[工作機械及び測定システムの全体構成]
図1は、本発明の測定装置14を備える測定システム10の概略図である。図1に示すように、測定システム10は、工作機械91の互いに直交する3軸方向(X方向、Y方向、及びZ方向)の位置決め精度及び真直度を自動で測定する。なお、本実施形態ではX方向及びY方向が水平方向であり且つZ方向が上下方向(高さ方向)である。
工作機械91は、加工ツールを保持し駆動する加工ツール部92と、被加工物を載せる載置台93と、NCコントローラ97と、を備える。
加工ツール部92はZ方向に移動可能であり、載置台93はX方向及びY方向に移動可能である。なお、加工ツール部92及び載置台93の一方に対して他方が3軸方向に相対移動可能であれば、加工ツール部92及び載置台93の移動の有無及び移動方向は特に限定はされない。また、載置台93には、工作機械91の3軸方向の位置決め精度及び真直度の測定に用いられるX外部再帰反射器171、Y外部再帰反射器172(図2参照)、及びZ外部再帰反射器173がセットされる。
NCコントローラ97は、コンピュータ31の制御の下、加工ツール部92及び載置台93の移動を制御する。このNCコントローラ97は、加工ツール部92及び載置台93の各々の移動機構(不図示)に対して各方向に所定の移動量だけ移動するように指示する。各移動機構は、NCコントローラ97に基づいて各移動機構を駆動することで、加工ツール部92をZ方向に移動し且つ載置台93をXY方向に移動する。
測定システム10は、NCコントローラ97からの指示に応じて、加工ツール部92及び載置台93の一方に対して他方が3軸方向にそれぞれ実際に移動した移動量を測定する。これにより、測定システム10は、3軸方向の各方向においてNCコントローラ97からの指示と移動機構の動作との誤差を測定して、工作機械91の3軸方向の位置決め精度の測定を行う。
また、測定システム10は、3軸方向の位置決め精度の測定を行う際に、加工ツール部92及び載置台93の各々の移動方向に対する垂直方向の変位を測定することで工作機械91の3軸方向の真直度を測定する。すなわち測定システム10は、X方向の位置決め精度及び真直度の同時測定と、Y方向の位置決め精度及び真直度の同時測定と、Z方向の位置決め精度及び真直度の同時測定と、を順番に行う。
測定システム10は、コンピュータ31を工作機械91と共用すると共に、レーザ光源11、測定装置14、真直度用信号処理ユニット15、位置決め精度用信号処理ユニット16、及び切替コントローラ32を備える。
コンピュータ31は、データ通信ケーブル33を介して、レーザ光源11、真直度用信号処理ユニット15、位置決め精度用信号処理ユニット16、切替コントローラ32、及びNCコントローラ97の各部と接続されており、各部との間で制御信号及びデータ等の送受信を行う。コンピュータ31は、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、コンピュータ31の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
コンピュータ31のプロセッサは、不図示の記憶部に記憶された測定プログラムを実行することで、レーザ光源11、真直度用信号処理ユニット15、位置決め精度用信号処理ユニット16、切替コントローラ32、及びNCコントローラ97を制御する。
レーザ光源11は、光ファイバ124を介して測定装置14に接続している。レーザ光源11は、後述の図3に示すように、工作機械91の位置決め精度測定用の第1レーザビームL1と真直度測定用の第2レーザビームL2とを測定装置14へ出射する。第1レーザビームL1及び第2レーザビームL2は、例えば、He-Neレーザ等の可干渉距離の長いレーザ光が用いられる。なお、本実施形態では、単一のレーザ光源11から第1レーザビームL1及び第2レーザビームL2が出射されるが、第1レーザビームL1を出射するレーザ光源11と第2レーザビームL2を出射するレーザ光源11とを個別に設けてもよい。
真直度用信号処理ユニット15は、電気ケーブル35を介して測定装置14と接続している。この真直度用信号処理ユニット15は、詳しくは後述するが、測定装置14から入力される信号に基づき工作機械91の3軸方向の真直度を検出する。
位置決め精度用信号処理ユニット16は、光ファイバ122を介して測定装置14と接続している。この位置決め精度用信号処理ユニット16は、詳しくは後述するが、測定装置14から入力される信号に基づき工作機械91の3軸方向の位置決め精度を検出する。
切替コントローラ32は、電気ケーブル35を介して測定装置14と接続している。切替コントローラ32は、コンピュータ31の制御の下、後述の図3に示す測定装置14内の第1偏光変換部121及び第2偏光変換部123の制御を行う。
図2は、X外部再帰反射器171、Y外部再帰反射器172、Z外部再帰反射器173、及び測定装置14の斜視図である。図2に示すように、X外部再帰反射器171(第3外部再帰反射器に相当)、Y外部再帰反射器172(第1外部再帰反射器に相当)、及びZ外部再帰反射器173(第2外部再帰反射器に相当)は、例えばコーナキューブプリズムのようなリトロリフレクタであり(後述の他の各種再帰反射器も同様)、載置台93上にセットされる。
X外部再帰反射器171は、工作機械91のX方向の位置決め精度、すなわち載置台93のX方向の位置決め精度の測定に用いられる。また、X外部再帰反射器171は、工作機械91のX方向の真直度、すなわち載置台93をX方向に移動させた場合のY方向及びZ方向の変位の測定に用いられる。
Y外部再帰反射器172は、工作機械91のY方向の位置決め精度、すなわち載置台93のY方向の位置決め精度の測定に用いられる。また、Y外部再帰反射器172は、工作機械91のY方向の真直度、すなわち載置台93をY方向に移動させた場合のX方向及びZ方向の変位の測定に用いられる。
Z外部再帰反射器173は、工作機械91のZ方向の位置決め精度、すなわち加工ツール部92のZ方向の位置決め精度の測定に用いられる。また、Z外部再帰反射器173は、工作機械91のZ方向の真直度、すなわち加工ツール部92をZ方向に移動させた場合のX方向及びY方向の変位の測定に用いられる。
なお、X外部再帰反射器171及びY外部再帰反射器172の位置は、取り付け補助具174により、測定装置14から出射される第1レーザビームL1及び第2レーザビームL2のZ方向の高さに合わせて調整されている。
[測定装置の構成]
図3は、測定装置14の構成を示す概略図である。なお、X方向の一方向側を+X方向側としこの一方向側とは反対側の他方向側を-X方向側とする。また、Y方向の一方向側を+Y方向側とし他方向側を-Y方向側とし、Z方向の一方向側を+Z方向側とし他方向側を-Z方向側とする。
図3に示すように、測定装置14は、第1出射口11A及び第2出射口11Bと、第1偏光ビームスプリッタ101Aと、第2偏光ビームスプリッタ103Aと、第3偏光ビームスプリッタ105Aと、第4偏光ビームスプリッタ107Aと、共通再帰反射器101Bと、再帰反射器103B,105B,107Bと、1/4波長板103C,105C,107Cと、第1偏光変換部121及び第2偏光変換部123と、レシーバ部127と、第5偏光ビームスプリッタ125Aと、補正用フォトディテクタ125Bと、測定用フォトディテクタ125Cと、を備える。
第1出射口11A及び第2出射口11Bは、本発明の光出射部に相当するものであり、それぞれが光ファイバ124を介してレーザ光源11に接続されている。第1出射口11A及び第2出射口11Bは、図3中では簡略的に図示しているが、Y方向及びZ方向において互いに異なる位置に設けられている。例えば、第1出射口11AはX軸(基準軸、主軸)に対してZ方向に偏心した位置に設けられている。また、第2出射口11BはX軸に対してY方向に偏心した位置に設けられている。なお、第1出射口11A及び第2出射口11Bの位置については適宜変更してもよい。
