次に、本発明の実施形態を図1~図43に基づいて説明する。図1~図8は、第1実施形態に係る携帯用切断機1を示している。図示するように本実施形態では、携帯用切断機1としてリヤハンドルソーと称される手持ち式の切断工具を例示する。携帯用切断機1は、主として立ち姿勢で足元の被切断材を切断加工する作業を想定してメインハンドル40がベース2の後端縁からさらに後方へ大きく張り出した状態に設けられている。
携帯用切断機1は、電動モータ20を駆動源として回転させるチップソーと称される円板形の刃具25を備えた切断機本体10と、切断機本体10を上面側に支持するベース2を備えている。ベース2には概ね矩形で前後に長い窓部2aが設けられている。この窓部2aを経て刃具25の下部側がベース2の下面側に突き出されている。ベース2の下面側に突き出された刃具25を切り込ませて被切断材Wの切断加工が行われる。切断機本体10の後部に使用者が把持するメインハンドル40が設けられている。使用者は携帯用切断機1の後方(図1~3において紙面左側、図4において紙面右側)に位置してメインハンドル40を把持し、前側(図1~3において紙面右側、図4において紙面左側)に移動させることにより切断加工を進行させることができる。図中、切断加工が進行する方向を切断進行方向と表示している。
以下の説明では、部材及び構成の前後方向については、切断が進行する方向を前側とし、使用者側を後ろ側とする。また、部材及び構成の左右方向については使用者を基準にして用いる。図2~4に示すように刃具25の刃先とベース2の下面との前側の交差部が被切断材Wに対して最初に切り込まれる部位(切断部位C)となる。切断部位Cから切断粉が上方に吹き上げられる。吹き上げられた切断粉は、固定カバー11内に集塵される。
切断機本体10は、刃具25の上側ほぼ半周の範囲を覆う固定カバー11を備えている。切断機本体10は、固定カバー11の前部に設けた上下揺動支軸12を介して上下に揺動可能な状態でベース2の上面に支持されている。上下揺動支軸12を中心にして切断機本体10を上下に揺動させることにより、刃具25のベース2の下面側への突き出し量を変化させることができ、これにより刃具25の被切断材Wに対する切込み深さを調整することができる。
切断機本体10は、上下揺動支軸12を介して、ベース2の上面に設けられた前側傾斜支持部4に結合されている。前側傾斜支持部4は、ベース2の上面に起立状態に固定したアンギュラープレート4aと、アンギュラープレート4aの後面側に前側左右傾斜支軸5を介して左右に傾動可能に支持された傾斜ブラケット4bを備えている。傾斜ブラケット4bに上記した上下揺動支軸12を介して切断機本体10の前部支持部10aが支持されている。
アンギュラープレート4aに対する傾斜ブラケット4bの傾動位置は、固定レバー4cを締め込むことにより固定される。図17に示すように固定レバー4cが固定ナット4hを介してねじ結合された固定ねじ4fがアンギュラープレート4aの円弧形のガイド溝4gに挿通されている。固定レバー4cの傾動操作により固定ナット4hが固定ねじ4fに締め込まれて、傾斜ブラケット4bがアンギュラープレート4aに対して固定される。傾斜ブラケット4bが固定されることで、切断機本体10の左右傾動位置が固定される。
図4に示すように固定カバー11の後部とベース2の後部との間には、後側傾斜支持部6が設けられている。後側傾斜支持部6は、ベース2に対して後側左右傾斜支軸7を介して左右に傾動可能に支持されたベースブラケット6aと、ベースブラケット6aに対して前後回動軸6cを介して前後に揺動可能に支持されたデプスガイド6bを備えている。
後側左右傾斜支軸7は、前側左右傾斜支軸5と同軸に配置されている。前側左右傾斜支軸5と後側左右傾斜支軸7を介して切断機本体10を左右に傾斜させることにより、刃具25の被切断材Wに対する切込み角度を調整することができる。図6に示すようにアンギュラープレート4aの周縁には、切断機本体10の傾斜角度を示す角度表示4dがなされている。一方、傾斜ブラケット4bには、インジケータ4eが設けられている。インジケータ4eが指し示す傾斜角度を読み取ることで、切断機本体10の傾斜角度を精確に把握することができる。
デプスガイド6bは、切断機本体10の上下方向の揺動動作を案内する円弧形のガイド部材の機能を有する。固定レバー6fを介して本体固定ねじ6eを、固定カバー11に一体に設けたハンドル支持部13に対して締め込むことによりデプスガイド6bに対して切断機本体10の上下揺動位置が固定される。これにより刃具25のベース2の下面側への突き出し量が固定されて、被切断材Wに対する刃具25の切り込み深さが固定される。本体固定ねじ6eは、固定レバー6fを上下に揺動操作することにより締め付けたり、緩めたりすることができる。
図4に示すようにデプスガイド6bの縁部には、刃具25の切り込み深さを指し示す深さ目盛り6dが表示されている。ハンドル支持部13の左側部には、三角形のインジケータ13aが表示されている。インジケータ13aが指し示す深さ目盛り6dを読み取ることで、切り込み深さを精確に設定することができる。
図4に示すように固定カバー11の側部には、刃具25の回転方向を示す白抜き矢印11aが表示されている。刃具25が図4において時計回り方向に回転することから、切断部位Cから切断粉が上方へ吹き上げられる。吹き上げられた切断粉は、刃具25の回転により発生する切断風に乗って固定カバー11内に集塵される。
