本発明は、その一部の実施形態において付加製造(AM)に関し、とりわけ、専らではないが、少なくとも一部分に強化された材料を有する三次元物体のAMに使用可能な新規配合物に関する。
本発明の少なくとも1の実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその適用において、以下の詳細な説明に記載の並びに/又は図面及び/若しくは実施例に示す成分及び/又は方法の構成及び準備の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能である、又は種々の方法で実用若しくは実施することが可能である。
本発明者らは、付加製造に使用可能な、硬質化したときに改良された機械的特性(引張強度及び弾性率等)を特徴とする材料を提供する、新規配合物について模索してきた。かかる改良された特性は、強化材(本明細書及び当業界において「強化材(reinforcer)」又は「充填剤」とも称される)を使用することによって典型的には粒子の形態で得ることができるものの、造形材への強化材粒子の混合は制限されることが多く、不利でさえある。なぜならば、当該混合は、かかる粒子を含有する配合物及び硬質化した材料のレオロジー的及び機械的挙動に悪影響を及ぼし得るためである。
付加製造に使用され得る充填剤は、粉末の形態で、又は粒子が硬化性材料に分散されている分散物の形態で典型的には得ることができる。
本発明者らは、市販の硬化性配合物にシリカ充填剤を粉末の形態で混合することによる配合物の調製を検討し、得られる配合物のレオロジー挙動が、図7に示すように、その配合物を調製するのに使用する技術にかなり影響を受けることを明らかにした。
本発明者らは、市販されている、硬化性材料中のシリカナノ粒子の分散物の使用を検討した。実施した労力を要する検討において、本発明者らは、付加製造全般に、とりわけ3D-インクジェットプリントにおいてシリカ含有配合物をうまく調製及び活用するために満たすべきいくつかの要件を特定した。本発明者らは、良好な3D-インクジェットプリントに適した粘度を示し且つプリントされる際に低減したカールを示す配合物を、前記特定した要件に(少なくとも部分的に)基づいて設計し、うまく実用した。
本発明の実施形態は、付加製造に使用可能な新規の充填剤含有配合物、当該配合物を調製する方法、かかる配合物を用いた三次元物体の付加製造、及びこれにより得られる物体に関する。
本実施形態の方法及びシステムは、三次元物体の形状に対応する構成パターンで複数の層を形成することによって、コンピュータ物体データに基づいて層状に前記物体を製造する。コンピュータ物体データは、標準テッセレーション言語(STL)若しくはステレオリソグラフィ輪郭(SLC)フォーマット、OBJファイルフォーマット(OBJ)、3D製造フォーマット(3MF)、仮想現実モデリング言語(VRML)、付加製造ファイル(AMF)フォーマット、図面交換フォーマット(DXF)、ポリゴンファイルフォーマット(PLY)、又は、コンピュータ支援設計(CAD)に適した任意の他のフォーマットを含む、任意の公知のフォーマットにおけるものであってもよく、限定されない。
各層は、二次元表面を走査してそれをパターン化する付加製造装置によって形成される。当該装置は、走査の際、二次元の層又は表面上の複数の目標位置を訪れ、各目標位置又は目標位置群について、当該目標位置又は目標位置群が造形材配合物によって占有されるべきかどうか、そして、どのタイプの造形材配合物をそこに送達するべきかを決定する。この決定は、表面のコンピュータ画像にしたがってなされる。
本発明の好ましい実施形態において、AMは、三次元プリント、より好ましくは三次元インクジェットプリントを含む。これらの実施形態では、1つ又は複数のノズルアレイを有するディスペンスヘッドから造形材配合物を付与して、造形材配合物をサポート構造上に層状に堆積する。こうして、AM装置は、占有されるべき目標位置に造形材配合物(複数可)を付与し、他の目標位置を空いたままにする。装置は、典型的には、複数のディスペンスヘッド及び/又はノズルアレイを含み、これらはそれぞれ、異なる造形材配合物を付与するように構成されていてもよい。こうして、異なる目標位置は、異なる造形材配合物によって占有され得る。造形材配合物の種類は、2つの主なカテゴリー:モデリング材配合物及びサポート材配合物;に分類することができる。サポート材配合物は、製作プロセスの際に物体又は物体パーツを支持するための及び/又は他の目的(例えば、中空又は多孔質物体を提供する)ためのサポートマトリクス又は構築体として機能する。サポート構築体は、例えば更なる支持強度のために、モデリング材配合物要素をさらに含んでいてもよい。
モデリング材配合物は一般に、付加製造での使用のために配合され、それ自身の上に、すなわち、任意の他の物質と混合又は複合する必要なく、三次元物体を形成することができる組成物である。
最終の三次元物体は、モデリング材配合物、或いは、モデリング材配合物同士の組み合わせ若しくはモデリング配合物とサポート材配合物との組み合わせ、又はこれらの改変物(例えば、硬化後)でできている。全てのこれらの操作は、固体自由形状製作の当業者に周知である。
一部の実施形態によれば、モデリング材配合物及び所望によりサポート材配合物は共に硬化性配合物であり、これは付与されると硬質化する、すなわち、付与されると硬化性配合物の粘度が少なくとも1桁変化する。
本発明の一部の例示的な実施形態において、物体は、2種以上の異なるモデリング材配合物をそれぞれAM装置の異なるノズルアレイから付与することによって製造される。一部の実施形態において、異なるモデリング材配合物を付与する2つ以上のかかるノズルアレイは、いずれもAM装置の同じプリントヘッドに位置している。一部の実施形態において、異なるモデリング材配合物を付与するノズルアレイは別々のプリントヘッドに位置しており、例えば、第1モデリング材配合物を付与する第1ノズルアレイが第1プリントヘッドに位置しており、第2モデリング材配合物を付与する第2ノズルアレイが第2プリントヘッドに位置している。
一部の実施形態において、モデリング材配合物を付与するノズルアレイ及びサポート材配合物を付与するノズルアレイは、両方とも同じプリントヘッドに位置している。一部の実施形態において、モデリング材配合物を付与するノズルアレイ及びサポート材配合物を付与するノズルアレイは、同じプリントヘッドに別々に位置している。
モデリング材配合物は、所望により且つ好ましくは、それぞれのプリントヘッド(複数可)の同じパスの間に層状に堆積される。層内における材料配合物及び材料配合物の組み合わせは、物体の所望される特性に応じて選択される。
本発明の一部の実施形態に係る、物体112のAMに適したシステム110の代表的且つ非限定的な例を図1Aに示す。システム110は、複数のディスペンスヘッドを含むディスペンスユニット16を有する付加製造装置114を含む。各ヘッドは、以下に説明する図2A~Cに示すように、オリフィス板121に典型的には取り付けられている1つ又は複数のノズルアレイ122を好ましくは含み、これを通じて液状(未硬化)造形材配合物124が付与される。
好ましくは、但し義務的ではないが、装置114は三次元プリント装置であり、この場合、ディスペンスヘッドはプリントヘッドであり、造形材配合物はインクジェット技術によって付与される。必ずしもこのケースに該当する必要はなく、なぜなら、一部の用途では付加製造装置が三次元プリント技術を採用する必要がない場合があるからである。本発明の種々の例示的な実施形態によって構想される付加製造装置の代表例として、熱溶解積層モデリング装置及び溶融材料配合物堆積装置が挙げられるが、限定されない。
用語「プリントヘッド」は、本明細書において使用される場合、3Dインクジェットプリント等の3Dプリントに使用可能なディスペンスヘッドを表す。
用語「ディスペンスヘッド」は、3Dインクジェットプリントに関わる実施形態に関連する用語「プリントヘッド」を包含する。
各ディスペンスヘッドは、所望により且つ好ましくは、温度制御ユニット(例えば、温度センサ及び/又は加熱デバイス)と材料配合物レベルセンサとを所望により含んでいてもよい1つ又は複数の造形材配合物リザーバを介して供給される。造形材配合物を付与するために、例えば圧電インクジェットプリント技術におけるように、電圧シグナルをディスペンスヘッドに印加して、選択した配合物又は選択した2種以上の配合物の組み合わせの液滴をディスペンスヘッドのノズルを介して選択的に堆積させる。別の例として、サーマルインクジェットプリントヘッドが挙げられる。このタイプのヘッドには、造形材配合物と熱的に接触し、電圧シグナルにより稼働させると造形材配合物を加熱してその中に気泡を形成するための、ヒータ要素が存在する。気泡は造形材配合物中に圧力を発生させ、これにより造形材配合物の液滴がノズルを通して吐出される。圧電及びサーマルプリントヘッドは、固体自由形状製作の当業者にとって既知である。どんなタイプのインクジェットディスペンスヘッドでも、ヘッドによる付与速度は、ノズル数、ノズルのタイプ、及び印加される電圧シグナル速度(周波数)に依存する。
好ましくは、但し義務的ではないが、ディスペンスノズル又はノズルアレイの総数は、ディスペンスノズルの半分がサポート材配合物を付与するように指定され、且つ、ディスペンスノズルの半分がモデリング材配合物を付与するように指定される、すなわち、モデリング材配合物を吐出するノズル数がサポート材配合物を吐出するノズル数と同じであるように選択される。図1Aの代表例に、4つのディスペンスヘッド16a、16b、16c及び16dを示す。ヘッド16a、16b、16c及び16dのそれぞれがノズルアレイを有する。この例では、ヘッド16a及び16bはモデリング材配合物(複数可)に関して指定され得、ヘッド16c及び16dはサポート材配合物に関して指定され得る。こうして、ヘッド16aは第1モデリング材配合物を付与することができ、ヘッド16bは第2モデリング材配合物を付与することができ、ヘッド16c及び16dは、両方がサポート材配合物を付与することができる。代替の実施形態において、ヘッド16c及び16dは、例えば、サポート材配合物を堆積させるための2つのノズルアレイを有する単一のヘッドにおいて組み合わされてもよい。更なる代替の実施形態において、プリントヘッドのいずれか1つ又は複数が、1種より多い材料配合物を堆積させるための1つより多いノズルアレイ、例えば、2種の異なるモデリング材配合物、又はモデリング材配合物とサポート材配合物とを堆積させるための2つのノズルアレイを有していてもよく、各配合物は異なるアレイ又はノズル数を介する。
但し、これは本発明の範囲を限定することを意図していないこと、並びに、モデリング材配合物プリントヘッド(モデリングヘッド)の数及びサポート材配合物プリントヘッド(サポートヘッド)の数が異なっていてもよいことを理解されたい。一般に、モデリング材配合物を付与するノズルアレイの数、サポート材配合物を付与するノズルアレイの数、及び各アレイにおけるノズルの数は、例えば、サポート材配合物の最高付与速度及びモデリング材配合物の最高付与速度の所定の比aを与えるように選択される。所定の比aの値は、各々形成される層においてモデリング材配合物の高さがサポート材配合物の高さと等しくなることを確実にするように好ましくは選択される。aの典型的な値は約0.6~約1.5である。
例えば、a=1では、全てのノズルアレイが作動する場合、サポート材配合物の全体の付与速度がモデリング材配合物の全体の付与速度と概ね同じである。
例えば、装置114は、p個のノズルのm個のアレイをそれぞれ有するM個のモデリングヘッドと、q個のノズルのs個のアレイをそれぞれ有するS個の支持体ヘッドとを、M×m×p=S×s×qとなるように含み得る。M×mのモデリングアレイ及びS×sのサポートアレイのそれぞれは、別々の物理的ユニットとして製造され得、該物理的ユニットは組み立てられ得、そしてアレイ群から分解され得る。この実施形態において、それぞれかかるアレイは、所望により且つ好ましくは、温度制御ユニット及びそれ自身の材料配合物レベルセンサを含み、その操作に関して個々に制御された電圧を受ける。
装置114は、堆積した材料配合物を硬質化させ得る光、熱などを放出するように構成された任意のデバイスを含み得る固化デバイス324をさらに含み得る。例えば、固化デバイス324は、使用されるモデリング材配合物に応じて、例えば、紫外若しくは可視若しくは赤外ランプ、又は他の電磁放射線源、又は電子線源であり得る1つ又は複数の放射線源を含み得る。本発明の一部の実施形態において、固化デバイス324は、モデリング材配合物を硬化又は固化させる役割を果たす。
ディスペンスヘッド及び放射線源は、作業面としての役割を果たすトレイ360上で往復移動するように好ましくは操作可能なフレーム又はブロック128に好ましくは取り付けられる。本発明の一部の実施形態において、放射線源は、ディスペンスヘッドの後ろを追従して、ディスペンスヘッドによって付与されたばかりの材料配合物を少なくとも部分的に硬化又は固化させるように、ブロックに取り付けられる。トレイ360は水平に配置される。一般的な取決めにしたがって、X-Y-Zデカルト座標系はX-Y面がトレイ360と平行になるように選択される。トレイ360は、垂直に(Z方向に沿って)、典型的には下方に移動するように好ましくは構成される。本発明の種々の例示的な実施形態において、装置114は、1つ又は複数のレベリングデバイス132、例えばローラ326をさらに含む。レベリングデバイス326は、新たに形成した層の厚さを、その上に連続層を形成する前に、真っ直ぐにし、レベリングし及び/又は確立させる役割を果たす。レベリングデバイス326は、レベリングの際に発生した過剰の材料配合物を回収するための廃棄物回収デバイス136を好ましくは含む。廃棄物回収デバイス136は、材料配合物を廃棄物タンク又は廃棄物カートリッジに送達する任意の機構を含んでいてもよい。
使用の際、ユニット16のディスペンスヘッドは、本明細書においてX方向と称する走査方向に移動して、トレイ360上の通過中に所定の構成で造形材配合物を選択的に付与する。造形材配合物は、1種又は複数種のサポート材配合物及び1種又は複数種のモデリング材配合物を典型的には含む。ユニット16のディスペンスヘッドの通過後、放射線源126によってモデリング材配合物(複数可)を硬化させる。ヘッドの逆方向の通過の際、堆積したばかりの層の出発点に戻って、造形材配合物の更なる付与が所定の構成にしたがって実施されてもよい。ディスペンスヘッドの順方向及び/又は逆方向の通過の際、こうして形成された層は、好ましくはその順方向及び/又は逆方向移動の際のディスペンスヘッドの経路を追従する、レベリングデバイス326によって真っ直ぐにされてもよい。ディスペンスヘッドがX方向に沿って出発点に戻ると、それらは、本明細書においてY方向と称する割り出し方向(indexing direction)に沿って別の位置に移動し、X方向に沿った往復移動によって同様の層を造形し続けてもよい。代わりに、ディスペンスヘッドは、順方向移動と逆方向移動の間に、又は1超の順方向-逆方向往復移動の後にY方向に移動してもよい。ディスペンスヘッドによって実施され単一層を完成させる一連の走査は、本明細書において単一走査サイクルと称する。
層が完成したら、トレイ360は、後にプリントされる層の所望する厚さに応じてZ方向に所定のZレベルまで下げられる。この手順が繰り返されて、三次元物体112を層状に形成する。
別の実施形態において、トレイ360は、層内においてユニット16のディスペンスヘッドの順方向通過と逆方向通過の間にZ方向に動かしてもよい。かかるZ移動は、レベリングデバイスを一方向で表面と接触させ、他方向での接触を防止するために実施される。
システム110は、造形材配合物容器又はカートリッジを含み且つ複数種の造形材配合物を製作装置114に供給する造形材配合物供給システム330を所望により且つ好ましくは含む。
制御ユニット152は、製作装置114、及び所望により且つ好ましくは供給システム330も制御する。制御ユニット152は、制御操作を実施するように構成された電子回路を典型的には含む。制御ユニット152は、コンピュータ物体データ(例えば、標準テッセレーション言語(STL)フォーマット等の形態でコンピュータ可読媒体に表されたCAD構成)に基づいて、製作命令に関するデジタルデータを送信するデータプロセッサ154と好ましくは通信する。典型的には、制御ユニット152は、各ディスペンスヘッド又は各ノズルアレイに印加される電圧、及び、それぞれのプリントヘッド又はそれぞれのノズルアレイにおける造形材配合物の温度を制御する。
製造データが制御ユニット152に読み込まれると、ユーザの介入なしに作動することができる。一部の実施形態において、制御ユニット152は、例えば、データプロセッサ154を用いて又はユニット152と通信するユーザインターフェース116を用いて、オペレータからの更なるインプットを受信する。ユーザインターフェース116は、当業界において既知の任意のもの(例えば、限定されないが、キーボード、タッチスクリーン等)であってもよい。例えば、制御ユニット152は、更なるインプットとして1種又は複数種の造形材配合物の種類及び/又は性質(例えば、限定されないが、色、特性ひずみ及び/又は転移温度、粘度、電気特性、磁気特性)を受信することができる。他の性質及び性質群もまた構想される。
本発明の一部の実施形態に係る物体のAMに適したシステム10の代表的且つ非限定な例を図1B~Dに示す。図1B~Dは、システム10の上面図(図1B)、側面図(図1C)、及び等角図(図1D)を示す。
本実施形態において、システム10は、トレイ12と、それぞれ1つ又は複数の分離したノズルを有する、1つ又は複数のノズルアレイをそれぞれ有する複数のインクジェットプリントヘッド16と、を含む。トレイ12は、ディスクの形状を有していてもよいし、又は環状であってもよい。垂直軸の周りを回転できることを前提として、非円形の形状も構想される。
