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JP7403442B2 - 栽培装置 - Google Patents
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JP7403442B2 - 栽培装置 - Google Patents

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Description

本発明は、人工光型の植物工場で用いられる栽培装置に関する。
世界的な人口の増加による食料不足や、日本等の先進国における高齢化に伴う農村人口の減少による農作物の生産量の減少等の問題に対する解決策として植物工場が注目されている。
植物工場は、完全人工光型と太陽光利用型の2つの種類に大別される。完全人工光型は、閉鎖環境で太陽光を用いずに人工光源のみで栽培するものであり、太陽光利用型は、温室に近い環境で、太陽光の利用を基本とし、人工光による補光や夏季の高温抑制技術を用いて栽培するものである。
一般的な完全人工光型の植物工場では、閉鎖環境の栽培室内に、各段に人工光源を備える多段式の栽培棚が複数配置され、栽培室の天井や上方にエアコン等の空調装置が取り付けられる。各栽培棚では、人工光源の点灯時には排熱により温度が上昇するので、空調装置により栽培室内の空気を循環させ、温度や湿度が各栽培棚間で均一となるように制御する(特許文献1参照)。
また、植物に供給される養液量を制御するため、循環方式の養液供給装置が用いられる(特許文献2参照)。
特開2002-291349号公報 特開2005-21065号公報
上述のように、空調装置を用いて栽培室内の栽培環境を均一に制御しようとしても、実際には、空調装置の近傍に設置された栽培棚と遠方に設置された栽培棚とでは、温度差や湿度差が生じる。また、栽培棚の上下方向においても、同様に温度差や湿度差が生じる。
また、循環方式の養液供給装置により常に一定量の養液が植物に供給されたとしても、養液の水温は、人工光源の点灯期間中の排熱により上昇し、消灯期間中には徐々に下降して一定とはならない。
このように従来の植物工場では、栽培室内の空気の温度や湿度の場所による不均一や、時間による養液の温度変化が生じる。空気の温度、湿度の変化や養液の温度の変化によって、植物の生長速度は影響を受けるため、このような栽培環境の局所的変化や経時的変化は、植物工場の生産性の低下を招く。
従って、本発明は、植物工場において場所や時間による栽培環境をほぼ一定に保つことを目的とする。
本発明は、人工光型の植物工場で用いられる栽培装置であって、内部を密閉可能な栽培室と、前記栽培室が上下方向に所定の間隔で区画されて形成される複数の栽培チャンバと、所定の条件に調整された空気を前記複数の栽培チャンバのそれぞれに所定の流速で供給し、該供給された空気を前記複数の栽培チャンバから回収して循環させる空気循環装置と、所定の条件に調整された養液を前記複数の栽培チャンバのそれぞれに所定の流速で供給し、該供給された養液を前記栽培チャンバから回収して循環させる養液循環装置と、を備える栽培装置に関する。
また、前記所定の条件に調整された空気を前記複数の栽培チャンバのそれぞれに、変更可能な設定値の流速で供給することが好ましい。
また、前記所定の条件に調整された養液を前記複数の栽培チャンバのそれぞれに、変更可能な設定値の流速で供給することが好ましい。
また、前記空気循環装置及び前記養液循環装置により前記栽培チャンバにそれぞれ供給される養液の流れ方向は、該栽培チャンバの短手方向に沿っていることが好ましい。
また、前記空気循環装置及び前記養液循環装置により前記栽培チャンバにそれぞれ供給される空気の流れ方向は、該栽培チャンバの短手方向に沿っていることが好ましい。
また、前記空気循環装置及び前記養液循環装置により前記栽培チャンバにそれぞれ供給される空気の流れ方向は、該栽培チャンバの上方から下方に沿っていることが好ましい。
また、複数の矩形状の栽培プレートを備えており、
前記複数の栽培プレートは、短手方向が前記栽培チャンバの長手方向に沿うように、前記栽培チャンバに配置されることが好ましい。
また、前記栽培チャンバに配置され、養液を流し入れるための養液トレイを備え、前記養液トレイは、前記栽培プレートと略同じ大きさで該栽培プレートを配置可能な矩形状トレイで構成されており、複数の前記矩形状トレイは、短手方向が前記栽培チャンバの長手方向に沿うように、前記栽培チャンバに配置されることが好ましい。
また、前記養液トレイは、養液の流れの下流側が下方になるように、前記栽培チャンバの短手方向について所定の角度で傾斜した傾斜面を備えることが好ましい。
また、前記栽培チャンバは、箱状部材で構成され、長手方向の一端側に前記栽培プレートを出し入れするためのチャンバ開口部と、該チャンバ開口部を開閉可能なチャンバ蓋部と、を有しており、前記チャンバ蓋部で前記チャンバ開口部を閉じることにより、前記栽培チャンバを密閉状態とすることが好ましい。
また、前記栽培プレートを搬送するための搬送機構を更に備えており、前記搬送機構は、前記栽培チャンバ内に設けられ、該栽培チャンバの長手方向に前記栽培プレートを搬送するための搬送機と、前記栽培チャンバの前記チャンバ開口部が設けられた側に隣接して設けられ、前記栽培プレートを前記チャンバ開口部から出し入れして上下方向に搬送するための昇降機と、を有することが好ましい。
また、前記昇降機は、前記栽培室内に設けられており、前記栽培室は、長手方向のうち前記昇降機が設けられた一端側に、前記栽培プレートを出し入れするための栽培室開口部及び該栽培室開口部を開閉可能な栽培室蓋部を有することが好ましい。
また、前記栽培チャンバに配置され、養液を流し入れるための養液トレイは、前記栽培プレートと略同じ大きさで該栽培プレートを配置可能な矩形状トレイで構成されており、前記搬送機構は、前記栽培プレートが前記矩形状トレイに配置された状態で、栽培プレート及び矩形状トレイを搬送することが好ましい。
本発明によれば、密閉された栽培室で上下方向に配置された複数の栽培チャンバのそれぞれに空気循環装置により空気を供給するので、栽培室において場所によらず均一な栽培環境を提供でき、常に所定の条件に調整された空気及び養液が栽培室内の栽培チャンバに供給されて短時間で回収されるので、栽培室内の環境をほぼ一定に保つことができる。
