以下の記載では、本開示の様々な好適な実施形態を示す添付図面を参照する。図1は、複数の積層ヘッド300を含む製造システム100の例を示す上面図である。これらの積層ヘッドは、連続するループ状の積層経路122に沿って移動可能であって、静止した1つ以上の積層マンドレル146に1つ以上の複合積層材400をレイアップすることができる。各積層ヘッド300は、積層経路122に沿って移動しつつ、少なくとも1つの積層マンドレル146上に、あるいは、積層マンドレル146に先に配置されたレイアップ材料316上に、レイアップ材料316(図3)を送出するよう構成されている。積層ヘッド300のうちの1つ以上は、1つ以上の複合積層材400が所望の積層厚さになるまで、積層経路122を一周以上、回転又は周回することができる。図2は、図1に示す積層ステーション140の側面図であって、複合積層材400を積層マンドレル146にレイアップするプロセスにおいて、積層マンドレル146の上方を移動し、レイアップ材料316を送出する複数の積層ヘッド300が示されている。
製造システム100は、積層ヘッド300を積層経路122に沿って連続的に移動させるよう構成されたヘッド移動システム170を含む。加えて、ヘッド移動システム170は、積層経路122を含むか、あるいは、これを規定する。例えば、図1~図8、図13~図15、図17~図18に示す製造システム100の実施形態では、ヘッド移動システム170は、積層経路122を構成して積層ヘッド300を支持する物理的な軌道システム172を含む。これに対し、図10~図12に示す製造システム100の例では、ヘッド移動システム170は、積層ヘッド300を所定の積層経路122に沿って移動させるように構成又はプログラムされた1つ以上のヘッド移動ロボット装置202を含むヘッド移動ロボットシステム200である。本開示の製造システム100は、連続するループ状の積層経路122に沿って一連の積層ヘッド300を一方向に移動させるので、従来の製造システムにおいて積層ヘッドの方向を反転させる上述のコストや複雑さを回避できるという利点を有する。加えて、本開示の製造システム100によれば、積層ヘッドの方向を反転することにより生じる離間状態での移動量を少なくすることができる。離間状態での移動量を少なくすることにより、複合積層材400の製造の生産率を上げることができる。以下に説明する製造システム100の例では、積層ヘッド300を交換用の積層ヘッドに交換する作業を迅速に行うことができるので、製造システム100によれば、複合積層材400のレイアップの停止時間を大幅に減らすことができる。
図1は、積層経路122が、第1側辺部124、及び、この第1側辺部124の反対側に位置する第2側辺部126を有する例を示している。第1側辺部124と第2側辺部126は、第1端部128、及び、この第1端部128の反対側に位置する第2端部130によって互いに接続されている。第1側辺部124及び/又は第2側辺部126に沿って、少なくとも1つの積層マンドレル146が配置される。例えば、図1では、製造システム100は、積層経路122に沿って配置された第1積層マンドレル148及び第2積層マンドレル150を含み、これらのマンドレルは、それぞれ第1積層ステーション142及び第2積層ステーション144を構成する。第1積層ステーション142は第1側辺部124に沿って配置されており、第2積層ステーション144は第2側辺部126に沿って配置されている。
図1を参照すると、製造システム100のいくつかの例では、積層経路122は、第1端部128と第2端部130の間に延びる中央部132を含み、この中央部は、任意の要件として、第1側辺部124と平行であってもよいし、及び/又は、第2側辺部126と平行であってもよい。ヘッド移動システム170は、積層ヘッド300が積層経路122を少なくとも一周する間に、積層ヘッド300を中央部132に沿って移動させて、第1側辺部124又は第2側辺部126を迂回させるよう構成することができる。図示はしていないが、軌道システム172は、中央部132と第1端部128及び第2端部130との分岐点に経路切り換えスイッチ(path switch)を含む。各経路切り換えスイッチは、コントローラ106(図2)で制御することにより、積層ヘッド300を中央部132に進入させ、また、そこから離脱させて、第1側辺部124又は第2側辺部126を迂回させることができる。積層ヘッド300を中央部132に誘導することにより、迂回した側辺部及び積層マンドレル146に近づいてメンテナンスを行うことが可能になる。この間も、もう一方の側辺部における積層マンドレル146は使用可能であるので、積層ヘッド300からレイアップ材料316の供給を受けて複合積層材400のレイアップを継続することができる。いくつかの例では、中央部132は、複合積層材400のレイアップに必要な積層マンドレル146が1つのみである場合に積層経路122を短縮するための手段として利用することができる。
図1に示す製造システム100は、第1積層マンドレル148及び第2積層マンドレル150を有するが、製造システム100は、積層経路122に沿った任意の数の位置に静止状態に配置することができる任意の数の積層マンドレル146を含んでもよい。例えば、製造システム100は、第1側辺部124及び第2側辺部126にそれぞれ配置された第1積層マンドレル148及び第2積層マンドレル150の代わりに、あるいは、これらに加えて、積層経路122の第1端部128及び/又は第2端部130に積層マンドレル146を含む構成でもよい。複数の積層マンドレル146を積層経路122に沿って配置することにより、複合積層材400の製造速度を高めることができるという技術的効果が得られる。例えば、図1では、第1積層マンドレル148と第2積層マンドレル150が含まれることにより、第1積層マンドレル148に第1複合積層材402をレイアップするのと同時に、第2積層マンドレル150に第2複合積層材404をレイアップすることが可能になる。また、図1では、第1積層マンドレル148と第2積層マンドレル150は同一の形状及びサイズであるが、製造システム100は、積層経路122に沿って配置された1つ以上の他の積層マンドレル146とは異なるサイズ及び/又は異なる形状を有する積層マンドレル146を1つ以上含んでもよい。サイズ及び/又は形状が異なる積層マンドレル146が含まれることにより、異なるサイズ及び/又は形状の複合積層材400のレイアップが可能になる。
図1では、積層経路122は概ね矩形であって、第1側辺部124及び第2側辺部126が矩形の長辺を構成し、第1端部128及び第2端部130が矩形の短辺を構成する形状である。図1の積層経路122は、直線状の側辺部と直線状の端部が湾曲部で相互に接続された(各湾曲部が直線状の側辺部を直線状の端部に繋がれた)形状を有するが、実施形態によっては、積層経路122は、側辺部及び/又は端部の1つ以上が直線状ではなく、曲線であってもよい。この点で、積層経路122は、連続するループを構成するものであれば任意の様々なサイズ及び/又は形状が可能であって、図1に示すような略矩形に限定されない。例えば、積層経路122は、丸みを帯びた形状や円形(図示せず)、楕円形(図示せず)の他、任意の様々な連続ループ形状の内の任意の形状を有することができる。いくつかの例では、積層経路122における1つ以上の部分が、レイアップする複合積層材400の相補形状を有する。さらに、積層マンドレル146のうちの1つ以上が、レイアップする複合積層材400の相補形状を有する構成でもよい。例えば、上から下に見た場合に直線形状の第1複合積層材402をレイアップするための第1積層マンドレル148は直線形状を有し、これとは異なり、直線でない形状(図示はしていないが、例えば、弧状)を有する第2複合積層材404をレイアップするための第2積層マンドレル150は、直線でない形状を有する。
図1~図3を参照すると、ヘッド移動システム170は、コントローラ106(図2)の命令にしたがって積層ヘッド300を移動させる。一例では、コントローラ106は、すべての積層ヘッド300を積層経路122に沿って同じ速度で、前後の積層ヘッド300の間に一定の間隔を保ったまま移動させるようにヘッド移動システム170に命令する。一実施形態では、ヘッド移動システム170は、2つ以上の積層ヘッド300を1つのグループや単位としてまとめして移動させることができる。図1を参照すると、例えば、ヘッド移動システム170は、3つの積層ヘッド300を第1のグループとしてまとめて移動させるとともに、積層経路122においてこの第1グループの積層ヘッド300とは反対側で、3つの積層ヘッド300を第2のグループとしてまとめて移動させることができる。ただし、別の実施形態では、ヘッド移動システム170は、前後の積層ヘッド300の間に最低限の間隔を維持しつつ、任意の数の任意の積層ヘッド300を個別に移動させることができる。図1では、第1グループの複数の積層ヘッド300が第1積層マンドレル148の上方を移動し、第2グループの複数の積層ヘッド300が第2積層マンドレル150の上方を移動するものとして示されているが、製造システム100は、積層経路122上のほとんど又はすべての積層ヘッド300を互いに等間隔で移動させるような構成でもよい。この結果、一連の積層ヘッド300が1つ以上の積層マンドレル146の上方を連続して通過してレイアップ材料316を連続して送出するので、1つ以上の積層マンドレル146において1つ以上の複合積層材400を同時にレイアップすることができる。
図3~図4を参照すると、図3は、軌道システム172に支持された3つの積層ヘッド300の一例を示す透視図であって、複合積層材400を積層マンドレル146にレイアップするプロセスにおいて、これら積層ヘッドがレイアップ材料316を送出する様子が示されている。図4は、図3の積層ヘッド300のうちの1つの積層ヘッドの例を示す側面図である。上述のように、各積層ヘッド300は、積層経路122に沿って静止状態に配置された1つ以上の積層マンドレル146に沿って、あるいはその上方を移動しながら、レイアップ材料316を送出するよう構成されている。各積層ヘッド300は、積層ヘッド300の取付けフレーム302に取り付けられたヘッド部品304を有する。図示の例では、積層ヘッド300は、裏打ち層(backing layer)318で裏打ちされたレイアップ材料316を送出するよう構成されている。裏打ち層318は、積層ヘッド300の材料供給ドラム306に装着された材料ロール308において、レイアップ材料316が巻かれて隣り合う部分が互いに付着してしまうことを防止することができる。裏打ち層318を備えるレイアップ材料316を送出するよう構成された積層ヘッド300は、ヘッド部品304として、材料供給ドラム306、材料送出機構(material dispensing mechanism)328、裏打ち層回収ドラム338を含む。積層ヘッド300は、さらに、1つ以上の方向変更ローラ320を含み、これにより、積層ヘッド300からレイアップ材料316を送出する際に、ヘッド部品304を経由する裏打ち付き材料314を所定の向きに配置又は案内することができ、及び/又は、裏打ち付き材料314に緩みが無い状態を維持することができる。加えて、積層ヘッド300は、例えば、圧縮シューや圧縮ローラなどの圧縮機336を含んでもよく、これにより、積層マンドレル146、又は、積層マンドレル146に先に配置されたレイアップ材料316に対して、レイアップ材料316を押し付けて圧縮することができる。
積層ヘッド300は、さらに、裏打ち層318の少なくとも一部がそのまま残るようにレイアップ材料316を切断するカッターアセンブリ322を含む。一実施形態では、カッターアセンブリ322は、カッタープラテン324及びカッターモジュール326を含み、これらは、積層ヘッド300が一続きに送出するレイアップ材料316の開始位置として指定された位置に積層ヘッド300が近づとき、及び、一続きに送出するレイアップ材料316の終了位置として指定された位置に積層ヘッド300が近づくときに、コントローラ106(図2)からレイアップ材料316を切断する命令を受けて、協働してレイアップ材料316を切断する。加えて、詳細は後述するが、各積層ヘッド300のカッターアセンブリ322によるレイアップ材料316の切断を制御することで、複数の積層ヘッド300によるレイアップ材料316の送出を、同じ位置又は異なる位置で、及び/又は、積層マンドレル146における同じ位置又は異なる位置で開始又は終了させることができる。これにより、複合積層材400の複合材プライのうちの1つ以上を部分的なプライにすることができるので、例えば、設計要件に合わせて、積層厚みが長さ方向において一定でない複合積層材400を構成することができる。
