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JP7403299B2 - オイルゲル組成物および化粧料 - Google Patents
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Description

本発明は、オイルゲル組成物、ならびにそれを基剤として含有する化粧料に関するものである。
化粧品などの製剤を設計するためのゲル化技術は、製剤そのものの安定性を向上させるとともに、外観の美しさといった製剤の高級感を演出する重要な技術である。近年、水性製剤だけでなく、油性製剤においても様々なゲル化技術が開発されている。
油性製剤のゲル化剤としては、例えば、12-ヒドロキシステアリン酸、デキストリン脂肪酸エステル、パルミチン酸デキストリン、ジブチルラウロイルグルタミド、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミドなどが知られている。
特許文献1には、透明ゲル化剤としてジブチルラウロイルグルタミドおよびジブチルエチルヘキサノイルグルタミドを使用し、イソノサン酸トリシクロデカンメチルのような20℃における屈折率が1.460以上である油剤とイソノナン酸イソトリデシルまたはネオペンタン酸イソデシル体積膨張率が0.065%/℃以下である油剤を組み合わせた透明油性固形化粧料が記載されている。
特開2018-203619号公報
特許文献1に記載されている透明油性固形化粧料は、ジブチルラウロイルグルタミドおよびジブチルエチルヘキサノイルグルタミドといったアミノ酸ゲル化剤を組み合わせて透明性を確保し、特定の油剤を用いることで発汗性を抑制したものであるが、発汗性や油の浸み出しといった点においては充分に満足できるものではない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、発汗性や油の浸み出しを高いレベルで抑制することが可能なオイルゲル組成物、ならびにそれを基剤として含有する化粧料を提供することを目的とするものである。
本発明のオイルゲル組成物は、
(A)油分と、
(B)増粘剤と、
を含むオイルゲル組成物であって、
(A)油分中の極性油が組成物全量に対し60質量%未満であり、
(B)増粘剤が、
(B1)脂肪酸ゲル化剤および/または アミノ酸ゲル化剤を組成物全量と、
(B2)多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物から選択される1種以上と、
を含むものである。
(B1)脂肪酸ゲル化剤および/またはアミノ酸ゲル化剤は、組成物全量に対し0.1~15質量%であることが好ましい。
(B2)多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物から選択される1種以上は、組成物全量に対し0.1~10質量%であることが好ましい。
(A)油分中のシリコーン油は組成物全量に対し40質量%以下であることが好ましい。
(B2)の増粘剤はウレタン骨格を有する高分子化合物であることが好ましい。
本発明のオイルゲル組成物は、固形とすることができる。
本発明の化粧料は、上記のオイルゲル組成物を基剤として含有するものである。
本発明のオイルゲル組成物は、
(A)油分と、
(B)増粘剤と、
を含むオイルゲル組成物であって、
(A)油分中の極性油が組成物全量に対し60質量%未満であり、
(B)増粘剤が、
(B1)脂肪酸ゲル化剤および/または アミノ酸ゲル化剤と、
(B2)多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物から選択される1種以上と、
を含むので、発汗性や油の浸み出しを高いレベルで抑制することが可能である。
以下、本発明のオイルゲル組成物について詳細に説明する。
本発明のオイルゲル組成物は、
(A)油分と、
(B)増粘剤と、
を含むオイルゲル組成物であって、
(A)油分中の極性油が組成物全量に対し60質量%未満であり、
(B)増粘剤が、
(B1)脂肪酸ゲル化剤および/または アミノ酸ゲル化剤と、
(B2)多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物から選択される1種以上と、
を含むものである。
以下、各成分について詳細に説明する。なお、各成分について、適宜(A)成分、あるいは(A)を省略して油分とも記載する。また、本明細書において、PEGはポリエチレングリコール、PPGはポリプロピレングリコール、EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイド、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、PBGはポリブチレングリコールの略である。
(A)油分
本発明のオイルゲル組成物に含まれる油分は、特に限定されるものではなく、極性油、シリコーン油、非極性油等の液状油分、固形油分、半固形油分等のいずれを用いてもよいが、極性油は組成物全量に対し60質量%未満である。極性油が組成物全量に対し60質量%未満であることで、発汗性や油の浸み出しを高いレベルで抑制することができる。組成物全量に対する極性油の割合は55質量%以下であってもよく、50質量%以下、さらには45質量%以下であってもよい。
極性油としては通常、化粧品、医薬品、食品で用いられるものであれば特に限定されるものでない。IOB値は、特に限定されるものではないが、0.05~0.80であることが好ましい。
なお、IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、
IOB値=無機性値/有機性値
として表される。ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子または官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子および官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、藤田著、「化学の領域」第11巻、第10号、第719頁~第725頁、1957年参照)。
