以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<実施形態の用語の説明>
(中赤外領域)
中赤外領域とは、2~14μmの波長領域をいい、特定波長領域の一例である。
(プローブ光)
プローブ光とは、吸光度測定及び生体情報測定のために用いられる光をいう。実施形態では、全反射部材で全反射され、生体により減衰された後、光強度検出部で検出される光に該当する。
(ATR法)
ATR(Attenuated Total Reflection;減衰全反射又は全反射吸収)法とは、被測定物に接触して配置されたATRプリズム等の全反射部材で全反射が起きる際に、全反射面からしみ出した界(エバネッセント波)を利用して被測定物の吸収スペクトルを取得する手法をいう。
(吸光度)
吸光度とは、物体を光が通過した際に光強度がどの程度低下するかを示す無次元量をいう。実施形態では、ATR(Attenuated Total Reflection;減衰全反射又は全反射吸収)法により、全反射面からしみ出した界の生体による減衰が吸光度として測定される。
(血糖値)
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度をいう。
(検出値)
実施形態では、光強度検出部による検出値を指すものとする。
(波数)
波長λ(μm)と波数k(cm-1)の関係は、k=10000/λである。
以下、ATRプリズム(全反射部材の一例)を用いて測定した吸光度に基づき、血糖値(生体情報の一例)を測定する血糖値測定装置(生体情報測定装置の一例)を例に、実施形態を説明する。
[実施形態]
まず、実施形態に係る血糖値測定装置100について説明する。
実施形態では、生体に接触して設けられた全反射部材に、中赤外領域で波長の異なる複数のプローブ光を入射させ、ATR法に基づいて、複数のプローブ光のそれぞれの吸光度を取得し、取得された吸光度に基づき血糖値を測定する。
<血糖値測定装置100の全体構成例>
図1は、血糖値測定装置100の全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、血糖値測定装置100は、測定部1と、処理部2とを備える。
測定部1は、ATR法を行うための光学ヘッドであり、生体で減衰されたプローブ光の検出信号を処理部2に出力する。処理部2はこの検出信号に基づいて、吸光度データを取得し、また吸光度データに基づいて血糖値を取得して出力する処理装置である。
測定部1は、第1光源111と、第2光源112と、第3光源113と、第1シャッタ121と、第2シャッタ122と、第3シャッタ123とを備える。また、第1ハーフミラー131と、第2ハーフミラー132と、カップリングレンズ14と、第1中空光ファイバ151と、ATRプリズム16と、第2中空光ファイバ152と光検出器17とを備える。
処理部2は、吸光度取得部21と、血糖値取得部22とを備える。吸光度測定装置101は、破線で囲って示したように、測定部1と、吸光度取得部21とを含んで構成される。
測定部1における第1光源111、第2光源112及び第3光源113は、それぞれ処理部2に電気的に接続され、処理部2からの制御信号に応じて中赤外領域のレーザ光を射出する量子カスケードレーザである。
実施形態では、第1光源111は波数1050cm-1のレーザ光を第1プローブ光として射出し、第2光源112は波数1070cm-1のレーザ光を第2プローブ光として射出し、第3光源113は、波数1100cm-1のレーザ光を第3プローブ光として射出する。
波数1050cm-1、1070cm-1及び1100cm-1のレーザ光は、それぞれグルコースの吸光ピークの波数に対応し、これらの波数を利用して吸光度を測定することで、吸光度に基づくグルコース濃度の測定を精度よく行うことができる。
また、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123は、それぞれ処理部2に電気的に接続され、処理部2からの制御信号に応じて開閉制御される電磁シャッタである。
第1シャッタ121が開放されると、第1光源111からの第1プローブ光は第1シャッタ121を通過して第1ハーフミラー131に到達する。一方、第1シャッタ121が閉鎖されると、第1プローブ光は第1シャッタ121に遮光されて、第1ハーフミラー131に到達しなくなる。
また、第2シャッタ122が開放されると、第2光源112からの第2プローブ光は第2シャッタ122を通過して第1ハーフミラー131に到達する。一方、第2シャッタ122が閉鎖されると、第2プローブ光は第2シャッタ122に遮光されて、第1ハーフミラー131に到達しなくなる。
同様に、第3シャッタ123が開放されると、第3光源113からの第3プローブ光は第3シャッタ123を通過して第2ハーフミラー132に到達する。一方、第3シャッタ123が閉鎖されると、第3プローブ光は第3シャッタ123に遮光されて、第2ハーフミラー132に到達しなくなる。
第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132は、入射する光の一部を透過し、残りを反射させるための光学素子である。このような光学素子は入射光に対して透過性を有する基板に、入射光の一部を透過し、残りを反射させる光学薄膜を設けて構成できる。
但し、光学薄膜に限定されるものではなく、入射光に対して透過性を有する基板に、入射光の一部を透過し、残りを反射(回折)させる回折構造を形成して構成してもよい。回折構造を利用すると、光吸収を抑制できる点で好適である。
第1ハーフミラー131は、第1シャッタ121を通過した第1プローブ光を透過させ、第2シャッタ122を通過した第2プローブ光を反射させる。また、第2ハーフミラー132は、第1プローブ光と第2プローブ光のそれぞれを透過させ、第3シャッタ123を通過した第3プローブ光を反射させる。