第1出射口11Aは、+X方向側に沿って第1レーザビームL1を出射する。第2出射口11Bは、+X方向側に沿って第2レーザビームL2を出射する。
第1出射口11A及び第2出射口11Bから+X方向側(X軸)に沿って、第1偏光ビームスプリッタ101Aと、第2偏光ビームスプリッタ103Aと、第3偏光ビームスプリッタ105Aと、第4偏光ビームスプリッタ107Aと、が設けられている。
以下、偏光方向が互いに直交する直線偏光のうちで偏光方向がY方向である直線偏光を第1偏光といい且つ偏光方向がZ方向である直線偏光を第2偏光という。なお、第1偏光は、第1偏光ビームスプリッタ101A、第2偏光ビームスプリッタ103A、及び第5偏光ビームスプリッタ125Aに対しては所謂P偏光となり、且つ第3偏光ビームスプリッタ105A及び第4偏光ビームスプリッタ107Aに対して所謂S偏光となる。また逆に、第2偏光は、第1偏光ビームスプリッタ101A、第2偏光ビームスプリッタ103A、及び第5偏光ビームスプリッタ125Aに対しては所謂S偏光となり、且つ第3偏光ビームスプリッタ105A及び第4偏光ビームスプリッタ107Aに対して所謂P偏光となる。
第1偏光ビームスプリッタ101A(第1偏光分離素子に相当)は、X方向及びY方向において各レーザビームL1,L2の第1偏光を透過する。また、第1偏光ビームスプリッタ101Aは、-X方向側(第1出射口11A及び第2出射口11B側)から入射した各レーザビームL1,L2の第2偏光を-Y方向側(共通再帰反射器101B側)に反射(出射)する。さらに、第1偏光ビームスプリッタ101Aは、-Y方向側から入射した各レーザビームL1,L2の第2偏光を-X方向側へ反射(出射)する。
共通再帰反射器101Bは、第1偏光ビームスプリッタ101Aに対して-Y方向側に対向する位置に設けられている。この共通再帰反射器101Bは、+Y方向側(第1偏光ビームスプリッタ101A)側から入射した各レーザビームL1,L2の第2偏光を、+Y方向側へ再帰反射(出射)する。
第2偏光ビームスプリッタ103A(第2偏光分離素子に相当)は、Y外部再帰反射器172に対して-Y方向側に対向する位置に設けられている。この第2偏光ビームスプリッタ103Aは、X方向及びY方向において各レーザビームL1,L2の第1偏光を透過する。また、第2偏光ビームスプリッタ103Aは、-X方向側(第1偏光ビームスプリッタ101A側)から入射した各レーザビームL1,L2の第2偏光を+Y方向側(Y外部再帰反射器172)に向けて反射(出射)する。さらに、第2偏光ビームスプリッタ103Aは、+Y方向側から入射した各レーザビームL1,L2の第2偏光を-X方向側へ反射(出射)する。
再帰反射器103B(第1再帰反射器に相当)は、第2偏光ビームスプリッタ103Aに対して-Y方向側に対向する位置に設けられている。この再帰反射器103Bは、詳しくは後述するが、+Y方向側(第2偏光ビームスプリッタ103A)側から入射した第2レーザビームL2の第2偏光を+Y方向側へ再帰反射(出射)する(図8参照)。
1/4波長板103C(第1偏光変換素子に相当)は、第2偏光ビームスプリッタ103AとY外部再帰反射器172との間の第2レーザビームL2(第1偏光、第2偏光)の光路上の2箇所であって且つ第1レーザビームL1の光路上からは外れた位置に設けられている。
具体的には1/4波長板103Cは、第2偏光ビームスプリッタ103AからY外部再帰反射器172へ反射される第2レーザビームL2(第1偏光、第2偏光)の光路上と、Y外部再帰反射器172から第2偏光ビームスプリッタ103Aへ再帰反射される第2レーザビームL2(第1偏光、第2偏光)の光路上とに設けられている。これにより、1/4波長板103Cは、詳しくは後述するが、第2偏光ビームスプリッタ103AからY外部再帰反射器172を経て再び第2偏光ビームスプリッタ103Aに入射する第2レーザビームL2のみの偏光状態を、第1偏光及び第2偏光の一方から他方に変換する(図8等参照)。なお、本明細書において「A及びBの一方から他方」には「A及びBの他方から一方」も含まれる。
第3偏光ビームスプリッタ105A(第3偏光分離素子に相当)は、Z外部再帰反射器173に対して-Z方向側に対向する位置に設けられている。この第3偏光ビームスプリッタ105Aは、X方向及びZ方向において各レーザビームL1,L2の第2偏光を透過する。また、第3偏光ビームスプリッタ105Aは、-X方向側(第2偏光ビームスプリッタ103A側)から入射した各レーザビームL1,L2の第1偏光を+Z方向側(Z外部再帰反射器173)に向けて反射(出射)する。さらに、第3偏光ビームスプリッタ105Aは、+Z方向側から入射した各レーザビームL1,L2の第1偏光を-X方向側へ反射(出射)する。
再帰反射器105B(第2再帰反射器に相当)は、第3偏光ビームスプリッタ105Aに対して-Z方向側に対向する位置に設けられている。この再帰反射器105Bは、詳しくは後述するが、+Z方向側(第3偏光ビームスプリッタ105A)側から入射した第2レーザビームL2の第2偏光を+Z方向側へ再帰反射(出射)する(図10参照)。
1/4波長板105C(第2偏光変換素子に相当)は、第3偏光ビームスプリッタ105AとZ外部再帰反射器173との間の第2レーザビームL2(第1偏光、第2偏光)の光路上の2箇所であって且つ第1レーザビームL1の光路上からは外れた位置に設けられている。
具体的には1/4波長板105Cは、第3偏光ビームスプリッタ105AからZ外部再帰反射器173へ反射される第2レーザビームL2(第1偏光、第2偏光)の光路上と、Z外部再帰反射器173から第3偏光ビームスプリッタ105Aへ再帰反射される第2レーザビームL2(第1偏光、第2偏光)の光路上とに設けられている。これにより、詳しくは後述するが、1/4波長板105Cは、第3偏光ビームスプリッタ105AからZ外部再帰反射器173を経て再び第3偏光ビームスプリッタ105Aに入射する第2レーザビームL2のみの偏光状態を、第1偏光及び第2偏光の一方から他方に変換する(図10参照)。
第4偏光ビームスプリッタ107A(第4偏光分離素子に相当)は、X外部再帰反射器171に対して-X方向側に対向する位置に設けられている。この第4偏光ビームスプリッタ107Aは、X方向及びZ方向において各レーザビームL1,L2の第2偏光を透過する。また、第4偏光ビームスプリッタ107Aは、+X方向側(X外部再帰反射器171側)から入射した第2レーザビームL2の第1偏光を-Z方向側(再帰反射器107B側)に向けて反射(出射)し、且つ-Z方向側から入射した第2レーザビームL2の第1偏光を+X方向側に向けて反射(出射)する。
再帰反射器107B(第3再帰反射器に相当)は、第4偏光ビームスプリッタ107Aに対して-Z方向側に対向する位置に設けられている。この再帰反射器107Bは、詳しくは後述するが、+Z方向側(第4偏光ビームスプリッタ107A)側から入射した第1レーザビームL1の第2偏光を+Z方向側へ再帰反射(出射)する(図10参照)。
1/4波長板107C(第3偏光変換素子に相当)は、第4偏光ビームスプリッタ107AとX外部再帰反射器171との間の第2レーザビームL2(第1偏光、第2偏光)の光路上の2箇所であって且つ第1レーザビームL1の光路上からは外れた位置に設けられている。
