以下、図面を参照しながら本開示を実施するための形態(実施形態と称する)を説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限られず、例えば異なる実施形態同士を組み合わせたり、本開示の効果を著しく損なわない範囲で任意に変形したりできる。また、同じ部材については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。更に、同じ機能を有するものは同じ名称を付すものとする。図示の内容は、あくまで模式的なものであり、図示の都合上、本開示の効果を著しく損なわない範囲で実際の構成から変更することがある。
図1は、自動分析装置100を正面上方から視た斜視図である。自動分析装置100は、血液、尿等の検体の分析を自動で行うものである。自動分析装置100は、操作部12によって操作される。操作部12は、表示部12a及び入力部12bを備え、表示部12aに表示された情報に基づき操作者が入力部12bを通じて入力可能である。操作部12は、例えばパーソナルコンピュータであり、使用者が自動分析装置で分析依頼を行うためのものである。表示部12aは例えばディスプレイであり、入力部12bは例えばキーボード及びマウスである。
図2は、試薬収容庫18の断面図である。自動分析装置100は、分析する検体に混合される試薬容器20を収容する試薬収容庫18を備える。試薬収容庫18は、例えば試薬保冷庫である。試薬保冷庫により、収容した試薬容器20を低温に維持できる。また、試薬保冷庫では、例えば側面18dの冷却により内部が冷却される。このため、側面18dの温度と試薬保冷庫内部の温度との差により、側面18dに結露水が生じ易い。しかし、結露水が生じた場合であっても、試薬収容庫18の内面18bを掃除する掃除ユニット50(後記する)によって、内面18bに付着した結露水を掃除できる。
自動分析装置100は、試薬収容庫18の上方に、第3開口18aを備える。第3開口18aは、試薬容器20を試薬収容庫18に出し入れ可能にするものであり、第3開口18aを通じて、試薬容器20が出し入れ可能である。自動分析装置100は、第3開口18aを閉塞する開閉部材17(図1も参照。閉塞部材の一例。扉等でもよい)を備える。図示の例では、試薬収容庫18の全体を覆うように蓋16が備えられ、蓋16の一部の部分に、開閉部材17が備えられる。蓋16は固定されているが開閉部材17は開閉可能で、開閉部材17を開けることで、試薬収容庫18の内外が連通する。一方で、開閉部材17を閉めることで、試薬収容庫18の内部が保冷される。なお、図示の例では、試薬収容庫18は2つ備えられ、それらの上方に備えられる蓋16及び開閉部材17も2つずつ備えられる。ただし、試薬収容庫18は1つでもよく、3つ以上でもよい。
図1に戻って、自動分析装置100は、自動分析装置100に投入した検体容器(図示しない)から検体を吸引し、反応容器15に吐出する検体分注機構13を備える。更に、自動分析装置100は、蓋16に設けられた孔16aから試薬吸引機構(図示しない)を通して試薬容器20(図2)の試薬を吸引し、反応容器15に吐出する試薬分注機構14を備える。反応容器15の中では、検体と試薬とを混合させて検体を分析するための溶液が生成され、その溶液に特定の波長を当てて分析することで、分析結果が得られる。
図2に戻って、試薬収容庫18の内面18bは、底面18c及び側面18dを含む。自動分析装置100は、試薬容器20を収容する試薬ホルダ19aを備える回転可能なディスク19を備える。試薬ホルダ19aの底部の一部は肉抜きされ、第1開口19bが形成される。ディスク19は、上面視で円環状に構成され、同じく上面視で円環状に構成された試薬収容庫18に収容される。ディスク19は、駆動機構21により、太線の矢印22で示すように正転又は逆転の各方向に回転駆動される。
試薬収容庫18の底面18cは内周側から外周側に向かって下る勾配を有し、試薬収容庫18は、外周側の底面18cに排水口23を備える。詳細は図10を参照しながら後記するが、掃除ユニット50から流出した洗浄液Wは、排水口23を通じて排水される。
図3は、試薬収容庫18の上面図である。ディスク19は、周方向に等間隔で試薬ホルダ19aを備え、径方向に複数(図示の例では2つ)の試薬ホルダ19aを備える。試薬ホルダ19aは例えば上面視で台形状である。図示の例では、一部の試薬ホルダ19aにのみ試薬容器20が収容され、残部の試薬ホルダ19aは空である。掃除ユニット50を試薬ホルダ19aに収容し、ディスク19を回転駆動させることで、試薬収容庫18の内面18bが掃除される。掃除ユニット50について説明する。
