JP7363327B2 - 抗体結合用磁性粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
[1] コア粒子と、前記コア粒子表面に形成された第1の被覆層と、前記第1の被覆層の表面に形成された第2の被覆層を有する磁性粒子であって、
前記第1の被覆層は、ナノ磁性体を含有する架橋無機物層であり、
前記第2の被覆層は、ヒドロキシル基及びポリエチレングリコール基から選択される少なくとも1種の親水性基含有構造単位を有する重合体層であり、第1の被覆層と共有結合を形成し、前記共有結合とは反対側の高分子鎖末端にカルボキシル基を有することを特徴とする、抗体結合用磁性粒子。
[2] 前記第1の被覆層の架橋無機物層がシリカを含有することを特徴とする、[1]に記載の抗体結合用磁性粒子。
[3] 前記第2の被覆層である重合体層が、架橋構造であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の抗体結合用磁性粒子。
[4] 下記(i)~(v)の工程を含むことを特徴とする、[1]~[3]のいずれかに記載の抗体結合用磁性粒子の製造方法。
(i)コア粒子の表面にナノ磁性体を物理吸着させる工程
(ii)前記ナノ磁性体を吸着させた粒子の表面に架橋無機物層を形成する工程
(iii)前記架橋無機物層の表面に、リビングラジカル重合の開始剤又は連鎖移動剤を有する、シランカップリング剤を結合させる工程
(iv)前記シランカップリング剤を結合させた粒子を溶媒に分散させ、溶媒中でヒドロキシル基及びポリエチレングリコール基から選択される少なくとも1種の親水性基含有構造単位を有するモノマーをリビングラジカル重合することにより粒子の表面に重合体層を形成する工程
(v)共重合体層を形成した粒子にメルカプトカルボン酸を反応させる工程
コア粒子と、前記コア粒子表面に形成された第1の被覆層と、前記第1の被覆層の表面に形成された第2の被覆層を有する磁性粒子であって、
前記第1の被覆層は、ナノ磁性体を含有する架橋無機物層であり、
前記第2の被覆層は、ヒドロキシル基及びポリエチレングリコール基から選択される少なくとも1種の親水性基含有構造単位を有する重合体層であり、第1の被覆層と共有結合を形成し、前記共有結合とは反対側の高分子鎖末端にカルボキシル基を有する。
(i)コア粒子の表面にナノ磁性体を物理吸着させる工程
(ii)前記ナノ磁性体を吸着させた粒子の表面に架橋無機物層を形成する工程
(iii)前記架橋無機物層の表面に、リビングラジカル重合の開始剤又は連鎖移動剤を有する、シランカップリング剤を結合させる工程
(iv)前記シランカップリング剤を結合させた粒子を溶媒に分散させ、溶媒中でヒドロキシル基及びポリエチレングリコール基から選択される少なくとも1種の親水性基含有構造単位を有するモノマーをリビングラジカル重合することにより粒子の表面に重合体層を形成する工程
(v)共重合体層を形成した粒子にメルカプトカルボン酸を反応させる工程
工程(i)において、コア粒子の表面電荷と反対の電荷を有するナノ磁性体を接触させる方法、疎水性のコア粒子に疎水性のナノ磁性体を接触させる方法、または常磁性を有するコア粒子にナノ磁性体を接触させる方法により、コア粒子の表面にナノ磁性体を物理吸着させる。コア粒子とナノ磁性体を接触させる方法としては特に限定はなく、液相中、気相中で攪拌することで可能である。
[重合体被覆量の測定]
重合体被覆前後の粒子についてそれぞれTG-DTA測定を行い、100℃から560℃までの熱重量減少を求めた。重合体被覆前の粒子における熱重量減少をΔTG1、重合体被覆後の粒子における熱重量減少をΔTG2としたとき、ΔTG2-ΔTG1を重合体被覆量とした。
[カルボキシル基量の測定]
磁性粒子10mgに酢酸エチル2mLを加え、室温で20分間攪拌。この粒子分散液にピレニルジアゾメタン0.12mgを溶解させた酢酸エチル2mLを加え、室温で50分間攪拌。粒子を除去した後、上澄み液をメタノールで10倍希釈し、392nmの吸光度を測定し、この吸光度をA1とし、粒子を使用せずに同様の操作を行った場合の溶液の吸光度をA0とした時、下記式からカルボキシル基量を求めた。
138×(A0-A1)μmol/g
[水分散性の評価]
乾燥させた粉末状の磁性粒子0.1gを10gのイオン交換水に加え、手で振って攪拌して評価した。
○:水に均一分散可能
×:水に分散しない
[鉄イオン溶出の評価]
pH3.5のクエン酸緩衝液1mLに磁性粒子10mgを加え、37℃で17時間攪拌。溶液から粒子を除いた溶液を測定試料とし、光の波長460nmにおける溶液の吸光度を測定することで鉄イオンの溶出量を評価した。
[希釈固相懸濁液と検出用標識抗体溶液の調製]
