以下、添付図面を参照しながら、実施の形態について説明する。各図において同一または相当する部分には同一の符号を付している。
実施の形態.
図1は、実施の形態における浴室乾燥機1の使用形態を示す概略図である。図1中の実線の矢印は、空気の流れの方向を示している。図1に示すように、本実施の形態において、浴室乾燥機1は、浴室2の天井に設置されている。浴室2には、浴槽3が設けられている。また、浴室2に隣接して脱衣室4が設けられている。浴室2と脱衣室4とは、ドア5で仕切られている。ドア5の下部には、浴室2と脱衣室4とを連通させる通気口であるガラリ6が設けられている。また、脱衣室4の壁面には、使用者が浴室乾燥機1を操作するための操作部70が設けられている。
図1の矢印で示すように、浴室乾燥機1は、浴室2内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を浴室2へ吹き出すことができる。また、浴室乾燥機1には、屋外につながる排気ダクト7が接続されている。浴室乾燥機1は、浴室2内の空気を吸い込み、排気ダクト7を通して外部へ排出することができる。浴室乾燥機1が浴室2内の空気を吸い込む際には、ドア5のガラリ6を通して脱衣室4内の空気を吸い込むことが可能である。
図2は、浴室乾燥機1の断面図である。図2に示すように、浴室乾燥機1は、本体部10と、送風機30と、風路調整手段40と、加熱手段50と、制御部60と、を備えている。
本体部10は、送風機30を収容するハウジングを構成している。本体部10には、吸込口12と、吹出口14と、排気口16と、循環風路18と、排出風路20と、が設けられている。吸込口12は、浴室2から空気を吸い込むための開口である。吹出口14は、吸込口12から吸い込まれた空気を浴室2へ吹き出すための開口である。排気口16は、吸込口12から吸い込まれた空気を屋外、すなわち浴室2の外部へ排出するための開口である。本実施の形態では、排気口16には排気ダクト7が接続されている。循環風路18は、吸込口12と吹出口14とを連通する風路である。排出風路20は、吸込口12と排気口16とを連通する風路である。循環風路18と排出風路20とは、吸込口12から途中までは共通した風路であり、途中で吹出口14に至る風路と排気口16に至る風路との2つに分岐している。
また、本体部10の下側、すなわち浴室2内を向く面の側には、意匠パネル22が設けられている。意匠パネル22における吹出口14の下側には、吹出口14から吹き出された空気を浴室2内に吹き出すためのパネル吹出口24が設けられている。
送風機30は、吸込口12から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を循環風路18と排出風路20とへ送る。本実施の形態では、送風機30は、循環風路18と排出風路20との共通する風路に配置されている。また、送風機30は、羽根車であるファン32と、ファン32を回転させるファンモータ34と、を有している。ファン32は、例えばシロッコファンであり、吸込口12と対向するように配置されている。送風機30は、強および弱の2つの運転強度で運転可能である。運転強度が強の場合は、運転強度が弱の場合に比べて、送風機30の回転数が大きく、送風機30が吸込口12から空気を吸い込んで循環風路18から吹出口14へまたは排出風路20から排気口16へ送る風量が大きくなる。
風路調整手段40は、循環風路18の開度と排出風路20の開度とを調整する。具体的には、風路調整手段40は、循環風路18を閉鎖しかつ排出風路20を開放した第1状態と、循環風路18を開放しかつ排出風路20を閉鎖した第2状態と、循環風路18および排出風路20をともに開放した第3状態と、を切り替えることができる。本実施の形態では、風路調整手段40は、送風機30の下流側であり、吹出口14と排気口16との上流側に配置されている。風路調整手段40により、送風機30から送風される空気流が分岐され、循環風路18と排出風路20との風路の変更が行われる。また、風路調整手段40は、湾曲した板状に形成された回転ダンパ42と、ダンパ回転軸44と、から構成されている。回転ダンパ42は、循環風路18に配置され、基端部に設けられたダンパ回転軸44を中心に回動する。回転ダンパ42は、例えばステッピングモータのような駆動手段(不図示)によって駆動される。回転ダンパ42の位置が調整されることにより、循環風路18の開度と排出風路20の開度とが調整される。