図1~3,5,6に示すように固定カバー11の前部かつ右側部には、集塵ダクト8が設けられている。図では集塵ダクト8がキャップ9で塞がれている。図では省略したがキャップ9を外して集塵ダクト8に集塵ホースを接続することができる。集塵ホースを介して集塵ダクト8に集塵機を接続することができる。集塵機で、発生した切断粉を効率よく集塵することができる。集塵ダクト8には、集塵ホースに代えてダストバック(集塵袋)を接続することもできる。集塵機やダストバックで集塵することにより、清浄な作業環境を維持することができる。
図18~20には、集塵ダクト8から取り外したキャップ9が示されている。キャップ9はゴム等の合成樹脂製で適度な弾力を有している。キャップ9は、フランジ部9aと円筒部9bを有する。円筒部9bが集塵ダクト8の内周側に弾性的に嵌め込まれて、集塵ダクト8が気密に塞がれる。円筒部9bの内周側には、円形の係合凹部9cが設けられている。集塵ダクト8に取り付けたキャップ9は、フランジ部9aを把持して引っ張ることで取り外すことができる。
集塵ダクト8から取り外したキャップ9は、図6,17に示すように前側傾斜支持部4に保持しておくことができる。取り外したキャップ9は、その係合凹部9c内に固定ナット4hを弾性的に嵌め込むことで、アンギュラープレート4aの前面に保持される。また、集塵ダクト8から取り外したキャップ9は、前側傾斜支持部4ではなく後側傾斜支持部6に保持しておくことができる。キャップ9は、本体固定ねじ6eに螺合された固定ナット6gを係合凹部9c内に弾性的に嵌め込んで保持される。
キャップ9の係合凹部9cは、前側傾斜支持部4の固定ナット4h及び後側傾斜支持部6の固定ナット6gが弾性的に嵌め込まれる径と深さで設けられている。固定ナット4hと固定ナット6gには、それぞれ袋ナットが用いられている。固定ナット4hと固定ナット6gは、それぞれ固定レバー4cと固定レバー6fの側部から、係合凹部9cの深さに相当する量だけ突き出している。図17を除いて各図では、集塵ダクト8から取り外して前側傾斜支持部4又は後側傾斜支持部6に保持したキャップ9が二点鎖線で示されている。集塵ダクト8に取り付けたキャップ9は実線で示されている。キャップ9は、集塵ダクト8に取り付けるか、前側傾斜支持部4若しくは後側傾斜支持部6の何れかの固定ナット4h、6gに保持しておくことができる。これにより、集塵ダクト8から取り外したキャップ9の取り扱い性が高められる。従って、キャップ9を紛失するといったトラブルを未然に防ぐことができる。
刃具25の下側ほぼ半周の範囲は、可動カバー14で覆われるようになっている。可動カバー14は、刃具25の回転中心付近を中心にして開閉可能に支持されている。可動カバー14が開かれると刃具25の周囲(刃先)が露出される。可動カバー14は、図では見えていないが引っ張りばねによって閉じ方向にばね付勢されている。可動カバー14がばね付勢力により閉じられると、刃具25の下側ほぼ半周の範囲がこの可動カバー14で覆われる。可動カバー14の後部には、開閉レバー14aが設けられている。使用者はこの開閉レバー14aを把持して可動カバー14を手動操作により強制的に開閉させることができる。通常の切断作業では、図2~4に示すように可動カバー14の前端が被切断材Wの端部に当接され、当接状態で当該携帯用切断機1を前側へ移動させることにより、当該可動カバー14がそのばね付勢力に抗して徐々に開かれていく。
図5に示すように固定カバー11の右側部に減速ギヤ部15を介して電動モータ20が取り付けられている。電動モータ20は、そのモータ軸線Jを刃具25の面方向に直交させた横向き姿勢で取り付けられている。減速ギヤ部15は、固定カバー11の右側部に一体に設けたギヤハウジング15a内に減速ギヤ列を収容した構成を備えている。減速ギヤ部15により電動モータ20の回転出力が減速されてスピンドルに伝達される。固定カバー11とギヤハウジング15aはマグネシウムダイキャストにより一体に形成されている。ギヤハウジング15aにアルミニウムダイキャスト製のモータハウジング21が結合されている。電動モータ20は、円筒形のモータハウジング21に内装されている。
電動モータ20には、円筒形の固定子の内周側に回転子を回転自在に支持したブラシレスモータが用いられている。電動モータ20は、例えば回転子に整流子及びブラシの配置を要しない分だけ軸線方向(左右方向)にコンパクト化されている。回転子を支持するモータ軸には冷却ファンが取り付けられている。
図1~3に示すようにモータハウジング21の左端面には、複数の吸気孔21aが設けられている。電動モータ20の起動により冷却ファンが回転すると、複数の吸気孔21aを経てモータハウジング21内に外気が導入される。吸気孔21aから導入された外気は、モータ軸線J方向の出力側へ流れ、その過程で固定子及び回転子の冷却がなされる。
減速ギヤ部15の出力軸であるスピンドル17は、ギヤハウジング15a内から固定カバー11内に突き出されている。スピンドル17は、モータ軸線Jに対して平行に配置されている。スピンドル17の先端部に刃具25が取り付けられている。図4に示すように刃具25は、アウタフランジ25aとインナフランジ25bで面直方向に挟まれ、この挟み込み状態がスピンドル17の先端面に締め込んだ刃具固定ねじ25cによりロックされることにより、スピンドル17に対して軸方向変位不能かつ軸回りに回転不能に固定されている。刃具固定ねじ25cには、六角ボルトが用いられている。
図2,3,5に示すようにギヤハウジング15aとモータハウジング21との結合部付近にスピンドルロックレバー18が前方へ突き出す状態に設けられている。このスピンドルロックレバー18を押し込み操作するとスピンドルロックレバー18がモータ軸に係合して、スピンドル17が回転不能にロックされる。スピンドル17がロックされることで、刃具固定ねじ25cを緩めたり、締め付けたりする際の便宜が図られる。