極性油の代表例としては、エステル油および紫外線吸収剤が挙げられる。
エステル油の具体例としては、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、エチルヘキサン酸セチル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリエチルヘキサノイン(トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン)、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、一般に化粧料に用いられる高極性の油性紫外線吸収剤を広く挙げることができ、特に限定されるものでない。例えば、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、4,4-ジアリールブタジエン誘導体等が例示される。以下に具体例および商品名などを列挙するが、これらの限定されるものではない。
安息香酸誘導体としては、パラ-アミノ安息香酸(PABA)エチル、エチル-ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル-ジメチルPABA( 例えば「エスカロール507」;ISP社)、グリセリルPABA、PEG-25-PABA(例えば「ユビナールP25」;BASF社)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(例えば「ユビナールAプラス」)などが例示される。
サリチル酸誘導体としては、ホモサレート(「ユーソレックス(Eusolex)HMS」; ロナ/EMインダストリーズ社) 、エチルヘキシルサリチレート(例えば「ネオ・ヘリオパン(NeoHeliopan)OS」; ハーマン・アンド・レイマー社)、ジプロピレングリコールサリチレート(例えば「ディピサル(Dipsal)」; スケル社)、TEAサリチラート(例えば「ネオ・ヘリオパンTS」;ハーマン・アンド・レイマー社) などが例示される。
ケイ皮酸誘導体としては、オクチルメトキシシンナメートまたはメトキシケイ皮酸エチルヘキシル( 例えば「パルソールMCX」;ホフマン-ラ・ロシュ社)、メトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイ皮酸イソアミル(例えば「ネオ・ヘリオパンE1000」; ハーマン・アンド・レイマー社)、シンノキセート、DEAメトキシシンナメート、メチルケイ皮酸ジイソプロピル、グリセリル-エチルヘキサノエート-ジメトキシシンナメート、ジ-(2-エチルヘキシル)-4'-メトキシベンザルマロネートなどが例示される。
ジベンゾイルメタン誘導体としては、4-tert-ブチル-4’ -メトキシジベンゾイルメタン(例えば「パルソール1789」)などが例示される。
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体としては、オクトクリレン( 例えば「ユビナールN539」; BASF社)などが例示される。
ベンゾフェノン誘導体としては、ベンゾフェノン-1(例えば「ユビナール400」;BASF社)、ベンゾフェノン-2(例えば「ユビナールD50」;BASF社)、ベンゾフェノン-3またはオキシベンゾン(例えば「ユビナールM40」;BASF社)、ベンゾフェノン-4(例えば「ユビナールMS40」;BASF社)、ベンゾフェノン-5、ベンゾフェノン-6(例えば「ヘリソーブ(Helisorb)11」;ノルクアイ社)、ベンゾフェノン-8 (例えば「スペクトラ-ソーブ(Spectra-Sorb)UV-24」;アメリカン・シアナミド社)、ベンゾフェノン-9(例えば「ユビナールDS-49」;BASF社)、ベンゾフェノン-12などが例示される。
ベンジリデンショウノウ誘導体としては、3-ベンジリデンショウノウ( 例えば「メギゾリル(Mexoryl)SD」;シメックス社)、4-メチルベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸(例えば「メギゾリルSL」;シメックス社)、メト硫酸ショウノウベンザルコニウム(例えば「メギゾリルSO」;シメックス社)、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸(例えば「メギゾリルSX」;シメックス社)、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ(例えば「メギゾリルSW」;シメックス社)などが例示される。
フェニルベンゾイミダゾール誘導体としては、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(例えば「ユーソレックス232」;メルク社)、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム( 例えば「ネオ・ヘリオパンAP」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
トリアジン誘導体としては、アニソトリアジン(例えば「チノソーブ(Tinosorb)S」; チバ・スペシャリティー・ケミカルズ 社)、エチルヘキシルトリアゾン(例えば「ユビナールT150」;BASF社)、ジエチヘキシルブタミドトリアゾン(例えば「ユバソーブ(Uvasorb)HEB」;シグマ3 V社)、2,4,6-トリス(ジイソブチル-4’-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジンなどが例示される。
フェニルベンゾトリアゾール誘導体としては、ドロメトリゾールトリシロキサン(例えば「シラトリゾール(Silatrizole)」; ローディア・シミー社)、メチレンビス( ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)(例えば「チノソーブM」( チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社))などが例示される。
