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JP7440491B2 - カテーテル組立体 - Google Patents
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JP7440491B2 - カテーテル組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、血液の流出を防止する弁体をカテーテルハブ内に有するカテーテル組立体に関する。
輸液や輸血を行う際には、留置針として機能するカテーテル組立体を使用する。例えば、特表2014-528808号公報に開示のカテーテル組立体(カテーテルアセンブリ)は、カテーテルと、カテーテルに固定されるカテーテルハブ(カテーテルアダプタ)とを有する。カテーテル組立体は、使用時に、カテーテル内に収容される導入針と共に患者に穿刺され、穿刺後にカテーテル及びカテーテルハブから導入針が離脱される。そしてカテーテル組立体は、離脱後のカテーテルハブ内に医療機器(輸液又は輸血チューブ)のコネクタが挿入されることで、薬液や血液の入出部となる。
また、特表2014-528808号公報に開示のカテーテル組立体は、留置時の血液の漏出を防ぐ弁体(セプタム)と、弁体を開通するための開通部材(セプタムアクチュエータ)とをカテーテルハブ内に備える。コネクタ接続時には、カテーテルハブ内にコネクタを挿入して開通部材を押し出すことで、弁体のスリットを開放させて液体を流通可能とする。
しかしながら、特表2014-528808号公報に開示のカテーテル組立体は、製造時に、カテーテルハブ内に複数の部品(弁体、開通部材)を組み込むことになる。このため、カテーテル組立体は、各部品を組み込む作業に工数がかかり、また部品点数及び作業工数の増加に伴い製造コストが増加する不都合が生じる。
本発明は、上記の課題を解決するためのものであって、簡単な構成によって部品点数を少なくして、作業工数や製造コストを低減することができるカテーテル組立体を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一態様は、内腔を有するカテーテルと、前記カテーテルの基端に設けられ、前記内腔と連通した中空部を有するカテーテルハブと、前記カテーテルハブ内に設置される弁体とを備えるカテーテル組立体であって、前記弁体は、前記カテーテルハブに固定される固定部と、前記固定部に連なり、開閉可能なスリットを有する変形部と、前記変形部から基端方向に延在する押し子部とを備える一体構造物であり、前記押し子部は、前記カテーテルハブの基端から前記中空部に挿入されたコネクタにより先端方向に押し込まれることで、前記変形部を変形させて前記スリットを開口させる。
上記のカテーテル組立体は、固定部、変形部及び押し子部が一体構造物である弁体により、コネクタの挿入に伴い押し子部が変位すると、変形部が変形してスリットを良好に開口させることができる。これにより、コネクタから流動する液体がスリットを介して弁体の先端側に円滑に導かれる。従って、カテーテル組立体は、簡単な構成によって従来の開通部材を必要とせずに部品点数を少なくすることができ、これにより作業工数や製造コストを低減することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るカテーテル組立体の全体構成を示す斜視図である。 図1のカテーテルハブ内を示す側面断面図である。 カテーテルハブに収容されている弁体を示す斜視図である。 図2のカテーテルハブ内におけるコネクタ挿入時の動作を示す側面断面図である。 本発明の第2実施形態に係るカテーテル組立体に収容される弁体を示す斜視図である。 図6Aは、図5の弁体を収容したカテーテルハブ内を示す側面断面図である。図6Bは、図6Aのカテーテルハブ内におけるコネクタ挿入時の動作を示す側面断面図である。 本発明の第3実施形態に係るカテーテル組立体に収容される弁体を示す斜視図である。 図8Aは、図7の弁体を収容したカテーテルハブ内を示す側面断面図である。図8Bは、図8Aのカテーテルハブ内におけるコネクタ挿入時の動作を示す側面断面図である。 本発明の第4実施形態に係るカテーテル組立体に収容される弁体を示す斜視図である。 図10Aは、図9の弁体を収容したカテーテルハブ内を示す側面断面図である。図10Bは、図10Aのカテーテルハブ内におけるコネクタ挿入時の動作を示す側面断面図である。
以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、図1に示すように、患者(生体)の体内に挿入及び留置されるカテーテル12を有し、輸液や輸血等において液体(薬液や血液)の入出部を構築するために用いられる。カテーテル12は、末梢静脈カテーテルに構成されている。なお、カテーテル12は、末梢静脈カテーテルよりも長いカテーテル(例えば、中心静脈カテーテル等)でもよい。また、カテーテル12は、静脈用カテーテルに限らず、末梢動脈カテーテル等の動脈用カテーテルでもよい。