具体的には1/4波長板107Cは、第4偏光ビームスプリッタ107AからX外部再帰反射器171へ出射される第2レーザビームL2(第1偏光、第2偏光)の光路上と、X外部再帰反射器171から第4偏光ビームスプリッタ107Aへ再帰反射される第2レーザビームL2(第1偏光、第2偏光)の光路上とに設けられている。これにより、詳しくは後述するが、1/4波長板107Cは、第4偏光ビームスプリッタ107AからX外部再帰反射器171を経て再び第4偏光ビームスプリッタ107Aに入射する第2レーザビームL2のみの偏光状態を、第1偏光及び第2偏光の一方から他方に変換する(図6参照)。
第1偏光変換部121及び第2偏光変換部123は、X外部再帰反射器171、Y外部再帰反射器172、及びZ外部再帰反射器173に対する第1レーザビームL1及び第2レーザビームL2の出射切替を行う。すなわち、第1偏光変換部121及び第2偏光変換部123は、各外部再帰反射器171~173に対して選択的に第1レーザビームL1及び第2レーザビームL2を入射させる。
第1偏光変換部121は、第1偏光ビームスプリッタ101Aと第2偏光ビームスプリッタ103Aとの間において、各レーザビームL1,L2の偏光状態を第1偏光及び第2偏光の一方から他方に変換する偏光変換状態と、偏光状態を維持する偏光維持状態とに切替可能である。この第1偏光変換部121は、第1の1/2波長板121A(第1共通偏光変換素子に相当)とアクチュエータ121B(第1挿脱部に相当)とを備える。
アクチュエータ121Bは、第1偏光ビームスプリッタ101Aと第2偏光ビームスプリッタ103Aとの間に対して第1の1/2波長板121Aを挿脱自在に保持する。アクチュエータ121Bは、偏光変換状態においては、第1の1/2波長板121Aを第1偏光ビームスプリッタ101Aと第2偏光ビームスプリッタ103Aとの間に挿入する。これにより、第1偏光ビームスプリッタ101A及び第2偏光ビームスプリッタ103Aの一方から他方に入射する各レーザビームL1,L2の偏光状態が第1偏光及び第2偏光の一方から他方に変換される。
また逆にアクチュエータ121Bは、偏光維持状態においては、第1の1/2波長板121Aを第1偏光ビームスプリッタ101Aと第2偏光ビームスプリッタ103Aとの間から退避させる。これにより、第1偏光ビームスプリッタ101A及び第2偏光ビームスプリッタ103Aの一方から他方に入射する各レーザビームL1,L2の偏光状態が維持される。
第2偏光変換部123は、第2偏光ビームスプリッタ103Aと第3偏光ビームスプリッタ105Aとの間において、既述の偏光変換状態と偏光維持状態とに切替可能である。この第2偏光変換部123は、第2の1/2波長板123A(第2共通偏光変換素子に相当)とアクチュエータ123B(第2挿脱部に相当)とを備える。
アクチュエータ123Bは、第2偏光ビームスプリッタ103Aと第3偏光ビームスプリッタ105Aとの間に対して第2の1/2波長板123Aを挿脱自在に保持する。アクチュエータ123Bは、偏光変換状態においては、第2の1/2波長板123Aを第2偏光ビームスプリッタ103Aと第3偏光ビームスプリッタ105Aとの間に挿入する。これにより、第2偏光ビームスプリッタ103A及び第3偏光ビームスプリッタ105Aの一方から他方に入射する各レーザビームL1,L2の偏光状態が第1偏光及び第2偏光の一方から他方に変換される。
また逆にアクチュエータ123Bは、偏光維持状態においては、第2の1/2波長板123Aを第2偏光ビームスプリッタ103Aと第3偏光ビームスプリッタ105Aとの間から退避させる。これにより、第2偏光ビームスプリッタ103A及び第3偏光ビームスプリッタ105Aの一方から他方に入射する各レーザビームL1,L2の偏光状態が維持される。
アクチュエータ121B,123Bの駆動、すなわち第1偏光変換部121及び第2偏光変換部123の偏光変換状態と偏光維持状態との切り替えは、コンピュータ31の制御の下で切替コントローラ32により実行される。コンピュータ31は、X方向の工作機械91の位置決め精度及び真直度の同時測定(以下、単にX方向の同時測定と略す)を行う場合には、切替コントローラ32により第1偏光変換部121を偏光維持状態に切り替えると共に第2偏光変換部123を偏光変換状態に切り替える。これにより、測定装置14から各レーザビームL1,L2がX外部再帰反射器171に照射される(図4及び図6参照)。
また、コンピュータ31は、Y方向の工作機械91の位置決め精度及び真直度の同時測定(以下、単にY方向の同時測定と略す)を行う場合には、切替コントローラ32により第1偏光変換部121を偏光変換状態に切り替えると共に第2偏光変換部123を偏光維持状態に切り替える。これにより、測定装置14から各レーザビームL1,L2がY外部再帰反射器172に照射される(図7及び図8参照)。
さらに、コンピュータ31は、Z方向の工作機械91の位置決め精度及び真直度の同時測定(以下、単にZ方向の同時測定と略す)を行う場合には、切替コントローラ32により第1偏光変換部121及び第2偏光変換部123を偏光維持状態に切り替える。これにより、測定装置14から各レーザビームL1,L2がZ外部再帰反射器173に照射される(図9及び図10参照)。
<X方向の同時測定:第1レーザビーム>
図4は、X方向の同時測定における第1レーザビームL1の光線図である。なお、図4では第2レーザビームL2の図示は省略している。また、図4の符号300は測定装置14を+Z方向側から見た上面図であり、符号400は測定装置14を-Y方向側から見た側面図である(後述の図6、図7~図10も同様)。
図4に示すように、第1出射口11Aから+X方向側に出射された第1レーザビームL1は第1偏光ビームスプリッタ101Aにより偏光分離される。以下、第1偏光ビームスプリッタ101Aを透過する第1レーザビームL1の第1偏光を「第1測定光L1M」(図中実線で表示)といい、第1偏光ビームスプリッタ101Aにて-Y方向側に反射される第1レーザビームL1の第2偏光を「第1参照光L1R」(図中点線で表示)という。
第1参照光L1Rは、第1偏光ビームスプリッタ101Aにより共通再帰反射器101Bに向けて反射され、共通再帰反射器101Bにより第1偏光ビームスプリッタ101Aに向けて再帰反射され、さらに第1偏光ビームスプリッタ101Aにより-X方向側に反射される。第1参照光L1Rが共通再帰反射器101Bにより再帰反射されることで、第1偏光ビームスプリッタ101Aに対する第1レーザビームL1の入射位置と、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される第1参照光L1Rの出射位置とは、X軸に対して点対称の関係を満たす。
第1測定光L1M(第1偏光)は、第1偏光ビームスプリッタ101Aを透過した後、第2偏光ビームスプリッタ103Aを透過して第2の1/2波長板123Aに入射する。これにより、第1測定光L1M(第1偏光)の偏光状態が第1偏光から第2偏光に変換される。そして、第2の1/2波長板123Aを透過した第1測定光L1M(第2偏光)は、第3偏光ビームスプリッタ105A及び第4偏光ビームスプリッタ107Aを透過してX外部再帰反射器171に入射する。
図5は、X外部再帰反射器171を+X方向側から見た正面図である。なお、図5中の符号F1はX外部再帰反射器171への第1測定光L1M(第2偏光)の入射位置であり、符号F2はX外部再帰反射器171から出射される第1測定光L1M(第2偏光)の出射位置を示す。また、詳しくは後述の図6で説明するが、符号G1はX外部再帰反射器171への第2測定光L2M(第2偏光)の入射位置であり、符号G2はX外部再帰反射器171から出射される第2測定光L2M(第2偏光)の出射位置を示す。また、図中の符号COは、X外部再帰反射器171の中心位置(X軸)を示す。
X外部再帰反射器171の位置F1に入射した第1測定光L1M(第2偏光)は、X外部再帰反射器171にて再帰反射されることで、中心位置CO(X軸)を基準として位置F1の点対称の位置F2から-X方向側に出射される。