アントラニル誘導体としては、アントラニル酸メンチル( 例えば「ネオ・ヘリオパンMA」;ハーマン・アンド・レイマー社) などが例示される。
イミダゾリン誘導体としては、エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナートなどが例示される。
ベンザルマロナート誘導体としては、ベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン(例えば、ポリシリコーン-15;「パルソールSLX」;DSMニュートリション ジャパン社)などが例示される。
4,4-ジアリールブタジエン誘導体としては、1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエンなどが例示される。
極性油は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの鎖状シリコーン油、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シリコーン油等が挙げられる。
ここで、シリコーン油は組成物全量に対し40質量%以下であることが好ましい。シリコーン油が組成物全量に対し40質量%以下であることで、発汗性や油の浸み出しをさらにより高いレベルで抑制することができる。組成物全量に対するシリコーン油の割合は35質量%以下であってもよく、さらには30質量%以下であってもよい。
非極性油としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、イソヘキサデカン等の炭化水素油等が挙げられる。
固形油分としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬油、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化ヒマシ油などの固体油脂、パラフィンワックス(直鎖炭化水素)、マイクロクリスタリンワックス(分岐飽和炭化水素)、セレシンワックス、モクロウ、フィッシャートロプスワックスなどの炭化水素類、ミツロウ、カルナバワックス、キャンデリラロウ、米ぬかロウ(ライスワックス)、ゲイロウ、ホホバ油、ヌカロウ、モンタンロウ、カポックロウ、ベイベリーロウ、セラックロウ、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、還元ラノリン、硬質ラノリン、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテルなどのロウ類、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベへニン酸などの高級脂肪酸等が挙げられる。
半固形油分としては、例えば、ワセリン、ラノリン、シア脂、部分水添ヤシ油などの植物脂、部分水添ホホバ油、ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6-エステルズベヘネート、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット等が挙げられる。
(A)成分は、組成物の基剤が油性であるかあるいは乳化状態であるかによっても異なるが、組成物全量に対して50~98質量%であることが好ましく、より好ましくは55~95質量%、さらには60~92質量%であることが好ましい。
(B)増粘剤
(B)増粘剤は、(B1)脂肪酸ゲル化剤および/またはアミノ酸ゲル化剤と、(B2)多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物から選択される1種以上とを含む。(B)成分として、(B1)成分と(B2)成分の双方を含むことで発汗性や油の浸み出しを高いレベルで抑制することができる。その作用機序が必ずしも明らかではないが、(B1)成分と(B2)成分は増粘機構が異なり、両者を組み合わせることで互いの増粘機構に足りない部分を補うことが可能になると考えている。
(B1)脂肪酸ゲル化剤および/またはアミノ酸ゲル化剤
(B1)成分は、脂肪酸ゲル化剤を単独(ここでいう単独とは、脂肪酸ゲル化剤を1種類含む場合の他、2種類以上の脂肪酸ゲル化剤を含む場合も含む)で用いても、アミノ酸ゲル化剤を単独(ここでいう単独とは、アミノ酸ゲル化剤を1種類含む場合の他、2種類以上のアミノ酸ゲル化剤を含む場合も含む)で用いても、あるいは脂肪酸ゲル化剤およびアミノ酸ゲル化剤の双方の種類を用いてもよい。特に、(B1)成分に、脂肪酸ゲル化剤およびアミノ酸ゲル化剤の双方を含む場合、脂肪酸ゲル化剤の構造体とアミノ酸ゲル化剤の構造体のそれぞれに相性のよい油があるため、とりわけ多種類の油分を含む複雑系の組成物においては、より効果的に組み合わさって増粘させることができる。
(B1)成分は組成物全量に対し0.1~15質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5~14質量%であり、さらには1~12質量%であることが好ましい。(B1)成分が0.1質量%以上であることで、発汗性や油の浸み出しをより高いレベルで抑制することができ、15質量%以下であることで、使用性をより良好なものとすることができる。
<脂肪酸ゲル化剤>
脂肪酸ゲル化剤としては、脂肪酸またはその塩、グリセリル脂肪酸エステル等が好ましく挙げられる。
脂肪酸は、常温で固形のものを使用することができ、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等を挙げることができる。また、脂肪酸の塩としては、これらのカルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等を挙げることができる。