図4は、掃除ユニット50の内部構造を示す図である。図4では図示の都合上、一部を切り欠いた状態で図示している。掃除ユニット50は、試薬収容庫18(図2)の内面18b(図2)を掃除するものであり、内面18bを掃除する掃除部材5を備える。掃除部材5は、弾性部材又はブラシの少なくとも一方を含み、図示の例ではブラシである。弾性部材又はブラシの少なくとも一方を含むことで、弾性部材によって水を拭ったりブラシによって内面18bを擦ったりすることで、内面18bを掃除できる。弾性部材は、例えばゴム、樹脂、スポンジ等で形成された例えば板状の部材である。これらの中でも、弾性部材がスポンジであることで、水滴を吸い取ることができる。
掃除部材5は、図示の例では、試薬ホルダ19a(図9)の下部に形成された第1開口19b(図9)を通じて試薬ホルダ19aの下方に配置され、試薬収容庫18の底面18c(図9)に接触可能な下方掃除部材6を含む。下方掃除部材6を含むことで、底面18cに接触させた状態でディスク19(図9)を回転させることで、試薬収容庫18の底面18cを掃除できる。具体的な掃除方法については、図9を参照して更に後記する。
掃除ユニット50は、容器1と、シャフト4と、キャップ8(第1フランジ)と、流量調整板10(第2フランジ)と、シール部材7とを備える。容器1は、洗浄液W(図5)を貯留するものである。洗浄液Wは、底面18c(図2)に付着した汚れ除去を促進するものであり、例えば、水、界面活性剤を含む水溶液等である。容器1の上方は開口しており、開口が蓋3(図5)により閉塞される。これにより貯留された洗浄液Wの溢れが抑制される。
シャフト4は、容器1の下部に形成された第2開口1aを通じて容器1の内外に延在し、容器1の外側端部に上面視で矩形状の下方掃除部材6が接続され、上下方向に移動可能である。キャップ8は、例えば円形の平板状に形成され、容器1の内部に配置され、シャフト4に固定される。キャップ8の直径は、例えば円形に形成された第2開口1aの直径よりも大きい。
流量調整板10は、例えば円形の平板状に構成され、容器1の外部に配置され、シャフト4に固定される。流量調整板10の直径は第2開口1aの直径よりも大きい。また、容器1の下部には、部分的に肉厚が短くなる中空部1eが形成され、流量調整板10は中空部1eに収容される。中空部1eは例えば円柱状に形成され、中空部1eの直径は、流量調整板10の直径よりも長い。
シール部材7は、例えばOリングであり、キャップ8と、流量調整板10との間に配置される。シール部材7は、シャフト4の側面に形成された溝に保持されることで、シャフト4に対するシール部材7の摺動が抑制される。
図5は、掃除ユニット50の断面図であり、シャフト4が下方に位置する状態を示す図である。図示の例では、同じように作用するシャフト4が複数(図示の例では2つ)設けられ、下方掃除部材6は、一方のシャフト4に接続される第1下方掃除部材6a、及び、他方のシャフト4に接続される第2下方掃除部材6bを含む。第1下方掃除部材6aと第2下方掃除部材6bとは同じ機能を有するため、特に断らない限り、説明の簡略化のために、これらを総称して下方掃除部材6として説明する。
キャップ8と流量調整板10との間のシャフト4の長さL1は、第2開口1aに接続され、内面1b1とシャフト4の側面4aとの間に形成される洗浄液流路1bの長さL2よりも長い。長さL2は、底面1cと外側底面1dとの間の距離である。従って、長さL1を長さL2よりも長くすることで、シャフト4を上下方向に移動できる。そして、シャフト4が下方に位置するとき、キャップ8は、容器1の底面1cと接触する。また、シール部材7は、洗浄液流路1bの内面1b1と、シャフト4の側面4aとの間に配置される。従って、第2開口1aに接続される洗浄液流路1bは、シール部材7によって閉塞される。特に、この位置にシール部材7が配置されることで、内面1b1とシール部材7と側面4aとの間で生じる摩擦力によって洗浄液流路1bを閉塞できるため、シール強度を向上できる。
なお、洗浄液Wが貯留されていない状態で例えば指、治具等を用いてキャップ8を押し込むことで、図5に示すような、キャップ8が底面1cに接触する状態にできる。この状態で洗浄液Wを容器1に入れることで、洗浄液Wを貯留できる。