トレイ12及びヘッド16は、例えば、トレイ12及びヘッド16間の相対的な回転運動を可能にするように所望により且つ好ましくは取り付けられる。これは、(i)トレイ12を、ヘッド16に対して垂直軸14の周りを回転するように構成すること、(ii)ヘッド16を、トレイ12に対して垂直軸14の周りを回転するように構成すること、又は(iii)トレイ12及びヘッド16が両方とも、垂直軸14の周りを、異なる回転速度(例えば、反対方向に回転)で回転するように構成すること、によって達成され得る。以下の実施形態では、トレイがヘッド16に対して垂直軸14の周りを回転するように構成された回転トレイである構成(i)を特に重点的に説明するが、本願は構成(ii)及び(iii)も構想していることを理解されたい。本明細書に記載の実施形態のいずれか1つが、構成(ii)及び(iii)のいずれかに適用可能であるように調整され得、当業者は、本明細書に記載の詳細を前提としてかかる調整のしかたを知るであろう。
以下の詳細な説明において、トレイ12と平行で且つ軸14から外側に向いている方向を半径方向rと称し、トレイ12と平行で且つ半径方向rと垂直な方向を方位角方向φと称し、トレイ12と垂直な方向を本明細書において垂直方向zと称する。
用語「半径位置(radial position)」は、本明細書において使用される場合、軸14から特定の距離にあるトレイ12上又はその上方の位置を指す。前記用語がプリントヘッドに関連して使用される場合、前記用語は、軸14から特定の距離にあるヘッドの位置を指す。前記用語がトレイ12上の点に関連して使用される場合、前記用語は、半径が軸14から特定の距離であり中心が軸14にある円である、点の軌跡に属する任意の点に対応する。
用語「方位角位置(azimuthal position)」は、本明細書において使用される場合、所定の基準点に対して特定の方位角にあるトレイ12上又はその上方の位置を指す。ゆえに、半径位置は、基準点に対して特定の方位角を形成する直線である、点の軌跡に属する任意の点を指す。
用語「垂直位置(vertical position)」は、本明細書において使用される場合、面上の特定の点で垂直軸14と交差する位置を指す。
トレイ12は、三次元プリントのための支持構造体としての役割を果たす。1つ以上の物体がプリントされる作業領域は、典型的には、しかし必ずしもそうである必要はないが、トレイ12の総面積よりも小さい。本発明の一部の実施形態において、作業領域は環状である。作業領域は26で示されている。本発明の一部の実施形態において、トレイ12は、物体の形成中ずっと同じ方向に連続的に回転し、本発明の一部の実施形態においては、トレイは、物体の形成の際に少なくとも1回(例えば、振動するように)回転方向を逆にする。トレイ12は、所望により且つ好ましくは取り外し可能である。トレイ12の取り外しは、システム10のメンテナンスのため、又は、所望により新たな物体をプリントする前にトレイを交換するためであり得る。本発明の一部の実施形態において、システム10は、1つ又は複数の異なる置き換えトレイ(例えば、置き換えトレイのキット)を備え、ここで、2つ以上のトレイが、異なるタイプの物体(例えば、異なる重量)、異なる操作モード(例えば、異なる回転スピード)などに関連して指定される。所望により、トレイ12の置き換えは手動であってもよいし、自動であってもよい。自動置き換えが採用される場合、システム10は、ヘッド16下方にあるトレイ12を取り外して置き換えトレイ(図示せず)で置き換えるために構成される、トレイ置き換えデバイス36を含む。図1Bの例示には、トレイ置き換えデバイス36を、トレイ12を引っ張るように構成された可動アーム40を有するドライブ38として示しているが、他のタイプのトレイ置き換えデバイスも構想される。
プリントヘッド16について例示されている実施形態を図2A~2Cに示す。これらの実施形態は、システム110及びシステム10を含むが限定されない、上記に記載のAMシステムのいずれかに用いられ得る。
図2A~Bは、1つ(図2A)及び2つ(図2B)のノズルアレイ22を有するプリントヘッド16を示す。アレイにおけるノズルは、好ましくは、直線に沿って線状に並んでいる。特定のプリントヘッドが2つ以上の線状ノズルアレイを有する実施形態において、ノズルアレイは、所望により且つ好ましくは互いに平行である。プリントヘッドが2つ以上のノズルアレイ(例えば、図2B)を有する場合、ヘッドの全てのアレイに同じ造形材配合物が供給されてもよいし、又は同じヘッドの少なくとも2つのアレイに異なる造形材配合物が供給されてもよい。
システム110と同様のシステムが用いられる場合、全てのプリントヘッド16が、所望により且つ好ましくは、走査方向に沿ったそれらの位置が互いにずれた状態で割り出し方向に沿って並んでいる。
システム10と同様のシステムが用いられる場合、全てのプリントヘッド16が、所望により且つ好ましくは、それらの方位角位置が互いにずれた状態で(半径方向と平行に)半径方向に並んでいる。このようにして、これらの実施形態では、異なるプリントヘッドのノズルアレイは互いに平行ではなくむしろ互いに角度がついており、当該角度は、それぞれのヘッド間の方位角のずれに概ね等しい。例えば、1つのヘッドが半径方向に配向され方位角位置φ1で配置され得、別のヘッドが半径方向に配向され方位角位置φ2で配置され得る。この例では、2つのヘッド間の方位角のずれはφ1-φ2であり、2つのヘッドの線状ノズルアレイ間の角度もφ1-φ2である。
一部の実施形態において、2つ以上のプリントヘッドが組み立てられプリントヘッドブロックとなってもよく、この場合、ブロックのプリントヘッドは、典型的には互いに平行である。いくつかのインクジェットプリントヘッド16a、16b、16cを含むブロックを図2Cに示す。
一部の実施形態において、システム10は、トレイ12が支持構造体30及びヘッド16間にあるようにヘッド16の下方に配置された、支持構造体30を含む。支持構造体30は、インクジェットプリントヘッド16が作動している間に起こり得るトレイ12の振動を防止又は低減する役割を果たし得る。プリントヘッド16が軸14の周りを回転する構成において、支持構造体30はまた、支持構造体30が常に(トレイ12と共にヘッド16とトレイ12の間で)ヘッド16の直下にあるように好ましくは回転する。
トレイ12及び/又はプリントヘッド16は、所望により且つ好ましくは、トレイ12及びプリントヘッド16間の垂直距離を変えるように、垂直軸14に対して平行に垂直方向zに沿って移動するように構成される。垂直方向に沿ってトレイ12を移動させることで垂直距離を変える構成において、支持構造体30はまた、好ましくはトレイ12と一緒に垂直に移動する。垂直方向に沿ったヘッド16によって垂直距離を変える構成において、固定されたトレイ12の垂直位置を維持しながら、支持構造体30もまた固定された垂直位置で維持される。
垂直の動作は、垂直ドライブ28によって達成され得る。層が完成すると、トレイ12及びヘッド16間の垂直距離は、後にプリントされる層の所望される厚さに応じて、所定の垂直工程によって長くなり得る(例えば、トレイ12をヘッド16に対して下げる)。この手順を繰り返して三次元物体を層状に形成する。
インクジェットプリントヘッド16及び所望により且つ好ましくはシステム10の1つ又は複数の他の構成要素の操作(例えば、トレイ12の動作)は、コントローラ20によって制御される。コントローラは、電子回路及び当該回路によって読み取り可能な不揮発性メモリ媒体を有し得、メモリ媒体は、以下にさらに詳述されるように、回路によって読みとられたときに回路に制御操作を実施させるプログラム命令を保存する。
コントローラ20はまた、例えば、標準テッセレーション言語(STL)若しくはステレオリソグラフィ輪郭(SLC)フォーマット、仮想現実モデリング言語(VRML)、付加製造ファイル(AMF)フォーマット、図面交換フォーマット(DXF)、ポリゴンファイルフォーマット(PLY)、又は、コンピュータ支援設計(CAD)に適した任意の他のフォーマットの形態で、コンピュータ物体データに基づいて製作命令に関するデジタルデータを送信するホストコンピュータ24と通信することもできる。物体データフォーマットは、典型的にはデカルト座標系にしたがって構築される。これらの場合において、コンピュータ24は、コンピュータ物体データにおける各スライスの座標をデカルト座標系から極座標系に変換するための手順を好ましくは実行する。コンピュータ24は、変換された座標系に関しての製作命令を所望により且つ好ましくは送信する。代替的には、コンピュータ24は、コンピュータ物体データによって付与される元の座標系に関する製作命令を送信し得、この場合、座標の変換はコントローラ20の回路によって実行される。
座標の変換は、回転トレイ上の三次元プリントを可能にする。静止トレイを有する非回転システムにおいて、プリントヘッドは典型的には、直線に沿って静止トレイ上を往復移動する。かかるシステムにおいて、プリント解像度は、ヘッドによる付与速度が同じであることを前提として、トレイ上のどの場所でも同じである。システム10では、非回転システムとは異なり、ヘッドの全てのノズルが同時にトレイ12上を同じ距離カバーするわけではない。座標の変換は、異なる半径位置において等量の過剰な材料配合物を確保するように所望により且つ好ましくは実行される。本発明の一部の実施形態に係る座標変換の例示が、物体の3つのスライス(各スライスは、物体の異なる層の製作命令に対応する)を示す図3A~Bに提供されており、図3Aはデカルト座標系におけるスライスを示し、図3Bは同スライスであってそれぞれのスライスに座標変換手順を適用した後のスライスを示す。
典型的には、コントローラ20は、製作命令に基づいて、且つ、以下に説明する保存済みプログラム命令に基づいて、システム10のそれぞれの構成要素に印加される電圧を制御する。
概して、コントローラ20は、トレイ12の回転中に造形材配合物の液滴を層状に付与し、例えば、トレイ12上に三次元物体をプリントするようにプリントヘッド16を制御する。
システム10は、使用するモデリング材配合物に応じて、例えば、紫外若しくは可視若しくは赤外ランプ、又は他の電磁放射線源、又は電子線源であり得る、1つ又は複数の放射線源18を所望により且つ好ましくは含む。放射線源は、発光ダイオード(LED)、デジタルライトプロセシング(DLP)システム、抵抗ランプなどを含むが限定されない、任意のタイプの放射線放出デバイスを含んでいてもよい。放射線源18は、モデリング材配合物を硬化又は固化させる役割を果たす。本発明の種々の例示的な実施形態において、放射線源18の操作は、放射線源18を始動及び停止し得且つ放射線源18によって発生する放射線の量も所望により制御し得る、コントローラ20によって制御される。
本発明の一部の実施形態において、システム10は、ローラ又はブレードとして製造され得る1つ又は複数のレベリングデバイス32をさらに含む。レベリングデバイス32は、新たに形成した層を、その上に連続層が形成される前に真っ直ぐにする役割を果たす。一部の実施形態において、レベリングデバイス32は円錐ローラの形状を有し、その対称軸34をトレイ12の表面に対して傾かせ、且つ、その表面がトレイの表面に対して平行となるように配置される。この実施形態をシステム10の側面図(図1C)に示す。
円錐ローラは、円錐又は円錐台の形状を有し得る。
円錐ローラの開き角は、その軸34に沿った任意の位置での円錐の半径と当該任意の位置及び軸14間の距離との比が一定であるように好ましくは選択される。この実施形態は、ローラ32が層を効率的にレベリングすることを可能にする。その理由は、ローラが回転する間、ローラ表面上の任意の点pが、点pの垂直下方でのトレイの線速度に比例する(例えば同じ)線速度を有するためである。一部の実施形態において、ローラは、高さh、軸14から最も近い距離での半径R1、及び軸14から最も遠い距離での半径R2を有する円錐台の形状を有し、パラメータh、R1及びR2は、R1/R2=(R-h)/hの関係を満たし、Rは、ローラの軸14から最も遠い距離である(例えば、Rはトレイ12の半径であり得る)。
レベリングデバイス32の操作は、所望により且つ好ましくは、レベリングデバイス32を始動及び停止し得、且つその位置を垂直方向(軸14に平行)及び/又は半径方向(トレイ12に平行)に沿って軸14に向かうように若しくは離れるように所望により制御し得る、コントローラ20によって制御される。
本発明の一部の実施形態において、プリントヘッド16は、半径方向rに沿ってトレイに対して往復移動するように構成される。これらの実施形態は、ヘッド16のノズルアレイ22の長さがトレイ12における作業領域26の半径方向に沿った幅よりも短い場合に有用である。半径方向に沿ったヘッド16の動作は、コントローラ20によって所望により且つ好ましくは制御される。
一部の実施形態は、(同じ又は異なるプリントヘッドに存在する)異なるノズルアレイから異なる材料配合物を付与することによる物体の製作を構想している。これらの実施形態は、とりわけ、所与の数の材料配合物から材料配合物を選択し、選択した材料配合物の所望の組み合わせ及びこれらの特性を定義する能力を提供する。本実施形態によれば、層による各材料配合物の堆積の空間位置を画定して異なる材料配合物による異なる三次元空間位置の占有を生じさせるか、又は2種以上の異なる材料配合物による実質的に同じ三次元位置若しくは隣接する三次元位置の占有を生じさせることにより、層内の材料配合物の堆積後の空間的組み合わせを可能にし、これにより、それぞれの位置(複数可)で複合材料配合物を形成する。
任意のモデリング材配合物の堆積後組み合わせ又は混ぜ合わせが構想される。例えば、ある特定の材料配合物は付与されるとその元の特性を保持し得る。しかし、この配合物は、別のモデリング材配合物又は同じ若しくは隣の位置に付与される他の材料配合物と同時に付与されると、上記付与された(元の)材料配合物とは異なる特性(複数)を有する複合材料配合物を形成する。
このように本実施形態は、広範囲の材料配合物組み合わせの堆積、及び、異なる部分においてその各部分を特徴付けるのに望まれる特性に応じた材料配合物の複数の異なる組み合わせからなり得る物体の製作を可能にする。
本実施形態に適したAMシステムの原理及び操作に関する更なる詳細は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20100191360号において見出される。
本明細書において全体を通して、用語「物体」は、付加製造の最終生成物を説明するものである。この用語は、本明細書に記載の方法によって、サポート材が造形材の一部として使用されるならばサポート材の除去後に、及び/又は上記方法の一部として後処理が使用されるならば当該後処理後に得られる生成物を指す。「物体」は、ゆえに、硬質化した(例えば、硬化した)モデリング材から本質的になる(95重量パーセント以上)。
用語「物体」は、本明細書において使用される場合、全体を通して、物体全体又はその一部を指す。
本実施形態に係る物体は、その少なくとも一部又は一部分が、本明細書に記載の強化材(充填剤)及び硬質化したモデリング材を含む強化された材料であるようになっている。物体は、そのいくつかの部若しくは部分が強化された材料でできているように、又は、全体が強化された材料でできているようになっていてよい。強化された材料は、異なる部又は部分において同じであっても異なっていてもよく、強化された材料でできている各部、部分又は物体全体について、強化された材料が、当該部分、部又は物体内で同じであっても異なっていてもよい。異なる強化された材料が使用される場合、これらの材料は、以下にさらに説明するように、その化学組成及び/又は機械的特性が異なっていてよい。
本明細書において全体を通して、語句「造形材配合物」、「未硬化造形材」、「未硬化造形材配合物」、「造形材」及び変形例はしたがって、本明細書に記載のように、後に層を形成するように付与される当該材料を総称して説明する。この語句は、物体を形成するように付与される未硬化材料、すなわち1種又は複数種の未硬化モデリング材配合物(複数可)、及び、サポートを形成するように付与される未硬化材料、すなわち未硬化サポート材配合物を包含する。
本明細書において全体を通して、語句「硬化したモデリング材」又は「硬質化したモデリング材」は、本明細書に定義するように、付与された造形材を硬化させると物体を形成する、及び、本明細書に記載のように、所望によりサポート材が付与された場合には硬化したサポート材を除去すると物体を形成する、造形材の部分を説明する。硬質化したモデリング材は、本明細書に記載のように、使用するモデリング材配合物に応じて、単一の材料であってもよく、又は2種以上の材料の混合物であってもよい。
語句「硬化したモデリング材」又は「硬質化したモデリング材」又は「硬化したモデリング材配合物」又は「硬質化したモデリング材配合物」は、硬化した造形材とみなされ得、当該造形材は、モデリング材配合物のみからなる(サポート材配合物を含まない)。すなわち、この語句は、最終物体を提供するのに使用される造形材の部分を指す。
本明細書において全体を通して、語句「モデリング材配合物」は、本明細書において「モデリング配合物」、「モデル配合物」、「モデル材配合物」又は単に「配合物」とも言い換え可能に称され、本明細書に記載のように、物体を形成するように付与される造形材の一部又は全部を説明する。モデリング材配合物は、硬化条件(例えば、硬化エネルギー)に曝すと物体又はその一部を形成する未硬化モデリング配合物(別途特に示されない限り)である。
本発明の一部の実施形態において、モデリング材配合物は、三次元インクジェットプリントにおける使用のために配合され、いかなる他の物質とも混合する又は組み合わせる必要なく、それそのものが三次元物体を形成することが可能である。
未硬化造形材は、1種又は複数種のモデリング配合物を含み得、硬化させると、異なる硬質化したモデリング配合物又はこれらの異なる組み合わせから物体の異なる部分が作製されるように、ゆえに、異なる硬質化したモデリング材又は硬質化したモデリング材の異なる混合物から物体の異なる部分が作製されるように付与され得る。
