以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態において、POS(Point of Sales)端末を情報処理装置の一例として説明する。また、本実施形態では、店舗で販売される商品を物品の一例として説明する。そのため、以降物品を商品という。なお、以下の実施形態の説明によって本発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
〈第1実施形態に係る情報処理システムの構成〉
図1は、実施形態に係る情報処理システムを示す図である。例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストア、量販店の店舗等で用いられる情報処理システム1は、無線タグ読取装置2とPOS端末3とを備える。無線タグ読取装置2とPOS端末3とは、通信回線Lで相互に通信可能に電気的に接続される。
図2は、実施形態に係る無線タグ読取装置の構造を概略的に一部断面で示した側面図である。無線タグ読取装置2は、商品を搬送しながら、商品に付されたRFIDタグが保持するタグ情報を読取り、読み取ったタグ情報をPOS端末3(図2には図示せず)に出力する。なお、RFIDタグは「無線タグ」の一例である。
無線タグ読取装置2は、ベルトコンベア24、アンテナ25、アンテナ26、RFIDリーダライタ27などを備える。ベルトコンベア24は、商品を載置する平面を環状にした無終端ベルトを後述する搬送モータ28(図2には図示せず)の駆動力で回転させることで、商品を搬送する。
アンテナ25は、商品に付されたRFIDタグから信号を受信する。本実施形態において、アンテナ25は、ベルトコンベア24の商品が載置される面(載置面)の下側の位置から、載置面上の商品に付されたRFIDタグと、電波を介した情報の送受信を行う。
アンテナ25は、例えば平面状のアンテナであり、屈曲自在な同軸ケーブル等を介してRFIDリーダライタ27に接続される。アンテナ25は、RFIDリーダライタ27の制御の下、RFIDタグと交信可能な電波(電磁波)を放射する。
アンテナ26は、アンテナ25と同様の構成のアンテナであり、無線タグ読取装置2の側面に設けられたフレームFに取り付けられる。アンテナ26は、ベルトコンベア24の側面側の位置から、載置面上の商品に付されたRFIDタグと、電波を介した情報の送受信を行う。
なお、アンテナ25及びアンテナ26は「複数のアンテナ」の一例である。また、アンテナ25と、アンテナ26とは、「夫々異なる平面上に設けられている」と言える。アンテナ25と、アンテナ26とは、必ずしも異なる平面上に設けられる必要はないが、異なる平面上に設けられることが好ましい。
これは、例えば、下面に設置したアンテナでは、RFIDタグの向きの問題で、ある商品に付されたRFIDタグから電波を受信し難い状況である場合であっても、異なる平面上(例えば、側面)に設置したアンテナは、下面に設置したアンテナとは、アンテナとRFIDタグとがなす角度等が異なるため、下面に設置したアンテナと比較して、ある商品に付されたRFIDタグから電波を受信し易くなる可能性が高まるからである。
また、本実施形態では、アンテナを2つ設置しているが、アンテナを3つ以上設置してもよい。この場合でも、アンテナは夫々異なる平面上に設けられていることが好ましい。
RFIDリーダライタ27は、アンテナ25及びアンテナ26に電波を放射させて、商品に付されたRFIDタグの読取を行う。また、RFIDリーダライタ27は、RFIDタグから受信した電波の位相を計測する。
本実施形態において、RFIDリーダライタ27は、アンテナ25及びアンテナ26が受信した電波から、商品に付されたRFIDタグが記憶するタグ情報を読み取って後述する制御部20へ出力する。また、RFIDリーダライタ27は、計測した電波の位相を制御部20へ出力する。RFIDリーダライタ27は、例えば、DA変換器、AD変換器、変調/復調器、位相同期回路、増幅回路等の電子回路(何れも図示せず)を有する。
RFIDリーダライタ27は、アンテナ25及びアンテナ26を介してRFIDタグと交信することで、RFIDタグが保持するタグ情報の読取や、RFIDタグに対するデータの書込を行う。なお、RFIDリーダライタ27は、「無線タグ読取部」の一例である。
また、RFIDリーダライタ27は、アンテナ25及びアンテナ26の何れで受信されたタグ情報かを識別可能に読取るものとする。例えば、RFIDリーダライタ27は、受信元のアンテナを示す識別子をタグ情報に付して制御部20に出力してもよい。
開始センサSSは、RFIDタグが付された商品の所定距離の移動開始を検知する。終了センサESは、RFIDタグが付された商品の所定距離の移動開始を検知する。開始センサSS、終了センサESとしては、例えば、赤外線センサ等が用いられる。
次に、無線タグ読取装置2の動作について説明する。ユーザが図示しない搬送開始ボタンを押すと、搬送モータ28が駆動し、ベルトコンベア24は、商品Cの搬送を開始する。
そして、開始検知センサSSが商品Cの所定距離lの移動開始を検知すると、RFIDリーダライタ27は、アンテナ25及びアンテナ26に搬送波を発信させる。商品Cに付されたRFIDタグTは、搬送波を受信する。搬送波を受信したRFIDタグTは、搬送波に対する応答波を発信する。なお、搬送波及び応答波は、「信号」の一例である。
応答波には、RFIDタグTが付された商品Cに係る情報(当該商品を個品として特定する個品情報を含む)が含まれる。アンテナ25及びアンテナ26は、RFIDタグTが付された商品Cが所定距離lの移動をしている間、RFIDタグTが発信した応答波を受信し続ける。
そして、終了検知センサESが商品の所定距離lの移動終了を検知すると、搬送モータ28は駆動を停止し、商品Cの搬送が終了する。そして、RFIDリーダライタ27は、受信した応答波の情報を制御部20へ出力する。
