JP7417090B2 - 摩擦圧接用鋼板、複合部材および自動車用部材 - Google Patents
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Description
また、特に近年では、重ね合わされた上板と下板に対して、リベットなどの接続部材を回転させながら上板の上面に押圧し、上板を貫通させて、接続部材と下板とを摩擦圧接する接合技術などが検討されている。
上記のような摩擦圧接により接続部材を介して上下の板を接合した継手として、例えば、特許文献3には、下板として引張強度が1000MPa以上の高強度鋼板、接続部材として炭素を0.17~0.45%、クロムを0.70~1.5%、モリブデンを0.15~0.80%含む合金スチールを用いた接合継手が開示されている。
一方、本発明者らは、摩擦圧接接合を高炭素鋼部材に適用した場合に、接合強度が確保し難い現象を見出した。本発明者らの検討の結果、鋼部材の摩擦圧接接合部に亀裂が生じやすく、この亀裂欠陥が接合強度を低下させていることを見出した。
摩擦圧接接合部における亀裂は、摩擦圧接接合の終了後になんら外力が加えられなかった接合継手に発生していることから、接合継手に加えられた外力に惹起されたものではなく、自然発生したものと推定された。
<1> 質量%で、
C含有量が、表面から深さ0.2mmよりも内部の領域において0.25~0.70%であり、かつ少なくとも片面側の表面から深さ45μmまでの領域において0.25%未満であり、
Si:0.10~3.50%、
Mn:0.50~8.00%、
P:0.020%以下、
S:0.050%以下、
Al:3.000%以下、及び
N:0.010%以下であり、
残部が、Fe及び不純物からなる鋼成分を有し、
引張強さが780MPa以上である、
摩擦圧接用鋼板。
<2> 前記Feの一部に代えて、質量%で、
Ti:0.300%以下、
Nb:0.300%以下、及び、
V:0.30%以下
からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む<1>に記載の摩擦圧接用鋼板。
<3> 前記Feの一部に代えて、質量%で、
Cr:5.0%以下、及び、Mo:2.00%以下の1種又は2種を含む<1>又は<2>に記載の摩擦圧接用鋼板。
<4> 前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:2.00%以下、及び、Ni:10.0%以下の1種又は2種を含む<1>~<3>のいずれか1つに記載の摩擦圧接用鋼板。
<5> 前記Feの一部に代えて、質量%で、B:0.020%以下を含む<1>~<4>のいずれか1つに記載の摩擦圧接用鋼板。
<6> 前記Feの一部に代えて、質量%で、
Ca:0.003%以下、
REM:0.05%以下、
Mg:0.05%以下、及び
Zr:0.05%以下
からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む<1>~<5>のいずれか1つに記載の摩擦圧接用鋼板。
<7> 表面にZn及びAlの少なくとも一方を含むめっき層が形成されている<1>~<6>のいずれか1つに記載の摩擦圧接用鋼板。
<8> 第1の板材と、
<1>~<7>のいずれか1つに記載の摩擦圧接用鋼板であって、前記片面側に前記第1の板材が重ね合わされた第2の板材と、
頭部及び軸部を有し、前記第1の板材と前記第2の板材とを接続する接続部材と、
を含み、
前記接続部材の前記軸部が前記第1の板材を貫通して前記軸部の先端部が前記第2の板材の前記片面側と接合されており、前記第1の板材が前記接続部材の前記頭部と前記第2の板材との間で固定された構造を有する、
複合部材。
<9> <8>に記載の複合部材を備えた自動車用部材。
なお、本開示において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。また、本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、特に断りの無い限り、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、「~」の前後に記載される数値に「超」又は「未満」が付されている場合の数値範囲は、これら数値を下限値又は上限値として含まない範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
