JP7380946B2 - 排ガス処理装置および排ガス処理方法 - Google Patents
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Description
本発明は、排ガス処理装置および排ガス処理方法に関する。
海水等のスクラバー液によって排ガス内の硫黄成分を中和させて浄化するスクラバー装置といわれる排ガス処理装置が広く用いられている。スクラバー装置の動作には、開ループ動作および閉ループ動作がある。開ループ動作では、スクラバー装置は、排ガスの浄化に用いられた使用済みスクラバー液を外部に排出する。閉ループ動作では、スクラバー装置は、使用済みスクラバー液にアルカリ剤を投入することによって使用済みスクラバー液の浄化能力を復活させ、浄化能力を復活させた使用済みスクラバー液を循環させる。水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムを用いた閉ループ動作を実行する船舶用のスクラバー装置が知られている(例えば、特許文献1)。陸上で使用されるボイラー排ガス等を浄化するスクラバー装置において、浄化済みの排ガス中の硫黄成分量(SOX)濃度に基づいて、水酸化マグネシウムの投入量を制御する技術が知られている(例えば、特許文献2から4)。関連する技術として、スクラバー装置において、アルカリ剤を用いたpH制御の技術が知られている(例えば、特許文献5および6)。関連する技術として、スクラバー液が吸収する硫黄成分量を推定する技術(例えば、特許文献7および8)が知られている。
特許文献1 国際公開WO2017/194645号
特許文献2 特開平9-66219号公報
特許文献3 特開平7-275649号公報
特許文献4 特開平8-196863号公報
特許文献5 国際公開WO2012/000790号
特許文献6 特開平3-267114号公報
特許文献7 国際公開WO2014/119513号
特許文献8 国際公開WO2016/009549号
特許文献1 国際公開WO2017/194645号
特許文献2 特開平9-66219号公報
特許文献3 特開平7-275649号公報
特許文献4 特開平8-196863号公報
特許文献5 国際公開WO2012/000790号
特許文献6 特開平3-267114号公報
特許文献7 国際公開WO2014/119513号
特許文献8 国際公開WO2016/009549号
閉ループ動作において、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム等のナトリウム含有アルカリ剤に比べて溶解度、すなわち反応速度が小さいアルカリ剤を用いる場合には、アルカリ剤をスクラバー液に溶解させるために、より長い時間を要する。したがって、ナトリウム含有アルカリ剤を用いる場合に比べて、アルカリ剤を溶解するためにスクラバー液を貯めておくためのバッファタンク(貯留部)を大型化する必要が生じたり、複数のタンクを設ける必要が生じたりする。しかしながら、排ガス処理装置において、貯留部の容量を小型化することが望ましい。
上記課題を解決するために、本発明の一の態様においては、排ガスの処理に使用された使用済み液体を循環させる閉ループ動作と、使用済み液体を外部に排出する開ループ動作との間で動作モードを切り替え可能な排ガス処理装置を提供する。排ガス処理装置は、反応塔を備えてよい。反応塔は、排ガスが供給されて、液体によって排ガスを浄化する。排ガス処理装置は、貯留部を備えてよい。貯留部は、排ガスの浄化に使用された使用済み液体を貯留してよい。貯留部は、閉ループ動作中にアルカリ剤によって浄化能力を回復した使用済み液体を反応塔内に供給してよい。排ガス処理装置は、投入部を備えてよい。閉ループ動作を開始する場合に、投入部は、使用済み液体を貯留部から反応塔内に供給開始する前に貯留部内にアルカリ剤を投入してよい。
投入部は、アルカリ剤として、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムの少なくとも一方を貯留部内に投入してよい。
投入部は、アルカリ剤として、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムの少なくとも一方のうちの固体粉末を貯留部内に投入してよい。
投入部は、アルカリ剤として、酸化マグネシウムを貯留部内に投入してよい。
動作モードが閉ループ動作に切り替えられた場合、閉ループ動作での第1のタイミングで、投入部は、一回の循環で液体が吸収する硫黄成分量と中和反応できる量よりも多い量の酸化マグネシウムを貯留部内に投入してよい。
動作モードが閉ループ動作に切り替えられた場合、第1のタイミングで、投入部は、一回の循環で液体が吸収する硫黄成分量と中和反応できる量の2倍以上400倍以下の量の酸化マグネシウムを貯留部内に投入してよい。
動作モードが閉ループ動作に切り替えられた場合、第1のタイミングで、投入部は、一回の循環で液体が吸収する硫黄成分量と中和反応できる量よりも多い量の酸化マグネシウムを貯留部内に投入してよい。