上述したように、材料供給ドラム306は、材料ロール308を支持するよう構成されている。例えば、材料ロール308が裏打ち付き材料314のロールであって、裏打ち層318で補強されたレイアップ材料316からなる場合、材料送出機構328は、材料供給ドラム306から裏打ち付き材料314が送られてくると、レイアップ材料316から裏打ち層318を分離するよう構成されている。材料送出機構328は、裏打ち層分離装置330、裏打ち層セパレータ332、及び、ガイド部材334を含む。裏打ち層分離装置330と裏打ち層セパレータ332は、協働してレイアップ材料316を裏打ち層318から分離する。ガイド部材334は、レイアップ材料316を積層マンドレル146に案内する。裏打ち層回収ドラム338は、積層マンドレル146にレイアップ材料316が送出されている間、レイアップ材料316から分離された裏打ち層318を巻き取るよう構成されている。裏打ち層318は、材料ロール308においてレイアップ材料316が巻かれて隣り合う部分同士の付着を防止できる材料で形成されている。例えば、裏打ち層318は、シリコーンコーティングした紙でもよいし、あるいは、裏打ち層318は、ポリエチレンフィルムなどのプラスチック薄膜でもよい。
レイアップ材料316は、複合積層材400を形成するための複合材料である。例えば、レイアップ材料316は、ドライ(例えば、樹脂を含まない)レイアップ材料316の連続ストリップの形態で供給されてもよいし、予備含浸されたテープ(例えば、プリプレグテープ)などの繊維強化ポリマー母材の形態で供給されてもよい。あるいは、レイアップ材料316は、織物材料でもよいし、金属メッシュや金属箔などの非繊維材料でもよい。レイアップ材料316は、任意の様々な厚み及び幅で供給することができる。例えば、プリプレグテープであれば、0.007インチ以上の厚みと9~12インチの幅で供給することができる。ただし、レイアップ材料316としては、厚みが0.007インチより大きいか、これより小さく、及び/又は、幅が9インチより小さいか、12インチよりも大きいものが供給可能である。また、積層経路122に配置された積層ヘッド300のうちの1つ以上に、スリットテープの材料ロール308を装着してもよい。スリットテープとは、積層経路122に配置された他の積層ヘッド300に装着されたプリプレグテープよりも幅の狭いものである。
プリプレグテープに含まれる繊維は、ランダム配向の繊維でもよいし、一方向繊維でもよいし、あるいは、ファイバ織物でもよい。一方向繊維を含むプリプレグテープは、後述するように、所望のプライ積層配列の複合積層材400を作製するようにレイアップすることができる。例えば、複合積層材400における複合材プライの繊維が、複合積層材400における所望のプライ積層配列にしたがって、互いに0度、90度、及び/又は、±45度の配向になるように、一方向プリプレグテープを送出し、レイアップするように積層ヘッド300を配置し、動作させることができる。プリプレグテープに含まれるポリマー母材は、例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂である。繊維は、炭素繊維であってもよいし、あるいは、繊維の代替材料であるガラス、ホウ素、アラミド、セラミック、あるいは、その他の非金属材料又は金属材料であってもよい。また、プリプレグテープに炭素繊維及び金属繊維や金属メッシュを組み合わせれば、複合積層材400に耐雷機能を付与することができる。
裏打ち層318の無い材料の場合には、裏打ち層回収ドラム338及び裏打ち層を分離するための機器(裏打ち層分離装置330、裏打ち層セパレータなど)を積層ヘッド300から省いてもよいし、あるいは、そのような材料が送出されている間は、裏打ち層回収ドラム338及び裏打ち層を分離するための機器は、使用しないか、あるいは、停止状態とすればよい。裏打ち層318を備えない材料の例としては、金属箔、金属メッシュ、及び、特定の種類の非粘着性フィルムやレイヤがある。例えば、離型フィルム、ブリーザ層、ブリーダ層、バギングフィルム、及び/又は、後述するその他の材料など、特定の熱可塑性材料及び/又は特定の加工材フィルムは、裏打ち層回収ドラム338及び裏打ち層を分離するための機器を備えない積層ヘッド(図示せず)を用いて送出することができる。
積層ヘッド300は、レイアップ材料316を順次供給することで、複合材プライが所望のプライ積層配列でレイアップされた複合積層材400を作製できるように、積層経路122に沿って配置することができる。一例では、プライ積層配列は、積層経路122に沿って配置された積層ヘッド300の相対な位置関係によって決まる。複合積層材400のプライ積層配列は、複合積層材400の最終的な用途に基づいて決定することができる。より具体的には、複合積層材400は、完了した複合積層材(例えば、硬化後)の使用において想定される設計荷重の組に基づいて設計することができる。この点で、積層経路122に沿った積層ヘッド300の順序は、複合積層材400の最終的な用途によって決定することができる。
例えば、図3では、積層マンドレル146の上方を移動する3つの積層ヘッド300のそれぞれには、複合積層材400に要求されるプライ積層配列に対応した材料構成のレイアップ材料316の材料ロール308が装着されている。3つの積層ヘッド300のうちの一つ目には、0/90度の配向の織物プリプレグテープを材料構成とするレイアップ材料316が装着され、3つの積層ヘッド300のうちの二つ目には、0度の配向の一方向プリプレグテープを材料構成するレイアップ材料316が装着され、3つの積層ヘッド300のうちの三つ目には、90度の配向の一方向プリプレグテープを材料構成とするレイアップ材料316が装着されている。また、図1では、第1積層マンドレル148の上方を移動する第1グループの3つの積層ヘッド300に装着するレイアップ材料316は、第2積層マンドレル150の上方を移動する第2グループの3つの積層ヘッド300に装着されるものと同じ材料構成の材料であってもよいし、異なる材料構成の材料であってもよい。ただし、上述したように、製造システム100は、積層経路122に沿って移動可能な積層ヘッド300をいくつ含んでもよく、任意の様々な材料構成及び/又は様々な幅を有するレイアップ材料316を送出することができ、図1に示した配置に限定されるものではない。この点で、積層ヘッド300は、任意の数のグループに分けして配置してもよいし、あるいは、積層ヘッド300をグループ分けせずに、積層経路122に沿って互いに等間隔又は不等間隔で配置してもよい。積層ヘッド300は、複合積層材400が所望の積層厚さ、及び、所望のプライ積層配列にレイアップされるまで、積層経路122を一周以上移動するように命令を受ける。
いくつかの例では、所望のプライ積層配列の複合積層材400を形成する手段として、コントローラ106は、1つ以上の積層ヘッド300に対して、少なくとも1つの積層マンドレル146を1回以上通過する間はレイアップ材料316の送出を停止するように命令し、この間も、残りの積層ヘッド300には、この積層マンドレル146にレイアップ材料316を継続して送出させる。例えば、積層経路122において、同じ種類のレイアップ材料316が装着されている積層ヘッド300が複数ある場合は、これらの積層ヘッド300に命令し、あるいは、プログラムして、プライ積層配列に合致する種類のレイアップ材料316を含む積層ヘッド300のうち最初に利用可能なもの(例えば、積層ステーション140に向かう積層ヘッド300のうち、最も近くに位置するもの)にレイアップ材料316を送出させることができる。この構成は、各積層ヘッド300が複合積層材400における特定の決まった複合材プライを形成する従来の積層とは異なる。上述の構成によれば、複合積層材400における特定の複合材プライを形成する複数の積層ヘッド300を互換的に使用することが可能になるので、1つ以上の積層ヘッド300を、整備(例えば、材料ロールの交換、ヘッド部品のメンテナンスなど)のために、積層経路122から離脱させ(例えば、待機ベイ210、メンテナンスベイ220、あるいは、リローディングベイ(reloading bay)230に移動させ)、積層経路122上の残りの積層ヘッド300には、この間も引き続き複合積層材400をレイアップさせるという柔軟な対応が可能になり、製造システム100の停止時間を最小限に抑えることができる。
いくつかの例では、複合積層材400における選択された1つ以上の複合材プライに、長さ方向の隙間、又は、プライ途切れ部を形成すべく、コントローラ106は、1つ以上の積層ヘッド300に対して、レイアップ材料316の送出を一時的に中断し、その後、再開するよう命令する。この間も、残りの積層ヘッド300は、継続してレイアップ材料316を積層マンドレル146に送出する。あるいは、ある積層ヘッド300に対して、レイアップ材料316の送出を停止し、再開しないよう命令することもできる。この間も、残りの積層ヘッド300は、継続してレイアップ材料316を積層マンドレル146に送出する。この結果、複合積層材400の1つ以上の複合材プライに長さ方向に延びる隙間が形成されるので、複合積層材400の積層厚みが長さ方向に沿って変化する、つまり、一定でないように形成して、例えば、設計要件に合致させることができる。さらに、コントローラ106は、積層マンドレル146における共通の場所にレイアップ材料316を送出する積層ヘッド300のうちの1つ以上に対して、積層マンドレル146にレイアップ材料316を送出するタイミングを、他の積層ヘッド300の送出開始から意図的に遅らせるよう命令することができる。なお、積層ヘッド300からのレイアップ材料316の開始及び/又は停止を制御する方法は多数あり、複合積層材400の積層厚みを長さ方向で変化させるためにいずれの方法を用いてもよい。
プリプレグテープなどの複合レイアップ材料316の送出に加えて、1つ以上の積層ヘッド300は、複合積層材400の加工を容易にするための加工材料であるレイアップ材料316の材料ロール308を装着することができる。上述したように、そのような加工材料には、離型フィルム、粘着性付与フィルム、ブリーザ層、ブリーダ層、剥離プライ、バギングフィルムの他、任意の様々な層、フィルム又は接着剤を含み、これらは、複合積層材400のレイアップ前やレイアップ中にレイアップすることができる。このような加工層により、限定するものではないが、例えば、レイアップ、デバルキング、トリミング、成形、及び/又は、硬化などの複合積層材400の様々な加工処理のうちの任意のものを容易に実行することができる。加工材料を送出すると、そのような加工材料を手作業で積層マンドレル146や複合積層材400に設ける場合に比べて、加工処理に要する時間を短縮することができる。上述したように、特定の材料及び/又は処理用フィルムやレイヤ(例えば、非接着性材料)については、裏打ち層回収ドラム338及び裏打ち層を分離するための機器を備えない積層ヘッド(図示せず)を用いて送出することができる。
図1~図6を参照すると、ヘッド移動システム170は、積層経路122に沿って積層ヘッド300を支持するよう構成された物理的な軌道システム172を含む。ただし、上述したように、積層経路122に沿って積層ヘッド300を移動する手段として、任意の様々な代替手段を用いることができ、限定するものではないが、例えば、ラックアンドピニオン構成(図示せず)、ねじ駆動式の構成(図示せず)やその他のギヤシステム(図示せず)を用いることができる。あるいは、後述するように、ヘッド移動ロボットシステム200(例えば、図11~図13)を用いて積層ヘッド300を移動することができる。図1~図6に示す実施形態では、軌道システム172は、積層経路122を構成するオーバヘッド軌条の形態で設けられている。図1~図2では、軌道システム172は、複数の軌道支持構造体174によって支持されており、これらの支持構造体は、軌道システム172と積層ヘッド300を合せた重量を支持するように、積層経路122に沿って間隔をおいて配置されている。軌道システム172は、軌道支持構造体174のうちの1つ以上から懸架される構成でもよい。物理的な軌道システム172で積層ヘッド300を支持する構成によれば、レイアップ材料316を送出する際の積層ヘッド300の配置(例えば、横方向の配置)及び送り移動(例えば、ヘッド速度)を、比較的高い精度で正確に制御できるという技術的効果が得られる。