摩擦圧接接合部における亀裂状欠陥について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、引張強さが780MPa以上である高炭素量(C含有量:0.37%)の鋼板を用いて摩擦圧接した接合継手の板厚方向の断面を示すSEM画像であり、図2は、図1における領域Aを拡大して示すSEM画像である。なお、図1及び図2において、10は上板(アルミニウム合金)、20は下板(鋼板)、30は接続部材(リベット)であり、32はリベットの頭部、34はリベットの軸部、40は下板20と接続部材30との接合部である。図1及び図2に見られるように、リベット34と下板の鋼板20との接合部40の端部に亀裂状の欠陥が生じている。
すなわち、本開示に係る摩擦圧接用鋼板は、質量%で、
C含有量が、表面から深さ0.2mmよりも内部の領域において0.25~0.70%であり、かつ少なくとも片面側の表面から深さ45μmまでの領域において0.25%未満であり、
Si:0.10~3.50%、
Mn:0.50~8.00%、
P:0.020%以下、
S:0.050%以下、及び
Al:3.000%以下、
N:0.010%以下であり、
残部が、Fe及び不純物からなる鋼成分を有し、
引張強さが780MPa以上である、摩擦圧接用鋼板である。
本開示に係る摩擦圧接用鋼板の鋼成分について具体的に説明する。
本開示に係る摩擦圧接用鋼板は、C含有量が、表面から深さ0.2mmよりも内部の領域において0.25~0.70%であり、かつ少なくとも片面側の表面から深さ45μmまでの領域において0.25%未満であり、Si:0.10~3.50%、Mn:0.50~8.00%、P:0.020%以下、S:0.050%以下、Al:3.000%以下、及びN:0.010%以下であり、残部が、Fe及び不純物からなる鋼成分を有する。また、本開示に係る摩擦圧接用鋼板は、上記鋼成分におけるFeの一部に代えて、質量%で、
Ti:0.300%以下、
Nb:0.300%以下、
V:0.30%以下、
Cr:5.0%以下、
Mo:2.00%以下、
Cu:2.00%以下、
Ni:10.0%以下、
B:0.020%以下、
Ca:0.003%以下、
REM:0.05%以下、
Mg:0.05%以下、及び
Zr:0.05%以下
からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含んでもよい。
以下、各元素の含有量を限定した理由について説明する。
表面から深さ0.2mmよりも内部の領域(内部領域):0.25~0.70%
少なくとも片面側の表面から深さ45μmまでの領域(表層領域):0.25%未満
Cは、鋼の焼入れ性を高め、強度向上に寄与する元素である。内部領域のC含有量が0.25%未満であると、高い引張強さが得られないので、下限を0.25%とする。好ましい下限は0.30%である。摩擦圧接用鋼板の内部を高炭素量にすることで、鋼板及び接合継手の強度を向上させることができる。しかし、C含有量が0.70%を超えると、強度が向上しすぎて加工性が低下するとともに継手強度も低下するので、上限を0.70%とする。強度と加工性をバランスよく確保するには、C含有量は0.30~0.55%が好ましい。
一方、摩擦圧接用鋼板の少なくとも片面側の表面から45μmの深さまでの表層領域におけるC含有量は0.25質量%未満とする。鋼板の表層領域におけるC含有量を0.25%未満とすることで内部よりも硬さが低くなり、摩擦圧接した場合の接合部端部における亀裂の発生を抑制することができる。
摩擦圧接用鋼板の内部と表層とで炭素量の差を大きくすることにより、継手強度の向上と、亀裂発生の抑制との両方を達成することができる。摩擦圧接用鋼板の少なくとも片面側の表面から45μmの深さまでの領域におけるC含有量は、0.22質量%以下、0.20質量%以下、又は0.15質量%以下でもよい。
また、片面側のみに摩擦圧接を施す場合には、片面のみ表層領域におけるC含有量を0.25%未満としてもよい。たとえば、C含有量が0.25%未満の鋼板とC含有量が0.25~0.70%である鋼板を1枚ずつ重ねたクラッド鋼としてもよい。
Siは、固溶強化及び組織強化により、鋼の強度を高める元素である。Si含有量が0.10%未満であると、高い引張強さが得られないので、下限を0.10%とする。一方、Si含有量が3.50%を超えると、加工性が低下するとともに継手強度も低下するので、上限を3.50%とする。強度と加工性をバランスよく確保するには、0.50~2.00%が好ましい。