投入部は、閉ループ動作の継続中における、第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおいて、第1のタイミングにおける投入量に比べて少ない量の酸化マグネシウムを貯留部内に補充してよい。
排ガス処理装置は、調整部をさらに備えてよい。調整部は、動作モードが開ループ動作から閉ループ動作に切り替えられた場合に、使用済み液体を貯留部から反応塔内に供給開始する前に貯留部内に投入される酸化マグネシウムの投入量を調整してよい。
調整部は、排ガスを生じさせる燃焼装置の出力と、燃焼装置に使用される燃料油に含まれる硫黄分濃度とに基づいて、一回の循環で液体が吸収する硫黄成分量を推定してよい。調整部は、推定された硫黄成分量に基づいて、投入量を調整してよい。
調整部は、開ループ動作中に反応塔から放出されるガスの硫黄成分量と、動作モードが閉ループ動作に切り替えられた後に排ガスを生じさせる燃焼装置の出力計画値とに基づいて投入量を調整してよい。
調整部は、開ループ動作中に反応塔に供給される液体および反応塔から外部に排出される使用済み液体のそれぞれの水素イオン指数(pH)と、動作モードが閉ループ動作に切り替えられた後に排ガスを生じさせる燃焼装置の出力計画値とに基づいて投入量を調整してよい。
調整部は、動作モードが開ループ動作から閉ループ動作に切り替えられた場合に、前回の閉モード動作中に貯留部内に残存している酸化マグネシウムの量に基づいて、投入量を調整してよい。
排ガス処理装置は、貯留部洗浄機構をさらに備えてよい。貯留部洗浄機構は、貯留部内を洗浄してよい。
排ガス処理装置は、配管洗浄機構をさらに備えてよい。配管洗浄機構は、反応塔と貯留部との間の配管内を洗浄してよい。
本発明の第2の態様においては、排ガスの処理に使用された使用済み液体を循環させる閉ループ動作と、使用済み液体を外部に排出する開ループ動作との間で動作モードを切り替え可能な排ガス処理方法を提供する。排ガス処理方法は、排ガスの浄化に使用された使用済み液体を貯留する段階を備えてよい。排ガス処理方法は、閉ループ動作中にアルカリ剤によって浄化能力を回復した使用済み液体を排ガスに接触させる段階を備えてよい。排ガス処理方法は、閉ループ動作を開始する場合に、使用済み液体を排ガスに接触させるように供給する前に、貯蔵された使用済み液体にアルカリ剤を投入する段階を備えてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態の排ガス処理装置1の概略構成を説明する図である。排ガス処理装置1は、燃焼装置3において生じた排ガス100中の硫黄成分を低減して、排ガス100を浄化する。燃焼装置3は、エンジンまたはボイラーであってよく、好ましくはエンジンであり、特に船舶用のエンジンであってよい。硫黄成分は、SOx(酸化硫黄)等の硫黄化合物を含んでよい。
排ガス処理装置1は、反応塔10を備える。反応塔10において、燃焼装置3からの排ガス100と、海水であるスクラバー液とを接触させる。スクラバー液は、海水またはアルカリ性水溶液などの液体であってよい。燃焼装置3からの排ガス100は、燃焼ガス排気管12を経て反応塔10内に導入される。スクラバー液は、反応塔10内においてスプレーノズル13から噴霧される。スクラバー液は、スクラバー液管14を介してスプレーノズル13に導入される。
排ガス100とスクラバー液とが気液接触すると、排ガス100中の硫黄成分がスクラバー液中に吸収される。硫黄成分が、スクラバー中に溶けることによって、亜硫酸H2SO3が生じる。実際には、亜硫酸H2SO3は、水素イオンH+と亜硫酸水素イオンHSO3
-に解離し、酸性を呈する。硫黄成分がスクラバー液中に吸収されることによって排ガス100中の硫黄成分が軽減される。硫黄成分が軽減された浄化済みのガスは、ガス排出部15から外部に放出される。
スクラバー液が海水の場合、海水中のアルカリ成分である、炭酸水素イオン(HCO3
-)および炭酸イオン(CO3
2-)と亜硫酸H2SO3とが中和する。中和反応によりアルカリ成分が不足する状態となったスクラバー液は使用済みスクラバー液(使用済み液体)となり、反応塔10の下部に集められる。使用済みスクラバー液は、使用済みスクラバー配管16を通過する。
排ガス処理装置1は、開ループ動作と閉ループ動作との間で動作モードを切り替え可能に構成されている。動作モードが開ループ動作である場合には、使用済みスクラバー配管16と排出管17との間のバルブ18が開けられ、使用済みスクラバー配管16と循環管19との間のバルブ20が閉じられる。開ループ動作においては、使用済みスクラバー液は、使用済みスクラバー配管16から排出管17に送られて、使用済みスクラバー液は、海水排出口21から排出される。また、開ループ動作では、海水がスクラバー液として海水取入口22から取り入れられる。開ループ動作では、海水は、海水管24、バルブ32、およびスクラバー液用のポンプ23を経て、スクラバー液管14に導入される。開ループ動作では、海水管24とスクラバー液管14との間のバルブ32が開かれる。一方、後述するバルブ33は閉じられる。このように、開ループ動作においては、使用済みスクラバー液が外部に排出される。
