JP7439635B2 - ホール輸送材料及びホール輸送材料を用いた太陽電池 - Google Patents
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Description
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る太陽電池10は、透明基板21及び透明導電膜22を有する基板2と、基板2上に設けられ、電子を透明導電膜22に受け渡し、且つホール輸送層5と透明導電膜22とを分離して電子とホールとの再結合(逆電子移動)を防止するブロッキング層3と、ブロッキング層3上に設けられ、光によって励起して電子を発生するペロブスカイト層44を多孔質半導体41に積層させて形成される発電層4と、発電層4上に設けられペロブスカイト層44で発生したホールが通過するホール輸送層5とで構成される積層体11を備えている。また、ブロッキング層3の表面に設けられ、透明導電膜22を介して電子を放出する光電極61と、ホール輸送層5の表面に設けられ、電子を受け取る対向電極62とで構成される電極6を備えている。なお、電極6の配置は、例えば透明導電膜22に導線接続して光電極61を形成するなど、電子の受け渡しが可能なものであれば特に限定されない。また、太陽電池10の耐久性を高めるため、対向電極62を透明基板21などで保護しても良い。
本実施形態に係る太陽電池10の作製手順を、図4に基づいて説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。また、Michael Saliba他著、“Correction to “How to Make over 20% Efficient Perovskite Solar Cells in Regular (n-i-p) and Inverted (p-i-n) Architectures””、Chem. Mater., 2018, 30, 4193-4218等の公知技術を参照して作製することができる。
本実施形態に係るホール輸送材料は、下記化学式モデル(1)に示すように、D-A-D型構造を有し、更に、D部自体がD-A’-D型の構造を有する。
本実施形態に係るホール輸送材料の好適例は、下記一般式(I)、(II)、(III)又は、(IV)に示す化合物である。以下、一般式(I)のホール輸送材料はYCN1と、一般式(II)のホール輸送材料はPTZ3と、一般式(III)のホール輸送材料はLD-Cと、一般式(IV)のホール輸送材料はLD-Dと呼称する場合がある。
本実施形態に係るホール輸送材料の合成方法は、下記の実施例1~2に記載の合成方法を参照して容易に合成することができる。なお、実施例1は、ホール輸送材料の好適例である「YCN1」の合成方法の一例を、実施例2は「PTZ3」の合成方法の一例を示すものであるが、これらに限定するものではなく、適宜他の方法を用いて合成することができる。
本実施形態に係るホール輸送材料は、安定的かつ効率的にホールを捕捉し移動させることができる優れたホール輸送特性を有している。
本実施形態に係る太陽電池10は、上記した通り優れた特性を有する本実施形態のホール輸送材料を用いて形成されたホール輸送層5を備える。詳細には、本実施形態に係るホール輸送材料は優れた安定的かつ効率的にホールを捕捉し移動させることができる優れたホール輸送特性を有している。特に、本実施形態に係るホール輸送材料は、HOMO-LUMOの電荷分離が明確であり、また、深いHOMOエネルギー準位を有することからペロブスカイトの価電子帯準位との配置を適切に調節でき、ホール輸送特性を向上させることができる。また、上記した通り、本実施形態に係るホール輸送材料は優れた光吸収特性を有する。したがって、本実施形態に係る太陽電池10は、優れた特性を有するホール輸送材料をホール輸送層5として用いることで、光電変換効率の向上、ひいては電池性能が向上する。
上記の実施形態では、本実施形態に係るホール輸送材料を用いた太陽電池10としてペロブスカイト太陽電池を例に示したが、このホール輸送材料をOPV(有機薄膜太陽電池)、有機EL、有機半導体を用いたデバイスなどに用いても良い。
本実施例で合成を行ったホール輸送材料は、上記一般式(I)に示す「YCN1」と呼称するものであり、A部にベンゾチアジアゾール基を導入した化合物である。合成スキームを要約する図6に基づいて説明する。なお、YCN1は、上記〔背景技術〕の項で説明した非特許文献2(ACS Appl. Mater. Interfaces 2018, 10, 23)等の公知技術に基づいて合成することができる。
カルバゾール1を出発化合物として、図6に示す合成スキームの工程1~工程4に基づいてN3,N3,N6,N6-テトラキス(4-メトキシフェニル)-9H-カルバゾール3,6-ジアミン4を合成することができる。また、N3,N3,N6,N6-テトラキス(4-メトキシフェニル)-9H-カルバゾール3,6-ジアミン4は市販品を用いてもよい。