本発明の第1実施形態に係る栽培装置の構成を示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係る栽培装置の外観を示す図である。 第1実施形態に係る栽培装置の内部を示す図である。 第1実施形態に係る栽培装置が備える栽培室を長手方向から見た断面模式図である。 第1実施形態に係る栽培装置に配置される栽培プレート及び栽培トレイの説明図である。 第1実施形態に係る栽培装置が備える人工光源の説明図である。 第1実施形態に係る栽培装置が備える空気循環装置の説明図である。 第1実施形態に係る栽培装置が備える養液循環装置の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る栽培装置の構成を示す機能ブロック図である。 第2実施形態に係る栽培装置の外観を示す図である。 第2実施形態に係る栽培装置が備える栽培室を長手方向から見た断面模式図である。 第2実施形態に係る栽培装置が備える空気循環装置の説明図である。 第2実施形態に係る搬送機構の構成を説明するための模式図である。 第2実施形態に係る搬送機構を用いた栽培プレートの搬送方法の説明図である。 第2実施形態に係る搬送機構を用いた栽培プレートの搬送方法の説明図である。 第2実施形態に係る搬送機構を用いた栽培プレートの搬送方法の説明図である。 第2実施形態に係る搬送機構を用いた栽培プレートの搬送方法の説明図である。 第2実施形態に係る搬送機構を用いた栽培プレートの搬送方法の説明図である。 第2実施形態に係る搬送機構を用いた栽培プレートの搬送方法の説明図である。 第2実施形態に係る搬送機構を用いた栽培プレートの搬送方法の説明図である。
以下、本発明の栽培装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の栽培装置は、人工光型の植物工場で用いられるものであり、従来では栽培環境の管理が困難であった生産規模の大きい植物工場に好適に用いられる。
<第1実施形態>
第1実施形態の栽培装置1Aについて、図1~図7を参照して説明する。
図1は本発明の栽培装置1Aの構成を示す機能ブロック図である。栽培装置1Aは、栽培室10Aと、複数の栽培チャンバ20Aと、空気循環装置30と、養液循環装置40と、操作部50と、制御部60と、表示部70と、を備える。
栽培室10Aは、図2に示すように、内部を密閉可能な直方体形状の外壁を備えており、栽培装置1Aが配置される植物工場の作業室の環境(温度や湿度)から独立した栽培環境を維持可能である。外壁の素材としては、栽培室10Aの外側である作業室の環境の影響を受けにくいように、断熱材を用いるのが好ましい。図3には、栽培室10Aの外壁を取り除いた状態の栽培装置1Aを示す。
図4は、本発明の栽培室10を長手方向から見た断面模式図を示す。
複数の栽培チャンバ20Aは、図4に示すように、栽培室10Aが上下方向に所定の間隔で棚板111により区画されて形成され、それぞれが略直方体形状を有する。複数の栽培チャンバ20Aは、従来公知の多段式の栽培棚に外装を設けることにより構成することができる。本実施形態では、5段の栽培棚100に外装(栽培室10Aの外壁)を設けて構成した。
各栽培チャンバ20Aには、図5Aに示すような養液トレイ210及び栽培プレート220が、図5Bに示すように、これらの短手方向が栽培チャンバ20Aの長手方向に沿うように、複数枚配置される。養液トレイ210は、矩形状の栽培プレート220と略同じ大きさで、栽培プレート220をはめ込むように配置可能な矩形状トレイで構成されている。本実施形態では、およそ30cm×120cmの養液トレイ210に栽培プレート220がはめ込まれた状態(図5B参照)で、各栽培チャンバ20Aに16枚配置される。
尚、栽培チャンバ20Aの形状は、生産規模の大きい植物工場に好適に用いられるため、長手方向の長さが短手方向の長さに対して2倍以上である長尺な形状であることが好ましい。本実施形態では、短手方向の長さ:長手方向の長さ=1:5である。ただし、栽培チャンバ20Aの大きさ(栽培チャンバ20Aに配置される栽培プレート220の枚数)は、上述の実施形態の大きさに限られない。
また、本実施形態で養液トレイ210及び栽培プレート220は矩形であるが、これに限らず正方形であってもよい。正方形の場合、正方形の栽培プレート220の一辺が栽培チャンバ20Aの長手方向に沿うよう配置される。
このように、養液トレイ210が配置された状態においては、複数の栽培チャンバ20は、それぞれが密閉又は半密閉の状態となる。
また、養液トレイ210には、供給された養液を排出するための排出口211(図4参照)が長手方向の一端側(養液の流れの下流側)に形成される。また、養液トレイ210は、養液の流れの下流側が下方になるように、栽培チャンバ20Aの短手方向について所定の角度(例えば、1度程度)で傾斜した傾斜面を備えており、これにより、供給された養液が養液トレイ210に滞留することなく、供給流量に応じた所定の流速で一方向の流れを作り出すことができる。また、後述する養液回収管470が、排出口211の下方に配置される(図4参照)。
尚、養液トレイ210は、栽培プレート220の1枚分に対応するサイズでなくてもよく、複数枚の栽培プレート220を1つの養液トレイ210に配置することができるよう構成してもよい。
また、各栽培チャンバ20Aの上方には、図5Bに示すように、人工光源230が配置され、人工光源230の調光を行う調光器231が接続される。本実施形態では、人工光源230は、養液トレイ210及び栽培プレート220の長手方向(栽培チャンバ20Aの短手方向)に沿うように、2本配置される。人工光源230としては、消費電力が少なく薄型に構成できるLEDが好適に用いられる。また、人工光源として蛍光灯を用いてもよい。
空気循環装置30は、図2及び図3に示すように、栽培室10の長手方向の一端側に、栽培棚100に隣接して配置され、所定の条件に調整された空気を所定の流速で各栽培チャンバ20Aに供給し、各栽培チャンバ20Aの内部を通過した空気を回収して、所定の条件となるように調整し、これを繰り返して循環供給を行う。
図6を参照して、空気循環装置30の構成について説明する。空気循環装置30は、少なくとも温度、湿度、二酸化炭素濃度及び空気の流速(流量)を調整する機能を有していればよい。本実施形態では、空気循環装置30は、空気滅菌装置310と、加温、冷却及び除湿機能を有する直膨式(冷媒で直接空気を冷やす方式)の空調装置320と、加湿機能を有する加湿装置330と、二酸化炭素濃度を調整する二酸化炭素供給装置340と、吸引ポンプ350と、圧縮ポンプ360と、を備える。