Mnは、鋼の強度を高める元素である。Mn含有量が0.50%未満であると、高い引張強さが得られないので、下限を0.50%とする。一方、Mn含有量が8.00%を超えると、加工性が劣化するとともに継手強度も低下するので、上限を8.00%とする。強度と加工性をバランスよく確保するには、1.00~4.80%が好ましい。より好ましくは、1.50~2.50%である。
Pは、不純物であり、脆化を起こす元素である。P含有量が0.020%を超えると、継手強度を得ることが難しいので、上限を0.020%とする。
Sは、Pと同様に、不純物であり脆化をおこす元素である。また、Sは、鋼中で粗大なMnSを形成し、鋼の加工性を低下させるとともに継手強度も低下させる元素である。S含有量が0.050%を超えると、所要の継手強度を得ることが難しく、また、鋼の加工性が低下するので、上限を0.050%とする。
Alは、脱酸作用をなす元素であり、また、フェライトを安定化し、セメンタイトの析出を抑制する元素である。Alは、脱酸、及び、鋼組織の制御のため含有させるが、Alは酸化し易く、Al含有量が3.000%を超えると、介在物が増加して加工性が低下するとともに継手強度も低下するので、上限を3.000%とする。加工性を確保する点で、好ましい上限は1.200%である。脱酸、及び、鋼組織の制御のため、Al含有量の好ましい下限値は、0.030%である。
Nは、鋼板の強度を高める元素であるが、鋼中で粗大な窒化物を形成し、鋼の成形性を劣化させる作用をなす元素である。N含有量が0.010%を超えると、鋼の成形性の劣化、継手強度の低下が顕著となるので、上限を0.010%とする。
残部は、Fe及び不純物である。不純物とは、鉱石、スクラップ等の原材料に含まれる成分、又は、製造の過程で混入する成分が例示され、意図的に摩擦圧接用鋼板に含有させたものではない成分を指す。
Ti:0.300%以下、
Nb:0.300%以下、及び、
V:0.30%以下
からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有してもよい。
Tiは、析出物を形成し、鋼板組織を細粒とする元素である。含有効果を得るため、0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは0.010%以上である。一方、過剰に含有すると、製造性が低下し、加工時に割れが生じるだけでなく継手強度の低下も起こすので、0.300%を上限とすることが好ましく、より好ましくは0.200%以下である。
Nbは、微細な炭窒化物を形成し結晶粒の粗大化を抑制する元素である。含有効果を得るため、0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは0.01%以上である。過剰に含有すると、靭性を阻害し製造困難になるだけでなく継手強度低下を引き起こすため、上限を0.300%とすることが好ましく、より好ましくは0.200%以下である。
Vは、微細な炭窒化物を形成し結晶粒の粗大化を抑制する元素である。含有効果を得るため、0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは0.03%以上である。過剰に含有すると、靭性を阻害し製造困難になるだけでなく継手強度低下を引き起こすため、上限を0.30%とすることが好ましく、より好ましくは0.25%以下である。
Mo:2.00%以下
本開示に係る摩擦圧接用鋼板は、鋼の強度の向上のため、Feの一部に代えて、質量%で、Cr:5.0%以下、及び、Mo:2.00%以下の1種又は2種を含有してもよい。
Cr及びMoは、鋼の強度の向上に寄与する元素である。含有効果を得るため、0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは0.05%以上である。ただし、Cr含有量が5.0%を超え、又はMo含有量が2.00%を超えると、酸洗時や熱間加工時に支障が生じることがあるだけでなく継手強度の低下を招くので、Cr含有量の上限は5.0%とすることが好ましく、Mo含有量の上限は2.00%とすることが好ましい。
Ni:10.0%以下
本開示に係る摩擦圧接用鋼板は、鋼の強度向上のため、Feの一部に代えて、質量%で、Cu:2.00%以下、及び、Ni:10.0%以下の1種又は2種を含有してもよい。