図3は、風路調整手段40の回転ダンパ42を下端位置とした場合の循環風路の下流側を示す断面図である。図4は、回転ダンパ42を上端位置とした場合の循環風路の下流側を示す断面図である。図5は、回転ダンパ42を中間位置とした場合の循環風路の下流側を示す断面図である。図3に示すように、回転ダンパ42は、下方向には、吹出口14に至る循環風路18を塞ぐ位置(下端位置)まで回動可能である。このとき、排出風路20は開放されており、上述した第1状態となっている。第1状態では、吸込口12から吸い込まれた空気は、排出風路20を流れ、排気口16から屋外へ排出される。また、図4に示すように、回転ダンパ42は、上方向には、排気口16に至る排出風路20を塞ぐ位置(上端位置)まで回動可能である。このとき、循環風路18は開放されており、上述した第2状態となっている。第2状態では、吸込口12から吸い込まれた空気は、循環風路18を流れ、吹出口14から浴室2内へ吹き出される。これにより、浴室2内で、空気が循環される。さらに、図5に示すように、回転ダンパ42は、下端位置と上端位置との間における任意の位置(中間位置)をとることが可能である。回転ダンパ42が中間位置にある場合に、上述した第3状態となっている。第3状態では、吸込口12から吸い込まれた空気は、回転ダンパ42により2つの空気流に分けられる。一方の空気流は、排出風路20を流れて排気口16から屋外へ排出され、他方の空気流は、循環風路18を流れて吹出口14から浴室2内へ吹き出される。また、第3状態では、回転ダンパ42の位置を下端位置と上端位置との間で変更することで、排気口16から排出される風量である排出風量と吹出口14から吹き出される風量である循環風量とを任意の比率で分配することができる。
加熱手段50は、循環風路18を流れる空気を加熱する。本実施の形態では、加熱手段50は、循環風路18において、風路調整手段40の下流側で吹出口14の上流側に配置されている。加熱手段50は、例えば、間隔をあけて発熱体を複数配置したり、発熱体の周囲に複数の放熱フィンを設けたりして構成される。発熱体の周囲や放熱フィンの周囲には、空気の流路が形成される。その流路に空気を通過させることで、発熱体から空気へ放熱させる。発熱体としては、例えば、熱伝導性の高い電気絶縁体が周囲に配置された発熱体を金属パイプ中に収めた電気ヒータが用いられる。加熱手段50が複数本の電気ヒータから構成される場合、加熱手段50は、電気ヒータの通電および非通電の状態を切り替えることで動作する。電気ヒータの通電時には、循環風路18を流れる空気が加熱され、電気ヒータの非通電時には、循環風路18を流れる空気は加熱されない。また、加熱手段50は、強および弱の2つの運転強度で運転可能である。運転強度が強の場合は、運転強度が弱の場合に比べて、例えば通電する電気ヒータの本数を多くすることにより、加熱手段50の発熱量が大きくなる。
制御部60は、浴室乾燥機1の動作を制御する。図6は、浴室乾燥機1の制御機能の構成を示すブロック図である。本実施形態では、制御部60は、不図示の信号線によって、送風機30、風路調整手段40、加熱手段50および操作部70のそれぞれと電気的に接続されている。制御部60は、操作部70から入力された運転指令に応じて、送風機30、風路調整手段40および加熱手段50をそれぞれ制御し、浴室乾燥機1に各種運転を実施させる。制御部60は、送風機30のファンモータ34の上側に配置されている。また、制御部60は、不図示の商用電源に接続される。
制御部60の機能は、例えば、図7に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図7は、処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。制御部60の機能は、例えば、図7に示すプロセッサ62がメモリ64に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、制御部60の機能のうち一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ62およびメモリ64を用いて実現するようにしてもよい。