次に、POS端末3について説明する。POS端末3は、無線タグ読取装置2が読み取ったRFIDタグの情報(RFIDタグが付された商品を個品として特定する個品情報を含む)に基づいて、商品登録処理を実行する。また、POS端末3は、商品登録処理した商品について、決済処理を実行する。
ところで、無線タグ読取装置2のRFIDリーダライタ27は、近くの棚に置かれた商品等、ベルトコンベア24に載置されていない商品に付されたRFIDタグを読取ってしまう場合がある。ベルトコンベア24に載置されていない商品は、客が購入を希望している商品ではない場合が多いため、POS端末3が、このような商品に付されたRFIDタグから読取った情報に基づいて、商品登録処理及び決済処理を行うことは好ましくない。
また、ベルトコンベア24に載置された商品は、搬送モータ28の駆動により、ベルトコンベア24の上を移動していくが、ベルトコンベア24に載置されていない商品は静止している場合が多い。そこで、本実施形態に係るPOS端末3は、RFIDタグが移動しているか静止しているかを判別し、移動していると判別されたRFIDタグから読取った情報に基づいて、商品登録処理及び決済処理を行う。
〈第1実施形態に係る無線タグ読取装置のハードウェア構成〉
次に、第1実施形態に係る無線タグ読取装置2のハードウェア構成について説明する。図3は、第1実施形態に係る無線タグ読取装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。無線タグ読取装置2は、制御部20と、記憶部21と、入出力コントローラ23とを備える。
まず、制御部20について説明する。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、を備える。CPU201は、バスライン22を介して、ROM202と、RAM203と接続する。
CPU201は、ROM202や記憶部21に記憶された各種プログラムを、RAM203に展開する。CPU201は、RAM203に展開された各種プログラムに従って動作することで無線タグ読取装置2を制御する。すなわち、制御部20は、一般的なコンピュータの構成を有する。
また、RAM203は、RFIDリーダライタ27から制御部20へ出力された、RFIDタグが付された商品が所定距離を移動している間にアンテナ25及びアンテナ26で受信した全ての応答波の情報を、応答波に含まれる個品情報ごとに記憶する。なお、応答波の情報には、RFIDリーダライタ27が計測した応答波の位相の情報が含まれている。
また、制御部20は、バスライン22を介して、記憶部21と入出力コントローラ23とに接続される。
記憶部21は、電源を切っても記憶情報が保持される、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、又はHDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部21は、制御プログラムを含むプログラム等を記憶する。制御プログラムは、無線タグ読取装置2が備える機能を発揮させるためのプログラムである。
入出力コントローラ23は、RFIDリーダライタ27と、搬送モータ28と、通信I/F29と接続される。また、RFIDリーダライタ27は、アンテナ25と、アンテナ26と接続される。入出力コントローラ23は、制御部20からの指令に基づいて、接続された各種ハードウェアを制御する。
搬送モータ28は、ベルトコンベア24を駆動させる。本実施形態において、搬送モータ28は、入出力コントローラ23を介し、無終端ベルトを駆動力で回転させる。
通信I/F29は、外部装置と通信を行うためのインターフェースである。本実施形態において、通信I/F29は、通信回線Lを介してPOS端末3と相互に通信を行う。
〈第1実施形態に係る無線タグ読取装置の機能構成〉
次に、第1実施形態に係る無線タグ読取装置2の機能構成について説明する。図4は、第1実施形態に係る無線タグ読取装置の機能構成の一例を示すブロック図である。無線タグ読取装置2は、位相検出部221、出力部222を備える。
これら機能部の一部又は全ては、プロセッサ(CPU201)とメモリ(ROM202、記憶部21)に記憶された各種プログラム(例えば、制御プログラム)との協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、これら機能部の一部又は全ては、専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
位相検出部221は、複数のアンテナが受信した信号の位相を検出する。本実施形態において、位相検出部221は、個品情報ごとにRAM203へ記憶された応答波の情報に含まれる応答波の位相の情報から、RFIDタグが付された商品の搬送開始時点から搬送終了時点まで、一定時間経過ごとの応答波の位相を検出する。なお、位相検出部221は、応答波の位相をアンテナごとに検出する。
出力部222は、RFIDリーダライタ27が読取ったRFIDタグの情報をPOS端末3に出力する。本実施形態において、出力部222は、RAM203に一時的に記憶されたアンテナ25及びアンテナ26で受信した応答波に含まれる情報(個品情報等)をPOS端末3へ出力する。
また、出力部222は、位相検出部221がアンテナごとに検出した応答波の位相にアンテナを識別するアンテナ番号を付して、POS端末3に出力する。これにより、POS端末3は、取得した位相が、アンテナ25が受信した情報を基に検出した位相であるか、アンテナ26が受信した情報を基に検出した位相であるかを識別することができる。
〈第1実施形態に係るPOS端末のハードウェア構成〉
次に、第1実施形態に係るPOS端末3のハードウェア構成について説明する。図5は、第1実施形態に係るPOS端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。POS端末3は、制御部30と、記憶部31と、入出力コントローラ33とを備える。
まず、制御部30について説明する。制御部30は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、を備える。CPU301は、バスライン32を介して、ROM302と、RAM303と接続する。