図1~3に示すように固定カバー11の右側部であって電動モータ20の後ろ側に、コントローラ収容部32が設けられている。コントローラ収容部32には、矩形平板形をなすコントローラ33が収容されている。コントローラ33には、電動モータ20の動作制御を行う制御回路や電源回路を含む制御基板が内装されている。コントローラ33は、底浅で矩形箱体形のアルミニウム製のケースに制御基板を収容したもので、制御基板は樹脂モールドされて絶縁されている。コントローラ33は、その上部側を後方へ変位させる方向に傾いた姿勢で収容されている。これにより比較的大形のコントローラ33が前後方向及び上下方向の双方についてコンパクトに収容されている。
コントローラ33の制御基板には、電動モータ20のセンサ基板で検知された回転子の位置情報に基づいて制御信号を送信する制御回路が搭載されている。また、制御基板には、この制御回路から受信した制御信号に基づいて電動モータ20の電流をスイッチングする駆動回路が搭載されている。さらに、制御基板には、以下説明するバッテリ取り付け部30に取り付けたバッテリパックの状態の検出結果に応じて過放電又は過電流状態とならないように電動モータ20への電力供給を遮断するオートストップ回路が搭載されている。
コントローラ収容部32の後方に、バッテリ取り付け部30が設けられている。バッテリ取り付け部30に、スライド取り付け形式のバッテリパックが1つ取り付けられる。取り付けたバッテリパックの電力を電源として電動モータ20が起動する。図ではバッテリパックが取り外された状態で示されている。バッテリパックは図示されていない。バッテリ取り付け部30には、1つの端子台36と前壁部34と後壁部35を備えている。
バッテリ取り付け部30は、前後方向の位置についてコントローラ収容部32の後ろ側、メインハンドル40の前側に配置されている。バッテリ取り付け部30の前部に前壁部34、後部に後壁部35が設けられている。前後両側の壁部34,35は相互に平行で、同じ張り出し量で右方(刃具25から離間する方向)へ張り出している。両壁部34,35は、上下方向についてもほぼ同じ高さで延在されている。前壁部34の上部に、コントローラ収容部32の上部が繋がっている。
前壁部34と後壁部35との間に1つのバッテリパックが取り付けられる。取り付けたバッテリパックの前後が前壁部34と後壁部35で覆われることでバッテリパックの保護が図られる。図1~3に示すように前壁部34と後壁部35との間の奥部であって、バッテリ取り付け部30の左端部に端子台36が配置されている。端子台36に、一対のレール受け部36aと、正負の電源端子36b,36cが配置されている。正負の電源端子36b,36c間に、2つの信号端子36eが配置されている。一対のレール受け部36aは、端子台36の前部と後部において相互に平行に上下に延びている。前後のレール受け部36a間に、正負の電源端子36b,36cが配置されている。正負の電源端子36b,36cは、前後に一定の間隔をおいて上下に延びている。端子台36の上部には、バッテリパックの取り付け状態をロックするためのロック凹部36dが設けられている。バッテリパックのロック爪がロック凹部36dに係合されることで、バッテリパックの取り付け状態がロックされる。
バッテリパックは、端子台36に対し下方へスライドさせて取り付けられ、上方へスライドさせて取り外される。バッテリパックは、バッテリ取り付け部30から取り外して別途用意した充電器で充電することにより繰り返し電源として利用することができる。バッテリパックは、他の電動工具の電源として使い回すことができる汎用性の高いものが適用される。
バッテリ取り付け部30の後方に、D形のメインハンドル40が設けられている。メインハンドル40は、刃具25の面方向(前後方向)に沿ってほぼ平行に延びている。メインハンドル40は、バッテリ取り付け部30の後部から後方へ張り出している。メインハンドル40は、ベース2の後端部よりもさらに後方へ張り出している。図5~8に示すように刃具25は、メインハンドル40に対して左側にずれて配置されている。
メインハンドル40の後部であって上下方向に延びる部位が使用者が把持するグリップ部41とされている。グリップ部41の上部には、トリガ形式のスイッチレバー42が設けられている。グリップ部41を把持した手の指先でこのスイッチレバー42を引き操作すると、電動モータ20が起動して刃具25が回転する。グリップ部41の表面及びスイッチレバー42の周辺には、滑り止め用のエラストマ樹脂層が被覆されている。
スイッチレバー42の上方には、ロックオフボタン43が配置されている。スイッチレバー42は通常状態でロックされており、引き操作できない。ロックオフボタン43を指先で押し操作することで、スイッチレバー42のオフ位置のロック状態が解除されて引き操作可能となる。スイッチレバー42の引き操作を解除すると、自動的にロックオフ状態に戻る。これによりスイッチレバー42の意図しない不用意な引き操作が防止される。ロックオフボタン43は、メインハンドル40の左右両側に配置されている。何れか一方のロックオフボタン43が押し操作されると、スイッチレバー42のロックオフ状態が解除される。
固定カバー11の後部には、前記したハンドル支持部13が一体に設けられている。ハンドル支持部13は、固定カバー11と同じくダイキャスト製の平板で、本実施形態では固定カバー11と一体に形成されている。ハンドル支持部13は、固定カバー11の後部から後方へ張り出す状態に設けられている。ハンドル支持部13は、刃具25の面方向に沿って平行に張り出している。ハンドル支持部13に対して、バッテリ取り付け部30とメインハンドル40が結合されている。