尚、温度を調整する機能を有する装置として、間膨方式(冷媒で水を介して空気を冷やす方式)のチラー装置を用いてもよい。
各栽培チャンバ20Aと空気循環装置30とは、空気回収管370A及び空気供給管380を介して接続される。空気回収管370A及び空気供給管380は、栽培チャンバ20の長手方向に延びている。空気回収管370Aには所定の間隔で設けられる複数の空気回収口371が形成されている。また、空気供給管380には所定の間隔で設けられる複数の空気供給口381が形成され、これら空気供給口381には不図示の定流量弁が設けられている。
また、不図示の温度センサ、湿度センサ及び二酸化炭素濃度センサが各栽培チャンバ20Aの所定箇所に取り付けられ、循環中の空気の温度、湿度や二酸化炭素濃度がモニタされる。
吸引ポンプ350により空気回収管370Aを介して各栽培チャンバ20Aから回収された空気は、空気滅菌装置310を経て滅菌され、空調装置320に送られる。空調装置320では、温度センサ及び湿度センサの測定結果に応じて温度調整や除湿がなされたのち、加湿装置330で加湿が行われる。その後、二酸化炭素供給装置340により、二酸化炭素濃度センサの測定結果に応じて二酸化炭素ボンベ等の二酸化炭素供給源341から二酸化炭素が供給される。そして、圧縮ポンプ360により空気供給管380を介して各栽培チャンバ20Aに所定の条件及び所定の流速に調整された空気が供給される。
なお、空気の流速の設定値は、固定でもよく、また変更可能でもよい。
この際、図4に示すように栽培チャンバ20Aにおける空気の流れ方向は、栽培チャンバ20Aの短手方向に沿っている。これにより、空気の流れ方向を栽培チャンバ20Aの長手方向に沿うように供給した場合に比べて、空気の供給から回収までの時間を短くすることができる。よって、空気の流れの上流側と下流側とで生じる温度や湿度、二酸化炭素濃度等の栽培環境の変化を小さくすることができる。
ただし、これに限定されず、栽培チャンバ20Aにおける空気の流れ方向は、栽培チャンバ20Aの上方から下方に沿っていてもよい。
なお、実施形態においては、1つの栽培装置1Aが1つの栽培室10Aを備え、1つの栽培室10Aが複数の栽培チャンバ20Aと1つの空気循環装置30を備え、複数の栽培チャンバ20Aに1つの空気循環装置30から空気が送られる。
ただし、これに限定されず、1つの栽培装置1Aが1つの栽培室10Aを備え、1つの栽培室10Aが複数の栽培チャンバ20Aと、それぞれの栽培チャンバ20に対応する複数の空気循環装置30を備え、複数の栽培チャンバ20Aのそれぞれに、対応する空気循環装置30から空気が送られる構成であってもよい。この場合、栽培チャンバ20Aごとに循環中の空気の温度、湿度、二酸化炭素濃度及び流速(流量)等を変えることができる。
また、1つの栽培装置1Aが複数の栽培室10Aを備え、複数の栽培室10Aがそれぞれ、複数の栽培チャンバ20Aと1つの空気循環装置30を備えてもよい。
さらに、1つの栽培装置1Aが複数の栽培室10Aを備え、複数の栽培室10Aがそれぞれ、複数の栽培チャンバ20Aと、それぞれの栽培チャンバ20に対応する複数の空気循環装置30を備えてもよい。
養液循環装置40は、図2及び図3に示すように、栽培室10Aの下方に配置され、所定の条件に調整された養液を所定の流速で各栽培チャンバ20Aの養液トレイ210に供給し、各養液トレイを通過した養液を回収して、所定の条件となるように調整し、これを繰り返して養液の循環供給を行う。
図7を参照して、養液循環装置40の構成について説明する。養液循環装置40は、少なくとも養液の温度、養分(窒素、リン酸、カリウム等の各種単肥イオン)を調整する機能を有していればよい。本実施形態では、養液循環装置40は、養液滅菌装置410と、市水供給源と接続される養液タンク420と、加温及び冷却機能を有するチラー装置(不図示)と、養分供給装置440と、酸素を供給して溶存酸素濃度を調整する酸素供給装置450と、養液圧力ポンプ460と、を備える。
各栽培チャンバ20Aと養液循環装置40とは、養液回収管470及び養液供給管480を介して接続される。養液回収管470は、栽培チャンバ20Aの長手方向に延びており、養液トレイ210の排出口から排出される養液を回収できるように構成される。また、養液供給管480も同様に栽培チャンバ20の長手方向に延びており、養液供給管480には、所定の間隔で複数の養液供給口481が形成されている。養液供給口481は、養液供給管480において下方を向くように開口していてもよいが、本実施形態のように、養液の流れ方向に沿う方向を向くように開口する方が好ましい(図4及び図7参照)。これにより、下方に開口する場合に比べ、同じ供給量ならば養液の流速を速めることができる。
なお、実施形態においては、1つの栽培装置1Aが1つの栽培室10Aを備え、1つの栽培室10Aが複数の栽培チャンバ20Aと1つの養液循環装置40を備え、複数の栽培チャンバ20Aに1つの養液循環装置40から養液が送られる。
なお、養液の流速の設定値は、固定でもよく、また変更可能でもよい。
ただし、これに限定されず、1つの栽培装置1Aが1つの栽培室10Aを備え、1つの栽培室10Aが複数の栽培チャンバ20Aと、それぞれの栽培チャンバ20に対応する複数の養液循環装置40を備え、複数の栽培チャンバ20Aのそれぞれに、対応する養液循環装置40から養液が送られる構成であってもよい。この場合、栽培チャンバ20Aごとに養液の温度、養分、流速等を変えることができる。
また、1つの栽培装置1Aが複数の栽培室10Aを備え、複数の栽培室10Aがそれぞれ、複数の栽培チャンバ20Aと1つの養液循環装置40を備えてもよい。
さらに、1つの栽培装置1Aが複数の栽培室10Aを備え、複数の栽培室10Aがそれぞれ、複数の栽培チャンバ20Aと、それぞれの栽培チャンバ20に対応する複数の養液循環装置40を備えてもよい。
また、水温センサ(不図示)が養液タンク420に、各種養分の濃度を測定する単肥センサSFSが養液タンク420の養液回収管470との接続口近傍に取り付けられ、循環中の養液の水温、各種単肥イオン濃度をモニタする。チラー装置は水温センサの測定結果に応じて、養液の温度を調整する。
養分供給装置440は、単肥イオン濃度制御部441、単肥センサSFS及び単肥イオン供給プランジャ442を含んで構成される。そして、この養分供給装置440では、単肥イオン濃度制御部441が、各種単肥センサSFSの測定結果に応じて、単肥イオン供給プランジャ442を駆動して、養液の単肥イオン濃度を調整する。尚、養液の単肥イオン濃度は、pHセンサ及びECセンサを用いて測定してもよい。