図4に戻って、X外部再帰反射器171にて再帰反射された第1測定光L1M(第2偏光)は、第4偏光ビームスプリッタ107A及び第3偏光ビームスプリッタ105Aを透過して第2の1/2波長板123Aに入射する。これにより、第1測定光L1M(第2偏光)の偏光状態が第2偏光から第1偏光に変換される。
第2の1/2波長板123Aを透過した第1測定光L1M(第1偏光)は、第2偏光ビームスプリッタ103A及び第1偏光ビームスプリッタ101Aを透過して、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される。図5に示したように第1測定光L1MがX外部再帰反射器171により再帰反射されることで、第1偏光ビームスプリッタ101Aに対する第1レーザビームL1の入射位置と、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される第1測定光L1Mの出射位置とは、X軸に対して点対称の関係を満たす。従って、第1測定光L1M及び第1参照光L1Rは、第1偏光ビームスプリッタ101Aの同じ出射位置から-X方向側に出射されて、後述のレシーバ部127に入射する。
<X方向の同時測定:第2レーザビーム>
図6は、X方向の同時測定時における第2レーザビームL2の光線図である。なお、図6では第1レーザビームL1の図示は省略している。
図6及び既述の図5に示すように、第2出射口11Bから+X方向側に出射された第2レーザビームL2は第1偏光ビームスプリッタ101Aにて偏光分離される。以下、第1偏光ビームスプリッタ101Aを透過する第2レーザビームL2の第1偏光を「第2測定光L2M」(図中実線表示)といい、第1偏光ビームスプリッタ101Aにて-Y方向側に反射される第2レーザビームL2の第2偏光を「第2参照光L2R」(図中点線表示)という。
第2参照光L2Rは、第1参照光L1Rと同様に、第1偏光ビームスプリッタ101Aから共通再帰反射器101Bを経て第1偏光ビームスプリッタ101Aにより-X方向側に反射される。第2参照光L2Rが共通再帰反射器101Bにより再帰反射されることで、第1偏光ビームスプリッタ101Aに対する第2レーザビームL2の入射位置と、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される第2参照光L2Rの出射位置とは、X軸に対して点対称の関係を満たす。
第2測定光L2M(第1偏光)は、第1偏光ビームスプリッタ101A及び第2偏光ビームスプリッタ103Aを透過した後、第2の1/2波長板123Aに入射する。これにより、第2測定光L2M(第1偏光)の偏光状態が第1偏光から第2偏光に変換される。そして、第2の1/2波長板123Aを透過した第2測定光L2M(第2偏光)は、第3偏光ビームスプリッタ105A及び第4偏光ビームスプリッタ107Aを透過する。
第4偏光ビームスプリッタ107Aを透過した第2測定光L2M(第2偏光)は、1/4波長板107Cを透過し、X外部再帰反射器171の位置G1に入射し、X外部再帰反射器171にて再帰反射されることで中心位置CO(X軸)を基準として位置G1の点対称の位置G2から-X方向側に出射されて再び1/4波長板107Cを透過する。この際に、第2測定光L2M(第2偏光)は、第4偏光ビームスプリッタ107AとX外部再帰反射器171との間で1/4波長板107Cを2回透過することで、偏光状態が第2偏光から第1偏光に変換される。
1/4波長板107Cを透過した第2測定光L2M(第1偏光)は、第4偏光ビームスプリッタ107Aにより再帰反射器107Bに向けて反射され、再帰反射器107Bにより第4偏光ビームスプリッタ107Aに向けて再帰反射され、さらに第4偏光ビームスプリッタ107AによりX外部再帰反射器171に向けて反射される。これにより、第2測定光L2M(第1偏光)は、1/4波長板107Cを透過し、X外部再帰反射器171にて再帰反射されて再び1/4波長板107Cを透過する。これにより、第2測定光L2M(第1偏光)は、再び1/4波長板107Cを2回透過することで、偏光状態が第1偏光から第2偏光に変換される。その結果、第2測定光L2M(第2偏光)は、X外部再帰反射器171にて2回再帰反射された後、第4偏光ビームスプリッタ107Aを透過して-X方向側に進行する。
第4偏光ビームスプリッタ107Aを透過した第2測定光L2M(第2偏光)は、第3偏光ビームスプリッタ105Aを透過して第2の1/2波長板123Aに入射する。これにより、第2測定光L2M(第2偏光)の偏光状態が第2偏光から第1偏光に変換される。
第2の1/2波長板123Aを透過した第2測定光L2M(第1偏光)は、第2偏光ビームスプリッタ103A及び第1偏光ビームスプリッタ101Aを透過して、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される。
第2測定光L2MがX外部再帰反射器171により再帰反射されることで、第1偏光ビームスプリッタ101Aに対する第2レーザビームL2の入射位置と、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される第2測定光L2M(第1偏光)の出射位置とは、X軸に対して略点対称の関係を満たす。なお、略点対称とは、後述の図12に示すようにX外部再帰反射器171がYZ方向に変位した場合に完全な点対称にならないことである。
従って、第2測定光L2M及び第2参照光L2Rは、第1偏光ビームスプリッタ101Aの略同一の出射位置であって且つ既述の第1測定光L1M及び第1参照光L1Rの出射位置とは異なる位置から-X方向側に出射されて、後述の第5偏光ビームスプリッタ125Aに入射する。
<Y方向の同時測定:第1レーザビーム>
図7は、Y方向の同時測定時における第1レーザビームL1の光線図である。なお、図7では第2レーザビームL2の図示は省略している。
図7に示すように、第1出射口11Aから+X方向側に出射された第1レーザビームL1は第1偏光ビームスプリッタ101Aにより第1測定光L1Mと第1参照光L1Rとに偏光分離される。第1参照光L1Rは、既述の図4に示した第1参照光L1Rの経路と同じ経路を辿って、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される。
第1偏光ビームスプリッタ101Aを透過した第1測定光L1M(第1偏光)は、第1の1/2波長板121Aに入射する。これにより、第1測定光L1M(第1偏光)の偏光状態が第1偏光から第2偏光に変換される。そして、第1の1/2波長板121Aを透過した第1測定光L1M(第2偏光)は、第2偏光ビームスプリッタ103Aに入射し、第2偏光ビームスプリッタ103AによりY外部再帰反射器172に向けて反射される。
Y外部再帰反射器172に入射した第1測定光L1M(第2偏光)は、Y外部再帰反射器172により再帰反射された後、第2偏光ビームスプリッタ103Aに入射し、この第2偏光ビームスプリッタ103Aにより第1の1/2波長板121Aに向けて-X方向側に反射される。第1の1/2波長板121Aに入射した第1測定光L1M(第2偏光)は、偏光状態が第2偏光から第1偏光に変換される。
第1の1/2波長板121Aを透過した第1測定光L1M(第1偏光)は、既述の図4に示した第1測定光L1M(第1偏光)の経路と同じ経路を辿って、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される。これにより、第1測定光L1M及び第1参照光L1Rは、第1偏光ビームスプリッタ101Aの同じ出射位置から-X方向側に出射されて、後述のレシーバ部127に入射する。
