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JP7362673B2 - ラベル付き樹脂成形品、ラベル付き樹脂成形品の製造方法、及びラベル - Google Patents
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ラベル付き樹脂成形品、ラベル付き樹脂成形品の製造方法、及びラベル Download PDF

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Description

本発明は、ラベルが貼着されたボトル型容器などの樹脂成形品やその製造方法に関する。また、本発明は、樹脂成形品の表面に貼着する用途で用いられるラベルに関する。
従来から、金型内に予めラベルをインサートしておき、その金型内で射出成形、中空成形、差圧成形、又は発泡成形等によって容器等の樹脂成形品を成形することにより、ラベルと樹脂成形品とを一体化する技術が知られている。このようなラベル付き樹脂成形品の成形方法は、インモールド成形と呼ばれる。
また、近年、プラスチック容器の回収利用の観点から、インモールド成形によってラベルが貼着されたプラスチック容器から、ラベルを簡単に分離したいという要望がある。このような要望に応えるために、インモールド成形用のラベル内に界面剥離や層間剥離が可能な層を設けることが提案されている。例えば、インモールド成形用ラベルのうちの樹脂成形品との貼着層に、高密度ポリエチレンなどからなるヒートシール層を設けることが知られている。この種のラベルは、樹脂成形品の素材がヒートシール層と同じポリエチレン樹脂である場合は、成形品と強固な接着力が得られる。また、ヒートシール層の代わりに、樹脂成形品との貼着層に、表面が開口した多孔質層を設けたインモールド成形用ラベルも知られている(特許文献1)。このような多孔質層を含むインモールド成形用ラベルは、成形時の圧力で樹脂が多孔質層表面の開口部に入り込む投錨効果を発揮するため、樹脂成形品の素材を問わずにラベルと樹脂成形品との接着を強固にすることができ、また樹脂成形品からラベルを容易に分離することも可能である。
さらに、樹脂成形品との貼着面に多孔質層を含むインモールド成形用ラベルに関して、このラベルの多孔質層に印刷情報を予め付与する技術も提案されている(特許文献2)。すなわち、樹脂成形品からラベルを剥離した際に、樹脂成形品とラベルの両方の剥離面(露出面)に印刷情報を出現させることができれば、この情報を様々な用途に利用することができ有用である。例えば、その印刷情報からラベルが剥離された樹脂成形品を特定して、その樹脂成形品の再利用や偽造を防止することができる。また、ラベルを剥離した後の樹脂成形品の剥離面に出現する印刷情報を利用すれば、消費者に対して注意事項や商品情報等を伝えることができる。さらに、剥離したラベルをクーポン券等として二次利用することも可能である。
特開2012-215799号公報 国際公開公報WO/2017/188298号パンフレット
ところで、特許文献1に記載のインモールド成形用ラベルは、主に無色のインキ組成物をラベルの多孔質層に充填しておくことで、樹脂成形品からラベルを剥離した際に樹脂成形品とラベルの両方の剥離面に印刷情報を出現させることとしている。しかしながら、その印刷情報は、ラベルが樹脂成形品に貼着した状態では外観から視認することができず、ラベルを剥離して初めて視認可能になる。このような制約が有利に働く場合もあるが、ラベルに印刷情報を付与するのであれば樹脂成形品に貼着された状態でもその印刷情報を確認したいという要望もある。例えば、ラベルに付与された印刷情報によって消費者に対して注意事項や商品情報等を伝える必要がある場合、その印刷情報はラベルを剥離する前から視認できることが好ましい。また、例えば、樹脂成形品の偽造防止を想定した場合、樹脂成形品に貼着された状態のラベル表面、ラベルを剥離した後の樹脂成形品の剥離面、及びラベル自体の剥離面の合計3箇所に、それぞれ同一又は対応する印刷情報が付与されていれば、偽造防止効果を更に高めることができる。
また、特許文献1に記載のインモールド成形用ラベルでは、印刷情報を付与するために、無色のインキ組成物をラベルの多孔質層に充填するという特殊な処理が必要であるため、印刷加工コストがかかったり、印刷加工処理を行うための特殊な機材が必要になるという課題もある。特に、通常のラベルは、その表側に商品情報等を有色のインキで印刷する必要があるが、その裏面側に相当する多孔質層にも無色インキで別の印刷情報を付与することとすると、一枚のラベルに異なるインキを用いて両面印刷を行うことが必要になるため、印刷工数が増えてコスト増加に繋がるという問題があった。
そこで、本発明は、ラベル付きの樹脂成形品において、インキを使用せずにラベルに情報を付与することができ、またラベルが貼着した状態でもその情報を外観から視認することのできる樹脂成形品を提供することを目的の一つとする。
本発明の発明者らは、上記従来発明の課題の解決手段について鋭意検討した結果、多孔質基層と接着層を含むラベルに対して、その断面空隙率を部分的に減少させる前処理を行った後に、そのラベルをインモールド成形によって樹脂成形品と一体化させることにより、その前処理を行った部分の表面粗さがその他の部分よりも滑らかになることを見出した。上記の現象を利用すれば、ラベルの前処理を行った部分とその他の部分の表面粗さの差を利用して、そのラベルに外観から視認可能な情報を付与することが可能になる。そして、発明者らは、上記知見に基づけば従来発明の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。以下、本発明の構成及び工程について詳しく説明する。
本発明の第1の側面は、ラベル10が貼着された樹脂成形品20に関する。本発明において、ラベル10は、多孔質基層(A)と、樹脂成形品20の表面に貼着された接着層(B)とを含む層が積層されてなる多層構造で構成されている。樹脂成形品20に貼着された状態のラベル10には、表面粗さが比較的粗い粗面部11と、表面粗さが比較的滑らかな所定パターン12aの滑面部12とが形成されている。そして、粗面部11におけるラベル10の断面空隙率を100%として場合に、滑面部12におけるラベル10の断面空隙率は0~93%となっている。
例えばラベル10に対して所定パターンでホットプレス処理などの前処理を行うことで、ラベル10の断面空隙率を低下させることができ、その空隙率の低下させた部分が表面粗さの比較的滑らかな滑面部12となる。他方で、ラベル10の断面空隙率が高い部分は、そこに内包される微細な空隙の影響により表面粗さの粗い粗面部11となる。これら粗面部11と滑面部12の表面粗さの差を利用することで、インキを使用しなくてもラベル10表面上に所定パターンの情報を付与することができる。さらに、滑面部12は、その内部に微細な空隙が存在しないか、もしくは存在していても粗面部11よりもサイズ又は数が減少している。このように、滑面部12は粗面部11と少なくとも多孔質基層(A)の物理的な構造が異なる部分であるため、この滑面部12によって表されるパターンはラベル10の表面側から視認可能である。従って、ラベル10が樹脂成形品20に貼着したままの状態であっても、その滑面部12のパターンを外観から視認することができる。特に、滑面部12におけるラベル10の断面空隙率を粗面部11に対して0~93%とすることにより、滑面部12のパターンが容易に視認可能な程度に顕著なものとなる。