図1に示すように、カテーテル組立体10Aは、内針14と、内針14の基端に固定される針ハブ16とで構成される操作体18を有する。またカテーテル組立体10Aは、上記のカテーテル12と、カテーテル12の基端に固定されるカテーテルハブ20とで構成されるカテーテル留置体22を有する。
カテーテル組立体10Aは、使用前の初期状態(製品提供状態)で、カテーテル留置体22の基端に操作体18が組み付けられることで、カテーテル12に内針14が挿通した多重構造針11を形成している。多重構造針11は、カテーテル12の先端から内針14の針先14aを突出させており、内針14及びカテーテル12を患者に一体的に穿刺することが可能である。
医師や看護師等のユーザは、カテーテル組立体10Aの使用時に針ハブ16を把持操作して、患者の体内に多重構造針11を穿刺し、針先14aを血管に到達させた穿刺状態とする。さらにユーザは、穿刺状態を維持しつつ、カテーテル12を内針14と相対的に進出することで血管内に挿入していく。その後、カテーテル12と相対的に内針14を後退し、さらにカテーテルハブ20から内針14を抜去することで、カテーテル留置体22が患者に留置される。そして、カテーテル留置体22は、医療機器のコネクタ100(図4参照)がカテーテルハブ20に接続されることで、薬液や血液の患者への投与、患者からの採血等の処置が実施可能となる。以下、このカテーテル組立体10Aの各構成について詳述していく。
カテーテル組立体10A(操作体18)の内針14は、生体の皮膚を穿刺可能な剛性を有する中空管(又は中実の棒状)に構成され、その先端に鋭利な針先14aを備える。内針14の外周面には、血管の穿刺時に、血液を基端側に導くフラッシュバック用の溝24が設けられている。なお、フラッシュバックを行うための構造は、特に限定されず、例えば、カテーテル12の先端よりも基端側に内針14の内側空間に連通する孔(不図示)を備えた構成でもよい。
内針14の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金のような金属材料、或いは硬質樹脂、セラミックス等があげられる。内針14は、融着、接着、インサート成形等の適宜の固着手段により、針ハブ16に強固に固定される。
針ハブ16は、カテーテル留置体22と操作体18が組み付けられた初期状態で、ユーザが把持するグリップ部分を構成している。針ハブ16は、ユーザが把持するハブ本体26と、ハブ本体26の先端に一体成形された内針支持部28とを備える。ハブ本体26は、基端側が円筒状に形成される一方で、先端側に向かって徐々に角筒状に変形している。内針支持部28は、ハブ本体26から先端方向に突出する円柱状に形成され、その中心部において内針14の基端部を保持している。
針ハブ16の構成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート-ブチレン-スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂を適用することができる。
一方、カテーテル組立体10Aのカテーテル12は、内腔12aが内側に形成された可撓性を有する中空管に構成されている。カテーテル12の外形及び内腔12aは、軸方向に直交する断面視で、正円形状に形成され、カテーテル12の軸線方向に沿って延在している。内腔12aは、カテーテル12の先端に形成された先端開口12a1と、カテーテル12の基端に形成された基端開口12a2(図2参照)とに連通している。
カテーテル12を構成する材料は、特に限定されるものではないが、透明性を有する軟質樹脂材料を適用するとよい。例えば、カテーテル12の構成材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂又はこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、オレフィン系樹脂とエチレン・酢酸ビニル共重合体との混合物等があげられる。
カテーテル12の長さは、特に限定されず用途や諸条件等に応じて適宜設計可能であり、例えば、14~500mm程度に設定される。カテーテル12の基端は、カテーテルハブ20の内部に挿入され固着されている。
カテーテルハブ20は、カテーテル12が患者の血管内に挿入された状態で患者の皮膚上に露出され、テープ等により貼り付けられてカテーテル12と共に留置される。カテーテルハブ20を構成する材料は、特に限定されず、例えば、針ハブ16であげた材料を適宜採用するとよい。
