JP7438495B2 - リファレンス刺激 - Google Patents
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Description
本開示の実施形態の例として、以下のものが挙げられる。
(項目1)
生体の反応を識別するためのモデルを構築するための方法であって、
生体から複数の反応データを取得することであって、
前記生体が第1の状態にあるときの第1の反応データを取得することと、
前記生体が第2の状態にあるときの第2の反応データを取得することと
を含む、ことと、
前記取得された複数の反応データに基づいて、前記生体の反応を識別するための前記生体に特有のモデルを構築することと
を含む、方法。
(項目2)
前記第1の反応データは、前記生体が第1の状態にあるときに前記生体に刺激を付与したときのデータであり、
前記第2の反応データは、前記生体が第2の状態にある時に前記生体に刺激を付与したときのデータである、
項目1に記載の方法。
(項目3)
前記生体から複数の反応データを取得することは、
前記生体が前記第1の状態にあるときに前記生体に刺激を付与しないときの第3の反応データを取得することと、
前記生体が前記第2の状態にあるときに前記生体に刺激を付与しないときの第4の反応データを取得することと
を含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記生体の反応は、痛み有りの反応と、痛み無しの反応とを含む、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記第1の状態は、前記反応データにノイズが付加される状態であり、
前記第2の状態は、前記反応データにノイズが付加されない状態である、
項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記第2の状態は、前記生体が視覚遮断行動、聴覚遮断行動またはこれらの組合せを行っている状態を含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記モデルを構築することは、前記取得された複数の反応データに基づいて、生体の反応を識別するための既存のモデルを更新することによって、前記生体に特有のモデルを構築することを含む、項目1~6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記モデルを構築することは、前記取得された複数の反応データに基づいて、生体の反応を識別するための複数の既存のモデルから前記生体に特有のモデルを選択することによって、前記生体に特有のモデルを構築することを含む、項目1~6のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記生体の反応は、痛み有りの反応と、痛み無しの反応とを含み、前記モデルを構築することは、
a)複数の被験体に対して疼痛試験を行うことにより、複数のCOVASデータを取得するステップと、
b)前記複数のCOVASデータを平均することにより、COVASテンプレートを作成するステップと、
c)前記生体に対して前記疼痛試験を行うことにより、前記生体から脳波データまたはその分析データを得るステップと、
d)前記COVASテンプレートに基づいて、前記脳波データまたはその分析データを切り取るステップと、
e)前記切り取られた脳波データまたはその分析データを学習用データとし、前記切り取られた脳波データまたはその分析データに対応するCOVASテンプレートの値をラベルとして学習することにより、モデルを作成するステップと
を含む、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
項目1~9のいずれか一項に記載の方法によって構築されたモデルと、
生体から反応データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された反応データに基づいて前記モデルが前記生体の反応を識別した結果を出力する出力手段と
を備えるシステム。
(項目11)
生体から反応データを取得する取得手段であって、前記取得手段は、参照モードと測定モードとを含む取得手段と、
前記取得手段から得た反応データを参照刺激として用いてモデルを構築するモデル構築手段であって、前記モデルは、
前記参照モードにおいて、前記生体から複数の反応データを取得することであって、
前記生体が第1の状態にあるときの第1の反応データを取得することと、
前記生体が第2の状態にあるときの第2の反応データを取得することと