第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132のそれぞれにおける透過光と反射光の光強度比は略1対1になるように構成することが好ましいが、各光源の射出するプローブ光強度等に応じて、上記の光強度比を調整することもできる。
第1ハーフミラー131又は第2ハーフミラー132を経由した第1~第3プローブ光は、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151内に導かれ、第1中空光ファイバ151内を伝搬してATRプリズム16の入射面161を介してATRプリズム16内に導光される。
ATRプリズム16は、入射面161から入射される第1~第3プローブ光を全反射させながら出射面164に向けて伝搬させ、出射面164から出射する光学プリズムである。図1に示すように、ATRプリズム16は、第1全反射面162を生体S(対象物の一例、被測定物の一例)に接触させて配置される。
ATRプリズム16内に導光された第1~第3プローブ光は、第1全反射面162と、第1全反射面162に対向する第2全反射面163のそれぞれで全反射を繰り返し、出射面164を介して第2中空光ファイバ152内に導かれる。
光検出器17は第2中空光ファイバ152により導光された第1~第3プローブ光は光検出器17に到達する。光検出器17は、中赤外領域の波長の光を検出可能な検出器であり、受光した第1~第3プローブ光を光電変換して、光強度に応じた電気信号を検出信号として処理部2に出力する。光検出器17は、赤外線用のPD(Photo Diode)やMCT(Mercury Cadmium Telluride)検出素子、ボロメータ等により構成される。ここで、光検出器17は光強度検出部の一例である。なお、以下では、第1~第3プローブ光を区別しない場合に、単にプローブ光という場合がある。
処理部2は、PC(Persdonal Computer)等の情報処理装置により構築されている。処理部2における吸光度取得部21は、光検出器17の検出信号に基づき、各プローブ光の吸光度データを取得して血糖値取得部22に出力する。血糖値取得部22は各プローブ光の吸光度データに基づき、生体の血糖値データを取得する。
なお、図1では、測定部1の構成と吸光度測定装置101に含まれる構成要素を分かりやすく示すために、測定部1を実線の枠で囲み、また吸光度測定装置101を破線の枠で囲ったが、これらは筐体を示すものではない。ATRプリズム16は筐体内に収納されたものではなく、第1全反射面162、又は第2全反射面163の少なくとも一方を生体の任意の部位に接触させることが可能である。
<ATRプリズム16等の作用、構成>
次に、図2を参照してATRプリズム16の作用を説明する。図2に示すように、測定部1のATRプリズム16は、生体Sに接触して配置される。ATRプリズム16に入射したプローブ光は、それぞれ生体Sの赤外吸光スペクトルに対応する減衰を受ける。減衰を受けたプローブ光は光検出器17で受光され、プローブ光毎に光強度が検出される。検出信号は処理部2に入力され、処理部2は検出信号に基づき、吸光度データ及び血糖値データを取得して出力する。
グルコースの吸収光強度が得られる中赤外領域で、分光による検出を行うには、赤外減衰全反射(ATR)法が有効である。赤外ATR法は、高屈折率のATRプリズム16に赤外光であるプローブ光を入射させ、ATRプリズム16と外界(例えば生体S)の境界面で全反射が起きる際に現れる界の「しみ出し」を利用したものである。ATRプリズム16に被測定物である生体Sが接触した状態で測定を行えば、しみ出した界が生体Sによって吸収される。
プローブ光として2~12μmの広い波長域の赤外光を用いれば、生体Sの分子振動エネルギーに起因する波長の光が吸収され、ATRプリズム16を透過したプローブ光の対応する波長で光吸収がディップとして現れる。この手法では、ATRプリズム16を透過した検出光のエネルギーを大きく取れるため、微弱なパワーのプローブ光を用いた赤外分光法では特に有利である。
赤外光を用いた場合、ATRプリズム16から生体Sへ光がしみ出す深さはわずか数ミクロン程度であり、深さ数百ミクロン程度に存在する毛細血管までは光が到達しない。しかし、皮膚や粘膜細胞中には血管中の血漿などの成分が組織液(間質液)としてにじみ出ていることが知られている。その組織液中に存在するグルコース成分を検出することで、血糖値の測定が可能となる。
組織液中のグルコース成分の濃度は、毛細血管に近くなるほど大きくなると考えられ、測定の際には常に一定の圧力でATRプリズムを押し付ける。このような押し付けに有利なように、実施形態では、台形の断面をもつ多重反射のATRプリズムを採用する。
ここで、図3は、実施形態に係るATRプリズムの構造を示す斜視図である。図3に示すように、ATRプリズム16は台形型のプリズムである。ATRプリズム16内での多重反射回数が増えるほど、グルコースの検出感度が増す。また、生体Sとの接触面積を大きくとれるため、ATRプリズム16を押圧する圧力の変化による検出値の変動を小さく抑えることができる。ATRプリズム16の底面の長さLは、たとえば24mmである。厚さtは、1.6mm、2.4mmなど、多反射が生じるように薄く設定される。
ATRプリズム16の材料としては、人体に対して毒性がなく、グルコースの吸収帯である波長10μm付近で高い透過特性を示すものが候補となる。一例として、これらの条件を満たす材料の中から、光のしみ出しが大きく、より深部までの検出が可能で、屈折率が2.2のZnS(硫化亜鉛)のプリズムを用いることができる。ZnSは、赤外材料として一般的に利用されているZnSe(セレン化亜鉛)と異なり、発がん性が無いことが示されており、無毒な染料(リトポン)として歯科材料にも利用されている。