図5~図6は、図1~図2の製造システム100の例を示す断面図であり、支柱178に支持された片持ち梁176として構成された軌道支持構造体174の例を示している。図5は、マンドレル支持部材102から上方に延びる支柱178に支持された片持ち梁176に連結された軌道システム172を示す。図6は、工場の床から上方に延びる支柱178に支持された片持ち梁176に連結された軌道システム172を示す。なお、軌道システム172は、任意の様々な構成の軌道支持構造体174で支持することができ、限定するものではないが、例えば、一対の支柱178によって両端が支持された横桁である軌道支持構造体(図示せず)も含まれる。さらなる実施形態では、軌道支持構造体174は、工場の天井などのオーバヘッド構造体(図示せず)から下方に延びる複数の吊り梁(図示せず)で構成される。
図5に示すヘッド移動システム170は、複数の積層ヘッド300を軌道システム172に連結する複数のヘッドキャリジ188を含む。各ヘッドキャリジ188は、軌道システム172に移動可能に取り付けられたベアリング、ローラ、及び/又は、スライド部材を含んでおり、積層ヘッド300を積層経路122に沿って移動させることができる。ヘッド移動システム170は、さらに、1つ以上モータ182を含むヘッド駆動機構180を含み、各モータは、ギヤ又はスプロケット186を回転駆動してするシャフト184を有しており、積層ヘッド300を軌道システム172に沿って移動させることができる。ヘッド駆動機構180は、さらに、積層ヘッド300を相互に連結するケーブル(図示せず)及び/又は鎖(図示せず)を含んでもよく、これにより、コンベヤシステムに類似の構成で積層ヘッド300を軌道システム172に沿って移動させることができる。これに代えて、あるいは、これに加えて、ヘッド駆動機構180は、例えば、ラックアンドピニオン構成やねじ駆動式の構成などの歯車機構を1つ以上サーボモータで駆動して積層ヘッド300を軌道システム172に沿って移動させる1つ以上のリニアアクチュエータシステム(図示せず)を含んでもよい。
引き続き図5を参照すると、一実施形態において、ヘッドキャリジ188のうちの1つ以上は、取付けフレーム302をヘッドキャリジ188に連結する垂直移動機構190を含む。垂直移動機構190は、コントローラ106の命令を受けると、積層経路122に沿った積層ヘッド300の移動に連動して、積層ヘッド300を上下に移動させるよう構成されている。例えば、コントローラ106は、垂直移動機構190に命令して、積層ヘッド300が一続きに送出するレイアップ材料316(図3~図4)の開始位置(図示せず)として指定された位置で積層ヘッド300を積層マンドレル146まで降下させ、また、一続きに送出するレイアップ材料316の終了位置として指定された位置で積層ヘッド300を上昇させて積層マンドレル146から離間させる。
図1を参照すると、製造システム100のいくつかの例は、積層経路122に接続された待機経路212を有する待機ベイ210を含む。待機ベイ210は、積層経路122上の1つ以上の積層ヘッド300と交換するための1つ以上の積層ヘッド300を待機経路212に保管しておくことができる。この点に関し、1つ以上の積層ヘッド300を待機ベイ210に保管し、この間も、積層経路122上の積層ヘッド300は、積層経路122に沿って配置された1つ以上の積層マンドレル146に複合積層材400のレイアップを継続することができる。上述したヘッド移動システム170は、コントローラ106の命令を受けて、積層ヘッド300のうちの1つ以上を積層経路122と待機経路212の間で移動させることができる。例えば、積層経路122上の積層ヘッド300がメンテナンスを要する場合、及び/又は、積層ヘッド300に装着された材料ロール308(図4)が無くなりかけている場合は、この積層ヘッド300を待機ベイ210に移動させて、別の積層ヘッド300と交換することができる。交換用の積層ヘッドは、最適な動作状態であるか、及び/又は、交換前の積層ヘッド300と同じ材料構成を有する新品や充填済みの材料ロール308が装着されたものである。他の例では、積層経路122上の積層ヘッド300を待機ベイ210に移動させて、この積層ヘッド300とは異なる材料構成のレイアップ材料316が充填された積層ヘッド300と交換することができる。この異なる材料構成は、例えば、レイアップ中の複合積層材400のプライ積層配列で必要なものである。加えて、待機ベイ210は、複合材料以外の材料、例えば、金属メッシュ、金属箔、その他の非複合材料が充填された1つ以上の積層ヘッド300を保管しておくことができる。複合積層材400のレイアップの停止時間を少なくし、場合によっては、最小限にする手段として、待機ベイ210によって、積層ヘッド300をメインの積層経路122の近傍に保管しておくことができるので、積層ヘッド300の迅速な交換が可能になり、製造システム100のスループットを最大限に引き出すことができるという技術的効果が得られる。
さらに他の例では、待機ベイ210は、複合積層材400の加工を促進するための加工材料の材料ロール308を装着した1つ以上の積層ヘッド300を含むことができる。例えば、待機ベイ210は、粘着性付与フィルムの材料ロール308を装着した積層ヘッド300を含むことができる。粘着性付与フィルムは、積層経路122における他の積層ヘッド300から複合レイアップ材料316を送出する前に、各積層マンドレル146に配置することができる。粘着性付与フィルムは、積層ヘッド300から送出されるレイアップ材料316と積層マンドレル146の接着を強化し、これによりレイアップ中に複合積層材400が動いてしまうことを防止できるので、より高い寸法精度で複合積層材400を完成させることができる。さらなる例では、待機ベイ210は、剥離プライ(例えば、フッ化エチレンプロピレン)を充填した積層ヘッド300を含むことができる。剥離プライは、レイアップ完了後に複合積層材400の最外層に保護層として付着させておき、この剥離プライを剥離して用いることで、複合積層材400の最外層の接着性を維持する手段とすることができる。当然ながら、待機ベイ210は、粘着性付与フィルムや剥離プライに限らず、任意の様々な種類の加工材料を充填した任意の数の積層ヘッド300を含むことができる。加工材料を充填して1つ以上の積層ヘッド300を待機ベイ210に保管しておくことで、加工材料を付着させるための専用のセル(即ち、床面積)及び/又は人員の必要性を排除又は低減することができるという技術的効果が得られる。
待機経路212は、軌道システム172として構成することができ、積層ステーション140の外部において、積層経路122の軌道システム172に接続することができる。例えば、図1は、積層経路122の第1端部128の近傍に位置する待機経路212を示している。ただし、製造システム100は、任意の数の待機経路212を積層経路122に沿った任意の位置に含むことができる。例えば、製造システム100は、積層経路122の第1端部128に配置された待機経路212と、第2端部130に配置された待機経路212と、を含む。いくつかの例では、待機経路212は、連続するループ状である。待機経路212は、積層経路122の少なくとも一部を用いて連続するループ状の待機経路212を構成するものでもよい。図1の例では、積層経路122の第1端部128が待機経路212の一部を構成する。なお、図示の待機ベイ210は、連続するループ状の経路であって、丸みを帯びた矩形の形状を有するが、待機経路212は、任意の様々な形状に構成することができ、ループ状以外の形状(図示せず)も可能である。軌道システム172は、待機経路212と積層経路122との分岐点に経路切り換えスイッチ(図示せず)を有する構成でもよい。例えば、図1において、経路切り換えスイッチは、待機経路212と第1端部128との分岐点に配置することができる。経路切り換えスイッチは、コントローラ106によって制御して、積層マンドレル146を待機経路212に進入させたり、そこから退避させたりできるように構成されている。
引き続き図1を参照すると、製造システム100は、引き込み経路(spur path)222を有するメンテナンスベイ220を含み、この引込み経路は、軌道システム172として構成され、積層経路122の軌道システム172に接続されている。メンテナンスベイ220は、積層ヘッド300に対して、待機ベイ210の機能を超えるレベルのメンテナンスを行うために設けられている。メンテナンスベイ220を設けることにより、積層ヘッド300の修理及び/又は分解検査(overhaul)を実施できるという技術的効果が得られる。これに加えて、あるいは、これに代えて、メンテナンスベイ220は、積層ヘッド300に現在充填されているレイアップ材料316とは異なる材料構成のレイアップ材料316に適合させて、積層ヘッド300の1つ以上ヘッド部品304を再構成したり、交換したりすることが可能な構成でもよい。また、メンテナンスベイ220は、1つ以上の積層ヘッド300に装着された材料ロール308を(例えば、手作業で)交換できる構成でもよい。ヘッド移動システム170は、モータ駆動又は手作業により積層ヘッド300を待機経路212と引き込み経路222との間で移動可能な構成でもよい。この点に関し、ヘッド移動システム170は、1つ以上の積層ヘッド300を待機経路212から引き込み経路222に移動させ、また、引き込み経路222から待機経路212に移動させることができる。軌道システム172は、引き込み経路222と待機経路212の分岐点に経路切り換えスイッチ(図示せず)を含んでもよい。経路切り換えスイッチは、コントローラ106によって制御可能であり、積層ヘッド300を引き込み経路222に進入させたり、そこから退避させたりできるように構成されている。
図7~図8は、マンドレル待機位置(mandrel holding position)152、レイアップセル120及びマンドレル排出位置(mandrel exit position)154の間で1つ以上の積層マンドレル146を移動可能な製造システム100の一例を上から下に見た図である。図7は、製造システム100の上面図であり第1積層ステーション142の第1積層マンドレル148、及び、第2積層ステーション144の第2積層マンドレル150が示されている。図8は、製造システム100の側面図である。製造システム100は、積層経路122の第1側辺部124及び第2側辺部126に対して平行に延びる一対のマンドレル支持部材102を含む。各マンドレル支持部材102は、マンドレル待機位置152からマンドレル排出位置154まで延びている。各マンドレル支持部材102は、積層マンドレル146をマンドレル待機位置152からレイアップセル120に、また、レイアップセル120からマンドレル排出位置154に並進移動させる手段を含んでもよい。例えば、各マンドレル支持部材102は、積層マンドレル146をスライドさせて並進移動させる長尺レール104を含む。加えて、各マンドレル支持部材102は、積層マンドレル146を長尺レールに沿って並進移動させるリニアアクチュエータ機構(図示せず)を含んでもよい。あるいは、ロボット装置(図示せず)や、レール以外の機構(図示せず)によって積層マンドレル146を移動させる構成でもよい。さらに他の例では、積層マンドレル146は、(例えば、技術者によって)手作業でマンドレル待機位置152からレイアップセル120に移動させ、及び/又は、手作業でレイアップセル120からマンドレル排出位置154に移動させることもできる。
図7~図8に示すように、各マンドレル支持部材102には、レイアップセル120内の積層ステーション140で積層マンドレル146に複合積層材400がレイアップされる間に、別の積層マンドレル146をマンドレル待機位置152に保管することができる。積層ステーション140で複合積層材400が完成すれば、レイアップセル120の積層マンドレル146をマンドレル排出位置154に移動させ、マンドレル待機位置152の積層マンドレル146をレイアップセル120の積層ステーション140に移動させて、積層経路122に配置された一連の積層ヘッド300を用いて、次の複合積層材400をレイアップする。マンドレル待機位置152及びマンドレル排出位置154が設けられていることにより、各積層ステーション140に積層マンドレル146を迅速に移動させ、また、そこから退避させることができるので、複合積層材400をレイアップする積層ヘッド300の停止時間を少なくし、場合によっては、最小限に抑えることができるという利点が得られ、これにより、複合積層材400の生産率を従来の複合材製造システムよりも高めることができる。
