JP7366352B2 - 発電制御装置、発電制御方法、発電制御プログラム及び発電システム - Google Patents
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Description
そのため、現在では発電システムから電力会社への逆潮流を回避しなければならない場合があり、発電量(発電電力)を制御する必要が生じてきた。
発電量の制御方法として、逆潮流を抑制するための制御方法が公知である。
パワーコンディショナーを具備する発電システムにおいて、前記パワーコンディショナーに指令値を送出することにより発電量を制御するための発電制御装置であって、
前記発電制御装置は、消費電力を取得し、直近の過去の時刻における計測値に基づいて複数の時刻の消費電力から所定時間経過後の消費電力の予測値を算出すると共に、
前記予測値に基づき前記予測値以下となる発電電力を指定する指令値を算出して、前記パワーコンディショナーに出力する演算処理部を具備することを特徴とする。
直近の過去の時刻における計測値に基づいて
複数の時刻の消費電力から所定時間経過後の消費電力の予測値を算出する第1の工程と、
前記パワーコンディショナーに対して前記予測値以下となる発電電力を指定する指令値を算出する第2の工程と、
前記パワーコンディショナーが前記指令値に従って前記発電システムの発電量を前記予測値以下に制御する第3の工程と、を実行させることを特徴とする。
図1は、本発明にかかる太陽光発電制御システム1(以下、単に発電制御システムと称す。)の一実施形態の主要構成を示す。
発電制御システム1は、太陽電池2、PCS(パワーコンディショナ)3及び発電制御装置4(以下単に、制御装置と称す)を備え、太陽電池2により発電された電力を自家消費する発電システムである。
なお、発電制御システム1は、受変電部5(配電盤)を含んでも良い。さらに発電制御システム1は、太陽電池2により発電された電力を蓄える蓄電池を備えてもよい。
従って、発電された電力は、PCS3及び受変電部5を経由して、負荷6に送電され消費される。
さらに受変電部5は、電力源の供給電圧と負荷6の電気設備の規格電圧に差がある場合、電気設備の規格電圧に応じて変電を行う変圧器の機能を備えてもよい。
なお、受変電部5側に負荷6へ供給電力を計測する機能がある場合、制御装置4は、受変電部5から負荷への供給電力の値を取得すればよい。
また、電力の計測部は、受変電部5内に設けてもよく、制御装置4に内蔵して計測部のみを電力線に設置してもよく、別途独立して設けても良い。計測部は公知の電力計を用いることができる。例えば、電力会社等が消費電力を測定する際に使用する電力計を用いることができる。
なお、消費電力の取得方法は、上記に限定されず、公知の方法により取得することができ、例えば、電力会社等からの買電力と太陽電池2の発電電力との総和から算出してもよい。
図2は、消費電力とPCS3に対する指令値の時間的推移を示すグラフである。図2において、点線は消費電力、実線は指令値を示す。指令値は、例えば消費電力の一次関数や消費電力から所定量減ずることにより、消費電力より低い値に設定されている。
図2(a)に観察されるように、消費電力の変化は、相対的に緩やかに変化する曲線に短周期で変化する成分が重畳された挙動を示す。
しかし、現実にPCS3が太陽電池2の発電量を制御する場合には、有限の制御遅れ時間(応答時間)が存在し、消費電力が計測された時刻と、太陽電池2の発電量制御が完了する時刻との間に、有限の時間経過が生じ、例えば数秒程度の時間的なずれ(タイムラグ)が生じる。
消費電力は、時々刻々変化するため、時刻t1+ΔtにおいてはCW1(t1+Δt)となる。もし消費電力が減少した場合、CW(t1+Δt)<CW(t1)となる。
この場合、PW(t1)<CW(t1)であるが、消費電力の減少量CW(t1)-CW(t1+Δt)が、消費電力と指令値とのマージンCW(t1)-PW(t1)を上回ると、CW(t1)-CW(t1+Δt)>CW(t1)-PW(t1)となる。制御遅れ時間により、時刻t1+Δtにおいて太陽電池2の発電量は、PW(t1)となり、消費電力より大きくなる(PW(t1)>CW(t1+Δt))。その結果、時刻t1+Δtにおいて、逆潮流が発生することになる。