<Y方向の同時測定:第2レーザビーム>
図8は、Y方向の同時測定時における第2レーザビームL2の光線図である。なお、図8では第1レーザビームL1の図示は省略している。
図8に示すように、第2出射口11Bから+X方向側に出射された第2レーザビームL2は第1偏光ビームスプリッタ101Aにて第2測定光L2Mと第2参照光L2Rとに偏光分離される。第2参照光L2Rは、既述の図6に示した第2参照光L2Rの経路と同じ経路を辿って、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される。
第1偏光ビームスプリッタ101Aを透過した第2測定光L2M(第1偏光)は、第1の1/2波長板121Aに入射する。これにより、第2測定光L2M(第1偏光)の偏光状態が第1偏光から第2偏光に変換される。そして、第1の1/2波長板121Aを透過した第2測定光L2M(第2偏光)は、第2偏光ビームスプリッタ103Aに入射し、第2偏光ビームスプリッタ103AによりY外部再帰反射器172に向けて反射される。
第2偏光ビームスプリッタ103Aにより反射された第2測定光L2M(第2偏光)は、1/4波長板103Cを透過し、Y外部再帰反射器172に入射し、このY外部再帰反射器172により再帰反射されることで-Y方向側に出射されて再び1/4波長板103Cを透過する。この際に、第2測定光L2M(第2偏光)は、第2偏光ビームスプリッタ103AとY外部再帰反射器172との間で1/4波長板103Cを2回透過することで、偏光状態が第2偏光から第1偏光に変換される。
1/4波長板103Cを透過した第2測定光L2M(第1偏光)は、第2偏光ビームスプリッタ103Aを透過して再帰反射器103Bに入射し、この再帰反射器103Bにより第2偏光ビームスプリッタ103Aに向けて再帰反射され、第2偏光ビームスプリッタ103Aを透過する。これにより、第2測定光L2M(第1偏光)は、1/4波長板103Cを透過し、Y外部再帰反射器172にて再帰反射されて再び1/4波長板103Cを透過する。これにより、第2測定光L2M(第1偏光)は、再び1/4波長板103Cを2回透過することで、偏光状態が第1偏光から第2偏光に変換される。その結果、第2測定光L2M(第2偏光)は、Y外部再帰反射器172にて2回再帰反射された後、第2偏光ビームスプリッタ103Aに入射し、この第2偏光ビームスプリッタ103Aにより第1の1/2波長板121Aに向けて反射される。
第1の1/2波長板121Aに入射した第2測定光L2M(第2偏光)は、偏光状態が第2偏光から第1偏光に変換される。
第2の1/2波長板123Aを透過した第2測定光L2M(第1偏光)は、既述の図6に示した第2測定光L2M(第1偏光)の経路と同じ経路を辿って、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される。これにより、第2測定光L2M及び第2参照光L2Rは、第1偏光ビームスプリッタ101Aの略同一の出射位置から-X方向側に出射されて、後述の第5偏光ビームスプリッタ125Aに入射する。
<Z方向の同時測定:第1レーザビーム>
図9は、Z方向の同時測定時における第1レーザビームL1の光線図である。なお、図9では第2レーザビームL2の図示は省略している。
図9に示すように、第1出射口11Aから+X方向側に出射された第1レーザビームL1は第1偏光ビームスプリッタ101Aにて第1測定光L1Mと第1参照光L1Rとに偏光分離される。第1参照光L1Rは、既述の図4及び図7に示した第1参照光L1Rの経路と同じ経路を辿って、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される。
第1偏光ビームスプリッタ101Aを透過した第1測定光L1M(第1偏光)は、第2偏光ビームスプリッタ103Aを透過した後、第3偏光ビームスプリッタ105AによりZ外部再帰反射器173に向けて反射される。
Z外部再帰反射器173に入射した第1測定光L1M(第1偏光)は、Z外部再帰反射器173により再帰反射された後、第3偏光ビームスプリッタ105Aに入射し、この第3偏光ビームスプリッタ105Aにより第2偏光ビームスプリッタ103Aに向けて-X方向側に反射される。
第3偏光ビームスプリッタ105Aにより-X方向側に反射された第1測定光L1M(第1偏光)は、既述の図4に示した第1測定光L1M(第1偏光)の経路と同じ経路を辿って、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される。これにより、第1測定光L1M及び第1参照光L1Rは、第1偏光ビームスプリッタ101Aの同じ出射位置から-X方向側に出射されて、後述のレシーバ部127に入射する。
<Z方向の同時測定:第2レーザビーム>
図10は、Z方向の同時測定時における第2レーザビームL2の光線図である。なお、図10では第1レーザビームL1の図示は省略している。
図10に示すように、第2出射口11Bから+X方向側に出射された第2レーザビームL2は第1偏光ビームスプリッタ101Aにて第2測定光L2Mと第2参照光L2Rとに偏光分離される。第2参照光L2Rは、既述の図6及び図8に示した第2参照光L2Rの経路と同じ経路を辿って、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される。
第1偏光ビームスプリッタ101Aを透過した第2測定光L2M(第1偏光)は、第2偏光ビームスプリッタ103Aを透過した後、第3偏光ビームスプリッタ105AによりZ外部再帰反射器173に向けて反射される。
第3偏光ビームスプリッタ105Aにより反射された第2測定光L2M(第1偏光)は、1/4波長板105Cを透過し、Z外部再帰反射器173に入射し、このZ外部再帰反射器173により再帰反射されることで-Z方向側に出射されて再び1/4波長板105Cを透過する。この際に、第2測定光L2M(第1偏光)は、第3偏光ビームスプリッタ105AとZ外部再帰反射器173との間で1/4波長板105Cを2回透過することで、偏光状態が第1偏光から第2偏光に変換される。
1/4波長板105Cを透過した第2測定光L2M(第2偏光)は、第3偏光ビームスプリッタ105Aを透過して再帰反射器105Bに入射し、この再帰反射器105Bにより第3偏光ビームスプリッタ105Aに向けて再帰反射され、第3偏光ビームスプリッタ105Aを透過する。これにより、第2測定光L2M(第2偏光)は、1/4波長板105Cを透過し、Z外部再帰反射器173にて再帰反射されて再び1/4波長板105Cを透過する。これにより、第2測定光L2M(第2偏光)は、再び1/4波長板103Cを2回透過することで、偏光状態が第2偏光から第1偏光に変換される。その結果、第2測定光L2M(第2偏光)は、Z外部再帰反射器173にて2回再帰反射された後、第3偏光ビームスプリッタ105Aに入射し、この第3偏光ビームスプリッタ105Aにより第2偏光ビームスプリッタ103Aに向けて反射される。
第2偏光ビームスプリッタ103Aに入射した第2測定光L2M(第1偏光)は、既述の図6に示した第2測定光L2M(第1偏光)の経路と同じ経路を辿って、第1偏光ビームスプリッタ101Aから-X方向側に出射される。これにより、第2測定光L2M及び第2参照光L2Rは、第1偏光ビームスプリッタ101Aの略同一の出射位置から-X方向側に出射されて、後述の第5偏光ビームスプリッタ125Aに入射する。
