JP7440766B2 - 水系塗料組成物及び塗装方法 - Google Patents
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・壁材間の継目を覆うように貼着される粘着層と、粘着層の外側に設けられる、不織布によって補強されたアクリルゴムからなる補強層と、粘着層と補強層との間に形成された、シリコーン樹脂からなる緩衝材が部分的に設けられた緩衝部とを有する帯状の継目処理材(特許文献1)。
[1]水と、前記水に分散されたゲル状粒子とを含み、
前記ゲル状粒子は、エマルション塗料を含む液滴と、前記液滴の表面を覆うゲル化膜とを有し、
前記ゲル状粒子100質量%のうち20質量%以上が、23℃において液状のシリコーンを含む、水系塗料組成物。
[2]併設された複数の壁材の表面に、前記[1]の水系塗料組成物を、少なくとも壁材間の継目を覆うように塗装する、塗装方法。
本発明の水系塗料組成物は、水と、水に分散されたゲル状粒子とを含む。
ゲル状粒子は、エマルション塗料を含む液滴と、液滴の表面を覆うゲル化膜とを有する。
水系塗料組成物中のゲル状粒子100質量%のうち20質量%以上は、23℃において液状のシリコーン(以下、「液状シリコーン」とも記す。)を含む。以下、液状シリコーンを含むゲル状粒子を「ゲル状粒子(1)」とも記す。
水系塗料組成物は、ゲル状粒子として、ゲル状粒子(1)のみを含んでいてもよく、液状シリコーンを含まないゲル状粒子(以下、「ゲル状粒子(2)」とも記す。)をさらに含んでいてもよい。
水系塗料組成物は、必要に応じて、バインダ樹脂をさらに含んでいてもよい。なお、ゲル状粒子がバインダとして機能するので、水系塗料組成物はバインダ樹脂を含まなくてもよい。
水系塗料組成物は、必要に応じて、上記以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。
水の含有量は、水系塗料組成物100質量%中、30~85質量%が好ましく、40~80質量%がより好ましい。
ゲル状粒子(1)は、液滴と、液滴の表面を覆うゲル化膜とを有し、かつ液状シリコーンを含む。
ゲル状粒子(1)が液状シリコーンを含むことにより、水系塗料組成物の塗膜に伸び性が付与され、壁材間の間隔の変動等によって塗膜に応力が掛かった時に、亀裂が発生することを抑制できる。これは、液状シリコーンにより、ゲル状粒子の表面にスリップ性が付与され、塗膜に応力が掛かった時にゲル状粒子がずれ、応力が緩和されることによると考えられる。
液状シリコーンは、典型的には、液滴のエマルション塗料に配合される。エマルション塗料中の低分子シリコーンは、ゲル化膜を通ってゲル状粒子の表面に移行する。
23℃において固体のシリコーンは、ゲル状粒子の表面に移行できない。
液状シリコーンとしては、液滴の樹脂エマルションと相溶するものが好ましく、スリップ性と相溶性の面で、ポリシロキサンが好ましい。
ポリシロキサンとしては、スリップ性の面で、アルキルポリシロキサンが好ましい。アルキルポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等が挙げられる。これらのアルキルポリシロキサンは変性されていてもよい。これらの中でも、スリップ性の面で、ジメチルポリシロキサンが好ましい。これらポリシロキサンは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドで変性されていてもよい。
液滴は、エマルション塗料を含む。
エマルション塗料は、樹脂エマルションを含む。
エマルション塗料は、典型的には、親水性コロイド形成物質をさらに含む。
ゲル状粒子(1)の場合、エマルション塗料は、典型的には、液状シリコーンをさらに含む。
エマルション塗料は、上記以外の成分(以下、「任意成分」とも記す。)をさらに含んでいてもよい。
樹脂エマルションは、樹脂を形成材料とする懸濁粒子又は乳化粒子と、前記懸濁粒子又は乳化粒子を分散させる分散媒とを有する。
懸濁粒子又は乳化粒子の形成材料の樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル、ベオバ(分岐脂肪酸ビニルエステル)、天然又は合成ゴム、及びこれらの共重合体のエマルション等が挙げられる。これらの樹脂は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル樹脂が好ましい。
樹脂エマルションの分散媒としては、水が好ましい。
樹脂エマルションしては、一般に市販されている樹脂エマルションを使用することができる。
親水性コロイド形成物質は、ゲル化剤と反応し、ゲル化膜を形成可能な物質である。ゲル化剤については後述する。
親水性コロイド形成物質としては、例えば、セルロース誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、天然高分子(カゼイン、デンプン、ガラクトマンノン、グアルゴム、ローカストビーンゴム等)等を含有する水溶液が挙げられる。これらの中でもグアルゴムの水溶液が好ましい。水溶液の濃度は0.5~5質量%が好ましく、1.0~3質量%がより好ましい。親水性コロイド形成物質は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状シリコーンは前記したとおりである。
エマルション塗料中の液状シリコーンの含有量は、ゲル状粒子(1)中の液状シリコーンの含有量に応じて設定される。