CPU301は、ROM302や記憶部31に記憶された各種プログラムを、RAM303に展開する。CPU301は、RAM303に展開された各種プログラムに従って動作することでPOS端末3を制御する。すなわち、制御部30は、一般的なコンピュータの構成を有する。
また、RAM303は、無線タグ読取装置2から出力された情報や後述する商品情報等を一時的に記憶する。
また、制御部30は、バスライン32を介して、記憶部31と入出力コントローラ33とに接続される。
記憶部31は、電源を切っても記憶情報が保持される、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、又はHDD等である。記憶部31は、制御プログラムを含むプログラム等を記憶する。制御プログラムは、POS端末3が備える機能を発揮させるためのプログラムである。記憶部31は、後述する位相変化情報311、商品マスタ312を記憶する。
入出力コントローラ33は、表示部34と、操作部35と、通信I/F36と接続される。入出力コントローラ33は、制御部30からの指令に基づいて、接続された各種ハードウェアを制御する。
表示部34は、無線タグ読取装置2が読み取った商品情報等を表示する。操作部35は、POS端末3を操作するための各種物理ボタン等である。操作部35は、各種物理ボタンに対する操作者の操作を検出して、操作に応じた情報を、制御部30に送信する。なお、物理ボタン等の代わりに、表示部34にタッチパネルを設け、表示部34にPOS端末3を操作するための各種ボタンを表示させ、操作者の操作を検出してもよい。
通信I/F36は、外部装置と通信を行うためのインターフェースである。本実施形態において、通信I/F36は、通信回線Lを介して無線タグ読取装置2と相互に通信を行う。
〈第1実施形態に係るPOS端末の機能構成〉
次に、第1実施形態に係るPOS端末3の機能構成について説明する。図6は、第1実施形態に係るPOS端末の機能構成の一例を示すブロック図である。POS端末3は、位相取得部321、生成部322、算出部323、アンテナ選択部324、判別部325、登録部326、決済部327を備える。
これら機能部の一部又は全ては、プロセッサ(CPU301)とメモリ(ROM302、記憶部31)に記憶された各種プログラム(例えば、制御プログラム)との協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、これら機能部の一部又は全ては、専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
位相取得部321は、位相を取得する。本実施形態において、位相取得部321は、RAM303が一時的に記憶している情報に含まれる無線タグ読取装置2の出力部222が出力した応答波の位相を個品情報ごとに取得する。
生成部322は、位相変化情報311を生成する。本実施形態において、生成部322は、位相取得部321が個品情報ごとに取得した応答波の位相を、応答波の位相に付されているアンテナ番号ごとに時系列順に並べ替えて位相変化情報311を生成する。また、生成部322は、生成した位相変化情報311を記憶部31に保存する。
ここで、位相変化情報311について説明する。位相変化情報311は、複数のアンテナの各々により受信された信号の位相の経時的な変化を示す情報である。本実施形態において、位相変化情報311は、位相検出部221が個品情報ごとに検出した応答波の位相を、応答波の位相に付されているアンテナ番号ごとに時系列順に並べ替えたものである。
次に、位相変化情報311をグラフ化して説明する。図7は、位相変化情報をグラフ化した説明図である。
この図において、701は、ベルトコンベア24に載置された商品が所定距離を移動する過程において、所定の各時点におけるアンテナ25がRFIDタグ1から受信した応答波の位相を示す。702は、ベルトコンベア24に載置された商品が所定距離を移動する過程において、所定の各時点におけるアンテナ26がRFIDタグ1から受信した応答波の位相を示す。
また、703は、ベルトコンベア24に載置された商品が所定距離を移動する過程において、所定の各時点におけるアンテナ25がRFIDタグ2から受信した応答波の位相を示す。704は、ベルトコンベア24に載置された商品が所定距離を移動する過程において、所定の各時点におけるアンテナ26がRFIDタグ2から受信した応答波の位相を示す。
なお、位相は、360°を超えるとアンラップ処理しない場合は、再び0°から検出される。すなわち、位相が360°を超える位置に位置する商品の位相は、位相360°の位置を改めて0°とした位置と同じ位相となる。
位相が360°を超えてもアンラップ処理しない場合、例えば、360°が0°と検出されてしまい、位相変化がわかり難くなるため、位相が360°を超える場合は、アンラップ処理することが好ましい。ここで、アンラップ処理とは、具体的には、位相が360°を超えた場合は検出された位相に360°を加える処理のことをいう。
図7の例では、RFIDタグ1から受信した応答波の位相は、時間経過に合わせて変化していることがわかる。また、アンテナ25がRFIDタグ1から受信した応答波の位相の変化は、アンテナ26がRFIDタグから受信した応答波の位相の変化よりも変化量が大きいこともわかる。
一方、アンテナ25がRFIDタグ2から受信した応答波の位相及びアンテナ26がRFIDタグ2から受信した応答波の位相は、時間が経過しても、ほとんど変化していないことがわかる。このように、位相変化情報311から、アンテナごとに、RFIDタグから受信した応答波の位相がどのように変化しているかを知ることができる。
本実施形態では、位相変化情報311は、位相検出部221が個品情報ごとに検出した応答波の位相を、応答波の位相に付されているアンテナ番号ごとに時系列順に並べ替えたものであるが、位相変化情報311は、これに限定されない。位相変化情報311は、例えば、アンテナ25及びアンテナ26が送信した搬送波の位相とアンテナ25及びアンテナ26が受信した応答波の位相との位相差の時系列変化を表すものであってもよい。