一般的なATR測定装置では、ATRプリズムが比較的大型の装置に固定されているため、被測定物となる生体の部位は、指先や前腕部などの体表に制限される。しかし、これらの部位の皮膚は、厚さ20μm程度の角質層で覆われているため、検出されるグルコース濃度が小さくなる。また、角質層は汗や皮脂の分泌状態の影響を受けるため、測定の再現性が制限される。そこで、血糖値測定装置100では赤外光であるプローブ光を低損失で伝送可能な第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152を用い、それぞれの一端をATRプリズム16に当接させて用いる。
第1中空光ファイバ151は、一端がATRプリズム16に当接されることで、ATRプリズム16の入射面161に光学的に接続され、第1中空光ファイバ151からの出射光がATRプリズム16の入射面161に入射されるようになっている。
また、第2中空光ファイバ152は、一端がATRプリズム16に当接されることで、ATRプリズム16の出射面164に光学的に接続され、ATRプリズム16の出射面164からの出射光が第2中空光ファイバ152内に導光されるようになっている。
ATRプリズム16を用いることで、皮膚表面に比較的近いところに毛細血管が存在し、汗や皮脂の影響が少ない耳たぶや、角質が存在しない口腔粘膜での測定が可能になる。
図4は、血糖値測定装置100で用いられる中空光ファイバの構造の一例を示す斜視図である。グルコース測定に用いる比較的波長の長い中赤外光は、石英ガラス光ファイバではガラスに光が吸収されてしまい伝送できない。これまで、特殊な材料を用いた各種の赤外伝送用光ファイバが開発されてきたが、材料に毒性、吸湿性・化学的耐久性などの問題があり、医療分野に利用することは難しかった。
一方、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152は、ガラス、プラスチック等の無害の材料で形成されたチューブ243の内面に、金属薄膜242と誘電体薄膜241がこの順で配置されている。金属薄膜242は、銀などの毒性の低い材料で形成され、誘電体薄膜241で被覆することで、化学的、機械的耐久性が付与されている。また、中赤外光を吸収しない空気をコア245としているため、広い波長域で中赤外光の低損失伝送が可能となっている。
<処理部2の構成>
次に、処理部2の構成について、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、実施形態に係る処理部2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、処理部2は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、HD(Hard Disk)504と、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505と、ディスプレイ506とを備えている。また、外部機器接続I/F(Interface)508と、ネットワークI/F509と、データバス510と、キーボード511と、ポインティングデバイス512と、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514と、メディアI/F516と、光源駆動回路517と、シャッタ駆動回路518と、検出I/F519とを備えている。
これらのうち、CPU501は、処理部2全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図5に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
光源駆動回路517は、第1光源111、第2光源112及び第3光源113のそれぞれと電気的に接続され、制御信号に応じて、これらに赤外光を射出させるための駆動電圧を出力する電気回路である。シャッタ駆動回路518は、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123のそれぞれと電気的に接続され、制御信号に応じて、これらを開閉駆動させる駆動電圧を出力する電気回路である。
検出I/F519は、光検出器17の検出信号を取得するためのインターフェースとなるA/D(Analog/Digital)変換回路等の電気回路である。なお、検出I/F519は、光検出器17だけでなく、図5では図示を省略する圧力センサや温度センサ等の各種センサによる検出信号を取得すためのインターフェースとしての機能も有する。
次に、図6は実施形態に係る処理部2の機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、処理部2は、吸光度取得部21と、血糖値取得部22とを備える。
また吸光度取得部21は、光源駆動部211と、光源制御部212と、シャッタ駆動部213と、シャッタ制御部214と、データ取得部215と、データ収録部216と、吸光度出力部217とを備える。
これらのうち、光源駆動部211の機能は光源駆動回路517等により、シャッタ駆動部213の機能はシャッタ駆動回路518等により、データ取得部215の機能は検出I/F519等により、データ収録部216の機能はHD504等により、それぞれ実現される。また、光源制御部212、シャッタ制御部214及び吸光度出力部217の各機能は、CPU501が所定のプログラムを実行すること等により実現される。