このように、発電制御の制御遅れ時間と同程度の短周期での消費電力の変化は、逆潮流を引き起こすリスクを高める。
この場合、日によって消費電力の挙動が変化し、変動の最大量も変わることがあるため、最大量は過去の実績等から推定する必要がある。
また、この最大量の変動が生じる時刻は不明であるため、全ての時刻に対して、この最大量の変動が生じても逆潮流が生じないよう、PCS3の指令値を設定する必要がある。
従って、逆潮流のリスクを防止するため、多くの時刻において、消費電力の短周期の変動は過大評価されることとなる。
太陽電池2の発電量は、このように設定されたマージンのために過剰に制限(低減)されてしまい、結果的に、太陽電池2の発電効率を低下させてしまうことがある。
すなわち、制御遅れ時間に相当する時間の経過後の消費電力を、直近の消費電力のデータに基づいて予測し、太陽電池2の発電量の上限を消費電力の予測値以下に設定する。
具体的には、過去の数点の消費電力の値から、将来の消費電力を予測する。推定する時刻は、制御遅れ時間相当の短時間後の時刻であり、例えば制御遅れ時間の2倍から10倍の時間が経過した時刻の値を予測する。このように短周期での消費電力の予測をするものであり、従って、長周期の消費電力の予測は不要である。
なお、上記のように、制御遅れ時間は、消費電力の計測開始時から発電量の出力までであり、実測も可能である。
基本的に、その時点の消費電力の動き、速度と加速度から次の値を予測する。予測方法として、例えば多項式を用いた回帰分析を用いてもよい。具体的には、直近の3点の時刻の消費電力のデータより、消費電力の時間に関しての回帰分析により以下の二次関数(以下、二次回帰関数と称す)を求める。
Y=A+BX+CX2 (式1)
ここでYは消費電力、Xは時間である。
3点の時刻と消費電力の計測値、すなわち時刻X1、X2、X3の消費電力の値Y1、Y2、Y3が得られれば、A、B、Cの値は一意に求めることができる。
上記回帰関数により、時刻Xにおける消費電力Yを算出することができる。
なお、上記のように短周期の変化を求めるものであり、予測する時刻Xは、制御遅れ時間に相当する時間程度経過した時刻である。なお、制御遅れ時間は、システム全体やPCS3により変動するため、時刻Xは可変に設定できる。
なお、二次方程式におけるA、B、Cを求めることは速度、加速度を求める事と同等であることは言うまでもない。
さらに一層、消費電力データの過去の挙動を反映させて、消費電力を予測することが可能である。
本実施形態においては、反映させる過去の消費電力データ数を自動的に変更し、将来の消費電力を予測することができる。具体的には、3点以上の時間に関する消費電力の近似式を二次関数(二次回帰関数)として求め、その近似式の実測データに対する相関係数から、近似式の妥当性を判断し、妥当であると判断される最大のデータ数を採用する。
以下、本実施形態2について、詳細に説明する。
ステップ0: 相関係数の閾値(Rc)を設定する。
ステップ1: 直近のn=3点の時刻と消費電力から二次回帰関数を算出する。
ステップ2: nを1増加して(n=n+1)、直近のn点の時刻と消費電力から二次回帰関数を算出する。
ステップ3: 得られた二次回帰関数に対して相関係数を算出し、閾値Rcと比較する。
ステップ4: 算出した相関係数が、閾値Rc以上であれば、処理継続と判断し、ステップ2に戻り、閾値Rcより小さければ、処理完了と判断し、nを1減じて(n=n-1)、直近のn点の時刻と消費電力から算出した二次回帰関数を採用し、手順を終了する。
すなわち、相関係数rが閾値Rc以上であれば、ステップ2、3を繰り返し、相関係数rが閾値Rcより小さければステップ4により、手順は終了する。
C=(Sx2ySxx-SxySxx2)/(SxxSx2x2-(Sxx2)2)
B=(SxySx2x2-Sx2ySxx2)/(SxxSx2x2-(Sxx2)2)
A=<Y>-B<X>-C<X2>
となる。
ここで、
<X>=ΣXi/n
<y>=ΣYi/n
<X2>=ΣXi2/n
Sxx=Σ(Xi-<X>)2/n
=ΣXi2/n-<X>2
Sxy=Σ(Xi-<X>)(Yi-<Y>)/n