Cu及びNiは、鋼の強度の向上に寄与する元素である。含有効果を得るため、0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは0.10%以上である。ただし、Cu含有量が2.00%を超え、Ni含有量が10.0%を超えると、酸洗時や熱間加工時に支障が生じることがあるだけでなく継手強度の低下を招くことがあるので、Cu含有量の上限は2.00%とすることが好ましく、Ni含有量の上限は10.0%とすることが好ましい。
Ca:0.003%以下、
REM0.05%以下、
Mg:0.05%以下、及び
Zr:0.05%以下からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有してもよい。
なお、含有効果を得るため、Ca含有量は0.0005%以上、REMは0.001%以上、Mgは0.001%以上、Zrは0.001%以上とすることが好ましい。
本開示に係る摩擦圧接用鋼板は、Feの一部に代えて、質量%で、B:0.020%以下を含んでもよい。
Bは、粒界に偏析して粒界強度を高める元素である。含有効果を得るため、0.0001%以上含有することが好ましく、より好ましくは0.0008%以上である。一方、過剰に含有すると靭性を阻害し製造困難になるだけでなく継手強度低下を引き起こすため、上限を0.020%とすることが好ましく、より好ましくは0.010%以下である。
本開示に係る摩擦圧接用鋼板は、引張強さが780MPa以上である。これにより、本開示に係る摩擦圧接用鋼板を用いて摩擦圧接によって接合継手を製造した場合に継手強度が高く、母材(鋼板)が高強度の板状部材を得ることができる。本開示に係る摩擦圧接用鋼板の引張強さは、好ましくは、980MPa以上であり、より好ましくは1180MPa以上であり、さらに好ましくは1470MPa以上である。
本開示に係る摩擦圧接用鋼板は、上述した鋼成分及び引張強さを有していれば、組織は特に限定されないが、摩擦圧接による接合継手を作製した場合に、接合部における亀裂の発生を抑制する観点から、マルテンサイト、焼戻しマルテンサイト、ベイナイト、及び焼き戻しベイナイトからなる群より選ばれる1種又は2種以上の組織を含むことが好ましい。
本開示に係る摩擦圧接用鋼板の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法によって好適に製造することができる。
まず、転炉で上述した成分に調整された鋼を溶製して連続鋳造法によりスラブとし、スラブを高温状態のまま、あるいは、室温まで冷却した後、加熱炉に挿入し、1100~1300℃の温度範囲で加熱し、その後、800~950℃の温度範囲で仕上圧延を行う。仕上げ圧延温度から400~700℃まで水冷し、その後空冷する。
次いで、冷間圧延によって所望の厚みを有する鋼板にする。なお、本開示に係る摩擦圧接用鋼板の厚みは特に限定されず、摩擦圧接接合後の用途に応じて厚みを設定すればよい。例えば、0.8~3.5mmの厚さにする。
また、接合継手の用途に応じて、摩擦圧接用鋼板内部の組織制御が必要な場合、脱炭処理後に熱処理等による組織制御を行えば、表層のC含有量が低い状態で、所望の内部組織を得ることができる。また、脱炭が生じる温度域や雰囲気で組織制御することにより、所望の内部組織制御と脱炭を同時に行ってもよい。
アルミめっき工程、アルミ-亜鉛めっき工程、又は亜鉛めっき工程は常法を採用することができる。例えば、アルミめっきであれば、浴中Si濃度は5~12%が適しており、アルミ-亜鉛めっきでは、浴中Zn濃度は40~50%が適している。また、アルミめっき層中にMgやZnが混在しても、アルミ-亜鉛めっき層中にMgが混在してもよい。
なお、めっき工程における雰囲気については、無酸化炉を有する連続式めっき設備でも無酸化炉を有しない連続式めっき設備でも通常の条件とすることでめっき可能である。また、亜鉛めっき方法であれば、溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっきなどいかなる方法と取ってもよい。
めっき前に鋼板表面に、NiプレめっきやFeプレめっき、その他めっき性を向上させる金属プレめっきを施してもよい。また、めっき層表面に異種の金属めっきや無機系化合物又は有機系化合物の皮膜などを付与してもよい。