なお、本実施形態では、位相変化情報311は記憶部31に記憶されているが、位相変化情報311の記憶場所はこれに限定されない。例えば、無線タグ読取装置2及びPOS端末3に接続されたサーバ等の記憶部に記憶されていてもよい。
算出部323は、アンテナごとに位相の統計値を算出する。本実施形態において、算出部323は、生成部322が生成した位相変化情報311に基づいて、アンテナごとに位相の標準偏差を算出する。なお、標準偏差は、「統計値」の一例である。
アンテナ選択部324は、算出部323が算出した位相の統計値に基づいて、複数のアンテナの中から、RFIDタグが移動している移動タグであるか静止している静止タグであるか、を判別するために用いる1のアンテナを選択する。
本実施形態において、アンテナ選択部324は、アンテナ25またはアンテナ26のうち、算出部323が算出した標準偏差が高い方のアンテナを、RFIDタグが移動タグであるか、静止タグであるかを判別するためのアンテナとして選択する。
ここで、標準偏差が高いアンテナを判別に用いるアンテナとして選択する理由について説明する。例えば、読取が困難なRFIDタグは、応答波の位相の検出も困難になる。そして、応答波の位相が正しく検出できないと、RFIDタグが移動しているにも関わらず、応答波の位相変化が小さくなる可能性がある。この場合、移動タグを静止タグと誤判別するおそれがある。
一方、静止しているRFIDタグから受信した応答波の位相は変化しないため、RFIDタグが静止しているにも関わらず、応答波の位相変化が大きくなるという場面は考え難い。したがって、応答波の位相変化が大きいアンテナを選択すれば、誤判別を減少させることができると考えられる。
そして、標準偏差が高い方が、応答波の位相変化が大きいため、標準偏差が高いアンテナを選択することが誤判別の減少につながると考えられる。以上から、本実施形態では、標準偏差が高いアンテナを判別に用いるアンテナとして選択することとしている。
なお、アンテナ25またはアンテナ26の一方でしかRFIDタグの情報を読取れていない場合、アンテナ選択部324は、RFIDタグの情報を読取ることができたアンテナを判別に用いるアンテナとして選択する。
判別部325は、位相変化情報311に基づいて、RFIDタグが移動タグであるか、静止タグであるか、を判別する。
本実施形態において、アンテナ25またはアンテナ26のうち、アンテナ選択部324が選択したアンテナが受信した応答波の位相の標準偏差が、標準偏差の閾値を超えるか否かにより、RFIDタグが移動タグであるか、静止タグであるか、を判別する。なお、標準偏差の閾値は、「予め定めたパラメータ」の一例である。
ここで、応答波の位相の標準偏差は、位相変化情報311に基づいて、算出部323が算出するものであるため、「判別部325は、位相変化情報311に基づいて、RFIDタグが移動タグであるか、静止タグであるか、を判別する」とも言える。
なお、本実施形態では、判別部325は、アンテナ選択部324が選択したアンテナが受信した応答波の位相の標準偏差を用いて、移動タグであるか静止タグであるかを判別しているが、複数のアンテナの各々が受信したRFIDタグの応答波の位相の標準偏差について、標準偏差の閾値と比較を行い、1つでも閾値を超えた場合は、移動タグと判別し、全てが閾値以下の場合は、静止タグと判別する構成としてもよい。
また、判別部325は、無線タグ読取装置2のRFIDリーダライタ27に、移動タグであるか静止タグであるかの判別が終わったRFIDタグに対して、判別が済んだRFIDタグであることを示す判別済フラグを書込ませる処理を行う。
そして、判別部325がRFIDタグの判別処理を行っている間、無線タグ読取装置2のRFIDリーダライタ27は、随時、RFIDタグの読取を行い、出力部222は、随時、POS端末3に判別済フラグを含むRFIDタグの読取結果を出力する。これにより、既に判別が終了したRFIDタグについて、移動タグであるか静止タグであるかの判別を繰り返し行ってしまうことを防ぐことができる。
なお、静止タグが付された商品は今後、客が購入を希望する商品として、ベルトコンベア24に載置される可能性がある。したがって、判別済フラグが残っていると、ベルトコンベア24に載置されても判別部325による判別処理が行われなくなってしまう。そこで、本実施形態では、一定時間経過後、判別済フラグが自動的に消去されるようになっている。
ここで、本実施形態におけるアンテナ選択部324によるアンテナの選択及び判別部325による移動タグと静止タグの判別について詳しく説明する。図8は、アンテナごとに算出した位相の標準偏差の一例を示す説明図である。この例では、図7の位相変化情報311を基に、アンテナごとに標準偏差を算出している。
この図において、801は、アンテナ25がRFIDタグ1から受信した応答波の位相の標準偏差を示す。802は、アンテナ26がRFIDタグ1から受信した応答波の位相の標準偏差を示す。803は、アンテナ25がRFIDタグ2から受信した応答波の位相の標準偏差を示す。804は、アンテナ26がRFIDタグ2から受信した応答波の位相の標準偏差を示す。
この例では、アンテナ25がRFIDタグ1から受信した応答波の位相の標準偏差は、アンテナ26がRFIDタグ1から受信した応答波の位相の標準偏差よりも高いため、アンテナ選択部324は、RFIDタグ1を移動タグであるか静止タグであるか判別するためのアンテナとして、アンテナ25を選択する。
また、アンテナ26がRFIDタグ2から受信した応答波の位相の標準偏差は、アンテナ25がRFIDタグ2から受信した応答波の位相の標準偏差よりも高いため、アンテナ選択部324は、RFIDタグ2を移動タグであるか静止タグであるか判別するためのアンテナとして、アンテナ26を選択する。