エマルション塗料は、本発明の効果を損なわない範囲で、着色顔料、体質顔料等の顔料を含んでいてもよい。なお、エマルション塗料は、顔料を含まない、いわゆるクリヤー塗料であってもよい。
エマルション塗料は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の添加剤、例えば、増粘剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤等を含んでいてもよい。
ゲル化膜は、液滴の表面を覆い、ゲル状粒子の輪郭を形成している。液滴の表面がゲル化膜で覆われていることにより、ゲル状粒子が分散媒中で安定して分散することができる。
ゲル化膜としては、エマルション塗料に含まれる親水性コロイド物質と、ゲル化剤とが反応し架橋することで形成された三次元的網状組織を含むものが挙げられる。ゲル化膜は、エマルション塗料よりも流動性が低く、液滴を内部に包含している。
なお、ゲル状粒子の平均粒子径は、無作為に20個のゲル状粒子を選択し、その長径をノギスで測定した平均値である。
ゲル状粒子(2)は、液状シリコーンを含まない以外は、ゲル状粒子(1)と同様であり、好ましい態様も同様である。
バインダ樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル、ベオバ(分岐脂肪酸ビニルエステル)、天然又は合成ゴム、及びこれらの共重合体のエマルション等が挙げられる。これらの樹脂は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル樹脂が好ましい。
バインダ樹脂は、樹脂エマルションの形態で配合されてもよい。樹脂エマルションしては、一般に市販されている樹脂エマルションを使用することができる。樹脂エマルションの分散媒としては、水が好ましい。
水系塗料組成物は、体質顔料を含んでいてもよい。体質顔料については後述する。
水系塗料組成物は、水溶性高分子化合物を含んでいてもよい。水溶性高分子化合物については後述する。
水系塗料組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の添加剤、例えば、増粘剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、レベリング剤等を含んでいてもよい。
水系塗料組成物は、例えば、ゲル状粒子(1)の水分散液を調製し、必要に応じて、ゲル状粒子(1)の水分散液に、ゲル状粒子(2)の水分散液、樹脂エマルション、任意成分、水等を配合することにより製造できる。
液状シリコーンは、水分散体の形態で用いられてもよい。
ゲル化剤の含有量(固形分量)は、分散媒100質量%に対し、0.05~5質量%が好ましく、0.1~3質量%がより好ましい。ゲル化剤の含有量を上記範囲内とすることにより、安定したゲル化膜が得られる。
水の含有量は、分散媒100質量%に対し、20~80質量%が好ましく、30~70質量%がより好ましい。
体質顔料としては、カオリン、硫酸バリウム、含水ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。中でも含水ケイ酸マグネシウムが好ましい。体質顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
体質顔料の含有量(固形分量)は、分散媒100質量%に対し、0.05~10質量%が好ましく、0.1~5質量%がより好ましい。
水溶性高分子化合物としては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。中でもカルボキシメチルセルロースが好ましい。水溶性高分子化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水溶性高分子化合物の含有量(固形分量)は、分散媒100質量%に対し、0.05~3質量%が好ましく、0.1~2質量%がより好ましい。
ゲル化剤の水溶液におけるゲル化剤の濃度は0.05~10質量%が好ましく、0.5~8質量%がより好ましい。
体質顔料の水分散液における体質顔料の濃度は、0.05~20質量%が好ましく、2~10質量%がより好ましい。
水溶性高分子化合物の水溶液における水溶性高分子化合物の濃度は、0.1~5質量%が好ましく、0.5~3質量%がより好ましい。
このようにして得られるゲル状粒子は水分を多く含み、柔らかい粒子である。
エマルション塗料や分散媒の粘度、分散機の回転数、攪拌時間、親水性コロイド形成物質及びゲル化剤の組み合わせや配合量によって、得られるゲル状粒子の平均粒子径を自由にコントロールできる。通常、エマルション塗料や分散媒の粘度を高くすれば平均粒子径は大きくなり、分散機の回転数を早くすれば平均粒子径は小さくなる。
ゲル状粒子(1)のエマルション塗料が着色顔料を含む場合、ゲル状粒子(2)のエマルション塗料を、ゲル状粒子(1)のエマルション塗料とは異なる色調の着色顔料を含むものとしてもよい。これにより、水系塗料組成物を多彩模様塗料組成物とすることができる。
本発明の塗装方法は、併設された複数の壁材の表面に、本発明の水系塗料組成物を、少なくとも壁材間の継目を覆うように塗装する方法である。
以下、図1を参照しながら、本発明の塗装方法の一実施形態について説明する。なお、図1における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