また、図示はしていないが、製造システム100は、各積層マンドレル146(例えば、第1積層マンドレル148及び第2積層マンドレル150)を各積層ステーション(例えば、第1積層ステーション142及び第2積層ステーション144)に対して位置決め配置するための手段を含んでいてもよい。例えば、積層マンドレル146を積層ステーション140に対いて位置決め配置する手段として、積層マンドレル及び/又はマンドレル支持部材102に1つ以上の機械的な特異部(図示せず)を設けることができる。これに代えて、あるいは、これに加えて、積層マンドレル146を積層ステーション140に位置決め配置する手段として、積層マンドレル146に反射ターゲットを設け、この位置と整合するようにマンドレル支持部材102に光学系を設けることができる。なお、製造システム100は、積層マンドレル146をマンドレル待機位置152から積層ステーション140に移動させる際に、積層マンドレル146を積層ステーション140に対して繰り返し位置決め配置可能な1つ以上の任意の様々なシステム構成を含むことができる。
引き続き図7~図9を参照すると、製造システム100のいくつかの例では、マンドレル排出位置154は、レイアップ完了後の複合積層材400のトリミングを行うためのトリミングセル160として構成することができる。トリミングセル160は、複合積層材400をトリミングするための1つ以上のトリミング装置162を含む。図9は、マンドレル排出位置154に配置された1つ以上のトリミング装置162を支持するよう構成されたオーバヘッドガントリ164の例を示す断面図である。オーバヘッドガントリ164は、一対の桁支持部材(beam support)168に両端が支持された横桁166を含む。横桁166は、桁支持部材168に対して垂直方向に並進移動可能であり、複合積層材400に対するトリミング装置162の垂直方向の高さを調節することができる。桁支持部材168は,マンドレル支持部材102に沿って水平方向に並進移動可能な構成であって、トリミング中に、トリミング装置162を複合積層材400の長さ方向に沿って移動させることができる。複合積層材400のトリミング中に、トリミング装置162をガントリ164で水平方向に並進移動させる代わりに、トリミング装置162は水平方向において静止させておき、積層マンドレル146がレイアップセル120からマンドレル排出位置154に移動するのにともなって、複合積層材400をトリミングしてもよい。
トリミング装置162は、任意の様々な支持構造で支持することができ、図7~図9に示したオーバヘッドガントリ164に限定されない。例えば、トリミング装置162は、片持ち梁構造、1つ以上のロボット装置、又は、その他の構成で支持することができる。トリミング装置162は、超音波ナイフ、レーザ装置、機械式カッターブレード、又は、その他の任意の様々な種類の切断装置の1つ以上によって構成することができる。トリミング装置162は、複合積層材400の側縁をトリミングし、及び/又は、例えば、突出タブ(tab out)406(図7)のような形状部を複合積層材400の側縁に形成してもよい。マンドレル排出位置154をトリミングセル160として構成することにより、複合積層材400のレイアップを行う製造システム100と同一のシステムで複合積層材400をトリミングすることができるという技術的効果が得られ、これにより、複合積層材400を専用のトリミングステーション(図示せず)に搬送するためのコストや複雑化を回避することができる。この点に関し、複合積層材400のトリミングをトリミングセル160で行うことで、複合積層材400の生産率を高めることができる。
マンドレル排出位置154は、レイアップセル120で進行中の他の複合積層材400のレイアップを中断することなく、複合積層材400を積層マンドレル146から取り外して他の位置に移動するための場所として利用することができる。例えば、マンドレル排出位置154において、ピックアンドプレース機(図示せず)によって複合積層材400を積層マンドレル146から取り外し、後処理のために複合積層材400を別の場所に移動させる。
また、マンドレル排出位置154は、下流の処理に備えて複合積層材400の事前キッティング(pre-kitting)を行う場所としても利用することができる。例えば、オフロード作業に先立って事前キッティングを行って、複合積層材400の後処理に用いる材料及び部品を複合積層材400に装備しておくことができる。例えば、複合積層材400の事前キッティングを行って、剥離プライ、離型フィルム、ブリーザ布(breather cloth)、バギングフィルム、ブラダ、エッジシーリング材、真空機器(vacuum fitting)、あて板(caul plate)、アール状フィラーの他、任意の様々な後処理工程で用いる様々な材料や部品のうちの任意の1つ以上を装備しておく。事前キッティングした材料部材は、すべて複合積層材400と一緒に積層マンドレル146から取り外されて、次の処理を行う場所に搬送される。マンドレル排出位置において、積層マンドレル146から複合積層材400及び事前キッティングした部材が取り外されると、積層マンドレル146は、コンベヤシステム(図示せず)、オーバヘッドガントリ164(図示せず)、1つ以上のロボット装置(図示せず)、その他の手段を含む様々な手段のうちの任意の手段によって、マンドレル待機位置152に戻される。
図10~図12に示す製造システム100の例におけるヘッド移動システム170は、積層ヘッド300を所定の積層経路122に沿って移動させるよう構成、あるいは、プログラムされたヘッド移動ロボットシステム200である。図10は、製造システム100の上面図であって、複数のヘッド移動ロボット装置202が示されている。これらのヘッド移動ロボット装置は、第1複合積層材402のレイアップ中は、第1グループの3つ積層ヘッド300をまとめて第1積層マンドレル148に沿って移動させ、第2複合積層材404のレイアップ中は、第2グループの3つの積層ヘッドをまとめて第2積層マンドレル150に沿って同時に移動させる。ただし、図1の軌道システム172に関して説明したように、図10~図12に示すヘッド移動ロボットシステム200は、積層ヘッド300を積層経路122に沿って連続して積層ヘッド300させる際に、積層ヘッド300を任意の様々なグループ単位で移動させてもよいし、あるいは、グループ分けせずに移動させてもよい。ヘッド移動ロボットシステム200を用いることによって、任意の様々な形状、サイズ、構成の積層マンドレル146に複合積層材400をレイアップするための要件などに合わせて、製造システム100の積層経路122を容易に再構成することができ、場合によっては、ヘッド移動ロボット装置202の動作を再プログラムするだけで再構成できるという技術的効果が得られる。例えば、ヘッド移動ロボットシステム200を再プログラムすれば、積層ステーション140内において非直線的な形状を有する積層経路122沿って積層ヘッド300を移動させることができ、非直線的な形状の複合積層材(図示せず)をレイアップする場合に必要な非直線的な形状の積層マンドレル(図示せず)に適合した積層経路に沿った移動が可能になる。
図10~図11は、第1グループの積層ヘッド300及び第2グループの積層ヘッド300を複数のヘッド移動ロボット装置202によって移動させるヘッド移動ロボット装置202の各々における、個々のヘッド移動ロボットアーム204の関節部を示している。なお、図示では、各ヘッド移動ロボット装置202が2つのヘッド移動ロボットアーム204を有するが、任意の1つ以上のヘッド移動ロボット装置202は、任意の数のヘッド移動ロボットアーム204を備えることができ、ヘッド移動ロボットアーム204を1つのみ備える場合も含まれる。
図12は、ヘッド移動ロボットシステム200の断面図であって、ヘッド移動ロボット装置202がロボットシステム台206に設置された例を示している。同図において、各積層ヘッド300とヘッド移動ロボットアーム204との連結が示されている。この点に関し、ヘッド移動ロボット装置202は、十分な自由度を持たせるために回転間接を備えてもよい。これにより、少なくとも各積層ヘッド300が積層マンドレル146にレイアップ材料316を送出する時には、各積層ヘッド300を所望の(例えば、概ね垂直方向の)配向に維持した状態で積層ヘッド300を積層経路122に沿って移動させることができる。
ヘッド移動ロボットシステム200は、1つ以上ヘッド移動ロボット装置202を含み、各ヘッド移動ロボット装置は、1つ以上の積層ヘッド300を支持する1つ以上のヘッド移動ロボットアーム204を有する。ヘッド移動ロボット装置202は、1つ以上のロボットシステム台206に取り付けられており、各ヘッド移動ロボット装置202は、積層ヘッド300を積層経路122の連続ループを周回移動させることが可能な位置において回転可能な態様で支持されている。ヘッド移動ロボットシステム200は、積層ヘッド300を積層経路122に沿って移動させるように、予めプログラミングされるか、及び/又は、コントローラ106(図2)によって制御される。いくつかの例では、ヘッド移動ロボット装置202は、積層ヘッド300から一続きに送出するレイアップ材料316(図3)の開始位置と終了位置において、各積層ヘッド300を上昇及び下降させるよう構成されている。図示はしていないが、ヘッド移動ロボットシステム200は、積層経路122と、積層経路122に接続された他の経路との間で積層ヘッド300を移動させるように制御、又は、予めプログラミングすることもできる。例えば、ヘッド移動ロボットシステム200は、積層経路122と、上述した待機ベイ210(図1)の待機経路212との間、待機経路212と、上述したメンテナンスベイ220(図1)の引き込み経路222との間、及び/又は、積層経路122と後述するリローディングベイ230(図13)のリローディング経路(reloading path)232との間で積層ヘッド300を移動させるように構成することができる。待機ベイ210及び/又はメンテナンスベイ220は、ヘッド移動ロボットシステム200によって積層経路122を周回移動中の積層ヘッド300と交換するための1つ以上の積層ヘッド300を保持するよう構成されたヘッド保持台(図示せず)をそれぞれ含んでもよい。
図13~図16を参照すると、図13は、積層経路122の両端の各々にリローディングベイ230が配置された製造システム100の例を示す上面図である。各リローディングベイ230は、積層経路122に接続されたリローディング経路232を有する。以下に記載するように、各リローディングベイ230は、少なくとも1つの交換用材料ロール312が装着された材料ホルダ234を含む。交換用材料ロールは、積層経路122からリローディング経路232を経由してリローディングベイ230に送られてくる積層ヘッド300の使用済み材料ロール310と自律的に交換される。材料ホルダ234は、交換対象の材料ロール308と同じ、又は、異なる材料構成の材料ロール308を少なくとも1つ含むことができる。ヘッド移動システム170は、積層ヘッド300の使用済み材料ロール310を交換する場合、その積層ヘッド300を積層経路122からリローディング経路232に移動させるよう構成されている。図示の例では、積層経路122及びリローディング経路232は、それぞれ物理的な軌道システム172により構成されている。図13では、明瞭性のため、軌道支持構造体174(例えば、図1)を省いている。図13~図16の製造システム100は、軌道システム172の代わりに、ヘッド移動ロボットシステム200を含み、これは、上述したように、使用済み材料ロール310を交換するために、積層ヘッド300を積層経路122とリローディング経路232の間で移動させるようにプログラムされている。