本発明に係るラベル付き樹脂成形品は、粗面部11の表面粗さ(具体的には十点平均粗さ)をRzとし、滑面部12の表面粗さをRzとした場合に、Rzが25μm以上であり、かつ、Rz/Rzが0.6未満であることが好ましい。この条件を満たすことにより、粗面部11と滑面部12との差が特にはっきりと表れるようになり、滑面部12のパターンによって表現された情報が読み取りやすくなる。
本発明に係るラベル付き樹脂成形品において、滑面部12は、ラベル10を樹脂成形品に貼着する前にその表面側又は裏面側から加熱及び加圧することにより形成されたものであることが好ましい。このように、いわゆるホットプレス処理を行うことで、簡単にラベル10の空隙率を局所的に低下させることができ、部分的な滑面部12を容易に形成することができる。
本発明に係るラベル付き樹脂成形品において、接着層(B)は多孔質接着層(B1)を含むものであってもよい。この場合に、多孔質接着層(B1)を分断することによってラベル10を樹脂成形品20から剥離したときに、樹脂成形品20から剥離されたラベルの剥離部分10aの剥離面と、樹脂成形品20に残留したままとなるラベルの残留部分10bの剥離面とに、滑面部12に対応するパターン12b,12cがそれぞれ現れることが好ましい。なお、剥離面とは、ラベル10の剥離によって露出する面を意味する。本実施形態では、ラベルの滑面部12は、多孔質基層(A)と多孔質接着層(B1)の両方の断面空隙率が低下した部分となる。このため、多孔質接着層(B1)においてラベル10を分断した場合も、ラベルの剥離部分10aの剥離面と残留部分10bの剥離面の両方に滑面部12が存在することになる。従って、ラベルの剥離部分10aと残留部分10bの両方に滑面部12に対応するパターン12b,12cがそれぞれ現れる。なお、残留部分10bのパターンは、滑面部12のパターンと同一であるが、剥離部分10aのパターン12bは、滑面部12のパターンの鏡像対称となる。このように、樹脂成形品20に貼着された状態のラベル10表面、ラベル10を剥離した後の樹脂成形品20の剥離面、及びラベル10自体の剥離面の合計3箇所に、それぞれ同一又は対応する情報を付与できるため、例えば樹脂成形品20の再利用や偽造をより効果的に防止することができる。
本発明に係るラベル付き樹脂成形品において、接着層(B)は、層中に空孔を有さないヒートシール層(B2)を含むものであってもよい。このように、接着層(B)にヒートシール層(B2)を設けることで、例えば樹脂成形品20の素材がヒートシール層(B2)と同じまたは類似の樹脂素材である場合は、ラベル10を樹脂成形品20に強固に接着することができる。なお、接着層(B)は、多孔質接着層(B1)とヒートシール層(B2)の両方を含んでいてもよい。この場合に、多孔質接着層(B1)とヒートシール層(B2)のどちらを樹脂成形品20との貼着面としてもよい。
本発明の第2の側面は、ラベル10が貼着された樹脂成形品20の製造方法に関する。ラベル10は、多孔質基層(A)と、樹脂成形品20の表面に貼着される接着層(B)とを含む層が積層されてなる。本発明に係る製造方法は、ホットプレス工程とインモールド工程とを含む。ホットプレス工程は、ラベル10をその表面側又は裏面側から加熱及び加圧することにより所定パターンのホットプレス部12´を形成する工程である。インモールド工程は、ホットプレス部12´を持つラベル10を金型内にインサートして当該金型内で樹脂成形品20と一体化させる工程である。これにより、樹脂成形品20と一体化されたラベル10の表面には、表面粗さが比較的粗い粗面部11と、ホットプレス部12´のパターンに対応した表面粗さが比較的滑らかな滑面部12とが形成される。この製造方法によれば、上記第1の側面に係るラベル付き樹脂成形品を効率的に作製することができる。
本発明に係る製造方法において、ラベル10のホットプレス部12´以外の非ホットプレス部11´(つまり粗面部11に対応する領域)は、インモールド工程後に表面粗さが粗くなる。すなわち、ラベル10は、ホットプレス工程後の段階ではホットプレス部12´とそれ以外の非ホットプレス部11´とで表面粗さは殆ど変わらない。他方で、ラベル10は、インモールド工程を経ることにより、非ホットプレス部11´の表面粗さが粗くなる。このようなラベル10の特性を利用することで、例えば、ラベル10が正規のインモールド工程により樹脂成形品20に貼着されたものであることを一見して判別できるため、樹脂成形品20の偽造を防止することができる。つまり、模倣者がラベル10と樹脂成形品20を別々に入手又は偽造し、これらを接着剤等で接着しても、そのように作製された模造品は、正規品のように粗面部11と滑面部12の表面粗さの差が生じないため、滑面部12のパターンを視認することが困難である。他方で、正規のインモールド工程を経てラベル10を樹脂成形品20と一体化させることで初めて、ラベル10の粗面部11が粗くなり、滑面部12のパターンが浮き出ることになる。このため、ラベル10の状態を確認すれば、正規品と模造品とを容易に判別できる。
本発明の第3の側面は、主に樹脂成形品20に貼着する用途で使用されるラベルに関する。本発明に係るラベル10は、多孔質基層(A)と接着層(B)とを含む層が積層されてなる多層構造を持つ。ラベル10は、その断面空隙率が比較的高い第1部11´と、断面空隙率が比較的低い第2部12´と有する。この場合に、第2部12´におけるラベルの断面空隙率は、第1部11´におけるラベルの断面空隙率に対して0~93%となる。なお、このラベル10をインモールド工程によって樹脂成形品20に貼着することにより、第1部11´が前述した粗面部11となり、第2部11´が前述した滑面部12となる。
本発明によれば、インキを使用せずにラベルに情報を付与することができ、またラベルが貼着した状態でもその情報を外観から視認することのできるラベル付きの樹脂成形品を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係るラベル付き樹脂成形品の断面構造を模式的に示している。 図2は、第1の実施形態に係るラベル付き樹脂成形品について、樹脂成形品にラベルが貼着されている状態(図2(a))と、樹脂成形品からラベルを剥離した状態(図2(b))を示している。 図3は、第2の実施形態に係るラベル付き樹脂成形品の断面構造を模式的に示している。 図4は、ラベル付き樹脂成形品の製造工程を模式的に示している。 図5は、実施例及び比較例に係るラベル付き樹脂成形品の表面粗さを示している。
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
なお、本願明細書において「A~B」とは「A以上B以下」であることを意味する。
[1.第1の実施形態]
図1及び図2は、本発明に係るラベル付き樹脂成形品の第1の実施形態を示している。これらの図に示されるように、樹脂成形品20の表面にラベル10が貼着される。本発明において、ラベル10は、インモールド成形によって樹脂成形品20の貼着されたものであることが好ましい。樹脂成形品20は、特に制限されるものではなく、公知のオイル用容器や、薬品用容器、あるいは食品用容器など、様々な用途の物を用いることができる。
図1に示されるように、ラベル10は、多孔質基層(A)と接着層(B)とが積層した構造となっている。接着層(B)は、樹脂成形品20に接着される層であり、この接着層(B)の上に多孔質基層(A)が積層される。多孔質基層(A)には、公知のインキ組成物13を用いて任意の印刷を行うことができる。また、第1の実施形態では、接着層(B)は多孔質接着層(B1)によって形成されている。