グリセリル脂肪酸エステルは、グリセリン、炭素数18~28の二塩基酸および炭素数8~28の脂肪酸(ただし、二塩基酸を除く)を反応させることにより得られるエステル化反応生成物であり、化粧料に一般的に使用されているものであれば特に制限されず使用することができる。具体的には、(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル-10等を挙げることができる。
<アミノ酸ゲル化剤>
アミノ酸ゲル化剤は、ジブチルラウロイルグルタミド(N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド)、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド、ポリアミド‐8、ポリアミド-3等を挙げることができる。
(B2)多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物
(B2)成分は、多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物から選択される1種以上である。(B2)成分は、組成物全量に対し0.1~10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3~8質量%であり、さらには0.5~7質量%であることが好ましい。(B1)成分が0.1質量%以上であることで、発汗性や油の浸み出しをより高いレベルで抑制することができ、10質量%以下であることで、使用性をより良好なものとすることができる。
<多糖およびその誘導体>
多糖およびその誘導体としては、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が好ましく挙げられる。
デキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンまたは還元デキストリンと高級脂肪酸とのエステルであり、化粧料に一般的に使用されているものであれば特に制限されず使用することができる。デキストリンまたは還元デキストリンは平均糖重合度が3~100のものを用いるのが好ましい。また、デキストリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸としては、炭素数8~22の飽和脂肪酸を用いるのが好ましい。具体的には、パルミチン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、(パルミチン酸/2-エチルヘキサン酸)デキストリン等を挙げることができる。
ショ糖脂肪酸エステルは、その脂肪酸が直鎖状あるいは分岐鎖状の、飽和あるいは不飽和の、炭素数12から22のものを好ましく用いることができる。具体的には、ショ糖カプリル酸エステル、ショ糖カプリン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル等を挙げることができる。
<ウレタン骨格を有する高分子化合物>
ウレタン骨格を有する高分子化合物としては、ヒマシ油とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の共重合体であるヒマシ油/IPDIコポリマー等が挙げられる。市販品としては、EstogelM(ヒマシ油/IPDIコポリマー(トリ(カプリルカプリル酸)グリセリドに溶解)DKSH社製)が挙げられる。高分子の油相増粘剤を添加することにより、良好な使用感触を維持しながら、高いレベルで油の浸み出し、発汗を抑制することが可能である。
(B1)成分と(B2)成分の配合割合は特に限定されるものではないが、(B1)成分に対する(B2)成分の割合((B2)/(B1))は、1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。(B1)成分に対する(B2)成分の割合が1以下であることで、発汗性や油の浸み出しをより高いレベルで抑制することができ、使用性をより良好なものとすることができる。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない限り、上記必須成分に加えて、任意の成分を配合することができる。通常、化粧料に配合される成分を添加して常法により任意の化粧料を製造することができる。任意の成分としては、高級アルコール、界面活性剤、保湿剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、各種薬剤等が挙げられる。
高級アルコールとしては、炭素数6~20のアルキル基を有する高級アルコールで、カプロイルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキニルアルコール等が挙げられる。アルキル基が分岐していてもよく、また、不飽和結合、水酸基、カルボキシル基、フェニル基等の置換基を有してもよい。
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロ-ルソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレート、POE-ソルビタンテトラオレエート等) ; POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP -セチルエーテル、POE・POP -2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP -水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、d,l-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO((エチレンオキシド)プロピレンオキシド)付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、トレハロース、エリスリトール、POE・POPランダム共重合体メチルエーテル等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3 ナトリウム等が挙げられる。