光源駆動部211は、光源制御部212から入力される制御信号に基づき駆動電圧を出力して、第1光源111、第2光源112及び第3光源113のそれぞれに赤外光を射出させる。光源制御部212は、制御信号により赤外光の射出タイミングや光強度を制御する。
シャッタ駆動部213は、シャッタ制御部214から入力される制御信号に基づき駆動電圧を出力して、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123のそれぞれを開閉駆動させる。シャッタ制御部214は、制御信号によりシャッタを開放させるタイミングや期間を制御する。ここで、シャッタ制御部は入射制御部の一例である。
データ取得部215は、光検出器17が連続して出力する検出信号を所定周期でサンプリングして取得した光強度の検出値を、データ収録部216に出力する。データ収録部216は、データ取得部215から入力した検出値を収録する。
吸光度出力部217は、データ収録部216から読み出した検出値に基づき所定の演算処理を実行して吸光度データを取得し、取得した吸光度データを血糖値取得部22に出力する。
但し、吸光度出力部217は、取得した吸光度データを、外部機器接続I/F508を介してPC等の外部装置に出力してもよいし、ネットワークI/F509及びネットワークを通じて外部サーバ等に出力してもよい。また、ディスプレイ506(図5参照)に出力して表示させてもよい。
また、血糖値取得部22は生体情報出力部221を備える。生体情報出力部221は、吸光度取得部21から入力した吸光度データに基づき所定の演算処理を実行して血糖値データを取得し、取得した血糖値データをディスプレイ506等に出力して表示させる。
但し、生体情報出力部221は外部機器接続I/F508を介して血糖値データをPC等の外部装置に出力してもよいし、ネットワークI/F509及びネットワークを通じて血糖値データを外部サーバ等に出力してもよい。また、血糖値測定の信頼度を併せて出力するように、生体情報出力部221を構成してもよい。
吸光度データから血糖値データを取得するための処理には、特開2019-037752号公報等に開示された技術を適用できるため、ここではさらに詳細な説明を省略する。
<血糖値測定装置100の動作例>
次に、血糖値測定装置100の動作について、図7~図8を参照して説明する。
(プローブ光の切替動作例)
図7は、プローブ光の切替動作の一例を説明するための図である。(a)は第1プローブ光を使用する場合、(b)は第2プローブ光を使用する場合、(c)は第3プローブ光を使用する場合のそれぞれにおける測定部1の状態を示している。
実施形態では、各光源によるプローブ光のATRプリズム16への入射を各シャッタの開閉で制御するため、吸光度及び血糖値の測定時には、第1光源111、第2光源112及び第3光源113は常時赤外光を射出している。
図7(a)では、第1シャッタ121は制御信号に応答して開放されている。第1光源111が射出した第1プローブ光は、第1シャッタ121を通過し、第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132のそれぞれを透過して、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151に導光される。その後、第1中空光ファイバ151を伝搬した後に、ATRプリズム16内に入射する。
一方、第2シャッタ122及び第3シャッタ123は、それぞれ閉鎖されているため、第2プローブ光及び第3プローブ光は、ATRプリズム16には入射しない。従って、この状態では、ATRプリズム16での減衰による第1プローブ光の吸光度が測定される。
図7(b)では、第2シャッタ122は制御信号に応答して開放されている。第2光源112が射出した第2プローブ光は、第2シャッタ122を通過し、第1ハーフミラー131で反射され、第2ハーフミラー132を透過して、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151に導光される。その後、第1中空光ファイバ151を伝搬した後に、ATRプリズム16内に入射する。
一方、第1シャッタ121及び第3シャッタ123は、それぞれ閉鎖されているため、第1プローブ光及び第3プローブ光は、ATRプリズム16には入射しない。従って、この状態では、ATRプリズム16での減衰による第2プローブ光の吸光度が測定される。
図7(c)では、第3シャッタ123は制御信号に応答して開放されている。第3光源113が射出した第3プローブ光は、第3シャッタ123を通過し、第2ハーフミラー132で反射され、カップリングレンズ14を介して第1中空光ファイバ151に導光される。その後、第1中空光ファイバ151を伝搬した後に、ATRプリズム16内に入射する。
一方、第1シャッタ121及び第2シャッタ122は、それぞれ閉鎖されているため、第1プローブ光及び第2プローブ光は、ATRプリズム16には入射しない。従って、この状態では、ATRプリズム16での減衰による第3プローブ光の吸光度が測定される。
第1シャッタ121、第2シャッタ122、第3シャッタ123の全てが閉鎖された場合は、第1プローブ光、第2プローブ光及び第3プローブ光は、何れもATRプリズム16に入射せず、光検出器17に到達しなくなる。
このようにして、入射制御部としてのシャッタ制御部214(図6参照)は、各シャッタの開閉を制御して、第1~第3プローブ光が順次ATRプリズム16に入射する状態と、第1~第3プローブ光の全てがATRプリズム16に入射しない状態を切り替えることができる。
(血糖値測定装置100の動作例)