図1及び図2に示すように、カテーテルハブ20は、先端方向に先細りの筒状に形成されている。カテーテルハブ20の内側には中空部30が設けられている。中空部30は、先端側においてカテーテル12を保持して内腔12a(基端開口12a2)に連通している。また中空部30は、基端側においてカテーテルハブ20の基端開放部30aに連通している。カテーテルハブ20の基端側の外周面には、径方向外側に突出し周方向に沿って延在するフランジ32が設けられている。
カテーテル12とカテーテルハブ20は、かしめ、融着、接着等の適宜の固着手段によって固着される。図2中では、カテーテルハブ20の中空部30にかしめピン34を挿入して、カテーテルハブ20の内壁20aとかしめピン34との間にカテーテル12を挟み込んで、かしめピン34をかしめることで、カテーテル12を固定している。
カテーテルハブ20の中空部30には弁体40Aが設置される。従って、カテーテルハブ20の中空部30は、弁体40Aを基点に先端側空間36と基端側空間38に分割される。先端側空間36は、かしめピン34の漏斗部分を配置するために先端方向に向かって先細りの空間に形成されている。先端側空間36を構成するカテーテルハブ20の内壁20aには、かしめピン34を係止する係止凸部37が設けられている。
一方、カテーテルハブ20の基端側空間38の内径は、基端方向に向かって漸増しており、この基端側空間38を構成するカテーテルハブ20の内壁20aは、医療機器のコネクタ100を嵌合可能なルアーテーパ状に構成されている。なお、カテーテルハブ20とコネクタ100との接続構造は、特に限定されず、カテーテルハブ20の接続部分は医療機器の所定の規格に対応した種々の形状に形成されてよい。
また、カテーテルハブ20の内壁20aには、弁体40Aの配置状態で、弁体40A全体の軸方向の移動を防止する固定構造39が設けられている。固定構造39は、中空部30の直径を若干小さくした段差部39aと、段差部39aから基端側に離れた位置で内側に突出する係止凸部39bとで構成されている。
弁体40Aは、開閉可能なスリット42を有し、カテーテル組立体10Aの初期状態で、スリット42を通して内針14を延在させることで、多重構造針11を形成させる。また、本実施形態に係る弁体40Aは、従来のカテーテルハブに適用していた弁体を開通するための開通部材を備えずに、内針14の抜去後にスリット42を開閉可能な構成となっている。以下、この弁体40Aについて具体的に説明していく。
弁体40Aは、カテーテルハブ20の内壁20aに固定される固定部44と、固定部44から先端方向に向かって突出する変形部46とを有する。固定部44は、変形部46に対し径方向外側に突出し、カテーテルハブ20の軸方向に充分な厚みを有する円環状のブロックに構成されている。このように固定部44は円環状部とも呼ぶことができる。弁体40Aは、上記の固定構造39の段差部39aと係止凸部39bとの間に、固定部44が挟まれることで移動不能に固定される。
変形部46は、いわゆるダックビル弁に構成されている。具体的には、変形部46は、固定部44側が円筒形状に形成されると共に、先端方向に向かって近接し合う一対の傾斜板部48を有する筒状に形成される。これにより固定部44を含む弁体40Aの内側には、先端方向に向かって窄まる弁空間50が形成されている。
一対の傾斜板部48の先端は、幅方向に延在する延在端52を形成している。弁体40Aのスリット42は、正面から見て、延在端52の長手方向に沿うように形成された前面スリット42aと、延在端52の両端から一対の傾斜板部48の間を構成する円筒状の側部54に形成された側面スリット42bとで構成されている。前面スリット42aと側面スリット42bは連続しており、また側面スリット42bは、延在端52から基端方向に平行に延びて固定部44の先端まで延在している。
以上の固定部44、一対の傾斜板部48及び側部54は、カテーテル組立体10Aの初期状態でスリット42を通して内針14を挿通させ、弁体40Aからの内針14の抜去に伴いスリット42を自己閉塞するように形状付けられている。
そして、本実施形態に係る弁体40Aは、一対の傾斜板部48(及び延在端52)の内面から基端方向に突出する押し子部56を備える。押し子部56は、変形部46の弁空間50を構成する内面に連なっている。すなわち、弁体40Aは、固定部44、変形部46及び押し子部56を一体成形した一体構造物に構成されている。押し子部56は、円筒部と呼ぶこともできる。
押し子部56は、変形部46(一対の傾斜板部48)の軸方向中間位置よりも若干固定部44側の連結部46aに連結している。この押し子部56は、当該押し子部56の基本骨格を構成する基部58と、基部58の外周面に設けられた複数のリブ60とを有する。
