドゲートドライバ12に接続しており、このローサイドゲートドライバ12からのゲートドライブ信号Slgによりローサイドスイッチ素子4のオンオフが切り替わる。なお、このローサイドスイッチ素子4は、ドレイン-ソース間に寄生ダイオードを有している。
一方、ハイサイドスイッチ素子5は、本実施形態では図2に示すように、たとえば、エンハンスメント型のnMOSFETであり、そのドレイン端子Dが一次コイル2の電源側端子2sに接続され、ソース端子Sが電源側端子10bpを通じてバッテリBTの正極端子BTPに接続される。一方、ゲート端子Gは、ハイサイドゲートドライバ13に接続しており、このハイサイドゲートドライバ13からのゲートドライブ信号Shgによりハイサイドスイッチ素子5のオンオフが切り替わる。なお、このハイサイドスイッチ素子5も、ドレイン-ソース間に寄生ダイオードを有している。
スナバコンデンサ6は、一次コイル2の接地側端子2eと電源側端子2sとに導通して、一次コイル2と並列に接続されている。なお、スナバコンデンサ6は、直列又は並列に接続された複数のコンデンサによって構成してもよい。
素子制御部11は、前述したように、ローサイドゲートドライバ12、ハイサイドゲートドライバ13、電圧検知部14L、及びコントローラ15を有する。ローサイドゲートドライバ12は、コントローラ15の指示により、ゲートドライブ信号Slgを送出してローサイドスイッチ素子4のオンオフを切り替える。また、ハイサイドゲートドライバ13は、コントローラ15の指示により、ゲートドライブ信号Shgを送出してローサイドスイッチ素子4のオンオフを切り替える。電圧検知部14Lは、ローサイドスイッチ素子4のドレイン-ソース間に生じるローサイド電圧Vldsを検知し、その値をコントローラ15に送出する。
なお、次述するコントローラ15では、検知したローサイド電圧Vldsから、このローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1以下(ボトム、例えば20V以下)となったか否かを示す、ローサイド電圧ボトム検知信号Sbdを生成する(図4(f)欄参照)。この第1しきい電圧Vth1は、バッテリ電圧Vsよりも低い、予め定めた値に設定する。また、後述する、ハイサイド電圧Vhdsと比較する第2しきい電圧Vth2は、バッテリ電圧Vsよりも低い、予め定めた値に設定される。
コントローラ15は、図示しないCPU、ROM、RAM、論理回路からなり、予め記憶された所定のプログラムに従って作動する。このコントローラ15は、プラズマリアクタPRを駆動するにあたり、チャージ制御部16、交番放電制御部17、ハイサイドオフ制御部18、回生制御部19として機能し、これらの制御を実行可能とされている。
<プラズマリアクタ用電源装置の制御>
プラズマリアクタPRを作動させるためのプラズマリアクタ用電源装置10の制御について、図3のフローチャート及び図4のタイミングチャートを用いて説明する。本実施形態では、このプラズマリアクタ用電源装置10の制御により、プラズマリアクタPRには、正負パルス波状の高電圧(図4(i)欄参照)が繰り返し(例えば、100kHzの周波数で)印加され、プラズマリアクタPRに正負の誘電体バリア放電が繰り返し生じる。
先ず前提として、時刻T1よりも前(後述する時刻T3)に、予めコントローラ15によりハイサイドゲートドライバ13のゲートドライブ信号Shgがハイレベルとされ、ハイサイドスイッチ素子5をオンとした状態を考える(図4(a)欄参照)。これにより、ハイサイド電圧Vhdsは、ほぼ0とされる。但しこの時点では、ローサイドスイッチ素子4がオフにされているので、一次コイル2には通電されない。
その後、チャージステップS1(図3参照)において、素子制御部11のコントローラ15をチャージ制御部16として機能させる。即ち、時刻T1において、コントローラ15によりローサイドゲートドライバ12のゲートドライブ信号Slgをハイレベルとさせ、ローサイドスイッチ素子4をオンさせる(図4(b)欄参照)。すると、バッテリBTから、ハイサイドスイッチ素子5、フライバック型昇圧トランス1の一次コイル2、ローサイドスイッチ素子4を通じて、接地電位GNDに向けて、一次コイル電流IL1が流れる(図4(c)欄参照)。なお、一次コイル2のインダクタンスにより、一次コイル電流IL1としては、時間と共に増加する三角波パターンの正の電流となる。そしてこれにより一次コイル2にエネルギがチャージ(蓄積)される。