を含むことによって取得された複数の反応データに基づいて、前記生体の反応を識別するための前記生体に特有のモデルを構築することによって構築される、モデル構築手段と、
前記測定モードにおいて前記取得手段によって取得された反応データに基づいて前記モデルが前記生体の反応を識別した結果を出力する出力手段と
を備えるシステム。
(項目12)
さらに、標準的なモデルを備える、項目11に記載のシステムであって、前記モデル構築手段は、前記複数の反応データに基づいて前記標準的なモデルを修正する、システム。
(項目13)
生体の反応を識別するためのモデルを構築するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、
前記生体が第1の状態にあるときの第1の反応データと、前記生体が第2の状態にあるときの第2の反応データとに基づいて、前記生体の反応を識別するための前記生体に特有のモデルを構築すること
を含む処理を前記プロセッサに実行させる、プログラム。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義および/または基本的技術内容を適宜説明する。
本明細書において、「対象」(英文ではobject)とは、患者(patient)または被験者(subject)と同義に用いられ、疼痛測定および脳波測定などの本開示の技術が対象とする任意の生体または動物をいう。対象としては、好ましくは、ヒトであるがこれに限定されない。本明細書において、疼痛の推定を行う場合、「推定対象」とすることがあるが、これは対象などと同じ意味である。「対象」は、複数存在し得る。そのような場合、個々の例については、(対象の)「サンプル」と称することがある。
以下に本開示の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本開示のよりよい理解のために提供されるものであり、本開示の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参照して、本開示の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、本開示の以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができることが理解される。
1つの局面において、本開示は、生体の反応を識別するためのモデルを構築するための方法であって、生体から複数の反応データを取得することであって、前記生体が第1の状態にあるときの第1の反応データを取得することと、前記生体が第2の状態にあるときの第2の反応データを取得することとを含む、ことと、前記取得された複数の反応データに基づいて、前記生体の反応を識別するための前記生体に特有のモデルを構築することとを含む、方法を提供する。種々の分析、診断、検査が、リファレンス刺激を応用することにより正確に行うことができる。
本開示はさらに、生体の反応を識別するためのモデルを構築するためのプログラムを提供し、前記プログラムは、プロセッサを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記生体が第1の状態にあるときの第1の反応データと、前記生体が第2の状態にあるときの第2の反応データとに基づいて、前記生体の反応を識別するための前記生体に特有のモデルを構築することを含む処理を前記プロセッサに実行させる。
本開示の生体の反応を識別するためのモデルを構築するための方法は、例えば、ユーザに提供される痛み分析装置などの分析装置において全てのステップが実行され得る。すなわち、痛み分析装置は、スランドアローン型であり得る。スタンドアローン型の痛み分析装置などの分析装置は、リファレンス刺激を生体に付与し、その反応データを取得し、取得された反応データに基づいてその生体に特有のモデルを構築するという一連の動作を行う。これにより、痛み分析装置などの分析装置は、外部と通信することなく、その生体に特有のモデルを用いて、精度よくその生体の反応を識別することができる。
本開示の生体の反応を識別するためのモデルを構築するための方法は、例えば、ユーザに提供される痛み分析装置などの分析装置と、痛み分析装置などの分析装置がネットワークを介して接続可能なサーバ装置とを備えるシステムにおいて実行され得る。生体の反応を識別するためのモデルを構築するための方法のうちの一部のステップが痛み分析装置などの分析装置で実行され、残りのステップがサーバ装置で行われ得る。例えば、痛み分析装置が、生体から複数の反応データを取得するステップを実行し、取得された複数の反応データをサーバ装置に送信し、サーバ装置が、痛み分析装置などの分析装置から複数の反応データを受信し、受信された複数の反応データに基づいて、生体の反応を識別するための生体に特有のモデルを構築するステップを実行することができる。これにより、痛み分析装置などの分析装置の処理負荷を低減することができる。
