JP7417066B2 - 共沸様組成物及び液体組成物 - Google Patents
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Description
含フッ素オレフィンは種々の溶剤との相溶性が高いので、容易に均一な組成物を調合することは可能である。しかし、このような単純な組成物の場合、「液組成が変動しやすい」という問題が内在している。すなわち、仮に複数種類の液体を混合し、相溶性を確保できたとしても、各成分の揮発度の違いにより、液組成が変動しやすいという問題は避けられない。例えば、二元系の液体組成物を超音波洗浄機に入れて、洗浄剤として用いた場合、一般に揮発度の高い低沸点成分(蒸気圧の大きい成分)が優先的に揮発し、洗浄槽内に揮発度の低い高沸点成分が濃縮される。例えば、洗浄力の高い低沸点成分に洗浄力の低い高沸点成分の組成物の場合、洗浄液における低沸点成分濃度が経時的に減少して、洗浄不良を引き起こす恐れがある。特に、可燃性の溶剤に不燃性の溶剤をブレンドして不燃性組成物を調合した場合、不燃性成分が優先的に揮発すると洗浄液が可燃性組成物になることがある。
本共沸(様)組成物(あるいは、該共沸(様)組成物を含む液体組成物)は、精密機械部品、電子材料(プリント基板、液晶表示器、磁気記録部品、半導体材料等)、樹脂加工部品、光学レンズ、衣料品などから異物、油脂、グリース、ワックス、フラックス、インキ等を除去するのに好適である。本共沸(様)組成物は適度な流動性や溶解性を有するので、異物(パーティクルなど)を洗い流したり、または溶解したりして、除去できる。また、自動車、二輪自動車、自転車、建機、農機、航空機、鉄道車両、船舶などの各種車両・乗物・輸送機関の洗浄(特に、これらの機関のブレーキクリーニング)においては、汚れを湿潤させて洗い流す工程を要するところ、本共沸(様)組成物(あるいは、該共沸(様)組成物を含む液体組成物)は、適度な沸点を有しており、汚れを湿潤させて洗い流すことができるため、このような洗浄に好適である(特に、ブレーキクリーナーとしての使用)。洗浄の手法は特に限定されないが、被洗浄物品に本共沸(様)組成物(あるいは、該共沸(様)組成物を含む液体組成物)を浸漬して汚れを洗い流す、ウェスでふき取る、スプレー洗浄を行う、などの方法が挙げられ、これらを組み合わせて使用しても良い。超音波洗浄機内に当該共沸(様)組成物を入れ、その液中に洗浄対象の物品を浸漬させ、超音波洗浄処理することは、特に好ましい態様の1つである。また、スプレー洗浄、例えば、本共沸(様)組成物(あるいは、該共沸(様)組成物を含む液体組成物)を噴射ガスと混合してエアゾール化させて各種洗浄対象の物品に吹き付ける方法、も好ましい態様の1つである。
本共沸(様)組成物(あるいは、該共沸(様)組成物を含む液体組成物)は、水切り剤として用いることができる。自動車、機械、精密機器、電気、電子、光学等の各種工業分野において扱われる物品は、その製造工程において、純水等の水で洗浄されたり、水系洗浄剤、水系洗浄剤に水溶性溶剤を配合した準水系洗浄剤、アルコール系洗浄剤、グリコールエーテル系洗浄剤、炭化水素に界面活性剤を配合した炭化水素系洗浄剤等により洗浄されたりすることがある。水系洗浄剤や準水系洗浄剤を使用した場合、洗浄後の物品には水が付着した状態となり、洗浄工程後に水切り剤で水分を排除する水切り工程が一般的に行われている。本共沸(様)組成物(あるいは、該共沸(様)組成物を含む液体組成物)は、そのような水切り工程で用いる水切り剤として好適に用いることができる。同様に、本共沸(様)組成物(あるいは、該共沸(様)組成物を含む液体組成物)は、高沸点洗浄剤による洗浄工程後の物品に付着した当該高沸点洗浄剤を排除するリンス剤として好適に用いることができる。
本発明の実施形態の一つは、本共沸(様)組成物(あるいは、本共沸(様)組成物を含む液体組成物)と潤滑剤とを含む、潤滑剤組成物である。本共沸(様)組成物(あるいは、本共沸(様)組成物を含む液体組成物)を潤滑剤の溶剤として用いることにより、本潤滑剤組成物は、地球環境にやさしく、潤滑剤の溶解性に優れ、充分な速乾性を有するため、潤滑剤塗膜の形成に好適である。
本発明の実施形態の一つは、前述の本潤滑剤組成物を物品表面に塗布し、本共沸(様)組成物(あるいは本液体組成物)を揮発させることにより、物品表面に潤滑剤塗膜を形成する、潤滑剤塗膜付き物品の製造方法である。
[実施例1]
<Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1223xd(Z))と1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1223za)とエタノール(EtOH))の混合物>
1223xd(Z)に1223zaを添加し、1223za濃度が1.0重量%、および10重量%の1223xd(Z)/1223za溶液をそれぞれ調製した。
サンプリングバルブ、攪拌子、5℃の冷媒が流せる凝縮器を備えた300三つ口フラスコに、1223xd(Z)/1223za溶液を、合計約200mL入れた。凝縮器の出口には、合成ゼオライト管を取り付けた。このフラスコをオイルバスに浸し、を攪拌しながら還流するまで加熱した。還流が開始してから、一時間以上経過して組成が安定した後、予め冷却した硝子製10mLサンプリング容器に、液相部、および液化した気相部をそれぞれ1mLサンプリングし、ガスクロマトグラフィー分析した。
手順2のサンプリング後のフラスコ内に、手順1で調整したのと同じ濃度の1223xd(Z)/1223za溶液と、任意の濃度となる量のエタノール(EtOH)を加え、還流が開始してから一時間以上経過した後、予め冷却した硝子製10mLサンプリング容器に、液相部、および液化した気相部をそれぞれ1mLサンプリングし、ガスクロマトグラフィー分析した。表1における実施例1-1-1~1-1-5では、1223xd(Z)/1223za溶液として、1223za濃度1.0重量%のものを用い、実施例1-2-1~1-2-9では、1223za濃度10重量%のものを用いた。
