JP7410491B2 - 浮遊培養用培地添加剤、培地組成物及び培養方法 - Google Patents
浮遊培養用培地添加剤、培地組成物及び培養方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7410491B2 JP7410491B2 JP2019199231A JP2019199231A JP7410491B2 JP 7410491 B2 JP7410491 B2 JP 7410491B2 JP 2019199231 A JP2019199231 A JP 2019199231A JP 2019199231 A JP2019199231 A JP 2019199231A JP 7410491 B2 JP7410491 B2 JP 7410491B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cells
- medium
- culture
- cnc
- cncs
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
本実施形態に係る浮遊培養用培地添加剤(以下、単に培地添加剤ということがある)は、セルロースナノクリスタル(以下、CNCということがある。)を含むものである。CNCは、非水溶性であり、水中での分散安定性に優れることから、液体培地中で細胞を浮遊させた状態に保持する効果を持つ。そのため、細胞を浮遊させて培養するための添加剤として用いることができる。
セルロースナノクリスタル(CNC)は、セルロースのウィスカー状結晶(針(ひげ)状結晶とも称される。)である。CNCは、一般に平均幅が3~50nm、平均長が100nm~数μm、平均アスペクト比が200未満、重合度が90~6000である剛直なウィスカー状の結晶であり、平均繊維径が3~100nm、平均繊維長が数μm以上、アスペクト比が数百以上である柔軟性を有する繊維状をなすセルロースナノファイバー(CNF)とは異なる。
培地添加剤は、CNCの水分散液でもよい。すなわち、培地添加剤は、CNCとともに水を含み、該水中にCNCを分散させたものであることが好ましい。培地添加剤が水分散液であることにより、液体培地中にCNCを容易に分散させることができる。なお、培地添加剤は、CNCのみで構成されてもよい。
本実施形態に係る培地組成物は、細胞を浮遊させて培養できる培地組成物であって、CNCを含むことを特徴とする。CNCとしては、上記1.で述べたものを用いることができる。すなわち、実施形態に係る培地組成物は、培地に上記浮遊培養用培地添加剤を添加し混合してなるものである。
本実施形態に係る細胞の培養方法は、上記培地組成物中で細胞を培養することを含む。具体的には、細胞を培地組成物中に均一に分散させるように混合し、得られた培養液を培養容器中で培養すればよい。培養容器としては、特に限定されず、例えば、フラスコ、ディッシュ、ペトリデッシュ、マルチウエルプレートなどが挙げられる。
DMEM、ペニシリン-ストレプトマイシン、ダルベッコリン酸緩衝液(DPBS)、カルセイン-AM、ヨウ化プロピジウムは富士フイルム和光純薬工業より購入した。超純水はMilli-Qシステム(Milli-Q Advantage A-10、Merck Millipore)で供給した。その他は、ナカライテスクより特級以上の試薬を購入し、使用した。
(1)CNC水分散液の調製
J.Arakiら,“Flow properties ofmicrocrystalline cellulose suspension prepared by acid treatment of nativecellulose”,Colloids and Surfaces A:Physicochemical and Engineering Aspects,1998年,142,75-82に記載の方法に従い、マボヤ由来のCNCを調製した。
(1)において調製したCNC水分散液を1%(w/v)に調整し、得られた水分散液250μLと、2×DMEM(2倍濃度のDMEM)250μLを1mLバイアル中で混合した。37℃で所定時間インキュベーションし、CNCの分散性を目視により経時的に観察した。
(1)において調製したCNC水分散液を0.005%(w/v)に調整し、得られた水分散液80μLをセルに加え、25℃で3分間静置した後に測定した。測定には、Zetasizer Nano ZSP(Malvern)を用い、温度:25℃、散乱角度:173°とし、Polystyrene Latexを標準試料としたキュムラント解析により流体力学直径を算出した。DLS測定は3回実施し(n=3)、その平均値を求めた。
(1)において調製したCNC水分散液を1%(w/v)、0.2%(w/v)に調整し、得られた1%(w/v)または0.2%(w/v)の水分散液1mLと、2×DMEM1mLとをそれぞれ2mLチューブ中で混合した。また、0.2%(w/v)セルロースナノファイバー水分散液(レオクリスタ、第一工業製薬)1mLと、2×DMEM1mLとを2mLチューブ中で混合した。このようにして調製した培地組成物について、音叉振動式粘度計(SV-1A、A&D、30Hz)を用い、測定温度は25℃として粘度を測定した。