制御部60は、浴室2内のカビの発育を抑制するための運転モードであるカビ抑制運転を有している。図8は、カビ抑制運転のフローチャートである。図8に示すように、カビ抑制運転は、第1動作ST1と第2動作ST2と第3動作ST3とをこの順に実施する運転モードである。
第1動作ST1は、風路調整手段40により循環風路18が閉鎖されかつ排出風路20が開放された状態、すなわち上述した第1状態で、送風機30を駆動させる動作である。第1動作ST1では、送風機30によって吸込口12から浴室2内の空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は排出風路20を通って排気口16から屋外へ排出される。これにより、浴室2内の湿気を速やかに排出する。浴室2内の湿気を十分に排出するため、第1動作ST1における換気回数は50回以上とすることが好ましい。ここで、換気回数とは、排出風量に排出する時間を掛けた値を浴室2の容積で割った値である。
第2動作ST2は、風路調整手段40により循環風路18が開放されかつ排出風路20が閉鎖された状態、すなわち上述した第2状態で、送風機30を駆動させ、加熱手段50により空気を加熱させる動作である。第2動作ST2では、送風機30によって吸込口12から浴室2内の空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は循環風路18を通って吹出口14から浴室2へ吹き出される。このとき、加熱手段50により循環風路18を通る空気が加熱されるため、吹出口14から吹き出される空気は温風となる。第2動作ST2では、この吹出口14から吹き出される温風によって、浴室2内の温度を上昇させることにより、浴室2内の相対湿度を低下させる。一般的に相対湿度が88%以上になると、黒カビが繁殖しやすくなるといわれている。このため、第2動作ST2によって、浴室2内の相対湿度を88%以下、例えば80%程度に低下させることにより、黒カビの繁殖を抑制することができる。また、温風を用いることによって、短時間で浴室2内の相対湿度を低下させることができる。
第3動作ST3は、風路調整手段40により循環風路18および排出風路20がともに開放された状態、すなわち上述した第3状態で、送風機30を駆動させる動作である。第3動作ST3では、送風機30によって吸込口12から浴室2内の空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は、一部が排出風路20を通って排気口16から屋外へ排出され、他の一部が循環風路18を通って吹出口14から浴室2へ吹き出される。このとき、加熱手段50は動作していないので、吹出口14から吹き出される空気は常温である。この吹出口14からの送風によって、浴室2の天井や壁、床面等の水滴の蒸発を促進させる。水滴の蒸発により浴室2内の相対湿度が上昇することになるが、同時に排気口16から浴室2内の空気を排出しているので、浴室2内の相対湿度の上昇を抑制することができる。
第3動作ST3では、排気口16からの排気と吹出口14からの送風との両方を行っているが、仮に排気口16からの排気のみを行う場合、浴室2内には脱衣室4からガラリ6を通って浴室2に流れる空気流のみが存在する。この空気流のみでは浴室2内は層流になるため、浴室2の天井や壁等の水滴の蒸発が促進されにくい。これに対して、排気口16からの排気と吹出口14からの送風との両方を行うことによって、ガラリ6を通って浴室2に流れる空気流と吹出口14からの送風とが衝突し、浴室2内に乱流が発生する。これにより、浴室2の天井や壁等の水滴の蒸発を効果的に促進させることができる。
また、第3動作ST3において、吹出口14からの送風は、浴室2内に乱流を発生させて、浴室2の天井や壁等の水滴の蒸発を促進させることを主な目的としている。しかし、水滴を蒸発させても浴室2から排出しなければ、再び浴室2の天井や壁等に結露する可能性があるため、排気口16からの排気も行っている。排気口16から排出される排出風量と吹出口14から吹き出される循環風量との比率としては、浴室2内の相対湿度の上昇を抑制するため、排出風量が循環風量よりも大きいことが好ましい。また、実験的に排出風量と循環風量との比率を確認した結果、排出風量:循環風量=3:1とするのがより好ましい。