表1において、手順2および3で得られた液相部および気相部のピーク面積%による比から、予め面積%とモル%に対する検量線を作成し、面積%から導き出したモル%で示した。
EtOHの代わりに、2-プロパノール(IPA)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。IPAを含有する場合の結果を表2および図2に示す。
EtOHの代わりに、メタノール(MeOH)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。MeOHを用いた場合の結果を表3および図3に示した。表3においては予め作成した検量線を用いてモル%表記とした。
EtOHの代わりに、n-プロパノール(n-PrOH)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。表4においては予め作成した検量線を用いてモル%表記とした。
EtOHの代わりに、アセトンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。表5においては予め作成した検量線を用いてモル%表記とした。
EtOHの代わりに、n-ヘキサンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。表6においては予め作成した検量線を用いてモル%表記とした。
EtOHの代わりに、ジクロロメタンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。表7においては予め作成した検量線を用いてモル%表記とした。
EtOHの代わりに、シクロペンタンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。表8においては予め作成した検量線を用いてモル%表記とした。
EtOHの代わりに、シクロヘキサンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。表9においては予め作成した検量線を用いてモル%表記とした。
EtOHの代わりに、HCFO-1223xd(E)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。表10においては予め作成した検量線を用いてモル%表記とした。
日本工業規格JIS K 2265-1「引火点の求め方-第1部:タグ密閉法」に準拠して、1223xd(Z)と1223zaとエタノール(EtOH)の混合液体を調製し、引火点をそれぞれ測定した。引火点測定には、自動引火点測定器atg-8l(田中科学機器製作株式会社)を使用した。各組成における測定結果を表11に示す。
Claims (23)
- Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
エタノールと、を含む、共沸(様)組成物であって、
65モル%~90.74モル%のZ-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、0.93モル%~10.03モル%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、1.03モル%~26.71モル%のエタノールとを含む、共沸(様)組成物。 - Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
イソプロパノールと、を含む、共沸(様)組成物であって、
65モル%~96.52モル%のZ-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、0.89モル%~10モル%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、2.40モル%~25モル%のイソプロパノールとを含む、共沸(様)組成物。 - Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
メタノールと、を含む、共沸(様)組成物であって、
58モル%~76.16モル%のZ-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、7.01モル%~10モル%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、16.83モル%~32モル%のメタノールとを含む、共沸(様)組成物。 - Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
n-プロパノールと、を含む、共沸(様)組成物であって、
70モル%~94.61モル%のZ-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、1.06モル%~10モル%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、4.33モル%~20モル%のn-プロパノールとを含む、共沸(様)組成物。 - Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
アセトンと、を含む、共沸(様)組成物であって、
3.53モル%~84.22モル%のZ-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、0.14モル%~6.82モル%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、14.84モル%~96.15モル%のアセトンとを含む、共沸(様)組成物。 - Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