図13~図14では、各リローディング経路232は、積層ステーション140の外部で積層経路122に接続されている。いくつかの例では、リローディング経路232は、積層経路122の少なくとも一部を用いて、連続するループ状のリローディング経路232を構成している。例えば、図13において、各リローディング経路232の一方の端部は、積層経路122の端部に接続されており、リローディング経路232の反対側の端部は、積層経路122の側辺部に接続されている。ただし、リローディング経路232は、リローディング経路232の両端が積層経路122の側辺部に接続された構成でもよいし、リローディング経路232の両端が積層経路の端部に接続された構成でもよい。軌道システム172は、リローディング経路232と積層経路122の側辺部及び/又は端部との分岐点に、経路切り換えスイッチ(図示せず)を含んでもよい。経路切り換えスイッチは、コントローラ106(図2)によって制御可能であって、積層ヘッド300をリローディング経路232に進入させたり、そこから退避させたりするように構成されている。ヘッド移動システム170は、1つ以上の積層ヘッド300をリローディング経路232に移動させて、積層ヘッド300の材料供給ドラム306から使用済み材料ロール310を取り外し、交換用材料ロール312を材料供給ドラム306に装着する。交換用材料ロール312のレイアップ材料316は、使用済み材料ロール310のレイアップ材料316と同じ材料構成のものでも、異なる材料構成のものでもよい。リローディング経路232上の積層ヘッド300の使用済み材料ロール310を交換する間も、積層経路122上にある残りの積層ヘッド300は、1つ以上の複合積層材400のレイアップを継続することができる。製造システム100が1つ以上のリローディングベイ230を含むことにより、材料ロール308を自律的かつ迅速に交換することができるので、製造フローに与える影響を最小限に留めることができるという技術的効果が得られる。加えて、材料ロール308の交換が可能なことにより、積層ヘッド300そのものを交換する構成に必要なハードウェアのコストやシステムの複雑さを回避することができる。
図14には、リローディング経路232に部分的に隣接して固定配置された材料ホルダ234を有するリローディングベイ230の一部が示されている。上述したように、材料ホルダ234は、使用済み材料ロール310を取り外した後の積層ヘッド300に装着するための、少なくとも1つの交換用材料ロール312を保管するよう構成されている。図15は、リローディングベイ230の側面図であり、材料ホルダ234に隣接する材料補充位置(material loading position)244で積層ヘッド300を支持する軌道システム172が示されている。同図には、材料搬送機構236の例も示されており、これは、使用済み材料ロール310を積層ヘッド300から取り外し、取り外した使用済み材料ロール310を材料ホルダ234における空の保管位置240に搬送し、次いで、交換用材料ロール312を材料ホルダ234から積層ヘッド300の材料供給ドラム306に搬送するよう構成されている。図16は、材料ホルダ234の正面図であって、移動可能な複数の保管位置240が示されている。
図14~図16に示すように、材料ホルダ234は、一連の、又は、アレイ状の保管位置240を有する。各保管位置240は、使用済み材料ロール310や交換用材料ロール312などの材料ロール308を支持するよう構成されている。図示の例では、保管位置240のうちのいくつかに交換用材料ロール312が配置されており、保管位置240のうちのいくつかに使用済み材料ロール310が配置されており、保管位置240のうちの1つは空の保管位置240である。図示の例では、各保管位置240は、材料ホルダ234から横方向外側に延びて材料ロール308を支持するスピンドル238を有する。各スピンドル238は、材料ロール308の内径に対応したサイズ及び構成の外径を有しており、スピンドル238に対して材料ロール308をスライドさせて取り付け、取り外しできるように構成されている。ただし、材料ホルダ234は、材料ロール308を支持する任意の様々な機構を含んでもよく、スピンドル238のアレイに限定されるものではない。
図16において、材料ホルダ234は、保管位置循環システム(storage position circulation system)242(図16)を有する。このシステムは、例えば、コントローラ106で制御されたモータ(図示せず)により駆動される連続ループ状の垂直コンベヤシステムとして構成することができる。コントローラ106は、製造システム100の動作中、積層経路122上の各積層ヘッド300の材料ロール308におけるレイアップ材料316の残量に関する入力を連続的に受け取ることができる。いずれかの積層ヘッド300の材料ロール308が無くなりかけていることを感知すると、コントローラ106は、ヘッド移動システム170(図15)に命令して、該当する積層ヘッド300を積層経路122からリローディング経路232に移動させてリローディングベイ230に送る。ヘッド移動システム170は、積層ヘッド300がリローディング経路232に移動されると、これを材料補給位置244に移動させる。積層ヘッド300の使用済み材料ロール310は、材料補給位置244において、材料ホルダ234における空の保管位置240と整列するように配置される。材料ホルダ234は、積層ヘッド300が材料補給位置244に移動されたことを感知するように構成されている。例えば、材料ホルダ234は、各積層ヘッド300に取り付けられたRFIDチップ(図示せず)を感知するよう構成されたRFIDリーダ(図示せず)を有する。材料ホルダ234が材料補給位置244に配置された積層ヘッド300を感知すると、保管位置循環システム242が作動して、空の保管位置240が材料補給位置244にある積層ヘッド300の使用済み材料ロール310と整列するように、保管位置240(図16)を回転させる。図14~図16に示す例では、保管位置240を回転させて、空の保管位置240を材料ホルダ234の最上部に移動させて、材料補給位置244にある積層ヘッド300の使用済み材料ロール310と整列させている。
図15~図16に示すように、材料搬送機構236は、積層ヘッド300の使用済み材料ロール310に係合し、この使用済み材料ロール310を積層ヘッド300から、材料ホルダ234の最上部に位置する空の保管位置240に搬送する。図示の例では、材料搬送機構236は、真空パッド、把持機構などのエンドエフェクタ(図示せず)や、材料ロール308と係合するように構成されたその他のエンドエフェクタを有するリローディングロボットアーム252を備えるリローディングロボット装置250として構成することができる。例えば、リローディングロボット装置250は、積層ヘッド300の使用済み材料ロール310に係合し、この使用済み材料ロール310を積層ヘッド300の材料供給ドラム306から材料ホルダ234における空の保管位置240に(例えば、スピンドル238に)搬送するよう構成されている。ただし、材料搬送機構236は、積層ヘッド300と、材料ホルダ234における保管位置240のうちの少なくとも1つとの間で材料ロール308を搬送する任意の様々な構成を備えることができる。
使用済み材料ロール310が積層ヘッド300から材料ホルダ234における空の保管位置240に搬送されると、保管位置循環システム242が再び作動して、保管位置240を回転させて、交換用材料ロール312が配置された保管位置240が材料ホルダ234の最上部に移動させる。これにより、交換用材料ロール312が積層ヘッド300の材料供給ドラム306と整列する。リローディングロボット装置250は、材料ホルダ234の交換用材料ロール312に係合して、この交換用材料ロール312を積層ヘッド300の材料供給ドラム306に搬送する。交換用材料ロール312のレイアップ材料316を手作業、又は、自律的な処理でヘッド部品304(図4)に掛け通した後、ヘッド移動システム170は、積層ヘッド300をリローディング経路232から積層経路122に復帰させて、積層ステーション140(図13)においてレイアップ材料316の送出を再開させる。材料ホルダ234に搬送した使用済み材料ロール310は、リローディングベイ230が稼働していないときに、取り外して交換用材料ロール312と取り換えればよい。
図示はしていないが、実施形態によっては、各積層ヘッド300は、材料ロール308を交換した後、積層ヘッド300のヘッド部品304(図4)にレイアップ材料316(例えば、裏打ち付き材料314)を自律的に掛け通す機能を備える構成でもよい。例えば、交換用材料ロール312を材料ホルダ234から積層ヘッド300の材料供給ドラム306に移動させた後であって、この積層ヘッド300をリローディング経路232から積層経路122に戻す前に、積層ヘッド300の裏打ち層回収ドラム338(図4)、材料供給ドラム306(図4)、及び、材料送出機構328(図4)を含むヘッド部品304が互いに相対的に移動して、裏打ち付き材料314(図4)を材料供給ドラム306から裏打ち層回収ドラム338に掛け通すように自律的に動作するよう構成でもよい。この自律的な処理で裏打ち付き材料314をヘッド部品304に掛け通す際に、裏打ち付き材料314を裏打ち層分離装置330(図4)と裏打ち層セパレータ332(図4)との間にも係合させてもよい。加えて、裏打ち付き材料314を掛け通す自律的な処理において、裏打ち付き材料314をカッタープラテン324(図4)とカッターモジュール326(図4)との間に挟み込ませて、レイアップ材料316が積層ヘッド300から送出される際に、レイアップ材料316が切断されるようしてもよい。
図17~図19を参照すると、積層ヘッド300の使用済み材料ロール312を交換する材料補給システム(図13~図16)に加えて、あるいは、これに代えて、リローディングベイ230は、例えば、使用済み材料ロール310が装着された積層ヘッド300など、積層ヘッド300そのものを交換するよう構成されたヘッド装着システム260を含んでもよい。この構成によれば、材料ロールの交換後に、レイアップ材料316を積層ヘッド300のヘッド部品304にかけ通す作業に伴う停止時間が発生しない。図17に示すように、リローディング経路232は、図13について記載した態様で積層経路122に接続されていてもよい。ヘッド装着システム260は、リローディング経路232に部分的に隣接する位置に、例えば、リローディング経路232の略直線状の部分に沿って配置することができる。ヘッド移動システム170は、積層ヘッド300をリローディング経路232に沿ってヘッド交換位置262まで移動させ、ヘッド交換位置において積層ヘッド300をヘッド装着システム260の可動のヘッド搬送機構266に整列させる。これにより、積層ヘッド300をリローディング経路232から取り外すことが可能になる。例えば、図13~図16について説明したように、コントローラ106(図2)は、積層経路122上の各積層ヘッド300の材料ロール308に含まれるレイアップ材料316の残量に関する入力を連続的に受け取ることができる。コントローラ106は、積層経路122を周回する積層ヘッド300の中に、無くなりかけや使用済みの材料ロール310を有する積層ヘッドを感知すると、ヘッド移動システム170に命令して、この積層ヘッド300を積層経路122からリローディング経路232に移動させてヘッド交換位置262に位置させる。
図17~図19において、ヘッド装着システム260は、工場の床、又は、その他の手段によって支持されたヘッド装着スタンド264を含む。ヘッド装着スタンド264は、ヘッド装着スタンド264に固定された1つ以上ヘッドホルダ274を含む。図19に示すように、ヘッド装着スタンド264は、交換用積層ヘッド280を支持するよう構成された少なくとも1つのヘッドホルダ274を含む。加えて、図17に示すように、ヘッド装着スタンド264は、少なくとも1つのヘッドホルダ274を含む。各ヘッドホルダは、初期状態では空であり、交換のためにリローディング経路232から取り外された積層ヘッド278を支持するよう構成されている。ヘッド装着スタンド264は、上述のヘッド搬送機構266をさらに含んでもよい。このヘッド搬送機構は、積層ヘッド300をリローディング経路232から取り外し、取り外した積層ヘッド278をヘッド装着スタンド264の空のヘッドホルダ274に搬送し、次いで、他のヘッドホルダ274に保持されている交換用積層ヘッド280に係合して、この交換用積層ヘッド280をリローディング経路232に搬送するよう構成されている。図示の例では、ヘッド搬送機構266は、ヘッド装着スタンド264に含まれる1つ以上の長尺レール268に沿って水平方向に移動可能である。ヘッド搬送機構266は、ヘッド装着スタンド264に対して横方向に伸縮可能に構成された入れ子式ビーム270を含み、積層ヘッド300を積層経路122とヘッド装着スタンド264との間で(例えば、一度に一つずつ)搬送することができる。
図13~図16に示した上述の構成と同様に、図17~図19のヘッド装着システム260は、積層ヘッド300がヘッド交換位置262に移動されたことを感知するように構成された1つ以上のセンサ(RFIDリーダ)を含んでもよい。ヘッド交換位置262に積層ヘッド300があることをヘッド装着システム260が感知すると、ヘッド搬送機構266は、水平のレール268に沿って並進移動してこの積層ヘッド300と整列する。その状態で入れ子式ビーム270を伸長させて、積層ヘッド300の取付けフレーム302をリローディング経路232(例えば、軌道システム172)に連結するヘッド連結機構272に係合させる。ヘッド連結機構272は、ヘッド搬送機構266が係合すると、取付けフレーム302を積層経路122から切り離すよう構成されているので、積層ヘッド300を取り外すことが可能になる。ヘッド搬送機構266の入れ子式ビーム270は、切り離された積層ヘッド278をヘッド装着スタンド264側に退避させる。その後、ヘッド搬送機構266は、退避させた積層ヘッド278を長尺レール268に沿って並進移動させて、空のヘッドホルダ274まで搬送する。