造形材を形成する配合物(モデリング材配合物及びサポート材配合物)は、硬化性配合物、又は硬化性の系を含む配合物であり、硬化条件(例えば、硬化エネルギー)に曝すと硬質化した(硬化した)材料を形成する1種又は複数種の硬化性材料を含む。典型的には、硬化性の系又は配合物は、当該配合物の硬質化を促進するための1種又は複数種の剤、例えば、重合性材料の重合を促進するための1種又は複数種の剤をさらに含む。
本実施形態に係る硬化性配合物又は配合物系は、典型的には、1分未満、好ましくは30秒未満、より好ましくは20秒未満以内、例えば数ミリ秒~30秒の範囲内、それらの間にある任意の中間値及びサブ範囲も含む期間内で、適切な条件(例えば、照射又は熱)に曝すと硬質化するようになっている。かかる硬質化又は硬化時間は、本明細書において前記それぞれの実施形態のいずれかに記載の物体の層状の製作において望ましい。
三次元インクジェットプリント等の付加製造に使用可能な硬化性配合物又は配合物系は、照射に曝すと、当該配合物の(例えば、50ミクロン未満、例えば、5~40ミクロンの)薄層が1秒未満で(例えば、100ミリ秒~1秒以内に)少なくとも80%の硬質化度まで硬質化するようになっている。
「硬質化度(hardening degree)」又は「硬質化の程度(degree of hardening)」によって、本明細書において硬質化する程度、すなわち、本明細書に記載の硬化性材料又は硬化性配合物系が硬質化する(例えば重合及び/又は架橋を経る)程度が意図される。硬化性材料が重合性材料である場合、この語句は、硬化条件に曝した際に重合及び/若しくは架橋を経た配合物中の硬化性材料のモル%;並びに/又は、重合及び/若しくは架橋が生じた程度(例えば鎖伸長及び/若しくは架橋の程度)の両方を包含する。重合度の決定は、当業者に既知の方法によって実施され得る。
本明細書において全体を通して、「硬化性材料」は、硬化条件に曝した際に、本明細書に記載のように、固化又は硬質化して、硬質化した(例えば、硬化した)材料を形成する化合物(典型的にはモノマー性又はオリゴマー性化合物、さらに所望により、ポリマー性材料)である。硬化性材料は、典型的には重合及び/又は架橋を促進するための剤の存在下、適切な硬化条件(例えば、エネルギー源)に曝した際に重合及び/又は架橋を経る、典型的には重合性材料である。
硬化性材料は、本実施形態によれば、硬化エネルギーに曝すことなく硬化条件に曝した際(例えば、化学試薬に曝した際)又は単に環境中に曝した際に硬質化又は固化する(硬化する)材料も包含する。
用語「硬化性」及び「固化性」は、本明細書において使用される場合、言い換え可能である。
重合は、例えば、フリーラジカル重合、カチオン重合又はアニオン重合であり得、それぞれ、本明細書に記載のように、硬化エネルギー(例えば、放射線、熱など)に曝した際に起こり得る。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、硬化性材料は、本明細書に記載のように、放射線に曝すと重合する及び/又は架橋を経る光重合性材料であり、一部の実施形態において、硬化性材料は、本明細書に記載のように、UV放射線に曝すと重合する及び/又は架橋を経るUV硬化性材料である。
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性材料は、光誘起フリーラジカル重合を介して重合する光重合性材料である。代替的には、硬化性材料は、光誘起カチオン重合を介して重合する光重合性材料である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、硬化性材料は、本明細書に記載のように、それぞれ重合性及び/又は架橋性であるモノマー、オリゴマー、又は短鎖ポリマーであり得る。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、硬化性材料は、硬化条件(例えば、放射線)に曝した際、鎖伸長及び架橋のいずれか1又は組み合わせによって硬質化する(硬化する)。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、硬化性材料は、重合反応が起こる硬化条件に曝した際、重合反応の際にポリマー性材料を形成し得るモノマー又はモノマー混合物である。かかる硬化性材料は、本明細書において、モノマー性硬化性材料とも称する。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、硬化性材料は、重合反応が起こる硬化条件に曝した際、重合反応の際にポリマー性材料を形成し得るオリゴマー又はオリゴマー混合物である。かかる硬化性材料は、本明細書において、オリゴマー性硬化性材料とも称する。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、硬化性材料は、モノマー性又はオリゴマー性のどちらであっても、単官能硬化性材料又は多官能硬化性材料であり得る。
本明細書において、単官能硬化性材料は、硬化条件(例えば、放射線)に曝した際に重合を経ることができる1つの官能(硬化性)基を含む。
多官能硬化性材料は、硬化条件に曝した際に重合を経ることができる2つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ以上の官能(硬化性)基を含む。多官能硬化性材料は、重合を経ることができる2つ、3つ又は4つの基をそれぞれ含む、例えば、2官能、3官能又は4官能硬化性材料であり得る。多官能硬化性材料における2つ以上の官能基は、本明細書において定義するように、典型的には連結部位によって互いに連結している。連結部位がオリゴマー性又はポリマー性部位である場合、多官能基は、オリゴマー性又はポリマー性多官能硬化性材料である。多官能硬化性材料は、硬化条件に供した際、重合を経る及び/又は架橋剤として作用し得る。
本明細書において「配合物」と記載されている場合はいつでも、造形材配合物、好ましくはモデリング材配合物が意図される。
モデリング材配合物:
本発明の一部の実施形態の態様によれば、本明細書に記載の硬化性材料又は硬化性系と1種又は複数種の強化材(複数可)(充填剤(複数可))とを含むモデリング材配合物が提供される。
本明細書において使用される場合、「強化材」により、組成物に含まれているとき当該組成物の機械的強度を向上させる材料が意図される。付加製造に関連して及び本実施形態に関連して、強化材は、硬質化した造形材(例えば、硬質化したモデリング材)に含まれているときに、強化材を有さない同じ配合物と比較して、硬質化した材料の機械的強度を高める材料である。
一部の実施形態において、機械的強度の高まりは、引張強度、及び/又は曲げ強度、及び/又は引張弾性率、及び/又は曲げ弾性率の増加に反映される。
「引張強度」により、材料の破壊までに延伸され又は引っ張られながらも耐えることができる最大応力が意図される。引張強度は、例えば、ASTM D-638-03にしたがって求められ得る。
「引張弾性率」により、単軸変形の線形弾性レジメンにおいて、材料における応力(単位面積あたりの力)とひずみ(比例変形)との関係として定義される、材料の剛性が意図される。引張弾性率は、例えば、ASTM D-638-04にしたがって求められ得る。
「曲げ強度」により、曲げ試験において折れる直前の材料における応力が意図される。曲げ強度は、例えば、ASTM D-790-03にしたがって求められ得る。
「曲げ弾性率」により、曲げ試験、例えばASTM D790によって作成される応力-ひずみ曲線のスロープから求められる、曲げ変形における応力対ひずみ比が意図される。曲げ弾性率は、例えば、ASTM D-790-04にしたがって求められ得る。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、強化材を含む結果得られる、本明細書において定義する機械的強度の増加は、少なくとも5%、又は少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも40%、又は少なくとも50%、又はそれ以上である。すなわち、例えば、強化材を含む硬質化した材料の引張強度、及び/又は曲げ強度、及び/又は引張弾性率、及び/又は曲げ弾性率は、強化材を含まない同じ硬質化した材料のそれぞれの特性よりも、本明細書に記載のように、少なくとも5%、又は少なくとも10%以上高い。
付加製造に使用可能な充填剤(強化材)は、典型的には、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、クレイ、カーボンブラックなどの無機粒子である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、充填剤は、シリカ粒子であるか、又はシリカ粒子を含む。
一部の実施形態において、粒子の平均径は、1ミクロン未満、好ましくは500nm未満、好ましくは200nm未満、好ましくは100nm未満である。これらの実施形態において、シリカ粒子をシリカナノ粒子とも称する。
一部の実施形態において、粒子の平均径は、10nm~100nm、又は20nm~100nm、又は20nm~80nm、又は10nm~50nmの範囲であり、それらの間にある任意の中間値及びサブ範囲も含む。
一部の実施形態において、かかる粒子の少なくとも一部は、配合物に導入される際に凝集してもよい。これらの実施形態の一部において、かかる凝集体は、1ミクロン以下の平均サイズを有する。
ヒュームドシリカ、コロイドシリカ、沈降シリカ、層状シリカ(例えば、モンモリロナイト)、及びシリカ粒子のエアロゾル支援自己集合体を含む、サブミクロンシリカ粒子の任意の市販配合物も本実施形態に関連して使用可能である。
シリカ粒子は、疎水性又は親水性表面を特徴とするようになっていてもよい。粒子表面が疎水性であるか親水性であるかは、粒子の表面基の性質によって決定する。
シリカが処理されていない、すなわち、実質的にSi及びO原子から構成されている場合、粒子は、典型的にはシラノール(Si-OH)表面基を特徴とし、それゆえ親水性である。処理されていない(又はコーティングされていない)コロイドシリカ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ及び層状シリカは全て、親水性表面を特徴とし、親水性シリカとされる。
層状シリカは、表面基としての第4級アンモニウム及び/又はアンモニウムによって終端する長鎖炭化水素を特徴とするように処理されてもよく、その表面の性質は、炭化水素鎖の長さによって決定する。疎水性シリカは、疎水性基がその粒子表面に結合しているシリカの形態であり、処理されたシリカ又は官能化されたシリカ(疎水性基によって処理されたシリカ)とも称する。
疎水性表面基(例えば、限定されないが、アルキル、好ましくは、長さが炭素原子2つ以上、好ましくは長さが炭素原子4つ以上、若しくは6つ以上の中程度から高度のアルキル、シクロアルキル、アリール、及び、本明細書において定義する他の炭化水素)又は疎水性ポリマー(例えば、ポリジメチルシロキサン)を特徴とするシリカ粒子は、疎水性シリカの粒子である。
本明細書に記載のシリカ粒子は、したがって、未処理(非官能化)であってもよく、そのため親水性粒子である。
代替的には、本明細書に記載のシリカ粒子は、その表面上の部位との結合を形成するように反応することによって処理又は官能化され得る。
上記部位が親水性部位である場合、官能化されたシリカ粒子は親水性である。
親水性表面基(例えば、限定されないが、ヒドロキシ、アミン、アンモニウム、カルボキシ、シラノール、オキソなど)を特徴とするシリカ粒子は、親水性シリカの粒子である。
上記部位が疎水性部位である場合、本明細書に記載のように、官能化されたシリカ粒子は疎水性である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、シリカ粒子の少なくとも一部又は全部が親水性表面を特徴とする(すなわち、例えばコロイドシリカ等の未処理シリカの、親水性シリカ粒子である)。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、シリカ粒子の少なくとも一部又は全部が疎水性表面を特徴とする(すなわち、疎水性シリカ粒子である)。
一部の実施形態において、疎水性シリカ粒子は、官能化されたシリカ粒子、すなわち、1つ又は複数の疎水性部位で処理されたシリカの粒子である。
好ましい実施形態において、シリカ粒子の少なくとも一部又は全部が硬化性官能基によって官能化されている(表面上の硬化性基を特徴とする粒子)。
硬化性官能基は、本明細書に記載のいずれの重合性基であってもよい。一部の実施形態において、硬化性官能基は、配合物において硬化性モノマーと同じ重合反応により、及び/又は、硬化性モノマーと同じ硬化条件に曝された際、重合可能である。一部の実施形態において、硬化性基は、本明細書において定義するように、(メタ)アクリル(アクリル又はメタクリル)基である。
本実施形態に関連して使用される場合、「少なくとも一部(at least a portion)」により、粒子の少なくとも10%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも98%が意図される。
シリカ粒子は、2種以上のシリカ粒子、例えば、本明細書に記載のシリカ粒子のいずれか2種以上の混合物であってもよい。
一部の実施形態において、シリカ粒子は、表面上のアクリレート及び/又はメタクリレート基を特徴とするシリカナノ粒子である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、シリカ粒子の量は、配合物の合計重量の少なくとも10重量%である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、シリカ粒子の量は、重量で、配合物の合計重量の10%~30%、又は10%~25%、又は10%~20%、又は15%~20%の範囲であり、それらの間にある任意の中間値及びサブ範囲も含む。
例示的な実施形態において、シリカ粒子の量は、配合物の合計重量の17.5重量%である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、モデリング材配合物は、単官能硬化性材料及び多官能硬化性材料の混合物を含み、その量(濃度)及び化学組成は、3D-インクジェットプリントの要件を満たす配合物を付与するように選択される。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、配合物は、少なくとも以下の硬化性材料:第1多官能硬化性材料、第2多官能硬化性材料、及び単官能硬化性材料を含む。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、第1多官能硬化性材料は、300グラム/mol~1,000グラム/molの分子量を有すると特徴付けられる。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、第1多官能硬化性材料は、硬質化したとき、少なくとも50℃のTgを特徴とするとして特徴付けられる。これらの実施形態の一部において、上記材料は、硬質化したとき、50~250℃の範囲のTgを特徴とするようになっている。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、第1多官能硬化性材料は、本明細書に記載のように、300グラム/mol~1,000グラム/molの分子量を有するとして及び/又は硬質化したとき少なくとも50℃のTgを特徴とするとして特徴付けられる。
本明細書において全体を通して、「Tg」は、E’’曲線の極大として定義するガラス転移温度を指し、ここで、E’’は温度の関数としての材料の損失弾性率である。
大まかに言うと、温度が、Tg温度を含む温度範囲内で上昇するにつれて、材料、とりわけポリマー性材料の状態がガラス状態からゴム状態に徐々に変化する。
本明細書において、「Tg範囲」は、E’’値が、上記に定義するTg温度でのE’’値の少なくとも半分(例えば、最高でその値)である温度範囲である。
いかなる特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ポリマー性材料の状態は、上記に定義するTg範囲内でガラス状態からゴム状に徐々に変化すると推測される。本明細書において、用語「Tg」は、本明細書において定義するTg範囲内の任意の温度を指す。
本明細書において全体を通して、硬化性材料がこれから得られる硬質化した材料の特性によって定義される場合はいつでも、当該特性はこの硬化性材料自体から得られる硬質化した材料に関するものであることを理解されたい。
本明細書において、「エトキシ化された」材料は、本明細書において定義するように、1個又は複数個のアルキレングリコール基、又は、好ましくは1又は複数のアルキレングリコール鎖を含む硬化性材料(例えば、アクリル又はメタクリル化合物)を説明する。エトキシ化された硬化性(例えば、(メタ)アクリレート)材料は、単官能であってもよく、又は、好ましくは多官能(すなわち、2官能、3官能、4官能など)であってもよい。
多官能材料において、典型的には、硬化性(例えば、(メタ)アクリレート)基は、それぞれアルキレングリコール基又は鎖に連結しており、当該アルキレングリコール基又は鎖は連結部位を介して互いに連結している。連結部位は、分岐単位、例えば、鎖状(2官能材料の場合)、又は分岐状アルキル、シクロアルキル、アリール(例えば、ビスフェノールA)など(2、3官能以上の材料の場合)などであってもよい。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、第1多官能硬化性材料は、少なくとも3個のアルキレングリコール基を含むエトキシ化された硬化性材料である。