養液タンク420に貯留された養液は、チラー装置により所定の水温に調整され、養分供給装置440により所定の単肥イオン濃度に調整され、酸素供給装置450により所定の溶存酸素量となるように調整される。その後、養液圧力ポンプ460により養液供給管480を介して各栽培チャンバ20Aに配置された養液トレイ210に養液が供給される。図4に示すように、養液は養液トレイ210を栽培チャンバ20Aの短手方向に沿って所定の流速で流れて行き、養液トレイ210の排出口211から排出されて、養液回収管470に流れて行く。各栽培チャンバ20Aに接続される養液回収管470により回収された養液は、養液滅菌装置410で滅菌されたのち、養液タンク420に流入する。
この際、栽培チャンバ20Aにおける養液の流れ方向は、栽培チャンバ20Aの短手方向に沿っている。これにより、養液の流れ方向が栽培チャンバ20Aの長手方向に沿う場合に比べて、養液の供給から回収までの時間を短くすることができる。
尚、養液タンク420は、栽培チャンバ20A毎に設けてもよいし、栽培室10につき1つだけ設けてもよい。
操作部50は、栽培室10内が所定の栽培環境となるように設定するためのボタンやキーボード等で構成され、図1及び図2に示すように、栽培室10の長手方向の一端側(空気循環装置30が配置されている側)の外側に配置される。
制御部60は、栽培室10の内部に配置され、空気循環装置30、養液循環装置40及び操作部50からの信号を受けて、空気循環装置30、養液循環装置40及び後述の表示部70を制御するものであり、例えば中央演算処理装置やRAM、ROM等からなるコンピュータ装置で構成される。
表示部70は、栽培室10内の各栽培チャンバ20において各種センサによりモニタされた測定結果や、操作部50により設定された所定の栽培環境等を表示するためのもので、液晶パネル等により構成される。表示部70は、図2及び図3に示すように、栽培室10の長手方向の一端側(空気循環装置30が配置されている側)の外側に配置される。
尚、操作部50、制御部60及び表示部70は、栽培室10と一体で構成することなく、栽培室10と別体で構成してもよい。その場合、操作部、制御部及び表示部を備える制御盤を植物工場の所定箇所に配置し、この制御盤により複数の栽培室10それぞれにおける複数の栽培チャンバ20の栽培環境を集中して管理してもよい。
以上説明した本発明の栽培装置1Aによれば、以下の効果を奏する。
(1)人工光型の植物工場で用いられる栽培装置1Aは、内部を密閉可能な直方体形状の栽培室10Aと、栽培室10Aが上下方向に所定の間隔で区画されて形成される直方体形状の複数の栽培チャンバ20Aと、所定の条件に調整された空気を複数の栽培チャンバ20Aのそれぞれに所定の流速で供給し、該供給された空気を複数の栽培チャンバ20Aから回収して循環させる空気循環装置30と、所定の条件に調整された養液を複数の栽培チャンバ20Aのそれぞれに所定の流速で供給し、該供給された養液を栽培チャンバ20Aから回収して循環させる養液循環装置40と、を備えるものとした。
これにより、密閉された栽培室10Aで上下方向に配置された複数の栽培チャンバ20Aのそれぞれに空気循環装置30により空気を供給するので、栽培室10Aにおいて場所によらず均一な栽培環境を提供できる。
また、栽培室10Aは、密閉可能な構造であるので、植物工場において人が作業する作業室に本発明の栽培装置1Aを配置した場合に、栽培室10A内と作業室とは独立した環境とすることができる。よって、従来の植物工場における作業室のように植物と人とを共存させる必要がないので、例えば、栽培室10A内の環境を人体にとっては適切とはいえないが、植物にとっては最適な栽培条件とすることができる。また、本発明の栽培装置1Aは、装置1Aごと独立して最適な栽培環境を設定できるので、植物工場の1つの作業室において栽培条件の異なる植物を栽培することができる。更に、栽培室10Aを密閉式としたことで、植物工場の内部の温度及び湿度に影響されることなく栽培室10Aの内部に温度及び湿度を管理できる。よって、植物工場の内部の環境管理条件を緩やかに設定できるので、植物工場をより大型化できる。
(2)空気循環装置30及び養液循環装置40により栽培チャンバ20Aにそれぞれ供給される空気及び養液の流れ方向は、栽培チャンバ20Aの短手方向に沿っているものとした。これにより、常に所定の条件に調整された空気及び養液が栽培室10内の栽培チャンバ20Aに供給されて、栽培チャンバ20Aの短手方向に流れて短時間で回収されるので、上流側と下流側の栽培環境の変化を低減することができる。よって、栽培室10A内の時間による環境変化(温度や湿度の変化)を低減することができる。その結果、植物の生長にとって最適かつ均質な栽培環境が保持され、植物工場の生産性を向上させることができる。
(3)栽培装置1Aは、複数の矩形状の栽培プレート220を備えるものとし、複数の栽培プレート220は、短手方向が栽培チャンバ20Aの長手方向に沿うように、栽培チャンバ20Aに配置されるものとした。これにより、複数の栽培プレート220を配置可能な長尺な栽培装置1A(栽培チャンバ20A)であっても、空気や養液を短手方向に流すので栽培環境の変化を小さくできる。よって、環境が均一に制御された栽培チャンバで大量に効率よく植物を生産可能である。
(4)栽培装置1Aは、栽培チャンバ20に配置される養液を流し入れるための養液トレイ210を備えるものとし、養液トレイ210は、養液の流れの下流側が下方になるように、栽培チャンバ20Aの短手方向について所定の角度で傾斜した傾斜面を備えるものとした。これにより、栽培チャンバ20Aの短手方向に沿って養液を滞留させずに所定の流速で短手方向に流すことができる。例えば、長手方向に傾斜をつけて長手方向に養液を流す場合に比べて養液トレイを浅く構成できる。よって、栽培チャンバ20Aの高さを低くできるので、省スペースとすることができ、同じスペースに配置するならば、栽培チャンバ20Aの段数を増やすことができるので、単位面積当たりの生産量を増加させることができる。更に、養液を所定の流速で流しながら植物を栽培できるので、植物の根に常時新しい養液を接触させ続けられる。よって、植物の成長をより促進でき、植物の生産効率を向上させられる。