図6は、掃除ユニット50の断面図であり、シャフト4が上方に位置する状態を示す図である。掃除ユニット50を試薬ホルダ19a(図9)に収容すると、下方掃除部材6が底面18c(図9)に載置される。この状態で容器1を底面18cに押し付けると、内面1b1とシール部材7と側面4aとの間で生じる摩擦力に打ち勝って容器1が下方に移動し、最終的には流量調整板10が容器1の外側底面1dに接触する。これにより、シャフト4の位置が容器1において相対的に上方に位置する。このとき、シール部材7による洗浄液流路1bの閉塞が解除される。これにより、図6の破線矢印で示すように、容器1の内部の洗浄液Wは、シャフト4の側面4aに沿って洗浄液流路1bを流れ、流量調整板10に至る。ここで、流量調整板10の構造を説明する。
図7は、流量調整板10の構造を説明する図である。流量調整板10は、容器1(図6)と対向する側の面に、第2開口1a(図6)の下方から流量調整板10の縁10bまで延在する溝10cを備える。図示の例では、溝10cは、第2開口1a(図6)の下方であるシャフト4の側面4aから縁10bまで水平方向に延在する。
溝10cを備えることで、破線矢印で示すように側面4aに沿って洗浄液流路1b(図7)を流れ、流量調整板10に至った洗浄液Wを、破線矢印で示すように、溝10cを通じて流出できる。更に、シャフト4の周方向全域に形成される洗浄液流路1bを流れてきた洗浄液Wは溝10cに集められ、溝10cの端部10dから垂直(鉛直)方向に落下することで流出する。このため、溝10cの形状(例えば幅、深さ等)を調整することで洗浄液Wの流出速度を調整できる。これにより、例えば掃除中は洗浄液Wが流出し続けるようにする等、洗浄液Wの流出時間を調整できる。
図8は、流量調整板10に形成された溝10cの下方掃除部材6への投影図である。縁10b側の溝10cの端部10dの、下方掃除部材6の上面6cを含む面(図8の図示面)への投影位置と、下方掃除部材6の上面6cとの位置が異なっている。即ち、容器1から見た上面図において、端部10dは上面6cとは重なっておらず、異なる位置である。このようにすることで、溝10cを流れる洗浄液Wを、下方掃除部材6に直接落下させずに試薬収容庫18の底面18c(図2)に直接落下でき、洗浄液Wによる底面18cの洗浄効率を向上できる。
以上のように、掃除ユニット50では、シャフト4の上下方向への移動により、容器1の内外の連通を制御できる。例えば、図5に示すように、シャフト4を下方に位置させることで第2開口1aを閉塞でき、容器1に洗浄液Wを充填できる。一方で、図6に示すように、シャフト4を上方に移動させることでシール部材7による洗浄液流路1bの閉塞を解除して、容器1内の洗浄液Wを流出できる。これにより、下方掃除部材6が洗浄液Wを用いて底面18cを掃除できる。
図9は、掃除ユニット50を試薬ホルダ19aに設置した状態を示す図であり、試薬収容庫18の断面図である。掃除ユニット50は、試薬ホルダ19aに収容可能に構成される。具体的には、掃除ユニット50の外形寸法は、第1開口19b(図9)を通じて下方掃除部材6の下方に突出可能になっていること以外は、試薬容器20(図2)の外形寸法とほぼ同じである。このため、使用者が試薬容器20を試薬ホルダ19aに収容するとの同様の労力により、掃除ユニット50を試薬ホルダ19aに収容できる。このため、掃除ユニット50の着脱を容易に行うことができる。
洗浄液Wを貯留した掃除ユニット50が試薬ホルダ19aに収容されると、掃除ユニット50の下方掃除部材6が試薬収容庫18の底面18cと接触する。この状態で掃除ユニット50を試薬ホルダ19aに押し込むと、図6に示すように、シャフト4が上方に移動して洗浄液流路1bの閉塞が解除され、洗浄液Wが試薬収容庫18の底面18cに流出する。流出開始後、駆動機構21によってディスク19を回転駆動させることで、掃除ユニット50は周方向に移動し、周方向に底面18cを掃除する。掃除に使用された洗浄液Wは、底面18cの下る傾斜によって外周側に流れ、外周側に形成された排水口23を通じて自動分析装置100の外部に排水される。
図10は、掃除ユニット50から流出した洗浄液Wの流れを説明する図であり、試薬収容庫18の上面図である。ディスク19が正転(反時計回り)すると、洗浄液Wが流出しながら掃除ユニット50が反時計回りに移動するため、矢印27の方向に洗浄液Wが流れる。一方で、ディスク19が逆転(時計回り)すると、洗浄液Wが流出しながら掃除ユニット50が時計回りに移動するため、矢印28の方向に洗浄液Wが流れる。何れの場合であっても、内周側に配置された掃除ユニット50から流出した洗浄液Wは、底面18c(図9)を矢印26のように流れる。正転又は逆転のいずれの場合であっても洗浄液Wは排水口23を通じて排水されるが、排水口23の付近で掃除ユニット50の正転及び逆転が切り替わるようにすることで、排水を促進できる。