これらの実施形態の一部において、第1多官能硬化性材料は、10個以下、又は8個以下、又は6個以下、又は4個以下のエトキシ化された基、すなわちアルキレングリコール部位又は基を含む、エトキシ化された硬化性材料である。アルキレングリコール基の一部又は全部が、互いに連結してアルキレングリコール鎖を形成し得る。例えば、3個のエトキシ化された基を含むエトキシ化された材料は、互いに連結している3個のアルキレングリコール基、又は、互いに連結し且つ分岐単位に連結している2個のアルキレングリコール部位及び分岐単位に連結している別のアルキレングリコール部位、又は、それぞれが分岐単位に連結している3個のアルキレングリコール基を包含し得る。
一部の実施形態において、第1多官能硬化性材料は、3個のアルキレングリコール基を含むエトキシ化された硬化性材料である。
一部の実施形態において、第1多官能硬化性材料は、アルキレングリコール基又は鎖が連結している脂肪族分岐単位(例えばアルキル又はシクロアルキル)を含むエトキシ化された硬化性材料である。
一部の実施形態において、第1多官能硬化性材料は、分岐単位としての分岐状アルキルと、分岐単位に連結している少なくとも3のアルキレングリコール基又は鎖と、を含むエトキシ化された硬化性材料である。
一部の実施形態において、各アルキレン基又は鎖は硬化性基によって終端し、3のアルキレングリコール基又は鎖が存在する場合は材料が3官能硬化性材料であり、4のアルキレングリコール基又は鎖が存在する場合は材料が4官能硬化性材料であり、2のアルキレングリコール基又は鎖が存在する場合は材料が2官能硬化性材料であるようになっている。
一部の実施形態において、第1多官能硬化性材料は、3官能のエトキシ化された硬化性材料である。
例示的な実施形態において、分岐単位は、トリメチロールアルキル(例えば、トリメチロールプロパンプロパン(trimethylolpropane propane))から誘導され、3のアルキレン基又は鎖がそれぞれメチレン基に連結している。
例示的なかかる硬化性材料は、以下の式によってまとめて表され得る:
式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素(アクリレート硬化性基の場合)又はメチル(メタクリレート硬化性基の場合)であり;a、b、及びcは、それぞれ独立して、0、1、2、又は3の整数である。好ましい実施形態において、a、b、及びcの合計は3である。
a+b+cの合計は、硬化性材料が、本明細書において定義するMW及び/又はTgを特徴とする限りにおいて、3以上、例えば、4、5、6、7、8、9又は10であってもよい。
例示的な実施形態において、第1多官能材料として使用可能なエトキシ化された硬化性材料は、Sartomerによって販売されている材料、例えば、SR454、SR306、SR9003又はSR494である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、第1多官能材料はエトキシ化されていない、すなわち、アルキレングリコール基を含まないか、又はアルキレングリコール基を1個若しくは2個だけ含む。
これらの実施形態の一部において、第1多官能硬化性材料は、脂肪族連結部位、例えば、本明細書に記載の脂肪族炭化水素を有する。一部の実施形態において、炭化水素はヘテロ原子を含まない。
これらの実施形態の一部において、連結部位は、全て炭素の脂環式部位(所望により2個、3個以上の環を含むポリ脂環式部位)であるか、又は当該脂環式部位を含む。一部の実施形態において、脂環式部位は、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個又は少なくとも10個の炭素原子を有するものである。
一部の実施形態において、連結部位は、本明細書に記載の、2個以上の環が互いに縮合しているポリ脂環式部位を含む。
例示的なかかる多官能硬化性材料は、トリシクロドデカンジメタノールジアクリレート(例えば、Sartomerによって販売されているSR833)である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、シリカ粒子は、本明細書において前記それぞれの実施形態のいずれかに記載の第1多官能硬化性材料に予め分散されている。
これらの実施形態の一部によれば、配合物は、第1多官能硬化性材料中のシリカ粒子の前分散物(他の成分と混合する前に調製された分散物)を含み、本明細書において前記それぞれの実施形態のいずれかに記載の配合物の他の成分と混合される。一部の実施形態において、分散物は市販の分散物(例えば、Laromer9026又はLaromer8863として販売されている分散物など)である。一部の他の実施形態において、分散物は、第1多官能硬化性を選択して調製される。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、本明細書に記載の第1多官能硬化性材料の量は、重量で、配合物の合計重量の10~30%、又は15~20%の範囲であり、それらの間にある任意の中間値及びサブ範囲も含む。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、本明細書に記載のシリカ粒子及び第1多官能硬化性材料を含む分散物の量は、重量で、配合物の合計重量の20~60%、又は30~40%の範囲であり、それらの間にある任意の中間値及びサブ範囲も含む。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、分散物中のシリカ粒子及び第1多官能硬化性材料の重量比は、1:2~2:1の範囲であり、好ましくは1:1である。
本実施形態に係る配合物は、硬化性材料(好ましくは、第1多官能硬化性材料)中に充填剤が予め調製された分散物を用い、当該予め調製した分散物を、本明細書において前記それぞれの実施形態のいずれかに記載の量及び/又は重量比で配合物の他の成分と接触(例えば、混合)させながら、好ましくは調製される。これらの実施形態の一部において、上記成分の量は、最終混合物が20~60重量%の前分散物を含むようになっている。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、第2多官能硬化性材料は、1,000グラム/mol未満の分子量を有するとして特徴付けられる。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、第2多官能硬化性材料は、硬質化したとき、少なくとも80℃のTgを特徴とするとして特徴付けられる。これらの実施形態の一部において、第2多官能硬化性材料は、硬質化したとき、約80~約250℃のTgを特徴とする。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、第2多官能硬化性材料は、本明細書に記載のように、1,000グラム/mol未満の分子量を有するとして及び/又は硬質化したとき少なくとも80℃のTgを特徴とするとして特徴付けられる。
一部の実施形態において、第2多官能硬化性材料は、300~1,000グラム/mol、又は400~1,000グラム/mol、又は500~1,000グラム/molの範囲の分子量を有する。
一部の実施形態において、第2多官能硬化性材料は、エトキシ化された硬化性材料であり、本明細書において、第2のエトキシ化された多官能硬化性材料とも称する。一部の実施形態において、第2多官能硬化性材料は、アルキレングリコール基の総数が2個~10個、又は2個~8個、又は2個~6個のアルキレングリコール基を含むエトキシ化された硬化性材料である。アルキレングリコール基は、互いに連結して、各々分岐単位に連結している1、2、3以上のアルキレングリコール鎖を形成し得る。
一部の実施形態において、第2多官能硬化性材料は、互いに連結している1個、2個、3個又は4個のアルキレングリコール基をそれぞれ含む2以上のアルキレングリコール鎖を含むエトキシ化された硬化性材料であり、各鎖は分岐単位に連結している。
一部の実施形態において、第2多官能硬化性材料は、互いに連結している1個、2個、3個又は4個のアルキレングリコール基をそれぞれ含む2のアルキレングリコール鎖を含むエトキシ化された硬化性材料であり、各鎖は分岐単位に連結している。
一部の実施形態において、第2多官能硬化性材料は、2官能硬化性材料である。これらの実施形態の一部において、第2多官能硬化性材料は、互いに連結している1個、2個、3個又は4個のアルキレングリコール基をそれぞれ含む2のアルキレングリコール鎖を含むエトキシ化された2官能硬化性材料であり、各鎖は、分岐単位に連結し、硬化性基によって終端されている。
第2多官能硬化性材料に関する、本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、分岐単位は芳香族分岐である、すなわち1個又は複数個のアリール及び/又はヘテロアリール基を含む。
一部の実施形態において、第2多官能硬化性材料は2官能材料であり、分岐単位は、したがって2官能単位である。例示的な実施形態において、分岐単位は、ビスフェノールA部位(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される)であるか、又は当該ビスフェノールA部位を含む。これらの実施形態の一部において、ビスフェノールA部位は、それぞれ1個~4個のアルキレングリコール基を含み且つそれぞれ硬化性基によって終端されている2のアルキレングリコール鎖に連結している。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、第2多官能硬化性材料における硬化性基は、アクリル基、例えば、アクリレート及び/又はメタクリレートである。好ましくは、硬化性基の1又は複数がメタクリレート基である。
例示的な実施形態において、第2多官能硬化性材料は、エトキシ化されたビスフェノールAジメタクリレートである。市販の材料として、例えば、SR540、SR348L、SR542、SR480、SR601E及びSR541(全てSartomerによって販売されている)が挙げられる。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、第2多官能硬化性材料の量は、重量で、配合物の合計重量の10%~30%、又は15%~25%であり、それらの間にある任意の中間値及びサブ範囲も含む。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、単官能硬化性材料は、300グラム/mol以下の分子量を有するとして特徴付けられる。
一部の実施形態において、単官能硬化性材料は、50℃超、又は80℃超、又は100℃超のTgを特徴とし、一部の実施形態においてTgは50~250℃の範囲である。
一部の実施形態において、単官能硬化性材料は、親水性である。
全体を通して本明細書において使用される場合、用語「親水性」は、典型的には水素結合を介して水分子との一時的な結合(複数可)を形成する化合物又は化合物の一部(例えば、化合物中の化学基)の物性を説明する。
親水性化合物又は化合物の一部(例えば、化合物中の化学基)は、典型的には電荷分極しており水素結合することができるものである。
親水性化合物又は基は、水分子と強い水素結合を形成する1又は複数の電子供与性ヘテロ原子を典型的には含む。かかるヘテロ原子として、酸素及び窒素が含まれるが、限定されない。好ましくは、親水性化合物又は基におけるヘテロ原子数に対する炭素原子数の比は10:1以下であり、例えば、8:1以下、より好ましくは7:1以下、6:1以下、5:1以下又は4:1以下であってもよい。化合物及び基の親水性は、かかる化合物又は化学基における疎水性部位及び親水性部位間の比にも起因し得、上記の比だけに依存するわけではないことに留意されたい。
親水性化合物は、油又は他の疎水性溶媒中よりも水中に容易に溶解する。親水性化合物は、オクタノール相及び水相においてLogPを決定する場合、0.5未満のLogPを有するとして決定され得る。
親水性材料は、代替的には、又は加えて、Davies法による親油性/親水性バランス(HLB)が少なくとも10、又は少なくとも12であることを特徴とするとして決定され得る。親水性化合物は、典型的には、水溶性又は水混和性であるとして特徴付けられ、20℃での水への溶解度が少なくとも1グラム/水100グラムであることを特徴とする。
親水性化合物は、当該化合物を親水性にする1個又は複数個の親水性基を有し得る。かかる基は、典型的には、酸素及び窒素等の1又は複数の電子供与性ヘテロ原子を含む極性基である。親水性基は、例えば、モノマー性単官能硬化性材料の1個又は複数個の置換基(複数可)、又は、オリゴマー性単官能硬化性材料の2個以上の置換基若しくは介在基であり得る。
例示的な親水性基として、電子供与性ヘテロ原子、カルボキシレート、チオカルボキシレート、オキソ(=O)、鎖状アミド、ヒドロキシ、(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコール、ヘテロ脂環式(例えば、本明細書において定義するヘテロ原子に対する炭素原子比を有する)、ラクトン等の環状カルボキシレート、ラクタム等の環状アミド、カルバメート、チオカルバメート、シアヌレート、イソシアヌレート、チオシアヌレート、ウレア、チオウレア、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール又はプロピレングリコール)、及び親水性のポリマー性又はオリゴマー性部位(これらの用語は本明細書において以下に定義する)、並びにこれらの任意の組み合わせ(例えば、示した親水性基のうち2以上を含む親水性基)が挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態において、親水性基は、電子供与性ヘテロ原子、カルボキシレート、ヘテロ脂環式、アルキレングリコール及び/若しくは親水性オリゴマー性部位であるか、又はこれ(これら)を含む。
本発明の一部の実施形態に係る親水性単官能硬化性材料は、式Iによって表されるビニル含有化合物であり得る:
式中、R1及びR2の少なくとも一方は、本明細書において定義する親水性基である、及び/又は、当該親水性基を含む。
式Iにおける(=CH2)基は、重合性基を表し、典型的にはUV硬化性基であり、その結果材料がUV硬化性材料となる。
例えば、R1は、本明細書において定義する親水性基であり、R2は、上記化合物が親水性である限りにおいて、本明細書において定義するように、非親水性基、例えば、水素、C(1-4)アルキル、C(1-4)アルコキシ、又は任意の他の置換基である。
一部の実施形態において、R1は、カルボキシレートであり、上記化合物は、単官能アクリレートである。これらの実施形態の一部において、R2は、メチルであり、上記化合物は、単官能メタクリレートである。他の実施形態において、R2は、親水性置換基、すなわち、本明細書に記載の親水性基であるか又は当該親水性基を含む置換基である。
これらの実施形態のいずれの一部において、カルボキシレート基、-C(=O)-OR’は、親水性基であるR’を含む。例示的なR’基として、ヘテロ脂環式基(5:1以下の電子供与性ヘテロ原子に対する炭素原子比を有する、例えば、モルホリン、テトラヒドロフラン、オキサリジンなど)、ヒドロキシル、C(1-4)アルコキシ、チオール、アルキレングリコール、又は本明細書に記載のポリマー性若しくはオリゴマー性部位が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な親水性単官能アクリレートは、4-アクリロイルモルホリン(ACMO)である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、単官能硬化性材料の量は、重量で、配合物の合計重量の10%~40%、又は20%~40%、又は25%~35%であり、それらの間にある任意の中間値及びサブ範囲も含む。
本発明の一部の実施形態において、配合物は:
10~20重量%の量の、本明細書において前記それぞれの実施形態のいずれかに記載のシリカ粒子;
重量で10~30%又は15~20%の量の、本明細書において前記それぞれの実施形態のいずれかに記載の第1多官能硬化性材料;
重量で10~30%の量の、本明細書において前記それぞれの実施形態のいずれかに記載の第2のエトキシ化された多官能硬化性材料;及び
10~50重量%の量の、300グラム/mol以下の分子量を有する単官能(好ましくは親水性)硬化性材料
を含む。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、配合物は、更なる単官能又は2官能硬化性材料を10~20重量%の量で含む。更なる硬化性材料は、1,000グラム/mol以下の分子量を有するとして、及び/又は、硬質化したとき50℃未満のTgを特徴とするとして、好ましくは特徴付けられる。
更なる硬化性材料は、親水性であってもよく、又は疎水性であってもよい。
例示的な更なる硬化性材料として、脂肪族ウレタンアクリレート又はジアクリレート、例えば、CN9002、CN980、CN981、CN991としてSartomerによって販売されているもの、又は、Genomerファミリー、例えばGenomer1122として販売されているものが挙げられる。
一部の実施形態において、更なる硬化性材料は、ウレタン部位を含まない。
一部の実施形態において、更なる硬化性材料は、単官能硬化性材料である。
例示的な更なる単官能硬化性材料として、CN131BとしてSartomerによって販売されているもの、及びイソボルニルアクリレート(IBOA)が挙げられる。
例示的なモデリング材配合物:
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、硬化性材料のそれぞれが、UV硬化性材料である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、硬化性材料のそれぞれが、本明細書において定義する、UV硬化性アクリル材料である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、硬化性材料のそれぞれが、UV硬化性アクリレート又はメタクリレートである。
