JP7440448B2 - 輸送用保冷庫 - Google Patents
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Description
つまり、一般的に簡単な輸送物の輸送には、輸送物に可撓性の断熱シートで形成された袋をかぶせて、パイプフレームで構成されたカゴ車と呼ばれる台車に、その輸送物を載置して搬送することが行われていることが多く、この場合には、保冷性能が低いために、特に気温が高い夏場などでの常温車での輸送は困難なために、上記輸送用保冷庫が考えられている。
コールドチェーン物流分野では、輸送用保冷庫に積載された生鮮食品の低温輸送においては冷蔵車が使用されているが、万一、冷蔵設備が故障した時の担保として輸送用保冷庫に保冷剤も収容されている。
一般的に夏場において常温車で輸送する場合に、常温車荷室温度が50℃まで上昇する。
そして、前記輸送用保冷庫に保冷剤と供に低温輸送物を内部に収容して常温車で輸送する際に、ヒートブリッジによって低温輸送物に対する収容空間の温度も上昇する可能性がある。
この時、所定温度を維持できなかった場合には、輸送商品は廃棄処分しなければならなくなる。
このような状況下での従来の輸送用保冷庫では、特に0℃から5℃での保冷状態で輸送しなければならない魚介類や畜産物などは、一般貨物品との常温車混載輸送は困難であった。
つまり、従来の輸送用保冷庫では、ヒートブリッジの原因として、輸送箱本体の内壁部材と外壁部材とが夫々金属板や金属シートで形成されていると共に、内壁部材と外壁部材との間に断熱材を充填された状態で、それらの内壁部材と外壁部材とが互いに開口部で一体連設されているために、外気温が収容空間の内部にまで伝熱するヒートブリッジが発生しているということを、本発明者らは新たに知見したものである(例えば、特許文献1参照)。
したがって、常温車による多種温度帯の一般貨物品との混載輸送が可能となって、省エネルギー効果が生まれ、運搬委託料やドライバーの人件費の削減などといった経済性も向上させることができるようになった。
図1~図4に示すように、保冷剤と例えば畜産物や魚介類などの低温輸送物に対する収容空間Sを内部に形成する輸送箱本体1を設け、輸送箱本体1の少なくとも1側面に、収容空間Sに対して保冷剤及び低温輸送物を出し入れ可能な開口部2を設けると共に、その開口部2を開閉自在な扉3を設け、輸送箱本体1の底部に、難燃性ゴム輪や合成樹脂輪などの複数のキャスター4を取り付けて移動自在な輸送用保冷庫5を構成してある。
つまり、一端面に開口部2を形成する箱型の大寸の外壁部材7に、同じく一端面に開口部2を形成する箱型の小寸の内壁部材6を、同方向に開口部2を向けた状態で嵌め込んで、外壁部材7と内壁部材6との隙間に未発泡の樹脂を注入して発泡硬化させて一体化させることで、開口部2全周に、発泡樹脂8が露出する第1非連設部9が形成される。
前記扉3においても、収容空間Sに対するその内面部材10と外面部材11とを、夫々ガルバニウム鋼板やステンレススチールなどの金属板で形成すると共に、前記輸送箱本体1と同様に、内面部材10と外面部材11との間に硬質のポリウレタンフォームや発泡スチロールなどの発泡樹脂8を充填して一体化してあり、内面部材10と外面部材11との全周にわたって、発泡樹脂8が露出する互いに非連設状態の第2非連設部12を設けてある。
尚、複数の棚は、上下の棚同士の間隔を変更可能に、内壁部材6に着脱自在に設けてある。
扉3及び輸送箱本体1夫々に対するヒンジ14の取り付け金具15のボルト先端部分を発泡樹脂成形体19で覆い、かつ発泡樹脂成形体19に、断熱性シート16を接着した状態で、充填された発泡樹脂8内に埋設してある。
前記断熱性シート16は、エアロゲル入りの不織布シートで形成され、例えば、具体的には8mm厚の不織布シートを2層、気密性の袋内に収容し、より断熱性能が向上するように減圧状態で封入させた真空パックの状態に形成してある。
図5~図6に、製造工程を示す。
(1) 第1工程
背板用第1金型30内に背板外壁部材7Aを入れるとともに、背板用第2金型31の内面に背板外壁部材7Aよりも小寸の背板内壁部材6Aを保持し、背板用第1金型30と背板用第2金型31とを合わせてできる空間内に、未発泡の発泡樹脂8を充填して発泡硬化させた後(図5(a)→(b))に、脱型して背板32を取り出す。
(2) 第2工程
背板32の周囲を、背板内壁部材6Aの周辺から背板外壁部材7Aの周辺にかけて斜めにカットする(図5(c))。
(3) 第3工程
本体用金型33の内側に、背板側縁部を折り曲げた周側板外壁部材7Bを内嵌した後に、第2工程で形成された背板32を周側板外壁部材7Bの底部に配置し、箱状の周側板内壁部材6Bを背板32の縁部に載置する(図5(d))。
(4) 第4工程
第3工程で形成された周側板外壁部材7Bと周側板内壁部材6Bとの間に、未発泡の発泡樹脂8を充填して発泡硬化させた後に、脱型して輸送箱本体1を取り出す(図5(e))。
(5) 第5工程
前記第1扉3Aと第2扉3B夫々を形成するのに、夫々別々に扉用第1金型34の内側に第1外面部材11Aを配置すると共に(図6(a))、扉用第2金型35に第1内面部材10Aを保持して、扉用第1金型34と扉用第2金型35との間で未発泡の発泡樹脂8を発泡硬化させて第1扉3Aを形成し(図6(b)→(c))、また、扉用第1金型34の内側に第2外面部材11Bを配置すると共に(図6(e))、扉用第2金型35に第2内面部材10Bを保持して、扉用第1金型34と扉用第2金型35との間で未発泡の発泡樹脂8を発泡硬化させて第2扉3Bを形成する(図6(f)→(g))。