基部58は、円筒状に形成され、その筒壁58aは押し子部56の変位方向(カテーテルハブ20の軸方向)に沿って直線状に延在している。基部58は、径方向外側に位置する固定部44に対し間隙62を介して(非接触に)延在している。基部58の内部には、液体が流動可能な弁体40Aの弁流路64の一部が形成されている。基部58の先端側には、側面スリット42bに重なるように基部スリット59が形成されている。基部スリット59は、前面スリット42aに連なっている。
弁体40Aの弁流路64は、押し子部56と、押し子部56よりも先端側の変形部46(一対の傾斜板部48)により構成されている。そのため、弁流路64は、押し子部56内において一定の流路断面積に形成される一方で、変形部46において先端方向に向かって流路断面積が漸減している。
基部58(押し子部56)は、変形部46の連結部46aから固定部44の基端よりも充分に長く突き出ている。基部58の全長は、特に限定されるものではないが、例えば、固定部44と変形部46とからなる弁本体部47の軸方向長さよりも1.5倍以上長く設定されるとよい。本実施形態における基部58の基端は、初期状態で、基端側空間38の軸方向の略中間位置に配置されている。
基部58の外径及び内径は、延在方向に沿って一定に設定されている。すなわち、筒壁58aの厚みは、延在方向に沿って一定であり、また変形部46の厚みよりも厚く形成されている。これにより、基部58の剛性が変形部46の剛性よりも高くなっている。
また、複数のリブ60は、基部58の外周面から径方向外側に短く突出し、且つ基部58の延在方向に沿って直線状に延在する突条に構成されている。リブ60の径方向外側の突出量は間隙62の間隔よりも短い。このため各リブ60は固定部44に対して非接触となっている。各リブ60は、基部58の周方向に沿って等間隔に配置されている。各リブ60は、基部58の全長と略同じ長さに形成されており、基部58の軸方向の延在姿勢を補強する。なお、リブ60の形成数や形状は特に限定されるものではなく、また押し子部56にはリブ60がなくてもよい。リブ60の先端は、変形部46に連結されている。
弁体40Aを構成する材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリブタジエン系、ニトリル系、クロロプレン系等の合成ゴムやポリイソプレン等の天然ゴム、又はウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等の熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー、或いは他のエラストマー等の弾性材料が挙げられる。
本実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、基本的には以上のように構成され、以下その動作について説明する。
カテーテル組立体10Aは、上記したように、患者への輸液や輸血、採血等の入出部を構築する際に使用される。ユーザは、図1に示す初期状態のカテーテル組立体10Aの針ハブ16を把持操作して、多重構造針11を患者に穿刺する。
内針14の針先14aが血管に到達すると、血液が内針14の溝24を通ってカテーテル12の内腔12aに流動する。ユーザは、この血液のフラッシュバックを視認して、カテーテル12が血管を確保したことを確認する。フラッシュバックの血液は、カテーテル12の基端開口12a2からカテーテルハブ20の先端側空間36に流入する。この際、弁体40Aのスリット42は、内針14を挿通していることで薄く開口し弁流路64に連通して、この隙間を介して弁体40Aよりも先端側の空気を抜くことができる。また薄く開口したスリット42は、基端側空間38に血液が漏れるスピードを遅くすることができる。
穿刺状態において、ユーザは、カテーテル12を内針14と相対的に進出させてカテーテル12を血管に挿入し、カテーテル12が血管にある程度挿入されると、カテーテル12に対して内針14を後退させる。内針14の後退時に内針14の針先14aが弁体40Aから抜けると、変形部46が弾性復元してスリット42を閉塞する。さらに内針14を後退させると、カテーテルハブ20の基端開放部30aから内針14が離脱する。これによりカテーテル留置体22から操作体18が分離することになり、カテーテル留置体22が患者に留置される。
カテーテル留置体22の留置状態において、ユーザは、図4に示すように、医療機器(輸液ラインや輸血ラインのチューブ、シリンジ等)のコネクタ100をカテーテルハブ20の基端開放部30aから中空部30に挿入する。コネクタ100は、カテーテルハブ20の基端側空間38内を先端方向に移動すると、その先端面が弁体40Aの押し子部56の基端に接触する。これによりコネクタ100は、カテーテルハブ20への挿入中に押し子部56を先端方向に押圧していく。