排ガス処理装置1は、貯留部30および投入部40を備える。動作モードが閉ループ動作である場合には、使用済みスクラバー配管16と循環管19との間のバルブ20が開けられ、使用済みスクラバー配管16と排出管17との間のバルブ18が閉じられる。
使用済みスクラバー液は、使用済みスクラバー配管16から循環管19を介して、貯留部30に貯留される。そして、投入部40は、貯留部30内にアルカリ剤を投入する。投入部40が、貯留部30内の使用済みスクラバー液にアルカリ剤を投入することによって、貯留部30内における使用済みスクラバー液による排ガス100の浄化能力が回復する。排ガス100の浄化能力とは、排ガス100中の亜硫酸等の中和能力を指してよい。貯留部30は、閉ループ動作中にアルカリ剤によって浄化能力を回復した使用済みスクラバー液を反応塔10内に供給する。具体的には、貯留部30内において、浄化能力を回復した使用済みスクラバー液が、循環スクラバー液供給管34、バルブ33、ポンプ23、およびスクラバー液管14を介して反応塔10に供給される。
閉ループ動作中には、基本的に、循環スクラバー液供給管34とスクラバー液管14との間のバルブ33が開かれて、海水管24とスクラバー液管14との間のバルブ32が閉じられる。但し、閉ループ動作の過程で使用済みスクラバーの液量が減った場合に、一時的にバルブ32を開いて海水を取得して液量を適正水準まで補ってもよい。
貯留部30は、使用済みスクラバー液を貯留し、浄化能力を回復した使用済み液体を反応塔10内に供給するタンクである。貯留部30は、バッファタンクであってよい。反応塔10、使用済みスクラバー配管16、循環管19、貯留部30、循環スクラバー液供給管34、スクラバー液管14という循環経路をなして、スクラバー液が循環的に流動している経路において、貯留部30が設けられる。
閉ループ動作を開始する場合に、投入部40は、使用済みスクラバー液を貯留部30から反応塔10内に供給開始する前に貯留部30内にアルカリ剤を投入する。例えば、バルブ33を閉じた状態のまま、投入部40は、貯留部30内にアルカリ剤を投入する。
投入部40は、アルカリ剤として、酸化マグネシウム(MgO)および水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)の少なくとも一方を貯留部30内に投入してよい。酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムは、排ガス100の浄化に必要な薬品体積が、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム等のナトリウム含有アルカリ剤に比べて小さいので、アルカリ剤の保存スペースを省スペース化できる。
特に、投入部40は、アルカリ剤として、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムの少なくとも一方のうちの固体粉末を貯留部30内に投入してよい。したがって、酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを予めスクラバー液に溶かしてスラリー状にしておかなくてもよい。これによって、酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを予めスクラバー液に溶かしてスラリー状にしておくためのスペースが不要になる。投入部40は、アルカリ剤として、酸化マグネシウムを貯留部30内に投入する.水酸化マグネシウムよりも、酸化マグネシウムの方が、薬品コストが安くて済む。
酸化マグネシウムを、水を主成分とするスクラバー液にとかすと、MgO(酸化マグネシウム)+H2O(水)→Mg(OH)2(水酸化マグネシウム)という水和反応が生じる。そして、Mg(OH)2(水酸化マグネシウム)+H2SO3(亜硫酸)→MgSO3(亜硫酸マグネシウム)+2H2O(水)という中和反応が生じる。MgSO3(亜硫酸マグネシウム)は、酸化によりMgSO4(硫酸マグネシウム)になる。
アルカリ剤として、酸化マグネシウム(MgO)を用いる場合には、Mg(OH)2(水酸化マグネシウム)への水和反応が存在するため、Mg(OH)2(水酸化マグネシウム)の溶解度に影響される。Mg(OH)2(水酸化マグネシウム)の溶解度は、以下のとおり算出される。
上記式3より、MgO(酸化マグネシウム)の溶解度は0.158×10-3mol/L(リットル)である。この溶解度は、ナトリウム含有アルカリ剤と比べて小さい。そのため、酸化マグネシウム(MgO)を酸化剤として、スクラバー液(循環水)のpHを増加させるのには時間がかかる。酸化マグネシウム(MgO)の濃度(投入量)を増加させることで、固体表面積Sを増加させることができる。次の反応速度式のとおり、アルカリ剤の粉末の固定表面積(S)を増加させることで、水和反応を促進できる。なお、C:Mg(OH)2濃度、k:反応速度定数、S:固体表面積である。