次いで、ローサイドスイッチ素子4をオンした時刻T1から所定の時間が経過したら(時刻T2)、交番放電ステップS2(図3参照)において、コントローラ15を交番放電制御部17として機能させる。即ち、コントローラ15によりローサイドゲートドライバ12のゲートドライブ信号Slgをローレベルにさせ、ローサイドスイッチ素子4を強制的にオフとする(図4(b)欄参照)。時刻T2にローサイドスイッチ素子4がオフされると、一次コイル電流IL1が流れ得なくなる。このため、一次コイル2は、時刻T2の直後に、電源側端子2sよりも接地側端子2eが高電位となる負の高電圧VL1を発生する(図4(f)欄参照)。このため、ローサイドスイッチ素子4のドレイン-ソース間に掛かるローサイド電圧Vldsは、正の大きな波形となる(図4(e)欄参照)。
なお、スナバコンデンサ6は、ローサイドスイッチ素子4をオフとした時刻T2の後に、一次コイル2に発生するサージ電圧を吸収して過電圧を低減し、ローサイドスイッチ素子及びハイサイドスイッチ素子を保護している。
そして時刻T2の後、一次コイル2に蓄積されているエネルギが開放されて、フライバック型昇圧トランス1の二次コイル3に、二次コイル出力電圧VL2がパルス的に発生する(図4(j)欄参照)。
これにより、二次コイル3に接続されているプラズマリアクタPRには、正放電電極Dp側を正電位とする誘電体バリア放電(正極放電)が発生する。さらに、容量性のプラズマリアクタPRと二次コイル3との共振、及び一次コイル2とスナバコンデンサ6との共振により、図4(j)欄に示すように、時刻T2以降、二次コイル3には、二次コイル出力電圧VL2として、減衰しながらも、正負が交番する交番電圧が発生する。これにより、プラズマリアクタPRでは、正放電電極Dp側を正電位とする正極放電と、これとは逆に正放電電極Dp側を負電位とする負極放電とが交番して発生する。なお、本実施形態においては、時刻T1から時刻T2までにおける一次コイル2への一度のチャージで、時刻T2から次回の時刻T1までに、二次コイル出力電圧VL2が正側に4回、負側に3回振れる波形のパルスが発生する例を示している。
また、交番放電ステップS2の開始と同時に、ハイサイドオフステップS3も実行し、コントローラ15を、ハイサイドオフ制御部18として機能させる(図2参照)。即ち、本実施形態では、図4(a),(b)欄に示すように、時刻T2にローサイドスイッチ素子4を強制的にオフしたのと同時に、ハイサイドスイッチ素子5もオフとする。
時刻T2において、ハイサイド電圧Vhdsは、0Vとなっている。即ち、ハイサイドスイッチ素子5のドレイン-ソース間には、電圧が掛かっていない(図4(d)欄参照)。このため、ハイサイドスイッチ素子5のターンオフは、いわゆるソフトスイッチングとなっており、ハイサイドスイッチ素子5において大きな損失が生じないでターンオフさせることができている。
なお、図4(d)欄から理解できるように、時刻T2から始まるターンオフ許容期間P5においては、電源側端子2sよりも接地側端子2eが高電位となる負の高い一次コイル電圧VL1が発生しているか、一次コイル電流IL1が流れていないので、ハイサイド電圧Vhdsはほぼ0となる。従って、交番放電ステップS2の開始の後に、ハイサイドオフステップS3を実行することもできる。即ち、時刻T2に続くこのターンオフ許容期間P5の期間中に、ハイサイドスイッチ素子5をターンオフさせることもできる。
次いで、回生ステップS4(図3参照)において、コントローラ15を時刻T2におけるローサイドスイッチ素子4のオフから概ね所定の期間が経過したら(時刻T3)、ハイサイドスイッチ素子5をオンとする。これにより、ターンオフ許容期間P5の経過後にも、プラズマリアクタPRに正負交番する放電が発生する期間を確保する。その上で、二次コイル3とプラズマリアクタPRに、さらには、一次コイル2とスナバコンデンサ6に、なおも残留しているエネルギの一部を、バッテリBTに回生させる。
具体的には、コントローラ15内において生成する、ハイサイドスイッチオン禁止信号Shoi(図4(i)欄参照)を、時刻T2から所定のターンオン禁止期間P3(例えば本実施形態では、時刻T2以降、ローサイド電圧Vldsが正側に2回振れた後で3回振れる前までの期間)に亘って生成し、この期間P3においては、ハイサイドスイッチ素子5がターンオンするのを禁止する。これにより、少なくともターンオン禁止期間P3においては、プラズマリアクタPRにおいて、正負交番する放電を発生させることができる。