工程4で得られたN3,N3,N6,N6-テトラキス(4-メトキシフェニル)-9H-カルバゾール3,6-ジアミン4、及び、4,7-ジブロモベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール(4,7-dibromobenzo[c][1,2,5]thiadiazol)5、及び、ナトリウム-tert-ブトキシドをトルエンに溶解した。反応混合物をアルゴン雰囲気下で30分間脱気した。脱気後、Pd2(dba)3及びX-Phosを反応混合物に加えた。反応混合物はアルゴン雰囲気下で、130℃にて12時間還流した。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却しジクロロメタンで抽出した後、水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を分離、濃縮した。得られた粗生成物はカラムクロマトグラフィーで精製して紫色の固体化合物を得た。得られた化合物を1H NMRにて同定してYCN1の合成を確認した。
本実施例で合成を行ったホール輸送材料は、上記一般式(II)に示す「PTZ3」と呼称するものであり、A部にフェノチアジン環を導入した化合物である。合成スキームを要約する図7に基づいて説明する。なお、PTZ3は、上記〔背景技術〕の項で説明した非特許文献3(ACS Energy Lett. 2017, 2, 5, 1029-1034)等の公知技術に基づいて合成することができる。
フェノチアジン6を出発化合物として、図7に示す合成スキームの工程6~工程7に基づいて3,7-ジブロモ-10-(4-メトキシフェニル)-10H-フェノチアジン9を合成することができる。また、上記したACS Energy Lett. 2017, 2, 5, 1029-1034のScheme 1. Synthetic Sequence for Obtaining PTZ1 and PTZ2を参照することができる。
丸底フラスコに、上記工程7で得られた3,7-ジブロモ-10-(4-メトキシフェニル)-10H-フェノチアジン9、実施例1の工程4で得られたN3,N3,N6,N6-テトラキス(4-メトキシフェニル)-9H-カルバゾール3,6-ジアミン4、カリウム tert-ブトキシド(Potassium tert-butoxide)及び乾燥トルエンを量り入れ、15分間アルゴンにてガス置換を行った。ここに、X-Phos及び Pd2(dba)3を量り入れた。反応混合物はアルゴン気流下で24時間還流を行った。反応終了後放冷し、水に空けた。その後、トルエンで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、有機層を濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルを充てんしたカラムクロマトグラフィーにて精製して、淡黄色の固体化合物を得た。得られた化合物を1H NMRにて同定してPTZ3の合成を確認した。
以下、実施例3として、太陽電池10の作製例を示す。なお、上記したChem. Mater., 2018, 30, 4193-4218等の公知技術を参照して作製することができる。
本実施例では、太陽電池10の性能評価を行った。ここでは、A部としてベンゾチアジアゾール基を有するホール輸送材料について検討した。
本実施例では、太陽電池10の性能評価を行った。ここでは、A部としてフェノチアジン環を有するホール輸送材料について検討した。
本実施例では、実施例4及び5の結果に基づいて、YCN1及びPTZ3と同様に優れたホール輸送機能を有するホール輸送材料の検討を行った。
3 ブロッキング層
4 発電層
5 ホール輸送層
6 電極
10 太陽電池
11 積層体
21 透明基板
22 透明導電膜
41 多孔質半導体
44 ペロブスカイト層
61 光電極
62 対向電極
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| LI, Mengyuan et al.,"Low-Cost Carbazole-Based Hole-Transporting Materials for Perovskite Solar Cells: Influence of S,N-Heterocycle",The Journal of Physical Chemistry C,2018年10月04日,Vol. 122, No. 42,pp. 24014-24024,DOI: 10.1021/acs.jpcc.8b09482 |
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