メインハンドル40の右側部かつ後壁部35の後ろ側に、ブロック体形の台座部37が設けられている。台座部37の上部には、フック50が設けられている。台座部37の下部には、アダプタ収容部46が設けられている。前者のフック50は、当該携帯用切断機1を例えば不使用時に脚立の踏み台に引き掛けておくために用いられる。フック50の詳細が図11~16に示されている。フック50は、U字形に曲げられたフック本体51と、フック本体51を台座部37に対して使用位置と収納位置に移動可能に支持する支持部52を有している。
フック本体51は、基軸部51aと連結部51bと引き掛け部51cを有するU字形を有している。支持部52は円筒形を有している。支持部52の内周側にフック本体51の基軸部51aが、その軸回りに回転可能かつ軸線方向に変位可能に挿入されている。図16に示すように基軸部51aの先端部は、支持部52の反対側の端部から突き出されている。突き出し部分にスプリングピン53が径方向に挿入されている。スプリングピン53は、基軸部51aの径方向両側に突き出されている。
スプリングピン53の、基軸部51aの径方向両側に突き出した部分は、支持部52の端部に設けた位置決め凹部52aに離脱可能に進入される。位置決め凹部52aは周方向の四等分位置(使用位置と収納位置)に設けられている。周方向に隣接する位置決め凹部52a間には、規制凸部52bが設けられている。規制凸部52bは、周方向に対向する2箇所に設けられている。規制凸部52bは、軸線方向に高く形成されている。このため、径方向両側に突き出すスプリングピン53の端部は、対向する2箇所の規制凸部52b間で周方向に変位可能となっている。これにより、基軸部51aの軸回りの回転範囲が約90°の範囲に規制されている。これにより、相互に約90°の角度をなす、使用位置と収納位置が規定されている。
基軸部51aの反対側(連結部51b側)には、スリーブ51eが取り付けられている。スリーブ51eは、突起部51dにより連結部51b側への変位が規制されている。支持部52の内周側に張り出して設けた係合部52fとスリーブ51eとの間に圧縮ばね54が介装されている。圧縮ばね54により、基軸部51aが軸線方向に付勢されている。これによりスプリングピン53の両端部が、位置決め凹部52aに進入する方向に付勢されている。
支持部52には、結合部52cが下方へ張り出すように設けられている。結合部52cの左側部には、位置決め凸部52dが一体に設けられている。位置決め凸部52dを台座部37の右側部に設けた位置決め凹部に凹凸嵌合させた状態で、結合部52cが2本の固定ねじで台座部37の右側部に結合されている。図では2本の固定ねじが挿通される挿通孔52eが示されており、固定ねじの図示は省略されている。
上記例示したフック50によれば、フック本体51を基軸部51aの軸線回りに回転させて、上方の使用位置と下方の収納位置に移動させることができる。図14において使用位置のフック本体51が二点鎖線で示され、収納位置のフック本体51が実線で示されている。フック本体51が使用位置に取り出されると、引き掛け部51cが右方へ張り出される。これにより例えば脚立の踏み台を基軸部51aと引き掛け部51cとの間に位置させて、携帯用切断機1を吊り下げておくことができる。フック本体51の引き掛け部51cの内周側には、引き掛け部位(脚立の踏み台)に対する位置ずれを防止するための突起部51fが設けられている。
フック本体51の使用位置と収納位置は、スプリングピン53の端部が圧縮ばね54の付勢力により位置決め凹部52aに弾性的に嵌まり込むことで保持される。使用者は、圧縮ばね54の付勢力に抗してフック本体51を基軸部51aの軸線回りに回転させることで、使用位置に取り出し、逆に収納位置に収納することができる。フック本体51は、規制凸部52bにより、使用位置と収納位置との間の約90°の範囲に規制されている。このため、フック本体51は、使用位置より上方へ変位せず、台座部37に沿った収納位置よりさらに左方へ変位しないようになっている。
台座部37は、左右方向に高さが異なる段付き形状を有している。上側のより高い部位に上記フック50が取り付けられている。下側のより低い部位にアダプタ収容部46が設けられている。左右方向により奥まった部位に配置されることで、アダプタ収容部46の保護がなされている。アダプタ収容部46には、近距離無線通信用の通信アダプタ47が内装されている。通信アダプタ47により当該携帯用切断機1と他の無線機器との間で近距離無線通信がなされる。近距離無線通信により、当該携帯用切断機1の起動停止操作に連動して、例えば集塵ダクト8に集塵ホースを介して接続した集塵機の起動停止がなされる。この無線通信機能により、作業者は清浄な作業環境を維持しつつ切断作業を効率よく続行することができる。通信アダプタ47は、アダプタ収容部46から取り外すことができる。取り外した通信アダプタ47は、互換性を有する他の電動工具に転用することができる。
電動モータ20の上部には、フロントハンドル45が設けられている。フロントハンドル45は、電動モータ20の上部前面と固定カバー11の右側部との間を跨る門形を有している。フロントハンドル45は、使用者が把持する把持部45aと左右の脚部45b,45cを有する。左右の脚部45b,45cの上部間に把持部45aがほぼ水平に支持されている。左側の脚部45bが1本の固定ねじ45dで固定カバー11の右側部に結合されている。右側の脚部45cが2本の固定ねじ45dでモータハウジング21に対してねじ結合されている。
使用者は、例えば右手で把持部45aを把持し、左手でメインハンドル40のグリップ部41を把持して、当該携帯用切断機1を移動操作することができる。把持部45aは、ベース2に対して平行で、平面的に見ると左側ほど前方へ変位する方向に傾斜している。この傾きにより把持部45aは左手でより楽に把持できるようになっている。