一方、ターンオン禁止期間P3の経過後から次回の時刻T2までの、ターンオン許容期間P4では、ハイサイドスイッチ素子5のターンオンを許容する。そこで、本実施形態では、ターンオン禁止期間P3を経過しターンオン許容期間P4が開始した後の時刻T3において、コントローラ15によりハイサイドゲートドライバ13のゲートドライブ信号Shgをハイレベルとして、ハイサイドスイッチ素子5をオンとする(図4(a)欄参照)。
これにより、図4(c)(d)(f)欄に示すように、時刻T3の後で次回の時刻T1よりも前の期間のうち、一次コイル電圧VL1として(バッテリ電圧Vsよりも高い)正電圧が発生して、ハイサイド電圧Vhdsが正の値となるはずの時刻T4~T5の期間に、負の一次コイル電流IL1がバッテリBTに向けて流れている。このようにしてバッテリBTに向けてエネルギを回生することができ、プラズマリアクタ用電源装置10のエネルギ効率をさらに良好とすることができる。また、このようにして一次コイル2等に残留しているエネルギを十分減少させることで、残留エネルギによって発生する一次コイル電圧VL1の振動を抑制し、次回の時刻T1~T2における一次コイル2へのエネルギチャージをスムーズに行い得る利点もある。
なお、図4(j)欄に示すように、回生により、時刻T4~T5に発生する二次コイル出力電圧VL2も、ごく小さくなっている。
しかも本実施形態では、回生ステップS4(図3参照)には、コントローラ15をソフトオン制御部19sとして機能させるソフトオンステップS4sを含んでいる。具体的には、時刻T3として、ターンオン禁止期間P3の経過後、電圧検知部14Lでローサイド電圧Vldsを検知して得たローサイド電圧ボトム検知信号Sbd(図4(g)欄参照)が、ハイレベルからローレベルに変化したタイミングを用いている。なお、このローサイド電圧ボトム検知信号Sbdは、ローサイド電圧Vldsが、バッテリ電圧Vsよりも低い第1しきい電圧Vth1以下であることを検知すると、ハイレベルとされる信号である。
このようにしているのは、図2及び図4(d),(e)欄から理解できるように、ローサイドスイッチ素子4及びハイサイドスイッチ素子5のいずれもがオフとされている時刻T2から時刻T3までの期間(図4(a)(b)欄参照)においては、ローサイドスイッチ素子4のうち、ソース端子Sの電位はそもそも接地電位GNDに固定されている一方、ドレイン端子Dの電位は接地電位GNDから切り離された状態となっている。同様に、ハイサイドスイッチ素子5のうち、ソース端子Sの電位はそもそもバッテリBTの正極端子BTPの電位(例えば+12V)に固定されている一方、ドレイン端子Dの電位は正極端子BTPの電位から切り離された状態となっている。その中で、一次コイル2には、前述のように、正負に交番する一次コイル電圧VL1(図4(f)欄参照)が生じている。このため、正のローサイド電圧Vldsが発生する期間と、正のハイサイド電圧Vhdsが発生する期間とは、逆の期間となる。
従って、本実施形態では、ローサイド電圧ボトム検知信号Sbd(図4(g)欄参照)がハイレベルである場合は、ローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1以下であることを示すほか、間接的に、ハイサイド電圧Vhdsがバッテリ電圧Vsよりも低い第2しきい電圧Vth2よりも大きな正の値となっていることを示している。逆に、この信号Sbdがローレベルである場合は、ローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1よりも大きな正の値となっていることを示すほか、間接的に、ハイサイド電圧Vhdsが第2しきい電圧Vth2以下であることを示している。このため、信号Sbdが、ハイレベルからローレベルに変化するタイミング(例えば時刻T3)は、ハイサイド電圧Vhdsが、第2しきい電圧Vth2よりも大きな正の値から第2しきい電圧Vth2以下の値になったことをも示している。