弁体40Aは、押し子部56の延在形状を維持したまま、押し子部56の先端方向の変位に応じて変形部46を積極的に弾性変形させる。この際、一対の傾斜板部48は、固定されている固定部44に対し先端方向に伸びると共に、スリット42の延在方向と直交し相互に離間する方向(図4中の上下方向)に弾性変形する。その結果、スリット42が上下方向に開くことになり、スリット42を介して弁体40Aの弁流路64と先端側空間36とが連通する。そして、コネクタ100の外壁がカテーテルハブ20の内壁20aに嵌合(ルアーロック)した状態では、スリット42が充分に開いた状態になる。上述したような一対の傾斜板部48の変形は、元の形状に戻ろうとする、いわゆる反発力が比較的小さい。従って、コネクタ100とカテーテルハブ20の嵌合力の設定に巾を持たせることができる。
このため、カテーテル留置体22は、コネクタ100の流路100aを通して流動する液体(輸液や血液)を、弁流路64、スリット42、先端側空間36の順に流動させ、先端側空間36からカテーテル12の内腔12aに流入させる。これによりカテーテル12内を流動した液体が患者に良好に投与される。
また、カテーテル留置体22は、輸液や輸血の停止後に、カテーテルハブ20からコネクタ100を離脱させる。カテーテルハブ20内では、コネクタ100が後退すると、押圧力が弱まることで変形部46が弾性復元し、押し子部56が基端方向に変位する。つまり、変形部46は、一対の傾斜板部48を近接させてスリット42を閉塞する。従って、弁体40Aは、先端側空間36と弁流路64との間を再び遮断して、先端側空間36の液体が基端側に漏れることを防止する。
また、カテーテル留置体22は、輸液や輸血を再び行う場合も、上記と同様の動作によって、弁体40Aを開口させることができる。すなわち本実施形態のカテーテル組立体10Aは、弁体40Aの開閉により複数回の輸液や輸血を行うことができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。例えば、変形部46(弁本体部47)と押し子部56は、別材料により構成されて、インサート成形やアウトサート成形等により一体構造物に形成されてもよい。従って、弁体40Aは、変形部46に弾性材料を適用する一方で、押し子部56に硬質な樹脂材料や金属材料を適用することも可能である。変形部46と押し子部56は同一材料にて一体的に構成されて、その後に、固定部44を上述の成形にて一体構造物に形成してもよい。
また、弁体40Aの押し子部56は、上記構成に限らず、医療機器のコネクタ100の押圧に伴い、変形部46のスリット42を開放可能な種々の構成をとり得る。一例として、図2中の2点鎖線で示すように、押し子部56の先端側は、スリット42の同位置に一対の切り欠き66を備えることで、一対の傾斜板部48に連結する二股のアーム部68に分岐するように形成されてもよい。二股(一対)のアーム部68は、押し子部56が先端方向に移動した際に、相互に離間するように外側に湾曲することで、一対の傾斜板部48を変形させてスリット42をより大きく拡開させることができる。
また、押し子部56(基部58)は、円筒状に限らず、角筒状等に形成されてもよい。さらに、押し子部56(基部58)は、カテーテルハブ20の軸方向に対し平行に延在する複数の板や棒、メッシュ体等に構成されていてもよい。要するに、押し子部56は、コネクタ100の挿入時の押圧力を変形部46に伝達可能な基本骨格を形成していれば、種々の形状を採用し得る。すなわち、押し子部56は、押圧力伝達手段とも呼ぶことができる。
以下、図5~図10Bを参照して幾つかの実施形態について詳述する。なお、以降の説明において、上記の実施形態と同じ構成又は同じ機能を有する要素には、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
〔第2実施形態〕
図5、図6A及び図6Bに示すように、第2実施形態に係るカテーテル組立体10Bは、押し子部56に複数の開口部70が形成された弁体40Bを備える点で、上記のカテーテル組立体10Aと異なる。
具体的には、押し子部56は、円筒状の基部58において、リブ60が設けられていない箇所の筒壁58aに、厚み方向に貫通するように複数の開口部70を備える。各開口部70は、弁流路64の直径よりも小さな直径の円形状に形成されている。各開口部70は、押し子部56の内側の弁流路64と、押し子部56の外側の基端側空間38とを連通している。
複数の開口部70は、基部58の延在方向中間位置よりも基端側に設けられている。各開口部70は、基部58の延在方向に沿って複数(2つ)並ぶ開口列を構成し、またこの開口列は基部58の周方向回りに90°間隔毎に配置されている。なお、開口部70の形状や配置位置、配置数等は、適宜設計し得ることは勿論である。