スクラバー液にはH2SO4が含まれるので、スクラバー液に溶解したMg(OH)2(水酸化マグネシウム)は、スクラバー液と中和する。このため、式4においてC=0とできる。また、実験結果より算出された純水1Lに対するMgO(酸化マグネシウム)の溶解速度から、kSは2.7×10-4と算出できる(後述)。以上より、式4は、下記式5のとおり表される。
上記式6、7より、目標dC/dtに届くアルカリ剤の粉末の固定表面積(S)は、下記式8で表される。
アルカリ剤の粉末の固定表面積(S)を、式8により算出される値以上とすることで、溶解速度dC/dtは目標dC/dtに到達できる。その結果、水和反応が促進される。これにより、MgOに起因して、使用済みスクラバー液のpHが高まって、浄化能力(中和能力)を回復した使用済みスクラバー液が得られるまでの時間を短縮することができる。
図2は、MgOの濃度に基づくpH増加速度の実験値を示す図である。横軸が経過時間を示している。縦軸が水素イオン指数(pH)を示している。本実験例では、スクラバー液として水を用いた。スクラバー液は、pHが6程度であったが、2mmol/Lの硫黄成分(SOx)を吸収した結果、pHが3程度に低下した。このようにpHが低下して、排ガス100の浄化能力が落ちたスクラバー液に対して、濃度AのMgOを加えた場合と、濃度2A(濃度Aの2倍)のMgOを加えた場合とで、スクラバー液のpHが元の水準に戻るまでの時間を比較した。本実験によれば、MgO濃度を2倍にすることで、スクラバー液のpHが元の水準に復帰して排ガス100の浄化能力が回復するまでの時間を1/2以下に短縮できることが示された。
動作モードが閉ループ動作に切り替えられた場合、閉ループ動作での第1のタイミングt1で、投入部40は、一回の循環でスクラバー液が吸収する硫黄成分量と中和反応できる量よりも多い量の酸化マグネシウムを、貯留部30に投入してよい。中和反応できる量よりも多い量とは、当該硫黄成分量と中和反応できる量の2倍以上400倍以下の量であってよい。第1のタイミングt1は、閉ループ動作での動作開始時であってよい。
このような酸化マグネシウム(MgO)の超過的な投入によって、固体表面積を増加させることにより、酸化マグネシウム(MgO)からMg(OH)2(水酸化マグネシウム)への水和反応を促進することができる。したがって、貯留部30への酸化マグネシウム(MgO)の超過的な投入によって、スクラバー液のpHが元の水準に復帰して排ガス100の浄化能力が回復するまでの時間を短縮することができる。
図3は、反応速度定数の実験値の一例を示す図である。図3の横軸は、経過時間(s)であり、縦軸は、In(Cs/(Cs-C))である。図3に示される純水1L(リットル)に対するMgO2mmolの溶解速度の実験結果によって、反応速度定数kと固体表面積Sの積であるkSを算出すると、kS=2.7×10-4(s-1)が得られた。また、スクラバー液には、H2SO3(亜硫酸)が存在しており、溶解したMg(OH)2(水酸化マグネシウム)は即時に中和反応により消費される。したがって、反応速度式(数1)においてC=0とすることができるので、溶解速度dC/dt=kS×Csとなる。
スクラバー液のpHを海水と同等のpHにするべく、スクラバー液のpHの目標値を8.1とした。貯留部30内に滞留できる滞留時間を120秒とし、一回の循環でスクラバー液が吸収する硫黄成分濃度を2mmol/Lとした。これらの条件に基づいて、溶解速度dC/dt=kS×Csを計算する。kSの値2.7×10-4(s-1)を用い、一回の循環でスクラバー液が吸収する硫黄成分濃度2mmol/Lと中和反応できる量の酸化マグネシウムの濃度をCsとすると、溶解速度dC/dtは、4.27×10-8(mol/L/s)となる。一方、120秒で、2mmol/LのMgOを溶解することを目標とすると、溶解速度dC/dtの目標値は、0.002mol/L÷120(s)=1.67×10-5(mol/L/s)となる。
目標とするpHの値等にも影響を受けるが、投入部40は、使用済みスクラバー液を貯留部30から反応塔10内に供給開始する前に、一回の循環でスクラバー液が吸収する硫黄成分量と中和反応できる量よりも多い量の酸化マグネシウムを貯留部30内に投入してよい。一回の循環でスクラバー液が吸収する硫黄成分量と中和できる量よりも多い量の酸化マグネシウムとは、一回の循環でスクラバー液が吸収する硫黄成分量と中和反応できる量の2倍以上400倍以下の量の酸化マグネシウムであってよく、100倍以上400倍以下の量の酸化マグネシウムであってもよく、さらに好ましくは、300倍以上400倍以下の量の酸化マグネシウムであってもよい。
図4は、比較例の排ガス処理装置2の概略構成を説明する図である。比較例の排ガス処理装置2は、反応塔10、使用済みスクラバー配管16、循環管19、貯留部30、循環スクラバー液供給管34、スクラバー液管14という循環経路の外にある調剤部62および貯蔵部64において、酸化マグネシウム(MgO)を投入部60が投入する。調剤部62は、酸化マグネシウム(MgO)を溶かすためのタンクであり、貯蔵部64は、酸化マグネシウム(MgO)を溶かして水和反応により生成した水酸化マグネシウムMg(OH)2を貯蔵するタンクである。調剤部62により溶かされた酸化マグネシウム(MgO)は、ポンプ63により貯蔵部64に導入される。貯蔵部64に貯蔵された水酸化マグネシウムMg(OH)2は、ポンプ65により循環管19に導入される。