図8は、血糖値測定装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS81において、光源制御部212の制御信号に応答して、第1光源111、第2光源112及び第3光源113の全てが赤外光を射出する。但し、この初期の状態では、第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123は、何れも閉鎖している。
続いて、ステップS82において、シャッタ制御部214は、第1シャッタ121を開放させ、第2シャッタ122及び第3シャッタ123を閉鎖させる。
続いて、ステップS83において、データ収録部216は、データ取得部215が取得した光検出器17による検出値(第1検出値)を収録する。
続いて、ステップS84において、シャッタ制御部214は、第2シャッタ122を開放させ、第1シャッタ121及び第3シャッタ123を閉鎖させる。
続いて、ステップS85において、データ収録部216は、データ取得部215が取得した光検出器17による検出値(第2検出値)を収録する。
続いて、ステップS86において、シャッタ制御部214は、第3シャッタ123を開放させ、第1シャッタ121及び第2シャッタ122を閉鎖させる。
続いて、ステップS87において、データ収録部216は、データ取得部215が取得した光検出器17による検出値(第3検出値)を収録する。
続いて、ステップS88において、吸光度出力部217は、第1~第3検出値に基づき、第1~第3プローブ光の吸光度データを取得して、生体情報出力部221に出力する。
続いて、ステップS89において、生体情報出力部221は、第1~第3プローブ光の吸光度データに基づき所定の演算処理を実行して血糖値データを取得し、取得した血糖値データをディスプレイ506(図5参照)に出力して表示させる。
このようにして、血糖値測定装置100は、血糖値データを取得して出力することができる。
なお、実施形態では、電磁シャッタである第1シャッタ121、第2シャッタ122及び第3シャッタ123を制御して、ATRプリズム16へのプローブ光の入射を切り替える例を示したが、これに限定されるものではない。複数の光源のオン(射出)とオフ(不射出)を切り替える制御により、ATRプリズム16へのプローブ光の入射を切り替えてもよい。また、複数の波長の光を射出する1つの光源を用い、波長毎で光源のオンとオフとを切り替えてもよい。
また、実施形態では、プローブ光の一部を透過し、残りを反射させる素子として第1ハーフミラー及び第2ハーフミラーを用いる例を示したが、これに限定されるものではなく、ビームスプリッタや偏光ビームスプリッタ等を用いてもよい。
また、プローブ光を透過する高屈折率材料、たとえばゲルマニウム等は、材料特性上表面反射率が高い。例えば基板の面方向に対し、垂直方向に偏光した光(s偏光)は、基板に対して45度の入射角で入射すると、透過と反射の比がほぼ1:1となる。このことを利用して、ゲルマニウム板を45度の入射角になるよう設置して、ハーフミラーの代わりとすることが出来る。なお裏面でも同様に50%の反射成分があるため、裏面には無反射防止膜を施しておく。
<実施形態に係る各種変形例>
ここで、実施形態における各構成部は、各種の変形が可能であるため、以下において、各種変形例を説明する。
(光検出器17の線形性誤差の影響抑制)
血糖値測定装置100で用いられる光検出器17は、線形性誤差を含む場合があり、光検出器17の線形性誤差は血糖値の測定誤差を生じさせる。そのため、プローブ光強度を予め定めた3つ以上の段階に変化させ、プローブ光強度と光検出器17による検出値とを比較することで線形性誤差の影響を低減させることもできる。
図9は、このように3つ以上の段階に変化させたプローブ光強度の一例を説明する示す図であり、(a)は比較例に係るプローブ光強度を示す図、(b)は3つ以上の段階に変化させたプローブ光強度を示す図である。図9において、斜線ハッチングで示した部分は第1プローブ光強度、格子ハッチングで示した部分は第2プローブ光強度、ハッチングなしで示した部分は第3プローブ光強度を表している。
図9(a)では各プローブ光強度が一定であるのに対し、図9(b)では各プローブ光強度が3つ以上の段階で、段階的に徐々に小さくなっている。光源の駆動電圧又は駆動電流を予め定めた3つ以上の段階(図9(b)では6段階)に変化させることで、射出されるプローブ光強度を3つ以上の段階に変化させることができる。なお、この場合のプローブ光は、シャッタ制御部214によるプローブ光の切替制御周期(例えば、図8のステップS82~S84までの周期)より短い周期で光強度が変化している。
光検出器17が線形性誤差を含まない場合は、プローブ光強度の変化に対して光検出器17による検出値は線形に変化する。一方、光検出器17が線形性誤差を含む場合は、プローブ光強度の変化に対して光検出器17による検出値が非線形に変化する。
従って、3つ以上の段階に光強度を変化させながらプローブ光を射出し、各段階での光検出器17による検出値を取得して、射出したプローブ光強度データと光検出器17による検出値とを比較して、線形性が確保される光強度範囲を特定する。そして、3つ以上の段階に変化するプローブ光強度のうち、線形性が確保される部分のみを用いて、吸光度及び血糖値を測定する。これにより、光検出器17の線形性誤差の影響を低減させて吸光度及び血糖値を測定できる。
線形性が確保される光強度範囲を特定する動作は、血糖値測定に先立って行ってもよいし、血糖値測定中にリアルタイムで行ってもよい。
また、プローブ光が複数あるのに対して光検出器17は1つであるため、光検出器17の線形性誤差の影響の低減処理は、複数のプローブ光の全てを用いて行わなくてもよく、複数のプローブ光のうちの少なくとも1つを用いて実行すればよい。
(イメージセンサによるプローブ光の検出)
光検出器17は、1つの画素(受光素子)を用いるものに限定されるものではなく、画素がライン状に配列されたライン状のイメージセンサや、画素が2次元に配列されたエリア状のイメージセンサを用いることもできる。