基部58は、以上のように複数の開口部70を備えていても、円筒状の基本骨格及び複数のリブ60を有することで、コネクタ100の押圧時に変位方向に沿って弾性変形しない(撓まない)剛性を有する。なお、押し子部56(筒壁58a)の厚みは、第1実施形態に係る押し子部56の厚みよりも厚く設定されることで剛性が確保されてもよい。
以上の弁体40Bを有するカテーテル組立体10Bは、カテーテルハブ20の基端開放部30aからコネクタ100を挿入した際に、押し子部56を先端方向に押し出すことで変形部46を弾性変形させてスリット42を開放させる。従って、第2実施形態に係るカテーテル組立体10Bは、カテーテル組立体10Aと同様の効果を得ることができる。
特に、カテーテル組立体10Bは、開口部70を介して弁流路64を流動する液体を基端側空間38に流出させ、また基端側空間38から弁流路64に液体を流入させることができる。例えば、カテーテル組立体10Bは、図6B中に2点鎖線で示すように、コネクタ100に対して押し子部56が傾斜した姿勢となった場合に、コネクタ100の流路100aから流動した液体が基端側空間38に直接流出することがある。これに対し、弁体40Bは、押し子部56に開口部70を備えることで、基端側空間38に流出した液体を弁流路64に導くことが可能となる。
〔第3実施形態〕
図7、図8A及び図8Bに示すように、第3実施形態に係るカテーテル組立体10Cは、固定部44の内側に膜状の変形部80を有する弁体40Cを備える点で、上記のカテーテル組立体10A、10Bと異なる。
具体的には、変形部80は、円環状の固定部44の内周面に連結し、径方向内側に突出する円板状に形成され、その中心部に幅方向に延在するスリット42を有する。変形部80を構成する膜壁80aは、押し子部56からの押圧力を受けない状態で平坦状を呈し、この平坦状の状態でスリット42を閉塞している。また、変形部80の膜壁80aの厚みは、押し子部56の筒壁58aの厚みよりも薄く形成されている。
一方、押し子部56は、上記の変形部80の基端方向を臨む面に連結される。押し子部56は、円筒状の基部58により形成され、この基部58にリブ60が設けられていない構成となっている。また、基部58の先端側には、基部58の軸心を挟んで対向する一対の切り欠き82が形成されており、一対の切り欠き82は、変形部80の基端面から基端方向に所定長さ(押し子部56の軸方向長さの1/2程度の長さ)で延在している。一対の切り欠き82は、液体を流通させる第2実施形態の開口部70と同様の機能を有している。この一対の切り欠き82により、基部58の先端側は、基部58の軸心を挟んで延在する二股(一対)のアーム部84に構成される。
一対のアーム部84は、スリット42の延在方向と直交し、スリット42から若干離れた位置の膜壁80aに連結されている。各アーム部84は、基部58の軸方向に直交する断面視で円弧状に形成されており、基部58の先端側の剛性を高めている。
以上の弁体40Cを有するカテーテル組立体10Cは、カテーテルハブ20の基端開放部30aからコネクタ100を挿入した際に、押し子部56を先端方向に押し出すことで、変形部80を弾性変形させる。この際、押し子部56の一対のアーム部84は、先端方向且つ上下方向に膜壁80aを押し込み、スリット42を大きく拡開させる。また、基部58の切り欠き82は、仮に、カテーテルハブ20の基端側空間38とコネクタ100の流路100aが連通した場合に、基端側空間38に流動した液体を弁流路64に流入させることができる(つまり第2実施形態の開口部70と同じ機能を有する)。従って、第3実施形態に係るカテーテル組立体10Cは、カテーテル組立体10Bと同様の効果を得ることができる。
〔第4実施形態〕
図9、図10A及び図10Bに示すように、第4実施形態に係るカテーテル組立体10Dは、第3実施形態に係る変形部80に複数のスリット42が形成された弁体40Dを備える点で、上記のカテーテル組立体10A~10Cと異なる。
具体的には、複数のスリット42は、円板状の変形部80の中心部に設けられる中央スリット90と、中央スリット90の延在方向(幅方向)と直交する方向で所定距離離れた位置に設けられる一対のサイドスリット92とを含む。つまり、本実施形態の変形部80には、3つのスリット42が設けられている。一対のサイドスリット92は、変形部80の外周に対応した円弧状に形成されている。
押し子部56の一対のアーム部84は、中央スリット90と一方のサイドスリット92の間の膜壁80aに連結されている。従って、各サイドスリット92は、一対のアーム部84と固定部44の間に位置し、開放状態において、カテーテルハブ20の先端側空間36と基端側空間38(固定部44の押し子部56の間隙62)とを連通させる。