このように、貯留部30とは異なる循環経路の外の複数のタンクにおいて、酸化マグネシウム(MgO)を溶かし、水酸化マグネシウムMg(OH)2(水酸化マグネシウム)を保存しておけば、すでに十分に水和反応を進行させておくことができる。したがって、閉ループ動作を開始する場合に、使用済みスクラバー液を貯留部30から反応塔10内に供給開始する前に、超過的な酸化マグネシウムを投入する必要がない。しかし、比較例によれば、バッファタンクである貯留部30に加えて、さらに調剤部62および貯蔵部64が必要となり、省スペース化を実現することが困難になる。
図1に示されるとおり、排ガス処理装置1は、調整部50、制御部51、記憶部53、設定部54を備えてよい。制御部51は、バルブ18、20、32、33等の排ガス処理装置1全体の制御を実行する。制御部51は、コンピュータであってよい。
調整部50は、使用済みスクラバー液を貯留部30から反応塔10内に供給開始する前に貯留部30内に投入される酸化マグネシウムの投入量を調整する。但し、排ガス処理装置1は、閉ループ動作中に、超過的にアルカリ剤を投入するものであればよく、必ずしも投入量を調整するものに限定されない。
設定部54は、燃焼装置3で使用される燃料油の硫黄分濃度、および動作モードが閉ループ動作に切り替えられた後に排ガス100を生じさせる燃焼装置3の出力計画値等を設定する。一例において、閉ループ動作では、船舶が港の近くを航行していることに起因して、燃焼装置3の出力を定格の80%から40%に低下させる場合がある。出力計画値は、このように船舶の航路に起因して予定されている燃焼装置3の出力値の情報を含んでよい。設定部54は、利用者の入力情報に基づいて、燃料油の硫黄分濃度および出力計画値等を設定してもよく、測定装置に基づいて、燃料油の硫黄分濃度および出力計画値等を設定してもよい。記憶部53は、設定部54によって設定された各種情報である燃料油の硫黄分濃度、燃焼装置3の出力計画値をデータベースとして記憶してよい。
調整部50は、設定部54によって設定されて記憶部53に記憶されている情報、燃焼装置3の出力の情報(エンジン負荷等)、および各種センサによる検出値についての情報を取得する。調整部50は、取得した情報に応じて、投入部40によるアルカリ剤である酸化マグネシウムの投入量を調整する。排ガス処理装置1は、各種センサとして、pHセンサ35、pHセンサ36、および硫黄成分センサ37を備えてよい。pHセンサ35は、開ループ動作中に反応塔10に供給されるスクラバー液(海水)のpHを測定する。例えば、pHセンサ35は、船舶の航行中の海水のpHを測定する。pHセンサ36は、反応塔10から外部に排出される使用済みスクラバー液のpHを測定する。硫黄成分センサ37は、開ループ動作中に反応塔10から放出されるガスの硫黄成分量を測定する。
調整部50は、排ガス100を生じさせる燃焼装置3の出力と、燃焼装置3に使用される燃料油に含まれる硫黄分濃度とに基づいて、一回の循環で液体が吸収する硫黄成分量を推定し、推定された硫黄成分量に基づいて、投入量を調整してよい。これにより、一回の循環で液体が吸収する硫黄成分量の推定値に基づいて、吸収する硫黄成分量の推定値が大きくなるほど、アルカリ剤の投入量を増加させることができ、よりきめ細かい調整が可能となる。
調整部50は、開ループ動作中に反応塔10から放出されるガスの硫黄成分量と、動作モードが閉ループ動作に切り替えられた後に排ガス100を生じさせる燃焼装置3の出力計画値とに基づいて投入量を調整してよい。開ループ動作中に反応塔10から放出されるガスの硫黄成分量が多い場合には、アルカリ剤の投入量を増加させて、硫黄成分の吸収を高めてよい。また、出力計画値が低くなるほど、アルカリ剤の投入量を少なくしてもよい。
調整部50は、開ループ動作中に反応塔10に供給されるスクラバー液(海水)および反応塔10から外部に排出される使用済みスクラバー液のそれぞれの水素イオン指数(pH)と、動作モードが閉ループ動作に切り替えられた後に排ガス100を生じさせる燃焼装置3の出力計画値とに基づいて投入量を調整してよい。開ループ動作中に反応塔10に供給されるスクラバー液(海水)のpH値が高くなるほど、アルカリ剤の投入量を少なくしてもよい。反応塔10から外部に排出される使用済みスクラバー液のpHが低くなるほど、アルカリ剤の投入量を多くしてもよい。調整部50は、開ループ動作における情報からでも、閉ループ動作における硫黄成分量を推測することができる。
調整部50は、動作モードが開ループ動作から閉ループ動作に切り替えられた場合に、前回の閉モード動作中に貯留部30内に残存している酸化マグネシウムの量に基づいて、投入量を調整してよい。前回の閉モード動作中の酸化マグネシウムが多く残存している場合には、新たに投入する酸化マグネシウムの投入量を少なくしてもよい。