カビ抑制運転において第1動作ST1から第2動作ST2への切替えは、第1動作ST1の終了後、制御部60が送風機30を停止させて、風路調整手段40の回転ダンパ42を下端位置から上端位置に移動させることで行われる。この状態で、制御部60が送風機30を駆動させて、加熱手段50を動作させることで、第2動作ST2が開始する。また、第2動作ST2から第3動作ST3への切替えは、第2動作ST2の終了後、制御部60が加熱手段50を停止させ、送風機30を停止させて、風路調整手段40の回転ダンパ42を上端位置から中間位置に移動させることで行われる。この状態で、制御部60が送風機30を駆動させることで、第3動作ST3が開始する。第1動作ST1から第2動作ST2への切替えおよび第2動作ST2から第3動作ST3への切替えにおいて、送風機30を停止させた後に回転ダンパ42を移動させることによって、送風機30からの送風の影響を受けることなく回転ダンパ42を移動させることができる。
カビ抑制運転の運転時間は、浴室2の床面積と容積との少なくとも一方に基づいて設定される。例えば、浴室2の床面積が1坪(約3.3平方メートル)の場合、カビ抑制運転の運転時間として、第1動作ST1は120分、第2動作ST2は10分、第3動作ST3は230分が設定される。また、浴室2の床面積が1.5坪(約5平方メートル)の場合、カビ抑制運転の運転時間として、第1動作ST1は120分、第2動作ST2は15分、第3動作ST3は345分が設定される。すなわち、この例では、第2動作ST2の運転時間と第3動作ST3の運転時間とが浴室2の床面積に応じて変更されている。これらの運転時間は、制御部60に予めプログラムされている。なお、運転時間は、浴室2の容積に応じて変更されてもよいし、浴室2の床面積と容積との両方に応じて変更されてもよい。
カビ抑制運転の一例を図9に示す。図9は、カビ抑制運転で運転した場合の浴室2内の相対湿度および温度の変化の一例を示すグラフである。この例では、カビ抑制運転として、第1動作ST1を120分行い、第2動作ST2を10分行い、第3動作ST3を230分行った。第1動作ST1および第3動作ST3では、送風機30を強の運転強度で運転し、第2動作ST2では、送風機30を弱の運転強度で運転した。浴室2に隣接する脱衣室4の空気は、温度が25℃で相対湿度が85%の高湿度環境に設定した。始めに浴室2内で温水シャワーを洗い場へ放出した後、カビ抑制運転を実施した。
図9に示すように、温水シャワーの放出後は、浴室2内の温度が33℃程度と高く、かつ相対湿度が100%に近い状態にある。まず第1動作ST1により、浴室2内の温度が脱衣室4と同程度の25℃程度に低下している。浴室2内の相対湿度に大きな変化はないが、飽和水蒸気量は温度が低下するほど小さくなるので、第1動作ST1により浴室2内の水蒸気の絶対量は減少しており、浴室2内の湿気が排出されている。続いて、第2動作ST2において、吹出口14からの温風により、浴室2内の温度が上昇し、相対湿度が70%台まで低下している。そして、第3動作ST3により、浴室2内へ吹出口14から送風しつつ浴室2内の湿気を排出することで、浴室2内の相対湿度の急激な上昇を抑制しており、黒カビの繁殖が進む相対湿度88%よりも低い相対湿度を維持している。
また、本実施の形態では、浴室乾燥機1は、操作部70をさらに備える。操作部70は、使用者が浴室乾燥機1を操作するためのリモートコントローラである。操作部70は、制御部60と不図示の信号線を介して互いに通信可能に接続されている。このため、操作部70からの運転指令は、不図示の信号線を介して制御部60に伝えられる。図10は、操作部70の正面図である。図10に示すように、操作部70は、カビ抑制運転を指示するボタン72を有している。使用者がボタン72を押すと、カビ抑制運転が開始される。また、操作部70は、カビ抑制運転の第1動作ST1の実施を指示するボタン74と、第2動作ST2の実施を指示するボタン76と、第3動作ST3の実施を指示するボタン78と、をさらに有している。これらのボタンをそれぞれ押すことで、カビ抑制運転の各動作を単独で実施することができる。なお、操作部70がタッチパネルを有する場合には、各ボタンは、タッチパネル上に表示されるボタンであってもよい。また、操作部70としてスマートフォン等の携帯端末を用いてもよいし、操作部70は通信ネットワークを介した無線通信方式によって制御部60と通信してもよい。