以上の弁体40Dを有するカテーテル組立体10Dは、カテーテルハブ20の基端開放部30aからコネクタ100を挿入した際に、押し子部56を先端方向に押し出すことで、変形部80を弾性変形させる。この際、押し子部56の一対のアーム部84は、先端方向且つ上下方向に膜壁80aを押し込み、3つのスリット42の各々を開放させる。
従って、コネクタ100の流路100aから弁流路64に流動した液体は、中央スリット90を介して先端側空間36に液体を流動させる。さらに、基部58の切り欠き82は、弁流路64から基端側空間38に液体を流出させ、この液体は、弁体40Dとコネクタ100に挟まれた基端側空間38を流動した後、各サイドスリット92を通って先端側空間36に流動する。なお、カテーテルハブ20の基端側空間38とコネクタ100の流路100aが連通した場合に、基端側空間38に流動した液体を、各サイドスリット92を通して流動させることもできる。
従って、第4実施形態に係るカテーテル組立体10Dも、上記のカテーテル組立体10A~10Cと同様の効果を得ることができる。特に、基端側空間38に液体が流動しても一対のサイドスリット92を介して先端側空間36に導くことができるので、液体を一層円滑に流動させることが可能となる。
なお、サイドスリット92は、その形状や形成数、形成位置等について特に限定されないことは勿論である。例えば、サイドスリット92は、変形部80に1以上設けられればよい。また例えば、サイドスリット92は、中央スリット90の幅方向に沿った外側に設けられることも可能であり、変形部80が先端方向に弾性変形した際に開放する構成であればよい。さらに、サイドスリット92は、第2実施形態の弁体40Bにも形成され得る。
上記の実施形態から把握し得る技術的思想及び効果について、以下に記載する。
カテーテル組立体10A~10Dは、固定部44、変形部46、80及び押し子部56が一体構造物である弁体40A~40Dにより、コネクタ100の挿入に伴い押し子部56が変位すると、変形部46、80が変形してスリット42を良好に開口させることができる。これにより、コネクタ100から流動する液体がスリット42を介して弁体40A~40Dの先端側に円滑に導かれる。従って、カテーテル組立体10A~10Dは、簡単な構成によって従来の開通部材を必要とせずに部品点数を少なくすることができ、これにより作業工数や製造コストを低減することが可能となる。
また、押し子部56は、当該押し子部56の変位方向に延在し且つ液体の流通路(弁流路64)を内側に有する基部58を備え、基部58の厚みが変形部46、80の厚みよりも厚い。カテーテル組立体10A~10Dは、基部58の厚みが変形部46、80の厚みよりも厚いことで、コネクタ100挿入時に基部58を先端方向に沿って安定的に変位させ、変形部46、80を弾性変形させることができる。
また、押し子部56は、筒状に形成され、当該押し子部56の筒壁58aには、押し子部56の内外を流通可能な開口部(開口部70、切り欠き82)が設けられている。カテーテル組立体10B~10Dは、開口部(開口部70、切り欠き82)により、コネクタ100の液体を押し子部56の内外に流動させることで、弁体40B~40Dの基端側空間38に液体が滞留することが抑制される。特に、コネクタ100の流路100aから基端側空間38に液体が流動した場合に、開口部(開口部70、切り欠き82)を介して押し子部56の内側に液体を戻すことが可能となる。
また、スリット42は、変形部80に押し子部56が連結した部位(連結部46a)よりも中心側に形成された中心側スリット(スリット42、中央スリット90)を含む。連結部46aよりも中心側のスリット42は、押し子部56の押し込みに伴い変形部80が変形すると、大きく開くことが可能であり、コネクタ100から流動する液体をより円滑に流動させることができる。
また、スリット42は、変形部80に押し子部56が連結した部位と固定部44との間に形成されたサイドスリット92を含む。固定部44と押し子部56の間に形成されたサイドスリット92は、弁体40Dの基端側空間38に連通する。よって、カテーテル組立体10Dは、コネクタ100の流路100aから基端側空間38に液体が流動した場合に、サイドスリット92を介して弁体40Dの先端側空間36に液体を流動させることができる。
また、押し子部56の先端側は、一対のアーム部84を有し、一対のアーム部84は、スリット42の延在方向と直交する位置の変形部80に連結されている。カテーテル組立体10C、10Dは、一対のアーム部84が変形部80に連結していることで、コネクタ100挿入時にスリット42の延在方向と直交する方向に変形部80を容易に変形させてスリット42を開くことができる。
また、押し子部56は、当該押し子部56の変位方向に延在するリブ60を有する。弁体40A、40Bは、押し子部56にリブ60を有することで、コネクタ100が押し子部56を押圧する際に押し子部56をつぶすことなく変形部46を良好に変形させることができる。