排ガス処理装置1は、貯留部洗浄機構38および配管洗浄機構39を備えてよい。排ガス処理装置1は、酸化マグネシウムを超過的に投入して、酸化マグネシウム等のアルカリ剤の固体表面積を増加させて、水和反応を促進する。したがって、貯留部30、循環スクラバー液供給管34、バルブ33、ポンプ23、およびスクラバー液管14には、水酸化マグネシウムおよび酸化マグネシウムが凝集しやすい。貯留部洗浄機構38は、閉ループ動作が終了するたびに、貯留部30を洗浄してよい。貯留部洗浄機構38は、凝集物質を貯留部30内から外へ除去してよい。貯留部洗浄機構38は、貯留部30に洗浄液を注入して洗浄してよい。
配管洗浄機構39は、閉ループ動作が終了するたびに、反応塔10へのスクラバー液の導入口と貯留部30からの供給口との間の循環スクラバー液供給管34、バルブ33、ポンプ23、およびスクラバー液管14を洗浄してよい。
以上のように構成される排ガス処理装置1は以下のように処理を実行する。
図5は、排ガス処理装置1における排ガス処理方法の一例を示すフローチャートである。制御部51は、開ループ動作指示があった場合(ステップS10:YES)、開ループ動作を実行する(ステップS12)。具体的は、制御部51は、バルブ18およびバルブ32を開いて、バルブ20およびバルブ33を閉じる。
開ループ動作指示がなく(ステップS10:NO)、閉ループ動作指示もない場合には(ステップS14:NO)、制御部51の処理は、ステップS10に戻る。開ループ動作指示がなく(ステップS10:NO)、閉ループ動作指示があった場合には(ステップS14:YES)、排ガス処理装置1は、ステップS16からS28の処理を実行する。
制御部51は、バルブ20を開いて、バルブ18を閉じる。但し、制御部51は、閉ループ動作指示があっても、予め定められた時間の間は、バルブ33を閉じたままに維持し、バルブ32を開いたままに維持する。この結果、貯留部30は、使用済みスクラバー液を貯留する(ステップS16)。
貯留部30内に、予め定められた貯留量まで、使用済みスクラバー液の貯留が完了するのを待つ(ステップS18:YES)。調整部50は、アルカリ剤、好ましくは酸化マグネシウムの初期投入量を調整してよい(ステップS20)。ステップS18とステップS20の処理は、並行して実行されてよい。
投入部40は、アルカリ剤、好ましくは酸化マグネシウムを、貯留されている使用済みスクラバー液に第1のタイミングt1で投入する(ステップS22)。第1のタイミングt1とは、上述したとおり、閉ループ動作での一のタイミングであってよく、閉ループ動作での動作開始時であってもよい。特に、投入部40は、使用済みスクラバー液を排ガス100に接触させるように供給する前に、アルカリ剤、好ましくは酸化マグネシウムを、貯留されている使用済みスクラバー液に投入する。具体的には、バルブ33が閉じられたままであり貯留部30から循環スクラバー液供給管34に使用済みスクラバー液が供給開始される前に、投入部40は、アルカリ剤、好ましくは酸化マグネシウムを、貯留されている使用済みスクラバー液に投入する。
制御部51は、予定時間が経過するのを待って(ステップS24:YES)、バルブ32を閉じて、バルブ33を開ける。この結果、貯留部30は、アルカリ剤の投入により浄化能力を回復したスクラバー液を反応塔10に供給する(ステップS26)。スクラバー液は、貯留部30から循環スクラバー液供給管34、バルブ33、ポンプ23、およびスクラバー液管14を介して反応塔10内に供給される。これにより、スクラバー液が排ガス100に接触して排ガス100を浄化する。
使用済みスクラバー液が、貯留部30、循環スクラバー液供給管34、スクラバー液管14反応塔10、使用済みスクラバー配管16、および循環管19を経て貯留部30に戻ってくる。投入部40は、閉ループ動作の継続中における、第1のタイミングt1よりも後の第2のタイミングt2において、第1のタイミングt1における投入量に比べて少ない量の酸化マグネシウムを貯留部内に補充してよい(ステップS28)。ステップS28の処理は、閉ループ動作の継続中において繰り返し実行されてよい。
図6は、排ガス処理装置1における排ガス処理方法の他例を示すフローチャートである。制御部51は、開ループ動作指示があった場合(ステップS30:YES)、開ループ動作を実行する(ステップS32)。但し、貯留部30に、予め定められた量の使用済みスクラバー液が貯留されていない場合には(ステップS34:NO)、制御部51は、バルブ18を閉じて、バルブ20を開く。この結果、貯留部30は、使用済みスクラバー液を貯留する(ステップS36)。貯留部30に、予め定められた量の使用済みスクラバー液が貯留されるのを待って(ステップS34:YES)、制御部51は、バルブ18を開いて、バルブ20を閉じてよい。制御部51は、閉ループ動作の準備が完了した旨の信号である閉ループ動作準備完了信号を生成する。
閉ループ動作の準備が完了している状態において、制御部51は、閉ループ動作指示を受け付ける(ステップS40)。閉ループ動作指示がされていない場合には(ステップS40:NO)、処理はステップS30に戻る。制御部51が、閉ループ動作指示を受けた場合には(ステップS40:YES)、ステップS42からステップS49の処理が実行される。ステップS42からステップS49の処理は、図5のステップS20からステップS28の処理と同様なので、繰り返しの説明を省略する。