そして、時刻T3は、ターンオン禁止期間P3の経過後のうち、振動する一次コイル電圧VL1が正から負の値に変化するために、ハイサイドスイッチ素子5のドレイン-ソース間に掛かるハイサイド電圧Vhdsが、正の値から第2しきい電圧Vth2以下のほぼ0になるタイミングである。即ち、ハイサイドスイッチ素子5のドレイン-ソース間には、電圧が掛かっていない(図4(d)欄参照)。このため、時刻T3におけるハイサイドスイッチ素子5のターンオンは、いわゆるソフトスイッチングとなっており、このハイサイドスイッチ素子5において大きな損失が生じさせないでターンオンさせることができる。
このように、素子制御部11のコントローラ15は、電圧検知部14Lによって間接的に検知したハイサイド電圧Vhdsが第2しきい電圧Vth2以下であることを検知した時刻T3に、ハイサイドスイッチ素子5をオンさせるソフトオン制御をも実行可能に構成されている。これにより、ハイサイドスイッチ素子5をオンさせるに当たり、ハイサイドスイッチ素子5におけるスイッチング損失を低減でき、さらにエネルギ効率を高めることができる。
また、回生ステップS4のうちソフトオンステップS4sでは、電圧検知部14Lによって間接的にハイサイド電圧Vhdsが第2しきい電圧Vth2以下であることを検知したときに、ハイサイドスイッチ素子5をオンさせる。即ち、ハイサイドスイッチ素子5をソフトスイッチングによりオンさせる。これにより、回生ステップS4のソフトオンステップS4sにおいて、ハイサイドスイッチ素子5をオンさせるに当たり、ハイサイドスイッチ素子5におけるスイッチング損失を低減でき、さらにエネルギ効率を高めることができる。
なお本実施形態では、図4に示すように、時刻T3として、電圧検知部14Lにおけるローサイド電圧ボトム検知信号Sbdが、ハイレベルからローレベルに変化したタイミングを用いた。
しかし例えば、ターンオン許容期間P4の期間のうち、ローサイド電圧ボトム検知信号Sbdが、ハイレベルからローレベルに変化してから1μs間に亘りローレベルが継続した後など、ターンオン許容期間P4の期間のうち、電圧検知部14Lによって間接的に検知したハイサイド電圧Vhdsが第2しきい電圧Vth2以下であることを検知している期間(即ち、ローサイド電圧ボトム検知信号Sbdがローレベルである期間)の中から選んだ適宜のタイミングを、時刻T3として、ハイサイドスイッチ素子5をターンオンさせるソフトオン制御を実行しても良い。
時刻T3にハイサイドスイッチ素子5をターンオンさせた後は、次回の時刻T1以降において、チャージステップS1から回生ステップS4を繰り返す。
なお、回生ステップS4を行った後に再びチャージステップS1を行うに当たっては、前回ローサイドスイッチ素子4をオンさせた時刻T1から、周期確保期間P1が経過した後の、ターンオン許容期間P2内に、ローサイドスイッチ素子4をオンとして一次コイル2に電流IL1を流し、エネルギのチャージを開始する。
具体的には、コントローラ15内において生成する、ローサイドスイッチオン許可信号Slop(図4(h)欄参照)において、前回の時刻T1から所定の周期確保期間P1(本実施形態では、例えば50μs)が経過した後に、これに続いてローサイドスイッチ素子4のターンオンを許容するターンオン許容期間P2(本実施形態では、例えば10μs)を設ける。そして、ターンオン許容期間P2内の時刻T1において、コントローラ15によりローサイドゲートドライバ12のゲートドライブ信号Slgをハイレベルとして、ローサイドスイッチ素子4をターンオンする(図4(b)欄参照)。このようにすることで、プラズマリアクタPR(図4(j)欄参照)において、複数回の正負交番放電(時刻T2以降、正放電3回、負放電2回の合計5回)が間欠的に生じる周期の長さを所定の範囲(P1+P2、本実施形態では、概ね50~60μs)とすることができる。
しかも、本実施形態においては、チャージステップS1(図3参照)には、コントローラ15をソフトオン制御部16sとして機能させるソフトオンステップS1sも含んでいる。即ち、ターンオン許容期間P2の期間のうち、ローサイド電圧ボトム検知信号Sbdが、ローレベルからハイレベルに変化したタイミング(時刻T1)にローサイドスイッチ素子4をターンオンさせる(図4(b)欄参照)。
この時刻T1は、ターンオン許容期間P2の期間のうち、振動する一次コイル電圧VL1(図4(f)欄参照)が負から正の値に変化するために、ローサイドスイッチ素子4のドレイン-ソース間に掛かるローサイド電圧Vldsが、正の値から第1しきい電圧Vth1以下のほぼ0になるタイミングである。即ち、ローサイドスイッチ素子4のドレイン-ソース間には、大きな電圧が掛かっていない(図4(e)欄参照)。このため、ローサイドスイッチ素子4のターンオンに際して、いわゆるソフトスイッチングとなっており、このローサイドスイッチ素子4において大きな損失が生じさせないでターンオンさせることができる。