n-ヘキサンと、を含む、共沸(様)組成物であって、
60モル%~97.90モル%のZ-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、0.70モル%~7.96モル%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、1.00モル%~37.25モル%のn-ヘキサンとを含む、共沸(様)組成物。 - Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
ジクロロメタンと、を含む、共沸(様)組成物であって、
3.26モル%~25モル%のZ-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、0.25モル%~1.89モル%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、75モル%~96.43モル%のジクロロメタンとを含む、共沸(様)組成物。 - Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
シクロペンタンと、を含む、共沸(様)組成物であって、
4.41モル%~62.72モル%のZ-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、0.26モル%~5.89モル%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、30モル%~95.12モル%のシクロペンタンとを含む、共沸(様)組成物。 - Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
シクロヘキサンと、を含む、共沸(様)組成物であって、
70モル%~97.90モル%のZ-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、0.95モル%~10モル%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、1.00モル%~20モル%のシクロヘキサンとを含む、共沸(様)組成物。 - Z-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、
E-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、を含む、共沸(様)組成物であって、
70.76モル%~98.36モル%のZ-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、0.92モル%~10モル%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、0.29モル%~21.16モル%のE-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンとを含む、共沸(様)組成物(但し、80質量%のシス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、15質量%のトランス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、5質量%の1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを含む溶剤組成物を除く)。 - 請求項1乃至10の何れか一に記載の共沸(様)組成物を少なくとも含む、液体組成物。
- 少なくとも一種の追加成分をさらに含む、請求項11に記載の液体組成物。
- 前記追加成分の総量が、前記共沸(様)組成物に対して0.0001質量%~30質量%である、請求項12に記載の液体組成物。
- 請求項1乃至10の何れか一に記載の共沸(様)組成物または請求項11乃至13の何れか一に記載の液体組成物と、噴射ガスとを含有する、エアゾール組成物。
- 請求項1乃至10の何れか一に記載の共沸(様)組成物、請求項11乃至13の何れか一に記載の液体組成物または請求項14に記載のエアゾール組成物を含む、洗浄剤。
- 車両、乗物または輸送機関の洗浄用である、請求項15に記載の洗浄剤。
- 車両、乗物または輸送機関のブレーキクリーナー用である、請求項15又は16に記載の洗浄剤。
- 請求項1乃至10の何れか一に記載の共沸(様)組成物、請求項11乃至13の何れか一に記載の液体組成物または請求項14に記載のエアゾール組成物を含む、溶剤。
- 請求項1乃至10の何れか一に記載の共沸(様)組成物、請求項11乃至13の何れか一に記載の液体組成物または請求項14に記載のエアゾール組成物を含む、水切り剤。
- 請求項1乃至10の何れか一に記載の共沸(様)組成物、請求項11乃至13の何れか一に記載の液体組成物または請求項14に記載のエアゾール組成物を含む、発泡剤。
- 請求項1乃至10の何れか一に記載の共沸(様)組成物、請求項11乃至13の何れか一に記載の液体組成物または請求項14に記載のエアゾール組成物を含む、熱伝達媒体。
- 請求項1乃至10の何れか一に記載の共沸(様)組成物、請求項11乃至13の何れか一に記載の液体組成物または請求項14に記載のエアゾール組成物を含む、潤滑剤溶剤。
- 請求項1乃至10の何れか一に記載の共沸(様)組成物、請求項11乃至13の何れか一に記載の液体組成物または請求項14に記載のエアゾール組成物を、被洗浄物品に接触させる工程を含む、該被洗浄物品を洗浄する方法。
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