緩衝液(pH6.0)中に分散させた磁性粒子に1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を過剰量加え、37℃で1時間インキュベートした。緩衝液(pH3.5)中で抗甲状腺刺激ホルモン(TSH)抗体を加え、37℃で3時間インキュベートして抗TSH抗体を磁性粒子に結合させた。次にブロッキング剤溶液で17時間インキュベートして磁性粒子にブロッキング処理を行い、抗TSH抗体固定化磁性粒子とした(A)。さらに(A)を8%コラーゲンペプチドを含む緩衝液(pH6.0)で希釈し、希釈固相懸濁液(B)を調製した。また抗TSH抗体とアルカリ性ホスファターゼの結合物を、5%ウシ血清アルブミンを含む緩衝液(pH6.2)で希釈し、検出用標識抗体溶液(C)を調製した。
[NSB(非特異吸着)及びポジカウント評価用サンプルの調製]
5%コラーゲンペプチドを含む0.03mol/L トリス塩酸緩衝液(pH8.0)を調製し、NSB(非特異吸着)評価用サンプル(D)とした。また5%コラーゲンペプチドを含む0.03mol/L トリス塩酸緩衝液(pH8.0)に甲状腺刺激ホルモン(TSH)を添加して、ポジカウント評価用サンプル(E)とした。
[NSB(非特異吸着)及びポジカウントの測定、感度の評価]
測定試薬(希釈固相懸濁液(B)と検出用標識抗体溶液(C)を含む凍結乾燥品)でNSB及びポジカウントの測定、感度の評価を行った
NSBの測定は以下の手順で行った。
[実施例1]
(磁性化微粒子の作製)
ポリジビニルベンゼン粒子5.0g(粒子径2.5μm)、ポリビニルピロリドン1.2g、1N-塩酸水溶液6mLを純水160mLに回転数180rpmで分散させた。窒素雰囲気下、80℃に昇温した後に、尿素6g、塩化鉄(II)四水和物2g、塩化鉄(III)六水和物3gを添加し5時間反応させた。この粒子分散液をろ過にて粒子と反応液を分離した後に、再度粒子を純水200mLに回転数180rpmで分散させた。窒素雰囲気下、80℃に昇温した後に、0.2N-水酸化ナトリウム水溶液を滴下し15時間反応させた。純水にて洗浄し、酸化鉄被覆された粒子5.75gを得た。
(磁性化粒子へのシリカ被覆)
前記磁性化された微粒子1gをエタノール400mLに分散させ、オルトけい酸テトラエチル3gを加え、室温にて回転数300rpmで攪拌した。25%アンモニア水21gを加え、35℃にて回転数300rpmで4時間反応させた。純水及びエタノールにて洗浄し、減圧乾燥させた。透過型電子顕微鏡により確認したシリカ層の厚みは約20nmであった。
(シリカ被覆粒子へのATRP開始剤導入)
シリカ被覆された粒子1gをメタノール75mLに分散させ、3-(トリメトキシシリルプロピル)-2-ブロモ-2-メチルプロピオン酸0.5g、25%アンモニア水15gを加え、60℃にて回転数300rpmで3時間反応させた。メタノール及び純水にて洗浄し、減圧乾燥させた。
(ATRP開始剤導入粒子への重合体被覆)
前記ATRP開始剤導入された粒子0.1gをメタノール18mLに分散させ、2-ヒドロキシエチルメタクリレート:トリメチロールプロパントリアクリレート=60:40の混合物0.4g、臭化銅(II)0.0022g、アスコルビン酸ナトリウム0.02g、2,2’-ビピリジル0.015gを加え、脱気を行った後、窒素雰囲気下にて40℃で3時間反応させた。純水及びメタノールにて洗浄し、減圧乾燥させた。
(カルボキシル基導入)
前記重合体被覆された粒子0.1gを、純水:メタノール=50:50の混合溶媒20mLに分散させ、炭酸リチウム0.074g、チオグリコール酸0.092gを加え、37℃で12時間反応させた。純水及びメタノールにて洗浄し、減圧乾燥させた。
(評価結果)
重合体被覆量は0.090g/gであった。カルボキシル基量は32μmol/gであった。
[実施例2]
実施例1における重合体被覆の単量体としてトリメチロールプロパントリアクリレートの代わりに、トリメチロールプロパントリメタクリレートを用い、その他は実施例1と同様にして粒子を作製した。
(評価結果)
重合体被覆量は0.106g/gであった。カルボキシル基量は30μmol/gであった。
[実施例3]
実施例1における重合体被覆の単量体として2-ヒドロキシエチルメタクリレートの代わりに、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート(Mn=300)を用い、その他は実施例1と同様にして粒子を作製した。
(評価結果)
重合体被覆量は0.096g/gであった。カルボキシル基量は29μmol/gであった。
[実施例4]
実施例1における重合体被覆の単量体として2-ヒドロキシエチルメタクリレートの代わりに、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート(Mn=300)を用い、また、トリメチロールプロパントリアクリレートの代わりに、トリメチロールプロパントリメタクリレートを用い、その他は実施例1と同様にして粒子を作製した。
(評価結果)