このように、素子制御部11のコントローラ15は、電圧検知部14Lによって検知したローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1以下であることを検知した時刻T1に、ローサイドスイッチ素子4をオンさせるソフトオン制御をも実行可能に構成されている。これにより、ローサイドスイッチ素子4をオンさせるに当たり、ローサイドスイッチ素子4におけるスイッチング損失を低減でき、さらにエネルギ効率を高めることができる。
また、チャージステップS1のソフトオンステップS1sでは、電圧検知部14Lでローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1以下であることを検知したときに、ローサイドスイッチ素子4をオンさせる。即ち、ローサイドスイッチ素子4をソフトスイッチングによりオンさせる。これにより、チャージステップS1において、ローサイドスイッチ素子4をオンさせるに当たり、ローサイドスイッチ素子4におけるスイッチング損失を低減でき、さらにエネルギ効率を高めることができる。
なお本実施形態では、時刻T1として、電圧検知部14Lにおけるローサイド電圧ボトム検知信号Sbdが、ローレベルからハイレベルに変化したタイミングを用いた。
しかし例えば、ターンオン許容期間P2の期間のうち、ローサイド電圧ボトム検知信号Sbdが、ローレベルからハイレベルに変化してから1μs間に亘りハイレベルが継続した後など、ターンオン許容期間P2の期間のうち、電圧検知部14Lによって検知したローサイド電圧Vldsが第1しきい電圧Vth1以下であることを検知している期間(即ち、ローサイド電圧ボトム検知信号Sbdがハイレベルである期間)の中から選んだ適宜のタイミングを、時刻T1として、ローサイドスイッチ素子4をターンオンさせるソフトオン制御を実行しても良い。
以上で説明したように、本実施形態のプラズマリアクタ用電源装置10では、フライバック型昇圧トランス1、ローサイドスイッチ素子4、及び、ハイサイドスイッチ素子5に加え、上述のチャージ制御、交番放電制御、ハイサイドオフ制御、及び回生制御を繰り返し実行可能に構成された素子制御部11を備えている。このため、一次コイル2への一度のエネルギのチャージで、プラズマリアクタPRにおいて複数回に亘る正負交番放電を生じさせることができる。さらに一部のエネルギをバッテリBTに回生することができるので、エネルギ効率の良好なプラズマリアクタ用電源装置10とすることができる。
また、この電源装置10によって、一次コイル2への一度のエネルギのチャージで、プラズマリアクタPRにおいて複数回に亘る正負交番放電を生じさせることができる。さらに一部のエネルギをバッテリに回生することができるので、エネルギ効率良好にプラズマリアクタ用電源装置を制御することができる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態においては、ローサイド電圧Vldsを検知する電圧検知部14Lを用いた。しかし、図2において破線で示すように、ハイサイド電圧Vhdsを検知する電圧検知部14Hを用いて、実施形態とは逆にハイサイド電圧ボトム検知信号を得るなど、ハイサイド電圧Vhdsと第2しきい電圧Vth2との大小を検知すると共に、これを用いて、間接的に、ローサイド電圧Vldsと第1しきい電圧Vth1との大小を検知するようにしてもよい。また、電圧検知部14Lと電圧検知部14Hの両者を用い、電圧検知部14Lによって、実施形態と同様にローサイド電圧ボトム検知信号Sbdを得るなど、ローサイド電圧Vldsと第1しきい電圧Vth1との大小を検知する一方、電圧検知部14Hによって、ハイサイド電圧ボトム検知信号を得るなど、ハイサイド電圧Vhdsと第2しきい電圧Vth2との大小を検知するようにしても良い。
PR プラズマリアクタ
GND 接地電位
BT バッテリ(直流電源)
Vs バッテリ電圧(直流電源の出力電圧)
BTP (バッテリの)正極端子
10 プラズマリアクタ用電源装置
1 フライバック型昇圧トランス
2 (フライバック型昇圧トランスの)一次コイル
