JP7437995B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
集電体は、電極活物質層からの電子の移動を媒介する機能を有する。集電体を構成する材料に特に制限はない。集電体の構成材料としては、例えば、金属や、導電性を有する樹脂が採用されうる。
正極活物質層は、充電時にリチウムイオン等のイオンを放出し、放電時にリチウムイオン等のイオンを吸蔵できる正極活物質を含む。具体的には、上述したように、正極活物質層は、層状岩塩型構造を有する正極活物質を含む。層状岩塩型構造を有する正極活物質は一般に高い容量を有している。したがって、層状岩塩型構造を有する正極活物質を用いることで、非水電解質二次電池の電池容量を向上させることができる。
層状岩塩型構造を有する正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、Li(Ni-Mn-Co)O2、Li(Ni-Co-Al)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム-遷移金属複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられ、さらに好ましくはLi(Ni-Mn-Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)またはLi(Ni-Co-Al)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NCA複合酸化物」とも称する)が用いられ、特に好ましくはNMC複合酸化物が用いられる。NMC複合酸化物およびNCA複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を持ち、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
負極活物質層は、放電時にリチウムイオン等のイオンを放出し、充電時にリチウムイオン等のイオンを吸蔵できる負極活物質を含む。負極活物質の種類としては、特に制限されないが、炭素材料、金属酸化物および金属活物質が挙げられる。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等が挙げられる。また、金属酸化物としては、例えば、Nb2O5、Li4Ti5O12等が挙げられる。さらに、ケイ素系負極活物質やスズ系負極活物質が用いられてもよい。ここで、ケイ素およびスズは第14族元素に属し、非水電解質二次電池の容量を大きく向上させうる負極活物質であることが知られている。これらの単体は単位体積(質量)あたり多数の電荷担体(リチウムイオン等)を吸蔵および放出しうることから、高容量の負極活物質となる。ここで、ケイ素系負極活物質としては、Si単体を用いることが好ましい。また同様に、Si相とケイ素酸化物相との2相に不均化されたSiOx(0.3≦x≦1.6)などのケイ素酸化物を用いることも好ましい。この際、xの範囲は0.5≦x≦1.5であることがより好ましく、0.7≦x≦1.2であることがさらに好ましい。さらには、ケイ素を含有する合金(ケイ素含有合金系負極活物質)が用いられてもよい。一方、スズ元素を含む負極活物質(スズ系負極活物質)としては、Sn単体、スズ合金(Cu-Sn合金、Co-Sn合金)、アモルファススズ酸化物、スズケイ素酸化物等が挙げられる。このうち、アモルファススズ酸化物としてはSnB0.4P0.6O3.1が例示される。また、スズケイ素酸化物としてはSnSiO3が例示される。また、負極活物質として、リチウムを含有する金属を用いてもよい。このような負極活物質は、リチウムを含有する活物質であれば特に限定されず、金属リチウムのほか、リチウム含有合金が挙げられる。リチウム含有合金としては、例えば、Liと、In、Al、SiおよびSnの少なくとも1種との合金が挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。本発明は、充放電時の負極活物質の膨張収縮が大きい場合に特に優れた効果を奏するものである。このような観点と、高容量であるという点で、負極活物質は、炭素材料、金属リチウム、ケイ素系負極活物質またはスズ系負極活物質を含むことが好ましい。
本形態に係る非水電解質二次電池の電解質層は、セパレータに電解液が含浸されてなる構成を有する。電解液(液体電解質)の具体的な構成および好ましい実施形態については、正極の欄において上述した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板27と負極集電板25とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
シール部は、双極型二次電池(直列積層型電池)に特有の部材であり、電解質層からの電解液の漏れを防止する機能を有する。このほかにも、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こったりするのを防止することもできる。
どのポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、ポリイミド等が用いられうる。これらの
うち、耐蝕性、耐薬品性、製膜性、経済性などの観点からは、ポリオレフィン樹脂を用い
ることが好ましい。
また、図示は省略するが、集電体と集電板との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
電池外装材としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、図1および図2に示すように発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルム29を用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。また、外部から掛かる発電要素への群圧を容易に調整することができることから、外装体はアルミニウムを含むラミネートフィルムがより好ましい。
組電池は、電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を車両に搭載することができる。本発明では、長期信頼性に優れた高寿命の電池を構成できることから、こうした電池を搭載するとEV走行距離の長いプラグインハイブリッド電気自動車や、一充電走行距離の長い電気自動車を構成できる。電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を、例えば、自動車ならばハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いることにより高寿命で信頼性の高い自動車となるからである。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両、例えば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
正極活物質として、以下の3種類の市販品を購入することにより準備した。
・正極活物質(2):LiNi0.83Mn0.11Co0.06O2、平均粒子径3.6μm、結晶子径1μm以上、ラフネスファクター2.4、単一の結晶子からなる粒子の個数割合は30%以上