上記の図3に示すように、試薬ホルダ19aは径方向に複数配置されるため、掃除ユニット50も径方向に複数収容可能である。このため、外周側の掃除ユニット50と内周側の掃除ユニット50とで、異なる種類の洗浄液Wを使用できる。例えば、外周側の掃除ユニット50には洗剤を入れ、内周側の掃除ユニット50には水を入れることで、外周側の掃除ユニット50から流出した洗剤によって掃除された底面18cを、内周側の掃除ユニット50から流出し、遠心力によって外周側に流れる水によって洗うことができる。これにより、洗浄効率を向上できる。
掃除ユニット50の収容は、試薬容器20が収容されていない試薬ホルダ19a、又は、全ての試薬ホルダ19aに試薬容器20が収容されている場合には一部の試薬容器20を取り出して空いた試薬ホルダ19aに収容すればよい。このため、掃除のために収納された全ての試薬容器20を試薬収容庫18から取り出す必要がない。開閉部材17を開けることで形成された第3開口18aを通じて掃除ユニット50を収容すればよいため、蓋16及び開閉部材17を取り外してディスク19を取り出すといった作業が不要である。このため、試薬収容庫18の内面18bを容易に掃除できる。掃除を行うことで、カビ等の汚れの発生、及び発生しても除去できるため試薬収容庫18の雰囲気を良くし、試薬の劣化を抑制できる。
図11は、自動分析装置100における掃除方法を説明するフローチャートである。この掃除方法のステップS107~S109は、図示はしないが、自動分析装置100に備えられる制御装置70(図12)を用いて行うことができる。なお、本実施形態では、ステップS101~S106、S110、S111及びS112は、操作者による手動操作により行われる。
図12は、自動分析装置100に備えられる制御装置70の具体的なハードウェア構成を示すブロック図である。制御装置70は、例えばCPU71(Central Processing Unit)、RAM72(Random Access Memory)、ROM73(Read Only Memory)、I/F74(インターフェイス)等を備えて構成される。そして、制御装置70は、ROM73に格納されている所定の制御プログラムがRAM72に展開され、CPU71によって実行されることにより具現化される。
図11に戻って、操作者が操作部12(図12)を操作することで、掃除動作を行うために第1画面29(図13)が表示部12a(図12)に表示される。
図13は、掃除方法を実行するときに表示部12aに表示される第1画面29である。操作者が操作部12を操作することで、表示部12aに第1画面29が表示される。掃除動作は定期的に実施する機能であることから、例えば、メンテナンス項目に表示されることが望ましいが、表示部12aに表示されればどの項目に属してもよい。操作者は、第1画面29において、「試薬収容庫洗浄モード」のボタン29aを選択し押下する(ステップS101)。これにより、自動分析装置100の試薬庫洗浄を動作制御するための信号が操作部12から自動分析装置100に送信される。これにより、第2画面30(図14)が表示部12aに表示される。
図11に戻って、操作者は、開閉部材17(図2)を開き(ステップS102)、ディスク19の試薬ホルダ19aに掃除ユニット50を収容する(ステップS103)。収容する掃除ユニット50には洗浄液Wが貯留され、この時点ではまだ、洗浄液Wの流出は開始していない。
図14は、掃除方法を実行するときに表示部12aに表示される第2画面30である。操作者は、操作部12を操作し、掃除回数の入力ボックス30aに、洗浄動作のサイクル数を入力する(ステップS104)。これにより、操作部12は、掃除動作の駆動パターンの繰り返し回数の信号を自動分析装置100に送信する。掃除回数を入力することで、連続で同一プログラムを実施することができる。ただし、入力ボックス30aは、自動分析装置100に予め規定値が設定されていれば、表示されなくてもよい。入力後、操作者は開閉部材17を閉じ(図11のステップS105)、第2画面30の実行ボタン30bを選択及び押下することで(図11のステップS106)、試薬収容庫18の底面18c(図9)の掃除が開始される。
図11に戻って、掃除動作は、ディスク19の正転及び逆転により実行される(ステップS107)。自動分析装置100の制御装置70は、駆動機構21に駆動信号を送信することで、掃除ユニット50を収容したディスク19を回転駆動する。ディスク19の回転駆動により底面18cが掃除され、汚れを洗浄できる。制御装置は、上記のステップS104で入力された掃除回数の掃除を繰り返す(ステップS108)。入力された掃除回数が終了後、制御装置は、ディスク19の正転によって排水動作を実行する(ステップS109)。これにより、底面18cに付着している洗浄液Wの排水口23(図9)への排水が行われる。