重合体被覆量は0.102g/gであった。カルボキシル基量は34μmol/gであった。
[比較例1]
実施例1におけるシリカ被覆工程、ATRP開始剤導入工程、重合体被覆工程、カルボン酸導入工程の全てを実施せず、その他は実施例1と同様にして粒子を作製した。
(評価結果)
作製された磁性粒子は水分散性が乏しく、鉄イオンの溶出が多いものであった。
[比較例2]
実施例1におけるシリカ被覆工程、ATRP開始剤導入工程、重合体被覆工程、カルボン酸導入工程の全てを実施せず、代わりに以下の方法で磁性化粒子への有機シランカップリング剤修飾を行った。その他は実施例1と同様にして粒子を作製した。
(磁性化粒子への有機シランカップリング剤修飾)
前記磁性化された微粒子1gをメタノール75mLに分散させた。3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5g、25%アンモニア水15gを加え、60℃にて回転数300rpmで3時間反応させた。メタノール及び純水にて洗浄し、減圧乾燥させた。
(評価結果)
作製された磁性粒子は水への分散性が乏しく、鉄イオンの溶出が多いものであった。
[比較例3]
実施例1におけるシリカ被覆工程、ATRP開始剤導入工程、カルボン酸導入工程の全てを実施せず、代わりに以下の方法で磁性化粒子への重合体被覆を行った。その他は実施例1と同様にして粒子を作製した。
(磁性化粒子への重合体被覆)
前記磁性化された粒子0.1gを純水18mLに分散させ、メタクリル酸メチル4g、過硫酸カリウム0.02gを加え、脱気を行った後、窒素雰囲気下にて65℃で3時間反応させた。純水及びメタノールにて洗浄し、減圧乾燥させた。
(評価結果)
作製された粒子は水への分散性に乏しいものであった。比表面積は1.8m2/gで、比表面積が小さなものであった。
[比較例4]
実施例1におけるシリカ被覆工程、ATRP開始剤導入工程、カルボン酸導入工程の全てを実施せず、代わりに以下の方法で磁性化粒子への重合体被覆を行った。その他は実施例1と同様にして粒子を作製した。
(磁性化粒子への重合体被覆)
前記磁性化された粒子0.1gを純水18mLに分散させ、2-ヒドロキシエチルメタクリレート4g、過硫酸カリウム0.02gを加え、脱気を行った後、窒素雰囲気下にて65℃で3時間反応させた。純水及びメタノールにて洗浄し、減圧乾燥させた。
(評価結果)
作製された粒子は鉄イオンの溶出が多いものであった。
[比較例5]
実施例1におけるカルボン酸導入工程を実施せず、その他は実施例1と同様にして粒子を作製した。
(評価結果)
作製された磁性粒子のNSBは66、ポジカウントは477882、感度は7241で、感度に劣るものであった。
2 ナノ磁性体
3 架橋無機物層
4 親水性基含有構造単位を有する重合体層
Claims (4)
- コア粒子と、前記コア粒子表面に形成された第1の被覆層と、前記第1の被覆層の表面に形成された第2の被覆層を有する磁性粒子であって、
前記第1の被覆層は、ナノ磁性体を含有する架橋無機物層であり、
前記第2の被覆層は、ヒドロキシル基及びポリエチレングリコール基から選択される少なくとも1種の親水性基含有構造単位を有する重合体層であり、第1の被覆層と共有結合を形成し、前記共有結合とは反対側の高分子鎖末端にカルボキシル基を有することを特徴とする、抗体結合用磁性粒子。 - 前記第1の被覆層の架橋無機物層がシリカを含有することを特徴とする、請求項1に記載の抗体結合用磁性粒子。
- 前記第2の被覆層である重合体層が、架橋構造であることを特徴とする、請求項1または2に記載の抗体結合用磁性粒子。
- 下記(i)~(v)の工程を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の抗体結合用磁性粒子の製造方法。
(i)コア粒子の表面にナノ磁性体を物理吸着させる工程
(ii)前記ナノ磁性体を吸着させた粒子の表面に架橋無機物層を形成する工程
(iii)前記架橋無機物層の表面に、リビングラジカル重合の開始剤又は連鎖移動剤を有する、シランカップリング剤を結合させる工程
(iv)前記シランカップリング剤を結合させた粒子を溶媒に分散させ、溶媒中でヒドロキシル基及びポリエチレングリコール基から選択される少なくとも1種の親水性基含有構造単位を有するモノマーをリビングラジカル重合することにより粒子の表面に重合体層を形成する工程
(v)共重合体層を形成した粒子にメルカプトカルボン酸を反応させる工程
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| JP2019185800A JP7363327B2 (ja) | 2019-10-09 | 2019-10-09 | 抗体結合用磁性粒子およびその製造方法 |
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