図17~図19において、各ヘッドホルダ274は、積層ヘッド300のヘッド連結機構272に対して相補的に構成されたヘッド連結機構272を含み、積層ヘッド300をヘッド装着スタンド264のうちの任意のヘッドホルダ274に着脱可能に係合させることができる。ヘッド搬送機構266は、取り外した積層ヘッド278を空のヘッドホルダ274に排出すると、空になった状態で長尺レール268に沿って並進して、交換用の積層ヘッド280が保持されたヘッドホルダ274に移動する。ヘッド搬送機構266が交換用積層ヘッド280に係合すると、ヘッド連結機構272は、交換用積層ヘッド280を切り離して、ヘッド搬送機構266に渡す。ヘッド搬送機構266は、水平のレール268に沿って並進移動して、交換用積層ヘッド280をリローディング経路232上のヘッド交換位置262に整列させる。ヘッド搬送機構266の入れ子式ビーム270は、交換用積層ヘッド280を横方向に移動させてリローディング経路232と整列させる。この結果、ヘッド連結機構272を介して取付けフレーム302を積層経路122に連結することができる。交換用積層ヘッド280がリローディング経路232に連結されると、ヘッド移動システム170は、交換用積層ヘッド280を積層経路122に移動させるので、当該積層ヘッドは、1つ以上の積層ステーション(図13)において、積層経路122上の他の積層ヘッド300と連動して、レイアップ材料316を送出することができる。
ヘッド装着システム260を用いて積層ヘッド300を交換する間も、積層経路122上の他の積層ヘッド300は、レイアップ材料316の送出を継続して、1つ以上の複合積層材400をレイアップすることができる。積層ヘッド300を交換すると、使用済み材料ロール310を交換する場合の停止時間に比べて、製造システム100における停止時間を短縮することができる。この点に関し、使用済み材料ロール310を交換するのではなく、積層ヘッド300そのものを交換することで、使用済み材料ロール310を交換用材料ロール312に交換した後にレイアップ材料316を積層ヘッド300のヘッド部品304にかけ通す作業が不要になる。また、製造システム100が1つ以上のヘッド装着システム260を備えることにより、積層ヘッド300の交換を自律的かつ迅速に行って、製造フローに与える影響を最小限に留めることができるという技術的効果が得られる。
本開示では、製造システム100の動作は、コントローラ106(図2)によって制御することができる。例えば、ヘッド移動システム170(図1~図6)による積層ヘッド300の移動、各積層ヘッド300のヘッド部品304(図4)の動作、リローディングシステム(図13~図16及び図17~図19)の動作、積層マンドレル146をマンドレル待機位置152からレイアップセル120に、また、マンドレル排出位置154(図7~図8)に移動させる任意の並進移動は、少なくとも部分的には、1つ以上の複合積層材400の製造用に予めプログラムされたコンピュータ可読のプログラム命令をコントローラ106(図2)が実行することで制御することができる。
図13を参照して簡単に説明すると、製造システム100のいくつかの例は、操作者が製造システム100の1つ以上の側面を監視し、及び/又は、制御や介入するための制御ステーション108を含む。図示の例では、制御ステーション108は、積層経路122で囲まれた領域の内側に配置されている。積層経路122は、制御ステーション108に人が出入りするためのゲート110を備える。制御ステーション108は、ヘッド移動システム170、個々の積層ヘッド300、待機ベイ210、メンテナンスベイ220、及び、リローディングベイ230の監視及び制御を可能にし、加えて、積層マンドレル146がマンドレル待機位置152からレイアップセル120を通ってマンドレル排出位置154に移動する並進移動を監視することができる。
図20を参照すると、複合積層材400を製造する方法500に含まれる処理のフローチャートが示されている。方法500のステップ502は、ヘッド移動システム170を用いて、連続するループ状の積層経路122に沿って複数の積層ヘッド300を連続して移動させる。図1に示す例では、本方法は、第1端部128及び第2端部130において相互に接続された第1側辺部124及び第2側辺部126を有する積層経路122に沿って、複数の積層ヘッド300を移動させることを含む。積層経路122が物理的な軌道システム172(図3~図6)として構成されている例では、製造システム100は、1つ以上のモータ182(図5)を含み、これらモータは、任意の要件として、個々の積層ヘッド300を独立して、あるいは、積層ヘッド300の1つ以上のグループとして移動させるよう構成されたコンベヤシステム(図示せず)に係合している。
図1を参照して簡単に説明すると、いくつかの例では、積層経路122に沿って複数の積層ヘッド300を連続して移動させるステップ502は、少なくとも1つの積層ヘッド300が積層経路122を少なくとも一周する間に、少なくとも1つの積層ヘッド300を積層経路122の中央部132に沿って移動させて、第1側辺部124又は第2側辺部126のいずれかを迂回させることを含んでもよい。図1において、中央部132は、第1端部128と第2端部130との間に延びており、第1側辺部124及び第2側辺部126に平行に配置されていてもよい。例えば、第1側辺部124又は第2側辺部126のうちの一方に配置された積層マンドレル146が不要である場合やメンテナンス中である場合に、1つ以上の積層ヘッド300を中央部132に沿って移動させて、第1側辺部124又は第2側辺部を迂回させることができる。
積層経路122に沿って複数の積層ヘッド300を連続して移動させるステップ502は、積層経路122を構成する物理的な軌道システム172(例えば、図1及び図13)に沿って、複数の積層ヘッド300を連続して移動させることを含む。上述したように、複数の積層ヘッド300は、図5~図6に示すように、軌道システム172に連結された複数のヘッドキャリジ188にそれぞれ支持されている。1つ以上ヘッドキャリジ188は、軌道システム172に連結されて積層ヘッド300を軌道システム172に沿って移動させるローラ(図示せず)又はスライド機構(図示せず)を含んでもよい。軌道システム172は、軌道支持構造体174に支持される構成でもよい。積層ヘッド300を支持するヘッドキャリジ188は、軌道システム172から懸架された構成でもよい。
複数の積層ヘッド300を積層経路122に沿って連続して移動させるステップ502は、物理的な軌道システム172に代えて、積層ヘッド300を積層経路122に沿って移動させるように予めプログラムされた、あるいは、そのように制御される複数のヘッド移動ロボット装置202(図10~図12)によって複数の積層ヘッド300を連続して移動させることを含んでもよい。例えば、図10~図12に示して上述したように、積層経路122は、1つ以上ヘッド移動ロボット装置202を用いて複数の積層ヘッド300を予めプログラミングされたように移動させることで規定されるものでもよい。本方法は、積層ヘッド300を積層経路122に沿って連続して移動させる際に、積層ヘッド300を任意の様々なグループに分けて、あるいは、グループ分けせずに移動させることを含んでもよい。積層ヘッド300を容易に移動できるように、本方法は、1つ以上ヘッド移動ロボット装置202が設置されたロボットシステム台206を回転させることを含んでもよい。
本方法500のステップ504は、積層ヘッド300が積層経路122を1周以上移動する間に、少なくとも1つの積層マンドレル146に対して、あるいは、先に配置されたレイアップ材料316に対して、積層ヘッド300からレイアップ材料316を送出し、これにより、所望のプライ積層配列で複合材プライが積層された複合積層材400を形成することを含む。上述したように、複合積層材400のプライ積層配列、つまりは、積層経路122に沿った積層ヘッド300の順序は、少なくとも部分的には、完成後の複合積層材の使用について想定される設計荷重の組に基づいて決定される。上述したように、少なくとも1つの積層マンドレル146は、積層経路122に沿って、及び/又は、積層経路の下に、静止状態で配置してもよい。各積層マンドレル146の位置には、積層経路122に沿った積層ステーション140が形成される。いくつかの例では、本方法は、各積層ヘッド300が一続きに送出するレイアップ材料316の開始位置として指定された位置に積層ヘッド300が近づくと、積層ヘッド300を積層マンドレル146まで降下させることを含んでもよい。加えて、本方法は、各積層ヘッド300が一続きに送出するレイアップ材料316の終了位置として指定された位置に近づくと、積層ヘッド300を上昇させて、積層マンドレル146から離間させることを含んでもよい。いくつかの例では、本方法は、上述したように、少なくとも1つの積層ヘッド300については、積層マンドレル146へのレイアップ材料316の送出を停止、及び、再開させ、残りの積層ヘッド300については、積層マンドレル146へのレイアップ材料316の送出を継続させることを含んでもよい。
いくつかの例では、積層ヘッド300からレイアップ材料316を送出するステップ504は、複合レイアップ材料又は加工材料のうちの少なくとも1つから成るレイアップ材料316を積層ヘッド300から送出することを含んでもよい。上述したように、複合レイアップ材料は、例えば、ドライレイアップ材料などの繊維強化ポリマー母材、又は、プリプレグテープなどの予備含浸レイアップ材料を含む。複合レイアップ材料316の送出に加えて、本方法は、任意の要件として、例えば、金属メッシュや金属箔など、複合材料以外のレイアップ材料316を、積層マンドレル146に対して、あるいは、積層マンドレル146に先に配置されたレイアップ材料316対して送出することを含んでもよい。上述したように、本方法は、例えば、粘着性付与フィルム、剥離プライ、又は、複合積層材400のレイアップ及び/又は加工を促進するその他の任意の加工材料を送出することを含んでもよい。
上述したように、少なくとも1つの積層マンドレル146に対して積層ヘッド300からレイアップ材料316を送出するステップ504は、積層経路122の第1側辺部124と、第1側辺部124とは反対側の第2側辺部126と、のうちの少なくとも1つに沿って配置された積層マンドレル146に対してレイアップ材料316を送出させることを含む。図1に示すように、第1側辺部124及び第2側辺部126は、第1端部128、及び、この第1端部128の反対側に位置する第2端部130において互いに接続されている。このような構成において、本方法は、第1側辺部124及び第2側辺部126に沿って配置されており、第1積層ステーション142及び第2積層ステーション144をそれぞれ形成する第1積層マンドレル148及び第2積層マンドレル150に対して、レイアップ材料316を送出することを含んでもよい。この点に関し、第1積層ステーション142は、第1側辺部124に沿って配置され、第2積層ステーション144は第2側辺部126に沿って配置されている。ただし、上述したように、本方法は、積層経路122に沿った任意の位置に配置された任意の数の積層マンドレル146に対してレイアップ材料316を送出することを含んでもよく、積層経路122において互いに反対側に位置する2つの側辺部に配置された第1積層マンドレル148及び第2積層マンドレル150にレイアップ材料316を送出することに限定されない。
図1を参照すると、いくつかの例では、方法500は、積層経路122と、積層経路122に接続された待機経路212との間で、少なくとも1つの積層ヘッド300を移動させることをさらに含む。本方法は、待機経路212上の少なくとも1つの待機ベイ210に、1つ以上の積層ヘッド300を、積層経路122上の1つ以上の積層ヘッド300の交換用に保管することを含んでもよい。図示の例では、製造システム100は、積層経路122の両端に待機ベイ210を含む。各待機ベイ210は、積層経路122の一部によって形成された連続するループ状の待機経路212を有する。加えて、各待機経路212は、積層ステーション140の外部で積層経路122に接続されている。積層経路122上のいずれかの積層ヘッド300の材料ロール308が無くなりかけた場合や、異なる材料構成が必要な場合、あるいは、積層ヘッド300のメンテナンスを行う必要がある場合、該当する積層ヘッド300を積層経路122から待機経路212に移動させ、代わりに、待機経路212上の積層ヘッド300を交換用として積層経路122に移動させる。