2e (一次コイルの)接地側端子
2s (一次コイルの)電源側端子
3 (フライバック型昇圧トランスの)二次コイル
3p (二次コイルの)正極端子
3n (二次コイルの)負極端子
VL2 二次コイル出力電圧
4 ローサイドスイッチ素子
Vlds ローサイド電圧
5 ハイサイドスイッチ素子
Vhds ハイサイド電圧
6 スナバコンデンサ
11 素子制御部
14L 電圧検知部(ローサイド電圧検知部)
14H 電圧検知部(ハイサイド電圧検知部)
Sbd ローサイド電圧ボトム検知信号
15 コントローラ
16 チャージ制御部
16S ソフトオン制御部
Vth1 第1しきい電圧
17 交番放電制御部
18 ハイサイドオフ制御部
19 回生制御部
19S ソフトオン制御部
Vth2 第2しきい電圧
S1 チャージステップ
S1s ソフトオンステップ
S2 交番放電ステップ
S3 ハイサイドオフステップ
S4 回生ステップ
S4s ソフトオンステップ
P5 ターンオフ許容期間
T1~T5 時刻

Claims (8)

  1. 接地側端子及び電源側端子を含む一次コイル、及び、
    プラズマリアクタを両端に接続する二次コイル、を有する
    フライバック型昇圧トランスと、
    上記一次コイルの上記接地側端子と接地電位との間に接続されたローサイドスイッチ素子と、
    上記一次コイルの上記電源側端子と直流電源の正極端子との間に接続されたハイサイドスイッチ素子と、
    上記ローサイドスイッチ素子及び上記ハイサイドスイッチ素子のオンオフを制御する素子制御部と、を備える
    プラズマリアクタ用電源装置であって、
    上記素子制御部は、
    上記直流電源及び上記プラズマリアクタを接続した状態において、
    上記ハイサイドスイッチ素子と上記ローサイドスイッチ素子とをオンとして、上記直流電源から、上記一次コイルにエネルギをチャージさせるチャージ制御と、
    上記ローサイドスイッチ素子をオフとして、上記二次コイルを介して上記プラズマリアクタに正負交番する交番電圧を印加し、上記プラズマリアクタに正負交番する放電を発生させる交番放電制御と、
    上記交番放電制御における上記ローサイドスイッチ素子のオフと同時に、又は上記ローサイドスイッチ素子をオフとした直後の上記一次コイルに上記接地側端子が上記電源側端子よりも高電位となる電圧が発生しているターンオフ許容期間内に、上記ハイサイドスイッチ素子をオフとするハイサイドオフ制御と、
    上記ターンオフ許容期間より後に、上記ハイサイドスイッチ素子をオンとし、上記二次コイル及び上記プラズマリアクタに残留するエネルギの一部を、上記直流電源に回生させる回生制御と、
    を繰り返し実行可能に構成されてなる
    プラズマリアクタ用電源装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、
    前記一次コイルの前記接地側端子と前記電源側端子とに導通して、上記一次コイルと並列に接続されたスナバコンデンサを備える
    プラズマリアクタ用電源装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、
    前記接地電位に対する前記一次コイルの前記接地側端子の電圧であるローサイド電圧を検知するローサイド電圧検知部、及び、
    前記直流電源の前記正極端子に対する前記一次コイルの前記電源側端子の電圧であるハイサイド電圧を検知するハイサイド電圧検知部、の少なくともいずれかを備え、
    前記素子制御部は、
    前記回生制御において前記ハイサイドスイッチ素子をオンとした後の前記チャージ制御において、
    上記ローサイド電圧検知部又は上記ハイサイド電圧検知部によって上記ローサイド電圧が前記直流電源の出力電圧より低い第1しきい電圧以下であることを検知したときに、前記ローサイドスイッチ素子をオンさせるソフトオン制御を、
    実行可能に構成されてなる
    プラズマリアクタ用電源装置。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のプラズマリアクタ用電源装置であって、
    前記接地電位に対する前記一次コイルの前記接地側端子の電圧であるローサイド電圧を検知するローサイド電圧検知部、及び、