HeLa細胞(JCRB細胞バンク)は、10%FBS、100U/mLのペニシリン、及び100μg/mLのストレプトマイシンを含んだDMEM中で、37℃、5%CO2条件下、10cmディッシュで培養し、約80%コンフルエントまで培養して継代した。継代は以下の操作により実施した:培地を除去し、10mLのDPBSをディッシュに加え穏やかに撹拌した。DPBSを除去し、0.5mg/mLのトリプシン溶液を1mL加えて全面に広げて37℃、5%CO2条件下で5分間インキュベーションした。DMEMを9mL加えて懸濁させ、新しいディッシュに0.3~1mL移し、全量が10mLとなるようDMEMを加えて穏やかに撹拌し、37℃、5%CO2条件下で培養した。
(5)において継代の際に用いなかった細胞懸濁液を15mLチューブに移し、遠心(500rpm、3分間)した。上清を取り除いた後、2×DMEMを10mL加えて懸濁し、遠心(同条件)する操作を3回繰り返した。細胞懸濁液と0.4%のトリパンブルー溶液を1:1(体積比)で混合した溶液を、血球計算盤にアプライして生細胞数をカウントし、細胞濃度が1.0×105個/mLとなるよう2×DMEMで希釈した。96穴プレート中で50μLの細胞懸濁液と50μLのCNC水分散液を混合し、37℃、5%CO2条件下で所定時間インキュベーションした。CNC水分散液としては、(1)で調製したものをオートクレーブ滅菌(121℃、20分)し、1.0%(w/v)に調整して用いた。培地交換は2日毎に、以下の操作により実施した:細胞培養液を1.5mLチューブに移し、1mLのDMEMを添加し、遠心(200g、5分間、25℃)した。上清を取り除いた後、全量が100μLとなるようDMEMを加えて再分散し、96穴プレートに移した。細胞の形態は蛍光顕微鏡(ZOE蛍光セルイメージャー、Bio-rad)の明視野モードにより観察した。
(6)に従い5日間浮遊培養した後の細胞培養液に、2μMのカルセイン-AMおよび4μMのヨウ化プロピジウムを含んだDPBS溶液を100μL添加し、37℃で15分間インキュベーションした。染色した細胞は蛍光顕微鏡(ZOE蛍光セルイメージャー、Bio-rad)により観察した。
(6)に従い5日間浮遊培養した後の細胞培養液を1.5mLチューブに移し、1mLのDPBSを添加して分散させた。分散液をナイロン製メッシュフィルター(孔径40μm、フナコシ)により濾過した。フィルター上に残った細胞を、フィルターの逆側から200μLのDPBSをフローすることで96穴プレートに回収し、その形態を蛍光顕微鏡(ZOE蛍光セルイメージャー、Bio-rad)の明視野モードにより観察した。
(1)CNCの分散安定性評価結果
CNCを血清培地(DMEM)中に分散させて所定時間(半日、1日、2日)静置した際の外観を図1に示す。2日間静置した場合にも目視によるCNCの沈降は観察されず、タンパク質や無機塩など様々な物質が共存する溶液中でもCNCは安定に分散できることがわかった。
CNC分散液のDLS測定の結果を図2に示す。主成分として1.2μm程度、副成分として6.4μm程度にピークが観測された。最大強度の粒子径は1226nmであった。
CNCをDMEM中に分散させた培地組成物の粘度を測定した。0.1%(w/v)の濃度のCNCを含む培地組成物は粘度が1.33±0.03mPa・sであった。この値は、CNCと同様に天然由来のセルロース集合体であるセルロースナノファイバーを0.1%(w/v)含む培地組成物の粘度(2.99±0.34mPa・s)より低かった。さらに、浮遊培養に用いた0.5%(w/v)の濃度のCNCを含む培地組成物では、粘度が6.79±0.72mPa・sであり、0.1%(w/v)の場合とオーダーは変わらず、低粘度であることがわかった。
CNCを含む培地中で細胞を1日間、培養した際の培養液中の顕微鏡像を図3に示す。1日後も細胞は沈降することなく培養液中に観察されたことから、CNCを含む培地を用いることで、細胞を培養液中に三次元的に保持し、培養できることがわかった。
培養したHeLa細胞のスフェロイドを回収した後の顕微鏡像を図5に示す。図5は、回収後、プレート底面に沈降したスフェロイドの顕微鏡像である。培養後の分散液は、希釈し、ピペット操作により分散させることで自然濾過することができた。そのため、培養したスフェロイドよりも小さく、かつCNCよりも大きな孔径(40μm)をもつメッシュフィルターを用いて濾過することで、スフェロイドのみをフィルター上に分離し、回収することができた。
Claims (2)
- 細胞を浮遊させて培養できる浮遊培養用培地組成物であって、セルロースのウィスカー状結晶であるセルロースナノクリスタルを含み、
前記培地組成物におけるセルロースナノクリスタルの濃度が0.5~2%(w/v)であり、
前記セルロースナノクリスタルは水分散液における動的光散乱法により測定される最大強度の粒子径が0.8~3.0μmである、浮遊培養用培地組成物。 - 請求項1に記載の培地組成物中で細胞を浮遊させて培養することを含む、細胞の培養方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2019199231A JP7410491B2 (ja) | 2019-10-31 | 2019-10-31 | 浮遊培養用培地添加剤、培地組成物及び培養方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2019199231A JP7410491B2 (ja) | 2019-10-31 | 2019-10-31 | 浮遊培養用培地添加剤、培地組成物及び培養方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2021069340A JP2021069340A (ja) | 2021-05-06 |