壁材10としては、例えば建築物の外壁材、内壁材が挙げられる。壁材10の材質としては、例えばモルタル、コンクリート、窯業系素材、プラスチック、金属、木材が挙げられる。壁材10の表面は平滑でもよく、凹凸を有していてもよい。壁材10の表面に塗膜が設けられていてもよい。
目地材12としては、例えばシーリング材、パテ材が挙げられる。
なお、継目Cに目地材12が充填されていなくてもよい。
乾燥温度は、例えば5~80℃である。乾燥時間は、乾燥温度によっても異なるが、例えば5分間~8時間である。
形成された塗膜1は、優れた伸び性を有している。そのため、壁材10間の間隔の広がりに追従でき、継目Cにおいて亀裂が生じにくい。
必要に応じて、塗膜1の上に、他の塗料を塗装してもよい。
(製造例A-1)
アクリル樹脂エマルション(DIC株式会社製、「ボンコートCF-6140」、分散媒:水、樹脂分:48質量%)31.7部と、非イオン性グアルゴム誘導体の1.5質量%水溶液28.5部(固形分0.43部)と、白顔料10部と、ポリシロキサン(1)5部をディゾルバにて混合し、混合液(a)を調製した。
アニオン性高分子分散剤(日本アクリル化学社製、「オロタン731」)1部と、水23.8部とを混合し、混合液(b)を調製した。
混合液(a)に混合液(b)を加え撹拌し、エマルション塗料A-1を得た。
混合液(a)、混合液(b)それぞれに配合する成分の種類と配合量(部)を表1に示すようにしたこと以外は製造例A-1と同様にして、エマルション塗料A-2~A-10を製造した。
ポリシロキサン(1):液状シリコーン(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)、ビックケミージャパン製「BYK-378」。
ポリシロキサン(2):液状シリコーン(アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン)、ビックケミージャパン製「BYK-323」。
白顔料:酸化チタン、石原産業社製、「チタンR930」。
黒顔料:酸化鉄・黒、ランクセス社製、「バイフェロックス318」。
茶顔料:鉄-亜鉛複合酸化物、チタン工業社製、「T-10」。
体質顔料:竹原化学工業社製、「SL-1000」。
(製造例B-1)
含水ケイ酸マグネシウムの4質量%水分散液25部(固形分1部)に、重ホウ酸アンモニウムの5質量%水溶液5部(固形分0.25部)と、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの1質量%水溶液25部(固形分0.25部)を加え撹拌混合した後、水45部を加えて希釈し、分散媒を得た。
ゲル状粒子水分散液B-1から無作為に20個のゲル状粒子を選択し、その長径をノギスで測定した平均値は約30mmであった。
エマルション塗料A-1を、表2に示すエマルション塗料に変更した以外は製造例B-1と同様にして、ゲル状粒子水分散液B-2~B-9を製造した。
エマルション塗料A-1をエマルション塗料A-10に変更した以外は製造例B-1と同様の操作を行ったところ、ゲル状粒子が形成されなかった。
(実施例1~13、比較例1~2)
表3~4に示すゲル状粒子水分散液と、水又はアクリル樹脂エマルション(DIC株式会社製、「ボンコートCF-6140」、分散媒:水、樹脂分48質量%)とを、表3~4に示す割合(部)で混合して、水系塗料組成物を得た。
得られた水系塗料組成物について、以下の手順で、伸び性及び塗装後外観を評価した。結果を表3~4に示す。
離型紙上に水系塗料組成物を、ローラーで、塗布量(乾燥前)が300g/m2になるように塗装し、23℃2週間の条件で乾燥して塗膜を形成した。
ついで、塗膜を形成した離型紙を、幅10mm、長さ40mmの大きさに裁断し、離型紙を剥離して測定片を得た。得られた測定片について、引張試験機(株式会社オリエンテック製、「テンシロンRTC-1210」)を用い、測定雰囲気23℃、定格荷重250N、引張速度20mm/分の条件で引張伸度(伸び率)を測定した。同様の操作を3回行い、その平均値を求めた。
予め下地として白色の着色塗料が塗布されたスレート板の表面に、塗布量(乾燥前)が300g/m2になるようスプレーにより塗布し、23℃2週間の条件で乾燥して塗膜を形成した。
形成された塗膜を目視で観察し、以下の基準で塗装後外観を評価した。ここで、ニジミとは、ゲル状粒子がくずれ、塗膜が濁って見える状態を示す。
A:ニジミがなく、外観が良好。
B:ややニジミがある。
一方、ゲル状粒子が液状シリコーンを含まない比較例1の水系塗料組成物の塗膜は、伸び性に劣っていた。
ゲル状粒子100質量%のうち液状シリコーンを含むゲル状粒子の割合が15質量%の比較例2の水系塗料組成物の塗膜は、伸び性に劣っていた。
C 継目
10 壁材
12 目地材
Claims (2)
- 水と、前記水に分散されたゲル状粒子とを含み、
前記ゲル状粒子は、エマルション塗料を含む液滴と、前記液滴の表面を覆うゲル化膜とを有し、
前記ゲル状粒子100質量%のうち20質量%以上が、23℃において液状のシリコーンを含む、水系塗料組成物。 - 併設された複数の壁材の表面に、請求項1に記載の水系塗料組成物を、少なくとも壁材間の継目を覆うように塗装する、塗装方法。
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