判別部325は、アンテナ選択部324がRFIDタグ1を判別するためのアンテナとして選択したアンテナ25がRFIDタグ1から受信した応答波の位相の標準偏差が閾値である25を超えているため、RFIDタグ1を移動タグであると判別する。
また、判別部325は、アンテナ選択部324がRFIDタグ2を判別するためのアンテナとして選択したアンテナ26がRFIDタグ2から受信した応答波の位相の標準偏差が閾値である25以下であるため、RFIDタグ2を静止タグと判別する。
なお、本実施形態において、標準偏差の閾値は、予め検証を行って定めるものとするが、標準偏差の閾値は、機械学習または深層学習により予め定めたものであってもよい。
また、本実施形態では、算出部323が算出した標準偏差を、読取開始から読取終了までで、1つの標準偏差の閾値(上述した例では25)と比較するが、読取開始から読取終了までの時間をいくつかの区間に分け、それぞれの区間ごとに標準偏差の閾値を設定し、区間ごとに標準偏差を算出して標準偏差の閾値と比較してもよい。このように構成することにより、移動タグと静止タグとの判別精度を高めることができる。
登録部326は、商品登録処理を行う。本実施形態において、登録部326は、未判別のRFIDタグがなくなったとき、判別部325が移動タグと判別したRFIDタグの情報に基づいて、記憶部31に記憶された商品マスタ312から当該商品の商品情報(商品名、価格等)を読出す。
また、登録部326は、読出した当該商品の商品情報を表示部34に表示させる処理を行う。さらに、登録部326は、読出した当該商品の商品情報をRAM303へ一時的に記憶する処理を行う。なお、本実施形態において、上記の処理を「商品登録処理」という。
ここで、商品マスタ312について説明する。商品マスタ312は、商品を特定する商品コードに対応付けて、当該商品の商品情報を記憶した情報である。本実施形態において、無線タグ読取装置2のRFIDリーダライタ27が読取るRFIDタグの情報には、商品コードが含まれるため、登録部326は、商品マスタ312から、商品コードに対応する当該商品の商品情報を読出すことができる。
なお、本実施形態では、商品マスタ312は記憶部31に記憶されているが、商品マスタ312の記憶場所はこれに限定されない。例えば、無線タグ読取装置2及びPOS端末3に接続されたサーバ等の記憶部に記憶されていてもよい。
決済部327は、決済処理を行う。ここで、本実施形態において、決済部327は、商品登録処理に伴いRAM303に一時的に記憶された商品情報に基づいて、取引に係る合計金額や税額を表示部34に表示させる処理を行う。
また、決済部327は、顧客から預かった預り金に基づいて、釣銭を計算して表示する処理を行う。さらに、決済部327は、商品情報や決済情報(合計金額、預り金額、釣銭額等)を印字したレシートを発行する処理を行う。なお、本実施形態において、上記の処理等を「決済処理」という。
なお、本実施形態では、上述の位相取得部321、生成部322、算出部323、アンテナ選択部324、判別部325、登録部326、決済部327は、POS端末3に備えられるが、上述の機能構成の一部または全部を無線タグ読取装置2が備えていてもよい。
〈第1実施形態に係る無線タグ読取装置の処理〉
次に、第1実施形態に係る無線タグ読取装置2の処理について説明する。図9は、第1実施形態に係る無線タグ読取装置の検出処理の一例を示すフローチャートである。
まず、制御部20は、開始検知センサSSが商品の所定距離の移動開始を検知したかを確認する(ステップS101)。なお、開始検知センサSSが移動開始を検知しない場合(ステップS101:No)は、検知するまでステップS101を繰り返す。
開始検知センサSSが移動開始を検知した場合(ステップS101:Yes)、RFIDリーダライタ27は、RFIDタグの読取を開始する(ステップS102)。制御部20は、RFIDリーダライタ27がRFIDタグの情報を読取れたかを確認する(ステップS103)。
RFIDタグの情報を読取れた場合(ステップS103:Yes)、RAM203は、RFIDリーダライタ27が読取ったRFIDタグの情報を一時的に記憶する(ステップS104)。
そして、制御部20は、終了検知センサESが商品の所定距離の移動終了を検知したかを確認する(ステップS105)。なお、終了検知センサESが移動終了を検知しない場合(ステップS105:No)、検知するまでステップS103乃至ステップS105の処理を繰り返す。
終了検知センサESが移動終了を検知した場合(ステップS105:Yes)、位相検出部221は、RAM203に一時的に記憶されたRFIDタグの情報から、個品情報ごとに位相を検出する(ステップS106)。そして、出力部222は、位相検出部221が検出した位相に、アンテナ番号を付してPOS端末3へ出力し、本処理を終了する(ステップS107)。
一方、ステップS103で、RFIDタグの情報を読取れていない場合(ステップS103:No)、ステップS105へ進む。そして、上述の処理と同様に、終了検知センサESが移動終了を検知しない場合(ステップS105:No)は、検知するまでステップS103乃至ステップS105の処理を繰り返す。
なお、RFIDリーダライタ27が商品の移動終了までに全くRFIDタグの情報を読取れなかった場合は、ステップS106、S107は実行できないため、そのまま本処理を終了する。
〈第1実施形態に係るPOS端末の処理〉
次に、第1実施形態に係るPOS端末3の処理について説明する。図10は、第1実施形態に係るPOS端末の判別処理の一例を示すフローチャートである。
まず、位相取得部321は、無線タグ読取装置2の出力部222が出力し、RAM303に一時的に記憶された位相を個品情報ごとに取得する(ステップS201)。生成部322は、位相取得部321が個品情報ごとに取得した位相を、アンテナごとに並び替えて位相変化情報311を生成する(ステップS202)。生成部322は、生成した位相変化情報311を記憶部31に保存する。