メインハンドル40の下面に沿って工具収容部60が設けられている。第1実施形態に係る工具収容部60には、六角ボルトを締め付けて固定し、逆に緩めて外す締緩作業に用いる締付工具61が収容されている。第1実施形態では、締付工具61としてメガネレンチが例示されている。一般にメガネレンチ(Box wrench)は、把持しやすい棒型の手持ち工具で、一端又は両端に六角ボルトの六角形頭部の外周側に係合させる六角形若しくは多角形の係合孔を有する。図21に示すように締付工具61は一定幅の帯板形状を有し、長手方向の2箇所で屈曲された段付き形状を有している。屈曲部61dに対して長手方向に長い平坦部61bと、長手方向に短い平坦部61cが設けられている。長手方向に短い平坦部61cに、1つの六角形に係合孔61aが設けられている。長手方向に長い平坦部61bの端部には一つの補助孔61eが設けられている。補助孔61eには、工具収容部60から取り出した際にフックを引き掛けて当該締付工具61を吊り下げておくことができる。
締付工具61は、刃具交換時に刃具固定ねじ25cを緩めて外し、逆に締め付けて固定する締緩作業に用いられる。係合孔61a内に刃具固定ねじ25cの六角形頭部を位置させて、六角形頭部の外周側に係合孔61aを係合させた状態で長い平坦部61b側を把持して回動させることで、刃具固定ねじ25cが緩められ、締め付けられる。締付工具61には両側に六角形又は多角形の係合孔を有するメガネレンチを適用することもできる。
図3,9,10に工具収容部60の詳細が示されている。工具収容部60は、締付工具61を収容可能な薄板形状の筒形空間部であり、メインハンドル40の下面に沿って前後に長く設けられている。工具収容部60は後方に開口されている。後方開口部が締付工具61を進入させるための進入口60aに相当する。進入口60aが工具収容部60の後端部に相当する。本実施形態では、進入口60aに側方開放部60bが設けられている。図9に示すように締付工具61の全体が進入口60aの奥部に収容される。本実施形態では、締付工具61の上方を除く、下方及び左右側方(取り外し方向に対して直交する方向)が前方へ大きく欠落されて側方開放部60bが形成されている。図9では、側方開放部60を設けない場合の工具収容部60(進入口60a)が二点鎖線で示されている。このため、工具収容部60の進入口60aが締付工具61の後端部より後方に位置する状態で示されている。
下方及び左右側方の側方開放部60bを経て収容状態の締付工具61が側方を露出される。使用者は露出部に指先を直接当接させることができる。これにより締付工具61を容易に把持して取り出すことができる。締付工具61の長い平坦部61bのほぼ全体が工具収容部60に差し込まれる。従って、工具収容部60の側方開放部60bからは、短い平坦部61cと屈曲部61dが突き出された状態となる。これにより、締付工具61の長手方向ほぼ60パーセントを超える領域(より精確には63パーセント)が工具収容部60に収容された状態となる。使用者は、工具収容部60の開口から突き出された、40パーセントに満たない領域(より精確には37パーセント)を把持して取り出すことができる。
工具収容部60の内壁上面には、1つの弾性部材62(ラバーピン)が取り付けられている。工具収容部60に締付工具61の長い平坦部61b側を工具収容部60に差し込むと、弾性部材62が長い平坦部61bに弾性的に押し当てられる。これにより、締付工具61のガタツキや不用意な抜け出しが防止される。
また、図9,10に示すように工具収容部60の奥部(前部)下面には、板厚方向内側に一段変位した弾性押圧部60cが設けられている。工具収容部60に締付工具61を収容すると、締付工具61の前部下面に弾性押圧部60cが弾性的に押圧される。上記弾性部材62に加えて弾性押圧部60cによっても、締付工具61のガタツキや不用意な抜け出しが防止される。
以上説明した第1実施形態に係る携帯用切断機1によれば、例えば刃具25の切り込み深さを小さくするために切断機本体10を上方へ変位させた場合に、工具収容部60に収容した締付工具61が切断機本体と一体で変位する。このため、従来締付工具がベースから側方にはみ出して保持される場合のように締付工具が作業の邪魔になることが少ない。
工具収容部60の進入口60aには、締付工具61の下方及び左右側方を露出させる側方開放部60bが設けられている。使用者は側方開放部60bを経て締付工具61に直接指先を当接させることができる。これにより締付工具61を楽に把持して工具収容部60から取り出すことできる。
また、工具収容部60には締付工具61に弾性的に押し付けられる弾性部材62及び弾性押圧部60cが取り付けられている。これにより、従来の専用レンチのような切り欠きを必要とすることなく、一般に市販される締付工具61を工具収容部60に収容することができる。従って、工具収容部60の汎用性が高まる。
さらに、工具収容部60がメインハンドル40の下方に配置されている。これにより、工具収容部60に挿入された締付工具61の突出部(短い平坦部61c及び屈曲部61d)がメインハンドル40の下面に沿って工具収容部60の開口から突出される。従って、締付工具61の突出部がメインハンドル40の下方に隠れてガードされることから、当該突出部が邪魔になりにくい。
以上説明した第1実施形態に種々変更を加えることができる。例えば、締付工具61の収容部位は、メインハンドル40の下方に限らず、他の部位に変更することができる。図22~24には、フロントハンドル45の把持部45aに工具収容部65を設けた第2実施形態が示されている。工具収容部65を設ける部位以外については変更を要しない。変更を要しない部材及び構成については同位の符合を用いてその説明を省略する。