図7は、投入量調整処理の一例を示すフローチャートである。図7は、図5のステップS20、または図6のステップS42の処理のサブルーチンであってよい。
調整部50は、燃焼装置3、例えば、船舶のエンジンの出力値を取得する(ステップS50)。また、調整部50は、記憶部53から、燃焼装置3に使用される燃料油に含まれる硫黄分濃度の情報を取得する(ステップS52)。燃料油に含まれる硫黄分濃度の情報は、利用者が設定部54を用いて予め入力しておいてよい。
調整部50は、燃焼装置3の出力値と燃料油に含まれる硫黄分濃度とに基づいて、一回の循環でスクラバー液が吸収する硫黄成分量を推定する(ステップS54)。一回の循環でスクラバー液が吸収する硫黄成分量とは、スクラバー液が、貯留部30、循環スクラバー液供給管34、スクラバー液管14反応塔10、使用済みスクラバー配管16、および循環管19を経て貯留部30に戻ってくるときに、吸収する硫黄成分量である。調整部50は、スクラバー液の時間あたりの流量、単位時間あたりに反応塔10に流れる排ガス100の流量、および排ガス100に含まれる硫黄成分量を用いて、硫黄成分量を推定してよい。
調整部50は、一回の循環で液体が吸収する硫黄成分量を推定し、推定された硫黄成分量に基づいて、酸化マグネシウム(アルカリ剤)の投入量を調整する(ステップS56)。調整部50は、一回の循環で液体が吸収する硫黄成分量の推定量と中和反応できる量の所定倍になるように酸化マグネシウム(アルカリ剤)の投入量を調整する。所定倍は、例えば、2倍から400倍の範囲で決められる値であってよい。
図8は、投入量調整処理の他例を示すフローチャートである。図8は、図5のステップS20、または図6のステップS42の処理のサブルーチンであってよい。
調整部50は、開ループ動作中に反応塔10から放出されるガスの硫黄成分量を硫黄成分センサ37から取得する(ステップS60)。調整部50は、動作モードが閉ループ動作に切り替えられた後に排ガス100を生じさせる燃焼装置3の出力計画値を記憶部53等から取得する。調整部50は、開ループ動作中に反応塔10から放出されるガスの硫黄成分量と、閉ループ動作中における燃焼装置3の出力計画値とから酸化マグネシウム(アルカリ剤)の投入量を調整する(ステップS64)。
図9は、投入量調整処理の他例を示すフローチャートである。図9は、図5のステップS20、または図6のステップS42の処理のサブルーチンであってよい。
調整部50は、開ループ動作中に反応塔10に供給されるスクラバー液(海水)のpHをpHセンサ35から取得する(ステップS70)。調整部50は、反応塔10から外部に排出される使用済みスクラバー液のpHをpHセンサ36から取得する(ステップS72)。調整部50は、動作モードが閉ループ動作に切り替えられた後に排ガス100を生じさせる燃焼装置3の出力計画値を記憶部53等から取得する(ステップS74)。
調整部50は、開ループ動作中に反応塔10に供給されるスクラバー液(海水)および反応塔10から外部に排出される使用済みスクラバー液のそれぞれのpHと、動作モードが閉ループ動作に切り替えられ後の燃焼装置3の出力計画値とに基づいて酸化マグネシウム(アルカリ剤)の投入量を調整する(ステップS76)。
図10は、投入量調整処理の他例を示すフローチャートである。図10は、図5のステップS20、または図6のステップS42の処理のサブルーチンであってよい。
調整部50は、前回の閉モード動作中に貯留部30内に残存していた酸化マグネシウム(アルカリ剤)の量を取得する(ステップS80)。調整部50は、残存していた酸化マグネシウム(アルカリ剤)の量に基づいて、新たに投入する酸化マグネシウム(アルカリ剤)の投入量を調整してよい。
調整部50は、図7から図10の投入量調整処理の一又は複数の処理を複合的に用いて、投入量調整を調整してもよい。
図11は、洗浄処理の一例を示すフローチャートである。制御部51は、閉ループ動作から開ループ動作に切り替わったか否かを判断する(ステップS90)。閉ループ動作から開ループ動作に切り替わった場合には(ステップS90:YES)、貯留部洗浄機構38は、貯留部30を洗浄する(ステップS92)。閉ループ動作から開ループ動作に切り替わった場合には(ステップS90:YES)、配管洗浄機構39は、反応塔10へのスクラバー液の導入口と貯留部30からの供給口との間の循環スクラバー液供給管34、バルブ33、ポンプ23、およびスクラバー液管14を洗浄してよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。