図2(a)に示されるように、ラベル10には、比較的表面粗さの粗い粗面部11と、比較的表面粗さの滑らかな滑面部12とが形成されている。このため、ラベル10が貼着した樹脂成形品20を表面側から見ると、これらの粗面部11と滑面部12の表面粗さの差によって、粗面部11に滑面部12のパターン(表面パターン12a)が浮き上がって見える。具体的には、粗面部11と滑面部12とでは光の反射率が異なるため、滑面部12のパターンが視認されることとなる。なお、図示した例のように、ラベル10全体の面積に対して、粗面部11の占める割合を多くし滑面部12の占める割合を少なくして、粗面部11の中に滑面部12のパターンが形成されている状態とすることが好ましいが、反対に、粗面部11の占める割合を少なくし、滑面部12の占める割合を多くすることも可能である。また、印刷用のインキ組成物13は、粗面部11に限らず、滑面部12に付着させることも可能である。
また、第1の実施形態では、ラベル10が樹脂成形品20に貼着された状態から、図2(b)に示されるようにして、ラベル10を樹脂成形品20から剥離することができる。その際に、ラベル10は、多孔質接着層(B1)において分断されて、樹脂成形品20から分離する剥離部分10aと、樹脂成形品20の表面に残留する残留部分10bに分かれる。つまり、図1に示されるように、ラベル10を樹脂成形品20から剥離しようとすると、多孔質接着層(B1)の端面に切れ込みが入り、その切れ込みが拡大することで、この多孔質接着層(B1)が厚み方向に2分される。このため、ラベル10の剥離部分10aは、多孔質基層(A)と多孔質接着層(B1)とを含み、ラベル10の残留部分10bは、多孔質接着層(B1)のみからなるものとなる。
また、第1の実施形態では、ラベル10を剥離した後の剥離部分10aと残留部分10bにも、樹脂成形品20に貼着した状態のラベル10の表面に現れる滑面部12のパターン(表面パターン12a)に対応するパターンが現れる。すなわち、ラベル10の剥離部分10aの剥離面(ラベル10の剥離により露出する面)には、表面パターン12aの鏡像対象となる鏡像パターン12bが現れ、ラベル10の残留部分10bの剥離面には、表面パターン12aと同じ同一パターン12cが現れる。これらの剥離部分10aの鏡像パターン12bと残留部分10bの同一パターン12cは、ラベル10表面の表面パターン12aと同様に、他の部分と比較して表面粗さが比較的滑らかな部分となっており、その表面粗さの差によって特定のパターンが表出する。詳しくは後述するが、ラベル10に対してホットプレス処理を行うことで、ラベル10の多孔質基層(A)と多孔質接着層(B1)の空隙率が低下し、その空隙率の低下した部位が比較的表面粗さの滑らかな滑面部12となる。このように、ラベル10を剥離するときに分断される多孔質接着層(B1)にも空隙率の低い部位を形成しておくことにより、この多孔質接着層(B1)を2分したときに、その剥離面に滑面部12のパターンに対応するパターンが出現することとなる。
以下では、上記の特性を持つラベル10の構成について詳しく説明する。
[1-1.多孔質基層(A)]
多孔質基層(A)は、熱可塑性樹脂を含有し、フィラーを核とした微細な空隙が多数内在する層である。すなわち、フィラーを含む熱可塑性樹脂フィルムを延伸することで、そのフィルムの内部に微細な空隙が発生する。また、多孔質基層(A)が熱可塑性樹脂を含むことにより、ラベル10にコシ等の機械強度、耐水性、耐薬品性、必要に応じて不透明性等を付与することができる。多孔質基層(A)は、それ自体の強度が多孔質接着層(B1)の強度よりも高く、この多孔質基層(A)を摘持してラベル10を引き剥がしたときに、それ自体は破断をしない強度を有している。例えば、多孔質基層(A)自体の凝集力(剥離強度ないし引張破断強度)は200gf/15mm以上であることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
多孔質基層(A)に用いられる熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、4-メチル-1-ペンテン(共)重合体などのポリオレフィン系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(アイオノマー)、エチレン-(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(アルキル基の炭素数は1~8であることが好ましい)、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン等の官能基含有オレフィン系樹脂;芳香族ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、脂肪族ポリエステル(ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等)等のポリエステル系樹脂;ナイロン-6、ナイロン-6,6、ナイロン-6,10、ナイロン-6,12等のポリアミド系樹脂;シンジオタクティックポリスチレン、アタクティックポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン(AS)共重合体、スチレン-ブタジエン(SBR)共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)共重合体等のスチレン系樹脂 ;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。これらの樹脂は2種以上混合して用いることもできる。
特に、耐水性、透明性が高く、また樹脂被膜を形成しやすいことから、多孔質基層(A)を形成する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂を採用することが好ましい。フィルムの成形性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂のなかでもポリプロピレン系樹脂がさらに好ましく、ポリエステル系樹脂のなかでもポリエチレンテレフタレートがさらに好ましい。本発明の効果は、ポリオレフィン系樹脂を使用した場合に顕著である。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えばプロピレンを単独重合させたアイソタクティックホモポリプロピレン、シンジオタクティックホモポリプロピレンの他、プロピレンを主体とし、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン等のα-オレフィン等を共重合させた様々な立体規則性を有するポリプロピレン系共重合体等が挙げられる。ポリプロピレン系共重合体は、2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
(フィラー)
多孔質基層(A)は、熱可塑性樹脂の内部に微細な空隙を多数形成するためのフィラーを含む。フィラーとしては、無機フィラー及び有機フィラーが挙げられ、これらを単独で又は組み合わせて使用することができる。フィラーを含む熱可塑性樹脂フィルムを延伸した場合、フィラーを核とした微細な空孔が熱可塑性樹脂フィルム内部に多数形成される。また、フィラーによって多孔質基層(A)の剛度、白色度及び不透明度を調整することとしてもよい。
無機フィラーとしては、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレイ、タルク、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、これらを脂肪酸、高分子界面活性剤、帯電防止剤等で表面処理した無機粒子等が挙げられる。なかでも、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレイ又はタルクが、空孔の成形性が良く、安価なために好ましい。白色度、不透明度を向上させる観点からは、酸化チタン、酸化亜鉛又は硫酸バリウムが好ましい。