(5)栽培装置1Aの養液トレイは、栽培プレート220と略同じ大きさで栽培プレート220を配置可能な矩形状トレイ210で構成されているものとし、複数の矩形状トレイ210は、短手方向が栽培チャンバ20Aの長手方向に沿うように、栽培チャンバ20Aに配置されるものとした。これにより、栽培チャンバ20Aの短手方向に沿って、養液トレイが区切られた状態となるので、供給される養液が栽培チャンバ20Aの短手方向に沿って流れやすくなる。
<第2実施形態>
第2実施形態の栽培装置1Bについて、図8~図13を参照して説明する。
第2実施形態にかかる栽培装置1Bは、栽培室の構成、栽培チャンバの構成、及び、栽培チャンバと空気循環装置とを接続する空気回収管の構成が、第1実施形態におけるものとは異なり、更に、栽培プレートを搬送するための搬送機構を備える点で第1実施形態と異なる。本実施形態では、第1実施形態と異なる構成について詳細に説明し、同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図8は本発明の栽培装置1Bの構成を示す機能ブロック図である。図9は、栽培装置1Bを示す斜視図である。
栽培装置1Bは、栽培室10Bと、複数の栽培チャンバ20Bと、空気循環装置30と、養液循環装置40と、操作部50と、制御部60と、表示部70と、搬送機構80と、を備える。
栽培室10Bは、箱状に形成された栽培チャンバ20Bが複数段上下方向に積み重ねられた直方体形状に構成される。これにより、複数の栽培チャンバ20Bはそれぞれ、内部を密閉可能に構成され、栽培装置1Bが配置される植物工場の作業室の環境(温度や湿度)から独立した栽培環境を維持可能である。栽培チャンバ20Bの素材としては、栽培室10Bの外側である作業室の環境の影響を受けにくいように、断熱材を用いるのが好ましい。本実施形態では、栽培室10Bは、5段の栽培チャンバ20Bを含んで構成される。
また、栽培室10Bには、長手方向の一端側(空気循環装置30が設けられた側とは反対側)の下方に、養液トレイ210及び栽培プレート220を出し入れするための栽培室開口部11と、該開口部11を開閉するための栽培室蓋部12と、が設けられる(図9及び図12参照)。栽培室蓋部12は、一例として、電動ヒンジ13により開閉可能に構成される。
養液トレイ210及び栽培プレート220を出し入れするときのみ、栽培室蓋部12を開け、その他は閉じた状態とすることにより、栽培室10Bを密閉状態とすることができる。
図10は、本発明の栽培室10を長手方向から見た断面模式図を示す。
複数の栽培チャンバ20Bは、密閉性のある箱状部材で構成され、栽培室10B内で上下方向に多段に配置される。即ち、複数の栽培チャンバ20Bは、栽培室10Bが上下方向に所定の間隔で箱状部材により区画されて形成され、それぞれが略直方体形状を有し、密閉性を備える。
また、栽培チャンバ20Bは、長手方向の一端側(空気循環装置30が設けられた側とは反対側)に、養液トレイ210及び栽培プレート220を出し入れするためのチャンバ開口部21と、開口部21を開閉可能なチャンバ蓋部22と、を備える(図12参照)。チャンバ蓋部22は、一例として、電動ヒンジ23により開閉可能に構成される。
養液トレイ210及び栽培プレート220を出し入れするときのみ、チャンバ蓋部22を開け、その他は閉じた状態とすることにより、栽培チャンバ20Bを密閉状態とすることができる。よって、栽培チャンバがそれぞれ密閉されていない構成に比べて、栽培チャンバ20Bからの空気(特に二酸化炭素)の漏出及び栽培チャンバ20Bへの空気の混入を低減することができるので、1つの栽培室10B内において、複数の栽培チャンバ20Bのそれぞれを異なる栽培環境で独立に制御することができる。また、複数の栽培チャンバ20B間で、たとえ、1つの栽培チャンバ20Bに虫や菌等が発生しても、同じ栽培室10B内の他の栽培チャンバ20Bに虫や菌等の汚染が広がる可能性を低減することができる。
また、栽培チャンバ20Bの内壁は、光を効率よく植物に吸収させる観点から、反射率が90%以上の材質で構成することが好ましい。例えば、栽培チャンバ20Bの内壁は、反射率が96%~97%程度の鏡面で構成することが好ましい。
各栽培チャンバ20Bには、第1実施形態で説明した場合と同様に、養液トレイ210及び栽培プレート220が、これらの短手方向が栽培チャンバ20Bの長手方向に沿うように、複数枚配置される。
空気循環装置30は、第1実施形態で説明した場合と同様に、栽培室10Bの長手方向の一端側に、栽培棚100に隣接して配置され、所定の条件に調整された空気を所定の流速で各栽培チャンバ20Bに供給し、各栽培チャンバ20Bの内部を通過した空気を回収して、所定の条件となるように調整し、これを繰り返して循環供給を行う。
図11を参照して、空気循環装置30の構成について説明する。空気循環装置30は、少なくとも温度、湿度、二酸化炭素濃度及び空気の流速(流量)を調整する機能を有していればよい。本実施形態では、空気循環装置30は、空気滅菌装置310と、加温、冷却及び除湿機能を有する直膨式(冷媒で直接空気を冷やす方式)の空調装置320と、加湿機能を有する加湿装置330と、二酸化炭素濃度を調整する二酸化炭素供給装置340と、吸引ポンプ350と、圧縮ポンプ360と、を備える。
尚、温度を調整する機能を有する装置として、間膨方式(冷媒で水を介して空気を冷やす方式)のチラー装置を用いてもよい。
各栽培チャンバ20Bと空気循環装置30とは、空気回収ダクト370B及び空気供給ダクト380Bを介して接続される。空気回収ダクト370B及び空気供給ダクト380Bは、栽培チャンバ20Bの長手方向に延びており、空気回収ダクト370B及び空気供給ダクト380Bは、栽培チャンバ20Bに隣接して配置される(図10及び図11参照)。空気回収ダクト370Bには所定の間隔で設けられる複数の空気回収口371が形成されており、これら空気回収口371には栽培チャンバ内の空気を空気回収ダクト370Bに吸引するためのファン(不図示)が設けられている。空気供給ダクト380Bには所定の間隔で設けられる複数の空気供給口381が形成されており、これら空気供給口381には不図示の定流量弁が設けられている。
また、第1実施形態で説明した場合と同様に、不図示の温度センサ、湿度センサ及び二酸化炭素濃度センサが栽培チャンバ20Bの所定箇所に取り付けられ、循環中の空気の温度、湿度や二酸化炭素濃度がモニタされる。