(6) 第6工程
第1扉3Aと第2扉3Bとをヒンジ14で折れ曲がり自在に連結すると共に、それらで形成される扉3と輸送箱本体1とを、ヒンジ14で開閉自在に連結し、輸送箱本体1と扉3との接当部間に、断熱性のパッキン材13を介在して収容空間Sを密閉自在に構成する(図5(f)、図6(d)、(h))。
[実験例1]
本輸送用保冷庫5において、図7に示す輸送用保冷庫5の内部の最上部に、保冷剤36を配置し下部の下から1段目から9段目(図7C~B~A)までの低温輸送物の載置部における経過時間に伴う温度変化を測定した。
図9のグラフに示すように、第1段目から第9段目までは、ほとんど温度のばらつきなく、18時間の経過後も5℃以下の保冷状態で維持できていることが明確である。
前述の従来例に示した輸送用保冷庫において、図7に示す輸送用保冷庫5の内部の最上部に、保冷剤36を配置し下部の下から1段目から9段目(図7C~B~A)までの低温輸送物の載置部における経過時間に伴う温度変化を測定した。
図8のグラフに示すように、第1段目から第9段目まで、温度のばらつきが大きく、1段目(図8A)では、約10時間後には5℃を超え、9段目においては(図8C)、17時間後に5℃を超えて上昇した。
以下に他の実施の形態を説明する。
なお、以下の他の実施形態において、上記実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
〈1〉 前記輸送箱本体1の内壁部材6と外壁部材7は、プラスチック材料でもよいが、畜産物や魚介類などの低温輸送物の場合は、一般的には約40kg以上で重い場合が多く、そのためにガルバニウム鋼板やそれ以外に、ステンレススチールやアルミニウム、アルミニウム合金などの金属板で形成するのが強度が大きくて良い。その中でも、低温輸送物の輸送中の振動に伴う衝撃や荷重に対して強度のあるものとしては、ガルバニウム鋼板やステンレススチールが適切であり、水洗いのために防食作用も良好である。また、扉3においても、輸送時の対衝撃強度のためにも輸送箱本体1と同様に、ガルバニウム鋼板、ステンレススチール、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属板が適切である。
〈2〉 前記内壁部材6と外壁部材7との間や、内面部材10と外面部材11との間に充填される発泡樹脂8は、上記以外の材質でもよく、またその充填厚みは、要望される断熱性の度合いに応じて設計変更してもよいし、また、発泡樹脂8の厚み内に、周知の真空断熱材を埋設してあってもよい。
〈3〉 前記扉3は、図1、図3、図5(f)、図6では、左右2分割した中折れ片側折り畳み式に形成して、2分割の第1扉3Aと第2扉3Bとの折り畳み連結部にヒンジ14を介在してあるが、2分割していない1枚の扉のみで形成されていてもよい。また、2分割した扉3で、第1扉3Aと第2扉3Bを折り畳み自在にヒンジ14で連結する以外に、開口部2に対して左右両開き可能ないわゆる観音式に輸送箱本体1に取り付けてあってもよい。
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
2 開口部
3 扉
6 内壁部材
7 外壁部材
8 発泡樹脂
9 第1非連設部
10 内面部材
11 外面部材
12 第2非連設部
13 パッキン材
S 収容空間
Claims (2)
- 保冷剤と低温輸送物に対する収容空間を内部に形成する輸送箱本体を設け、
前記輸送箱本体の少なくとも1側面に、前記収容空間に対して前記保冷剤及び前記低温輸送物を出し入れ可能な開口部を設けると共に、
その開口部を開閉自在な扉を設け、
前記輸送箱本体の底部に、複数のキャスターを取り付け、
前記輸送箱本体において、内壁部材と外壁部材を、夫々金属板で形成すると共に、
前記内壁部材と前記外壁部材とを、それらの間に発泡樹脂を充填して一体化してあり、
前記輸送箱本体の開口部の全周にわたって、前記内壁部材と前記外壁部材とが互いに非連設状態の第1非連設部を設け、
前記扉において、前記収容空間に対する内面部材と外面部材とを、夫々金属板で形成すると共に、
前記内面部材と前記外面部材との間に発泡樹脂を充填して一体化してあり、
前記内面部材と前記外面部材との全周にわたって互いに非連設状態の第2非連設部を設け、
前記開口部の全周にわたって、前記輸送箱本体と前記扉との接当部間に、断熱性のパッキン材を介在して前記収容空間を密閉自在に構成し、
前記第1非連設部と前記第2非連設部とを、前記輸送箱本体と前記扉との接当部に形成し、
前記扉を前記輸送箱本体にヒンジを介して開閉自在に取り付けてあり、
前記扉及び前記輸送箱本体夫々に対する前記ヒンジの取り付け金具のボルト先端部分を発泡樹脂成形体で覆い、かつ発泡樹脂成形体に断熱性シートを接着した状態で、充填された発泡樹脂内に埋設し、
前記断熱性シートは、エアロゲル入りの不織布シートで形成され、その不織布シートを気密性の袋内に収容して、減圧状態で封入させた真空パックの状態に形成してある輸送用保冷庫。 - 前記発泡樹脂がポリウレタンフォームであり、前記パッキン材が発泡ゴムパッキンである請求項1に記載の輸送用保冷庫。
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