別の局面において、本開示はさらに、生体の反応を識別するためのモデルを構築するためのシステムを提供する。このシステムは、プロセッサと、分析装置を備え、ここでプロセッサは、生体が第1の状態にあるときの第1の反応データと、生体が第2の状態にあるときの第2の反応データとに基づいて、前記生体の反応を識別するための前記生体に特有のモデルを構築することを含む処理を実行する。種々の分析、診断、検査が、リファレンス刺激を応用することに、都度カスタマイズすることで、個人に沿ったより正確に行うことができる。Precision Medicine(テーラーメイド機械学習(テーラーメイド法)とも称される)の一つの実現例としてこの実施形態を挙げることができる。大規模システムでの応用としては、まず、データベースに保存されている複数の標準モデルを用いて、痛みの判別を試みることも可能であるが、更に、リファレンス刺激を用いて、その都度微調整を行うようなケースも考えられる。
図49は、本開示の生体の反応を識別するためのモデルを構築するためシステム100の構成の一例を示す。ここでは、痛み分析装置を説明する。
該推定対象の脳波に基づいて該推定対象が有する痛みを判別または推定するための回帰モデルを生成するための方法を以下に示す。この方法は、a)レファレンス刺激に対応するモデル用脳波データまたはその分析データを取得する工程と、b)該脳波データまたはその分析データからモデル用脳波特徴量を抽出する工程と、c)目的とする痛みレベルを設定し、該モデル用脳波特徴量(独立変数)と該痛みレベル(従属変数)とをスパースモデル解析に導入し、適切なλ(好ましくは最適λ)を求め、該適切なλ(好ましくは最適λ)に対応する該モデル用脳波特徴量のパラメータ(偏回帰係数)およびアルゴリズムの定数(切片)を決定し回帰モデルを生成する工程とを含む。
例示的なスパースモデリングのより詳細な手順を以下に示す。
b)該複数のCOVASデータを平均することにより、COVASテンプレートを作成するステップと、
c)該生体に対して該疼痛試験を行うことにより、該生体から脳波データまたはその分析データを得るステップと、
d)該COVASテンプレートに基づいて、該脳波データまたはその分析データを切り取るステップと、
e)該切り取られた脳波データまたはその分析データを学習用データとし、該切り取られた脳波データまたはその分析データに対応するCOVASテンプレートの値をラベルとして学習することにより、モデルを作成するステップと
を含む方法である。
本実施例では、閉眼サンプル増幅(Long short-term memory(LSTM)4 class)の実験を行った。以下に方法等を示す。
「痛みなし・痛みあり・ノイズあり痛みなし・ノイズあり痛みあり」の4クラスの判別をLSTMを用いて行った。ノイズを含むクラスのラベル付けのため、ノイズテスト、及び、痛み刺激中でのノイズテストを行った。被験者には、一部のトライアルで、目を閉じてもらった(閉眼タスク)。行った実験トライアルの条件を以下に示す。
・実験トライアル:
(1)artifact1:ノイズテスト(強く目をつむる、体の伸び、音読)、開眼
(2)artifact2:ノイズテスト(強く目をつむる、体の伸び、音読)、開眼
(3)artifact_pain1:痛み刺激時にノイズテスト(ノイズが入る自発的反応)、開眼
(4)artifact_pain2:痛み刺激時にノイズテスト(ノイズが入る自発的反応)、開眼
(5)ref:痛み刺激、安静、閉眼
(6)main1:痛み刺激、安静、閉眼
(7)main2:痛み刺激、安静、閉眼
(8)main3:痛み刺激時にノイズテスト、閉眼
(9)2temp:痛み刺激(中:46℃、大:48℃)、開眼
(10)2temp_artifact:痛み刺激(中:46℃、大:48℃)時にノイズテスト(ノイズが入る自発的反応)、開眼
電極として前額の6chを用いて実験を行った。各chにおいて、以下の周波数帯域を用いた。
-f1=2-5Hz
-f2=5-8Hz
-f3=8-14Hz
-f4=14-29Hz
-f5=31-40Hz
-f6=40-49Hz
解析条件はを図1に示す
以下のネットワークを用いた
layers=次の層をもつ6x1のLayer 配列:
1 シーケンス入力 7 次元のシーケンス入力
2 LSTM 300 隠れユニットのある LSTM
3 ドロップアウト 50% ドロップアウト
4 全結合 4 全結合層
5 ソフトマックス ソフトマックス
6 分類出力 crossentropyex
・パラメータの更新手法:Adam
・学習率:0.001
・ミニバッチサイズ:128