    前記直流電源の前記正極端子に対する前記一次コイルの前記電源側端子の電圧であるハイサイド電圧を検知するハイサイド電圧検知部、の少なくともいずれかを備え、
    前記素子制御部は、
    前記回生制御において、上記ローサイド電圧検知部又は上記ハイサイド電圧検知部によって上記ハイサイド電圧が前記直流電源の出力電圧より低い第2しきい電圧以下であることを検知したときに、前記ハイサイドスイッチ素子をオンさせるソフトオン制御を、
    実行可能に構成されてなる
    プラズマリアクタ用電源装置。
  5. 接地側端子及び電源側端子を含む一次コイル、及び、
    プラズマリアクタを両端に接続する二次コイル、を有する
    フライバック型昇圧トランスと、
    上記一次コイルの上記接地側端子と接地電位との間に接続されたローサイドスイッチ素子と、
    上記一次コイルの上記電源側端子と直流電源の正極端子との間に接続されたハイサイドスイッチ素子と、を備える
    プラズマリアクタ用電源装置の制御方法であって、
    上記直流電源及び上記プラズマリアクタを接続した状態において、
    上記ハイサイドスイッチ素子と上記ローサイドスイッチ素子とをオンとして、上記直流電源から、上記一次コイルにエネルギをチャージさせるチャージステップと、
    上記ローサイドスイッチ素子をオフとして、上記二次コイルを介して上記プラズマリアクタに正負交番する交番電圧を印加し、上記プラズマリアクタに正負交番する放電を発生させる交番放電ステップと、
    上記交番放電ステップにおける上記ローサイドスイッチ素子のオフと同時に、又は上記ローサイドスイッチ素子をオフとした直後の上記一次コイルに上記接地側端子が上記電源側端子よりも高電位となる電圧が発生しているターンオフ許容期間内に、上記ハイサイドスイッチ素子をオフとするハイサイドオフステップと、
    上記ターンオフ許容期間より後に、上記ハイサイドスイッチ素子をオンとし、上記二次コイル及び上記プラズマリアクタに残留するエネルギの一部を、上記直流電源に回生させる回生ステップと、
    を繰り返し実行する
    プラズマリアクタ用電源装置の制御方法。
  6. 請求項5に記載のプラズマリアクタ用電源装置の制御方法であって、
    前記プラズマリアクタ用電源装置は、
    前記一次コイルの前記接地側端子と前記電源側端子とに導通して、上記一次コイルと並列に接続されたスナバコンデンサを備える
    プラズマリアクタ用電源装置の制御方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載のプラズマリアクタ用電源装置の制御方法であって、
    前記プラズマリアクタ用電源装置は、
    前記接地電位に対する前記一次コイルの前記接地側端子の電圧であるローサイド電圧を検知するローサイド電圧検知部、及び、
    前記直流電源の前記正極端子に対する前記一次コイルの前記電源側端子の電圧であるハイサイド電圧を検知するハイサイド電圧検知部、の少なくともいずれかを備え、
    前記回生ステップにおいて前記ハイサイドスイッチ素子をオンとした後の前記チャージステップは、
    上記ローサイド電圧検知部又は上記ハイサイド電圧検知部によって上記ローサイド電圧が前記直流電源の出力電圧より低い第1しきい電圧以下であることを検知したときに、前記ローサイドスイッチ素子をオンさせるソフトオンステップを含む、
    プラズマリアクタ用電源装置の制御方法。
  8. 請求項5~請求項7のいずれか1項に記載のプラズマリアクタ用電源装置の制御方法であって、
    前記プラズマリアクタ用電源装置は、
    前記接地電位に対する前記一次コイルの前記接地側端子の電圧であるローサイド電圧を検知するローサイド電圧検知部、及び、
    前記直流電源の前記正極端子に対する前記一次コイルの前記電源側端子の電圧であるハイサイド電圧を検知するハイサイド電圧検知部、の少なくともいずれかを備え、
    前記回生ステップは、
    上記ローサイド電圧検知部又は上記ハイサイド電圧検知部によって上記ハイサイド電圧が前記直流電源の出力電圧より低い第2しきい電圧以下であることを検知したときに、前記ハイサイドスイッチ素子をオンさせるソフトオンステップを含む
    プラズマリアクタ用電源装置の制御方法。
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