有機フィラーとしては特に限定されないが、熱可塑性樹脂とは非相溶であり、融点又はガラス転移温度が熱可塑性樹脂よりも高く、熱可塑性樹脂の溶融混練条件下で微分散する有機粒子が好ましい。例えば熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合、有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチルメタクリレート、ポリ-4-メチル-1-ペンテン、環状オレフィンの単独重合体、環状オレフィンとエチレンとの共重合体等の有機粒子が挙げられる。また、メラミン樹脂のような熱硬化性樹脂の微粉末を用いてもよく、熱可塑性樹脂を架橋して不熔化することも好ましい。なお、樹脂の融点(℃)及びガラス転移温度(℃)は、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)により測定できる。
また、無機フィラー及び有機フィラーは、上記のなかから1種を選択して単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組合せる場合は無機フィラーと有機フィラーの組合せであってもよい。
無機フィラー及び有機フィラーの平均粒子径は、熱可塑性樹脂との混合の容易さの観点からは、大きいことが好ましい。また、無機フィラー及び有機フィラーの平均粒子径は、延伸により内部に空孔を発生させて不透明性や印刷性を向上させる場合に、延伸時のシート切れや多孔質基層の強度低下等のトラブルを発生させにくくする観点からは、小さいことが好ましい。具体的には、無機フィラー及び有機フィラーの平均粒子径は、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上であり、さらに好ましくは0.5μm以上である。また、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは20μm以下であり、さらに好ましくは15μm以下である。
無機フィラー及び有機フィラーの平均粒子径は、熱可塑性樹脂フィルムの切断面を電子顕微鏡で観察し、粒子の少なくとも10個の最大径を測定したときの平均値を、溶融混練と分散により熱可塑性樹脂中に分散したときの平均分散粒子径として求めることができる。
多孔質基層中のフィラーの含有量は、層中に所望の空隙を発生させるために、1質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上である。ラベルに剛度を与えて取扱い性を向上させる観点からは、多孔質基層中のフィラーの含有量は、45質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは35質量%以下である。
[1-2.多孔質接着層(B1)]
多孔質接着層(B1)は、その表面に臨んで開口した微細な空隙を多数有する層であり、主に樹脂成形品20との結着に利用される。すなわち、ラベル10と樹脂成形品20をインモールド成形によって一体化する場合に、樹脂成形品20の成形時の樹脂圧力によって、多孔質接着層(B1)表面の空隙に樹脂成形品20溶融樹脂が入り込み、その投錨効果によってラベル10と樹脂成形品20とが結着する。このため、樹脂成形品20の素材を問わずラベル10を樹脂成形品20に貼着することが可能である。また、多孔質接着層(B1)は多孔質基層(A)よりも脆性で強度が弱い層である。このため、多孔質基層(A)を引っ張ってラベル10を樹脂成形品20から引き剥がすと、多孔質接着層(B1)が容易に凝集破壊される。これにより、多孔質基層(A)を樹脂成形品20から容易に引き剥がすことができる。なお、多孔質接着層(B1)は多数の連通した空隙を内部に有するため、ラベル10を樹脂成形品20に貼着した際に、ラベル10と樹脂成形品20の間に空気が残存していても、この空気は多孔質接着層(B1)の空隙を樹脂に押し出されて外部に排出される。このため、ラベル10を樹脂成形品20の間に残った空気によって膨れが生じることもない。
多孔質接着層(B1)の素材は、特に限定されないが、結晶性ポリプロピレン樹脂と熱可塑性樹脂とのブレンド物及びフィラーを含む樹脂フィルムを延伸したものを用いることが好ましい。特に、熱可塑性樹脂は、結晶性ポリプロピレン樹脂に非相溶性のものを用いると良い。前述のように、ラベル10の剥離は、多孔質接着層(B1)の凝集破壊により行われる。そのためには、多孔質接着層(B1)を構成する樹脂材料として互いに非相溶の少なくとも2種の樹脂を用いて、その樹脂のブレンド物を相分離した状態のまま延伸して多孔質接着層(B1)を形成する。これにより、多孔質接着層(B1)を破壊する際に、樹脂と空隙の界面のみならず、これら樹脂間の界面でも剥離が起こり、多孔質接着層(B1)を均一面状に剥離することが可能になる。
(結晶性ポリプロピレン樹脂)
結晶性ポリプロピレン樹脂には、ポリプロピレン系樹脂であって、その結晶化度が65%以上であるものを用いることが好ましい。結晶性ポリプロピレンの結晶化度は、66%以上であることがより好ましく、67~80%であることが特に好ましい。結晶化度が65%以上であれば、結晶性ポリプロピレン樹脂の非晶部と熱可塑性樹脂の相溶が進みにくくて所期の界面剥離の効果が得られやすくなり、剥離に要する応力(剥離強度)を適度に小さくすることができる。また、結晶化度が80%以下であれば、商業的に入手することが容易である。
(非相溶性の熱可塑性樹脂)
結晶性ポリプロピレン樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂は、ポリエチレン樹脂、スチレン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、エチレン-環状オレフィン共重合樹脂、プロピレン-αオレフィン共重合樹脂、ナイロン-6、ナイロン-6,6、ナイロン-6,10、ナイロン-6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。これらの中でも、耐薬品性や生産コスト等の観点より、ポリエチレン樹脂を用いることが好ましい。非相溶性の熱可塑性樹脂の存在により、延伸フィルム作製時に結晶性ポリプロピレン樹脂とポリプロピレン樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂間で界面剥離が生じ剥離性を向上させている。ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、非相溶性の熱可塑性樹脂を105~300重量部とすれば、十分な剥離性が得られやすくなる。なお、本明細書において「非相溶」とは、結晶性ポリプロピレン樹脂と、非相溶性の熱可塑性樹脂のブレンド物を電子顕微鏡で観察した場合、海島構造のモルフォロジーを有しており、その構造の寸法が0.3~10μmであることを指す。
(フィラー)
多孔質接着層(B1)に含有されるフィラーは、基本的に多孔質基層(A)のフィラーと同様に、無機フィラー及び有機フィラーの両方又はいずれか一方を用いることができる。ただし、多孔質接着層(B1)のフィラーについては、表面処理剤により表面を親水化処理したものを採用してもよい。例えば親水化処理した無機フィラーを用いて多孔質接着層(B1)を形成することで、多孔質接着層(B1)内において無機フィラーと結晶性ポリプロピレンの界面剥離が起こりやすくなるため、ラベル10を樹脂成形品20から剥離することがさらに容易になる。表面処理剤や表面処理の方法については、特許文献2(WO/2017/188298)に記載のものを参考とすればよい。