・エポック数:20
・L2正則化(λ):0.01
・ドロップアウト:0.5
オフライン時系列データ解析は以下のとおり行った。
(1)判別値(ソフトマックス:4class)
→(0:ノイズなし痛みなし、1:ノイズなし痛みあり、2:ノイズあり痛みなし、3:ノイズあり痛みあり)
・・・全結合層の結果をソフトマックス関数に入力し、確率が最も高いクラスを判別値とする。
(2)判別値(ソフトマックス:2class)
→(0:痛みなし、1:痛みあり)
・・・(1)の結果(4クラス)を2クラスに変換した。
([4クラス]0,2→[2クラス]0、[4クラス]1,3→[2クラス]1)
・今回、この2クラスの判別値と正解ラベル(熱刺激が出ているところ)を比較して評価(判別精度、適合率、再現率、F1値)を行った。
熱刺激の正解ラベルがあるのは、以下の8つのトライアルである:
(3)artifact_pain1、(4)artifact_pain2、(5)ref、(6)main1、(7)main2、(8)main3、(9)2temp、(10)2temp_artifact。
(3)痛み推定値:-log(1-x)
→痛み推定値(0-1)を-log(1-x)で変換した痛み推定値
・・・1に近い閾値(例えば、0.99)を設定する場合に、推定値の変動を見やすくしたもの。
(4)脳波:Fp1
(5)特徴量
→147x15個の特徴量
・・・147個の特徴量と15個の時系列シークエンスを単位とした特徴量。
以下に結果を示す。
artifact1(ノイズテスト(強く目をつむる、体の伸び、音読)、開眼)条件の生データを図2に示す。オフライン時系列データ解析を行った結果を図3に示す。4クラスでは、ノイズあり痛みなし(2)と判定されるべきであるが、誤判別が観察されていることが分かる。
これらの結果から、ノイズあり痛みなし、ノイズあり痛みありクラスを追加することで、4クラスのLSTMでは、ノイズがある場合にも判別できる可能性が示唆された。
本実施例は、4クラスと2クラスのLSTMの比較を行った。
正と負の2クラスの分類問題において、分類器の予測結果と、真の結果に基づいて以下のように分類する。例えば、真に正であるデータで、かつ、予測結果も正であったようなデータ数をTP(True Positive)個とし、真に負であるデータで、かつ、予測結果も負であったようなデータ数をTN(True Negative)個とし、真に負であるデータで、かつ、予測結果が正であったようなデータ数をFP(False Positive)個とし、真に正であるデータで、かつ、予測結果が負であったようなデータ数をFN(False Negative)個とした。
以下、4つの評価基準を以下のように定義する(図22)。
正解率 (精度, accuracy):正や負と予測したデータのうち,実際にそうであるものの割合
accuracy=(TP+TN)/(TP+FP+TN+FN)
適合率 (precision):正と予測したデータのうち,実際に正であるものの割合
precision=TP/(TP+FP)
再現率 (recall, 感度, sensitivity):実際に正であるもののうち,正であると予測されたものの割合
recall=TP/(TP+FN)
F1値 (F1尺度, F1-score, F1-measure):精度と再現率の調和平均
F1-score=2*recall*precision/(recall+precision)
判別精度を図23~図27に示す。
・ノイズあり痛みなし、ノイズあり痛みありクラスを追加することで、4クラスのLSTMでは、ノイズがある場合にも判別できる可能性が示唆された。
・(9)2tempおよび(10)2temp_artifactで、判別精度が低かったのは、閉眼タスクを行っていなかったためだと考えられる。
・今回の被験者に限ると、評価基準の平均値では、判別精度と適合率が、4クラスの方が2クラスよりも良かった。逆に、再現率とF1値は、2クラスの方が良かった。判別精度で評価する場合は、4クラスの方が優れていると考えられる。
本実施例では、2クラスLSTM解析を行った。2クラスLSTM解析の流れを図28に示す。
以下に結果を示す。
artifact1(ノイズテスト(強く目をつむる、体の伸び、音読)、開眼)条件の生データを、図29に示す。以下にオフライン時系列データ解析を行った結果を図30に示す。2クラスでは、痛みなし(0)と判定されるべきであるが、誤判別されている。
(考察)
2クラスは、4クラスに比べて、ラベルの種類が少ない分、リファレンス刺激を用いて、個人にフィットさせた場合に、判別精度が落ちる可能性が示唆された。このことから、逆に、リファレンス刺激を用いる場合は、できるだけ多くのラベルを具体的に定義することで、判別精度を向上させることができる可能性が示唆された。