本開示に係る摩擦圧接用鋼板は、他の部材を摩擦圧接によって接合して接合継手を製造するために用いられる。本開示に係る摩擦圧接用鋼板を用いて接合継手を製造する方法は特に限定されないが、例えば、上板(第1の板材)と下板(第2の板材)を重ね合わせ、リベット等の頭部と軸部を有する接続部材を用い、接続部材の軸部(先端部)を上板に対して加圧しながら高速で回転させることで上板を貫通し、接続部材の軸部の先端部が下板と接合するとともに、上板が接続部材の頭部と下板との問で固定された接合継手(複合部材)を製造する場合に、下板として本開示に係る摩擦圧接用鋼板を好適に用いることができる。なお、下板の片面側のみ脱炭層を有する場合は、下板の脱炭層側に上板を重ね合わせて摩擦圧接によって接合する。
図3に示す接合継手では、下板2Bとして本開示に係る摩擦圧接用鋼板を用いて上板3と下板2Bが重ね合わされており、リベット状の接続部材1Bが上板3を貫通して下板2Bと摩擦圧接により接合されている。上板3は、リベット状の接続部材1Bの頭部12と下板2Bとによって挟まれて固定されている。
なお、上板3は、接続部材1Bの軸部11が貫通する予定の箇所に、貫通孔31Bを有していてもよい。
また、上板3として、同種又は異種の板材を複数枚重ね合わせて用いてもよい。すなわち、上板3と下板2Bは、直接重ね合わされていてもよいし、他の板材を介して重ね合わされていてもよい。
図4は、2枚の板材と棒状の接続部材を用いて摩擦圧接により接合する方法の他の例を示す概略図である。図4に示す実施形態では、接合継手10Aは、円柱状又は多角柱状の軸部を有する棒状の接続部材が使用されている。かかる接合継手10Aは、下板2Bである本開示に係る摩擦圧接用鋼板の上面に上板3が重ね合わされて、その上方側(摩擦圧接用鋼板とは反対側)から棒状の接続部材1が上板3を貫通して、接続部材1の下方側先端部(底面)と下板2Bとが摩擦圧接により接合されている。
このような接続部材1を用いて摩擦圧接を行った場合、接続部材1の上板3から突出する部分を上方側から専用工具で叩いてかしめることで、接続部材1のかしめ部と下板2Bとの問で上板3を固定することができる。
例えば、本開示の別の態様に係る自動車用部材は、上述された実施形態に係る接合継手(複合部材)を有する。これにより、継手強度に優れる自動車用部材とすることができる。なお、自動車用部材の種類は特に限定されない。
表1に示す化学成分を有する材料を実験室にて溶解して鋳込んだインゴットを熱間圧延(加熱温度1250℃、圧延温度(仕上げ圧延温度)900℃のち500℃まで水冷却、その後空冷)した後、冷間圧延にて厚さ1.40mmとした。なお、表1に示す成分以外の残部はFe及び不純物である。
冷間圧延後に焼鈍炉にて焼鈍して表層を脱炭層とした鋼板、及び表層に脱炭層のない鋼板を作製した。焼鈍は、鋼板の表面温度を800℃まで30℃/sで上昇させた後、表2に記載の時間にて保持した後に50℃/sで冷却した。また、雰囲気は5%H2を含むN2ガス雰囲気として、露点は-30℃および5℃の二通りとした。
なお、各表における下線は本開示の範囲から外れることを意味する。
得られた鋼板に対して、JIS5号の引張試験片を作製してJIS Z 2241:2011に準拠して引張試験を行い、引張強さを測定した。
摩擦圧接用鋼板の表面から45μmまでの表層領域におけるC含有量、及び内部のC含有量の測定方法は以下の通りとした。
鋼板表層のC含有量については、グロー放電発光分光分析により、鋼板表面から深さ方向のC含有量分布を分析した。摩擦圧接用鋼板における内部のC含有量は、摩擦圧接用鋼板の表面を0.2mm削った後に切粉試料として高周波燃焼法にて分析した。
表層領域におけるC含有量は、表2に「深さ45μmまでの炭素量[%]」として記載した。また、内部のC含有量は、表1に示すインゴットのC含有量と同じであった。
これらの鋼板に摩擦圧接を行った。摩擦圧接は、1000MPa級の銅製の丸棒(直径4.5mm、長さ7mm)を用い、上記の得られた鋼板No.1~40に対してそれぞれ摩擦圧接を行って接合継手を製造した。摩擦圧接は、上記にて作製した鋼板に加圧力7kN、回転数5000rpmにて実施した。加圧時間は1.5sとした。
上記摩擦圧接により得られた接合継手の摩擦圧接面の中心を通り摩擦圧接面に垂直な面で切断し断面を顕微鏡(倍率:50倍)で観察し、亀裂欠陥の有無を判断した。
また、鋼板の引張試験において、引張強さが780MPaを下回るものを強度不足と判断した。また、鋼板製造中に破断が生じて又は圧延ができずに次工程での試験ができないものなどは製造困難と判断した。
なお、鋼板番号13~16(参考例)は内部領域におけるC含有量が0.25%未満であり、接合部における亀裂が発生しない成分系である。