フロントハンドル66は、把持部67の左右両端部に脚部45b,45cを備えている。左右の脚部45b,45cは、第1実施形態と同様、固定ねじ45dで固定カバー11の右側部、モータハウジング21に結合されている。把持部67には左右方向に貫通する工具収容部65が設けられている。工具収容部65の右側の開口65aが、左側の開口65bよりも若干広く形成されている。第2実施形態では、工具収容部65の右側の開口65aから締付工具61が進入され、逆に取り出される。
図22,23では、工具収容部65の進入口65eが二点鎖線で示されている。進入口65eの全周のうち上壁部と前後壁部が欠落されて開口65aが設けられている。開口65aが側方開放部に相当する。進入口65e(工具収容部65の右端部)の周囲の一部が欠落されて開口65aが設けられることで、収容した締付工具61の前後縁部が前方及び後方に露出され、また上面が上方に露出されている。これにより使用者は開口65aに露出された部位に直接指先を当接させて、締付工具61を楽に取り出すことができる。
図23に示すように工具収容部65の左側の開口65b付近には、1つのリーフスプリング68が取り付けられている。締付工具61を工具収容部65に収容すると、リーフスプリング68が締付工具61の補助孔61eに弾性的に係合される。これにより、締付工具61のガタツキが防止され、また不用意な抜け出しが防止される。
図22,23に示すように工具収容部65内には、前後一対の受け台部65cが設けられている。受け台部65cは、右側の開口65aのやや奥部から左側の開口65b付近に至って設けられている。締付工具61の幅方向の両側が前後の受け台部65cで下方から受けられた状態となる。従って、リーフスプリング68により締付工具61が受け台部65cに弾性的に押し付けられて保持される。また、屈曲部61dが工具収容部65の底部65dに当接される。
第2実施形態に係る工具収容部65によれば、フロントハンドル66のデッドスペースを有効活用して締付工具61を邪魔にならないように収容しておくことができる。
図25~27には、第3実施形態に係る工具収容部70が示されている。第3実施形態に係る工具収容部70は、メインハンドル40の外郭を構成する半割形のハンドルハウジング40aの右側部に設けられている。第3実施形態の場合、前記第1実施形態で示したバッテリ取り付け部30及びコントローラ収容部32を配置する領域について、左右幅方向及び高さ方向の制約が加わる。
ハンドルハウジング40aの右ハウジング40bの右側部に受け台部40cが一体に設けられている。受け台部40cは、右側方へ張り出す状態に設けられている。受け台部40cの上面に沿って収容カバー71が結合されている。図28に収容カバー71が単体で示されている。収容カバー71は、天板部71aと側壁部71bを有する。天板部71aの前部に、スプリング部71cが設けられている。スプリング部71cは、成形時にU字形に切り込みを入れることで天板部71aに一体に成形されている。
天板部71aの左縁部には、位置決め用の凸部71dが一体に設けられている。収容カバー71は、位置決め用の凸部71dが右ハウジング40bの位置決め孔40dに挿入されて位置決めされた状態で、受け台部40cに固定されている。収容カバー71は、側壁部71bが2本の固定ねじ71eで受け台部40cの右側部に結合されて取り付けられている。
収容カバー71と受け台部40cとの間に、締付工具61を収容する工具収容部70が形成される。受け台部40cの後端部が工具収容部70の進入口70aに相当する。受け台部40cの前後長さに対して収容カバー71の前後長さは小さくなっている。これにより、第3実施形態でも、進入口70aの全周のうち、上部(上壁部)と右側部(右壁部)が欠落されて、側方開放部70bが形成されている。側方開放部70bにより、収容した締付工具61が上方及び右側方に露出されている。
第3実施形態では、工具収容部70の進入口70aが欠落されて設けられた後部側の開口71f(収容カバー71の後端部)から締付工具61が出し入れされる。図27に示すように締付工具61が収容されると、長い平坦部61bのほぼ全体が収容カバー71の下方に収容される。締付工具61の短い平坦部61c及び屈曲部61dは開口71fからはみ出た状態で収容される。使用者は、側方開放部70bに露出された上面若しくは右側部に直接指先を当接させて、締付工具61のはみ出し部分を把持部として把持できる。使用者ははみ出し部分を把持して、工具収容部70に収容し、逆に工具収容部70から引き出すことができる。
また、締付工具61が工具収容部70に収容されると、スプリング部71cが補助孔61eに弾性的に嵌め込まれて、締付工具61が受け台部40cに押し付けられる。これにより、締付工具61の工具収容部70内でのガタツキが防止され、また工具収容部70からの不用意な抜け出しが防止される。
受け台部40cの後部側には、締付工具61の短い平坦部61cの先端部を係合させる逃がし凹部40eが設けられている。図25,27に示すように短い平坦部61cの先端部が逃がし凹部40eの縁部に係合されることでも、収容した締付工具61のガタツキ及び不用意な抜け出しが防止される。また、側方開放部70bに加えて逃がし凹部40eによっても短い平坦部61cが摘み易くなることから、収容、取り出し時の便宜が図られる。
第3実施形態に係る工具収容部70によっても、切断機本体10のデッドスペースを有効活用して締付工具61を切断機本体10に収容しておくことができる。これにより、刃具交換時の便宜が図られるとともに、締付工具61が邪魔にならないようにコンパクトに収容しておくことができる。