実験パラダイムは、以下の通りである。
被検者(患者):F030 年齢:61歳 性別:女性
病名:両下肢静脈瘤
術式:両下肢静脈レーザー焼灼術
日時:2018年11月17日 13:55-19:52(5時間57分)
手術中における、患者の痛み主観評価(VAS)が高い時(特に局所麻酔時)の時系列データをLSTMを用いて評価したところ、高い一致度を得ることに成功した。
図57は、例示的な実施例における、レファレンス刺激を応用した医療システムの構成の一例を示す。図57に示される医療システムは、デバイス部分(左側)とクラウド/サーバ部分(右側)とを含む。デバイス部分は、脳波取得、特徴量抽出およびデータの送受信を行い、可視化する機能を有し、この機能のために、脳波データ測定部110000と、データ送受信部120000と、疼痛レベル可視化部130000と、脳波特徴量抽出部140000とを備える。クラウド/サーバ部分は、分析や判定判別モデルの生成などを行う機能を持ち、データ送受信部125000と、疼痛レベル判別推定部150000と、疼痛判別モデル生成部160000と、データ保存部170000とを備える。デバイス部分とクラウド/サーバ部分とは、データ送受信部120000および125000を介して接続され得る。クラウド/サーバ部分には、脳波データベース180000が接続され得る。このモデルでは、脳波特徴量(分析データ)の抽出は、デバイス部分で行われる。
本実施例では、閉眼サンプルを用いて、痛みの解析を行った。その際サンプル増幅を行った。
(閉眼サンプル)
閉眼サンプルとは、被験者が目を瞑ったときの刺激に対する反応データのことである。本実施例では、被験者に目を瞑ってもらう閉眼タスクにおいて、「痛みなし(36℃)」から「痛みあり(48℃)」までのいくつかの段階的な熱刺激に対する反応データ、ここでは脳波データを取得した。「痛みなし(36℃)」は36℃の熱刺激があるときの状態を示し、「痛みあり(48℃)」は48℃の熱刺激があるときの状態を示す。
(1)pre:段階的熱刺激(36℃~48℃):事前に被験者に与えるリファレンス刺激
(2)main:手術後(ベッドサイドでの長時間(6時間)計測)
予め複数の健常者(N=150)に対して、実験トライアルの(1)を行い、N=150のCOVASデータを取得した。これらのCOVASデータの平均値をとることにより、COVASテンプレートを予め作成した。COVASテンプレートは、実験トライアルの(1)の段階的熱刺激と、健常者の痛みの主観的評価とを対応付けるものである。
サンプリングレートは、500Hzとした。
予め作成されたCOVASテンプレートを最小値0から最大値100まで昇順にソートした。ソートされたCOVASテンプレートから、最小値0から最大値100まで、10単位で、5ずつずらして19個の範囲を切り取った。これらの19個の範囲は、19種類の標準化パラメータであり、これらの19種類の標準化パラメータのそれぞれの平均値と標準偏差とを求めた。後のオフライン時系列データ解析時に利用するために、19個の平均値と19個の標準偏差をそれぞれ保存した。
ソートされたCOVASテンプレートから、最小値0から最大値100まで、10単位で、10ずつずらして10個の範囲を切り取った。これらの10個の範囲は、10種類の標準化パラメータであり、COVASテンプレートと脳波データとが対応付けられていることから、10種類の標準化パラメータに対応付けられた特徴量が抽出される。抽出された特徴量は、対応する標準化パラメータを用いて、標準化(z値化)された。
2)回帰:(サンプル増幅)5サンプルを単位として、その平均値と共分散行列を基に多変量正規分布から乱数によって生成されるサンプルを、1)で各ラベルごとに定義したパラメータだけ増やす。繰り返し数分だけ、サンプルを増やす。
3)回帰:(モデルの作成:(学習))増幅したサンプルを学習サンプルとして定義し、対応するラベルと共に学習させ、LSTM回帰によりモデルを作成する。
19個の標準化パラメータと10個のモデルとの組み合わせからベストな組み合わせを探索するために、19個の標準化パラメータと10個のモデルとを用いて、190個の回帰の結果を計算した。オフライン時系列データ解析では、まず、テストデータの時間方向の全体に対して、特徴量を抽出した。特徴量抽出後のデータは、標準化されていない状態で保持した(未標準化特徴量)。未標準化特徴量に対して、19個の標準化パラメータのそれぞれを用いて、標準化(z値化)を行うことにより、標準化特徴量を算出した。すなわち、19個の標準化パラメータのうちの第iの標準化パラメータ(0<i≦19)について平均μi、標準偏差σiとし、未標準化特徴量をx、標準化パラメータiについての標準化特徴量をx’iとすると、