| JP7410491B2 true JP7410491B2 (ja) | 2024-01-10 |
Family
ID=75711677
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2019199231A Active JP7410491B2 (ja) | 2019-10-31 | 2019-10-31 | 浮遊培養用培地添加剤、培地組成物及び培養方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP7410491B2 (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019141107A (ja) | 2014-01-23 | 2019-08-29 | 日産化学株式会社 | 培地組成物 |
-
2019
- 2019-10-31 JP JP2019199231A patent/JP7410491B2/ja active Active
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019141107A (ja) | 2014-01-23 | 2019-08-29 | 日産化学株式会社 | 培地組成物 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2021069340A (ja) | 2021-05-06 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP7619385B2 (ja) | 培地組成物 | |
| TWI671406B (zh) | 維持未分化性之培養材料 | |
| WO2021009778A2 (en) | Methods for culturing mesenchymal stem cells, products thereof, and applications thereof | |
| US12448407B2 (en) | Medium additive for suspension culture, medium composition and culture method | |
| CN115806682A (zh) | 制备微珠用于向靶标提供生物活性物质以及化学阴离子改性纳米原纤维纤维素的用途 | |
| JP6499975B2 (ja) | 幹細胞用培地 | |
| WO2017199737A1 (ja) | 培養細胞の回収方法および培養細胞分散液 | |
| JP7410491B2 (ja) | 浮遊培養用培地添加剤、培地組成物及び培養方法 | |
| JP6758371B2 (ja) | 細胞の培養方法および培養液 | |
| CN119193479B (zh) | 一种间充质干细胞培养多孔微载体及其制备方法和应用 | |
| WO2025154803A1 (ja) | 細胞を均一に播種する方法 | |
| CN121079396A (zh) | 组合物 | |
| Liu et al. | Development of a biodegradable smooth-surface microcarrier for retinal pigment epithelial cell expansion and maturation |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191125 |
|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220914 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230818 |
|
| RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20230822 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230829 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20231023 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20231205 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20231213 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7410491 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |