本発明の一実施形態による光量調整装置、光量調整システム及び光量調整方法について図1から図9を用いて説明する。まず、本実施形態による光量調整装置3及び光量調整システムLASの概略構成について図1及び図2を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態による光量調整システムLASに備えられた紫外線発光装置1は、殺菌対象物に照射する紫外線を発光する発光素子121と、発光素子121の動作状態を管理する発光素子管理回路(管理回路の一例)11とを有している。発光素子121は、取付基板(不図示)に配置されている。また、紫外線発光装置1は、発光素子121が発光する紫外線が照射される場所に配置され紫外線の励起によって可視光域に蛍光を発する蛍光ガラス素子21を有している。紫外線発光装置1は、蛍光ガラス素子21が発する蛍光の強度を検出する光検出素子14を有している。
紫外線発光装置1は、電子部品群100を備えている。電子部品群100は、蛍光ガラス素子21の発光の有無及び発光強度(蛍光の強度)の少なくとも一方を検出する光検出素子14と、発光素子121の紫外線の発光の有無及び発光強度の少なくとも一方を調整する発光素子管理回路11と、温度センサ15(詳細は後述)との少なくとも1つを含んでいてもよい。本実施形態による紫外線発光装置1では、電子部品群100は、光検出素子14、発光素子管理回路11及び温度センサ15を含んでいる。発光素子管理回路11は、光検出素子14が検出した蛍光の強度に基づいて発光素子121を管理するようになっている。光検出素子14、発光素子管理回路11及び温度センサ15は、電子部品の一例に相当する。このように、電子部品群100は、複数の電子部品を有している。つまり、紫外線発光装置1には、電子部品が複数設けられて電子部品群100が構成されている。
紫外線発光装置1は、箱形状又は円筒状の殺菌モジュール(不図示)に収容されている。殺菌モジュールは、外光を遮断した状態で、紫外線発光装置1及び発光素子121が殺菌する殺菌対象物(不図示)を収容可能な収容部材(不図示)を備えている。殺菌モジュールは、紫外線発光装置1や殺菌対象物を収容可能な収容空間(不図示)を有している。殺菌モジュールは、一の外部から収容空間に流入する流水(殺菌対象物の一例)を発光素子121が発光する紫外線で殺菌し、殺菌した流水を他の外部に流出するようになっている。
収容部材は、収容空間を有する本体部(不図示)と、収容空間への外光の入射を遮断可能な蓋部(不図示)とを有している。本体部は、一端部が開放された箱形状を有している。蓋部は、本体部の一端部を開閉可能に本体部に設けられている。殺菌モジュール、蓋部を開状態として本体部の一端部を開放し、紫外線発光装置1を収容空間に収容した後に蓋部を閉状態として収容空間を閉空間とする。収容空間が閉空間とされた後に、殺菌モジュールに流水が流入される。
殺菌モジュールは、発光素子121などを取り付ける取付基板を収容空間に有している。取付基板には、発光素子121の他に、蛍光ガラス素子21、光検出素子14及び温度センサ15が取り付けられている。殺菌モジュールは、紫外線発光装置1などに電力を供給する電源回路(不図示)を備えている。電源回路は、紫外線発光装置1に接続されて収容部材の外部に引き出された電源ケーブルで接続されている。
発光素子121は、例えば紫外線を発光する発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)で構成されている。発光素子121の陽極は例えばアナログ電源に接続され、発光素子121の陰極は例えば発光素子駆動回路11cに設けられた定電流源119(詳細は後述)の正極に接続されている。
蛍光ガラス素子21は、発光素子121が発光する紫外線(例えば波長は265nm)に励起されて例えば緑色の蛍光(例えば波長は560nm)を発する素子である。つまり、蛍光ガラス素子21は、波長265nmの光を波長560nmの光に光変換する素子である。
光検出素子14は例えばフォトダイオード(Photodiode:PD)で構成されている。光検出素子14の陰極は例えばアナログ電源に接続され、光検出素子14の陽極は例えば自動パワー制御回路11bに設けられた電流/電圧変換回路114(詳細は後述)に接続されている。光検出素子14は、蛍光ガラス素子21から発せられる蛍光を電流に変換して電流/電圧変換回路114に出力するようになっている。
図1に示すように、発光素子管理回路11は、発光素子121を所望の発光強度で発光するための目標値を設定する設定回路11aと、発光素子121を所望の発光強度に維持する自動パワー制御(Auto Power Control:APC)回路11bとを有している。詳細は後述するが、設定回路11aが設定する目標値は、発光素子121の駆動電流の電流値である。さらに、発光素子管理回路11は、発光素子121を駆動する発光素子駆動回路11cを有している。
設定回路11aは、光検出素子14の検出信号に基づく電圧を増幅する増幅部110と、増幅部110が出力する出力電圧の直流バイアスを調節するバイアス調節部111と、増幅部110が出力する出力電圧に含まれるオフセット電圧を調整するオフセット調節部112とを有している。さらに、設定回路11aは、増幅部110の出力電圧、バイアス調節部111の出力電圧及びオフセット調節部112の出力電圧を加算する加算部113を有している。
増幅部110の入力端子には、自動パワー制御回路11bに設けられた電流/電圧変換回路114の出力端子が接続されている。増幅部110の出力端子は加算部113の3つの入力端子のうちの1つに接続されている。加算部113の残余の端子の一方にはバイアス調節部111の出力端子が接続され、加算部113の残余の端子の他方にはオフセット調節部112の出力端子が接続されている。加算部113の出力端子は、自動パワー制御回路11bに設けられたアナログ/デジタル変換部115(詳細は後述)の入力端子に接続されている。バイアス調節部111の入力ビット信号が入力される入力端子には、自動パワー制御回路11bに設けられたマイクロプロセッサ116(詳細は後述する)の所定の出力端子が接続されている。オフセット調節部112の入力ビット信号が入力される入力端子には、マイクロプロセッサ116の所定の出力端子が接続されている。
増幅部110は、例えばプログラマブルゲインアンプ(Programmable Gain Amplifier:PGA)で構成されている。増幅部110は、電流/電圧変換回路114から入力される入力電圧を増幅して加算部113に出力するようになっている。詳細は後述するが、増幅部110の増幅率(ゲイン)は、発光素子121を所望の発光強度で発光させるための目標駆動電流(以下、「発光素子121の目標駆動電流」と略記する場合がある)の設定時及び発光素子121の動作開始時に必要に応じて調整される。
バイアス調節部111は、例えばデジタル/アナログ変換回路(Digital to Analog Converter:DAC)で構成されている。本実施形態では、バイアス調節部111は、上位8ビット用のDACと下位8ビット用のDACで構成されている。このため、バイアス調節部111は、増幅部110から出力される出力電圧を16ビット相当でバイアス調節が可能になる。これにより、バイアス調節部111は、光検出素子14で検出される検出光の光量が小さくても十分な分解能でバイアス調節ができる。なお、バイアス調節部111の入力のビット数は、16ビットに限られず、光検出素子14で検出される検出光の光量に応じて適宜設定してもよい。詳細は後述するが、バイアス調節部111の出力電圧(すなわち、入力ビット値)は、発光素子121の動作開始時に必要に応じて調整される。
発光素子121の発光状態(例えば光量の状態)を調整する調整動作(詳細は後述)の際に、バイアス調節部111には、光量調整装置3の調整動作に基づいて決定されて発光素子121を最大の光量で駆動するための最大光量用デジタル値が入力される。
オフセット調節部112は、例えばデジタル/アナログ変換回路(Digital to Analog Converter:DAC)で構成されている。本実施形態では、オフセット調節部112は、上位8ビット用のDACと下位8ビット用のDACで構成されている。このため、オフセット調節部112は、増幅部110から出力される出力電圧を16ビット相当でオフセット調節が可能になる。これにより、オフセット調節部112は、光検出素子14で検出される検出光の光量が小さくても十分な分解能でオフセット調節ができる。なお、オフセット調節部112の入力のビット数は、16ビットに限られず、光検出素子14で検出される検出光の光量に応じて適宜設定してもよい。オフセット調節部112は、紫外線発光装置1を構成する回路全体で生じるオフセット電圧を調節するために用いられる。詳細は後述するが、オフセット調節部112の出力電圧(すなわち、入力ビット値)は、発光素子121の目標駆動電流の設定時に必要に応じて調節される。
発光素子121の発光状態(例えば光量の状態)を調整する調整動作(以下、「発光素子121の調整動作」と略記する場合がある)の際に、オフセット調節部112には、光量調整装置3によって決定されて殺菌対象物を殺菌するために必要な光量(例えば必要最小限の光量)、すなわち最適光量で発光素子121を駆動するための最適光量用デジタル値が入力される。
加算部113は、増幅部110の出力電圧、バイアス調節部111の出力電圧及びオフセット調節部112の出力電圧を加算した加算電圧を自動パワー制御回路11bに出力するように構成されている。つまり、加算部113は、3入力1出力の構成を有している。加算部113は、種々の回路構成を有することができる。例えば加算部113は、2入力1出力のオペアンプを2個有し、一方のオペアンプでバイアス調節部111の出力電圧及びオフセット調節部112の出力電圧を加算し、他方のオペアンプで一方のオペアンプの出力電圧と増幅部110の出力電圧を加算するように構成されていてもよい。加算部113は、発光素子121の目標駆動電流の設定時には、目標駆動電流で駆動された発光素子121の発光強度に基づく電圧をフィードバック電圧Vfbとして最終的に出力する。また、加算部113は、発光素子121による殺菌対象物の殺菌動作時には、発光素子121の発光強度に基づく電圧をフィードバック電圧Vfbとして出力する。
図1に示すように、自動パワー制御回路11bは、光検出素子14の陽極に入力端子が接続された電流/電圧(以下、「IV」と称する場合がある)変換回路114を有している。詳細な回路構成の説明は省略するが、IV変換回路114は、例えば電流入力型のオペアンプを用いて構成されている。IV変換回路114の出力端子は設定回路11aに設けられた増幅部110の非反転入力端子に接続されている。IV変換回路114は、光検出素子14から入力された電流を電圧に変換して増幅部110に出力するようになっている。
自動パワー制御回路11bは、設定回路11aから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換部(以下、「アナログ/デジタル」を「A/D」と略記する場合がある)115を有している。また、自動パワー制御回路11bは、A/D変換部115で変換されたデジタル信号に基づいて発光素子121が所望の発光強度を維持しているか否かを判定するマイクロプロセッサ116を有している。さらに、自動パワー制御回路11bは、マイクロプロセッサ116からの指示に基づいて発光素子駆動回路(駆動部の一例)11cを制御するパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)信号を生成するパルス幅変調信号生成部117を有している。なお、図1では、マイクロプロセッサを「μP」と表している。また、以下、パルス幅変調を「PWM」と略記する場合がある。詳細は後述するが、自動パワー制御回路11bは、殺菌動作時のフィードバック電圧Vfbに基づいて、発光素子121が所望の発光強度で動作しているか否かを判定する。
A/D変換部115の出力端子はマイクロプロセッサ116のビット信号が入力される所定の入力端子に接続されている。マイクロプロセッサ116の所定の出力端子はPWM信号生成部117の入力端子に接続されている。PWM信号生成部117の出力端子は発光素子駆動回路11cに設けられた制御部118(詳細は後述)の入力端子に接続されている。
A/D変換部(Analog to Digital Converter:ADC)115は、設定回路11aに設けられた加算部113から入力されるアナログ信号のフィードバック電圧Vfbをデジタル信号に変換してマイクロプロセッサ116に出力する。
マイクロプロセッサ116は、発光素子121の調整動作の際に、バイアス調節部111に最大光量用デジタル値が入力されていることに基づくフィードバック電圧VfbをA/D変換部115でA/D変換して得たデジタル信号を最大値目標コードとして所定の記憶領域に記憶する。また、マイクロプロセッサ116は、発光素子121の調整動作の際に、オフセット調節部112に最適光量用デジタル値が入力されていることに基づくフィードバック電圧VfbをA/D変換部115でA/D変換して得たデジタル信号を光量目標コードとして所定の記憶領域に記憶する。
マイクロプロセッサ116は、発光素子121の目標駆動電流の設定が完了した際にA/D変換部115から入力されたデジタル信号を目標コードとして所定の記憶領域に記憶する。この目標コードは、発光素子121を所望の発光強度で駆動するための駆動電流の条件となる。マイクロプロセッサ116は、目標コードを記憶した後に発光素子121の許容動作範囲を閾値コードとして所定の記憶領域に記憶する。マイクロプロセッサ116は、発光素子121の許容動作範囲の上限を規定する上限閾値コード及び下限を規定する下限閾値コードを設定する。マイクロプロセッサ116は、当該目標コード、最大値目標コード及び光量目標コードをそれぞれ別の記憶領域に記憶するようになっている。
マイクロプロセッサ116は、発光素子121による殺菌対象物の殺菌動作時にA/D変換部115から入力されるデジタル信号と目標コード及び閾値コードとを比較する。マイクロプロセッサ116は、入力されたデジタル信号の値が目標コード及び閾値コードとの間に含まれる値である場合には、発光素子121が所望の発光強度を維持していると判定する。一方、マイクロプロセッサ116は、入力されたデジタル信号の値が目標コード及び閾値コードとの間に含まれない値である場合には、発光素子121が所望の発光強度を維持していないと判定する。マイクロプロセッサ116は、発光素子121が所望の発光強度を維持していると判定した場合には、PWM信号生成部117に特別な指示信号を出力しない。一方、マイクロプロセッサ116は、発光素子121が所望の発光強度を維持していないと判定した場合には、PWM信号生成部117に駆動電流を変更することを指示する指示信号を出力する。マイクロプロセッサ116は、入力されたデジタル信号の値が上限閾値コードよりも大きい場合には、駆動電流の電流量を小さくすることを指示する指示信号をPWM信号生成部117に出力する。一方、マイクロプロセッサ116は、入力されたデジタル信号の値が下限閾値コードよりも小さい場合には、駆動電流の電流量を大きくすることを指示する指示信号をPWM信号生成部117に出力する。このように、紫外線発光装置1は、発光素子121による殺菌対象物の殺菌動作時に発光素子121の発光強度をフェードバックして発光素子121が所望の発光強度を維持するように制御する。
図1に示すように、紫外線発光装置1は、光量調整装置3などが接続される送受信部16を有している。マイクロプロセッサ116には、発光素子121の調整動作の際に、光量調整装置3から送受信部16を介してイネーブル信号EN及びテスト信号TESTが入力される。また、マイクロプロセッサ116には、アラーム信号ALMが入力される。詳細は後述するが、マイクロプロセッサ116は、イネーブル信号ENの信号レベル及びテスト信号TESTの信号レベルがいずれも高レベル(すなわち「1」)の場合に発光素子121の調整動作時と判断するように構成されている。また、マイクロプロセッサ116は、イネーブル信号ENの信号レベルが高レベル及びテスト信号TESTの信号レベルが低レベル(すなわち「0」)の場合に殺菌対象物の殺菌動作時と判断するように構成されている。
また、マイクロプロセッサ116には、状態識別信号Smodeが入力される。状態識別信号Smodeは、紫外線発光装置1の動作状態が、発光素子121による殺菌対象物の殺菌動作状態であるのか、発光素子121の目標駆動電流の設定状態であるのかを識別するための信号である。マイクロプロセッサ116は、状態識別信号Smodeの信号レベルが低レベル(すなわち「0」)の場合は例えば発光素子121による殺菌対象物の殺菌動作状態であると判定する。一方、マイクロプロセッサ116は、状態識別信号Smodeの信号レベルが高レベル(すなわち「1」)の場合は例えば発光素子121の目標駆動電流の設定状態であると判定する。
つまり、マイクロプロセッサ116は、状態識別信号Smodeの信号レベルに基づいて、発光素子121が動作状態であるか否かを判定できる。このため、発光素子管理回路11は、殺菌対象物を殺菌可能な状態で前記発光素子を動作させている際に、殺菌対象物及び発光素子121を収容可能な収容部材に外光が入射したと判定した場合には、発光素子121の動作を停止する。発光素子管理回路11は、発光素子121による殺菌対象物の殺菌動作状態であるときに殺菌モジュールが異常な使用を成された場合に、状態識別信号Smodeに基づいて、発光素子121を即時停止する。これにより、紫外線発光装置1は、殺菌モジュールが殺菌対象物を殺菌している場合に紫外線が外部に漏洩することを防止できる。
PWM信号生成部117は、マイクロプロセッサ116から入力される指示信号に基づいてデューティ信号Sdutyを発光素子駆動回路11cに出力する。PWM信号生成部117は、駆動電流を小さくすることを指示する指示信号がマイクロプロセッサ116から入力された場合には、直前に出力していたデューティ信号Sdutyよりもデューティ比の小さいデューティ信号Sdutyを発光素子駆動回路11cに出力する。一方、PWM信号生成部117は、駆動電流を大きくすることを指示する指示信号がマイクロプロセッサ116から入力された場合には、直前に出力していたデューティ信号Sdutyよりもデューティ比の大きいデューティ信号Sdutyを発光素子駆動回路11cに出力する。
紫外線発光装置1は、発光素子121の温度を検出する温度センサ15を備えている。自動パワー制御回路11bは、温度センサ15が検出した温度に基づいて発光素子駆動回路11cを制御する。温度センサ15の出力端子は、マイクロプロセッサ116の所定の入力端子に接続されている。
温度センサ15は、例えばアナログ電源及びアナログ基準電位(アナロググランド)との間で直列に接続されたサーミスタ及び抵抗を有している。また、温度センサ15は、サーミスタ及び抵抗の接続点の電圧と所定電圧とを比較する比較器(コンパレータ)を有している。この比較器の出力端子が温度センサ15の出力端子となる。また、この所定電圧は、発光素子121の所定温度(例えば80℃)に相当する電圧に設定される。サーミスタによって検出された発光素子121の温度を所定温度よりも低い場合には、温度センサ15は、比較器から例えば低レベル(0V)の電圧をマイクロプロセッサ116に出力する。一方、サーミスタによって検出された発光素子121の温度を所定温度よりも高い場合には、温度センサ15は、比較器から例えば高レベルの電圧(マイクロプロセッサ116で許容されている入力電圧の高レベルの電圧)をマイクロプロセッサ116に出力する。
マイクロプロセッサ116は、温度センサ15から入力される電圧の電圧レベルに応じて、デューティ信号Sdutyのデューティ比を変更することをPWM信号生成部117に指示する。マイクロプロセッサ116は、温度センサ15から低レベルの電圧が入力した場合には、デューティ信号Sdutyのデューティ比を変更することをPWM信号生成部117に指示しない。一方、マイクロプロセッサ116は、温度センサ15から高レベルの電圧が入力された場合には、デューティ信号Sdutyのデューティ比を大きくすることをPWM信号生成部117に指示する。これにより、発光素子121に流れる駆動電流の電流量が増加するため、発光素子121が高温になって低下した発光強度が補償される。このように、紫外線発光装置1は、発光素子121の経時劣化による発光強度の低下(詳細は後述)とは別個に、発光素子121の温度特性による発光強度の低下を補償できる。
また、マイクロプロセッサ116は、発光素子121の目標駆動電流の設定状態及び発光素子121による殺菌対象物の殺菌動作状態のときに、バイアス調節部111及びオフセット調節部112の入力ビット値を必要に応じて変更するようになっている。また、マイクロプロセッサ116は、発光素子121の目標駆動電流の設定状態のときに、増幅部110の増幅率を必要に応じて変更するようになっている。
図1に示すように、発光素子駆動回路11cは、制御部118と定電流源119とを有している。制御部118は、PWM信号生成部117から入力されるデューティ信号Sdutyに基づいて定電流源119が出力する電流の電流量を制御するようになっている。制御部118は、PWM信号生成部117から入力されるデューティ信号Sdutyのデューティ比が小さくなった場合には、出力する電流の電流量が小さくなるように定電流源119を駆動する。一方、制御部118は、PWM信号生成部117から入力されるデューティ信号Sdutyのデューティ比が大きくなった場合には、出力する電流の電流量が大きくなるように定電流源119を駆動する。
定電流源119には、発光素子121が直列に接続されている。定電流源119の正極は発光素子121の陰極に接続され、定電流源119の負極はアナログ基準電位(アナロググランド)に接続されている。定電流源119は、制御部118に制御されて所定の電流量の定電流をアナログ電源からアナロググランドに向かって出力するようになっている。発光素子121は定電流源119と直列に接続されているため、発光素子121には定電流源119が出力する電流量の定電流が流れる。発光素子121の陽極に印加されるアナログ電源の電圧値は一定である。このため、発光素子121が発光する紫外線の強度は、定電流源119が出力する定電流の電流量で決定される。紫外線発光装置1は、発光素子121の目標駆動電流の設定状態において、発光素子121に流れる駆動電流、すなわち定電流源119の出力電流を初期電流として設定する。
図1に示すように、光量調整システムLASに備えられた光量調整装置3は、光量制御装置31及び光量測定装置32を有している。光量制御装置31は、紫外線発光装置1及び光量測定装置32との間で信号を送受信する送受信部313を有している。光量測定装置32は、光量制御装置31との間で信号を送受信する送受信部323を有している。光量制御装置31は、例えばI2C/SPIの規格に準じた方式で紫外線発光装置1及び光量測定装置32との間で信号を送受信するように構成されている。光量制御装置31と紫外線発光装置1とは、送受信部313及び送受信部16を用いて例えば有線で接続される。光量制御装置31は、紫外線発光装置1に着脱可能である。このため、光量調整システムLASは、発光素子121の発光状態を調整する場合に光量調整装置3及び紫外線発光装置1を接続し、殺菌動作の場合には光量調整装置3で発光素子121の発光状態が調整された紫外線発光装置1を単独で動作させることができる。これにより、光量調整システムLASは、紫外線発光装置1における発光素子121の発光状態の調整動作の柔軟性と、紫外線発光装置1の殺菌動作の柔軟性との両立を図ることができる。
図2に示すように、光量測定装置32は、殺菌対象物に照射する紫外線を発光する発光素子121(図2では不図示、図1参照)の発光状態を調整する調整動作の際に発光素子121が発光する紫外線の光量を検出する素子であって検出した紫外線の光量に対する出力信号の信号レベルが校正管理された光検出素子321を有している。光検出素子321は、例えばフォトダイオードで構成されている。光検出素子321は、ショットキーフォトダイオード、MSMフォトダイオード、pnフォトダイオード又はpinフォトダイオードなどで構成することができる。
光検出素子321は例えば、波長が200nmから280nmの光(すなわち紫外線)を検出でき、照度が0mW/cm2から200mW/cm2の範囲で入射光に対して直線性の特性を有し、かつ積算光量測定できるように構成されている。光検出素子321は、これらの波長及び照度の範囲内の光に対して校正管理されており、受光光の光量(光強度)応じて光電変換した出力信号を出力するようになっている。また、光検出素子321は、紫外光(波長が250nmから280nm)に対する感度Xが0.1A/W以上であり、可視光(波長が450nmから650nm)に対する感度YがX/Y=10~1,000,000の範囲となる特性を有しているとよい。光検出素子321に紫外線が照射されるのは、発光素子121の光量調整の時だけであり、照射時間は限られている。このため、本実施形態では、光検出素子321は、紫外線発光装置1に設けられた光検出素子14のように蛍光ガラス素子21を介さずに、発光素子121が発光した光が直接入射するようになっている。これにより、光検出素子321における光の検出精度の向上を図ることができる。
光量測定装置32は、光検出素子321から出力される出力信号と、殺菌対象物を殺菌するために必要な光量を示す信号である光量閾値信号Lthとを比較する比較器322を有している。ここで、必要な光量は、例えば殺菌対象物を殺菌するために必要最小限の光量であってもよい。このように、光検出素子321から出力される出力信号と比較する光量閾値信号Lthが、殺菌対象物を殺菌するために必要最小限の値に設定することにより、発光素子121は、殺菌対象物を殺菌でき、かつ最も負荷がかからない状態で動作できる。これにより、光量調整システムLASは、発光素子121の長寿命化を図ることができる。
光量閾値信号Lthは、光量制御装置31に設けられた記憶回路312(詳細は後述)に記憶されている。光量制御装置31が光量閾値信号Lthを設定するようになっている。比較器322には、殺菌対象物が殺菌される際の状態(例えば流水の場合には流速や流量など)に応じて異なる値の光量閾値信号Lthが設定されるようになっていてもよい。
光量測定装置32は、光検出素子321と発光素子121との相対位置を変更可能な移動ステージ324を有している。詳細は後述するが、移動ステージ324は、光量制御装置31に制御されて移動するようになっている。光量調整システムLASは、光量制御装置31及び紫外線発光装置1を接続すると、光量測定装置32と紫外線発光装置1との位置関係が一義的に決まるように構成されている。移動ステージ324は、光量測定装置32と紫外線発光装置1との位置関係が一義的に決決められた状態において、発光素子121に対して左右方向及び上下方向(すなわちXYZ方向)に移動できるように構成さている。光検出素子321は、例えば移動ステージ324に固定されている。これにより、光検出素子321は、移動ステージ324の移動に伴って発光素子121に対して左右方向及び上下方向に移動することができるようになる。
図3に示すように、発光素子121は、配光パターンDLPで示すランバート配光に類似する配光の紫外線を発光する。配光パターンDLPは、半値角が約50°の指向性を有している。発光素子121の指向性は例えば発光素子121に仕様書などによって既知である。紫外線発光装置1では、発光素子121の指向性の範囲で殺菌対象物に紫外線を照射する指定座標が決定される。例えば、紫外線の必要な照射の強度は、約7cmの距離で0.46mW/cm2」以上である。この照射強度があれば99.9%の殺菌が可能である。
紫外線を照射する指定座標は、紫外線発光装置1に設けられる発光素子121の特性や殺菌対象物の種類や状態などによって変更される。このため、光量調整装置3は、調整対象の紫外線発光装置1ごとに設定された当該指定座標を移動ステージ324によって光検出素子321と発光素子121との相対位置関係を調整することによって再現するようになっている。つまり、光量調整装置3は、紫外線発光装置1が殺菌対象物を殺菌している状態と等価な状態で発光素子121が発光する紫外線の光量を調整できる。これにより、光量調整装置3は、発光素子121が発光する光量の調整精度の向上を図ることができる。
図2に戻って、光量制御装置31は、発光素子121及び発光素子121の動作状態を管理する発光素子管理回路11(図2では不図示、図1参照)を有する紫外線発光装置1における発光素子121の調整動作の際に、光量測定装置32から送信される光検出素子321の検出結果に基づいて発光素子管理回路11を制御して発光素子121の光量を制御するように構成されている。
光量制御装置31は、発光素子121の調整動作を制御する動作制御回路311を有している。動作制御回路311は、例えばマイクロプロセッサで構成されている。動作制御回路311は、発光素子121の調整動作を統括的に制御するように構成されている。動作制御回路311は、光量測定装置32から送信される光検出素子321の検出結果に基づいて発光素子管理回路11を制御して発光素子121の光量を制御する。より具体的には、動作制御回路311は、光検出素子321の検出結果が反映された信号であって比較器322から出力される比較結果信号に基づいて、発光素子121の調整動作における発光素子121の光量を制御する。
動作制御回路311は、比較器322から出力される比較結果信号の信号レベルが反転したと判定した場合には、比較結果信号の信号レベルが反転したことを示す情報を発光素子管理回路11に出力するように構成されている。詳細は後述するが、光量調整装置3は例えば、発光素子121の調整動作において、最初に最大の発光強度で発光する状態に設定した後に徐々に発光強度が低下するように発光素子121を駆動する。殺菌対象物を殺菌するために必要な光量(以下、「目標光量」と称する場合がある)は、発光素子121の最大の発光強度での光量よりも小さい。このため、発光素子121の発光強度が最大値から徐々に低下されると、所定のタイミングで発光素子121の光量が目標光量よりも大きい状態から小さい状態に切り替わるので、比較器322が出力する出力信号である比較結果信号の信号レベルが例えば低レベルから高レベルに反転する。このように、動作制御回路311は、比較器322から出力される比較結果信号の信号レベルを判定することにより、発光素子121が目標光量以上の紫外線を発光しているか否かを判断できる。
比較器322が出力する比較結果信号は、光量測定装置32に設けられた送受信部323及び光量制御装置31に設けられた送受信部313を介して動作制御回路311に入力される。また、動作制御回路311から出力された、比較結果信号の信号レベルが反転したことを示す情報は、送受信部313及び紫外線発光装置1に設けられた送受信部16(図2では不図示、図1参照)を介して発光素子管理回路11に出力される。当該情報は、例えば最適光量用デジタル値として発光素子管理回路11に設けられたオフセット調節部112に出力される。このため、図1に示すように、ADC115は、最適光量用デジタル値に基づくフィードバック電圧VfbをA/D変換して得られたデジタル信号である光量目標コードをマイクロプロセッサ116に出力する。これにより、マイクロプロセッサ116は、光量制御装置31から送信されて発光素子121の最適な光量の情報を有する最適光量用デジタル値に基づく光量目標コード所定の記憶領域に記憶できる。
図2に戻って、光量制御装置31は、光量閾値信号Lthの信号レベルを記憶する記憶回路312を有している。記憶回路312は、例えば複数の光量閾値信号Lthを記憶し、殺菌対象物が殺菌される際の状態(例えば流水の場合には流速や流量など)と対応付けて複数の光量閾値信号Lthを記憶していてもよい。動作制御回路311は例えば、光量調整システムLASの使用者の設定動作に基づいて、記憶回路312に記憶された複数の光量閾値信号Lthのうちから1つの光量閾値信号Lthを選択し、選択した光量閾値信号Lthを比較器322の一方の入力端子に設定する。光量閾値信号Lthは、送受信部313及び送受信部323を介して光量制御装置31から光量測定装置32に送信される。
記憶回路312は、光量閾値信号Lthの他に、発光素子121の調整動作の動作手順のプログラムなどを記憶している。動作制御回路311は例えば、光量制御装置31に設けられた電源回路(不図示)への電力供給が開始されると、記憶回路312から当該プログラムを読み込んで、発光素子121の調整動作を開始する。
図2に示すように、光量制御装置31は、表示器314を有している。表示器314は、発光素子121の調整動作の開始又は停止を示す表示部、発光素子121の調整動作の停止中又は動作中を示す表示部、調整対象の発光素子121が良品又は不良品であることを示す表示部などを有している。これにより、光量制御装置31は、表示器314の表示態様によって、現在の動作状態を光量調整システムLASの使用者に報知するように構成されている。
次に、光量調整装置3、光量調整システムLAS及び紫外線発光装置1の動作について図1及び図2を参照しつつ図4から図9を用いて説明する。まず、光量調整装置3及び光量調整システムLASによって実行される光量調整方法について図4から図6を用いて説明する。
本実施形態による光量調整方法は、殺菌対象物に照射する紫外線を発光する発光素子121(図1参照)の発光状態を調整する調整動作の際に発光素子121が発光する紫外線の光量を、検出した紫外線の光量に対する出力信号の信号レベルが校正管理された光検出素子321(図2参照)で検出し、発光素子121及び発光素子121の動作状態を管理する発光素子管理回路11(図1参照)を有する紫外線発光装置1(図1参照)における発光素子121の調整動作の際に光検出素子321の検出結果に基づいて発光素子管理回路11を制御して発光素子121の光量を制御するようになっている。以下、本実施形態による光量調整方法について、図4から図6に示すフローチャートを参照してより具体的に説明する。
発光素子121が発光する紫外線の光量を調整するにあたって、まず、光量制御装置31と紫外線発光装置1とを送受信部313及び送受信部16を介して接続する。これにより、光量制御装置31の動作制御回路311に設けられたテスト端子(不図示)と紫外線発光装置1に設けられたマイクロプロセッサ116のテスト端子(不図示)とが接続される。また、動作制御回路311に設けられたイネーブル端子(不図示)とマイクロプロセッサ116に設けられたイネーブル端子(不図示)とが接続される。さらに、動作制御回路311に設けられたアラーム端子(不図示)とマイクロプロセッサ116に設けられたアラーム端子(不図示)とが接続される。動作制御回路311に設けられたイネーブル端子は、イネーブル信号ENが出力される出力端子であり、マイクロプロセッサ116に設けられたイネーブル端子は、イネーブル信号ENが入力される入力端子である。動作制御回路311に設けられたテスト端子は、テスト信号TESTが出力される出力端子であり、マイクロプロセッサ116に設けられたテスト端子は、テスト信号TESTが入力される入力端子である。動作制御回路311に設けられたアラーム端子は、イネーブル信号ENの信号レベルが高レベルの場合にアラーム信号ALMが出力される出力端子として機能し、イネーブル信号ENの信号レベルが低レベルの場合にアラーム信号ALMが入力される入力端子として機能する入出力端子である。マイクロプロセッサ116に設けられたアラーム端子は、イネーブル信号ENの信号レベルが高レベルの場合にアラーム信号ALMが入力される入力端子として機能し、イネーブル信号ENの信号レベルが低レベルの場合にアラーム信号ALMを出力する出力端子として機能する入出力端子である。
(ステップS11)
光量制御装置31及び紫外線発光装置1が接続された後に、光量制御装置31に設けられた電源回路のスイッチがオフ状態からオン状態に切り替わって当該電源回路への電力供給が開始されると、まず、テスト信号TESTの信号レベルが高レベル(High)か否かが判定される(ステップS11)。例えば動作制御回路311は、光量制御装置31から紫外線発光装置1に出力されるテスト信号TESTが高レベルであると判定した場合(Yes)、ステップS13の処理に移行する。一方、動作制御回路311は、光量制御装置31から紫外線発光装置1に出力されるテスト信号TESTが低レベル(Low)であると判定した場合(No)、ステップS15の処理に移行する。テスト信号TESTは、例えば電源回路が動作を開始すると、信号レベルが高レベルになるように制御される。
(ステップS13)
ステップS13では、イネーブル信号ENの信号レベルが高レベル(High)か否かが判定される。例えば動作制御回路311は、光量制御装置31から紫外線発光装置1に出力されるイネーブル信号ENが高レベルであると判定した場合(Yes)、図5に示す発光素子121の調整動作を開始するためにステップS101の処理に移行する。このように、紫外線発光装置1に送信されるテスト信号TESTの信号レベル及びイネーブル信号ENの信号レベルがいずれも高レベル(第一状態の一例)の場合に発光素子121の調整動作に移行する。
一方、動作制御回路311は、光量制御装置31から紫外線発光装置1に出力されるイネーブル信号ENが低レベル(Low)であると判定した場合(No)、異常状態であると判断し表示器314(図2参照)を用いて異常状態であることを警報する。光量制御装置31は、テスト信号TESTの信号レベルが高レベル、かつイネーブル信号ENの信号レベルが低レベルとなる設定状態にはならないように構成されている。このため、ステップS13においてイネーブル信号ENの信号レベルが低レベルと判定された場合には、表示器314による警報が実行されて異常状態が放置されるようになっている。イネーブル信号ENは、例えば電源回路が動作を開始すると、信号レベルが高レベルになるように制御される。動作制御回路311は、発光素子121の調整動作の実行中にイネーブル信号ENの信号レベルを高レベルから低レベルに切り替えたり、低レベルから高レベルに切り替えたりできる。
(ステップS15)
ステップS15では、イネーブル信号ENの信号レベルが高レベル(High)か否かが判定される。例えば動作制御回路311は、光量制御装置31から紫外線発光装置1に出力されるイネーブル信号ENが高レベルであると判定した場合(Yes)、図6に示す紫外線発光装置1の通常動作(殺菌動作)を開始するためにステップS201の処理に移行する。このように、テスト信号TESTの信号レベルが高レベルでなくイネーブル信号ENの信号レベルが高レベルの場合に殺菌対象物を殺菌する殺菌動作に移行する。
一方、動作制御回路311は、光量制御装置31から紫外線発光装置1に出力されるイネーブル信号ENが低レベル(Low)であると判定した場合(No)、ステップS11の処理に戻る。テスト信号TEST及びイネーブル信号ENは、電源回路が動作を開始すると、信号レベルが高レベルになるように制御される。しかしながら、テスト信号TEST及びイネーブル信号ENのそれぞれの信号レベルが低レベルから高レベルに移行するまでには所定の時間が必要である。このため、動作制御回路311は、テスト信号TEST及びイネーブル信号ENの両方の信号レベルがともに低レベルの場合には、スタンバイ状態と判断して、ステップS11の処理に戻る。
(ステップS101)
図5に示すように、発光素子121の調整動作を開始すると、まず、ステップS101において、動作制御回路311は、光量測定装置32に設けられた比較器322(図2参照)に設定値として光量閾値信号Lthを設定する。さらに、動作制御回路311は、光量測定装置32に設けられた移動ステージ324に、位置情報として初期位置に対する左右及び上下方向に移動量を設定する。動作制御回路311は、光量閾値信号Lth及び位置情報の設定が終了したらステップS103の処理に移行する。このように、本実施形態では、光検出素子321(図2参照)と発光素子121との相対位置を調整した後に発光素子121が発光する紫外線の光量を検出する。これにより、紫外線発光装置1の殺菌状態における発光素子121及び殺菌対象物の関係を発光素子121及び光検出素子321によって再現した状態で発光素子121が発光する紫外線の光量を検出できる。
(ステップS103)
ステップS103において、発光素子駆動回路11c(図1参照)の100%のPWM駆動、すなわち、発光素子121を最大の発光強度で駆動した場合にADC115から出力されるデジタル信号である最大目標コードをマイクロプロセッサ116に設けられた所定の記憶領域に記憶する。具体的には、ステップS103において、動作制御回路311は、発光素子121を最大の発光強度で発光させるために、送受信部313を介して最大光量用デジタル値を紫外線発光装置1に送信する。紫外線発光装置1は、送受信部16を介して受信した最大光量用デジタル値をバイアス調節部111に入力する。これにより、最大光量デジタル値に基づくフィードバック電圧VfbをADC115でA/D変換して得られたデジタル信号である最大目標コードがマイクロプロセッサ116に設けられた所定の記憶領域に記憶される。
(ステップS105)
ステップS105では、発光素子121で発光される紫外線の光量が測定される。具体的には、発光素子121を最大の発光強度で駆動した際の光検出素子321の出力信号と、殺菌対象物を殺菌するために必要な光量を示す信号である光量閾値信号Lthとが比較器322で比較される。ここで、発光素子121は、ステップS103で取得された最大目標コードを用いてPWM信号生成部117で生成されたデューティ信号Sdutyに基づいて発光素子駆動回路11cによって駆動されて発光する。
ステップS105において、動作制御回路311は、光検出素子321の出力信号の信号レベルが比較器322に設定された光量閾値信号Lthの信号レベル以上の場合には、発光素子121の光量を調整可能と判定し、ステップS107の処理に移行する。一方、動作制御回路311は、光検出素子321の出力信号の信号レベルが比較器322に設定された光量閾値信号Lthの信号レベルよりも小さい場合には、発光素子121の光量を調整不可能と判定し、発光素子121を不良品として発光素子121の調整動作を停止する。
(ステップS107)
ステップS107では、光検出素子321の出力信号の信号レベルが比較器322に設定された光量閾値信号Lthの信号レベル以上の場合に(すなわちステップS105のYesの場合)、発光素子121の発光強度を低下させて光検出素子321の出力信号の信号レベルが比較器322に設定された光量閾値信号Lthの信号レベルよりも小さくなる直前の発光素子121の駆動条件を最適光量用デジタル値(目標値駆動条件の一例)として紫外線発光装置1に送信し、最適光量用デジタル値を発光素子管理回路11に記憶する。
より具体的には、動作制御回路311は、デューティ信号Sdutyのデューティ比を小さくすることができるデジタル値を、送受信部313を介して紫外線発光装置1に送信する。また、動作制御回路311は、紫外線発光装置1に送信したデジタル値を記憶回路312に記憶する。紫外線発光装置1は、送受信部16を介して受信した当該デジタル信号をバイアス調節部111に入力する。これにより、当該デジタル値に基づくフィードバック電圧VfbをADC115でA/D変換して得られたデジタル信号に基づいて、発光素子121を駆動できる。当該一連の動作を繰り返すことにより、発光素子121が発光する紫外線の発光強度は徐々に低下する。その結果、発光素子121が発光する紫外線の発光強度に基づく光検出素子321の出力信号の信号レベルは、比較器322に設定された光量閾値信号Lthの信号レベルよりも低くなり、比較器322が出力する比較結果信号の信号レベルが反転する。動作制御回路311は、比較器322が出力する比較結果信号の信号レベルが反転したデジタル値の1つ前に紫外線発光装置1に送信したデジタル値を最適光量用デジタル値として紫外線発光装置1に送信する。
紫外線発光装置1は、受信した最適光量用デジタル値をバイアス調節部111に入力する。これにより、最適光量用デジタル値に基づくフィードバック電圧VfbをADC115でA/D変換して得られたデジタル信号である光量目標コードがマイクロプロセッサ116に設けられた所定の記憶領域に記憶される。このように、ステップS107では、発光素子駆動回路11cの制御値(すなわち光量目標コード)を、目標値出力(殺菌対象物を殺菌するために必要最小限の光量)以上、かつ目標値出力に最も近い値(当該必要最小限の光量に対応するデジタル値よりも「1」だけ小さいデジタル値に対応する光量)に変更し、ステップS109の処理に移行する。
(ステップS109)
ステップS109では、発光素子121で発光される紫外線の光量が測定される。具体的には、ステップS107においてマイクロプロセッサ116の所定の記憶領域に記憶された光量目標コードを用いてPWM信号生成部117で生成されたデューティ信号Sdutyに基づいて発光素子駆動回路11cによって駆動された発光素子121が出力する紫外線の光量が測定される。
ステップS109において、動作制御回路311は、光検出素子321の出力信号の信号レベルが比較器322に設定された光量閾値信号Lthの信号レベル以上の場合には、ステップS111の処理に移行する。一方、動作制御回路311は、光検出素子321の出力信号の信号レベルが比較器322に設定された光量閾値信号Lthの信号レベルよりも小さい場合には、発光素子121を不良品として発光素子121の調整動作を停止する。
本実施形態において、光量閾値信号Lthの信号レベルが最小値に設定されている場合、ステップS109の処理は、後述するステップS117における紫外線発光装置1のマージン動作の確認処理に含まれる。このため、光量閾値信号Lthの信号レベルが最小値に設定されている場合には、ステップS109の処理が実行されずにステップS107に続いてステップS111の処理が実行されてもよい。
(ステップS111)
ステップS111では、動作制御回路311は、ステップS107で紫外線発光装置1に送信した最適光量用デジタル値を、発光素子121を駆動する発光素子駆動回路11cの制御値に決定し、ステップS113の処理に移行する。
(ステップS113)
ステップS113では、動作制御回路311は、ステップS107で紫外線発光装置1に送信した最適光量用デジタル値を、発光素子駆動回路11cの設定値となる制御値として記憶回路312に記憶し、ステップS115の処理に移行する。また、マイクロプロセッサ116は、ステップS107で紫外線発光装置1が受信した最適光量用デジタル値を、発光素子駆動回路11cの設定値となる制御値として所定の記憶領域に記憶する。
(ステップS115)
ステップS115では、動作制御回路311は、設定値として光量目標コードの調整を終了し、イネーブル信号ENの信号レベルを低レベルに切り替えて、ステップS117の処理に移行する。イネーブル信号ENの信号レベルが低レベルに切り替えられることによって、動作制御回路311のアラーム端子が出力端子から入力端子に切り替わり、マイクロプロセッサ116のアラーム端子が入力端子から出力端子に切り替わる。
(ステップS117)
ステップS117では、紫外線発光装置1のマージン動作の確認処理を実行する。具体的には、マイクロプロセッサ116に記憶された光量目標コードに基づいて発光素子121を動作させた後に、光量目標コードのデジタル値よりも数%小さい値のデジタル値に基づいて発光素子121を動作させる。この場合に、発光素子121の光量が増加することを確認し、ステップS119の処理に移行する。
(ステップS119)
ステップS119では、発光素子121の光量の異常検出動作の確認処理を実行する。具体的には、光量目標コードのデジタル値に戻づくデューティ信号Sdutyのデューティ比よりも数%小さいデューティ比で発光素子駆動回路11cを制御して発光素子121を駆動する。この場合に、発光素子121の光量が低下したことによって光量の異常が検出される(表示器314によって報知される)ことを確認する。さらに、光量の異常が検出された後に、変更したデジタル値を光量目標コードの値に徐々に近づけていき、光量の異常の検出が解除される(表示器314による報知が終了する)ことを確認し、発光素子121の調整動作を終了する。
(ステップS201)
図6に示すように、紫外線発光装置1の通常動作(殺菌動作)を開始すると、まず、ステップS201において、マイクロプロセッサ116は、所定の記憶領域に記憶している光量目標コードに基づいて発光素子121を駆動した場合の発光素子121の光量を初期値として設定し、ステップS203に移行する。
(ステップS203)
ステップS203では、マイクロプロセッサ116は、発光素子駆動回路11cの100%のPWM駆動で発光素子121を駆動させ、ステップS205の処理に移行する。これにより、発光素子121は最大の発光強度で動作する。
(ステップS205)
ステップS205では、発光素子121で発光される紫外線の光量が測定される。具体的には、発光素子121を最大の発光強度で駆動した際の光検出素子14の出力信号の信号レベルと、光量目標コードに基づいて発光素子121を駆動した際の光検出素子14の出力信号の信号レベルとが比較される。マイクロプロセッサ116は例えば、ステップS205の処理で測定された光検出素子14の出力信号の信号レベルをA/D変換して得られたデジタル値と、光量目標コードのデジタル値とを比較する。マイクロプロセッサ116は、ステップS205の処理で測定された光検出素子14の出力信号の方が光量目標コードに基づく光検出素子14の出力信号の信号レベルよりも大きいと判定した場合には、ステップS207の処理に移行する。一方、マイクロプロセッサ116は、ステップS205の処理で測定された光検出素子14の出力信号の方が光量目標コードに基づく光検出素子14の出力信号の信号レベル以下であると判定した場合には、紫外線発光装置1に異常が生じている可能性があることを警報し、紫外線発光装置1の通常動作を停止する。
(ステップS207)
ステップS207において、マイクロプロセッサ116は、発光素子駆動回路11cの制御値で発光素子121を動作させ、ステップS209の処理に移行する。より具体的には、マイクロプロセッサ116は、光量目標コードに基づくデューティ信号Sdutyで発光素子駆動回路11cを制御して発光素子121を発光させる。
(ステップS209)
ステップS209では、発光素子121で発光される紫外線の光量が測定される。具体的には、ステップS207において動作させた発光素子121の発光強度に基づく光検出素子14の出力信号の信号レベルと、光量目標コードに基づいて発光素子121を駆動した際の光検出素子14の出力信号の信号レベルとが比較される。マイクロプロセッサ116は例えば、ステップS205と同様の処理を実行し、ステップS209の処理で測定された光検出素子14の出力信号と光量目標コードに基づく光検出素子14の出力信号の信号レベルとが等しいと判定した場合には、ステップS211の処理に移行する。一方、マイクロプロセッサ116は、ステップS209の処理で測定された光検出素子14の出力信号と光量目標コードに基づく光検出素子14の出力信号の信号レベルとが等しくないと判定した場合には、ステップS213の処理に移行する。
(ステップS211)
ステップS211では、マイクロプロセッサ116は、紫外線発光装置1が正常に動作していると判定してステップS207の処理に戻る。マイクロプロセッサ116は、紫外線発光装置1が正常に動作を継続している状態では、ステップS207、ステップS209及びステップS211の処理を繰り返し実行する。また、紫外線発光装置1では、
(ステップS213)
ステップS213では、ステップS203と同様の処理が実行され、ステップS215に移行する。
(ステップS215)
ステップS215では、ステップS205と同様の処理が実行される。ステップS215において光検出素子14は、最大光量目標コードに基づく発光素子121の発光強度(すなわち最大の発光強度)を検出する。マイクロプロセッサ116は例えば、最大光量目標コードに基づく光検出素子14の出力信号の信号レベルが光量目標コードに基づく光検出素子14の出力信号の信号レベルよりも大きいと判定した場合には、最大光量目標コードに対応する値に発光素子駆動回路11cの制御値を変更して、ステップS211の処理に移行する。一方、マイクロプロセッサ116は、最大光量目標コードに基づく光検出素子14の出力信号の信号レベルが光量目標コードに基づく光検出素子14の出力信号の信号レベル以下であると判定した場合には、紫外線発光装置1に異常が生じている可能性があることを警報し、紫外線発光装置1の通常動作を停止する。
ステップS213及びステップS215の処理は、発光素子121が経年変化などによって性能低下しているか否かを判定するための処理である。つまり、紫外線発光装置1は、最大光量目標コードに基づいて発光素子121を動作させたとしても光量目標コードに基づく発光強度が得られない場合に、発光素子121が例えば経年劣化などで性能が低下していると判断する。
次に、初期動作が終了した後の紫外線発光装置1の動作について図1及び図2を参照しつつ図6から図9を用いて説明する。図7及び図9又は図8及び図9は、紫外線発光装置1の動作がこの順に時系列で表されている。なお、図7から図9に示す時間スケールは、実際のスケールとは異ならせて図示されている。また、図7及び図8では、フィードバック電圧Vfbの変動数は実際のビット数とは一致しておらず、またフィードバック電圧Vfbの一部が直線矢印で略記されている。
紫外線発光装置1は、発光素子121の目標駆動電流を設定する目標値設定状態と、発光素子121による殺菌対象物を殺菌する殺菌動作状態との2つの状態で動作するようになっている。目標値設定状態において、紫外線発光装置1は、4つのステップを実行して発光素子121の目標値(本実施形態では、発光素子121の駆動電流の電流量の目標値)を設定する。
まず、目標値設定状態では、増幅部110の増幅率の初期値を最大値に設定する。また、バイアス調節部111の出力電圧の初期値が最大電圧VDDの1/2となるように入力ビット値を設定する。また、オフセット調節部112の出力電圧の初期値が最大電圧VDDの1/2となるように入力ビット値を設定する。さらに、状態識別信号Smodeを「1」に設定する。
以上の初期設定が終了した後に、図7に示すように、時刻t0において、発光素子121を動作させずに設定回路11a及び自動パワー制御回路11bの動作を開始する。発光素子121は非動作状態であるため蛍光ガラス素子21には蛍光が生じないものの、光検出素子14には例えば暗電流が流れるため、光検出素子14からIV変換回路114に電流が入力される。増幅部110の増幅率が最大値に設定されているため、加算部113からフィードバック電圧Vfbが出力される。時刻t1において、フィードバック電圧Vfbは、最大電圧VDDよりも大きい値となる。
最大電圧VDDよりも大きい値のフィードバック電圧Vfbが加算部113から出力されると、第1ステップにおいて、マイクロプロセッサ116は、増幅部110の増幅率を1段階ずつ低減する。マイクロプロセッサ116は、増幅部110の増幅率を低減するたびにフィードバック電圧Vfbがマイクロプロセッサ116の動作が補償されている高レベル側の入力電圧VIN1まで低下したか否かを判定する。マイクロプロセッサ116は、フィードバック電圧Vfbが入力電圧VIN1まで低下したと判定するまで増幅部110の増幅率を低減する。
例えば時刻t2においてフィードバック電圧Vfbが入力電圧VIN1よりも低くなると、次に、第2ステップにおいて、マイクロプロセッサ116は、オフセット調節部112に設けられた上位ビット用DACの出力電圧を低下させるために入力ビット値を1ビットずつ変更する。マイクロプロセッサ116は、当該上位ビット用DACの入力ビット値を1ビット変更するたびにフィードバック電圧Vfbの電圧値が最大電圧VDDの1/2から誤差電圧(VDD/2+ΔV)までの範囲の値となったか否かを判定する。その後、マイクロプロセッサ116は、例えば時刻t3において、フィードバック電圧Vfbの電圧値が最大電圧VDDの1/2から誤差電圧(VDD/2+ΔV)までの範囲の値となったと判定すると、オフセット調節部112の上位ビット用DACの入力ビット値の変更を終了する。
次に、紫外線発光装置1は、オフセット調節部112に設けられた下位ビット用DACによるオフセット電圧の調節を実行するために、再び第1ステップ及び第2ステップを実行する。時刻t3において、発光素子管理回路11は、増幅部110の増幅率を再び最大値に設定する。これにより、時刻t4において、フィードバック電圧Vfbは、最大電圧VDDよりも大きい値となる。
最大電圧VDDよりも大きい値のフィードバック電圧Vfbが加算部113から出力されると、第1ステップにおいて、発光素子管理回路11は、増幅部110の増幅率を徐々に低減させ、フィードバック電圧Vfbをマイクロプロセッサ116の動作が補償されている高レベル側の入力電圧VIN1まで低下させる。
例えば時刻t5においてフィードバック電圧Vfbが入力電圧VIN1よりも低くなると、次に、第2ステップにおいて、発光素子管理回路11は、オフセット調節部112に設けられた下位ビット用DACの出力電圧が低下するように入力ビット値を変更する。その後、時刻t6において、フィードバック電圧Vfbの電圧値が最大電圧VDDの1/2から誤差電圧(VDD/2+ΔV)までの範囲の値となったら、発光素子管理回路11は、オフセット調節部112の下位ビット用DACの入力ビット値の変更を終了する。
図7は、目標値設定状態において設定回路11a及び自動パワー制御回路11bの動作を開始した場合に、フィードバック電圧Vfbが最大電圧VDDより大きい電圧値になった例を示しているが、フィードバック電圧Vfbは最小電圧(0V)よりも小さい電圧値になる場合もある。
図8に示すように、時刻t0において、発光素子121を動作させずに設定回路11a及び自動パワー制御回路11bの動作を開始する。発光素子121は非動作状態であるため蛍光ガラス素子21には蛍光が生じないものの、光検出素子14には例えば暗電流が流れるため、光検出素子14からIV変換回路114に電流が入力される。増幅部110の増幅率が最大値に設定されているため、加算部113からフィードバック電圧Vfbが出力される。時刻t1において、フィードバック電圧Vfbは、最小電圧(0V)よりも小さい値となる。
最小電圧(0V)よりも小さい値のフィードバック電圧Vfbが加算部113から出力されると、第1ステップにおいて、発光素子管理回路11は、増幅部110の増幅率を徐々に低減させ、フィードバック電圧Vfbをマイクロプロセッサ116の動作が補償されている低レベル側の入力電圧VIN2まで上昇させる。
例えば時刻t2においてフィードバック電圧Vfbが入力電圧VIN2よりも高くなると、次に、第2ステップにおいて、マイクロプロセッサ116は、オフセット調節部112に設けられた上位ビット用DACの出力電圧を増加させるために入力ビット値を1ビットずつ変更する。その後、時刻t3において、マイクロプロセッサ116は、フィードバック電圧Vfbの電圧値が最大電圧VDDの1/2から誤差電圧(VDD/2-ΔV)までの範囲の値となったと判定すると、オフセット調節部112の上位ビット用DACの入力ビット値の変更を終了する。
次に、紫外線発光装置1は、オフセット調節部112に設けられた下位ビット用DACによるオフセット電圧の調節を実行するために、再び第1ステップ及び第2ステップを実行する。時刻t3において、発光素子管理回路11は、増幅部110の増幅率を再び最大値に設定する。これにより、時刻t4において、フィードバック電圧Vfbは、最小電圧(0V)よりも小さい値となる。
最小電圧(0V)よりも小さい値のフィードバック電圧Vfbが加算部113から出力されると、第1ステップにおいて、マイクロプロセッサ116は、増幅部110の増幅率を1段階ずつ低減させ、フィードバック電圧Vfbをマイクロプロセッサ116の動作が補償されている低レベル側の入力電圧VIN2まで上昇させる。
例えば時刻t5においてフィードバック電圧Vfbが入力電圧VIN2よりも高くなると、次に、第2ステップにおいて、マイクロプロセッサ116は、は、オフセット調節部112に設けられた下位ビット用DACの出力電圧を上昇させるために入力ビット値を1ビットずつ変更する。その後、時刻t6において、フィードバック電圧Vfbの電圧値が最大電圧VDDの1/2から誤差電圧(VDD/2-ΔV)までの範囲の値となったら、オフセット調節部112の下位ビット用DACの入力ビット値の変更を終了する。
図7及び図8中に示す期間P1及び期間P3は、増幅部110の増幅率を調節する第1ステップに相当する。図7及び図8中に示す期間P2及び期間P4は、オフセット調節部112を用いて紫外線発光装置1を構成する回路全体に含まれるオフセット電圧を調節する第2ステップに相当する。
次に、目標値設定状態での増幅部110の増幅率、バイアス調節部111及びオフセット調節部112のそれぞれの入力ビット値を2回目の第2ステップが終了した状態に維持したまま、時刻t7において、発光素子121に初期値としての電流を流す。ここで、初期値としてマイクロプロセッサ116の所定の記憶領域に記憶された最大光量目標コードが用いられる。このため、時刻t7において、発光素子121には、最大の発光強度を得るための電流が流れる。これにより、発光素子121が動作を開始して紫外線を発光する。蛍光ガラス素子21は、発光素子121から入射される紫外線で励起されて蛍光を生じるため、光検出素子14からIV変換回路114に電流が入力される。この場合に光検出素子14からIV変換回路114に流れる電流は、暗電流より数桁大きい電流量となる。このため、時刻t8において、加算部113から出力されるフィードバック電圧Vfbは、最大電圧VDDよりも大きい値となる。
最大電圧VDDよりも大きい値のフィードバック電圧Vfbが加算部113から出力されると、第3ステップにおいて、マイクロプロセッサ116は、増幅部110の増幅率を1段階ずつ低減させ、フィードバック電圧Vfbをマイクロプロセッサ116の動作が補償されている高レベル側の入力電圧VIN1まで低下させる。
例えば時刻t9においてフィードバック電圧Vfbが入力電圧VIN1よりも低くなると、次に、第4ステップにおいて、マイクロプロセッサ116は、バイアス調節部111に設けられたDACの出力電圧を低下させるために、入力ビット値を1ビットずつ変更する。その後、時刻t10において、フィードバック電圧Vfbの電圧値が最大電圧VDDの1/2から誤差電圧(VDD/2+ΔV)までの範囲の値となったら、バイアス調節部111のDACの入力ビット値の変更を終了する。マイクロプロセッサ116は、時刻t10におけるフィードバック電圧VfbをA/D変換部115でA/D変換して得られたデジタル信号を目標コードとして所定の記憶領域に記憶する。さらに、マイクロプロセッサ116は、記憶した目標コードに基づいて上限閾値コード及び下限閾値コードを所定の記憶領域に設定する。これにより、紫外線発光装置1は初期設定動作を完了する。
図9中に示す期間P5は、発光素子121に初期値としての電流を流した状態での増幅部110の増幅率を調節する第3ステップに相当する。図9中に示す期間P6は、発光素子121に初期値としての電流を流した状態でフィードバック電圧Vfbに含まれる直流バイアスを調節する第4ステップに相当する。
紫外線発光装置1は、初期設定動作が完了すると、状態識別信号Smodeを「0」に設定する。その後の時刻t11において殺菌モジュールが殺菌対象物の殺菌を開始し、発光素子121が発光を継続すると、発光素子121が経時劣化して電圧-電流特性が変化する。これにより、時刻t12において、フィードバック電圧Vfbが下限閾値コードに対応する下限閾値電圧VthLよりも低下する。
マイクロプロセッサ116は、A/D変換部115から入力されるデジタル信号の値が下限閾値コードよりも小さくなり、発光素子121が所望の発光強度を維持していないと判定する。このため、マイクロプロセッサ116は、発光素子121の駆動電流を大きくするための指示信号をPWM信号生成部117に出力する。当該指示信号が入力されるとPWM信号生成部117は、目標コードに対応するデューティ信号Sdutyよりもデューティ比が大きくデューティ信号Sdutyを生成して発光素子駆動回路11cに出力する。その結果、定電流源119が出力する電流の電流量が大きくなるため、発光素子121に流れる電流も大きくなる。
自動パワー制御回路10におけるデューティ信号Sdutyのデューティ比を変更するための動作が繰り返されることにより、発光素子121に流れる駆動電流の電流量が大きくなり、例えば時刻t13において、発光強度が所望の強さに戻る。これにより、フィードバック電圧Vfbが最大電圧VDDの1/2の電圧を越えるので、マイクロプロセッサ116は、A/D変換部115から入力されるデジタル信号の値が上限閾値コート及び下限閾値コードの範囲であって発光素子121が所望の発光強度を維持していると判定する。そうすると、マイクロプロセッサ116は、発光素子121の駆動電流を大きくするための指示信号をPWM信号生成部117に出力しなくなる。これにより、PWM信号生成部117は、直前に出力していたデューティ比のデューティ信号Sdutyを継続して発光素子駆動回路11cに出力する。その結果、定電流源119が出力する電流の電流量が維持され、発光素子121に流れる電流の電流量も維持される。このため、発光素子121は、所望の発光強度を維持する。このように、紫外線発光装置1は、マイクロプロセッサ116が発光素子121の経時劣化を検出して補償することができる。
時刻t13の後、殺菌モジュールの動作が継続されることにより、例えば時刻t14においてフィードバック電圧Vfbが下限閾値電圧VthLよりも低下したとする。そうすると、紫外線発光装置1は、時刻t12から時刻t13までの動作と同様の動作を実行する。その結果、時刻t15において、フィードバック電圧Vfbが最大電圧VDDの1/2の電圧を越えて、発光素子121が再び所望の発光強度で発光する。
紫外線発光装置1は、発光素子121の最大の発光強度ではなく殺菌対象物の殺菌に必要最低限の発光強度となるように発光素子121の動作点を初期設定する。このため、紫外線発光装置1は、発光素子121に経時劣化が生じても、補償後の動作点が最大の発光強度の動作点となるまで、発光素子121の動作補償を繰返し実行できる。
また、紫外線発光装置1は、目標値設定状態において紫外線発光装置1を構成する回路全体のオフセット電圧を調節してフィードバック電圧Vfbを最大電圧VDDの1/2の電圧に設定する。これにより、殺菌動作状態において電圧変動が生じても、フィードバック電圧Vfbが最大電圧VDDより大きくなったり最小電圧(0V)よりも小さくなったりする可能性が極めて低くなる。その結果、紫外線発光装置1は、殺菌モジュールでの殺菌動作の安定化を図ることができる。
図示は省略するが、発光素子121の動作が開始された後(図9では時刻t11の後)に、殺菌モジュールの蓋部が開状態になったとする。そうすると、光検出素子14には、蛍光ガラス素子21が発する蛍光とともに外光が入射する。外光の光量は、蛍光ガラス素子21が発する蛍光の光量よりも数桁大きい。このため、フィードバック電圧Vfbは、最大電圧VDDよりも高くなる。発光素子121の動作開始前に、マイクロプロセッサ116には、値が「0」の状態識別信号Smodeが入力されている。このため、発光素子管理回路11は、例えばA/D変換部115に入力されるフィードバック電圧Vfbの電圧値を強制的に0Vにしたり、あるいはデューティ比が0のデューティ信号Sdutyを発光素子駆動回路11cの制御部118に入力したりして、発光素子121の動作を停止する。これにより、紫外線発光装置1は、紫外線が収容部材から外部に漏洩することを防止できる。
以上説明したように、本実施形態による光量調整装置、光量調整システム及び光量調整方法によれば、発光素子の発光強度にばらつきがあっても殺菌性能の安定化を図ることができる。
本実施形態による光量調整装置3、光量調整システムLAS及び光量調整方法では、調整対象の紫外線発光装置を動作させて発光素子121が発光する紫外線を光検出素子14で検出しながら、当該紫外線を校正管理された光検出素子321でも検出できる。このため、光量調整装置3、光量調整システムLAS及び光量調整方法では、校正管理された光検出素子321の出力信号と、調整対象の紫外線発光装置1に設けられた光検出素子14の出力信号との相関関係を得ることができる。光量調整装置3、光量調整システムLAS及び光量調整方法では、取得された相関関係に基づいて調整対象の紫外線発光装置1の発光素子121の光量を調整できる。例えば、光量調整装置3、光量調整システムLAS及び光量調整方法は、所定電流を流した場合に光量が小さめとなる発光素子に対しては、当該所定電流よりも大きい電流を流すことができる光量目標コードをマイクロプロセッサ116に設定する。一方、光量調整装置3、光量調整システムLAS及び光量調整方法は、所定電流を流した場合に光量が大きめとなる発光素子121に対しては、当該所定電流よりも小さい電流を流すことができる光量目標コードをマイクロプロセッサ116に設定する。
また、発光素子121以外の光検出素子14や蛍光ガラス素子13の特性のばらつきに応じて、発光素子121の出力信号に個体差が生じたとしても、光量調整装置3、光量調整システムLAS及び光量調整方法は、校正管理された光検出素子321の出力信号と、調整対象の紫外線発光装置1に設けられた光検出素子14の出力信号との相関関係に基づいて、紫外線発光装置1間のばらつきを調整できる。
本実施形態による光量調整装置、光量調整システム及び光量調整方法による発光素子の発光強度の調整は、紫外線発光装置の出荷時や紫外線発光装置を実動作させた後の校正作業などに適用できる。
紫外線発光装置1は、光検出素子14が検出した蛍光の強度に基づいて発光素子121を管理する発光素子管理回路11を備えている。紫外線発光装置1は、紫外線発光装置1を構成する回路系のバラつきの範囲で、発光素子121の駆動電流の初期値を自動的に学習し、発光素子121の経時劣化が想定範囲内であれば発光素子121の発光強度(出力パワー)が一定になるように運転を行うことができる
紫外線発光装置1は、蛍光ガラス素子21を用いて、発光素子121が発光する波長265nmの紫外線を波長580nmの蛍光に変換して発光素子121が発光する紫外線を検出できる。これにより、高感度の光検出素子14を使用できるので、発光素子管理回路11の動作の安定化を図ることができる。
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。
上記実施形態では、光検出素子321は、フォトダイオードで構成されているが、フォトコンダクター、電界効果フォトトランジスタ、光電管又はフォトマルチプライヤーで構成されていてもよい。
上記実施形態による光量調整装置、光量調整システム及び光量調整方法は、発光素子が出力する紫外線の発光強度や光量に基づいて、発光素子の調整動作を実行するように構成されているが、本発明はこれに限られない。光量調整装置、光量調整システム及び光量調整方法は例えば、発光素子が発光する紫外線の光量だけではなく波長も測定し、紫外線の光量及び波長に基づいて光量目標コードに相当する目標コードを設定するように構成されていてもよい。発光素子が発光する紫外線の波長にはばらつきがある場合があり、この場合、同じ照射量であっても殺菌効率が異なる。このため、発光素子が発光する紫外線の光量及び波長に基づいて目標コードを設定することにより、発光素子の特性ばらつきを抑えて一定の殺菌能力が保証された紫外線照射装置を製造することができる。
光量調整装置は、2次元配列された複数の光検出素子を有していてもよい。発光素子は、発光の方向に異方性があり、その配光分布には個体差がある。光量測定装置が2次元配列された複数の光検出素子を有することによって、配光分布の情報を得ることができる。これにより、配光分布の差による殺菌性能の差を補正した目標コードを設定できる。この場合、複数の光検出素子から出力される出力信号の信号レベルの平均値に基づいて目標コードを設定してもよい。
上記実施形態による紫外線発光装置1に設けられた発光素子管理回路11は、発光素子121による殺菌対象物の殺菌動作時に発光素子121の発光強度をフィードバックして発光素子121が所望の発光強度を維持するように制御可能であるが、本発明はこれに限られない。発光素子管理回路11は、光検出素子14が検出した蛍光の強度に基づく出力を検知し、発光素子121の光量を監視するようになっていてもよい。つまり、発光素子管理回路11による発光素子121の管理は、上述の発光素子121の発光強度のフィードバック制御と、上述の発光素子121の光量の監視とのいずれであってもよい。また、発光素子管理回路11は、発光素子121の管理として、上述の発光素子121の発光強度のフィードバック制御と、上述の発光素子121の光量を監視との両方を行うようになっていてもよい。
上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や動作を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。