結晶性ポリプロピレン樹脂と非相溶性の熱可塑性樹脂とのブレンド物の含有量は、多孔質接着層(B1)全体を100重量%として、30~60重量%であることが好ましく、35~50重量%であることがより好ましい。また、多孔質接着層(B1)におけるフィラーの含有量は40~70重量%であることが好ましく、50~65重量%であることがより好ましい。多孔質接着層(B1)中のフィラーの含有量が40重量%以上であれば、充分な剥離性が得られやすくなる。また、70重量%以下であれば成形安定性が得られやすくなる。上記のブレンド物において、結晶性ポリプロピレン樹脂に非相溶性の熱可塑性樹脂の配合割合は、結晶性ポリプロピレン樹脂100重量部に対して105~300重量部であることが好ましく、120~280重量部であることがより好ましく、140~270重量部であることがさらに好ましい。
[1-3.粗面部と滑面部]
本発明において、樹脂成形品20に貼着されたラベル10の表面は、粗面部11(比較的表面粗さの粗い部分)と滑面部12(比較的表面粗さの)とに視認可能に区分けされている。このため、例えば滑面部12によって所定の表面パターン12aを形成することで、消費者等に対して情報を提示することができる。なお、粗面部11をパターン形成することによって情報を提示することも可能である。
樹脂成形品20にラベル10が貼着された状態(図2(a)参照)において、粗面部11の表面粗さをRzとし、滑面部12の表面粗さをRzとした場合に、Rzは25μm以上であり、かつ、Rz/Rzは0.6未満とすることが好ましい。粗面部11の表面粗さをRzを25μm以上としつつ、両者の比を0.6未満とすることで、粗面部11と滑面部12の差がはっきりと表れ、滑面部12(又は粗面部11)によって提示される情報を目視によって認識しやすくなる。両者の差をより明確にする観点から、粗面部11の表面粗さRzは、30μm以上又は35μm以上であることが好ましく、40μm以上又は50μm以上であることが特に好ましい。粗面部11の表面粗さRzの上限は特に制限されないが、ラベル10上にインキ組成物13を用いて商品情報等を美麗に印刷することを考えると、150μm以下又は100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることが特に好ましい。また、滑面部12の表面粗さRzは、30μm以下又は25μm以下であることが好ましく、15以下であることが特に好ましい。例えば、滑面部12の表面粗さRzは、5~30μm又は10~25μmとすることが良い。また、粗面部11と滑面部12の表面粗さの比(Rz/Rz)が小さい値になるほど、両者の差はより明確になる。このため、表面粗さの比(Rz/Rz)は、0.5以下であることが好ましく、0.45以下又は0.4以下であることがより好ましく、0.35又は0.3以下であることが特に好ましい。
<表面粗さの測定方法>
本願明細書において、特に断りのない限り、表面粗さは十点平均粗さ(Rz)を意味する。表面粗さは、以下の方法により測定される。
非接触3次元表面形状粗さ測定器(ザイゴ(株)製:NewView5010)を用いて、測定面積:2mm×2mm、対物レンズ:20倍とし、14μm以下の波長をカットすることにより測定を行い、解析ソフト(ザイゴ(株)製:Metro Pro)を用いて解析を行って得られた十点平均粗さRz(μm)を表面粗さとする。なお、樹脂成形品のラベルの貼着面が湾曲した形状である場合、樹脂成形品のラベル貼着部分を切り取ってサンプルを作成し、ラベル部分が上面になるように当該サンプルを両面テープで試験台に固定して、上記条件にて表面粗さの測定を行う。
ラベル10における粗面部11と滑面部12の区分けは、例えば、ラベル10の原紙に対して所望の滑面部12のパターンに即したホットプレス処理(加熱加圧処理。ホットスタンプ処理と称されることもある。)を行った後、このラベル10をインモールド成形によって樹脂成形品20に貼着することにより出現させることができる。すなわち、ホットプレス処理後のラベル10については、ホットプレス処理を施した部分とそれ以外の部分とで殆ど表面粗さに違いはない。他方で、インモールド成形を経ることで、ホットプレス処理を施していない部分の表面粗さが増して粗面部11となり、ホットプレス処理を施した部分については表面粗さがそれ以前と殆ど変わらずに滑面部12となる。このように、ホットプレス処理及びインモールド成形の両方の工程を経て、ラベル10に粗面部11と滑面部12の区分けが形成される。
ホットプレス処理において滑面部12に対応する部位を加熱及び加圧する条件は、例えば次の条件とすることが好ましい。すなわち、加圧温度は、110~150℃であることが好ましく、120~140℃であることが特に好ましい。加圧温度を110℃以上とすることで、ラベル10に含有される熱可塑性樹脂が好適に溶融し、滑らかな滑面部12を形成することができる。他方で、加圧温度を150℃以内に抑えることで、ラベル10を構成する樹脂の溶融を防止し、例えばラベル10の形状を維持できる。また、加圧圧力は、0.5MPa以上であることが好ましく、例えば0.5~10MPaとすることが好ましい。上記温度条件の下で加圧圧力を0.5MPa以上とすることで、ラベル10の多孔質基層(A)及び多孔質接着層(B1)に含まれる微細な空隙のサイズや数が適切に減少して、その部位の空隙率が低下する。後述のように粗面部11と滑面部12の表面粗さの差は、その部位の空隙率の差が一因となって生じるものであるが、適切な加熱及び加圧条件の下で滑面部12に対応する部位にホットプレス処理を施すことで、粗面部11と滑面部12の表面粗さの差がより明確になる。他方で、加圧圧力を10MPa以下とすることで、ホットプレス処理時にラベルに裂損や破損が生じることを抑制できる。さらに、加圧時間は、例えば0.05~1秒とすることが好ましく、0.1~0.5秒とすることが好適である。加圧時間を適正な範囲に設定することで、ラベルに裂損等を生じさせることなく、滑らかな滑面部12を形成することができる。
ホットプレス処理を行うことで、ホットプレス処理を行ったホットプレス部(滑面部12に対応)におけるラベル10の断面空隙率は、それ以外の非ホットプレス部(粗面部11に対応)におけるラベル10の断面空隙率よりも低くなる。そして、断面空隙率の高い非ホットプレス部には、微細な空隙が比較的多く存在していることになる。このため、非ホットプレス部は、インモールド成形によってラベル10を樹脂成形品20に貼着する際に、樹脂成形品の素材が半溶融状態から固体状態に相変化することにより生じる収縮に追従しようとして空隙が押しつぶされ、その際にラベル10の表面上あるいはその内部に微細な皺が生じやすい。その結果、インモールド成形後のラベル10は、非ホットプレス部において表面粗さが粗くなり、前述した粗面部11を形成する。反対に、断面空隙率の低いホットプレス部は、インモールド成形後であっても、その表面上あるいはその内部に微細な皺が生じにくい。このため、ラベル10のホットプレス部は、インモールド成形後でも表面粗さが滑らかなままであり、前述した滑面部12を形成する。このようにして、ラベル10に所定パターンでホットプレス処理を行うことで、インモールド成形後のラベル10に粗面部11と滑面部12を形成することができる。