x’i=(x-μi)/σi
で算出される。
図62Cは、本実施例による結果を示している。
本実施例では、閉眼サンプルを用いて、痛みの解析を行った。その際サンプル増幅を行った。
(閉眼サンプル)
閉眼サンプルとは、被験者が目を瞑ったときの刺激に対する反応データのことである。本実施例では、被験者に目を瞑ってもらう閉眼タスクにおいて、「痛みなし(36℃)」から「痛みあり(48℃)」までのいくつかの段階的な熱刺激に対する反応データ、ここでは脳波データを取得した。「痛みなし(36℃)」は36℃の熱刺激があるときの状態を示し、「痛みあり(48℃)」は48℃の熱刺激があるときの状態を示す。
アルゴリズム開発用に行った最小限のデータ取得で済む実験(minimum_set_heat)を行った。
(1)minimum_set_heat1回目:段階的熱刺激(36℃~48℃)
(2)minimum_set_heat2回目:段階的熱刺激(36℃~48℃)
minimum_set_heatでは、熱刺激を36℃から48℃まで階段状に上昇させ、次いで、48℃から36℃まで階段状に下降させるという熱刺激を与えた。
予め複数の健常者(N=150)に対して、実験トライアルの(1)を行い、N=150のCOVASデータを取得した。これらのCOVASデータの平均値をとることにより、COVASテンプレートを予め作成した。COVASテンプレートは、実験トライアルの(1)の段階的熱刺激と、健常者の痛みの主観的評価とを対応付けるものである。
サンプリングレートは、1000Hzとした。
予め作成されたCOVASテンプレートを最小値0から最大値100まで昇順にソートした。ソートされたCOVASテンプレートから、最小値0から最大値100まで、10単位で、10ずつずらして10個の範囲を切り取った。これらの範囲は、10種類の標準化パラメータであり、これらの10種類の標準化パラメータの平均値と標準偏差とを求めた。後のオフライン時系列データ解析時に利用するために、10個の平均値と10個の標準偏差とをそれぞれ保存した。
ソートされたCOVASテンプレートから、最小値0から最大値100まで、10単位で、10ずつずらして10個の範囲を切り取った。これらの10個の範囲は、10種類の標準化パラメータであり、COVASテンプレートと脳波データとが対応付けられていることから、10種類の標準化パラメータに対応付けられた特徴量が抽出される。抽出された特徴量は、対応する標準化パラメータを用いて、標準化(z値化)されるた。
2)回帰:(サンプル増幅)5サンプルを単位として、その平均値と共分散行列を基に多変量正規分布から乱数によって生成されるサンプルを、1)で各ラベルごとに定義したパラメータだけ増やす。繰り返し数分だけ、サンプルを増やす。
3)回帰:(モデルの作成:(学習))増幅サンプルを学習サンプルとして定義し、対応するラベルと共に学習させ、LSTM回帰によりモデルを作成する。
10個の標準化パラメータと10個のモデルとの組み合わせからベストな組み合わせを探索するために、10個の標準化パラメータと10個のモデルとを用いて、100個の回帰の結果を計算した。オフライン時系列データ解析では、まず、テストデータの時間方向の全体に対して、特徴量を抽出した。特徴量抽出後のデータは、標準化されていない状態で保持した(未標準化特徴量)。未標準化特徴量に対して、10個の標準化パラメータのそれぞれを用いて、標準化(z値化)を行うことにより、標準化特徴量を算出した。すなわち、10個の標準化パラメータのうちの第iの標準化パラメータ(0<i≦10)について平均μi、標準偏差σiとし、未標準化特徴量をx、標準化パラメータiについての標準化特徴量をx’iとすると、
x’i=(x-μi)/σi
で算出される。
図63Bは、本実施例による結果を示している。
以上のように、本開示の好ましい実施形態を用いて本開示を例示してきたが、本開示は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願及び他の文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。本願は、日本国特許庁に2020年4月26日に出願された特願2019-85779に対して優先権主張をするものであり、その内容は全体が、本願において参考として援用される。
1100:疼痛レベル判別/推定装置を含むシステム
1110:疼痛レベル判別/推定装置
1111:測定部
Claims (5)
- 記憶装置と演算装置を有するコンピュータが、対象人の反応を識別するためのモデルを構築するための方法であって、
前記演算装置が、前記対象人から反応データとして複数の脳波データを取得するステップを備え、前記取得するステップは、