以上に説明したように、本実施の形態に係る浴室乾燥機1は、浴室2から空気を吸い込むための吸込口12と、吸込口12から吸い込まれた空気を浴室2へ吹き出すための吹出口14と、吸込口12から吸い込まれた空気を屋外へ排出するための排気口16と、吸込口12と吹出口14とを連通する循環風路18と、吸込口12と排気口16とを連通する排出風路20と、が設けられた本体部10と、吸込口12から空気を吸い込み、循環風路18と排出風路20とへ送る送風機30と、循環風路18の開度と排出風路20の開度とを調整する風路調整手段40と、循環風路18を流れる空気を加熱する加熱手段50と、風路調整手段40により循環風路18が閉鎖されかつ排出風路20が開放された状態で送風機30を駆動させる第1動作ST1と、風路調整手段40により循環風路18が開放されかつ排出風路20が閉鎖された状態で送風機30を駆動させ、加熱手段50により空気を加熱させる第2動作ST2と、風路調整手段40により循環風路18および排出風路20がともに開放された状態で送風機30を駆動させる第3動作ST3と、を順に実施する運転モードであるカビ抑制運転を有する制御部60と、を備えるものである。
このようなカビ抑制運転によって、まず第1動作ST1では、送風機30により浴室2内の空気が吸込口12から吸い込まれて、排出風路20を通って排気口16から排出される。次に、第2動作ST2では、送風機30により浴室2内の空気が吸込口12から吸い込まれて、循環風路18を通り、加熱手段50により加熱されて吹出口14から温風となって吹き出される。そして、第3動作ST3では、送風機30により浴室2内の空気が吸込口12から吸い込まれて、一部が循環風路18を通って吹出口14から吹き出され、他の一部が排出風路20を通って排気口16から排出される。
通常、浴室2の使用後は、浴室2内の温度が30℃~40℃と高く、かつ相対湿度が100%に近い空気であり、天井や壁、床面等に水滴が多い状態にある。仮に、この状態で加熱手段50を動作させる第2動作ST2を実施した場合、吹出口14からの温風により浴室2内の温度が上昇して空気が含むことができる水蒸気量が増加するため、天井や壁等の水滴は幾分か蒸発して水蒸気に変化する。しかし、浴室2内の相対湿度は引き続き100%に近い状態のままであるため、カビの抑制にはあまり効果的ではない。さらに、第2動作ST2を停止すると、浴室2内の温度が低下するとともに、浴室2の天井や壁等に結露が発生して、カビの発生原因となる可能性がある。このため、加熱手段50を動作させる第2動作ST2を実施するタイミングは、浴室2内の水蒸気が排出されて絶対湿度が下がったときが適切であるので、上述したカビ抑制運転では、第2動作ST2を第1動作ST1の後に実施する。このように、第1動作ST1により浴室2内の湿気を排出した後、第2動作ST2を実施することによって、短時間の第2動作ST2の実施で大幅に浴室2内の相対湿度を低下させることができる。浴室乾燥機1において加熱手段50による空気の加熱に最も多くの電力を消費するため、このように第2動作ST2の運転時間を短くすることで、消費電力量を低減することができる。また、第3動作ST3において、吹出口14からの送風により浴室2内の天井や壁等の水滴の蒸発を促進させるが、浴室2内の温度が高いほうが蒸発しやすいため、第2動作ST2の後に第3動作ST3を実施することで、より効果的に天井や壁等の水滴の蒸発を促進させることができる。そして、水滴の蒸発により浴室2内の相対湿度が上昇することになるが、第2動作ST2により相対湿度が、例えば80%以下等、低くなっているため、第3動作ST3において吹出口14からの送風と同時に実施される排気口16からの排気により、カビが繁殖しやすくなる相対湿度88%以下の相対湿度に維持することができる。このようにして、浴室乾燥機1の消費電力量を低減しつつ浴室2内のカビの発育を抑制することができる。
加えて、上述したカビ抑制運転には、加熱手段50による空気の加熱を行う第2動作ST2が含まれている。加熱手段50による空気の加熱を行わずに、例えば、浴室2内の換気のみを実施した場合、すなわち第1動作ST1のみを実施した場合、空気の加熱を行わない分だけ消費電力量は低減する。しかし、浴室2内を換気する場合、浴室2に隣接する脱衣室4から空気が浴室2内に流入する。ここで、例えば梅雨の時期等、脱衣室4内の相対湿度が高い場合には、浴室2内の換気を行っても浴室2内は脱衣室4と同様の高い相対湿度が維持されて、カビの発育を抑制できない可能性がある。これに対して、上述したカビ抑制運転では、第2動作ST2において浴室2内の相対湿度を大きく低下させるので、最終的な浴室2内の相対湿度を88%以下に維持することができ、カビの発育を抑制することができる。