具体的には、ホットプレス部(滑面部12)におけるラベルの断面空隙率は、非ホットプレス部(粗面部11)におけるラベルの断面空隙率を100%とした場合に、0~93%となることが好ましい。なお、断面空隙率の比が0%である状態とは、ホットプレス部に空隙が存在しない状態である。ホットプレス処理時の加圧温度や加圧時間の観点から、断面空隙率の比としてより好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは50%以上であり、特に好ましくは70%以上である。またホットプレスパターンの視認性の観点から、断面空隙率の比としてより好ましくは93%以下であり、さらに好ましくは82%以下である。このように、ホットプレス部におけるラベルの断面空隙率を、非ホットプレス部に対して93%以下とすることで、インモールド成形後に生じる皺に明確な差が生まれ、粗面部11と滑面部12の表面粗さを目視によって確認できる程度に異ならせることができる。
より具体的に説明すると、ホットプレス部(滑面部12)におけるラベルの断面空隙率を個別に測定した場合に、当該断面空隙率は、0~31%であることが好ましく、20~29%であることが特に好ましい。同様に、非ホットプレス部(粗面部11)におけるラベルの断面空隙率は、32~50%であることが好ましく、32~37%であることが特に好ましい。
<断面空隙率の測定方法>
本願明細書において、「ラベルの断面空隙率」とは、ラベル全体の厚み方向の断面空隙率である。つまり、本発明においてラベル10は多孔質基層(A)と接着層(B)を含んで構成されているが、各層の断面空隙率を別々に測定するのではなく、両層を含むラベル10全体の断面空隙率を測定する。ラベルの断面空隙率は、ラベル断面の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真に撮影された断面領域内に占める空隙(空孔)の面積割合(%)を求めることにより得られる。具体的には、樹脂成形品に貼着されたラベル又はラベル単体の試料から任意の一部を切り取ってサンプルを形成し、このサンプルをエポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いてラベルの厚さ方向に対して平行(すなわち面方向に垂直)な切断面を作製し、この切断面を蒸着してメタライジングした後、上記電子顕微鏡で観察しやすい任意の倍率(例えば500倍~3000倍)に拡大して撮影した写真を2値化処理し、上記画像解析装置で画像処理を行い、測定範囲を占める空孔の面積割合(%)を求めて、ラベルの厚み方向の断面空隙率(%)とする。なお、ラベルの断面空隙率は、インモールド成形によって樹脂成形品に貼着された後のラベルを測定した場合でも、樹脂成形品に貼着される前のラベルを測定した場合でも、顕著な差は生じない。このため、インモールド成形前のラベルあるいはインモールド成形後のラベルのどちらを、断面空隙率測定の試料としてもよい。
[2.第2の実施形態]
図3は、本発明に係るラベル付き樹脂成形品の第2の実施形態を示している。第2の実施形態については、上述した第1の実施形態と共通する構成については説明を省略し、主にこれと異なる構成について説明を行う。第2の実施形態は、ラベル10が多孔質基層(A)と接着層(B)とによって構成されている点で第1の実施形態と共通しているが、接着層(B)として、多孔質接着層(B1)の代わりに、層中に空孔を有しないヒートシール層(B2)が用いられている。なお、ラベル10に粗面部11と滑面部12が形成される点では、第1の実施形態と第2の実施形態は共通している。第1の実施形態に関する多孔質基層(A)、粗面部11、及び滑面部12に関する説明は、第2の実施形態にも援用できる。
[2-1.ヒートシール層(B2)]
ヒートシール層(B2)は、ラベル10と樹脂成形品20とを接着するための層である。ヒートシール層(B2)は、熱可塑性樹脂により形成される。ヒートシール層(B2)は、常温では固体状であるが、インモールド成形時に金型内で樹脂成形品20を成形するための溶融樹脂の熱で活性化し、溶融樹脂と融着して、冷却後は再度固形状となり強固な接着力を発揮する。この実施形態においては、接着層(B)は、層中に空孔を有しない。
ヒートシール層(B2)を構成する熱可塑性樹脂は、DSC測定によりピーク温度として求めた融点が60~130℃であることが好ましい。60℃未満であると常温でのべた付きによりラベルのスベリ性が悪くなり、ブロッキング等を起こしやすい。その為ラベルを金型へインサートする際に、2枚挿し等のトラブルが多発しやすい。また130℃を超えて大きいとラベルと成形体との接着性が悪くなりやすい。
ヒートシール層(B2)を構成する熱可塑性樹脂の例は、ポリオレフィン系樹脂である。より具体的には、低密度ないし中密度の高圧法ポリエチレン、直鎖線状ポリエチレン、エチレン、α-オレフィン共重合体、プロピレン・α-オレフィン光重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体(アルキル基の炭素数は1~8)、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属塩(Zn、Al、Li、K、Naなど)等の融点が60~130℃のポリエチレン系樹脂を用いることができる。これらの樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、ヒートシール層(B2)には、ヒートシール層に要求される性能を阻害しない範囲で、他の公知の樹脂用添加剤を任意に添加することができる。そのような添加剤としては、染料、核剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、分散剤等を挙げることができる。
このように、接着層(B)としてヒートシール層(B2)を用いた場合でも、第1の実施形態と同様に、ラベル10に所定パターンのホットプレス処理を施した後に、当該ラベル10をインモールド成形によって樹脂成形品20に貼着する。これにより、ラベル10のホットプレス部分が比較的表面粗さの滑らかな滑面部12となり、それ以外の部分が表面粗さの粗い粗面部11となる。このため、樹脂成形品20に貼着されたラベル10は滑面部12の所定パターンが目視によって確認でき、これにより使用者等に対して情報を提示することができる。従って、ヒートシール層(B2)を用いた場合でも、インキを使用せずにラベル19に情報を付与することができ、またラベル10が樹脂成形品20に貼着した状態でその情報を外観から視認によって確認することができるため、従来発明の課題を解決することが可能である。
ただし、ヒートシール層(B2)は、前述した多孔質接着層(B1)とは異なり、ラベル10を樹脂成形品20から剥離する際に、このヒートシール層(B2)が2分されて樹脂成形品20の表面上に残るという現象は起きにくい。このため、接着層(B)としてヒートシール層(B2)を用いた場合は、多孔質接着層(B1)を用いた場合のように、ラベル10の剥離部分10aと残留部分10bのそれぞれに、滑面部12に対応するパターンが形成されるという現象も発生しにくい。従って、この点においては、第1の実施形態のほうが第2の実施形態よりも有利であるといえる。
なお、図示は省略するが、接着層(B)として多孔質接着層(B1)とヒートシール層(B2)を積層した構成を採用することもできる。この場合、表面側から順に、多孔質基層(A)、多孔質接着層(B1)、及びヒートシール層(B2)を積層することが好ましい。この場合には、ヒートシール層(B2)は、ラベル10と樹脂成形品20との接着力を補強する役割を担うものとなる。
[3.ラベル付き樹脂成形品の製造方法]