以上のように、第1偏光変換部121及び第2偏光変換部123を切替制御することで、第1偏光ビームスプリッタ101Aから、各外部再帰反射器171~173にて選択的に反射された第1測定光L1M(第1偏光)と共通再帰反射器101Bにて反射された第1参照光L1R(第2偏光)とが同一位置からレシーバ部127へ出射される。また同時に、第1偏光ビームスプリッタ101Aから、各外部再帰反射器171~173にて選択的に反射された第2測定光L2M(第1偏光)と共通再帰反射器101Bにて反射された第2参照光L2R(第2偏光)とが略同一位置から第5偏光ビームスプリッタ125Aへ出射される。
[位置決め精度測定]
図11は、レシーバ部127の構成を示す概略図である。図11に示すように、レシーバ部127(第1検出部に相当)は、3軸方向の同時測定ごとに、第1偏光ビームスプリッタ101Aより入射する第1測定光L1M及び第1参照光L1Rから互いに位相の異なる4相の干渉信号SG1~SG4を生成し且つ干渉信号SG1~SG4を検出する。なお、第1偏光ビームスプリッタ101Aから入射する第1測定光L1M及び第1参照光L1Rは、互いに偏光方向が直交しているので干渉はしていない。
レシーバ部127は、フリンジカウント方式の干渉方式で用いられるものであり、無偏光ビームスプリッタ130と、1/2波長板131と、偏光ビームスプリッタ132及び45度直角プリズム133と、45度直角プリズム135と、1/4波長板136と、1/2波長板137と、偏光ビームスプリッタ138及び45度直角プリズム139と、4個の集光レンズ140と、4個のフォトディテクタ141と、を備える。
無偏光ビームスプリッタ130は、第1偏光ビームスプリッタ101Aから3軸方向の同時測定ごとに選択的に出射される第1測定光L1M及び第1参照光L1Rを2分岐して、一方を透過して1/2波長板131に向けて出射すると共に他方を45度直角プリズム135に向けて反射する。
1/2波長板131は、無偏光ビームスプリッタ130から入射した第1測定光L1M及び第1参照光L1Rの偏光方向を45°回転させた後、偏光ビームスプリッタ132へ出射する。
偏光ビームスプリッタ132は、1/2波長板131から入射した第1測定光L1M及び第1参照光L1Rを偏光分離して、第1測定光L1M及び第1参照光L1Rを集光レンズ140に向けて出射すると共に45度直角プリズム133に向けて反射する。この際に、第1測定光L1M及び第1参照光L1Rが干渉することで、例えば位相0°の干渉信号SG1が集光レンズ140に入射し且つ位相180°の干渉信号SG2が45度直角プリズム133に入射する。なお、1/2波長板131を設ける代わりに偏光ビームスプリッタ132を45°傾けてよい。
45度直角プリズム133は、偏光ビームスプリッタ132から入射した干渉信号SG2を集光レンズ140に向けて反射する。
45度直角プリズム135は、無偏光ビームスプリッタ130から入射した第1測定光L1M及び第1参照光L1Rを1/4波長板136に向けて反射する。
1/4波長板136は、45度直角プリズム135から入射した第1測定光L1M及び第1参照光L1Rの位相を90°ずらした後、これら第1測定光L1M及び第1参照光L1Rを1/2波長板137に向けて出射する。
1/2波長板137は、1/4波長板136から入射した第1測定光L1M及び第1参照光L1Rの偏光方向を45°回転させた後、偏光ビームスプリッタ138へ出射する。
偏光ビームスプリッタ138は、1/2波長板137から入射した第1測定光L1M及び第1参照光L1Rを偏光分離して、第1測定光L1M及び第1参照光L1Rを集光レンズ140に向けて出射すると共に45度直角プリズム139に向けて反射する。この際に、第1測定光L1M及び第1参照光L1Rが干渉することで、例えば位相90°の干渉信号SG3が集光レンズ140に入射し且つ位相270°の干渉信号SG4が45度直角プリズム139に入射する。
45度直角プリズム139は、偏光ビームスプリッタ138から入射した干渉信号SG4を集光レンズ140に向けて反射する。
各集光レンズ140は、4相の干渉信号SG1~SG4をそれぞれ4個のフォトディテクタ141に集光する。4個のフォトディテクタ141は、干渉信号SG1~SG4をそれぞれ受光及び光電変換した後、光ファイバ122を介して位置決め精度用信号処理ユニット16へ出力する。なお、干渉信号SG1~SG4は、各外部再帰反射器171~173に対する測定装置14の相対移動に応じて第1測定光L1Mの光路長が変化することで、正弦波状に強弱を繰り返す。
位置決め精度用信号処理ユニット16(位置決め精度検出部に相当)は、3軸方向の同時測定ごとにレシーバ部127から入力された4相の干渉信号SG1~SG4の検出結果に基づき、3軸方向ごとの位置決め精度及びその補正値を算出する。
具体的には位置決め精度用信号処理ユニット16は、位相0°の干渉信号SG1と位相180°の干渉信号SG2との第1差分信号を生成し、且つ位相90°の干渉信号SG3と位相270°の干渉信号SG4との第2差分信号を生成する。これにより、各干渉信号SG1~SG4に含まれるDC成分を除去すると共に信号の振幅を2倍にして、光量変動による誤差などを除去することができる。また、90°位相がずれた第1差分信号及び第2差分信号を用いることで測定装置14の相対移動の方向判別が可能となる。位置決め精度用信号処理ユニット16は、これら第1差分信号及び第2差分信号に基づいて、計算部(不図示)において距離に変換するためのカウント数を求める。そして、計算部は求められたカウント数に基づいて、測定装置14から測定対象(各外部再帰反射器171~173のいずれか)までの距離を算出する。
位置決め精度用信号処理ユニット16は、X方向の同時測定時において、測定装置14に対してX外部再帰反射器171がX方向に相対移動される間、レシーバ部127から出力される各差分信号に基づき測定装置14とX外部再帰反射器171との間の距離を算出する。次いで、位置決め精度用信号処理ユニット16は、算出した距離と、NCコントローラ97の移動指令に対応する距離とを比較することで、X方向の位置決め精度を算出する。
また、位置決め精度用信号処理ユニット16は、Y方向の同時測定時において、測定装置14に対してY外部再帰反射器172がY方向に相対移動される間、レシーバ部127から出力される各差分信号に基づき測定装置14とY外部再帰反射器172との間の距離を算出する。次いで、位置決め精度用信号処理ユニット16は、算出した距離と、NCコントローラ97の移動指令に対応する距離とを比較することで、Y方向の位置決め精度を算出する。
さらに、位置決め精度用信号処理ユニット16は、Z方向の同時測定時において、測定装置14に対してZ外部再帰反射器173がZ方向に相対移動される間、レシーバ部127から出力される各差分信号に基づき測定装置14とZ外部再帰反射器173との間の距離を算出する。次いで、位置決め精度用信号処理ユニット16は、算出した距離と、NCコントローラ97の移動指令に対応する距離とを比較することで、Z方向の位置決め精度を算出する。
さらにまた、位置決め精度用信号処理ユニット16は、3軸方向の位置決め精度の測定結果に基づき、3軸方向の位置決め精度の補正値をそれぞれ算出する。
なお、本実施形態では、3軸方向の各方向の位置決め精度の測定にフリンジカウント方式の干渉方式を採用しているが、例えばヘテロダイン方式等の公知の各種干渉方式を採用してもよい。
[真直度測定]
図3及び図6に戻って、第5偏光ビームスプリッタ125A(第5偏光分離素子に相当)は、第1偏光ビームスプリッタ101Aより入射する第2測定光L2M(第1偏光)及び第2参照光L2R(第2偏光)を偏光分離する。そして、第5偏光ビームスプリッタ125Aは、第2測定光L2Mを透過して測定用フォトディテクタ125Cへ出射し且つ第2参照光L2Rを補正用フォトディテクタ125Bへ反射(出射)する。