例示的な実施形態において、硬化性材料のそれぞれが、UV硬化性アクリレートである。
例示的な実施形態において、硬化性材料のそれぞれが、第2のエトキシ化された硬化性材料を除いてUV硬化性アクリレートであり、第2のエトキシ化された硬化性材料がUV硬化性メタクリレートである。
例示的な実施形態において、配合物は:
重量で、20~60%、又は30~60%の、第1多官能硬化性材料に予め分散されたシリカ粒子;
10~30重量%の第2多官能硬化性材料;
25~30重量%の単官能硬化性材料;及び
15~20重量%の更なる硬化性材料、
を含み、ここで、これらの成分のすべてが、前記それぞれの実施形態のいずれか及びこれらの任意の組み合わせに定義する通りである。
本実施形態の配合物の例示的な実施形態において:
シリカ粒子は、(メタ)アクリル官能化されたシリカナノ粒子であり;
第1多官能硬化性材料は、3個のアクリレート基と少なくとも3個のアルキレングリコール基と脂肪族分岐単位とを含む3官能のエトキシ化された硬化性材料であり;
第2多官能材料は、2個のメタクリレート基と芳香族分岐単位とを含む2官能硬化性材料であり;
単官能硬化性材料は、親水性モノアクリレートである。
本実施形態の配合物の例示的な実施形態において:
シリカ粒子は、(メタ)アクリル官能化されたシリカナノ粒子であり;
第1多官能硬化性材料は、脂環で全て炭素の基を含む連結部位を特徴とする2官能硬化性材料であり;
第2多官能材料は、2個のメタクリレート基と芳香族分岐単位とを含む2官能硬化性材料であり;
単官能硬化性材料は、親水性モノアクリレートである。
例示的な実施形態において、配合物は:
重量で、20~60%、又は30~60%の、第1多官能硬化性材料に予め分散されたシリカ粒子、ここで、シリカ粒子は(メタ)アクリル官能化されたシリカナノ粒子であり、第1多官能硬化性材料は3個のアクリレート基と少なくとも3個のアルキレングリコール基と脂肪族分岐単位とを含む3官能のエトキシ化された硬化性材料である;
10~30重量%の第2多官能硬化性材料、ここで、第2多官能材料は2個のメタクリレート基と芳香族分岐単位とを含む2官能のエトキシ化された硬化性材料である;
20~50重量%の、親水性材料である単官能硬化性材料;及び
10~30重量%の更なる硬化性材料
を含み、ここで、これらの成分のすべてが、前記それぞれの実施形態のいずれか及びこれらの任意の組み合わせに定義する通りである。
例示的な実施形態において、配合物は:
重量で、20~60%、又は30~60%の、第1多官能硬化性材料に予め分散されたシリカ粒子、ここで、シリカ粒子は(メタ)アクリル-官能化されたシリカナノ粒子であり、第1多官能硬化性材料は脂環で全て炭素の基を含む連結部位を特徴とする2官能硬化性材料である;
10~30重量%の第2多官能硬化性材料、ここで、第2多官能材料は2個のメタクリレート基と芳香族分岐単位とを含む2官能のエトキシ化された硬化性材料である;
20~50重量%の、親水性材料である単官能硬化性材料;及び
10~30重量%の更なる硬化性材料
を含み、ここで、これらの成分のすべてが、前記それぞれの実施形態のいずれか及びこれらの任意の組み合わせに定義する通りである。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、多官能硬化性材料の合計量は、重量で、配合物の合計重量又は配合物中の硬化性材料の合計重量の60%以下又は50%以下である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、単官能硬化性材料の合計量は、重量で、配合物の合計重量の20%~80%又は20~50%であり、それらの間にある任意の中間値及びサブ範囲も含む。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、モデリング材配合物は、硬化性材料の重合を開始するための開始剤(硬化性材料の硬化(例えば重合)を促進する剤)をさらに含む。
全ての硬化性材料が光重合性、例えばUV硬化性である場合、光開始剤がこれらの実施形態に使用可能である。
好適な光開始剤の非限定例として、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン及びキサントンなどのベンゾフェノン(芳香族ケトン);2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(TMPO)、2,4,6-トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド(TEPO)、及びビスアシルホスフィンオキサイド(BAPO)などのアシルホスフィンオキサイド型光開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン及びベンゾインアルキルエーテルが挙げられる。光開始剤の例は、アルファ-アミノケトン、ビスアシルホスフィンオキサイド(BAPO)、及び商品名Irgacure(登録商標)で市販されているものがある。
光開始剤は、単独で使用されてもよく、又は共開始剤と組み合わせて使用されてもよい。ベンゾフェノンは、フリーラジカルを生成する第2の分子、例えばアミンを必要とする光開始剤の例である。放射線を吸収した後、ベンゾフェノンは、水素引き抜きにより第3級アミンと反応して、アクリレートの重合を開始するアルファ-アミノラジカルを発生させる。共開始剤のクラスの非限定例は、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルカノールアミンである。
一部の実施形態において、2種以上の開始剤を含む光開始剤系が使用可能である。例示的な実施形態において、芳香族ケトンファミリーの1種(又は複数種)の光開始剤(複数可)、及び、TMPO又はTEPOファミリーの1種(又は複数種)の光開始剤(複数可)を含む光開始剤系が使用される。
上記を含有する配合物中の光開始剤の合計濃度は、約0.1~約6重量パーセント、又は、重量パーセントで約1~約6、又は約2~約6、又は約3~約6、又は約3~約5の範囲であってもよく、それらの間にある任意の中間値及びサブ範囲も含む。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部によれば、モデリング材配合物は、1種又は複数種の更なる非硬化性材料(複数可)、例えば、着色料、分散剤、界面活性剤、安定化剤及び阻害剤の1種又は複数種をさらに含む。
阻害剤は、硬化条件に曝す前に重合及び/又は硬化を防止又は遅延するために配合物に含まれる。一般的に使用されている阻害剤、例えば、ラジカル阻害剤が構想される。
一般的に使用されている界面活性剤、分散剤、着色料及び安定化剤が構想される。各成分が存在する場合の各々の例示的な濃度は、重量パーセントで、上記を含有する配合物の合計重量の、約0.01~約1、又は約0.01~約0.5、又は約0.01~約0.1の範囲である。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、モデリング材配合物は、3D-インクジェットプリントの要件を満たすレオロジー的及び物理的特性を特徴とする。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、配合物は、ブルックフィールドレオメータにより求めた75℃での粘度が8~30、又は8~20、又は10~20センチポアズであることを特徴とする。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、配合物は、20℃での表面張力が少なくとも20、又は少なくとも25ダイン/cm、例えば、20~50、又は20~40、又は25~4、又は25~30ダイン/cmであることを特徴とする。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、配合物は、硬質化したとき、以下の特徴:
本明細書において定義する、70MPa以上の引張強度;及び/又は
本明細書において定義する、3000以上若しくは3300MPa以上の引張弾性率;及び/又は
100以上若しくは110以上若しくは120MPa以上の曲げ強度;及び/又は
3500以上若しくは3800若しく以上若しくは4000MPa以上の曲げ弾性率;
の少なくとも1つを特徴とする。
マルチ配合物系:
本明細書に記載のモデリング材配合物は、マルチ材料の物体を形成するために、更なる1種又は複数種のモデリング材配合物(複数可)と組み合わせて使用され得る。
マルチ材料の物体を形成するために組み合わせて使用する2種以上の配合物は、本明細書において、2種以上の配合物を含むマルチ配合物系と称する。
語句「マルチ配合物系」は、ゆえに、マルチ材料の物体を形成するために組み合わせて使用する2種以上のモデリング材配合物に関する。
本発明の一部の実施形態によれば、本明細書に記載の強化材を含有するモデリング材配合物である第1配合物、及び、当該第1配合物とは異なる更なる第2モデリング材配合物を含むマルチ配合物系が提供される。マルチ配合物系は、追加の更なる第3配合物を含んでいてもよい。
一部の実施形態において、マルチ配合物系は、本明細書において以下に説明する、図5A~D及び6に例示する層状(例えばシェル状)構造体(複数可)又は物体(複数可)を特徴とする物体を形成するのに適した2種(又はそれより多く)のモデリング材配合物を含む。
一部の実施形態において、少なくとも2種のモデリング材配合物を含むマルチ配合物系であって、配合物の少なくとも1種が、本明細書に記載の強化材を含有するモデリング材配合物である第1配合物であり、少なくとも1種の別のものが、HDT、アイゾット衝撃及び弾性率の少なくとも1つが第1配合物とは異なる第2配合物である、マルチ配合物系が提供される。
本明細書において使用される場合、用語「アイゾット衝撃」は、「アイゾットノッチ耐衝撃性」又は単に「耐衝撃性」とも称し、各配合物又は配合物の組み合わせに加えた衝撃力に伴う単位厚さあたりのエネルギー損失を指す。配合物又は配合物の組み合わせのアイゾット耐衝撃性を求めるのに適した試験手順は、ASTM D-256シリーズ、特にASTM D-256-06シリーズである。本発明の一部の実施形態において、アイゾット耐衝撃性値は、ASTM D-256-06シリーズの任意の方法によって測定される。これらの値は、本明細書において、アイゾット衝撃(ノッチ付)とも称する。
標準のASTM方法において、ノッチを施しておく(machinate)必要があることに留意されたい。しかし、多くの場合において、AM(例えば、三次元インクジェットプリント)によって作製される物体又はその一部の耐衝撃性の評価は、以下の手順を使用して実施される。
第1手順によれば、試験試料に、シェル形成配合物又は配合物の組み合わせでできている矩形パッチをプリントする。パッチの寸法は、(標準のASTM手順に要求されるように)ノッチ作製後、シェル形成配合物又は配合物の組み合わせの0.25mmの層が完全なままであるような方法で計算する。
第2手順によれば、試験試料をプリントした後にノッチを切断する代わりに、当該試料にノッチをプリントする。トレイ上の試料の配向は、例えばZ-Y面において垂直である(本明細書において「配向F」と称する)。
これらの手順によって求めた値は、本明細書において、アイゾット衝撃(プリント)と称する。
本明細書において使用される場合、HDT又は「熱たわみ温度」は、それぞれの配合物又は配合物の組み合わせが、ある特定の温度において所定の負荷下で変形する温度である。配合物又は配合物の組み合わせのHDTを求めるのに適した試験手順は、ASTM D-648シリーズ、特にASTM D-648-06及びASTM D-648-07法である。
本発明の種々の例示的な実施形態において、HDT値は、ASTM D-648-06法によって、及びASTM D-648-07法によって測定される。本発明の一部の実施形態において、HDT値は、ASTM D-648シリーズのいずれかの方法によって測定される。本明細書における例の大部分において、0.45MPaの圧力でのHDTを使用した。
これらの実施形態の一部において、第2配合物は、硬質化したとき、第1配合物のHDTよりも(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、若しくは少なくとも35℃)低いHDT及び/又は第1配合物のアイゾット衝撃よりも(例えば、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、若しくは少なくとも50J/m)高いアイゾット衝撃を特徴とする。
これらの実施形態の一部において、第1モデリング配合物及び第2モデリング配合物の弾性率の比は、硬質化したとき、3未満である。
これらの実施形態に関連して使用可能な例示的な第2配合物は、RGD515又はFC515としてStratasysによって販売されている。
本発明の一部の実施形態の態様によれば、本明細書に記載のモデリング材配合物、又は、本明細書に記載のモデリング材配合物を含むマルチ配合物系を含むキットが提供される。
キットがマルチ配合物系を含む実施形態の一部において、各配合物は、キット内に個別にパッケージングされる。
一部の実施形態において、配合物の全成分が一緒にパッケージングされる。これらの実施形態の一部において、配合物は、配合物を光若しくは他の放射線への暴露から保護する及び/又は阻害剤を含むパッケージング材料にパッケージングされる。
一部の実施形態において、配合物(複数可)は、開始剤(例えば、本明細書に記載の光開始剤又は光開始剤系)をさらに含み、当該開始剤は、各配合物の他の成分とは別にパッケージングされ、キットは、開始剤をそれぞれの配合物に添加するためのインストラクションを含む。
方法:
本発明の一部の実施形態の態様によれば、本明細書に記載のように、三次元物体の付加製造の方法が提供される。本実施形態の方法は、本明細書において定義するように、少なくとも一部分に強化された材料を有する物体を製造するのに使用可能である。
方法は、概して、物体の形状に対応する構成パターンで複数の層を逐次形成することによって行われ、その結果、層の少なくともいくつかのそれぞれ、又は層のそれぞれの形成が、以下に本明細書においてさらに詳細に説明されるように、1種又は複数種のモデリング材配合物(複数可)を含む造形材(未硬化)を付与すること、及び付与されたモデリング材を硬化エネルギーに曝すことにより硬化したモデリング材を形成することを含むようになっている。
本発明の実施形態によれば、1種又は複数種のモデリング材配合物(複数可)は、本明細書において定義する1種又は複数種の硬化性材料及び本明細書に記載の充填剤粒子、例えばシリカナノ粒子を含む。
本発明の一部の例示的な実施形態において、物体は、2種以上の異なるモデリング材配合物を含む造形材(未硬化)を付与することによって製造され、それぞれのモデリング材配合物は、本明細書に記載のように、インクジェットプリント装置の異なるノズルアレイからのものである。モデリング材配合物は、所望により且つ好ましくは、プリントヘッドの同じパスの間に層状に堆積される。層内でのモデリング材配合物及び/又は配合物の組み合わせは、物体の所望の特性によって、以下に詳細にさらに説明するように選択する。
語句「デジタル材料」は、本明細書において使用される場合、そして当業界において、プリントされた特定の材料のゾーンが数ボクセルのレベルで又はボクセルブロックのレベルであるような、顕微鏡スケール又はボクセルレベルの2種以上の材料の組み合わせを説明する。かかるデジタル材料は、材料の種類並びに/又は2種以上の材料の比及び相対的な空間分布の選択によって影響される新しい特性を示し得る。
例示的なデジタル材料において、硬化の際に得られる各ボクセル又はボクセルブロックのモデリング材は、硬化の際に得られる隣接するボクセル又はボクセルブロックのモデリング材から独立しており、その結果、各ボクセル又はボクセルブロックが異なるモデル材を結果として生じさせ得、パーツ全体としての新たな特性がいくつかの異なるモデル材によるボクセルレベルでの空間的組み合わせから得られる。
本明細書において使用される場合、層の「ボクセル」は、当該層を表すビットマップの単一のピクセルに対応する当該層内の物理的な三次元の基本の体積を指す。ボクセルのサイズはおおよそ、造形材がそれぞれのピクセルに対応する位置で付与され、真っ直ぐにされ、固化したときに、造形材によって形成される領域のサイズである。
本明細書において全体を通して、表現「ボクセルレベルで」は、異なる材料及び/又は特性に関連して使用される場合はいつでも、ボクセルブロック間の差、及びボクセル間又はいくつかのボクセル群間の差を含むことが意図される。好ましい実施形態において、パーツ全体の特性は、いくつかの異なるモデル材のボクセルブロックレベルでの空間的組み合わせの結果である。
図4は、本発明の種々の例示的な実施形態に係る三次元物体のAMに適した方法のフローチャート図である。別途定義されない限り、本明細書において以下に記載の操作は、多くの組み合わせ又は実行順序において同時に又は逐次的に実行され得ることを理解されたい。具体的には、フローチャート図の順序付けは、限定的であるとみなされるべきではない。例えば、以下の詳細な説明において又は特定の順序でのフローチャート図において見られる2以上の操作は、異なる順序(例えば、逆の順序)で又は実質的に同時に実行され得る。加えて、以下に記載のいくつかの操作は、所望により行われるものであり、実行されなくてもよい。