図29~34には、第4実施形態に係る工具収容部80が示されている。第4実施形態の工具収容部80では、T型ボックスレンチ(アメリカ名:T-handle Socket wrench/イギリス名:T-handle Socket spanner)と称される締付工具81が収容される。図32に示すように締付工具81は、六角形の係合孔81bが形成されたホルダ部81aと、ホルダ部81aから両側方へ延びるハンドル部81cを有する。刃具固定ねじ25cを係合孔81bに嵌め込んだ状態でハンドル部81cを把持してホルダ部81aを回転することで、刃具固定ねじ25cが締め付けられ、逆に緩めることができる。
第4実施形態の工具収容部80は、ベース2に設けられている。工具収容部80は、バッテリ取り付け部30の下方に設けられている。第4実施形態は、工具収容部80以外については第1実施形態と同様で足りる。変更を要しない部材及び構成については同位の符合を用いてその説明を省略する。
図34に示すようにベース2の上面には、左右方向に平行に延びる2つ段部2bが設けられている。2つの段部2bとの間に、平坦な凹部2cが設けられている。凹部2cに保持部材82が取り付けられる。図33に示すように保持部材82は、平板形の基台部82aとU字形の保持部82bを有している。基台部82aと保持部82bは成形により一体に形成されている。保持部材82は、段部2bの凹部2cに基台部82aを嵌め込んで位置決めされた状態でベース2の上面に取り付けられている。保持部材82は、基台部82aの挿通孔82cに挿通した固定ねじ83をねじ孔2dに締め込んで固定されている。
保持部材82の保持部82bは、弾性を有して、締付工具81のホルダ部81aを弾性的に挟み込んで保持可能な円筒形を有している。弾性部材である保持部82bに対して上方からホルダ部81aを押し込んで弾性的に保持させることができる。これにより、締付工具81がベース2の上面に沿ってホルダ部81aを位置させた横向き姿勢で収容される。両側のハンドル部81cは、ベース2の端縁に沿って収容される。締付工具81は、平面視でベース2の端縁からはみ出さない位置に収容される。また、締付工具81は、バッテリ取り付け部30に取り付けたバッテリパックとベース2との間の隙間にコンパクトに収容される。
ホルダ部81aを保持部82bの弾性力に抗して上方へ持ち上げることで、締付工具81を工具収容部80から取り外すことができる。取り外した締付工具81を用いて刃具固定ねじ25cを回転させて刃具交換作業を迅速に行うことができる。
第4実施形態に係る工具収容部80によれば、比較的大形で重量が大きい締付工具81が保持部材82を主体とするコンパクトな構成で工具収容部80に保持される。締付工具81がベース2の上面にはみ出さない状態にコンパクトに収容されて邪魔になりにくい。
第4実施形態に係る工具収容部80によれば、ホルダ部81aが弾性部材で保持されて締付工具81が工具収容部80に収容される。従って、締付工具81が重心により近い部位で弾性部材により挟持されることから安定した状態で収容される。
図35~39には、第5実施形態に係る工具収容部85が示されている。第5実施形態に係る工具収容部85により締付工具81がベース2の上面に沿って収容される。第5実施形態に係る保持部材86は第4実施形態に係る保持部材82とは異なっている。第5実施形態に係る保持部材86により締付工具81のハンドル部81cが弾性的に保持される。
図37に示すようにベース2の上面に前後一対の保持壁部86aが一体に設けられている。前後の保持壁部86aは、ベース2の段部2bから上方に延びる状態に設けられている。前後2つの保持壁部86a間にホルダ部81aが収容される。前後2つの保持壁部86aの上部は、右方に屈曲している。図39に示すように後側の上部屈曲部86bに弾性部材87が取り付けられている。弾性部材87には、円柱体形のラバーピンが用いられている。弾性部材87は、上部屈曲部86bの下面にはみ出ている。前後の上部屈曲部86bとベース2の上面との間に、ホルダ部81aから前後両側に延びるハンドル部81cの基部81dが嵌め込まれる。後側のハンドル部81cの基部81dに弾性部材87が弾性的に押圧される。これにより、ハンドル部81cひいては締付工具81のガタツキや工具収容部85からの不用意な外れが防止される。
第4実施形態と同様第5実施形態の工具収容部85によれば、締付工具81がベース2の上面に沿って横向き姿勢で収容される。しかも平面視でベース2の外郭からはみ出さない状態に収容される。これにより締付工具81が作業の邪魔にならないようコンパクトに収容される。第5実施形態の場合、締付工具81を横向き姿勢でベース2の右側方から左方へ移動させて、ホルダ部81aをベース2に沿って移動させる。これにより前後のハンドル部81cを保持壁部86aの上部屈曲部86bとベース2との間の隙間に押し込んで締付工具81が工具収容部85に収容される。従って、締付工具81の弾性部材87に対する着脱性が高まるとともに、締付工具81がベース2に沿って安定した横向き姿勢でベース上に収容される。
図40~43には、第6実施形態に係る工具収容部90が示されている。第6実施形態に係る工具収容部90は、第1~第3実施形態と同じく切断機本体10側に設けられている。変更を要しない部材及び構成については同位の符合を用いてその説明を省略する。第6実施形態では、第1~第3実施形態とは異なって、フック50が省略されている。第6実施形態に係る工具収容部90は、フック50に代えて台座部37の上部に設けられている。台座部37の下部には、第1~第5実施形態と同じく近距離無線通信用の通信アダプタ47が装着されたアダプタ収容部46が設けられている。