吸引ポンプ350により空気回収ダクト370Bを介して各栽培チャンバ20Bから回収された空気は、空気滅菌装置310を経て滅菌され、空調装置320に送られる。空調装置320では、温度センサ及び湿度センサの測定結果に応じて温度調整や除湿がなされたのち、加湿装置330で加湿が行われる。その後、二酸化炭素供給装置340により、二酸化炭素濃度センサの測定結果に応じて二酸化炭素ボンベ等の二酸化炭素供給源341から二酸化炭素が供給される。そして、圧縮ポンプ360により空気供給管380を介して各栽培チャンバ20Bに所定の条件及び所定の流速に調整された空気が供給される。この際、図10に示すように栽培チャンバ20Bにおける空気の流れ方向は、栽培チャンバ20Bの短手方向に沿っている。これにより、空気の流れ方向を栽培チャンバ20Bの長手方向に沿うように供給した場合に比べて、空気の供給から回収までの時間を短くすることができる。よって、空気の流れの上流側と下流側とで生じる温度や湿度、二酸化炭素濃度等の栽培環境の変化を小さくすることができる。
養液循環装置40、操作部50、制御部60及び表示部70については、第1実施形態と同様に構成であるので、説明を省略する。
尚、本実施形態では、第1実施形態で説明した場合と同様に、1つの栽培室10Bに対して、人工光源230の調光器231、空気循環装置30及び養液循環装置40を1つずつ配置して、これらにより調整される栽培環境を各栽培チャンバ20Bで同じものとしてもよい。また、栽培チャンバ20B毎に、調光器231、空気循環装置30及び養液循環装置40を1つずつ配置して、複数の栽培チャンバ20Bのそれぞれを異なる栽培環境とすることもできる。
搬送機構80について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、搬送機構80の構成を説明するための模式図であり、図13は、搬送機構80を用いた栽培プレート220の搬送方法の説明図である。
搬送機構80は、複数の栽培プレート220を栽培室10B外から栽培チャンバ20B内の所定の位置に搬送し、また、栽培チャンバ20B内に配置された複数の栽培プレート220を搬送して栽培室10Bに取り出すためのものである。図12に示すように、搬送機構80は、搬送機810と、昇降機820と、を備える。本実施形態では、一例として、栽培プレート220と共に養液トレイ210も搬送する場合について説明する。
搬送機810は、複数の栽培チャンバ20B内のそれぞれに設けられており、栽培チャンバ20Bの長手方向に養液トレイ210及び栽培プレート220を搬送するためのものである。搬送機810は、複数のローラ811と、ローラ支持台812と、で構成されており、複数のローラ811が養液トレイ210の裏面に接触するように配置され、ローラ支持台812は、栽培チャンバ20B内の底面に配置される(図10参照)。複数のローラ811は、電動駆動ローラと非駆動ローラとで構成されており、電動駆動ローラの回転方向と回転量を制御することにより、養液トレイ210及び栽培プレート220を栽培チャンバ20Bの長手方向に搬送することができる。尚、複数のローラ811の全てを電動駆動ローラで構成してもよい。
昇降機820は、栽培チャンバ20Bのチャンバ開口部21が設けられた側に隣接して設けられ、養液トレイ210及び栽培プレート220をチャンバ開口部21から出し入れして上下方向に移動することにより、チャンバ開口部21と栽培室10Bの下方に設けられる栽培室開口部11との間で養液トレイ210及び栽培プレート220を搬送するためのものである。また、本実施形態において、昇降機820は、栽培室10B内に配置される。よって、栽培室開口部11及びチャンバ開口部21が同時に開状態とならないように搬送機構80を制御することによって、昇降機820が栽培室10B外に配置される場合に比べて、栽培チャンバ20B内は二重に密閉されていると言え、栽培チャンバ20Bの密閉性を更に高めることができる。よって、各栽培チャンバ20Bからの空気(特に二酸化炭素)の漏出及び栽培室10B外からの空気の混入を更に低減することができるので、1つの栽培室10B内において、複数の栽培チャンバ20Bのそれぞれを異なる栽培環境で独立に容易に制御することができる。また、密閉性が更に高まるので、栽培室10B外からの虫や菌の混入を更に低減できる。また、たとえ、1つの栽培チャンバ20Bに虫や菌等が発生しても、同じ栽培室10B内の他の栽培チャンバ20Bに虫や菌等の汚染が広がる可能性を低減することができる。
昇降機820は、図12に示すように、荷台821と、支柱822と、トレイ受け板823と、複数のローラ824と、で構成されている。
荷台821は、上下方向に延びる支柱822に取り付けられており、電動により上下方向に移動可能である。また、荷台821には、養液トレイ210を受けるためのトレイ受け板823が栽培チャンバ20Bの長手方向にスライド可能に取り付けられる。
トレイ受け板823は、図10に示すローラ811及びローラ支持台812の両側の空間に挿入可能な二股の形状に構成されている。
複数のローラ824は、荷台821に取り付けられ、電動駆動ローラと非駆動ローラとで構成されており、複数のローラ824で構成される面は、電動で斜めに傾けることができる(図13F及び図13G参照)。電動駆動ローラの回転方向と回転量を制御し、複数のローラ824で構成される面を傾けることにより、養液トレイ210及び栽培プレート220を荷台821から栽培室開口部11に向けて送り出すことができる。尚、複数のローラ824の全てを電動駆動ローラで構成してもよい。
次に、図12及び図13を参照して、養液トレイ210及び栽培プレート220の搬送機構80を用いた搬送方法について説明図する。ここでは、図12における最下段の栽培チャンバ20B内に配置された養液トレイ210及び栽培プレート220を順次、栽培室10Bの外に取り出す場合について説明する。
栽培室10Bの栽培室蓋部12を閉じた状態で、取り出し対象の栽培チャンバ20Bの近傍のうち、チャンバ蓋部22が開閉しても干渉しない位置に搬送機810を配置する。本実施形態の場合では、取り出し対象の栽培チャンバ20Bの下方に搬送機810を配置する(図12参照)。
次に、図12に示す状態からチャンバ蓋部22を電動ヒンジ23により開状態とした後、チャンバ開口部21下限近傍まで搬送機810を移動させる(図13A参照)。
図13Aに示す状態から、トレイ受け板823をチャンバ開口部21に向かってスライドさせ(図13B参照)、ローラ811及びローラ支持台812の両側の空間に挿入させる。
図13Bに示す状態から、トレイ受け板823と共に荷台821を、少し上昇させて、養液トレイ210及び栽培プレート220をトレイ受け板823に載せる(図13C参照)。
図13Cに示す状態から、トレイ受け板823を荷台821側に向かってスライドさせた後、荷台821を栽培室開口部11に向かって下方に移動させる(図13D参照)。