また、変形部46は、先端方向に突出すると共に先端方向に相互に近接する一対の傾斜板部48を有し、一対の傾斜板部48の先端にスリット42を有する。弁体40A、40Bは、一対の傾斜板部48を近接又は離間させることで、スリット42の開放と閉塞を容易に切り替えることができる。
また、スリット42は、先端の延在方向に沿って延在する前面スリット42aと、前面スリット42aに連なり一対の傾斜板部48の間を連結する側部54を延在する側面スリット42bとにより構成されている。これにより、弁体40A、40Bは、スリット42をより大きく拡開させることができ、液体をより円滑に流動させることが可能となる。
また、変形部80は、固定部44から径方向内側に平坦状に延在する膜壁80aによって構成されている。このように、カテーテル組立体10C、10Dは、膜壁80aに構成された変形部80でもスリット42を安定的に開放させて、液体を流動させることが可能となる。

Claims (10)

  1. 内腔を有するカテーテルと、
    前記カテーテルの基端に設けられ、前記内腔と連通した中空部を有するカテーテルハブと、
    前記カテーテルハブ内に設置される弁体と、を備えるカテーテル組立体であって、
    前記弁体は、前記カテーテルハブに固定される固定部と、
    前記固定部に連なり、開閉可能なスリットを有する変形部と、
    前記変形部から基端方向に延在する押し子部と、
    前記押し子部の径方向外方に形成され、前記中空部と繋がって前記押し子部と前記固定部とを径方向に離間させる間隙と、を備える一体構造物であり、
    前記固定部は、前記押し子部を囲み、
    前記固定部の内周部は、前記間隙を介して前記押し子部に向かい合い、
    前記押し子部は、前記カテーテルハブの基端から前記中空部に挿入されたコネクタにより先端方向に押し込まれることで、前記変形部を変形させて前記スリットを開口させる
    カテーテル組立体。
  2. 請求項1記載のカテーテル組立体において、
    前記押し子部は、当該押し子部の変位方向に延在し且つ液体の流通路を内側に有する基部を備え、
    前記基部の厚みが前記変形部の厚みよりも厚い
    カテーテル組立体。
  3. 請求項1又は2記載のカテーテル組立体において、
    前記押し子部は、筒状に形成され、当該押し子部の筒壁には、前記押し子部の内外を流通可能な開口部が設けられている
    カテーテル組立体。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のカテーテル組立体において、
    前記スリットは、前記変形部に前記押し子部が連結した部位よりも中心側に形成された中心側スリットを含む
    カテーテル組立体。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のカテーテル組立体において、
    前記スリットは、前記変形部に前記押し子部が連結した部位と前記固定部との間に形成されたサイドスリットを含む
    カテーテル組立体。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のカテーテル組立体において、
    前記押し子部の先端側は、一対のアーム部を有し、
    前記一対のアーム部は、前記スリットの延在方向と直交する位置の前記変形部に連結されている
    カテーテル組立体。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のカテーテル組立体において、
    前記押し子部は、当該押し子部の変位方向に延在するリブを有する
    カテーテル組立体。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のカテーテル組立体において、
    前記変形部は、前記先端方向に突出すると共に前記先端方向に相互に近接する一対の傾斜板部を有し、前記一対の傾斜板部の先端に前記スリットを有する
    カテーテル組立体。
  9. 請求項8記載のカテーテル組立体において、
    前記スリットは、前記先端の延在方向に沿って延在する前面スリットと、前記前面スリットに連なり前記一対の傾斜板部の間を連結する側部を延在する側面スリットとにより構成されている
    カテーテル組立体。
  10. 請求項1~7のいずれか1項に記載のカテーテル組立体において、
    前記変形部は、前記固定部から径方向内側に平坦状に延在する膜壁によって構成されている
    カテーテル組立体。
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