1・・・排ガス処理装置、2・・・排ガス処理装置、3・・・燃焼装置、10・・・反応塔、12・・・燃焼ガス排気管、13・・・スプレーノズル、14・・・スクラバー液管、15・・・ガス排出部、16・・・スクラバー配管、17・・・排出管、18・・・バルブ、19・・・循環管、20・・・バルブ、21・・・海水排出口、22・・・海水取入口、23・・・ポンプ、24・・・海水管、30・・・貯留部、32・・・バルブ、33・・・バルブ、34・・・循環スクラバー液供給管、35・・・pHセンサ、36・・・pHセンサ、37・・・硫黄成分センサ、38・・・貯留部洗浄機構、39・・・配管洗浄機構、40・・・投入部、50・・・調整部、51・・・制御部、53・・・記憶部、54・・・設定部、60・・・投入部、62・・・調剤部、63・・・ポンプ、64・・・貯蔵部、65・・・ポンプ、100・・・排ガス
Claims (14)
- 排ガスの処理に使用された使用済み液体を循環させる閉ループ動作と、前記使用済み液体を外部に排出する開ループ動作との間で動作モードを切り替え可能な排ガス処理装置であって、
前記排ガスが供給されて、液体によって前記排ガスを浄化する反応塔と、
前記排ガスの浄化に使用された前記使用済み液体を貯留し、前記閉ループ動作中にアルカリ剤によって浄化能力を回復した使用済み液体を前記反応塔内に供給する貯留部と、
前記閉ループ動作を開始する場合に、前記使用済み液体を前記貯留部から前記反応塔内に供給開始する前に前記貯留部内に前記アルカリ剤を投入する投入部と、
を備える排ガス処理装置。 - 前記投入部は、前記アルカリ剤として、酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムの少なくとも一方を前記貯留部内に投入する、請求項1に記載の排ガス処理装置。
- 前記投入部は、前記アルカリ剤として、前記酸化マグネシウムおよび前記水酸化マグネシウムの少なくとも一方のうちの固体粉末を前記貯留部内に投入する、請求項2に記載の排ガス処理装置。
- 前記投入部は、前記アルカリ剤として、酸化マグネシウムを前記貯留部内に投入する、請求項1から3の何れか一項に記載の排ガス処理装置。
- 前記動作モードが前記閉ループ動作に切り替えられた場合、前記閉ループ動作での第1のタイミングで、前記投入部は、一回の循環で液体が吸収する硫黄成分量と中和反応できる量よりも多い量の酸化マグネシウムを前記貯留部内に投入する、請求項4に記載の排ガス処理装置。
- 前記投入部は、前記閉ループ動作の継続中における、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおいて、前記第1のタイミングにおける投入量に比べて少ない量の前記酸化マグネシウムを前記貯留部内に補充する、請求項5に記載の排ガス処理装置。
- 前記動作モードが前記開ループ動作から前記閉ループ動作に切り替えられた場合に、前記使用済み液体を前記貯留部から前記反応塔内に供給開始する前に前記貯留部内に投入される前記酸化マグネシウムの投入量を調整する調整部をさらに備える、請求項4から6の何れか一項に記載の排ガス処理装置。
- 前記調整部は、前記排ガスを生じさせる燃焼装置の出力と、前記燃焼装置に使用される燃料油に含まれる硫黄分濃度とに基づいて、一回の循環で液体が吸収する硫黄成分量を推定し、推定された硫黄成分量に基づいて、前記投入量を調整する、請求項7に記載の排ガス処理装置。
- 前記調整部は、前記開ループ動作中に前記反応塔から排出されるガスの硫黄成分量と、前記動作モードが前記閉ループ動作に切り替えられた後に前記排ガスを生じさせる燃焼装置の出力計画値とに基づいて前記投入量を調整する、請求項7に記載の排ガス処理装置。
- 前記調整部は、前記開ループ動作中に前記反応塔に供給される液体および前記反応塔から外部に排出される使用済み液体のそれぞれの水素イオン指数(pH)と、前記動作モードが前記閉ループ動作に切り替えられた後に前記排ガスを生じさせる燃焼装置の出力計画値とに基づいて前記投入量を調整する、請求項7に記載の排ガス処理装置。
- 前記調整部は、前記動作モードが前記開ループ動作から前記閉ループ動作に切り替えられた場合に、前回の閉モード動作中に前記貯留部内に残存している酸化マグネシウムの量に基づいて、前記投入量を調整する、請求項7に記載の排ガス処理装置。
- 前記動作モードが前記閉ループ動作から前記開ループ動作に切り替えられる毎に、前記貯留部内を洗浄する貯留部洗浄機構をさらに備える、請求項1から10の何れか一項に記載の排ガス処理装置。
- 前記動作モードが前記閉ループ動作から前記開ループ動作に切り替えられた場合に、前記反応塔と前記貯留部との間の配管内を洗浄する配管洗浄機構をさらに備える、請求項1から12の何れか一項に記載の排ガス処理装置。
- 排ガスの処理に使用された使用済み液体を循環させる閉ループ動作と、前記使用済み液体を外部に排出する開ループ動作との間で動作モードを切り替え可能な排ガス処理方法であって、
排ガスの浄化に使用された前記使用済み液体を貯留する段階と、
前記閉ループ動作中にアルカリ剤によって浄化能力を回復した使用済み液体を前記排ガスに接触させる段階と、
前記閉ループ動作を開始する場合に、前記使用済み液体を前記排ガスに接触させるように供給する前に、貯蔵された前記使用済み液体に前記アルカリ剤を投入する段階と、を備える排ガス処理方法。
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