=ΣXiYi/n-<X><Y>
Sxx2=Σ(Xi-<X>)(Xi2-<X2>)/n
=ΣXi3/n-<X><X2>
Sx2x2=Σ(Xi2-<X2>)2/n
=ΣXi4/n-<X2><X2>
Sx2y=Σ(Xi2-<X2>)(Yi-<Y>)/n
=ΣXi2Yi/n-<X2><Y>
である。
なお、Σは、インデックス(i)が1からnまでの総和を示す。
また、相関係数rは、
r=√(1-Σ(Yi-(A+BXi+CXi2))2/(Σ(Yi-<Y>)2))
で定義した。
なお、「√」は平方根を示す。
従って、公知の電力計により消費電力値を定期的に計測し、得られた計測値を順次記憶装置に保存し、演算処理装置は、記憶装置に保存した消費電力値を、読み出して算出することができる。
なお、消費電力は、上記に限らず公知の方法により取得すればよい。
以降の消費電力の予測値を算出する各ステップにおいては、記憶装置に保存されているデータを、最新の現在の計測値から順に、過去の時刻の計測値を、演算処理装置が読み出すこととなる。
例えば、直近の5点の時刻X[秒]と消費電力Y[kW]の組合わせ(Xi、Yi)が、(0、6)、(-1、7)、(-2、5)、(-3、4)、(-4、5)であったとする。
なお、時刻Xは、1秒毎に測定を行い、現時点を0秒とし、過去の時刻を負の値で表現している。
なお、「直近」とは、最新の時刻とそれに連続した過去の時刻を意味し、上記例のように、各ステップで回帰分析に使用する計測値は、そのステップ実行時刻に対して直近の時刻の計測値である。
相関係数の閾値(判定値)Rcを0.8に設定する。
このステップは、一度実行すればよく、以下のステップと異なり、各時刻において、消費電力の予測値を算出する毎に実行する必要はない。そのため、予め閾値(判定値)Rcを記憶装置に保存しておけばよい。
以下、ステップ1から4は、太陽電池2を制御する各時刻に対して実行する。
図3(a)に示すように、直近のn=3点の時刻、すなわち時刻X=0、-1、-2[秒]における各消費電力の値を用い、二次回帰関数を求める。
二次関数の各係数は、A=6、B=-2.5、C=-1.5となる。
例えば、1秒後(X=1)の消費電力の予測値は、Y=2.0[kW]となる。
なお、この場合、言うまでもなくr=1である。
図3(b)に示すように、直近のn+1=4点の時刻、すなわち時刻X=0、-1、-2、-3[秒]における各消費電力の値を用い、二次回帰関数を求める。
二次関数の各係数は、A=6.2、B=-0.7、C=-0.5となる。
例えば、1秒後(X=1)の消費電力の予測値はY=4.0[kW]となる。
得られた二次回帰関数に対して相関係数rを算出すると、r=0.92となる。
算出した相関係数r(0.92)が、閾値Rc(0.8)以上であるため、ステップ2に戻る。
図3(c)に示すように、直近のn+1=5点の時刻、すなわち時刻X=0、-1、-2、-3、-4[秒]における各消費電力の値を用い、二次回帰関数を算出する。
二次関数の各係数は、A=6.54、B=-0.79、C=0.07となる。
例えば、1秒後(X=1)の消費電力の予測値はY=4.0[kW]となる。
得られた二次回帰関数に対して相関係数rを算出すると、r=0.70となる。
算出した相関係数r(0.70)が、閾値Rc(0.8)より小さいため、直近のn-1=4点の時刻に対する二次回帰関数を採用し、手順を終了する。
消費電力の予測値はY=4.0[kW]となる。
例えば、消費電力の予測値より一定数少ない値又は消費電力の予測値の関数(比例、一次関数等)とし、例えば3.5[kW]とする。
第1の実施形態においては、取得された消費電力から直接回帰分析により消費電力の予測値を算出した。本実施形態においては、取得された消費電力の移動平均を算出し、算出された移動平均から回帰分析により消費電力を算出する。
取得された消費電量の時間推移の短周期の変動が激しい場合、消費電力の予測値が過剰に大きくなるか又は小さくなる、すなわち消費電力を過大評価又は過小評価する場合がある。消費電力を過大評価した場合、逆潮流のリスクが増大し、消費電力を過小評価した場合、太陽電池2の発電効率を低下することになる。
図4は、第1の実施形態及び第2の実施形態により消費電力の予測値の時間的推移例を比較して示す。