方法は、コントローラ(例えば、コントローラ152又は20)によって操作されるAMシステム(例えば、システム110又はシステム10)、好ましくは、3Dインクジェットプリントシステムによって実行され得る。方法は、200で開始し、物体の三次元形状にまとめて関連するコンピュータ物体データを受信する201に所望により且つ好ましくは進む。データは、AMシステムと操作的に関連するデータプロセッサ(例えば、プロセッサ154又は24)によって受信され得る。例えば、データプロセッサは、コンピュータ-可読記憶装置媒体(図示せず)にアクセスして、媒体からデータを取り出すことができる。データプロセッサはまた、例えばコンピュータ支援設計(CAD)又はコンピュータ支援製造(CAM)ソフトウェアを利用して記憶装置媒体からデータを取り出す代わりに、又は、当該取り出しに加えて、データ又はその一部分を発生させることもできる。コンピュータ物体データは、製造される物体の層をそれぞれ画定する複数のスライスデータを典型的には含む。データプロセッサは、データ又はその一部分をAMシステムのコントローラに伝達することができる。典型的には、しかし必ずしもそうである必要はないが、コントローラは1スライスごとを基礎としてデータを受信する。
データは、上記のコンピュータ物体データフォーマットのいずれかを含む、当業界において既知の任意のデータフォーマットであってもよい。
方法は、1種又は複数種のモデリング材配合物(複数可)の液滴を付与して物体のスライスの形状に対応する構成パターンで層を形成する202に進む。モデリング材配合物(複数可)は、本明細書において前記それぞれの実施形態のいずれか及びそれらの任意の組み合わせに記載されるようなものである。
付与202は、所望により且つ好ましくは、ディスペンスヘッド、製作チャンバ及び付与された配合物を加熱しながら実行される。本発明の種々の例示的な実施形態において、付与202は、約50~約90℃、又は約50~約80℃又は約70~約80℃、又は約65~約75℃の範囲の温度で実行される。ディスペンスヘッドは、加熱デバイスを含み得、加熱デバイスを含む造形材リザーバを介して提供される。
203では、好ましくは放射線源(例えば、デバイス324又は18)を使用して、新たに形成した層に硬化放射線が適用される。
方法は、操作203から、所望により且つ好ましくは折り返して201に戻り、別のスライスに関するデータを受信する。次のスライスに関するデータがコントローラ内に既に保存されている場合、方法は、折り返して、次の層を形成するための202に戻ることができる。複数の層から形成される物体が製作されると方法は204で終了する。
いくつかの実施形態において、付与は、本明細書に記載のように、2種以上のモデリング材配合物のものであってもよい。
これらの実施形態の一部において、付与は、強化材を含有する配合物(第1配合物)がコア領域を形成し、第2配合物が、内側エンベロープ領域を少なくとも部分的に囲む外側領域を形成し、コア領域を少なくとも部分的に囲んでいる内側エンベロープ領域が、両方の配合物を使用して形成される(混合されたスティッチ層)ようになっている。
第2モデリング配合物は、本明細書に記載のように、硬質化したとき、熱たわみ温度(HDT)、アイゾット耐衝撃性、Tg及び弾性率のうち少なくとも1つが第1配合物とは好ましくは異なる。
本発明の実施形態のいずれかのうち一部において、層が本明細書に記載のように付与されると、本明細書に記載の硬化条件(例えば、硬化エネルギー)への曝露が行われる。一部の実施形態において、硬化性材料はUV硬化性材料であり、硬化条件は放射線源がUV放射線を放出するようになっている。
一部の実施形態において、造形材がサポート材配合物(複数可)も含む場合、方法は、硬質化したサポート材の除去(例えば、これにより、隣接する硬質化したモデリング材を露出させる)に進む。これは、当業者によって認識されている機械的及び/又は化学的手段によって実施され得る。サポート材の一部分は、例えば、本明細書に記載のように硬質化した混合層内に、除去の際に所望により残存していてよい。
一部の実施形態において、硬質化したサポート材の除去により、サポート材及びモデリング材配合物の硬質化した混合物を含む硬質化した混合層が露出する。物体の表面におけるかかる硬質化した混合物は、本明細書において「マット」とも称する比較的非反射性の外観を所望により有していてもよく;かかる硬質化した混合物が存在しない(例えば、サポート材配合物が適用されていなかった)表面は、比較して「光沢」と記載される。
本明細書に記載の実施形態のいずれかのうち一部において、方法は、硬化したモデリング材を(もしサポート材が造形材に含まれているならば、その除去前又は後のいずれかに)後処理条件に曝すことをさらに含む。この後処理条件は、典型的には、硬化したモデリング材をさらに硬質化することを目的としている。一部の実施形態において、後処理は、部分的に硬化した材料を硬質化することにより、完全に硬化した材料を与える。
一部の実施形態において、後処理は、本明細書において前記それぞれの実施形態のいずれかに記載の熱又は放射線への曝露によって行われる。一部の実施形態において、条件が熱である場合(熱的後処理)、後処理は、数分(例えば10分)~数時間(例えば1~24時間)の範囲の期間で行われ得る。
一部の実施形態において、熱的後処理は、物体を75℃以上の熱に2時間以上曝すことを含む。
物体:
本実施形態の方法は、本明細書に記載のように、物体の形状に対応する構成パターンで複数の層を形成することによって層状に三次元物体を製造する。
本明細書に記載の方法によって得ることができる最終三次元物体は、モデリング材、又は、モデリング材の組み合わせ、又は、モデリング材(複数可)及びサポート材(複数可)の組み合わせ若しくはこれらの改変物(例えば、硬化後)でできている。全てのこれらの操作は、固体自由形状製作の当業者に周知されている。
一部の実施形態において、物体は、1又は複数の部分において強化材を含む。
一部の実施形態において、物体は、少なくともその一部分において、以下の特性:
70MPa超の引張強度;
1500MPa超、又は1800MPa超、又は2000MPa超、又は3000MPa超の引張弾性率;
90MPa超、又は100MPa超の曲げ強度;
2500MPa超、又は2800MPa超、又は3000MPa超、又は3500MPa超の曲げ弾性率
の1つ又は複数を特徴とする。
これらの実施形態の一部において、物体のこれらの部分(portions)は、60℃以上のHDTを特徴とする。一部の実施形態において、上記に示されている特性のうち1つ又は複数を特徴とする物体の部(parts)はアクリル材料でできている。
本明細書において全体を通して、アクリル材料は、1又は複数のアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド基(複数可)を特徴とする材料をまとめて説明するのに使用される。
同様に、アクリル基は、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド基(複数可)、好ましくはアクリレート又はメタクリレート基(本明細書において、(メタ)アクリレート基とも称する)である硬化性基をまとめて説明するのに使用される。
本出願から特許の有効期間の間に、付加製造に関する多くの関連した特徴が展開されることが予想され、付加製造という用語及びその実施形態の範囲は先験的に全てのかかる新しい技術を包含することが意図される。
本明細書において使用される場合、用語「約」は、±10%又は±5%を指す。
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」及びこれらの活用形は、「含むが、それに限定されない(including but not limited to」を意味する。
用語「からなる(consisting of)」は、「含み且つそれに限定される」を意味する。
用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、組成物、方法又は構造が、更なる成分、工程及び/又は部を含んでいてもよいが、当該更なる成分、工程及び/又は部が、特許請求の範囲に記載の組成物、方法又は構造の基本的及び新規の特徴を実質的に変更しない場合にのみ含んでいてもよいことを意味する。
本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈において別途明確に示されていない限り、複数の対象物を含む。例えば、用語「化合物(a compound)」又は「少なくとも1種の化合物(at least one compound)」は、複数種の化合物、これらの混合物を含んでいてよい。
本出願全体を通して、本発明の種々の実施形態は、範囲で提示され得る。範囲による記載は、単に便宜上及び簡潔さのためであり、本発明の範囲に対する変更不可能な限定として解釈するべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、当該範囲内の個々の数値だけでなく、全ての可能なサブ範囲も具体的に開示しているものとみなされたい。例えば、1~6のような範囲の記載は、当該範囲内の個々の値、例えば1、2、3、4、5、及び6だけでなく、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などのサブ範囲も具体的に開示しているものとみなされたい。これは範囲の広さにかかわらず適用される。
数値範囲が本明細書において提示されている場合はいつでも、当該提示範囲内に挙げられている任意の数(分数又は整数)を含むことが意図される。第1の提示された数及び第2の提示された数の「間の範囲である」、並びに、第1の提示された数「~」第2の提示された数の「範囲である」という語句は、本明細書において言い換え可能に使用されており、第1の提示された数及び第2の提示された数及びこれらの間にある全ての分数及び整数を含むことが意図される。
本明細書において使用される場合、用語「方法」は、化学、薬理学、生物学、生化学、及び医学の分野の熟練者に公知の方法、手段、技術及び手順又はこれらから容易に展開されるかかる方法、手段、技術及び手順を含む、所与の作業を達成するための方法、手段、技術及び手順を指すが、限定されない。
本明細書において全体を通して、用語「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリル化合物を包含する。
本明細書において全体を通して、語句「連結部位」又は「連結基」は、化合物において2以上の部位又は基を接続する基を説明する。連結部位は、典型的には、2又は3官能化合物から誘導され、その2個又は3個の原子を介して、2個又は3個の他の部位にそれぞれ接続するビ又はトリラジカル部位としてとみなされ得る。
例示的な連結部位は、本明細書において定義する1又は複数のヘテロ原子によって所望により介在されている炭化水素部位又は鎖を含み、及び/又は、連結基として定義する場合は以下に列挙されている化学基のいずれかを含む。
本明細書において化学基を「末端基」と称している場合、それの1つの原子を介して別の基に接続している置換基と解釈されたい。
本明細書において全体を通して、用語「炭化水素」は、炭素及び水素原子で主に構成されている化学基をまとめて説明する。炭化水素は、アルキル、アルケン、アルキン、アリール、及び/又はシクロアルキルで構成されていてもよく、それぞれ置換されていても置換されていなくてもよく、それぞれ1又は複数のヘテロ原子が介在していてもよい。炭素原子数は、2個~20個の範囲であってもよく、好ましくはより少なく、例えば、1個~10個、又は1個~6個、又は1個~4個である。炭化水素は、連結基であってもよく、又は、末端基であってもよい。
ビスフェノールAは、2個のアリール基及び1個のアルキル基で構成される炭化水素の例である。
本明細書において使用される場合、用語「アミン」は、-NR’R’’基及び-NR’-基の両方を説明しており、式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールであり、これらの用語は以下に定義する通りである。
アミン基は、したがって、R’及びR’’の両方が水素である第1級アミンであってもよく、R’が水素でありR’’がアルキル、シクロアルキル若しくはアリールである第2級アミンであってもよく、又は、R’及びR’’がそれぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールである第3級アミンであってもよい。
代替的には、R’及びR’’は、それぞれ独立して、ヒドロキシアルキル、トリハロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、アミン、ハライド、スルホネート、スルホキシド、ホスホネート、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオヒドロキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、シアノ、ニトロ、アゾ、スルホンアミド、カルボニル、C-カルボキシレート、O-カルボキシレート、N-チオカルバメート、O-チオカルバメート、ウレア、チオウレア、N-カルバメート、O-カルバメート、C-アミド、N-アミド、グアニル、グアニジン及びヒドラジンであってよい。
用語「アミン」は、本明細書において以下に定義するように、当該アミンが末端基である場合には、-NR’R’’基を説明するために本明細書において使用され、本明細書において以下に定義するように、当該アミンが連結基又は連結部位の一部である場合には、-NR’-基を説明するために本明細書において使用される。
用語「アルキル」は、直鎖及び分岐鎖基を含む飽和脂肪族炭化水素を説明する。好ましくは、アルキル基は、1個~30個、又は1個~20個の炭素原子を有する。数値範囲;例えば、「1(個)~20(個)」が本明細書において記されている場合はいつでも、当該基、この場合にはアルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、最大で、20個の炭素原子を含めて含有し得ることを示唆している。アルキル基は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。置換されているアルキルは、1個又は複数個の置換基を有していてよく、これにより、各置換基は、独立して、例えば、ヒドロキシアルキル、トリハロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、アミン、ハライド、スルホネート、スルホキシド、ホスホネート、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオヒドロキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、シアノ、ニトロ、アゾ、スルホンアミド、C-カルボキシレート、O-カルボキシレート、N-チオカルバメート、O-チオカルバメート、ウレア、チオウレア、N-カルバメート、O-カルバメート、C-アミド、N-アミド、グアニル、グアニジン及びヒドラジンであり得る。
アルキル基は、末端基(この語句は上記に定義する通りである)であってもよく、ここで、それは単一の隣接原子又は連結基(この語句は上記に定義する通りである)に結合しており、その鎖における少なくとも2個の炭素を介して2以上の部位に接続している。アルキルは、連結基である場合、本明細書において「アルキレン」又は「アルキレン鎖」とも称する。
本明細書において、親水性基によって置換されているC(1-4)アルキルは、本明細書において定義するように、本明細書における語句「親水性基」に含まれる。
アルケン及びアルキンは、本明細書において使用される場合、本明細書において定義するように、それぞれ1個又は複数個の二重結合又は三重結合を含有しているアルキルである。
用語「シクロアルキル」は、全て炭素の単環式環又は縮合環(すなわち、隣接する炭素原子のペアを共有する環)基であって、環の1個又は複数個が完全に共役したπ-電子系を有さない単環式環又は縮合環を説明する。例として、シクロヘキサン、アダマンチン、ノルボルニル、イソボルニルなどが挙げられるが、限定されない。シクロアルキル基は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。置換されているシクロアルキルは、1個又は複数個の置換基を有していてもよく、これにより、各置換基は、独立して、例えば、ヒドロキシアルキル、トリハロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、アミン、ハライド、スルホネート、スルホキシド、ホスホネート、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオヒドロキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、シアノ、ニトロ、アゾ、スルホンアミド、C-カルボキシレート、O-カルボキシレート、N-チオカルバメート、O-チオカルバメート、ウレア、チオウレア、N-カルバメート、O-カルバメート、C-アミド、N-アミド、グアニル、グアニジン及びヒドラジンであり得る。シクロアルキル基は、末端基(この語句は上記に定義する通りである)であってもよく、2以上の位置で2以上の部位に接続する単一の隣接原子又は連結基(この語句は上記に定義する通りである)に結合している。
本明細書において定義するように、2個以上の親水性基によって置換されている1~6個の炭素原子のシクロアルキルは、本明細書において語句「親水性基」に包含される。
用語「ヘテロ脂環式」は、環(複数可)に窒素、酸素、及び硫黄等の1又は複数の原子を有する単環式又は縮合環基を説明する。環は、1個又は複数個の二重結合を有していてもよい。しかし、環は完全に共役したπ-電子系を有さない。代表例は、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、モルホリノ、オキサリジンなどである。