図4は、ラベル付き樹脂成形品の製造方法を模式的に示している。ここで説明する製造方法は、第1の実施形態と第2の実施形態のどちらにも適用することができる。
第1に、ラベルの原紙10´を用意する(ステップS1)。この原紙10´は、裁断又は打ち抜きにより所望の形状及び寸法に加工されたものである。ラベルの原紙10´は、前述したように多孔質基層(A)と接着層(B)とが積層した構成となっており、接着層(B)としては多孔質接着層(B1)、ヒートシール層(B1)、又はこれらを組み合わせたものを用いることができる。なお原紙10´は、例えば共押出法、押出ラミネート法、フィルム貼合法、塗工法等、積層フィルムの製造方法として公知の方法にて製造すればよい。
第2に、所望の形状及び寸法に加工された原紙10´の多孔質基層(A)側の表面にインキ組成物13を塗布して任意の印刷を施すとともに、原紙10´の表面側又は裏面側から所定パターンでホットプレス処理を行うことで、ホットプレス部12´と非ホットプレス部11´とを形成する(ステップS2)。ホットプレス処理における加圧温度、加圧圧力、加圧時間の好適な条件は前述したとおりである。この工程により、インモールド成形用のラベル10が作製される。なお、インキ組成物13による印刷処理とホットプレス処理は、通常、別の装置によって別の工程で行われるが、印刷処理とホットプレス処理とを同一の装置で同時に行うことも可能である。また、前述したラベル原紙10´の裁断又は打ち抜きの加工処理、原紙10´の印刷処理、及びホットプレス処理は、どのような順序で行ってもよい。例えば、印刷処理、ホットプレス処理、及び加工処理の順で行うこととしてもよいし、印刷処理、加工処理、及びホットプレス処理の順で行うこととしてもよいし、それ以外の順序でもよい。
このようにして作製されたラベル10は、前述した通り、ホットプレス部12´において断面空隙率が相対的に低くなり、非ホットプレス部11´において断面空隙率が相対的に高くなる。ただし、この段階では、ホットプレス部12´と非ホットプレス部11´の表面粗さには顕著な差は生じていない。なお、ホットプレス部12´は非ホットプレス部11´と比較してラベル10の厚みが多少小さくなるため、両者の間には多少の段差が生じ得る。このため、この段階でも、この段差を境界として、ホットプレス部12´と非ホットプレス部11´とを区別することも可能である。
第3に、ホットプレス処理済みのラベル10を、インモールド成形によって樹脂成形品20の表面に貼着する(ステップS3)。すなわち、ラベル10を、多孔質基層(A)側が金型の内壁面側になり、接着層(B)側が溶融樹脂と接するように金型内に挿入して、インモールド成形法によりラベル付きの樹脂成形品を製造する。インモールド成形法では、射出成形、中空成形、差圧成形、又は発泡成形等の公知の方法によって、金型内で容器等の樹脂成形品を成形することができる。例えば、溶融樹脂パリソンを圧空により金型内壁に圧着するダイレクトブロー成形用や、プリフォームを用いた延伸ブロー成形を行うことが好ましい。ただし、その他に、射出装置で金型内に溶融樹脂を注入し冷却固化するインジェクション成形を行うこともできる。
上記インモールド成形を行うことで、ラベルが貼着する樹脂成形品の成形時の収縮に追随しようとして、ラベル10の表面に微細な皺が形成される。接着層(B)が多孔質接着層(B1)で形成されている場合に、多孔質接着層(B1)にも同様に微細な皺が形成される。これに伴い、相対的に断面空隙率の高い非ホットプレス部11´では、表面上の微細な皺によって表面粗さが粗くなる。他方で、相対的に断面空隙率の低いホットプレス部12´では、非ホットプレス部11´ほどの影響はなく、表面粗さは比較的滑らかなまま維持される。これにより、樹脂成形品20に貼着されたラベル10には、非ホットプレス部11´に対応する粗面部11と、ホットプレス部12´に対応する滑面部12とが形成される。このため、粗面部11と滑面部12の表面粗さ(具体的には光の反射率)の差により、例えば滑面部12により形成された所定パターンが浮き上がって見えるようになる。この滑面部12のパターンにより、消費者に対して様々な情報を提示することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。材料、使用量、割合、処理内容、および処理手順等は本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、表1に、各実施例と各比較例について、ホットプレス条件、インモールド成形後の表面粗さ、およびインモールド成形後のホットプレスパターンの視認性をまとめて記載する。
(ラベル原紙の製造例1)
結晶性ポリプロピレン樹脂(商品名:ノバテックPP FY4、日本ポリプロ(株)製、MFR:5g/10min(230℃,2.16kg荷重))69質量%、無機フィラーとして重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1800、備北粉化工業(株)製、乾式粉砕品、平均粒子径1.25μm(空気透過法))30質量%、分散剤(オレイン酸)1質量%からなる多孔質基層(A)形成用の樹脂組成物(a1)を250℃に設定した押出機で溶融混練し、ダイスを介してシート状に押出成形し、冷却装置にて70℃まで冷却して組成物(a1)の単層無延伸シートを得た。この無延伸シートを145℃に再加熱した後、多数のロール間の周速差を利用して縦方向に5倍に延伸し、縦一軸延伸フィルムを得た。
これとは別に、結晶性ポリプロピレン樹脂(商品名:ノバテックPP FY4、日本ポリプロ(株)製、MFR:5g/10min(230℃,2.16kg荷重))16質量%、結晶性ポリプロピレンと非相溶の熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレン(商品名:ノバテックHJ590N、日本ポリエチレン(株)製MFR:40g/10min(190℃,2.16kg荷重)19.5質量%、無機フィラーとして軽質炭酸カルシウム(商品名:YM30、丸尾カルシウム製、平均粒子径:0.3μm)62質量%、分散剤(オレイン酸)0.5質量%、マレイン酸変性ポリプロピレン(商品名:モディックP908、三菱化学(株)製、軟化点140℃)2質量%からなる多孔質接着層(B1)形成用の樹脂組成物(b1)を250℃に設定した押出機で溶融混練し、ダイスを介してシート状に押出し、前記縦一軸延伸フィルムの片面に積層し、(a1)/(b1)の2層構造を有する積層物を得た。
次いで前記積層物を、オーブンを用いて153℃に再加熱した後、テンター延伸機を用いて横方向に9倍延伸し、2軸延伸/1軸延伸された、製造例1のラベル原紙1を得た。ラベル原紙1の厚みは105μmであり、断面空隙率は32%であった。
(ラベル原紙の製造例2)
ラベル原紙の製造例1において、単独無延伸シートの押出量を増やし、横延伸時の温度を5℃上げて158℃とすることにより、断面空隙率を27%に調整したこと以外は製造例1と同様にしてラベル原紙2を得た。なお、ラベル原紙2の厚みは105μmになるように調整した。
(ラベル原紙の製造例3)
ラベル原紙の製造例1において、単独無延伸シートの押出量を増やし、横延伸時の温度を10℃上げて163℃とすることにより、断面空隙率を19%に調整したこと以外は製造例1と同様にしてラベル原紙3を得た。なお、ラベル原紙3の厚みは105μmになるように調整した。
(ラベル製造例1)
ラベル原紙の製造例1で得られたラベル原紙1を横109mm、縦171mmのサイズに打ち抜き、ホットプレス機(ナビタス(株)製、型式:V-08C)を使用して、多孔質基層(A)の面から120℃に加熱された所定パターンの型で0.1秒間加圧し、ラベルを作製した。加圧したときの圧力は1~5MPaになるように高さ位置を調整した。