算出部323は、生成部322が生成した位相変化情報311に基づいて、アンテナごとに位相の標準偏差を算出する(ステップS203)。アンテナ選択部324は、アンテナ25またはアンテナ26のうち、位相の標準偏差が高いアンテナを判別に用いるアンテナとして選択する(ステップS204)。
判別部325は、アンテナ選択部324が選択したアンテナの位相の標準偏差が閾値を超えているかを確認する(ステップS205)。閾値を超えている場合(ステップS205:Yes)、判別部325は、RFIDタグは、移動タグであると判別する(ステップS206)。
そして、判別部325は、無線タグ読取装置2のRFIDリーダライタ27に、判別したRFIDタグに対して判別済フラグを書込ませる処理を行う(ステップS208)。
制御部30は、無線タグ読取装置2の出力部222により出力され、RAM303に一時的に記憶されたRFIDタグの情報から、未判別のRFIDタグがあるかを確認する(ステップS209)。
未判別のRFIDタグがない場合(ステップS209:No)、本処理を終了する。一方、未判別のRFIDタグがある場合(ステップS209:Yes)、未判別のRFIDタグに対して、ステップS204乃至ステップS209の処理を繰り返す。
一方、ステップS205で閾値以下の場合(ステップS205:No)、判別部325は、RFIDタグは、静止タグであると判別する(ステップS207)。そして、上述のステップS208、ステップS209の処理を行い、本処理を終了する。
〈第1実施形態に係る情報処理システムの効果〉
次に、第1実施形態に係る情報処理システム1の効果について説明する。本実施形態に係るPOS端末3は、複数のアンテナの各々により受信された応答波の位相の経時的な変化を示す位相変化情報311に基づいて、RFIDタグが移動タグであるか静止タグであるか、を判別する判別部325を備える。
例えば、1つのアンテナがRFIDタグから受信した応答波の位相の変化に基づいて、RFIDタグが移動タグか静止タグかを判別する場合、RFIDタグの向き等の問題で、RFIDリーダがRFIDタグを上手く読み取れないと、正しく位相変化を検出できず、誤判別が生じるおそれがある。
しかし、アンテナが複数あれば、ある1つのアンテナで正しく位相変化を検出できなかったとしても、他のアンテナでは、正しく位相変化を検出できる可能性が高くなる。他のアンテナで正しく位相変化を検出できれば誤判別は生じない。したがって、本実施形態に係るPOS端末3は、RFIDタグが移動タグであるか静止タグであるかの誤判別が生じる可能性を低減させることができる。
また、本実施形態に係る無線タグ読取装置2は、夫々異なる平面上に設けられたアンテナ25およびアンテナ26を備える。例えば、RFIDタグの向き等の問題で、あるアンテナによるRFIDタグの読取が困難な状況にあるような場合、同一平面上に他のアンテナを設けても、アンテナとRFIDタグとがなす角度等が変わらないため、他のアンテナでRFIDタグが読取易くなる可能性は低い。
しかし、他のアンテナが異なる平面上に設けられていれば、アンテナとRFIDタグとがなす角度等が異なるため、他のアンテナでRFIDタグを読取易くなる可能性が高くなる。また、無線タグ読取装置2が正常にRFIDタグを読取ることができれば、POS端末3の判別部325は、正しく位相変化を検出することができる。
つまり、無線タグ読取装置2が夫々異なる平面上に設けられたアンテナ25およびアンテナ26を備えていることにより、判別部325が正しく位相変化を検出できる可能性が高くなるため、本実施形態に係るPOS端末3は、RFIDタグが移動タグであるか静止タグであるかの誤判別が生じる可能性を低減させることができる。
また、本実施形態に係るPOS端末3は、アンテナごとに位相の標準偏差を算出する算出部323と、算出部323が算出した位相の標準偏差に基づいて、複数のアンテナの中から、RFIDタグが移動タグであるか静止タグであるか、を判別するために用いる1のアンテナを選択するアンテナ選択部324と、を備える。
算出部323が位相の標準偏差を求めることにより、応答波の位相のばらつきを知ることができる。なお、ばらつきが大きいということは、位相変化が大きいということでもある。そして、本実施形態では、アンテナ選択部324は、アンテナ25またはアンテナ26のうち、算出部323が算出した、応答波の位相の標準偏差が高いアンテナを、RFIDタグが移動タグであるか静止タグであるかの判別に用いるアンテナとして選択する。
つまり、アンテナ選択部324は、位相変化が大きく出ているアンテナを判別に用いるアンテナとして選択することができる。これにより、例えば、1つのアンテナでRFIDタグの読取が上手く行かず、位相変化が小さく検出されてしまったような場合でも、そのアンテナは移動タグであるか静止タグであるかの判別には用いられないため、移動タグであるか静止タグであるかの誤判別が生じる可能性を低減させることができる。
〈第1実施形態に係る情報処理システムの変形例〉
―変形例1―
上述の実施形態では、無線タグ読取装置2のアンテナ25及びアンテナ26は固定された位置に設けられていたが、無線タグ読取装置2に移動機構を設け、アンテナ25及びアンテナ26を移動機構に装着して移動可能に構成してもよい。
無線タグ読取装置2をこのような構成にした場合、無線タグ読取装置2にアンテナの動作を制御する動作制御部を設け、動作制御部は、ベルトコンベア24に載置された商品の移動に合わせて、アンテナ25及びアンテナ26を移動させる制御を行う。
なお、商品の移動に合わせて、アンテナ25及びアンテナ26が移動すると、ベルトコンベア24に載置された商品に付されたRFIDタグ(移動タグ)は、アンテナとRFIDタグとの距離が変化しないため、移動タグからアンテナが受信する応答波の位相の変化は小さくなる。
一方、ベルトコンベア24に載置されていないRFIDタグ(静止タグ)は、アンテナとRFIDタグとの距離が変化するため、静止タグからアンテナが受信する応答波の位相の変化は大きくなる。したがって、上述の実施形態とは異なり、判別部325は、位相の標準偏差が閾値以下の場合、移動タグであると判別し、位相の偏差値が閾値を超える場合、静止タグであると判別する。