図13Dに示す状態から、荷台821を栽培室開口部11まで移動させた後、チャンバ蓋部22を電動ヒンジ23により閉状態とした後、搬送機810の複数のローラ824のうち電動駆動ローラを動作させて、残りの養液トレイ210(及び栽培プレート220)の全てを1枚分、チャンバ開口部21側に移動させる。また、栽培室蓋部12を電動ヒンジ13により開状態とする(図13E参照)。
図13Eに示す状態から、栽培室蓋部12を開状態とした後、荷台821に取り付けられた複数のローラ824を斜めに傾けると共に、複数のローラ824の電動駆動ローラを駆動させることにより、養液トレイ210及び栽培プレート220は、電動駆動ローラ及び重力の作用により、栽培室開口部11に向かって移動し、栽培室10Bの外側に送り出される(図13F参照)。
図13Fに示す状態から、養液トレイ210及び栽培プレート220が栽培室開口部11近傍から人や他の搬送手段により移送された後、電動ヒンジ13により栽培室蓋部12を閉状態とすると共に、荷台821に取り付けられた複数のローラ824の傾きを元に戻す(図13G参照)。
以下、図13A~図13Gで行った手順を、最下段の栽培チャンバ20B内の養液トレイ210及び栽培プレート220を全て取り出し終わるまで繰り返す。その後、残りの栽培チャンバ20Bにおいて、同様の作業を繰り返すことにより、栽培室10B内全ての養液トレイ210及び栽培プレート220を、栽培室10B外を取り出すことができる。
このようにして、栽培プレート220が養液トレイ210に配置された状態で、1セットずつ搬送機構80により養液トレイ210及び栽培プレート220を搬送することができる。本実施形態では、栽培プレート220と共に養液トレイ210も回収できるので、養液トレイが栽培チャンバに据え置かれる場合に比べて、養液トレイ210の清掃が行いやすく、栽培チャンバ20B内を清潔に保つことができる。
また、栽培室10B外から栽培チャンバ20B内に、養液トレイ210及び栽培プレート220を配置して行く場合は、上述で説明したものと逆の手順で操作を行うことにより、栽培チャンバ20Bに複数の養液トレイ210及び複数の栽培プレート220を順次、所定の位置に配置することができる。
以上説明した本発明の栽培装置1Bによれば、上述の効果(1)~(4)に加えて、以下の効果を奏する。
(6)人工光型の植物工場で用いられる栽培装置1Bの栽培チャンバ20Bは、箱状部材で構成され、長手方向の一端側に栽培プレート220を出し入れするためのチャンバ開口部21と、該開口部21を開閉可能なチャンバ蓋部22と、を有するものとし、チャンバ蓋部22でチャンバ開口部21を閉じることにより、栽培チャンバ20Bを密閉状態とすることができるものとした。これにより、1つの栽培室10B内において、複数の栽培チャンバ20Bのそれぞれを異なる栽培環境で独立に制御することができる。また、複数の栽培チャンバ20B間で、環境の影響を受けにくくすることができるので、たとえ、1つの栽培チャンバ20Bに虫や菌等が発生しても、同じ栽培室10B内の他の栽培チャンバ20Bに虫や菌等の汚染が広がる可能性を低減することができる。
(7)人工光型の植物工場で用いられる栽培装置1Bは、栽培プレート220を搬送するための搬送機構80を更に備えるものとし、搬送機構80は、栽培チャンバ20B内に設けられ、栽培チャンバ20Bの長手方向に栽培プレート220を搬送するための搬送機810と、栽培チャンバ20Bのチャンバ開口部21が設けられた側に隣接して設けられ、栽培プレート220をチャンバ開口部21から出し入れして上下方向に搬送するための昇降機820と、を有するものとした。これにより、長尺で多段に積み上げられた栽培チャンバ20Bを備える栽培装置1Bであっても、搬送機構80により栽培プレート220を所望の位置に搬送することができる。
(8)搬送機構80の昇降機820は、栽培室10B内に設けるものとし、栽培室10Bは、長手方向のうち昇降機820が設けられた一端側に、栽培プレート220を出し入れするための栽培室開口部11及び該開口部11を開閉可能な栽培室蓋部12を有するものとした。これにより、栽培室開口部11及びチャンバ開口部21が同時に開状態とならないように搬送機構80を制御することによって、昇降機820が栽培室10B外に配置される場合に比べて、栽培チャンバ20Bの密閉性を更に高めることができる。よって、各栽培チャンバ20Bからの空気(特に二酸化炭素)の漏出及び栽培室10B外からの空気の混入を更に低減することができるので、1つの栽培室10B内において、複数の栽培チャンバ20Bのそれぞれを異なる栽培環境で独立に容易に制御することができる。また、密閉性が更に高まるので、栽培室10B外からの虫や菌の混入を更に低減できる。
(9)栽培装置1Bの養液トレイは、栽培プレート220と略同じ大きさで栽培プレート220を配置可能な矩形状トレイ210で構成されているものとし、搬送機構80は、栽培プレート220が矩形状トレイ210に配置された状態で、栽培プレート220及び矩形状トレイ219を搬送するものとした。これにより、栽培プレート220と共に養液トレイ210も回収できるので、養液トレイが栽培チャンバに据え置かれる場合に比べて、養液トレイ210の清掃が行いやすく、栽培チャンバ20B内を清潔に保つことができる。
以上、本発明の栽培装置の好ましい実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、上述の各実施形態では、栽培チャンバに供給される空気及び養液の流れ方向を同じ方向としたが、反対方向となるように各供給管及び各回収管を構成してもよい。
また、上述の各実施形態では、空気循環装置30及び養液循環装置40により栽培チャンバ20にそれぞれ供給される空気及び養液の流れ方向を、栽培チャンバ20の短手方向に沿わせたが、これに限らない。即ち、栽培チャンバにそれぞれ供給される空気及び養液の流れ方向を、栽培チャンバの長手方向に沿わせてもよい。
また、上述の各実施形態では、養液タンクが市水供給源と直接接続される構成や、二酸化炭素供給源として二酸化炭素ボンベを用いる構成を示したがこれに限らない。例えば、市水供給源と接続されるプラグと二酸化炭素供給源と接続されるプラグとをまとめて1本の栽培装置側プラグとして構成し、この栽培装置側プラグを、植物工場内に設けられる水及び二酸化炭素を供給可能な工場側プラグと接続することにより、栽培装置に水及び二酸化炭素が供給される構成としてもよい。