ここで、光検出器17の検出信号は、受光したプローブ光強度の積分値であるため、ATRプリズム16に生体Sが接触した際にATRプリズム16における入射光や出射光の光路が変化すると、変化前後のプローブ光強度が積分されて検出誤差が生じ、正確な吸光度データが得られなくなる場合がある。
図10(a)、(b)は、このようなプローブ光の位置ずれを示しており、領域171は、光検出器17によるプローブ光の受光領域である。プローブ光が図10(b)の白抜き矢印方向にずれると、領域171におけるプローブ光強度分布が変化して、光検出器17による検出信号が変化する。
これに対し、光検出器17にイメージセンサを用いると、イメージセンサで撮像したプローブ光画像からプローブ光の位置ずれ量が分かるため、位置ずれ後のプローブ光の光強度分布の積分値を検出信号とすることで、プローブ光の位置ずれの影響を補正できる。図10(b)の領域172は、位置ずれ後のプローブ光で光強度分布の積分値を取得する領域を示している。
また、プローブ光にレーザ光等の可干渉性(コヒーレント)の光を用いると、プローブ光にスペックルと呼ばれる斑状の細かい光強度分布が重畳される場合がある。図10(c)はスペックルを含むプローブ光の断面光強度分布の一例を示している。174は、スペックル画像に含まれる場合がある光強度の特異点を示し、特異点174は領域173に含まれている。
図10(d)は、図10(c)のプローブ光が白抜き矢印方向に位置ずれした場合を示している。この状態では、特異点174が領域173に含まれなくなり、位置ずれ前後での検出信号の変化が顕著になる。これに対し、プローブ光画像から検出したプローブ光の位置ずれ量に応じて、領域175でのる光強度分布の積分値を検出信号とすることで、より好適にプローブ光の位置ずれの影響を補正できる。
また、イメージセンサ上でのプローブ光強度分布に基づき、生体SとATRプリズム16との接触領域を推定し、測定開始前に予め取得して記憶しておいたATRプリズム16面内の感度分布から、イメージセンサの検出信号に基づく検出値を補正することで、測定のばらつき誤差を低減することも可能になる。
(全反射部材への入射面)
上述した実施形態では、ATRプリズム16の入射面161が平坦面である例を示したが、これに限定されるものではなく、入射面161を拡散面や曲率を有する面等のさまざまな形状にしてもよい。
図11(a)に示すように、入射面161が平坦面であると、ATRプリズム16内でのプローブ光の進行方向は、入射面161への入射角度に従って一様な状態となる。そのため、生体Sが接触するATRプリズム16の全反射面において、領域毎で測定感度が異なる領域依存性が生じる場合がある。
光検出器17の検出信号は、ATRプリズム16に対する生体Sの接触面積の大きさ等、接触状態に依存する。特に、唇や指等の生体Sが被測定物である場合には、接触状態の再現性は低くなりやすいため、測定感度の領域依存性により測定ばらつきが増大する場合がある。
これに対し、 入射面161を拡散面とすることでATRプリズム16内でのプローブ光の進行方向をランダムに異ならせることで、図11(b)に示すように、測定感度の領域依存性を緩和させ、測定ばらつきを低減させることができる。
また入射面161は、図11(c)に示す拡散面のほかにも、図11(d)に示す凹面や、図11(e)に示す凸面にすることもできる。図11(d)の凹面や図11(e)の凸面は曲率を有する入射面の一例である。この場合にも、拡散面と同様にプローブ光の光路を異ならせることができ、測定感度の領域依存性を緩和させて、測定ばらつきを低減させることができる。
なお、ATRプリズム16にプローブ光が入射する前の光路上に拡散板やレンズ等を配置する構成にしても同様の効果が得られるが、この場合、装置の構成部品点数が増えることで組付け誤差による装置間での測定値の差(機差)やコスト高を招く場合がある。ATRプリズム16の入射面161を拡散面や曲面にすると、このような機差やコスト高を押させることができるため、より好適である。
(導光部と全反射部材の支持部)
ATRプリズム16に生体Sが接触する際に、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16との相対位置がずれると、ATRプリズム16に対するプローブ光の入射効率や出射効率が変動し、測定ばらつきが増大する場合がある。
図12は、このような第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152と、ATRプリズム16との相対位置ずれを説明する図である。(a)はATRプリズム16が生体Sに接触していない場合、(b)はATRプリズム16の第1全反射面162に生体Sが接触した場合、(c)はATRプリズム16の第2全反射面163に生体Sが接触した場合をそれぞれ示している。
図12(b)に示すように、生体SがATRプリズム16の第1全反射面162に接触すると、白抜き矢印で示す下方に押圧力が加わり、ATRプリズム16が下方にずれる。その結果、ATRプリズム16'に示した状態になって、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16'との相対位置が変化する。
また、図12(c)に示すように、生体SがATRプリズム16の第2全反射面163に接触すると、白抜き矢印で示す上方に押圧力が加わり、ATRプリズム16が上方にずれる。その結果、ATRプリズム16"に示した状態になって、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16"との相対位置が変化する。