前記対象人が第1の状態にあるときの第1の脳波データを取得するステップと、
前記対象人が第2の状態にあるときの第2の脳波データを取得するステップと、
を含み、
前記対象人の前記第1の脳波データは、前記対象人に異なるレベルの痛みを加えた第1の状態で測定され、前記演算装置が、前記第1の脳波データを記憶装置に記憶させ、前記対象人の前記第2の脳波データは、前記対象人に痛みを加えなかった第2の状態で測定され、前記演算装置が、前記第2の脳波データは前記記憶装置に記憶させ、
前記演算装置が、前記取得された複数の脳波データに基づいて、前記対象人の反応を識別するための前記対象人に特有のモデルを構築するステップをさらに備え、前記モデルを構築するステップは、
a)複数の健常被験者に疼痛試験を実施し、各健常被験者に異なるレベルの疼痛を適用した複数のCOVASデータを取得するステップと、
b)複数のCOVASデータを平均化してCOVASテンプレートを作成するステップと、
c)前記記憶装置から前記第1および第2の脳波データを読み出すステップと、
d)前記COVASテンプレートに基づいて、前記第1および第2の脳波データまたはその解析データを切り出すステップと、
e)前記切り取られた脳波データまたはその分析データを学習用データとし、前記切り取られた脳波データまたはその分析データに対応するCOVASテンプレートの値をラベルとして学習することにより、モデルを作成するステップと、を含む、方法。 - 前記解析データを切り出すステップは、
前記切り出された脳波データから、絶対振幅、エントロピー、所定の周波数帯域の周波数パワー、コヒーレンスの各特徴量を抽出する前処理ステップと、
サンプル数を増加させるサンプル増加法を実行するステップとを含み、
前記モデルを作成するステップは、
前記増加したサンプルを使用して、前記対象人にフィットするLSTMのモデルを作成するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記解析データを切り出すステップは、
前記COVASテンプレートを最小値0から最大値まで昇順にソートするステップと、
前記ソートされたCOVASテンプレートから、最小値から最大値までの範囲を所定単位で所定数切り出すステップと、
前記抽出された特徴量から、前記モデルを探索するための標準化パラメータを、前記所定数の範囲のそれぞれの平均値と標準偏差とに基づいて算出するステップと、を含み、
前記LSTMのモデルを作成するステップは、標準化パラメータを使用してアンサンブル学習を実行するステップを含む、請求項2に記載の方法。 - 対象人から反応データとして複数の脳波データを取得する取得手段を備え、前記取得手段は、前記対象人が第1の状態にある場合に、前記対象人から第1の脳波データを取得する第1の脳波データ取得手段と、前記対象人が第2の状態にある場合に、前記対象人から第2の脳波データを取得する第2の脳波データ取得手段と、を含み、
前記対象人の前記第1の脳波データは、前記対象人に異なるレベルの痛みを加えた第1の状態で測定され、前記演算装置が、前記第1の脳波データを記憶装置に記憶させ、前記対象人の前記第2の脳波データは、前記対象人に痛みを加えなかった第2の状態で測定され、前記演算装置が、前記第2の脳波データは前記記憶装置に記憶させ、
前記取得手段から得た前記脳波データに基づいて、前記対象人の反応を特定するための前記対象人固有のモデルを構築するモデル構築手段を備え、
前記モデル構築手段は、
a)複数の健常被験者に疼痛試験を実施し、各健常被験者に異なるレベルの疼痛を適用した複数のCOVASデータを取得する手段と、
b)複数のCOVASデータを平均化してCOVASテンプレートを作成する手段と、
c)前記記憶装置から前記第1および第2の脳波データを読み出す手段と、
d)前記COVASテンプレートに基づいて、前記第1および第2の脳波データまたはその解析データを切り出す手段と、
e)前記切り取られた脳波データまたはその分析データを学習用データとし、前記切り取られた脳波データまたはその分析データに対応するCOVASテンプレートの値をラベルとして学習することにより、モデルを作成する学習手段と、を含み、
前記取得手段によって取得された前記脳波データに基づいて前記モデルにより前記対象人の反応を識別した結果を出力する出力手段を、さらに備える、システム。 - 対象人の反応を識別するためのモデルを構築するためのプログラムであって、前記プログラムは、演算装置と記憶装置とを備えるコンピュータシステムにおいて実行されるとき、前記プログラムは、前記演算装置に請求項1に記載の方法を実行させることを特徴とするプログラム。
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