排水が終わった後、掃除動作終了の旨が表示部12aに表示されると、操作者は開閉部材17を開け(ステップS110)、試薬ホルダ19aから掃除ユニット50を取り出す(ステップS111)。そして、操作者が開閉部材17を閉じることで(ステップS112)、掃除方法が終了する。
図15は、掃除方法を実行するときのタイムチャートである。掃除動作は、通常は排水動作とともに行われる。掃除動作はディスク19の正転及び逆転を複数回繰り返し、排水動作は、正転を繰り返す。ここでいう正転又は逆転としての回転が1回とは、掃除ユニット50が円環状の底面18cを1周することをいう。従って、図示の例では、掃除動作時、掃除ユニット50は、1サイクルの駆動、即ち正転方向に1周し、逆転方向に1周し、正転方向に1周し、最後に逆転方向に1周する。また、排水動作時、掃除ユニット50は正転方向への1周を4回繰り返す。回転速度は、正転方向と逆転方向とで例えば同じであるが異なってもよい。
図示の例では、掃除動作は、正転、逆転、正転及び逆転をこの順で1サイクルとし、1サイクルのみ図示したが、ステップS104で入力された掃除回数に対応するサイクル数で掃除動作が行われる。また、1サイクルの内容も図示の例に限定されず、掃除動作は、正転のみ又は逆転のみにできる。ただし、掃除動作は、正転及び逆転をそれぞれ1回以上含み、正転及び逆転を交互に行うことで洗浄むらを抑制でき、洗浄効率を向上できるため好ましい。さらに、排水動作も、図示の例に限定されず、正転及び逆転を組み合わせたり、逆転のみにしてもよい。排水動作の回転回数(図示の例では4回)は、例えばディスク19の大きさ、ディスク19の回転速度等に応じて決定できる。
自動分析装置100によれば、掃除ユニット50を用いて試薬収容庫18の内面18bを掃除できる。また、掃除時等の必要なときに第3開口18a(図2)を通じ掃除ユニット50を試薬ホルダ19aに収容でき、それ以外のときには第3開口18aを通じ試薬ホルダ19aから掃除ユニット50を取り外すことができる。このため、試薬容器20(図2)の収容及び取り出しと同様にして掃除ユニット50を着脱でき、着脱を容易に行うことができる。
自動分析装置100では、図示の例では、掃除ユニット50を手動で設置しているが、例えば、試薬容器20を自動でディスク9に搬送可能な試薬オートローダ(図示しない)を搭載している自動分析装置(図示しない)に対しても適用可能である。この場合、掃除ユニット50は、試薬オートローダを用いて、自動で搭載される。特に、試薬オートローダで掃除ユニット50をディスク9に設置するときには、掃除ユニット50を下方向に押し付けるように動作させることが好ましい。これにより、シャフト4を上方に移動できるため、汎用性が向上する。
図16は、第2実施形態の掃除ユニット501の断面図である。掃除ユニット501は、上記の掃除ユニット50(図6)の各構成に加えて、試薬ホルダ19a(図17)の側方に配置され、試薬収容庫18の側面18d(図17)に接触可能な側方掃除部材11を備える。側方掃除部材11は、掃除部材5に含まれるが、下方掃除部材6と異なり、洗浄液Wは供給されない。従って、側方掃除部材11は、例えば、側面18dに付着した汚れ、結露水等を掻き落とすことで、側面18dを掃除する。側方掃除部材11は、アーム11aを介して容器1に固定される。側方掃除部材11は、容器1から側方掃除部材11を視る方向である側方視で矩形状であり、鉛直方向に配置される。
図17は、第2実施形態の掃除ユニット501を用いた掃除方法を説明する図である。掃除ユニット50を試薬ホルダ19aに収容すると、アーム11aは試薬ホルダ19aの側壁19a1の上方に配置される。これにより、側方掃除部材11は、試薬ホルダ19aの側方に配置されるとともに、側面18dに接触する。この状態でディスク19を回転駆動させると、側方掃除部材11は側面18dを掃除しながら周方向に移動する。この結果、側面18dに付着した汚れ、結露水等は試薬収容庫18の底面18cに落下し、落下した汚れ、結露水等は、下方掃除部材6によって集められ、洗浄液Wとともに排水口23(図9)から排水される。
側方掃除部材11を備えることで、側面18dに接触させた状態でディスク19を回転させて、試薬収容庫18の側面18dを掃除できる。
図18は、第3実施形態の掃除ユニット502の構造を説明する図である。掃除ユニット502は、上記の掃除ユニット50の溝10c(図7)に代えて孔10eを備えること以外は掃除ユニット50と同じである。流量調整板10は、第2開口1a(図5)の下方に形成された孔10eを備える。なお、孔10eと溝10c(図7)とが併用されてもよい。