変形例1に係る情報処理システム1は、RFIDタグが移動タグであるか静止タグであるかの誤判別が生じる可能性を低減させるという効果に加え、ベルトコンベア24に載置された商品が所定距離を移動している間、常にアンテナがRFIDタグに近い位置に存在し続けるため、ベルトコンベア24に載置された商品に付されたRFIDタグを読み落とす可能性を低減できるという効果を奏する。
―変形例2―
上述の実施形態では、無線タグ読取装置2は、ベルトコンベア24を備えているが、無線タグ読取装置2は、ベルトコンベア24を備えない構成としてもよい。無線タグ読取装置2がベルトコンベア24を備えない場合、会計を行おうとしている客が読取を希望する商品に付されたRFIDタグは移動しない。つまり、RFIDタグは静止している。
一方で、RFIDタグが付された商品を持って無線タグ読取装置2やPOS端末3付近を移動している他の客がいることが考えられる。つまり、移動しているRFIDタグが付された商品は、客が読取を希望する商品ではないと判断できる。したがって、変形例2に係る情報処理システム1は、上述の実施形態とは異なり、静止タグと判別されたRFIDタグが付された商品のみについて商品登録処理を行う。
変形例2に係る情報処理システム1は、狭く客が多い店舗等にベルトコンベアを備えない無線タグ読取装置2を設置する必要がある場合であって、かつ、会計を行おうとしている客以外の客が無線タグ読取装置2やPOS端末3付近を移動することが多いような場面で有用である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る情報処理システム1について説明する。この第2実施形態の説明において、上述の第1実施形態と同様の動作を示す箇所には、図面等において同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1実施形態に係る情報処理システム1は、複数のアンテナが受信したRFIDタグの応答波の位相変化に基づいて、RFIDタグが、客が読取を希望する移動タグであるか、客が読取を希望していない静止タグであるか、を判別する。
しかし、RFIDタグが付された商品を持った他の客が無線タグ読取装置2付近を移動しているときに、RFIDタグの読取を行った場合、他の客の移動による影響を受けて、客が読取を希望していない静止タグの位相変化が大きく出てしまうおそれがある。この場合、客が読取を希望していない商品に付されたRFIDタグが移動タグと判別され、その商品の商品登録処理が行われてしまう可能性がある。
そこで、移動している他の客が持っている商品に付されたRFIDタグを静止タグと判別できる方法が求められる。なお、本実施形態においては、「移動タグ」とは、ベルトコンベア24の駆動によって移動しているRFIDタグをいい、「静止タグ」とは、ベルトコンベア24の駆動によって移動しているRFIDタグ以外のRFIDタグのことをいうものとする。
上記を実現するために、本実施形態のPOS端末3は、複数のアンテナの各々が受信したRFIDタグの応答波の位相変化ではなく、RFIDリーダライタ27の読取回数、すなわち、複数のアンテナが受信したRFIDタグの応答波の受信回数に基づいて、RFIDタグが移動タグであるか、静止タグであるか、を判別する。
第2実施形態に係る情報処理システム1の構成、無線タグ読取装置2のハードウェア構成および機能構成、POS端末3のハードウェア構成については、上述の第1実施形態と同様のため、詳細な説明を省略するが、本実施形態において、無線タグ読取装置2が出力し、POS端末3のRAM303が一時的に記憶する情報には、複数のアンテナが受信したRFIDタグの応答波の受信回数の情報が含まれるものとする。
〈第2実施形態に係るPOS端末の機能構成〉
第2実施形態に係るPOS端末3の機能構成について説明する。図11は、第2実施形態に係るPOS端末の機能構成の一例を示すブロック図である。第2実施形態に係るPOS端末3は、判別部325、登録部326、決済部327、読取回数取得部328を備える。登録部326、決済部327については、第1実施形態と同様の処理を行うため、詳細な説明を省略する。
まず、読取回数取得部328について説明する。読取回数取得部328は、RFIDリーダライタ27の読取回数を取得する。本実施形態において、読取回数取得部328は、RAM303が一時的に記憶している情報に含まれる無線タグ読取装置2の出力部222が出力した、複数のアンテナが受信したRFIDタグの応答波の受信回数を個品情報ごとに取得する。
具体的には、読取回数取得部328は、ベルトコンベア24に載置された商品が所定距離を移動している間に、アンテナ25及びアンテナ26の各々が受信したRFIDタグの応答波の受信回数を、個品情報ごとに取得する。
判別部325は、読取回数取得部328が取得したRFIDタグの読取回数に基づいて、RFIDタグが移動タグであるか静止タグであるか、を判別する。本実施形態において、判別部325は、読取回数取得部328が個品情報ごとに取得したアンテナ25及びアンテナ26が受信したRFIDタグの応答波の受信回数に基づいて、RFIDタグが移動タグであるか、静止タグであるかを判別する。
具体的には、アンテナ25及びアンテナ26が受信したRFIDタグの応答波の受信回数が予め設定した閾値を超えた場合、RFIDタグは移動タグであると判別し、閾値以下の場合、RFIDタグは静止タグであると判別する。なお、本実施形態において、読取回数の閾値は、予め検証を行って定めるものとするが、機械学習または深層学習により予め定めたものであってもよい。
なお、本実施形態では、読取回数取得部328が取得したRFIDタグの読取回数を、読取開始から読取終了までで、1つの読取回数の閾値と比較するが、読取開始から読取終了までの時間をいくつかの区間に分け、それぞれの区間ごとに読取回数の閾値を設定し、区間ごとに読取回数の閾値と比較してもよい。このように構成することにより、移動タグと静止タグとの判別精度を高めることができる。