このような相対位置ずれにより、ATRプリズム16に対するプローブ光の入射効率や出射効率が変動する。特に、被測定物が生体である場合は、接触圧を一定に保つことは容易ではないため、相対位置ずれによる測定ばらつきが特に増大しやすくなる。
従って、相対位置ずれを抑制するために、第1中空光ファイバ151及び第2中空光ファイバ152とATRプリズム16は、同一の支持部材により支持することが好ましい。
図13は、第1中空光ファイバ151、第2中空光ファイバ152及びATRプリズム16を支持する部材の構成の一例を説明する図である。図13における導光支持部材153は、第1中空光ファイバ151とATRプリズム16とを一体に支持する部材である。また、出射支持部材154は、第2中空光ファイバ152とATRプリズム16とを一体に支持する部材である。
第1中空光ファイバ151とATRプリズム16とを一体に支持することで、生体SをATRプリズム16に接触させた場合にも、両者は一体に動くため、相対位置ずれは生じない。また、第2中空光ファイバ152とATRプリズム16とを一体に支持することで、生体SをATRプリズム16に接触させた場合にも、両者は一体に動くため、相対位置ずれは生じない。これにより、生体SのATRプリズム16への接触に伴うプローブ光の入射効率及び出射効率の変動を抑制でき、測定ばらつきを低減させることができる。
なお、上述した例では、導光支持部材153と出射支持部材154を別々の部材にするものを示したが、第1中空光ファイバ151、第2中空光ファイバ152及びATRプリズム16を、1つの支持部材で支持する構成にしてもよい。
また、導光部として第1中空光ファイバ151を用いずに、ミラーやレンズ等の光学素子で導光部を構成する場合においても、光学素子とATRプリズム16とを一体に支持することで、上述したものと同様の効果が得られる。
また、導光部だけでなく、第1光源111、第2光源112、第3光源113、光検出器17も、同一の支持部材で一体に支持することで、測定ばらつきを低減できる効果が得られる。
(光源駆動電流の高周波変調)
プローブ光にスペックルが含まれると、スペックルのパターンに応じて光検出器17による検出値が変動して測定ばらつきを増大させる場合がある。このスペックルは、プローブ光の散乱光等が干渉して発生するものであるため、プローブ光の可干渉性を低下させることでスペックルの発生を抑制できる。そのため、実施形態では、光源を駆動する電流に高周波変調成分を重畳させることで、血糖値測定装置に含まれる光源の可干渉性を低下させ、プローブ光のスペックルに起因する吸光度の測定ばらつきを低減させることもできる。
図14は、光源駆動電流の一例を説明する図であり、(a)は比較例に係る光源駆動電流を示し、(b)は高周波変調した光源駆動電流を示している。
光源制御部212(図6参照)は、第1光源111、第2光源112、及び第3光源113のそれぞれに、図14(a)に示すようなパルス状の駆動電流を周期的に出力することで、これらにパルス状のプローブ光を射出させる。
実施形態では、図14(a)のパルス状の駆動電流に高周波変調成分を重畳させて第1光源111、第2光源112、及び第3光源113に出力する。高周波変調成分の波形は、正弦波状であっても矩形状であってもよい。変調周波数には1MHz(メガヘルツ)から数GHz(ギガヘルツ)までの任意のものを選択可能である。
高周波変調成分を重畳させることで、第1光源111、第2光源112、及び第3光源113はそれぞれ擬似的にマルチモードのレーザ光をプローブ光として射出させ、プローブ光の可干渉性を低下させることができる。これにより、可干渉性の低下でプローブ光のスペックルが低減され、スペックルに起因する測定ばらつきが低減される。
[第1実施形態]
次に、第1実施形態に係る血糖値測定装置について説明する。
本実施形態では、対象物に対応する生体Sに接触した状態で、入射されるプローブ光を全反射させる全反射面を含む全反射部材と、全反射部材の内部に形成された中空部とを含む光学部材を全反射部材として用いる。
ここで、中空部とは、上記の全反射部材の内部に設けられた空隙をいう。中空部内には、全反射部材を構成する材料と比較して、プローブ光に対する光吸収が小さい媒質が介在している。この媒質の具体例として空気が挙げられるが、空気以外にも、全反射部材の材料より光吸収が小さい気体や液体、固体を媒質として介在させてもよい。
<光学部材26の構成例>
図15は本実施形態に係る血糖値測定装置が備える光学部材26の構成の一例を説明する図である。(a)は比較例に係るATRプリズム16を示し、(b)は光学部材26の構成を示している。
図15(a)において、ATRプリズム16は、入射面161と、第1全反射面162と、第2全反射面163と、出射面164とを含んで構成されている。光源から射出され、入射面161を介してATRプリズム16に入射したプローブ光P(破線)は、ATRプリズム16の内部を伝搬して第1全反射面162に到達し、第1全反射面162で全反射する。全反射したプローブ光Pは、その後、ATRプリズム16の内部を伝搬して第2全反射面163に到達して第2全反射面163で全反射する。その後、プローブ光PはATRプリズム16の内部を伝搬して、第1全反射面162に到達し、第1全反射面162で再度全反射した後、出射面164から出射する。ATRプリズム16から出射したプローブ光Pは、光検出器17(図1参照)により光強度が検出され、検出された光強度に基づき吸光度が取得される。この吸光度に基づき血糖値が取得される。
これに対し、本実施形態に係る光学部材26は、図15(b)に示すように、全反射部材260と、中空部270とを備えている。また、全反射部材260は、第1光学ブロック260aと、第2光学ブロック260bとを含んで構成されている。中空部270は、第1光学ブロック260aと第2光学ブロック260bとの間に設けられた空隙である。ここで、図15(b)における太い実線で挟まれた空隙部分が中空部270に該当する。また、第1光学ブロック260aは第1板状部材の一例であり、第2光学ブロック260bは第2板状部材の一例である。