孔10eを備えることで、上記の図6に示すように流量調整板10が容器1の外側底面1dに接触したときに、洗浄液流路1bを流れて流量調整板10に至った洗浄液Wを、孔10eを通じて流出できる。更に、シャフト4の周方向全域に形成される洗浄液流路1bを流れてきた洗浄液Wは、孔10eに集められて流出する。このため、孔10eを通じて外部に流出する洗浄液Wの流量を増加できる。また、孔10eの形状(例えば大きさ等)を調整することで洗浄液Wの流出速度を調整できる。これにより、例えば掃除中は洗浄液Wが流出し続けるようにする等、洗浄液Wの流出時間を調整できる。
図示は省略するが、孔10eの下方掃除部材6の上面6cを含む面(例えば図8の図示面)への投影位置と、下方掃除部材6の上面6cとの位置は、上記図8に示した溝10cの端部10dと同様に、異なっている。即ち、掃除ユニット502では、投影図において、孔10eは上面6cとは重なっていない。このようにすることで、孔10eから流出した洗浄液Wを、下方掃除部材6に直接落下させずに試薬収容庫18の底面18c(図2)に直接落下でき、洗浄液Wによる底面18cの洗浄効率を向上できる。
図19は、第4実施形態の掃除ユニット503の構造を説明する図である。掃除ユニット503は、下方掃除部材6がシャフト4に対して回動可能(揺動可能)になっていること以外は、掃除ユニット50(図7)と同じである。
掃除ユニット503は、シャフト4に配置された回動軸35を備える。回動軸35は例えば、シャフト4の径方向に貫通するピンである。下方掃除部材6は、回動軸35を軸中心に回動可能になっており、回動軸35によってシャフト4に接続される。掃除ユニット503がこのように構成されることで、試薬収容庫18の底面18cの傾斜に合わせて下方掃除部材6を傾けることができる。これにより、底面18cへの下方掃除部材6の接触面積を増やし、掃除むらを抑制できる。
回動軸35は、試薬ホルダ19a(図9)に設置した時に外周側に向かって下る傾斜を有する底面18cに沿って下方掃除部材6を回動可能に設置することが好ましい。このようにすることで、試薬収容庫18の底面18cに沿って下方掃除部材6を傾けて接触部分を増やすことができる。
図20は、第4実施形態の掃除ユニット503を用いた掃除方法を説明する図である。試薬ホルダ19a(図9)に掃除ユニット503を収容すると、シャフト4は鉛直方向に配置される。図9の例では底面18cが傾斜しているので、シャフト4に接続された下方掃除部材6は底面18cの傾斜に沿って回動する。これにより、下方掃除部材6と底面18cとの接触面積が増大する。この状態でディスク9(図9)を回転駆動させると掃除ユニット503は、底面18cとの接触面積が増大した状態で周方向に移動するため、底面18cの掃除むらを抑制できる。
図21は、第1実施形態の掃除ユニット50を用いた掃除時の下方掃除部材6の移動を説明する図である。図5を参照して説明したように、下方掃除部材6は、何れも上面視で矩形状の第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bを含む。第1下方掃除部材6aの長手方向に延びる中心軸L3と、第2下方掃除部材6bの長手方向に延びる中心軸L4とは一致する。ここでいう中心軸とは、短手方向の中央を通る直線のことである。
図21において実線矢印で示すように第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bが周方向に移動すると、第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bのそれぞれの移動方向前側に接触した洗浄液Wは、矢印38で示すように、遠心力によって第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bの外周側に向かう。従って、例えば内周側の第2下方掃除部材6bの移動方向前側に接触した洗浄液Wは、第1下方掃除部材6aと第2下方掃除部材6bとの間に形成された隙間を通り、後方に流れる。
図22は、第5実施形態の掃除ユニット504を用いた掃除時の下方掃除部材6の移動を説明する図である。図21の掃除ユニット50とは異なり、第1下方掃除部材6aの長手方向に延びる中心軸L5と、第2下方掃除部材6bの長手方向に延びる中心軸L6とは異なる。このようにすることで、第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bを傾けたりずらしたりして配置でき、洗浄液Wが第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bに接触したときの洗浄液Wの流れ方を調整でき、洗浄液Wを排水し易くできる。
図示の例では、中心軸L5と中心軸L6とは平行であるが異なる位置に存在する。具体的には、第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bをそれぞれ正転方向(矢印22の方向)に対して前傾して配置される。即ち、第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bのそれぞれにおいて、内周側が後側に配置され、外周側が前側に配置される。これにより、内周側の第2下方掃除部材6bの中心軸L6が、外周側の第1下方掃除部材6aの中心軸L5よりも正転方向において前側に配置される。
図22において実線矢印で示すように第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bが周方向に移動すると、第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bのそれぞれの移動方向前側に接触した洗浄液Wは、矢印39のように流れる。即ち、内周側の第2下方掃除部材6bに接触した洗浄液Wは、前傾する第2下方掃除部材6bの前側に沿って遠心力に逆らいながら外周側に流れる。そして、外周側に流れた洗浄液Wは、第2下方掃除部材6bに隣接し、同じく前傾した第1下方掃除部材6aに接触し、第1下方掃除部材6aの前側に沿って外周側に流れ、底面18cの外周側に至る。
このようにすることで、第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bに接触した洗浄液Wを、内周側から外周側に向かって流すことができるため、流れのムラを抑制でき、排水口23に流し易くできる。これにより、余剰の洗浄液Wを速やかに排水でき、洗浄効率を向上できる。
第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bのそれぞれの前傾の程度、即ち、中心軸L3,L4に対する中心軸L5,L6の角度θ1,θ2は、内周側の第2下方掃除部材6bから遠心力によって外周側に流れた洗浄液Wを、外周側の第1下方掃除部材6aが受け止めることができるような角度(矢印39のように流れを生じさせる角度)であることが好ましい。具体的には、角度θ1,θ2は、それぞれ、例えば45°以下、好ましくは30°以下である。角度θ1,θ2をこの範囲にすることで、矢印39で示した洗浄液Wの流れを形成できる。なお、中心軸L3,L4に対する中心軸L5の角度θ1と、中心軸L3,L4に対する中心軸L6の角度θ2とは、同じでもよいし異なってもよいが、同じであることが好ましい。
また、第1下方掃除部材6aと第2下方掃除部材6bとの間に形成される隙間の長さは、図21の例と図21の例とで同じであるが、異なってもよい。ここでいう隙間の長さとは、第1下方掃除部材6aと第2下方掃除部材6bとの最も近接する部分における第1下方掃除部材6aと第2下方掃除部材6bとの間の距離をいう。隙間の長さの調整は、例えば、第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bの配置場所を調整してもよく、第1下方掃除部材6a及び第2下方掃除部材6bのそれぞれの幅を変更してもよい。
図23は、第6実施形態の掃除ユニット505の構造を説明する図である。掃除ユニット505は、シール部材7の配置場所が上記の掃除ユニット50(図5)とは異なること以外は、掃除ユニット50と同じである。
掃除ユニット505では、シール部材7は、容器1の底面1cと、キャップ8との間に配置される。この位置にシール部材7を配置することで、シャフト4の自重によってシャフト4を下方に移動させて洗浄液流路1bを閉塞できるため、洗浄液Wの容器1への充填時にシャフト4を手動で押し下げる手間を省略できる。また、シャフト4を少し上方に移動させるだけで容器1の底面1c又はキャップ8とシール部材7との間に隙間を形成でき、洗浄液Wを容易に流出できる。シール部材7は、例えば、第2開口1aを囲うように円環状に配置したり、上面視で円形のキャップ8の下面において縁に沿って円環状に配置したりできる。
図24は、第7実施形態の掃除ユニット506の構造を説明する図である。掃除ユニット506は、側方掃除部材11が鉛直方向に傾斜して配置されていること以外は、掃除ユニット501(図16)と同じである。
掃除ユニット506では、側方掃除部材11は、容器1から側方掃除部材11を視る方向である側方視で矩形状であり、破線L7で示す鉛直方向に対して角度θ3の傾斜を有して配置される。鉛直方向に対する側方掃除部材11の中心線L8の角度θ3を調整することで、側面18d(図17)に付着した汚れを底面18cに落とし易くできる。角度θ3は、例えば20°以下である。
傾斜の形態について、掃除ユニット506を用いた掃除時、ディスク19(図17)の回転駆動方向に対し、側方掃除部材11の上側が前側となるように側方掃除部材11を傾斜させることが好ましい。このようにすることで、例えばディスク19の正転時、側面18dに付着した汚れを側方掃除部材11の表面に沿って下方に押し出すことができる。これにより、側面18dから除去した汚れが速やかに底面18cに押し出されるため、側面18dの洗浄効率を向上できる。
以上の本開示について付記すると以下のとおりである。
(付記1)
検体を分析する自動分析装置の試薬収容庫の内面を掃除する掃除ユニットであって、
前記試薬収容庫に収容される回転可能なディスクの試薬ホルダに収容可能に構成され、
前記試薬収容庫の前記内面を掃除する掃除部材を備える
ことを特徴とする掃除ユニット。
(付記2)
前記掃除部材は、前記試薬ホルダの下部に形成された第1開口を通じて前記試薬ホルダの下方に配置され、前記試薬収容庫の底面に接触可能な下方掃除部材を含む
ことを特徴とする付記1に記載の掃除ユニット。
(付記3)
洗浄液を貯留する容器と、
前記容器の下部に形成された第2開口を通じて前記容器の内外に延在し、前記容器の外側端部に前記下方掃除部材が接続され、上下方向に移動可能なシャフトと、
前記容器の内部に配置され、前記シャフトに固定された第1フランジと、
前記容器の外部に配置され、前記シャフトに固定された第2フランジと、
前記第1フランジと前記第2フランジとの間に配置されたシール部材とを備え、
前記シャフトが下方に位置するときには、前記シール部材によって前記第2開口に接続される洗浄液流路が閉塞され、
前記シャフトが上方に位置するときには、前記シール部材による前記洗浄液流路の閉塞が解除される
ことを特徴とする付記2に記載の掃除ユニット。
(付記4)
前記掃除部材は、前記試薬ホルダの側方に配置され、前記試薬収容庫の側面に接触可能な側方掃除部材を含む
ことを特徴とする付記1~3の何れか1項に記載の掃除ユニット。
(付記5)
試薬容器を収容する試薬ホルダを備える回転可能なディスクと、
前記ディスクを収容する試薬収容庫と、
前記試薬ホルダに収容可能に構成され、前記試薬収容庫の内面を掃除する掃除部材を備える掃除ユニットと、を備える
ことを特徴とする自動分析装置。
(付記6)
前記第2フランジは、
前記第2開口の下方に形成された孔、又は、
前記容器と対向する側の面に、前記第2開口の下方から前記第2フランジの縁まで延在する溝、
の少なくとも何れか一方を備える
ことを特徴とする付記3に記載の掃除ユニット。
(付記7)
前記孔、又は、前記縁側の前記溝の端部、の何れかの前記下方掃除部材の上面を含む面への投影位置と、前記下方掃除部材の上面との位置が異なっている
ことを特徴とする付記6に記載の掃除ユニット。
(付記8)
前記シール部材は、前記洗浄液流路の内面と、前記シャフトの側面との間に配置される
ことを特徴とする付記3に記載の掃除ユニット。
(付記9)
前記シール部材は、前記容器の底面と、前記第1フランジとの間に配置される
ことを特徴とする付記3に記載の掃除ユニット。
(付記10)
前記シャフトに配置された回動軸を備え、
前記下方掃除部材は、前記回動軸を軸中心に回動可能になっている
ことを特徴とする付記3に記載の掃除ユニット。
(付記11)
前記下方掃除部材は、何れも上面視で矩形状の第1下方掃除部材及び第2下方掃除部材を含み、
前記第1下方掃除部材の長手方向に延びる中心軸と、前記第2下方掃除部材の長手方向に延びる中心軸とが異なる。
ことを特徴とする付記2又は3に記載の掃除ユニット。
(付記12)
前記掃除部材は、弾性部材又はブラシの少なくとも一方を含む
ことを特徴する付記1~3の何れか1項に記載の掃除ユニット。
(付記13)
前記側方掃除部材は、側方視で矩形状であり、鉛直方向に対して傾斜を有して配置される
ことを特徴とする付記4に記載の掃除ユニット。
(付記14)
前記試薬収容庫は試薬保冷庫である
ことを特徴とする付記5に記載の自動分析装置。
(付記15)
前記試薬容器を前記試薬収容庫に出し入れ可能な第3開口を閉塞する閉塞部材を備える
ことを特徴とする付記5に記載の自動分析装置。