(ラベル製造例2~11、13~15)
ラベル製造例1において、ホットプレス処理条件を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてラベルを作製した。
(ラベル製造例12)
ラベル原紙の製造例2で得られたラベル原紙2を横109mm、縦171mmのサイズに打ち抜き、ホットプレス機(ナビタス(株)製、型式:V-08C)を使用して、多孔質基層面(A)の面から130℃に加熱された所定パターンの型で0.3秒間加圧し、ラベルを作製した。
(ラベル製造例16)
ラベル原紙の製造例3で得られたラベル原紙3を横109mm、縦171mmのサイズに打ち抜き、ホットプレス機(ナビタス(株)製、型式:V-08C)を使用して、多孔質基層面(A)の面から140℃に加熱された所定パターンの型で0.5秒間加圧し、ラベルを作製した。
(実施例1~12、比較例1~3)
中空成形機((株)プラコー製、型式:V-50型)および自動ラベル供給装置(ぺんてる(株)製)および内容量1,000mlのボトル容器が得られる中空成形用割型を使用し、上記ラベル製造例1~16にて得られたラベルをブロー成形用割型の一方に真空を利用して多孔質基層(A)側が金型と接するようにラベルを固定した。高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、商品名:ノバテックHD HB330、融点:133℃)を200℃で溶融押出してパリソンとし、割型間に導入後に割型を型締めし、次いで4.2kg/cm2の圧空をパリソン内に供給し、パリソンを膨張させて型に密着させて容器状とすると共にラベルと接着させ、次いで該型を10℃の冷却水で冷却した後、約10秒後に型開きをしてラベルが貼着した中空容器成形品を取り出し、これをラベル付き樹脂容器(樹脂成形品)とした。
得られたラベル付き樹脂容器を用い、粗面部と滑面部の表面粗さ(十点平均粗さ)、粗面部と滑面部の断面空隙率、およびホットプレスパターンの視認性について評価を行った。各実施例および各比較例についての評価結果を表1に示す。また、図5には、非接触3次元表面形状粗さ測定器(ザイゴ(株)製:NewView5010)及びその解析ソフト(ザイゴ(株)製:Metro Pro)を用いて解析したラベル付き樹脂容器の表面粗さを表す画像について、粗面部の画像を参考例として示すとともに、比較例3、実施例4、及び実施例5の滑面部の画像を示している。
(断面空隙率)
ラベル付き樹脂容器のラベル部をカットし、エポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いてラベルの厚さ方向に対してFIB処理によって平行(すなわち面方向に垂直)な切断面を作製した。この切断面を蒸着してメタライジングした後、電子顕微鏡(日立製作所(株)製、走査型顕微鏡S-2400)を使用して3000倍に拡大して観察した領域を写真撮影し、ラベルに含まれる熱可塑性樹脂組成物および無機フィラー等の固体領域と空孔領域の二つになるように画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理した。ラベル内の空孔領域の面積をラベル全体の面積で除した値を断面空隙率とした。
(インモールド成形後のホットプレスパターンの視認性)
インモールド成形後に、予めホットプレス処理した所定パターンをラベル外観から視認し、以下の基準で判定した。
A:所定パターン部が平滑で、はっきりと見える。
B:所定パターンがうっすらと見える。
C:所定パターンの位置がわからない。
表1に示されるように、粗面部の断面空隙率に対する滑面部の断面空隙率の比が94%以上であると、ホットプレスパターンの視認性が低く所定パターンの位置がわからない結果となった。このため、ホットプレスパターンの視認性の観点から、粗面部の断面空隙率に対する滑面部の断面空隙率の比は93%以下であることが好ましい。
Figure 0007362673000001
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態及び実施例の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
10…ラベル 10a…剥離部分
10b…残留部分 11…粗面部
11´…非ホットプレス部(第1部) 12…滑面部
12´…ホットプレス部(第2部) 12a…表面パターン
12b…鏡像パターン 12c…同一パターン
13…インキ組成物 20…樹脂成形品
A…多孔質基層 B…接着層
B1…多孔質接着層 B2…ヒートシール層

Claims (7)

  1. ラベル(10)が貼着された樹脂成形品(20)であって、
    前記ラベルは、多孔質基層(A)と、前記樹脂成形品の表面に貼着された接着層(B)とを含む層が積層されてなるものであり、
    前記ラベルには、表面粗さが比較的粗い粗面部(11)と、表面粗さが比較的滑らかな所定パターン(12a)の滑面部(12)とが形成されており、
    前記滑面部における前記ラベルの断面空隙率は、前記粗面部における前記ラベルの断面空隙率に対して0~93%である
    樹脂成形品。
  2. 前記粗面部(11)の表面粗さをRzとし、前記滑面部(12)の表面粗さをRzとした場合に、Rzが25μm以上であり、かつ、Rz/Rzが0.6未満である
    請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. 前記滑面部(12)は、前記ラベル(10)をその表面側又は裏面側から加熱及び加圧することにより形成されたものである
    請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形品。
  4. 前記接着層(B)が多孔質接着層(B1)を含み、
    前記多孔質接着層を分断することによって前記ラベルを前記樹脂成形品から剥離したときに、前記樹脂成形品から剥離された前記ラベルの剥離部分(10a)の剥離面と、前記樹脂成形品に残留したままとなる前記ラベルの残留部分(10b)の剥離面とに、前記滑面部に対応するパターン(12b,12c)がそれぞれ現れる
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の樹脂成形品。
  5. 前記接着層(B)がヒートシール層(B2)を含む
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の樹脂成形品。
  6. ラベル(10)が貼着された樹脂成形品(20)の製造方法であって、
    前記ラベルは、多孔質基層(A)と、前記樹脂成形品の表面に貼着される接着層(B)とを含む層が積層されてなり、その一部に所定パターンのホットプレス部(12´)を有するものであり、
    前記方法は、
    前記ホットプレス部を持つ前記ラベルを金型内にインサートして当該金型内で樹脂成形品と一体化させるインモールド工程を含み、
    これにより、前記樹脂成形品と一体化された前記ラベルの表面には、表面粗さが比較的粗い粗面部(11)と、前記ホットプレス部のパターンに対応した表面粗さが比較的滑らかな滑面部(12)とが形成される
    樹脂成形品の製造方法。
  7. 前記ラベル(10)の前記ホットプレス部(12´)以外の非ホットプレス部(11´)は、前記インモールド工程後に表面粗さが粗くなる
    請求項6に記載の樹脂成形品の製造方法。
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