点線Aは、実際に取得された消費電力、破線Bは、消費電力の値から算出した予測値、実線Cは、消費電力の移動平均から回帰分析により算出した予測値を示す。
この場合、破線B及び実線Cは、それぞれ直近の3点のデータから回帰分析により2次関数を求め、予測値を算出した。
以下具体的に、制御装置4による、移動平均を用いた消費電力の予測方法及び太陽電池2の発電量の制御方法について説明する。
なお、移動平均とは、時系列データにおいて直近の複数のデータを用いて平均値を計算する手法であるが、簡単のため、移動平均によって得られた平均値を「移動平均」と称することがある。
また、PCS3のMPPT法による発電量が最大となる条件の探索に要する時間(以下探索時間と称す)に相当する時間間隔で平均を行ってもよい。探索時間は、実際に使用しているPCS3に依存し、実測が可能である。特に探索時間に比べ消費電量の変動の周期が短い場合、探索時間に相当する時間(例えば探索時間の1倍から2倍の時間)の間隔で、消費電力の移動平均を算出してもよい。
なお、移動平均は、k個の単純移動平均であってもよいが、k個のデータに対して、それぞれに重みを付けた加重移動平均であってもよい。加重移動平均の場合、最新の消費電力の重みを大きくし、線形加重移動平均や指数加重移動平均等を用いてもよい。
その後、記憶装置に保存した消費電力の移動平均に対して、(消費電力の予測1)又は(消費電力の予測2)に記載の方法により、回帰分析に基づいて近似関数を導出し、得られた近似関数から予測値を算出する。
得られた予測値に対して、太陽電池2の発電量の上限を決定することができる。
また、得られた実際の消費電力が減少傾向にある場合、第1の実施形態により算出した消費電力の予測値は過小評価の傾向があるが、逆潮流のリスク低減を優先して、第1の実施形態により算出した消費電力の予測値を使用してもよい。
また、得られた実際の消費電力、第1の実施形態により算出した消費電力の予測値、第2の実施形態により算出した消費電力の予測値を比較し、逆潮流のリスク低減を優先して、最も低い値を予測値として使用してもよい。
なお、さらに三角関数や他の関数(例えば直交関数)やガウス関数等を用いて予測値を計算してもよい。ただし、上記のようにm次多項式を用いることで、代数的にm次多項式の係数を求めることができ、高度な演算処理が可能なCPUを必要とせず、安価なマイコンによってもシステムを構成することができる。
そのため、太陽電池2の発電量の上限を不要に低く設定することを防止でき、その結果、太陽電池2の発電量の効率を、向上させることができる。
2 太陽電池
3 PCS(パワーコンディショナ)
4 発電制御装置
5 受変電部(配電盤)
6 負荷
7 電力会社(外部電源)
Claims (4)
- パワーコンディショナーを具備する発電システムにおいて、前記パワーコンディショナーに指令値を送出することにより発電量を制御するための発電制御装置であって、
前記発電制御装置は、消費電力を取得し、直近の過去の時刻における計測値に基づいて複数の時刻の消費電力から所定時間経過後の消費電力の予測値を算出すると共に、
前記予測値に基づき前記予測値以下となる発電電力を指定する指令値を算出して、前記パワーコンディショナーに出力する演算処理部を具備する発電制御装置。 - パワーコンディショナーを備えた発電システムに対して発電制御を行う発電制御装置において、
直近の過去の時刻における計測値に基づいて
複数の時刻の消費電力から所定時間経過後の消費電力の予測値を算出する第1の工程と、
前記パワーコンディショナーに対して前記予測値以下となる発電電力を指定する指令値を算出する第2の工程と、
前記パワーコンディショナーが前記指令値に従って前記発電システムの発電量を前記予測値以下に制御する第3の工程と、を実行させることを特徴とする発電制御方法。 - 請求項1記載の発電制御装置における前記演算処理部に
前記予測値の算出と、前記指令値の算出と、を実行させるための発電制御プログラム。 - 発電装置と、パワーコンディショナーと、請求項1記載の発電制御装置とを含む発電システム。
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