2B、20 下板
1B、1、30 接続部材
10A、10B 接合継手
11 軸部
12 頭部
31B 貫通孔
32 頭部
34 軸部
PB、40 接合部
Claims (9)
- 質量%で、
C含有量が、表面から深さ0.2mmよりも内部の領域において0.25~0.70%であり、かつ少なくとも片面側の表面から深さ45μmまでの領域において0.25%未満であり、
Si:0.10~3.50%、
Mn:0.50~8.00%、
P:0.020%以下、
S:0.050%以下、
Al:3.000%以下、及び
N:0.010%以下であり、
残部が、Fe及び不純物からなる鋼成分を有し、
引張強さが780MPa以上である、
摩擦圧接用鋼板。 - 前記Feの一部に代えて、質量%で、
Ti:0.300%以下、
Nb:0.300%以下、及び、
V:0.30%以下
からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む請求項1に記載の摩擦圧接用鋼板。 - 前記Feの一部に代えて、質量%で、
Cr:5.0%以下、及び、Mo:2.00%以下の1種又は2種を含む請求項1又は請求項2に記載の摩擦圧接用鋼板。 - 前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:2.00%以下、及び、Ni:10.0%以下の1種又は2種を含む請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の摩擦圧接用鋼板。
- 前記Feの一部に代えて、質量%で、B:0.020%以下を含む請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の摩擦圧接用鋼板。
- 前記Feの一部に代えて、質量%で、
Ca:0.003%以下、
REM:0.05%以下、
Mg:0.05%以下、及び
Zr:0.05%以下
からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の摩擦圧接用鋼板。 - 表面にZn及びAlの少なくとも一方を含むめっき層が形成されている請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の摩擦圧接用鋼板。
- 第1の板材と、
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の摩擦圧接用鋼板であって、前記片面側に前記第1の板材が重ね合わされた第2の板材と、
頭部及び軸部を有し、前記第1の板材と前記第2の板材とを接続する接続部材と、
を含み、
前記接続部材の前記軸部が前記第1の板材を貫通して前記軸部の先端部が前記第2の板材の前記片面側と接合されており、前記第1の板材が前記接続部材の前記頭部と前記第2の板材との間で固定された構造を有する、
複合部材。 - 請求項8に記載の複合部材を備えた自動車用部材。
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|---|---|---|---|---|
| JP2003025076A (ja) | 2001-07-09 | 2003-01-28 | Riken Tanzou Kk | 内燃機関のピストン製造方法 |
| JP2004340321A (ja) | 2003-05-19 | 2004-12-02 | Fukui Byora Co Ltd | 自己穿孔式ファスナー |
| JP2006175504A (ja) | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Nissan Motor Co Ltd | 異種材料の接合方法 |
| JP2008255369A (ja) | 2007-03-30 | 2008-10-23 | Jfe Steel Kk | 摩擦撹拌接合法の施工性に優れた高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 |
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-
2020
- 2020-03-25 JP JP2020055126A patent/JP7417090B2/ja active Active
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