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA 、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン、トラネキサム酸、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、L-アスコルビン酸グルコシド、4-メトキシサリチル酸カリウム等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等);賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤等が挙げられる。
本発明の組成物の剤型は任意であり、特に限定されるものではないが、ゲルまたは固形であることが好ましく、その製品形態としては、特に限定されないが、例えば、ファンデーション、口紅、リップグロス、リップクリーム、アイシャドー等のメ-キャップ化粧料、化粧下地、サンスクリーン、スキンケア化粧料、ヘアスティック、ボディ用化粧料、制汗用化粧料、ポマード等の毛髪化粧料等を挙げることができる。容器充填やスティック状の固形化粧料として好ましく利用される。
本発明の組成物、およびそれを用いた化粧料は、常法に従い調製することができる。例えば、上記の成分を70~100℃にて溶解および分散させたのち、所望の金型、または容器に流し込み、冷却固化させて調製することができる。
また、本発明の組成物の剤型として、乳化系、水-油二層系等、任意の形態で提供することもできる。水性成分を用いる場合、化粧料に通常配合可能なものを、化粧料の安定性を損なわない範囲で使用することができる。このような水性成分としては、例えば、水、低級アルコール、保湿剤、水溶性増粘剤、水溶性紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、水溶性薬剤等が挙げられる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例によってなんら限定されるものでない。配合量は特に断りがない限り質量%である。
下記表1および2に挙げた成分を常法により調製し、スティック状の容器に流し込み、冷却固化してスティック状化粧料とし、以下の基準で評価を行った。
(発汗評価)
表1および2に示す各例のスティック状化粧料を、30℃で1か月間保管した後、表1に示す基準1と比較した発汗を以下の基準で、室温にて評価した。
A:発汗がほぼ確認されないか、やや発汗するものの大幅な改善傾向にある
B:発汗が基準よりも減少し改善が確認される
C:発汗が基準と同程度である
D:発汗が基準よりも多い
表1および2に示すように、本発明の組成物は、発汗性が優位に抑制されていた。
次に、下記表3に挙げた組成を有する組成物(油中水型乳化組成物)を常法により調製し、容器に入れて30℃で1か月間保管した後、上記(発汗評価)と同様にして評価を行った。なお、基準は表3に挙げている基準2とした。
表3に示すように、本発明の組成物は、油中水型であっても、発汗性が優位に抑制されていた。
表4に本発明のオイルゲル組成物を基剤とする、容器に充填したオイルゲル化粧料の処方例を示す。
Figure 0007403299000004
本開示の実施態様の一部を以下の[項目1]-[項目7]に記載する。
[項目1]
(A)油分と、
(B)増粘剤と、
を含むオイルゲル組成物であって、
前記(A)油分中の極性油が組成物全量に対し60質量%未満であり、
前記(B)増粘剤が、
(B1)脂肪酸ゲル化剤および/またはアミノ酸ゲル化剤と、
(B2)多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物から選択される1種以上と、
を含むオイルゲル組成物。
[項目2]
前記(B1)脂肪酸ゲル化剤および/またはアミノ酸ゲル化剤が、組成物全量に対し0.1~15質量%である項目1記載のオイルゲル組成物。
[項目3]
前記(B2)多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物から選択される1種以上が、組成物全量に対し0.1~10質量%である項目1または2記載のオイルゲル組成物。
[項目4]
前記(A)油分中のシリコーン油が組成物全量に対し40質量%以下である項目1、2または3記載のオイルゲル組成物。
[項目5]
前記(B2)の増粘剤がウレタン骨格を有する高分子化合物である項目1~4いずれか1項記載のオイルゲル組成物。
[項目6]
固形である、項目1~5いずれか1項記載のオイルゲル組成物。
[項目7]
項目1~6いずれか1項記載のオイルゲル組成物を基剤として含有する化粧料。

Claims (7)

  1. (A)油分と、
    (B)増粘剤と、
    を含むオイルゲル組成物であって、
    前記(A)油分中のシリコーン油以外の極性油が組成物全量に対し60質量%未満であり、
    前記(B)増粘剤が、
    (B1)脂肪酸ゲル化剤およびアミノ酸ゲル化剤と、
    (B2)多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物から選択される1種以上と、
    を含むオイルゲル組成物。
  2. 前記(B1)脂肪酸ゲル化剤およびアミノ酸ゲル化剤が、組成物全量に対し0.1~15質量%である請求項1記載のオイルゲル組成物。
  3. 前記(B2)多糖およびその誘導体、ウレタン骨格を有する高分子化合物から選択される1種以上が、組成物全量に対し0.1~10質量%である請求項1または2記載のオイルゲル組成物。
  4. 前記(A)油分中のシリコーン油が組成物全量に対し40質量%以下である請求項1、2または3記載のオイルゲル組成物。
  5. 前記(B2)の増粘剤がウレタン骨格を有する高分子化合物である請求項1~4いずれか1項記載のオイルゲル組成物。
  6. 固形である、請求項1~5いずれか1項記載のオイルゲル組成物。
  7. 請求項1~6いずれか1項記載のオイルゲル組成物を基剤として含有する化粧料。
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