・正極活物質(3)(比較品):LiNi0.80Mn0.10Co0.10O2、平均粒子径10.2μm、結晶子径1μm未満、ラフネスファクター4.3、単一の結晶子からなる粒子の個数割合は10%未満。
まず、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて正極活物質の粉末を観察し、得られたSEM画像から、活物質粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち最大の距離を粒子径として測定し、数十視野中に観察される粒子の粒子径の算術平均値を平均粒子径として算出した。なお、結晶子径が1μm以上であるか否かついては、SEM画像から判断した。
[実施例1]
<電解液の調製>
非水溶媒であるジメチルカーボネート(DMC)に、リチウム塩であるLi(FSO2)2N(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;LiFSI)を4mol/L(4M)の濃度で溶解させて、本実施例の電解液を調製した。なお、飽和溶解量(ここでは5.5M)を100%としたときの当該電解液におけるリチウム塩の溶解量は73%であった。
上記で準備した正極活物質(1)95質量%、導電助剤である導電性カーボンブラック3質量%、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)2質量%からなる固形分を用意した。この固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を適量添加し、混合して、正極活物質スラリーを作製した。次に、得られた正極活物質スラリーを、集電体であるアルミニウム箔(厚み20μm)の片面にドクターブレードを用いて塗布し、80℃のホットプレート上で1時間乾燥させた。その後、得られた積層体を、ロールプレス機を用いてプレスすることにより、正極活物質層の空孔率を25%に制御した。そして、真空乾燥機に入れ、真空条件下、130℃にて8時間乾燥させて、本実施例の正極(厚さ80μm)を作製した。
負極活物質である黒鉛(平均粒子径:20μm)95.5質量%、導電助剤であるカーボンブラック0.5質量%、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)4質量%からなる固形分を用意した。この固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を適量添加し、混合して、負極活物質スラリーを作製した。次に、得られた負極活物質スラリーを、集電体である銅箔(厚み20μm)の片面に塗布し、上記と同様にして乾燥およびプレス処理を施して、本実施例の負極(厚さ60μm)を作製した。
上記で得られた正極を12cm2、負極を13cm2のサイズに裁断した。そして、正極の集電体(アルミニウム箔)にはアルミニウム端子付きアルミニウム箔を積層した。一方、負極の集電体(銅箔)にはニッケル端子付き銅箔を積層した。
上記で作製した試験用セルについて、充放電サイクル耐久性試験を行った。具体的には、まず、電極反応面内に均一に圧力を印加するため、ゴム板でセルの電極部分を挟み、さらにアルミニウムの平板で挟んでボルトで固定した。
本実施例では、正極活物質(1)に代えて正極活物質(2)を用いたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、本実施例のパウチ型リチウムイオン電池(試験用セル)を作製し、サイクル耐久性試験を行った。結果を下記の表1に示す。
本比較例では、正極活物質(1)に代えて正極活物質(3)を用いたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、本比較例のパウチ型リチウムイオン電池(試験用セル)を作製し、サイクル耐久性試験を行った。結果を下記の表1に示す。
非水溶媒であるエチルメチルカーボネート(EMC)とエチレンカーボネート(EC)との等体積混合液に、添加剤であるビニレンカーボネート(VC)を前記混合液100質量%に対して0.5質量%の濃度で溶解させ、リチウム塩であるLi(FSO2)2N(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;LiFSI)を2mol/L(2M)の濃度で溶解させて、本比較例の電解液を調製した。なお、リチウム塩の飽和溶解量(ここでは5.2M)を100%としたときの当該電解液におけるリチウム塩の溶解量は38%であった。
本比較例では、正極活物質(1)に代えて正極活物質(3)を用いたこと以外は、上述した比較例2と同様の手法により、本比較例のパウチ型リチウムイオン電池(試験用セル)を作製し、サイクル耐久性試験を行った。結果を下記の表1に示す。
10b 双極型二次電池
11 集電体、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
11’ 正極集電体
12 負極集電体
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板(正極タブ)、
27 負極集電板(負極タブ)、
29 ラミネートフィルム、
31 シール部。
Claims (8)
- 層状岩塩型構造を有する正極活物質および電解液を含有する正極活物質層を含む非水電解質二次電池用正極であって、
前記電解液が25℃における飽和リチウムイオン濃度の50%以上の濃度のリチウムイオンを含有し、
前記正極活物質の、平均粒子径から算出される幾何比表面積に対するBET比表面積の比の値として定義されるラフネスファクターの値が3以下であり、
セル電圧として4.4V以上の作動電圧を示す非水電解質二次電池に用いるための、非水電解質二次電池用正極。 - 前記正極活物質の結晶子径が1μm以上である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極。
- 前記正極活物質を構成する粒子に占める単一の結晶子からなる粒子の個数割合が10%以上である、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用正極。
- 前記正極活物質が、Li(Ni-Mn-Co)O2またはこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換された組成を有するNMC複合酸化物を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用正極。
- 前記電解液が、リチウムイオンの対アニオンとしてイミド基含有アニオンを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用正極。
- 前記電解液における電解質の濃度が3モル/L以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用正極。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用正極を有する発電要素を備えた、非水電解質二次電池。
- セル電圧として4.4V以上の作動電圧を示す、請求項7に記載の非水電解質二次電池。
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