また、上述の各実施形態では、操作部、制御部及び表示部は、栽培装置に一体的に取り付けられる構成を示したが、これに限らない。例えば、各栽培装置には操作部、制御部及び表示部を設けずに、複数の栽培装置を個別に又は一括して集中制御できる操作部、制御部及び表示部を設けてもよい。尚、この操作部、制御部及び表示部は、栽培装置の設置場所とは離れた場所に設けてもよい。
また、上述の第2実施形態では、空気回収ダクト及び空気供給ダクトは、栽培室内の栽培チャンバの外側に設ける構成を一例として説明したがこれに限らない。栽培チャンバ内の密閉性を保てる限り、空気回収ダクト及び空気供給ダクトを栽培チャンバ内に配置してもよいし、栽培室外に配置してもよい。
また、上述の第2実施形態では、栽培プレートの搬送方法について、搬送機構により栽培プレートと共に養液トレイも搬送する例を示したがこれに限らない。養液トレイを栽培チャンバに据え置く構成とし、栽培プレートのみを搬送するように搬送機構を構成してもよい。
また、上述の第2実施形態では、搬送機構により養液トレイ及び栽培プレートを1セットずつ搬送する場合を示したが、複数セットずつ搬送するように搬送機構を構成してもよい。
また、上述の第2実施形態では、搬送機構の昇降機を栽培室内に配置する構成を示したが、これに限らない。昇降機を栽培室外に配置してもよい。
また、上述の第2実施形態では、搬送機構の搬送機及び昇降機において、栽培チャンバの長手方向の搬送手段として、複数のローラによるローラコンベア方式の構成を示したが、これに限らない。例えば、搬送手段として、ベルトコンベア方式やチェインコンベア方式等、他の方式を用いてもよい。
1A、1B 栽培装置
10A、10B 栽培室
20A、20B 栽培チャンバ
30 空気循環装置
40 養液循環装置
50 操作部
60 制御部
70 表示部
80 搬送機構
100 栽培棚
210 養液トレイ(矩形状トレイ)
220 栽培プレート
230 人工光源
370A 空気回収管
370B 空気回収ダクト
380 空気供給管
380B 空気供給ダクト
420 養液タンク
460 養液圧力ポンプ
470 養液回収管
480 養液供給管
810 搬送機
820 昇降機

Claims (13)

  1. 人工光型の植物工場で用いられる栽培装置であって、
    内部を密閉可能で、前記栽培装置が配置される、人が作業する作業室の環境から独立した、栽培環境を維持可能な栽培室と、
    前記栽培室内において上下方向に所定の間隔で区画されて形成される複数の栽培チャンバと、
    所定の条件に調整された空気を前記複数の栽培チャンバのそれぞれに所定の流速で供給し、該供給された空気を前記複数の栽培チャンバから回収して循環させる空気循環装置と、
    所定の条件に調整された養液を前記複数の栽培チャンバのそれぞれに所定の流速で供給し、該供給された養液を前記栽培チャンバから回収して循環させる養液循環装置と、を備え
    前記栽培チャンバは、チャンバ開口部と、該チャンバ開口部を開閉可能なチャンバ蓋部と、を有しており、前記チャンバ蓋部で前記チャンバ開口部を閉じることにより、前記栽培チャンバを密閉状態とすることができ、
    前記栽培室は、栽培室開口部及び該栽培室開口部を開閉可能な栽培室蓋部を有し、前記栽培チャンバ内が二重に密閉可能な、栽培装置。
  2. 前記所定の条件に調整された空気を前記複数の栽培チャンバのそれぞれに、変更可能な設定値の流速で供給する、
    請求項1に記載の栽培装置。
  3. 前記所定の条件に調整された養液を前記複数の栽培チャンバのそれぞれに、変更可能な設定値の流速で供給する、
    請求項1又は2に記載の栽培装置。
  4. 前記養液循環装置により前記栽培チャンバにそれぞれ供給される養液の流れ方向は、該栽培チャンバの短手方向に沿っている請求項1から3のいずれか1項に記載の栽培装置。
  5. 前記空気循環装置により前記栽培チャンバにそれぞれ供給される空気の流れ方向は、該栽培チャンバの短手方向に沿っている請求項1から4のいずれか1項に記載の栽培装置。
  6. 前記空気循環装置により前記栽培チャンバにそれぞれ供給される空気の流れ方向は、該栽培チャンバの上方から下方に沿っている請求項1から4のいずれか1項に記載の栽培装置。
  7. 複数の矩形状の栽培プレートを備えており、
    前記複数の栽培プレートは、短手方向が前記栽培チャンバの長手方向に沿うように、前記栽培チャンバに配置される請求項1から6のいずれか1項に記載の栽培装置。
  8. 前記栽培チャンバに配置され、養液を流し入れるための養液トレイを備え、
    前記養液トレイは、前記栽培プレートと略同じ大きさで該栽培プレートを配置可能な矩形状トレイで構成されており、
    複数の前記矩形状トレイは、短手方向が前記栽培チャンバの長手方向に沿うように、前記栽培チャンバに配置される請求項7に記載の栽培装置。
  9. 前記養液トレイは、養液の流れの下流側が下方になるように、前記栽培チャンバの短手方向について所定の角度で傾斜した傾斜面を備える請求項8に記載の栽培装置。
  10. 前記栽培チャンバは、箱状部材で構成され、長手方向の一端側に前記栽培プレートを出し入れするための前記チャンバ開口部と前記チャンバ蓋部とを有している、請求項7から9のいずれかに記載の栽培装置。
  11. 前記栽培プレートを搬送するための搬送機構を更に備えており、
    前記搬送機構は、
    前記栽培チャンバ内に設けられ、該栽培チャンバの長手方向に前記栽培プレートを搬送するための搬送機と、
    前記栽培チャンバの前記チャンバ開口部が設けられた側に隣接して設けられ、前記栽培プレートを前記チャンバ開口部から出し入れして上下方向に搬送するための昇降機と、
    を有する請求項10に記載の栽培装置。
  12. 前記昇降機は、前記栽培室内に設けられており、
    前記栽培室は、長手方向のうち前記昇降機が設けられた一端側に、前記栽培プレートを出し入れするための前記栽培室開口部及び前記栽培室蓋部を有する請求項11に記載の栽培装置。
  13. 前記栽培チャンバに配置され、養液を流し入れるための養液トレイは、前記栽培プレートと略同じ大きさで該栽培プレートを配置可能な矩形状トレイで構成されており、
    前記搬送機構は、前記栽培プレートが前記矩形状トレイに配置された状態で、栽培プレート及び矩形状トレイを搬送する請求項11又は12に記載の栽培装置。
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