ここで、商品が所定距離を移動している間の読取回数から移動タグであるか静止タグであるかを判別できる理由について説明する。一般に、ベルトコンベア24に載置され、移動している商品は、アンテナ25及びアンテナ26との距離が近いのに対し、他の客が持っている商品は、アンテナ25及びアンテナ26との距離が遠いと考えられる。
RFIDタグとアンテナ25及びアンテナ26との距離が遠くなると、RFIDリーダライタ27は、安定的にRFIDタグを読取ることが困難になる。つまり、静止タグは、ベルトコンベア24に載置された商品が所定距離を移動している間にRFIDリーダライタ27に読取られる回数が少なくなると考えられる。
一方、移動タグについては、RFIDリーダライタ27が安定的に読取ることが可能であると考えられる。つまり、移動タグは、ベルトコンベア24に載置された商品が所定距離を移動している間にRFIDリーダライタ27に読取られる回数が静止タグと比べて多くなると考えられる。これにより、読取回数に基づいて、移動タグか静止タグかを判別することができる。
なお、無線タグ読取装置2は、必ずしも複数のアンテナを備える必要はないが、アンテナが1つの場合、RFIDタグの向き等の問題でRFIDリーダライタ27によるRFIDタグの読取が困難になる場合がある。この場合、移動タグであっても、読取回数が減少し、判別部325が静止タグと誤判別するおそれがある。
しかし、アンテナが複数あれば、商品が所定距離を移動している間、RFIDタグを安定的に読取ることができる可能性が高くなるため、無線タグ読取装置2は、複数のアンテナを備えることが好ましい。
なお、本実施形態では、上述の判別部325、登録部326、決済部327、読取回数取得部328は、POS端末3に備えられるが、上述の機能構成の一部または全部を無線タグ読取装置2が備えていてもよい。
〈第2実施形態に係るPOS端末の処理〉
次に、第2実施形態に係るPOS端末3の処理について説明する。図12は、第2実施形態に係るPOS端末の判別処理の一例を示すフローチャートである。
まず、読取回数取得部328は、無線タグ読取装置2の出力部222が出力し、RAM303に一時的に記憶されたアンテナ25及びアンテナ26が受信したRFIDタグの応答波の受信回数を個品情報ごとに取得する(ステップS301)。判別部325は、読取回数取得部328が個品情報ごとに取得したアンテナ25及びアンテナ26が受信したRFIDタグの応答波の受信回数が閾値を超えているかを確認する(ステップS302)。
閾値を超えている場合(ステップS302:Yes)、判別部325は、RFIDタグは、移動タグであると判別する(ステップS303)。そして、判別部325は、無線タグ読取装置2のRFIDリーダライタ27に、判別したRFIDタグに対して判別済フラグを書込ませる処理を行う(ステップS305)。
制御部30は、無線タグ読取装置2の出力部222により出力され、RAM303に一時的に記憶されたRFIDタグの情報から、未判別のRFIDタグがあるかを確認する(ステップS306)。
未判別のRFIDタグがない場合(ステップS306:No)、本処理を終了する。一方、未判別のRFIDタグがある場合(ステップS306:Yes)、未判別のRFIDタグに対して、ステップS302乃至ステップS306の処理を繰り返す。
一方、ステップS302で閾値以下の場合(ステップS302:No)、判別部325は、RFIDタグは、静止タグであると判別する(ステップS304)。そして、上述のステップS305、ステップS306の処理を行い、本処理を終了する。
〈第2実施形態に係る情報処理システムの効果〉
次に、第2実施形態に係る情報処理システム1の効果について説明する。本実施形態に係るPOS端末3は、商品が所定距離を移動している間に、アンテナ25及びアンテナ26が受信したRFIDタグの応答波の受信回数を、個品情報ごとに取得する読取回数取得部328を備える。
また、本実施形態の判別部325は、読取回数取得部328が個品情報ごとに取得したアンテナ25及びアンテナ26が受信したRFIDタグの応答波の受信回数に基づいて、RFIDタグが移動タグであるか静止タグであるかを判別する。
位相変化に基づいて、RFIDタグが移動タグか静止タグかを判別する場合、RFIDタグが付された商品を持った客が無線タグ読取装置2付近を移動している間に、RFIDリーダライタ27が移動している客が持っている商品に付されたRFIDタグを読取ってしまうと、客の移動により位相が変化し、位相変化が大きく検出されてしまうことがある。
つまり、移動客がいる場合に、位相変化に基づいて、RFIDタグが移動タグか静止タグかを判別すると、静止タグを移動タグと誤判別してしまうおそれがある。これに対し、本実施形態に係るPOS端末3は、位相変化ではなく、読取回数取得部328が取得したアンテナ25及びアンテナ26が受信したRFIDタグの応答波の受信回数に基づいて、移動タグか静止タグかを判別するため、客の移動の影響で起こる誤判別を回避できる。
つまり、本実施形態に係るPOS端末3は、ある客が商品登録処理及び決済処理を行おうとしているときに、RFIDタグが付された商品を持って無線タグ読取装置2付近を移動している他の客がいた場合でも、他の客の移動の影響により、位相変化が大きく検出され、静止タグを移動タグと誤判別してしまう可能性を低減させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態のPOS端末3で実行されるプログラムは、POS端末3が備える記憶媒体(ROM102又は記憶部11)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
なお、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態のPOS端末3で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施形態のPOS端末3で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。