ヘテロ脂環式は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。置換されているヘテロ脂環式は、1個又は複数個の置換基を有していてもよく、これにより、各置換基は、独立して、例えば、ヒドロキシアルキル、トリハロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、アミン、ハライド、スルホネート、スルホキシド、ホスホネート、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオヒドロキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、シアノ、ニトロ、アゾ、スルホンアミド、C-カルボキシレート、O-カルボキシレート、N-チオカルバメート、O-チオカルバメート、ウレア、チオウレア、O-カルバメート、N-カルバメート、C-アミド、N-アミド、グアニル、グアニジン及びヒドラジンであり得る。ヘテロ脂環式基は、末端基(この語句は上記に定義する通りである)であってもよく、2以上の位置で2以上の部位に接続する単一の隣接原子又は連結基(この語句は上記に定義する通りである)に結合している。
窒素及び酸素等の1又は複数の電子供与性原子を含み、ヘテロ原子数に対する炭素原子数比が5:1以下であるヘテロ脂環式基は、本明細書において語句「親水性基」に包含される。
用語「アリール」は、完全に共役したπ-電子系を有する全て炭素の単環式又は縮合環多環式(すなわち、隣接する炭素原子のペアを共有する環)基を説明する。アリール基は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。置換されているアリールは、1個又は複数個の置換基を有していてもよく、これにより、各置換基は、独立して、例えば、ヒドロキシアルキル、トリハロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、アミン、ハライド、スルホネート、スルホキシド、ホスホネート、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオヒドロキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、シアノ、ニトロ、アゾ、スルホンアミド、C-カルボキシレート、O-カルボキシレート、N-チオカルバメート、O-チオカルバメート、ウレア、チオウレア、N-カルバメート、O-カルバメート、C-アミド、N-アミド、グアニル、グアニジン及びヒドラジンであり得る。アリール基は、末端基(この語句は上記に定義する通りである)であってもよく、2以上の位置で2以上の部位に接続する単一の隣接原子又は連結基(この語句は上記に定義する通りである)に結合している。
用語「ヘテロアリール」は、環(複数可)に例えば窒素、酸素、及び硫黄等の1又は複数の原子を有し、更に、完全に共役したπ-電子系を有する単環式環又は縮合環(すなわち、隣接する炭素原子のペアを共有する環)基を説明する。ヘテロアリール基の例として、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン及びプリンが挙げられるが、限定されない。ヘテロアリール基は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。置換されているヘテロアリールは、1個又は複数個の置換基を有していてもよく、これにより、各置換基は、独立して、例えば、ヒドロキシアルキル、トリハロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、アミン、ハライド、スルホネート、スルホキシド、ホスホネート、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオヒドロキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、シアノ、ニトロ、アゾ、スルホンアミド、C-カルボキシレート、O-カルボキシレート、N-チオカルバメート、O-チオカルバメート、ウレア、チオウレア、O-カルバメート、N-カルバメート、C-アミド、N-アミド、グアニル、グアニジン及びヒドラジンであり得る。ヘテロアリール基は、末端基(この語句は上記に定義する通りである)であってもよく、2以上の位置で2以上の部位に接続する単一の隣接原子又は連結基(この語句は上記に定義する通りである)に結合している。代表例は、ピリジン、ピロール、オキサゾール、インドール、プリンなどである。
用語「ハライド」及び「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を説明する。
用語「ハロアルキル」は、1又は複数のハライドによってさらに置換されている上記に定義するアルキル基を説明する。
用語「サルフェート」は、-O-S(=O)2-OR’末端基(この語句は上記に定義する通りである)、又は-O-S(=O)2-O-連結基(これらの語句は上記に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は本明細書において上記に定義する通りである。
用語「チオサルフェート」は、-O-S(=S)(=O)-OR’末端基又は-O-S(=S)(=O)-O-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は本明細書において上記に定義する通りである。
用語「サルファイト」は、-O-S(=O)-O-R’末端基又は-O-S(=O)-O-基連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は本明細書において上記に定義する通りである。
用語「チオサルファイト」は、-O-S(=S)-O-R’末端基又は-O-S(=S)-O-基連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は本明細書において上記に定義する通りである。
用語「スルフィネート」は、-S(=O)-OR’末端基又は-S(=O)-O-基連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は本明細書において上記に定義する通りである。
用語「スルホキシド」又は「スルフィニル」は、-S(=O)R’末端基又は-S(=O)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は本明細書において上記に定義する通りである。
用語「スルホネート」は、-S(=O)2-R’末端基又は-S(=O)2-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は本明細書において上記に定義する通りである。
用語「S-スルホンアミド」は、-S(=O)2-NR’R’’末端基又は-S(=O)2-NR’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「N-スルホンアミド」は、R’S(=O)2-NR’’-末端基又は-S(=O)2-NR’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「ジスルフィド」は、-S-SR’末端基又は-S-S-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を指しており、ここで、R’は本明細書において定義する通りである。
用語「ホスホネート」は、-P(=O)(OR’)(OR’’)末端基又は-P(=O)(OR’)(O)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「チオホスホネート」は、-P(=S)(OR’)(OR’’)末端基又は-P(=S)(OR’)(O)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「ホスフィニル」は、-PR’R’’末端基又は-PR’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において上記に定義する通りである。
用語「ホスフィンオキサイド」は、-P(=O)(R’)(R’’)末端基又は-P(=O)(R’)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「ホスフィンスルフィド」は、-P(=S)(R’)(R’’)末端基又は-P(=S)(R’)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「ホスファイト」は、-O-PR’(=O)(OR’’)末端基又は-O-PH(=O)(O)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「カルボニル」又は「カーボネート」は、本明細書において使用される場合、-C(=O)-R’末端基又は-C(=O)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’は本明細書において定義する通りである。
用語「チオカルボニル」は、本明細書において使用される場合、-C(=S)-R’末端基又は-C(=S)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’は本明細書において定義する通りである。
用語「オキソ」は、本明細書において使用される場合、(=O)基を説明しており、ここで、酸素原子は、上記に示した位置で原子(例えば、炭素原子)に二重結合により連結している。
用語「チオオキソ」は、本明細書において使用される場合、(=S)基を説明しており、ここで、硫黄原子は、上記に示した位置で原子(例えば、炭素原子)に二重結合により連結している。
用語「オキシム」は、=N-OH末端基又は=N-O-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明する。
用語「ヒドロキシル」は、-OH基を説明する。
用語「アルコキシ」は、本明細書において定義するように、-O-アルキル及び-O-シクロアルキル基の両方を説明する。
用語「アリールオキシ」は、本明細書において定義するように、-O-アリール及び-O-ヘテロアリール基の両方を説明する。
用語「チオヒドロキシ」は、-SH基を説明する。
用語「チオアルコキシ」は、本明細書において定義するように、-S-アルキル基及び-S-シクロアルキル基の両方を説明する。
用語「チオアリールオキシ」は、本明細書において定義するように、-S-アリール及び-S-ヘテロアリール基の両方を説明する。
「ヒドロキシアルキル」は、本明細書において、「アルコール」とも称し、本明細書において定義するように、ヒドロキシ基によって置換されているアルキルを説明する。
用語「シアノ」は、-C≡N基を説明する。
用語「イソシアネート」は、-N=C=O基を説明する。
用語「イソチオシアネート」は、-N=C=S基を説明する。
用語「ニトロ」は、-NO2基を説明する。
用語「ハロゲン化アシル」は、-(C=O)R’’’’基を説明しており、ここで、R’’’’は本明細書において上記定義するようにハライドである。
用語「アゾ」又は「ジアゾ」は、-N=NR’末端基又は-N=N-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’は本明細書において上記に定義する通りである。
用語「パーオキソ」は、-O-OR’末端基又は-O-O-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’は本明細書において上記に定義する通りである。
用語「カルボキシレート」は、本明細書において使用される場合、C-カルボキシレート及びO-カルボキシレートを包含する。
用語「C-カルボキシレート」は、-C(=O)-OR’末端基又は-C(=O)-O-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は、本明細書において定義する通りである。
用語「O-カルボキシレート」は、-OC(=O)R’末端基又は-OC(=O)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は、本明細書において定義する通りである。
カルボキシレートは、鎖状であってもよく、又は環状であってもよい。環状である場合、R’及び炭素原子が、C-カルボキシレートにおいて一緒に連結して環を形成し、この基はラクトンとも称される。代替的には、R’及びOは、O-カルボキシレートにおいて一緒に連結して環を形成する。環状カルボキシレートは、例えば、形成した環における原子が別の基に連結している場合、連結基として機能し得る。
用語「チオカルボキシレート」は、本明細書において使用される場合、C-チオカルボキシレート及びO-チオカルボキシレートを包含する。
用語「C-チオカルボキシレート」は、-C(=S)-OR’末端基又は-C(=S)-O-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は本明細書において定義する通りである。
用語「O-チオカルボキシレート」は、-OC(=S)R’末端基又は-OC(=S)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’は本明細書において定義する通りである。
チオカルボキシレートは、鎖状であってもよく、又は環状であってもよい。環状である場合、R’及び炭素原子が、C-チオカルボキシレートにおいて一緒に連結して環を形成し、この基はチオラクトンとも称される。代替的には、R’及びOは、O-チオカルボキシレートにおいて一緒に連結して環を形成する。環状チオカルボキシレートは、例えば、形成した環における原子が別の基に連結している場合、連結基として機能し得る。
用語「カルバメート」は、本明細書において使用される場合、N-カルバメート及びO-カルバメートを包含する。
用語「N-カルバメート」は、R’’OC(=O)-NR’-末端基又は-OC(=O)-NR’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「O-カルバメート」は、-OC(=O)-NR’R’’末端基又は-OC(=O)-NR’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
カルバメートは、鎖状であってもよく、又は環状であってもよい。環状である場合、R’及び炭素原子が、O-カルバメートにおいて一緒に連結して環を形成する。代替的には、R’及びOは、N-カルバメートにおいて一緒に連結して環を形成する。環状カルバメートは、例えば、形成した環における原子が別の基に連結している場合、連結基として機能し得る。
用語「カルバメート」は、本明細書において使用される場合、N-カルバメート及びO-カルバメートを包含する。
用語「チオカルバメート」は、本明細書において使用される場合、N-チオカルバメート及びO-チオカルバメートを包含する。
用語「O-チオカルバメート」は、-OC(=S)-NR’R’’末端基又は-OC(=S)-NR’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「N-チオカルバメート」は、R’’OC(=S)NR’-末端基又は-OC(=S)NR’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
チオカルバメートは、カルバメートに関して本明細書に記載のように、鎖状であってもよく、又は環状であってもよい。
用語「ジチオカルバメート」は、本明細書において使用される場合、S-ジチオカルバメート及びN-ジチオカルバメートを包含する。
用語「S-ジチオカルバメート」は、-SC(=S)-NR’R’’末端基又は-SC(=S)NR’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「N-ジチオカルバメート」は、R’’SC(=S)NR’-末端基又は-SC(=S)NR’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「ウレア」は、本明細書において「ウレイド」とも称す、-NR’C(=O)-NR’’R’’’末端基又は-NR’C(=O)-NR’’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’及びR’’は本明細書において定義する通りであり、R’’’は本明細書においてR’及びR’’について定義する通りである。
用語「チオウレア」は、本明細書において「チオウレイド」とも称す、-NR’-C(=S)-NR’’R’’’末端基又は-NR’-C(=S)-NR’’-連結基を説明しており、R’、R’’及びR’’’は本明細書において定義する通りである。
用語「アミド」は、本明細書において使用される場合、C-アミド及びN-アミドを包含する。
用語「C-アミド」は、-C(=O)-NR’R’’末端基又は-C(=O)-NR’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「N-アミド」は、R’C(=O)-NR’’-末端基又はR’C(=O)-N-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
アミドは、鎖状であってもよく、又は環状であってもよい。環状である場合、R’及び炭素原子が、C-アミドにおいて一緒に連結して環を形成し、この基はラクタムとも称される。環状アミドは、例えば、形成した環における原子が別の基に連結している場合、連結基として機能し得る。
用語「グアニル」は、R’R’’NC(=N)-末端基又は-R’NC(=N)-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’及びR’’は本明細書において定義する通りである。
用語「グアニジン」は、-R’NC(=N)-NR’’R’’’末端基又は-R’NC(=N)-NR’’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’、R’’及びR’’’は本明細書において定義する通りである。