台座部37の右側部に、円形の収容凹部91が設けられている。収容凹部91に締付工具81のホルダ部81aが差し込まれる。収容凹部91の下方に、保持凹部92が凹設されている。保持凹部92に1つのねじ孔92aが設けられている。保持凹部92に、弾性部材としての保持部材93が取り付けられている。保持部材93は、第4実施形態に係る保持部材82と同じく、平板形の基台部93aとU字形の保持部93bを有している。基台部93aと保持部93bは成形により一体に形成されている。保持部材93は、保持凹部92に基台部93aを嵌め込んで位置決めされた状態で台座部37の右側部に取り付けられている。保持部材93は、基台部93aの挿通孔93cに挿通した固定ねじ94をねじ孔92aに締め込んで固定されている。
保持部材93の保持部93bは、弾性を有して、締付工具81のハンドル部81cを弾性的に挟み込んで保持可能な円筒形を有している。ホルダ部81aを収容凹部91に差し込みつつ、ハンドル部81cを弾性部材である保持部93bに対して右側方から押し込んで弾性的に保持させる。これにより締付工具81が工具収容部90に収容される。締付工具81は、ハンドル部81cを台座部37の右側部に沿って位置させた横向き姿勢で収容される。両側のハンドル部81cは、台座部37の右側部に沿って上下に延びる状態に保持される。
第6実施形態に係る工具収容部90は、第1~第3実施形態と同様、切断機本体10に設けられている。従って、締付工具81は、切断機本体10に一体に収容される。このことから、例えば刃具25の切り込み深さを小さくするために切断機本体10を上方へ変位させた場合に、締付工具81が切断機本体10と一体で変位する。このことから、ベース2から側方にはみ出して保持される従来構成の場合のような作業の邪魔になることが少ない。
また、工具収容部90は、ホルダ部81aの一部を収容し、かつハンドル部81cを収容しない状態で締付工具81を保持する。従って、ハンドル部81cを把持し易くなって工具収容部90に対する着脱性が良くなる。
さらに、第6実施形態によると、締付工具81のハンドル部81cを取り外し可能に挟持する保持部材93が切断機本体10の台座部37に設けられている。従って、ハンドル部81cの把持性を確保しつつ、締付工具81が切断機本体10にコンパクトに収容される。
切断機本体10は、ベース2の後端からさらに後方へ延出するメインハンドル40を備えている。第6実施形態に係る工具収容部90は、側面視で電動モータ20とメインハンドル40との間に配置されている。従って、切断機本体10のデッドスペースを有効活用して締付工具81が邪魔にならないようコンパクトに収容される。
以上説明したように各実施形態に係る工具収容部60,65,70,80,85,90によれば、メインハンドル40がベース2の後端からさらに後方に張り出して配置されるリヤハンドルソーと称される携帯用切断機1について、締付工具61や締付工具81が邪魔にならないようコンパクトに収容される。これにより刃具交換作業の便宜が図られる。
以上説明した各実施形態にはさらに変更を加えて実施することができる。適用可能な刃具交換用の締付工具は、メガネレンチ(アメリカ名:Box wrench/イギリス名:Ring spanner)やT型ボックスレンチ(アメリカ名:T-handle Socket wrench/イギリス名:T-handle Socket spanner)に限定されない。例えば、六角形の係合孔61aではなく、六角ボルトの対向する二面に係合させる二股係合部を有するスパナ(アメリカ名:Open-end wrench/イギリス名:Open-end spanner)、あるいは一端に六角孔、他端に二股部を有するコンビネーションレンチ(アメリカ名:Combination wrench/イギリス名:Combination spanner)についても例示した第1~第3実施形態に係る工具収容部60,65,70を適用できる。また、T型ボックスレンチに代えて、L型ボックスレンチ(アメリカ名:L-handle Socket wrench/イギリス名:L-handle Sccket spanner)に適用できる。ハンドル部とホルダ部(ソケット)が別体で適用サイズを交換可能なソケットレンチ(アメリカ名:Interchangeable Socket wrench/イギリス名:Interchangeable Socket spanner)を第4~第6実施形態の工具収容部80,85,90に適用できる。
刃具固定ねじ25cがスピンドルの雌ねじ部に締め付ける六角ボルトである場合を例示したが、スピンドルの雄ねじ部に締め付けて刃具を固定する六角ナットである場合についても、例示した工具収容部60,65,70,80,85,90を適用することができる。本開示では、六角ナットが六角ボルトに含まれるものとする。
第1実施形態の弾性部材62、第2実施形態のリーフスプリング68、第3実施形態のスプリング部71cに代えて、鋼球がばね付勢されたボールプランジャを用いてもよい。また、弾性部材に代えてマグネットを用いる構成としてもよい。ボールプランジャやマグネット等の保持手段を用いて、締付工具61等の締付工具を工具収容部60,65,70にガタつきなく収容でき、また不用意な抜け出しが防止される。
携帯用切断機1として、メインハンドル40が後方へ大きく張り出したリヤハンドルソーを例示したが、ハンドル部がよりコンパクトな通常の携帯用マルノコについても各実施形態で例示した工具収容部60,65,70,80,85,90を適用することができる。また、携帯用切断機としては、チップソーの代わりにダイヤモンドホイールを刃具とするカッタについても同様に適用することができる。さらに、バッテリパックを電源とするDC機を例示したが、商用100Vを電源とするAC機についても例示した工具収容部60,65,70,80,85,90を適用することができる。