また、第3動作ST3において、風路調整手段40は、排気口16より排出される風量が吹出口14から吹き出す風量よりも大きくなるように、循環風路18の開度と排出風路20の開度とを調整する。このような構成によって、浴室2の天井や壁等の水滴の蒸発を促進させつつ、浴室2内の相対湿度の上昇を抑制して、蒸発させた水滴が再び浴室2の天井や壁等に結露することを防止できる。
カビ抑制運転の運転時間は、浴室2の床面積と容積との少なくとも一方に基づいて設定される。浴室2内を換気させたり乾燥させたりするための時間は、浴室2の床面積や容積に影響されるところ、このような構成によって、浴室2の床面積および容積に応じた運転時間を適切に設定することができるので、運転時間が不必要に長くなり消費電力が増加することを防止するとともに、浴室2内のカビの発育を確実に抑制することができる。
第1動作ST1の運転時間と第3動作ST3の運転時間とは、第2動作ST2の運転時間よりも長い。第1動作ST1の運転時間が第2動作ST2よりも長いことにより、浴室2内の湿気を十分に排出してから、第2動作ST2を実施できるので、第2動作ST2においてより効率的に浴室2内の相対湿度を低下させることができる。また、第3動作ST3の運転時間が第2動作ST2よりも長いことにより、第2動作ST2において蒸発した水蒸気をより確実に屋外へ排出することができ、また、第2動作ST2の実施後においても浴室2の天井や壁等に残った水滴をより確実に蒸発させることができる。
制御部60には、カビ抑制運転を指示するボタン72を有する操作部70が接続される。このような構成によって、使用者はボタン72を押すだけでカビ抑制運転を実施することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、加熱手段50が、複数本の電気ヒータから構成される例を示したが、これに限らない。加熱手段50は、循環風路18を流れる空気を加熱可能であればよく、例えば、高温水等の熱媒体を用いて空気を加熱する構成であってもよい。
また、1つの風路調整手段40で循環風路18の開度と排出風路20の開度とを調整する例を示したが、これに限らない。例えば、循環風路18と排出風路20とのそれぞれに、風路調整手段40となるダンパを設け、循環風路18に設けられたダンパにより循環風路18の開度を調整し、排出風路20とに設けられたダンパにより排出風路20との開度を調整するようにしてもよい。
カビ抑制運転において、第1動作ST1から第2動作ST2への切替えおよび第2動作ST2から第3動作ST3への切替えにおいて、送風機30を停止させた後に風路調整手段40の回転ダンパ42を移動させていたが、これに限らない。例えば、第1動作ST1から第2動作ST2への切替えにおいて、第1動作ST1の終了後、制御部60は、送風機30を動作させたまま回転ダンパ42を下端位置から上端位置に移動させて、加熱手段50を動作させることで、第2動作ST2を開始してもよい。また、制御部60は、回転ダンパ42を移動させた後に送風機30を操作して第2動作ST2における送風量で送風させるようにしてもよい。同様に、第2動作ST2から第3動作ST3への切替えにおいて、第2動作ST2の終了後、制御部60は、加熱手段50を停止させて、送風機30を動作させたまま回転ダンパ42を上端位置から中間位置に移動させることで、第3動作ST3を開始してもよい。また、制御部60は、回転ダンパ42を移動させた後に送風機30を操作して第3動作ST3における送風量で送風させるようにしてもよい。このように、各動作の切替えにおいて、送風機30を動作させたまま回転ダンパ42を移動させることで、送風機30の停止と駆動との時間が不要となり、第1動作ST1から第2動作ST2への切替えおよび第2動作ST2から第3動作ST3への切替えを短時間に行うことができる。
なお、上述した実施の形態を、適宜、変形や省略したりすることも、実施の形態で示された技術的思想の範囲に含まれる。