補正用フォトディテクタ125B(第3検出部に相当)は、第2参照光L2Rを受光して補正用フォトディテクタ125Bの受光面内での第2参照光L2R(スポット光)の位置座標を示す受光信号を、電気ケーブル35を介して真直度用信号処理ユニット15へ出力する。
測定用フォトディテクタ125C(第2検出部に相当)は、第2測定光L2Mを受光して測定用フォトディテクタ125Cの受光面内での第2測定光L2M(スポット光)の位置座標を示す受光信号を、電気ケーブル35を介して真直度用信号処理ユニット15へ出力する。
真直度用信号処理ユニット15(真直度検出部に相当)は、3軸方向の同時測定ごとに補正用フォトディテクタ125Bから入力された第2参照光L2Rの受光信号と、測定用フォトディテクタ125Cから入力された第2測定光L2Mの受光信号とに基づき、3軸方向ごとの真直度及びその補正値を算出する。
真直度用信号処理ユニット15は、X方向の同時測定時においては、測定装置14に対してX外部再帰反射器171がX方向に相対移動される間、補正用フォトディテクタ125B及び測定用フォトディテクタ125Cからそれぞれ入力される受光信号に基づき、第2測定光L2M及び第2参照光L2Rの位置座標を比較する。そして、真直度用信号処理ユニット15は、X外部再帰反射器171がX方向に相対移動される間のX外部再帰反射器171のYZ方向の変位を算出する。これにより、真直度用信号処理ユニット15によってX方向の真直度が算出される。
また、真直度用信号処理ユニット15は、Y方向の同時測定時においては、測定装置14に対してY外部再帰反射器172がY方向に相対移動される間、補正用フォトディテクタ125B及び測定用フォトディテクタ125Cからそれぞれ入力される受光信号に基づき、Y外部再帰反射器172のXZ方向の変位を算出する。これにより、真直度用信号処理ユニット15によってY方向の真直度が算出される。
さらに、真直度用信号処理ユニット15は、Z方向の同時測定時においては、測定装置14に対してZ外部再帰反射器173がZ方向に相対移動される間、補正用フォトディテクタ125B及び測定用フォトディテクタ125Cからそれぞれ入力される受光信号に基づき、Z外部再帰反射器173のXY方向の変位を算出する。これにより、真直度用信号処理ユニット15によってZ方向の真直度が算出される。
さらにまた、真直度用信号処理ユニット15は、3軸方向の真直度の測定結果に基づき、3軸方向の真直度の補正値をそれぞれ算出する。
[変位拡大]
本実施形態では、X方向の同時測定時には、第4偏光ビームスプリッタ107A、再帰反射器107B、及び1/4波長板107Cを用いて第2測定光L2MをX外部再帰反射器171に2回反射させている。また、Y方向の同時測定時には、第2偏光ビームスプリッタ103A、再帰反射器103B、及び1/4波長板103Cを用いて第2測定光L2MをY外部再帰反射器172に2回反射させている。さらに、Z方向の同時測定時には、第3偏光ビームスプリッタ105A、再帰反射器105B、及び1/4波長板105Cを用いて第2測定光L2MをZ外部再帰反射器173に2回反射させている。これにより、後述するようにX外部再帰反射器171のYZ方向の変位と、Y外部再帰反射器172のXZ方向の変位と、Z外部再帰反射器173のXY方向の変位と、をそれぞれ4倍に拡大して検出することができる。
図12は、X外部再帰反射器171の変位検出を説明するためのモデル図である。図12に示すように、偏光ビームスプリッタ200Aが第4偏光ビームスプリッタ107Aに対応し、再帰反射器200Bが再帰反射器107Bに対応し、1/4波長板200Cが1/4波長板107Cに対応し、外部再帰反射器202がX外部再帰反射器171に対応し、測定光LPが第2測定光L2Mに対応している。なお、図12では、外部再帰反射器202がX方向に相対移動をする際にY方向にΔdだけ変位した場合を示す。
図12に示すように、偏光ビームスプリッタ200Aに入射した測定光LPは、既述の図6で説明したように、1/4波長板200C、外部再帰反射器202、1/4波長板200C、偏光ビームスプリッタ200A、再帰反射器200B、偏光ビームスプリッタ200A、1/4波長板200C、外部再帰反射器202、及び1/4波長板200Cを経て偏光ビームスプリッタ200Aから出射される。
この際に、測定光LPが外部再帰反射器202で2回再帰反射されることで、偏光ビームスプリッタ200Aからの測定光LPの出射位置は、外部再帰反射器202がY方向に変位していない場合と比較してΔd×4だけ変位する。また、図示は省略するが、外部再帰反射器202がZ方向にΔdだけ変位した場合も同様に、偏光ビームスプリッタ200Aからの測定光LPの出射位置がZ方向にΔd×4だけ変位する。これにより、X方向の同時測定時においてYZ方向の変位を高い分解能で測定することができるので、X方向の真直度の測定精度を向上させることができる。
なお、Y方向の同時測定時におけるY外部再帰反射器172のXZ方向の変位と、Z方向の同時測定時におけるZ外部再帰反射器173のXY方向の変位とについても同様に4倍拡大することができるので、YZ方向の真直度の測定精度を向上させることができる。
[測定システムの作用]
図13は、上記構成の測定システム10による3軸方向の位置決め精度及び真直度の同時測定の処理の流れを示すフローチャートである。
図13に示すように、載置台93への各外部再帰反射器171~173のセット、加工ツール部92への測定装置14の取り付け、及び測定装置14と各外部再帰反射器171~173との位置調整が完了した後、オペレータの手動操作又はコンピュータ31の制御指令によりレーザ光源11がオンされる。これにより、第1出射口11Aから第1レーザビームL1が出射されると共に、第2出射口11Bから第2レーザビームL2が出射される(ステップS1)。
コンピュータ31は、切替コントローラ32を介してアクチュエータ121B,123Bを駆動して、第1の1/2波長板121Aの退避と第2の1/2波長板123Aの挿入とを実行する(ステップS2)。これにより、第1偏光変換部121が偏光維持状態に切り替えられ、且つ第2偏光変換部123が偏光変換状態に切り替えられる。
ステップS2が完了すると、既述の図4及び図6に示したように、X外部再帰反射器171にて再帰反射された第1測定光L1Mと共通再帰反射器101Bにて反射された第1参照光L1Rとが測定装置14からレシーバ部127へ出射される。これにより、レシーバ部127が、第1測定光L1M及び第1参照光L1Rから4相の干渉信号SG1~SG4を生成して各干渉信号SG1~SG4を検出する(ステップS3)。
また同時に、測定装置14から第5偏光ビームスプリッタ125Aを介して、共通再帰反射器101Bにて反射された第2参照光L2Rが補正用フォトディテクタ125Bへ出射されると共に、X外部再帰反射器171にて反射された第2測定光L2Mが測定用フォトディテクタ125Cへ出射される。これにより、補正用フォトディテクタ125Bが第2参照光L2Rを検出し且つ測定用フォトディテクタ125Cが第2測定光L2Mを検出する(ステップS3)。
次いで、コンピュータ31は、載置台93をX方向に移動させることで、測定装置14に対してX外部再帰反射器171をX方向に相対移動させる。そして、位置決め精度用信号処理ユニット16は、測定装置14に対してX外部再帰反射器171がX方向に相対移動される間にレシーバ部127から出力される各差分信号に基づき、X方向の位置決め精度及びその補正値を算出する。
また同時に、真直度用信号処理ユニット15は、測定装置14に対してX外部再帰反射器171がX方向に相対移動される間に補正用フォトディテクタ125B及び測定用フォトディテクタ125Cから入力される受光信号に基づき、X方向の真直度及びその補正値を算出する。