用語「ヒドラジン」は、-NR’-NR’’R’’’末端基又は-NR’-NR’’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、R’、R’’及びR’’’は、本明細書において定義する通りである。
本明細書において使用される場合、用語「ヒドラジド」は、-C(=O)-NR’-NR’’R’’’末端基又は-C(=O)-NR’-NR’’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’、R’’及びR’’’は本明細書において定義する通りである。
本明細書において使用される場合、用語「チオヒドラジド」は、-C(=S)-NR’-NR’’R’’’末端基又は-C(=S)-NR’-NR’’-連結基(これらの語句は以上に定義する通りである)を説明しており、ここで、R’、R’’及びR’’’は本明細書において定義する通りである。
本明細書において使用される場合、用語「アルキレングリコール」は、-O-[(CR’R’’)z-O]y-R’’’末端基又は-O-[(CR’R’’)z-O]y-連結基を説明しており、R’、R’’及びR’’’は本明細書において定義する通りであり、zは、1~10、好ましくは2~6、より好ましくは2又は3の整数であり、yは、1以上の整数である。好ましくは、R’及びR’’が両方とも水素である。zが2であり、yが1である場合、この基はエチレングリコールである。zが3であり、yが1である場合、この基はプロピレングリコールである。yが2~4である場合、アルキレングリコールは、本明細書において、オリゴ(アルキレングリコール)と称する。
yが4超である場合、アルキレングリコールは、本明細書において、ポリ(アルキレングリコール)と称する。本発明の一部の実施形態において、ポリ(アルキレングリコール)基又は部位は、10~200の繰り返しアルキレングリコール単位を有し得、その結果、zは、10~200、好ましくは10~100、より好ましくは10~50となる。
用語「シラノール」は、-Si(OH)R’R’’基、又は-Si(OH)2R’基又は-Si(OH)3基を説明しており、R’及びR’’は本明細書に記載の通りである。
用語「シリル」は、-SiR’R’’R’’’基を説明しており、R’、R’’及びR’’’は本明細書に記載の通りである。
本明細書において使用される場合、用語「ウレタン」又は「ウレタン部位」又は「ウレタン基」は、Rx-O-C(=O)-NR’R’’末端基又は-Rx-O-C(=O)-NR’-連結基を説明しており、R’及びR’’は本明細書において定義する通りであり、Rxは、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキレングリコール又はこれらの任意の組み合わせである。好ましくは、R’及びR’’が両方とも水素である。
用語「ポリウレタン」又は「オリゴウレタン」は、その繰り返し骨格単位に本明細書に記載の少なくとも1つのウレタン基を、又はその繰り返し骨格単位に少なくとも1つのウレタン結合-O-C(=O)-NR’-を含む部位を説明する。
本明細書において全体を通して、語句「重量パーセント」(weight percent、% by weight、又は%wt)は、配合物(例えば、モデリング配合物)の実施形態の文脈において示されている場合はいつでも、各未硬化配合物の合計重量の重量パーセントが意図される。
用語「分岐単位」は、本明細書において使用される場合、マルチラジカルの好ましくは脂肪族又は脂環式基を説明する。「マルチラジカル」により、当該単位が2つ以上の原子及び/又は基若しくは部位間で連結するように2つ以上の結合点を有していることが意図される。
一部の実施形態において、分岐単位は、2個、3個以上の官能基を有する化学部位から誘導される。一部の実施形態において、分岐単位は、分岐状アルキルであるか、又は本明細書において定義するシクロアルキル(脂環式)である。
明確さのために別々の実施形態に関連して説明した本発明の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことを理解されたい。逆に、簡略のために単一の実施形態に関連して説明した本発明の種々の特徴は、別々に提供されてもよく、又は任意の適したサブコンビネーションで提供されてもよく、又は本発明の任意の他の記載された実施形態に適したものとして提供されてもよい。種々の実施形態に関連して説明した特徴は、かかる実施形態がこれらの要素を用いないことで動作不能とならない限り、これらの実施形態の必須の特徴であるとみなされるべきではない。
本明細書において上記に詳述されている、及び以下の特許請求の範囲において特許請求されている本発明の種々の実施形態及び態様は、以下の実施例において実験的に立証されている。
ここで、以下の実施例を参照するが、これらは、上記の詳細な説明と共に本発明の一部の実施形態を非限定的に示すものである。
実施例1(参照例)
20重量%のシリカ粉末を含有するアクリル配合物を含むペーストを、各ペースト中のシリカ粉末について異なるミリング技術を使用して調製した。
配合物のレオロジー挙動に対するミリング技術の効果を試験した。ミリング前のシリカ粉末として、メタクリレート官能化ヒュームドシリカであるAEROSIL(登録商標)R7200を使用した。シリカ粉末をエトキシ化された(4)ビスフェノールAジメタクリレート(SR540)と混合し、得られた混合物をミリングに供した。
得られた配合物のレオロジー特性に対する、ボールミリング、ロータステータを使用したミリング、及びプレート混合を使用したミリング、並びに参照として簡単な前混合の効果を図7に示す。分かるように、異なる混合手法が異なる分散物を与え、ひいては異なるレオロジー挙動を生じさせ、このことは、かかるペーストは強化された3Dプリント材料を提供するのにあまり適していない場合があることを示している。ボールミリングを適用した場合、粘度の急速な減少が観察され、これは、アクリル材料中のシリカ粒子の良好な分散及び分布を示す。
実施例2(参照例)
Nanobyk3605、NANOCRYL(登録商標)C153-10として販売されている、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)中に50重量%のシリカナノ粒子を含有する市販の硬化性配合物の使用を検討した。15、35又は50重量%のNanobyk3605(それぞれ7.5、17.5及び25重量%SiO2、並びに同量のHDDA)、15~40重量%の単官能アクリレート(イソボルニルアクリレート;IBOA及び/又はアクリロイルモルホリン;ACMO)、15~25重量%の2官能脂肪族ウレタンオリゴマージアクリレート(例えば、商品名CN981、CN991、CN980としてSartomerによって販売されているもの)、1~20重量%の2官能又は多官能アクリレート(例えば、商品名SR833s;SR399、SR508、SR595、SR355としてSartomerによって販売されているもの)、並びに重量で1~3%の光開始剤系(例えば、I184とTPOの混合物)を含有する種々の配合物を調製し、これらの配合物をUVオーブンにおけるUV硬化に24時間曝した際に得られるモールド調製物の特性を試験した。
例示的なかかる配合物を以下表1及び2に示す。図8及び9は、表1及び2に示す配合物をそれぞれUV硬化に曝した際にモールド中で形成された硬質化した材料について得られた貯蔵弾性率を示す。
図8及び9に示すデータから、10%未満のシリカナノ粒子(例えば、HDDA14)を含有する配合物は、17.5%及び25%のシリカナノ粒子を含有するものよりも低い貯蔵弾性率を示すようである。さらに、少なくとも25%のシリカナノ粒子(例えば、HDDA11及びHDDA17)を含有する配合物は、17.5%のシリカナノ粒子(例えば、HDDA12;図9を参照されたい)を含有するものよりも低い貯蔵弾性率を示すようである。しかし、例えば、表1及び2に示すような配合物は、75℃での粘度が35センチポアズよりも大きく、したがって、一般に使用されている3Dインクジェットプリントシステムのプリントヘッドによって吐出するにはより難易度が高いようであった。
架橋度を低下させることによる(例えば、多官能アクリレートに対する単官能アクリレートの重量比を変化させる、及び/又は、少数の硬化性基を特徴とする多官能アクリレートを使用することによる)粘度の低減は、75℃での、10~30センチポアズの範囲という好適な粘度を示す配合物を与えた。かかる配合物は、例えば、20~40重量%のBYK3605;30~40重量%の、IBOA若しくはIBOAとACMOとの混合物のいずれかである300グラム/mol未満の分子量を特徴とする単官能アクリレート;15~20重量%の単官能又は2官能オリゴマー性脂肪族アクリレート(例えば、ウレタンアクリレート);並びに15~20重量%の多官能アクリレート(例えば、ジ-、テトラ-又はペンタ-分岐状脂肪族アクリレート)を含有するものであった。インクジェットプリントに適する粘度示した全ての配合物が、硬質化したとき高いカールを特徴としたため、更なるカール補正手法(例えば、加熱したトレイ、加熱した環境、アンカー構造)の適用がなければプリント適性は限定的であると考えられた。
これらの検討で得られたデータにより、本発明者らは、現在のプロセス要件により適した代替のシリカ含有配合物の探求を更に進めた。
実施例3
HDDA含有配合物によって示される脆性、高粘度及び/又は高いカールを克服するために、例えばNANOCRYL(登録商標)C153、Laromer(登録商標)PO9026Nとして販売されている、エトキシ化されたトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPEOTA)中50重量%のシリカナノ粒子の分散物を含む配合物を試験した。
概して、脆性を低減するように、分散物をエトキシ化された多官能硬化性材料(約10~30重量%で)と組み合わせた結果、約20~60%の合計濃度のエトキシ化された多官能硬化性材料及び約10~30重量%の合計濃度のシリカナノ粒子与えた。配合物は、約10~50重量%の第1単官能硬化性材料(例えば、ACMO)、約10~30重量%の第2単官能硬化性材料、合計で約1~5重量%の光開始剤(例えば、Irgacure184:IrgacureTPOが4:1の混合物)、及び添加剤(例えば、阻害剤、顔料、表面張力剤(複数可))、をさらに含んでいてもよい。
以下表3は、例示的なかかる配合物の組成、及び、硬質化したときのかかる配合物の機械的特性を、同様の材料を同様の量で含むがシリカナノ粒子は含まない参照配合物と比較して示す。
図10は、表3に示す配合物の機械的特性を示し、シリカ含有配合物によって達成される改良を示す。
可変濃度のシリカナノ粒子を含有する更なる例示的な配合物を試験した。以下表4は、試験した配合物の化学組成、並びにこれらのレオロジー的及び物理的-機械的特性を示す。5及び10重量%のシリカ粒子を含有する配合物を、Laromer9026(エトキシ化された脂肪族トリアクリレート中50重量%のシリカ粒子を含有する)及びLaromer8863(同様のエトキシ化された脂肪族トリアクリレート中35重量%のシリカ粒子を含有する)の両方を適切な量で使用して得た。
図11は、試験した配合物それぞれの損失弾性率及び貯蔵弾性率を示す。ここに示すように、17%のSiO2ナノ粒子を含有する配合物はTgの変化がなく、より高い割合のSiO2を含有する配合物に比して改良していないにしても同様の機械的-熱的特性を示し、また、10%又は5%のSiO2ナノ粒子を含有する配合物と比較して改良した特性を示した。
図12は、レオロジー試験においてこれらの配合物に関して得られたデータを示しており、これらの実施形態に係る配合物では、高い割合のSiO2を含有する配合物が、強力な剪断減粘効果を示す一方で、17%のSiO2を含有する配合物は3Dインクジェットプリントに非常に望ましいニュートン流体挙動を示すことを示している。10%又は5%のSiO2を含有する配合物は、これらの配合物を吐出不可能にする非常に低い粘度を示した。
以下表5は、17%のSiO2シリカナノ粒子、17%のエトキシ化された脂肪族トリアクリレート、約19~20%のエトキシ化された芳香族ジアクリレート、約25~30%の親水性単官能アクリレート、約14-15%の芳香族アクリレート、界面活性剤(0.1~1%)、及び約3.5~4%の合計濃度での2種の光開始剤の混合物を含有する、INV1と称する例示的な配合物から形成したプリント物体に関して得られた機械的特性(ASTM D638-03に従う「Dog bone」)を、エトキシ化されたトリアクリレートの代わりにHDDAを含有する参照HDDA1及び参照HDDA2と称する配合物と比較して示す。参照配合物はそれぞれ、17%のSiO2シリカナノ粒子、エトキシ化されたトリアクリレートの代わりに17%のHDDA、エトキシ化された芳香族ジアクリレートの代わりに15~25%の脂肪族テトラアクリレート、25~30%の、親水性及び疎水性単官能アクリレートの50:50混合物(親水性単官能アクリレートのみの代わり)、約3~5の合計濃度での2種の光開始剤の混合物、及びそれぞれにおいて異なるタイプの10~20%の脂肪族ウレタンアクリレートを含有した。
シリカ含有配合物を最適化するための更なる変性を模索するにあたり、硬質化したとき、より剛性の材料であることを特徴とするエトキシ化されたジアクリレートを試験した。エトキシ化されたジアクリレートは、概して、アルキレングリコール基によってもたらされる軟質のゴム状部分(複数可)、及び、炭化水素基(例えば、ビスフェノールA)によってもたらされるより硬質な部分(複数可)を特徴とする。より剛性の材料は、より小さいゴム状部分(例えば、より短いアルキレングリコール鎖(複数可))を特徴とするエトキシ化されたジアクリレートを使用しつつ得ることができる。かかる硬化性材料の例示的な変性物を以下のスキームに示す:
以下表6は、INV2と称するさらに変性された「剛性」配合物を用い上記デジタルモード(DM)を使用してプリントした物体の特性を、上記表5に示したINV1と称するシリカ含有配合物を用いて得られた物体と比較して示す。
分かるように、得られた物体の機械的強度は、「より剛性の」エトキシ化された多官能アクリレートを使用した際に改良された。
実施例4
本実施形態に係る17%のシリカ含有配合物を、WO2018/055521に記載の実施形態の一部に係るアクリルコーティングと中間混合層(スティッチ層)を用いるデジタルモード(DM)でプリントした場合についても試験した。より詳細には、図6に例示するように、RGD515でできている1ピクセルコート層と、50:50のRGD515及びシリカ含有配合物でできている1ピクセルのスティッチ層と、を物体にプリントした。以下表7は、本明細書においてINV1(本明細書において17% SiO2 DM又はINV1-DMと称する)及びINV2(本明細書において17% SiO2-剛性-DM又はINV2-DMと称する)と称する配合物によって得られるプリントした物体の機械的特性を、WO2018/055521に記載のように作製したD-ABSと称する同様の物体の機械的特性と比較して示す。
分かるように、D-ABSを用いて得られたものと比較して、熱安定性(HDT)の少々の低下を伴いつつ機械的特性においてかなりの増大が観察された。実質的なカールは観察されなかった。
図13は、D-ABS、17% SiO2-DM、及び17% SiO2-剛性-DMを用いてプリントした物体について得られたひずみ-応力曲線を示す。
実施例5
比較提示
以下表8に、本明細書において上記した検討の知見をまとめる。
表8において分かるように、本明細書に記載の配合物を使用して作製した物体は、シリカ粒子を使用しない同様の配合物と比較した場合、そして重要なことには高い機械的強度を提供するために現在使用されている他のアクリル系配合物と比較した場合、改良した物理的-機械的特性、例えば、HDT、耐衝撃性、引張強度、曲げ強度及び曲げ弾性率を特徴としている。
実施例6
更なる検討を、異なる多官能硬化性材料(好ましくは、硬化性基同士を連結する脂肪族(所望によりヘテロ脂環式)炭化水素部位を有するジアクリレート)中のシリカ前分散物を使用して実施した。
例示的なかかる材料は、炭化水素部位としてヘテロ脂環式部位を有し、例えば、トリシクロドデカンジメタノールジアクリレート(例えば、SartomerによってS833NSとして販売されているTCCDA)である。
これらの実施形態に係る例示的な配合物の化学組成、及びこれから作製される物体の特性を以下表9に示す。
分かるように、Vero参照配合物を用いて得られたものと比較して、熱安定性(HDT)の少々の低下を伴いつつ機械的特性においてかなりの増大が観察された。実質的なカールは観察されなかった。
本発明をその具体的な実施形態と共に説明してきたが、多くの代替、改変及び変形が当業者に明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の趣旨及び広い範囲内にある全てのかかる代替、改変及び変形を包含することが意図される。
本明細書において言及されている全ての刊行物、特許及び特許出願は、個々の刊行物、特許又は特許出願があたかも参照により本明細書に組み込まれることが具体的且つ個々に示されているのと同程度まで、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。また、本出願におけるいかなる参照の列挙又は特定も、かかる参照が本発明に対する従来技術として利用可能であることを認めるものとして解釈されない。セクション見出しが使用される限り、これらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
また、本出願のいずれの優先権書類(複数可)もその/それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。