例えば、積層ヘッド300に対して、待機ベイ210で可能なレベルを超えるメンテナンスが必要な場合は、方法500は、積層経路122及び/又は待機経路212に接続された引き込み経路222を経由して、少なくとも1つの積層ヘッド300を積層経路122又は待機経路212からメンテナンスベイ220に移動させることを含んでもよい。メンテナンスベイ220は、待機ベイ210で可能な軽微なメンテナンスや材料補給を超えるレベルの整備を1つ以上の積層ヘッド300に対して行うために構成されている。例えば、本方法は、メンテナンスベイ220において積層ヘッド300の修理や分解検査を行うことを含んでもよい。本方法は、さらに、メンテナンスベイ220において、1つ以上の積層ヘッド300の材料ロール308を交換することを含んでもよい。これに加えて、或いは、これに代えて、本方法は、待機ベイ210において、1つ以上のヘッド部品304を再構成することを含んでもよい。例えば、本方法は、さらに、積層ヘッド300における1つ以上ヘッド部品304を、積層ヘッド300に充填する新たな材料構成や異なる材料構成のレイアップ材料316に適合したヘッド部品304に交換することを含んでもよい。
図13~図16を参照すると、いくつかの例では、方法500は、積層経路122と、リローディング経路232を介して積層経路122に接続されたリローディングベイ230との間で、少なくとも1つの積層ヘッド300を移動させることをさらに含む。図示の例では、製造システム100は、積層経路122の両端に2つのリローディングベイ230を含む。各リローディング経路232は、製造システム100に含まれる1つ以上の積層ステーション140の外部で積層経路122に接続されている。各リローディング経路232は、積層経路122の少なくとも一部によって、連続するループ状に形成されている。本方法は、1つ以上の交換用材料ロール312をリローディングベイ230に保管することを含んでもよい。各リローディングベイ230は、交換対象の材料ロール308と同じ、又は、異なるレイアップ材料316の少なくとも1つの材料ロール308を含むことができる。本方法は、さらに、積層経路122からリローディングベイ230に移動させた積層ヘッド300に含まれる使用済み材料ロール310を交換用材料ロール312のうちの1つと交換することを含んでもよい。
引き続き図13~図16を参照すると、積層経路122とリローディング経路232との間で少なくとも1つの積層ヘッド300を移動させるステップは、ヘッド移動システム170を用いて、積層ヘッド300のうちの1つをリローディング経路232に沿った位置にある材料補給位置244(図14)に移動させ、この材料補給位置において、積層ヘッド300に含まれる使用済み材料ロール310を、リローディング経路232に対して固定配置されている材料ホルダ234が有する一連の保管位置240のうちの空の保管位置240(図14~図15)と整列させることを含んでもよい。少なくとも1つの交換用材料ロール312をリローディングベイ230に保管するステップは、1つ以上の交換用材料ロール312を材料ホルダ234の保管位置240に保管することを含んでもよい。材料ホルダ234は、例えば、図16に示すように、交換用の材料ロール312を支持可能なスピンドル238として構成された複数の保管位置240を含む。
使用済み材料ロール310を交換用の材料ロール312と交換するステップは、使用済み材料ロール310に係合して積層ヘッド300から取り外し、取り外した使用済み材料ロール310を材料ホルダ234における空の保管位置240に装着することを含む。例えば、補給システムは、使用済み材料ロール310を積層ヘッド300から取り外し、取り外した使用済み材料ロール310を材料ホルダ234の保管位置240に搬送する動作を自律的に行うリローディングロボット装置250(図15~図16)を含む。この動作は、例えば、使用済み材料ロール310を積層ヘッド300の材料供給ドラム306から、材料ホルダ234における保管位置240のスピンドル238に滑り落とすことで実行される。本方法は、使用済み材料ロール310を積層ヘッド300から取り外した後に、材料ホルダ234の保管位置循環システム242(図16)を作動させて、一連の保管位置240を移動又は周回させて、交換用材料ロール312が入っている保管位置240を、材料補給位置244に位置する積層ヘッド300の材料供給ドラム306と整列させることを含む。本方法は、次いで、交換用材料ロール312を保管位置240から取り外し、取り外した交換用材料ロール312を積層ヘッド300の材料供給ドラム306に装着することを含んでもよい。例えば、リローディングロボット装置250が作動すると、交換用材料ロール312を材料ホルダ234のスピンドル238から滑り落とし、これを積層ヘッド300の材料供給ドラム306に装着する。材料ロール308の交換後、ヘッド移動システム170は、積層ヘッド300をリローディング経路232から積層経路122に復帰させ、少なくとも1つの積層マンドレル146へのレイアップ材料316の送出を再開させる。
図17~図19を参照して簡単に説明すると、リローディングベイ230で積層ヘッド300の使用済み材料ロール310(図13~図16)を交換することに代えて、あるいは、これに加えて、方法500は、積層経路122からリローディングベイ230に移動された積層ヘッド300を交換用積層ヘッド280と自律的に交換することを含んでもよい。上述したように、リローディングベイ230は、上述した図13~図16のリローディングシステムに代えて、ヘッド装着システム260を含む構成でもよい。方法500は、ヘッド装着システム260に1つ以上の交換用積層ヘッド280を保管することを含んでもよい。いくつかの例では、各交換用積層ヘッド280は、新品の材料ロール308を含むか、あるいは、交換用積層ヘッド280のレイアップ材料316と同じ種類、或いは、異なる種類のレイアップ材料316がフルに充填された材料ロールを含むことができる。方法500は、ヘッド装着システム260を用いて、積層ヘッド300をリローディング経路232上のヘッド交換位置262(図17)に移動させることを含んでもよい。加えて、方法500は、ヘッド搬送機構266を用いて、積層ヘッド300をリローディング経路232(例えば、軌道システム172)から切り離すことを含んでもよく、これは、例えば、ヘッド搬送機構266の入れ子式ビーム270を横方向に伸長させて、ヘッド交換位置262に位置する積層ヘッド300のヘッド連結機構272に係合させて、積層ヘッド300を軌道システム172から切り離すことで実行できる。
方法500は、取り外した積層ヘッド278を支持する入れ子式ビーム270を後退させ、これにより、取り外した積層ヘッド278をヘッド装着スタンド264側に移動させ、次いで、ヘッド搬送機構266を用いて、取り外した積層ヘッド278を長尺レール268に沿った並進移動により空のヘッドホルダ274(例えば、図17)に移動させる。方法500は、取り外した積層ヘッド278を空のヘッドホルダ274に排出して空になったヘッド搬送機構266を長尺レール268に沿って並進移動させて、ヘッド装着スタンド264における他のヘッドホルダ274(例えば、図19)から交換用積層ヘッド280を取り出すことを含んでもよい。ヘッド搬送機構266は、その後、並進移動してヘッド交換位置262と整列する位置に戻り、入れ子式ビーム270を横方向に伸長させて、入れ子式ビームが支持している交換用積層ヘッド280を、ヘッド連結機構272を介してリローディング経路232に係合させる。次いで、ヘッド移動システム170は、交換用積層ヘッド280を積層経路122に移動させて、当該積層ヘッドに、積層経路122上の他の積層ヘッド300と連動して、レイアップ材料316を送出させる。
図7~図8を参照して簡単に説明すると、いくつかの例では、方法500は、製造システム100に任意の構成として含まれるマンドレル待機位置152に、積層マンドレル146を保持、あるいは、保管することを含んでもよい。例えば、上述したように、図7~図8は、レイアップセル120の左側にマンドレル待機位置152を有する製造システム100の例を示している。上述したように、レイアップセル120は、積層経路122と、積層ステーション140に配置された1つ以上の積層マンドレル146と、を有する。製造システム100は、1つ以上のマンドレル支持部材102を含み、各マンドレル支持部材は、その長さ方向において、マンドレル待機位置152から、積層経路122の左側にあるマンドレル排出位置154まで延びている。本方法は、積層経路122上の複数の積層ヘッド300を用いて積層マンドレル146にレイアップ材料316を送出する前に、少なくとも1つの積層マンドレル146をマンドレル待機位置152からレイアップセル120内の積層ステーション140に移動させることを含んでもよい。いくつかの例では、積層マンドレル146は、リニア駆動機構(図示せず)を用いて、マンドレル待機位置152から積層ステーション140に(例えば、長尺レール104に沿って)スライド移動させることができる。あるいは、積層マンドレル146は、ロボット装置(図示せず)、自律走行車(図示せず)、コンベヤシステム(図示せず)を用いて移動させることもできるし、及び/又は、積層マンドレル146は、手作業で移動させることもできる。マンドレル待機位置152は、積層マンドレル146を待機させる位置として使用することに加えて、積層マンドレル146をレイアップセル120内の積層ステーション140に移動させる前に、各積層マンドレル146にレイアップ材料316を付着させるための準備作業を行うための位置として使用することができる。
引き続き図7~図8を参照すると、方法500は、レイアップ完了後の複合積層材400の取り外し、及び/又は、加工を行うために、積層マンドレル146を積層ステーション140からマンドレル排出位置154に移動させることを含んでもよい。上述したように、積層マンドレル146は、長尺レール104に沿って積層ステーション140からマンドレル排出位置154に移動させることができる。積層マンドレル146を積層ステーション140から移動させた後、マンドレル待機位置152に位置する次の積層マンドレル146を積層ステーション140に移動させて、新たな複合積層材400のレイアップを開始することができる。
上述したように、製造システム100のいくつかの例では、マンドレル排出位置154は、レイアップ完了後の複合積層材400のトリミングを行うためのトリミングセル160として構成することもできる。例えば、図9は、複合積層材400のトリミングを行うようにオーバヘッドガントリ164に支持されたトリミング装置162の例を示している。例えば、図8に示すように、本方法は、複合積層材400をトリミングすることを含んでおり、トリミング装置162を作動させて複合積層材400の側縁をトリミングする。マンドレル排出位置154は、複合積層材400の下流工程において用いられる材料及び/又は部材を複合積層材400に装着する事前キッティングを行う場所として利用することができる。例えば、上述したように、複合積層材400の事前キッティングは、ブリーザ布、バギングフィルム、エッジシーリング材、真空機器など、複合積層材400と一緒に積層マンドレル146から取り外す材料及び/又は部材を装備しておくことを含む。積層マンドレル146からの取り外し後、本方法は、コンベヤシステム(図示せず)、ロボット装置(図示せず)、自律走行車(図示せず)、又は、その他の手段で積層マンドレル146を周回させて、マンドレル排出位置154からマンドレル待機位置152に復帰させることを含んでもよい。マンドレル排出位置154及びマンドレル待機位置152において実行される作業のうちの任意の1つ以上は、レイアップセル120において1つ以上の積層ステーション140に1つ以上の複合積層材400をレイアップする作業と同時に行うことができる。