以上でX方向の位置決め精度及び真直度の測定が完了する(ステップS4)。
X方向の位置決め精度及び真直度の測定が完了すると、コンピュータ31は、切替コントローラ32を介してアクチュエータ121B,123Bを駆動して、第1の1/2波長板121Aの挿入と第2の1/2波長板123Aの退避とを実行する(ステップS5)。これにより、第1偏光変換部121が偏光変換状態に切り替えられ、且つ第2偏光変換部123が偏光維持状態に切り替えられる。
ステップS5が完了すると、既述の図7及び図8に示したように、Y外部再帰反射器172にて再帰反射された第1測定光L1Mと共通再帰反射器101Bにて反射された第1参照光L1Rとが測定装置14からレシーバ部127へ出射される。これにより、レシーバ部127が各干渉信号SG1~SG4を検出する(ステップS6)。
また同時に、測定装置14から第5偏光ビームスプリッタ125Aを介して、共通再帰反射器101Bにて反射された第2参照光L2Rが補正用フォトディテクタ125Bへ出射されると共に、Y外部再帰反射器172にて反射された第2測定光L2Mが測定用フォトディテクタ125Cへ出射される。これにより、補正用フォトディテクタ125Bが第2参照光L2Rを検出し且つ測定用フォトディテクタ125Cが第2測定光L2Mを検出する(ステップS6)。
次いで、コンピュータ31は、載置台93をY方向に移動させることで、測定装置14に対してY外部再帰反射器172をY方向に相対移動させる。そして、位置決め精度用信号処理ユニット16は、測定装置14に対してY外部再帰反射器172がY方向に相対移動される間にレシーバ部127から出力される各差分信号に基づき、Y方向の位置決め精度及びその補正値を算出する。
また同時に、真直度用信号処理ユニット15が、測定装置14に対してY外部再帰反射器172がY方向に相対移動される間、補正用フォトディテクタ125B及び測定用フォトディテクタ125Cから入力される受光信号に基づき、Y方向の真直度及びその補正値を算出する。
以上でY方向の位置決め精度及び真直度の測定が完了する(ステップS7)。
Y方向の位置決め精度及び真直度の測定が完了すると、コンピュータ31は、切替コントローラ32を介してアクチュエータ121B,123Bを駆動して、第1の1/2波長板121Aの退避と第2の1/2波長板123Aの退避とを実行する(ステップS8)。これにより、第1偏光変換部121及び第2偏光変換部123の双方が偏光維持状態に切り替えられる。
ステップS8が完了すると、既述の図9及び図10に示したように、Z外部再帰反射器173にて再帰反射された第1測定光L1Mと共通再帰反射器101Bにて反射された第1参照光L1Rとが測定装置14からレシーバ部127へ出射される。これにより、レシーバ部127が各干渉信号SG1~SG4を検出する(ステップS9)。
また同時に、測定装置14から第5偏光ビームスプリッタ125Aを介して、共通再帰反射器101Bにて反射された第2参照光L2Rが補正用フォトディテクタ125Bへ出射されると共に、Z外部再帰反射器173にて反射された第2測定光L2Mが測定用フォトディテクタ125Cに出射される。これにより、補正用フォトディテクタ125Bが第2参照光L2Rを検出し且つ測定用フォトディテクタ125Cが第2測定光L2Mを検出する(ステップS9)。
次いで、コンピュータ31は、加工ツール部92をZ方向に移動させることで、測定装置14に対してZ外部再帰反射器173をZ方向に相対移動させる。そして、位置決め精度用信号処理ユニット16は、測定装置14に対してZ外部再帰反射器173がZ方向に相対移動される間にレシーバ部127から出力される各差分信号に基づき、Z方向の位置決め精度及びその補正値を算出する。
また同時に、真直度用信号処理ユニット15が、測定装置14に対してZ外部再帰反射器173がZ方向に相対移動される間、補正用フォトディテクタ125B及び測定用フォトディテクタ125Cから入力される受光信号に基づき、Z方向の真直度及びその補正値を算出する。
以上でZ方向の位置決め精度及び真直度の測定が完了する(ステップS10)。
[本実施形態の効果]
以上のように本実施形態では、位置決め精度測定用の装置及び真直度測定用の装置の付替作業を行うことなく、工作機械91の3軸方向の位置決め精度及び真直度を測定することができる。また、3軸方向の各方向の位置決め精度及び真直度の測定を切り替える段取り替え作業を自動で行うことができる。その結果、工作機械91の3軸方向の位置決め精度及び真直度を効率良く測定することができる。
[その他]
上記実施形態では、第1偏光変換部121及び第2偏光変換部123の偏光状態の切り替えを自動で行っているが、手動で行ってもよい。
上記実施形態では、レーザの出射方向をX方向、Y方向、Z方向と順次切り替えているが、特許文献1にあるように、直行調整を容易かつ正確にするため、少なくとも1軸方向について測定ビームを常時射出してもよい。例えば、上記実施形態の各偏光ビームスプリッタ103A,105A,107Aは理想状態ではP偏光の全てを透過し且つS偏光の全てを反射するが、実際にはP偏光の一部(漏れ光)を反射し且つS偏光の一部(漏れ光)を透過する場合がある。この場合には上記実施形態の測定装置14は、上記特許文献1に記載の装置と同様に、少なくともXYZの1軸方向について各レーザビームL1,L2の少なくとも一方を常時出射可能とみなすことができる。このため、上記実施形態においてXYZ方向の少なくとも一方向の漏れ光を検出する検出センサを設けることで、上記特許文献1に記載の装置と同様の直交調整を容易かつ正確に実行することができる。
上記実施形態では、本発明の第1偏光分離素子~第5偏光分離素子としてプレート型の偏光ビームスプリッタを例に挙げて説明したが、公知の各種偏光分離素子を代わりに用いることができる。
上記実施形態では、第4偏光ビームスプリッタ107AとX外部再帰反射器171との間の第2測定光L2Mの光路(往路、復路)上に1/4波長板107Cを設けているが、第2測定光L2Mの光路の往路又は復路の一方のみに1/2波長板を設けてもよい。すなわち、第2測定光L2Mが第4偏光ビームスプリッタ107AとX外部再帰反射器171との間で1往復する間に第2測定光L2Mの偏光状態を切替可能であれば、光学素子の種類は特に限定はされない。同様に、1/4波長板103C,105Cの代わりに、第2測定光L2Mの光路の往路又は復路の一方のみに1/2波長板等を設けてもよい。
上記実施形態では、第1の1/2波長板121A及び第2の1/2波長板123Aにより各測定光L1M,L2Mの偏光状態を切り替えているが、1/2波長板以外の光学素子(例えば2枚の1/4波長板)を用いて偏光状態の切り替えてもよい。
上記実施形態では、各外部再帰反射器171~173に第2測定光L2Mを2回反射させているが、再帰反射器103B,105B,107B及び1/4波長板103C,105C,107Cを省略して、第2測定光L2Mを1回だけ反射させてもよい。
上実施形態では、X方向及びY方向が水平方向であり且つZ方向が上下方向であるが、3軸方向のいずれが水平方向或いは上下方向でもよく、さらに3軸方向の各方向が水平方向或いは上下方向から傾斜した傾斜方向であってもよい。
上記実施形態では、測定装置14の外部にレーザ光源11が設けられているが、測定装置14の内部にレーザ光源11が設けられていてもよい。また、測定装置14の内部に真直度用信号処理ユニット15及び位置決め精度用信号処理ユニット16が設けられていてもよい。
上記実施形態では、工作機械91の3軸方向の位置決め精度及び真直度測定を例に挙げて説明を行ったが、光学機械及び計測機械等の3軸方向に移動する各種の移動機構を備える機械の3軸方向の位置決め精度及び真直度測定に本発明を適用可能である。