図13を参照して簡単に説明すると、方法500は、1つ以上の複合積層材400のレイアップの監視を含め、操作者が制御ステーション108において製造システム100を手動で監視することを含んでもよい。例えば、製造システム100の動作中、操作者又は技術者は制御ステーション108で待機し、操作者が個々の積層ヘッド300の動作の監視及び/又は制御に加えて、待機ベイ210、メンテナンスベイ220、及び/又は、リローディングベイ230における作業の監視及び/又は制御を行ってもよい。加えて、操作者又は技術者は、上述したようにマンドレル待機位置152からレイアップセル120へ、また、レイアップセル120からマンドレル排出位置154(図7~図8)に積層マンドレル146が並進移動ことを監視することができる。制御ステーション108によれば、製造システム100で実行される作業の内の任意の1つを操作者が制御することができる。例えば、制御ステーション108は、製造システムにおいて実行される動作のうちの任意の1つにおける1つ以上パラメータを操作者が調整するための制御部を含んでもよい。これに加えて、あるいは、これに代えて、制御ステーション108は、1つ以上の複合積層材400の製造に関する1つ以上の任意の処理の停止及び/又は再開を操作者により操作可能な構成でもよい。
さらに、本開示は、以下に列挙する付記に記載の実施例を含む。
A1.複数の積層ヘッド(300)と、連続するループ状の積層経路(122)を規定するとともに、当該積層経路(122)に沿って前記積層ヘッド(300)を連続して移動させるヘッド移動システム(170)と、前記積層経路(122)の一部に沿って配置されて第1積層ステーション(142)を構成する少なくとも1つの積層マンドレル(146)と、を備える製造システム(100)であって、前記積層ヘッド(300)が前記ヘッド移動システム(170)によって移動されて前記積層経路(122)を1周以上する間に、前記積層ヘッド(300)の各々は、前記少なくとも1つの積層マンドレル(146)の上に、又は、前記積層マンドレル(146)に先に配置されたレイアップ材料(316)の上に、レイアップ材料(316)を送出して複合積層材(400)をレイアップするように構成されている、製造システム。
A2.前記積層経路(122)は、第1側辺部(124)、及び、当該第1側辺部(124)に対向する第2側辺部(126)を有し、前記少なくとも1つの積層マンドレル(146)は、前記第1側辺部(124)及び前記第2側辺部(126)のうちの少なくとも1つに沿って配置されている、付記A1に記載の製造システム(100)。
A3.前記積層経路(122)に接続された待機経路(212)を有する待機ベイ(210)をさらに備え、前記待機ベイ(210)は、前記待機経路(212)上に1つ以上の積層ヘッド(300)を保管するよう構成されており、前記ヘッド移動システム(170)は、前記積層ヘッド(300)を前記積層経路(122)と前記待機経路(212)との間で移動させるよう構成されている、付記A1又はA2に記載の製造システム(100)。
A4.前記待機ベイ(210)に接続された引き込み経路(222)を有するメンテナンスベイ(220)をさらに備え、当該メンテナンスベイ(220)は、前記積層ヘッド(300)のうちの1つ以上に装着された材料ロール(308)の保守及び交換のうちの少なくとも1つのために構成されており、前記ヘッド移動システム(170)は、前記積層ヘッド(300)を前記待機経路(212)と前記引き込み経路(222)との間で移動させるよう構成されている、付記A3に記載の製造システム(100)。
A5.前記積層経路(122)に接続されたリローディング経路(232)を有するリローディングベイ(230)をさらに備え、前記リローディングベイ(230)は、交換用材料ロール(312)又は交換用積層ヘッド(280)のうちの少なくとも1つを含み、前記交換用材料ロール(312)は、前記積層経路(122)上の積層ヘッド(300)における使用済み材料ロール(310)と交換するためのものであり、前記交換用積層ヘッド(280)は、前記積層経路(122)上の積層ヘッド(300)と交換するためのものであり、前記ヘッド移動システム(170)は、積層ヘッド(300)の使用済み材料ロール(310)を交換するために、又は、当該積層ヘッド(300)を交換するために、当該積層ヘッド(300)を前記積層経路(122)から前記リローディング経路(232)に移動させるよう構成されている、付記A1~A4のいずれかに記載の製造システム(100)。
A6.前記ヘッド移動システム(170)は、前記積層経路(122)を規定するとともに、前記積層ヘッド(300)を支持する軌道システム(172)、及び、前記積層ヘッド(300)を支持して前記積層経路(122)に沿って移動させるヘッド移動ロボットシステム(200)、のうちの1つを含む、付記A1~A5のうちのいずれかに記載の製造システム(100)。
A7.少なくとも1つの積層マンドレル(146)を保管するよう構成されたマンドレル待機位置(152)をさらに備え、前記積層マンドレル(146)は、前記マンドレル待機位置(152)から前記積層ステーション(140)に移動可能である、付記A1~A6のいずれかに記載の製造システム(100)。
A8.前記積層ステーション(140)から前記積層マンドレル(146)及び前記複合積層材(400)を受け取るよう構成されたマンドレル排出位置(154)をさらに備える、付記A7に記載の製造システム(100)。
B1.複数の積層ヘッド(300)と、連続するループ状の積層経路(122)を規定するとともに、当該積層経路(122)に沿って前記積層ヘッド(300)を連続して移動させるヘッド移動システム(170)と、を備える製造システム(100)であって、前記積層経路(122)は、第1端部(128)及び第2端部(130)によって相互に接続された第1側辺部(124)及び第2側辺部(126)を有するものであり、前記製造システムは、さらに、前記第1側辺部(124)に沿って配置されて第1積層ステーション(142)を構成する第1積層マンドレル(148)と、前記第2側辺部(126)に沿って配置されて第2積層ステーション(144)を構成する第2積層マンドレル(150)と、を備え、前記積層ヘッド(300)が前記ヘッド移動システム(170)によって移動されて前記積層経路(122)を1周以上移動する間に、前記積層ヘッド(300)の各々は、前記第1積層マンドレル(148)及び前記第2積層マンドレル(150)の上に、又は、前記第1積層マンドレル及び前記第2積層マンドレル(148、150)に先に配置されたレイアップ材料(316)の上に、レイアップ材料(316)を送出して、前記第1積層マンドレル(148)及び前記第2積層マンドレル(150)にそれぞれ第1複合積層材(402)及び第2複合積層材(404)をレイアップするように構成されている、製造システム。
B2.前記積層経路(122)は、前記第1端部(128)と前記第2端部(130)との間に延びる中央部(132)を含み、前記ヘッド移動システム(170)は、前記積層ヘッド(300)のうちの少なくとも1つが前記積層経路(122)を少なくとも1周する間に、前記積層ヘッド(300)を前記中央部(132)に沿って移動させて、前記第1側辺部(124)又は前記第2側辺部(126)のうちの1つを迂回させるよう構成されている、付記B1に記載の製造システム(100)。
C1.ヘッド移動システム(170)を用いて、連続するループ状の積層経路(122)に沿って複数の積層ヘッド(300)を移動させることと、前記積層ヘッド(300)が前記積層経路(122)を少なくとも1周する間に、前記積層ヘッド(300)から少なくとも1つの積層マンドレル(146)の上に、又は、先に配置されたレイアップ材料(316)の上に、レイアップ材料(316)を送出して複合積層材(400)を形成することと、を含み、前記少なくとも1つの積層マンドレル(146)は、前記積層経路(122)の一部に沿って配置されており、第1積層ステーション(142)を構成するものである、複合積層材(400)を製造する方法。
C2.前記積層ヘッド(300)からレイアップ材料(316)を送出するステップは、複合レイアップ材料(316)、金属メッシュ、金属箔、及び、加工材料(314)のうちの少なくとも1つを含むレイアップ材料(316)を前記積層ヘッド(300)から送出することを含む、付記C1に記載の方法。
C3.前記積層ヘッド(300)から前記少なくとも1つの積層マンドレル(146)の上にレイアップ材料(316)を送出するステップは、前記積層経路(122)の第1側辺部(124)、及び、当該第1側辺部(124)の反対側に位置する第2側辺部(126)のうちの少なくとも1つに沿って配置された前記積層マンドレル(146)の上にレイアップ材料(316)を送出することを含み、前記第1側辺部(124)及び前記第2側辺部(126)は、第1端部(128)、及び、当該第1端部(128)の反対側に位置する第2端部(130)によって相互に接続されている、付記C1又はC2に記載の方法。
C4.前記第1側辺部(124)及び前記第2側辺部(126)のうちの少なくとも1つに沿って配置された前記積層マンドレル(146)の上にレイアップ材料(316)を送出することは、前記第1側辺部(124)及び前記第2側辺部(126)に沿ってそれぞれ配置されて、前記第1積層ステーション(142)及び第2積層ステーション(144)をそれぞれ構成する第1積層マンドレル(148)及び第2積層マンドレル(150)の上にレイアップ材料(316)を送出することを含む、付記C3に記載の方法。
C5.前記積層経路(122)に沿って前記複数の積層ヘッド(300)を移動させるステップは、前記積層ヘッド(300)のうちの少なくとも1つを、前記積層経路(122)の前記第1端部(128)及び前記第2端部(130)の間に延びる中央部(132)に沿って移動させて、前記積層経路(122)を少なくとも1周する間に前記第1側辺部(124)又は前記第2側辺部(126)のうちの1つを迂回させることを含む、付記C4に記載の方法。
C6.前記積層ヘッド(300)のうちの少なくとも1つを、前記積層経路(122)と、当該積層経路(122)に接続された待機経路(212)との間で移動させることと、前記待機経路(212)上にある待機ベイ(210)に、前記積層経路(122)上の前記積層ヘッド(300)のうちの1つ以上と交換するための1つ以上の積層ヘッド(300)を保管することと、をさらに含む、付記C1~C5のいずれかに記載の方法。
C7.前記待機経路(212)と、前記積層ヘッド(300)のうちの1つ以上の積層ヘッドの保守を行うよう構成されたメンテナンスベイ(220)に前記待機経路(212)を接続する引き込み経路(222)と、の間で、前記積層ヘッド(300)のうちの少なくとも1つを移動させることをさらに含む、付記C6に記載の方法。
C8.前記積層ヘッド(300)のうちの少なくとも1つを、前記積層経路(122)と、当該積層経路(122)に接続されたリローディング経路(232)との間で移動させることと、交換用材料ロール(312)又は交換用積層ヘッド(280)のうちの少なくとも1つを、前記リローディング経路(232)上にあるリローディングベイ(230)に保管することと、をさらに含むとともに、前記積層経路(122)から前記リローディングベイ(230)に移動された積層ヘッド(300)に装着されている使用済み材料ロール(310)を前記交換用材料ロール(312)と交換するか、前記積層経路(122)から前記リローディングベイ(230)に移動された積層ヘッド(300)を交換用積層ヘッド(280)と交換するか、のうちのいずれか1つを実行することをさらに含む、付記C1~C7のいずれかに記載の方法。
C9.前記積層経路(122)に沿って前記複数の積層ヘッド(300)を連続して移動させるステップは、前記積層経路(122)を構成する軌道システム(172)に沿って、前記複数の積層ヘッド(300)を移動させること、及び、複数のヘッド移動ロボット装置(202)を用いて、前記複数の積層ヘッド(300)を移動させること、のうちの1つを含む、付記C1~C8のいずれかに記載の方法。
C10.1つ以上の積層マンドレル(146)をマンドレル待機位置(152)に保管することと、前記積層ヘッド(300)を用いて少なくとも1つの積層マンドレル(146)の上にレイアップ材料(316)を配置する前に、前記少なくとも1つの積層マンドレル(146)を前記マンドレル待機位置(152)から前記積層ステーション(140)に移動させることと、をさらに含む、付記C1~C9のいずれかに記載の方法。
本開示のさらなる改変及び改良は、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書において説明及び図示した部品の特定の組み合わせは、本開示における特定の実施形態のみを表すことを意図しており、本開示の思想及び範囲内の代替の実施形態又は装置を限定することを意図したものではない。