第1光学ブロック260aは、入射面261と、第1全反射面262と、出射面264と、傾斜面271及び272とを含んで構成され、第2光学ブロック260bは第2全反射面263と、傾斜面273及び274とを含んで構成されている。第1光学ブロック260a及び第2光学ブロック260bは、それぞれプローブ光Pに対して透過性を有するシリコン材料により構成されている。
この光学部材26は、図1におけるATRプリズム16の位置にATRプリズム16に代えて配置され、入射されるプローブ光を生体Sに接触した状態で全反射させる全反射部材として機能するものである。
図15(b)において、プローブ光Pは、入射面261を介して第1光学ブロック260aに入射し、第1光学ブロック260a内を伝搬して第1全反射面262に到達する。そして第1全反射面262で全反射した後、第2全反射面263に向けて伝搬し、傾斜面271を介して中空部270に入射する。そして中空部270を通過した後、傾斜面273を介して第2光学ブロック260bに入射する。
第2光学ブロック260bに入射したプローブ光Pは、第2光学ブロック260b内を伝搬して第2全反射面263に到達し、第2全反射面263で全反射する。そして第1全反射面262に向けて伝搬し、傾斜面274を介して中空部270に入射し、中空部270を通過した後、傾斜面272を介して再度第1光学ブロック260aに入射する。その後、第1光学ブロック260a内を伝搬して第1全反射面262に到達し、第1全反射面262で全反射する。そして、第1光学ブロック260a内を伝搬した後、出射面264を介して出射する。
ATRプリズム16から出射したプローブ光Pは、光検出器17により光強度が検出され、検出された光強度に基づき吸光度が取得される。この吸光度に基づき血糖値が取得される。
ここで、図16は、光学部材26をより詳細に説明するために、図15(b)における傾斜面271~274の周辺を拡大して示した図である。
図16に示すように、第1光学ブロック260aには突出部281及び282が形成され、また第2光学ブロック260bには突出部283が形成されている。突出部281~283は、第1全反射面262及び第2全反射面263のそれぞれに沿う方向である白抜き矢印Uに沿って、交互に突出するように形成された部分である。傾斜面271は突出部281に形成され、傾斜面272は突出部282に形成されている。また傾斜面273及び274は、それぞれ突出部283に形成されている。
プローブ光Pが、第1全反射面262及び第2全反射面263のそれぞれに臨界角θC以上の角度で入射すると、プローブ光Pは第1全反射面262及び第2全反射面263のそれぞれで全反射する。シリコンの屈折率は3.4であるため、臨界角θCは39.6度である。従って、プローブ光Pは、第1全反射面262及び第2全反射面263のそれぞれに39.6度以上の角度で入射した場合に全反射する。
本実施形態では、プローブ光Pの拡がり角を鑑みて、臨界角θCに対して余裕を持たせて45度の角度で第1全反射面262及び第2全反射面263のそれぞれに入射するようにプローブ光Pの入射角度θ0を決定している。ここで、第1全反射面262へのプローブ光Pの入射角度は、第1全反射面262の法線に対するプローブ光Pの角度を意味し、第2全反射面263へのプローブ光Pの入射角度は、第2全反射面263の法線に対するプローブ光Pの角度を意味する。
また、本実施形態では、傾斜面271の第1全反射面262に対する傾斜角度θ1が入射角度θ0と同じになるようにし、傾斜面272の第1全反射面262に対する傾斜角度θ2が入射角度θ0と同じになるようにしている。また、傾斜面273の第2全反射面263に対する傾斜角度θ3が入射角度θ0と同じになるようにし、傾斜面274の第2全反射面263に対する傾斜角度θ4が入射角度θ0と同じになるようにしている。
ここで、プローブ光Pは、第1全反射面262及び第2全反射面263のそれぞれに対し、臨界角θC以上の角度で入射するため、換言すると、傾斜面271は第1全反射面262に対して臨界角θC以上の角度で傾斜し、傾斜面272は第2全反射面263に対して臨界角θC以上の角度で傾斜している。
<光学部材26の作用効果>
次に、光学部材26の作用効果について説明する。
ATRプリズム16の材料には、人体に対して安全で、また中赤外領域のプローブ光の透過率が高いことを理由に硫化亜鉛(ZnS)が用いられることがある。しかし、硫化亜鉛は、化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition)法や溶融凝集法等のプロセスにより製造されるために量産性が高いとは言えず、その結果、装置コストが増大する場合がある。
また、硫化亜鉛の製造プロセスではATRプリズム16の内部に結晶格子欠陥が生じる場合がある。このような結晶格子欠陥は、ATRプリズム16内を伝搬するプローブ光Pを散乱させて光強度を低下させる。これにより、血糖値測定のための生体Sによるプローブ光Pの減衰を正確に取得できなくなり、血糖値の測定精度が低下する場合がある。
一方、硫化亜鉛以外の材料として、シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)が考えられるが、これらは中赤外領域のプローブ光に対する透過率が低い。そのため、これらの材料で構成されたATRプリズム16の内部をプローブ光Pが伝搬すると、光吸収による減衰が大きくなる場合がある。例えば、シリコンの内部で10mm伝搬すると、プローブ光は入射光量10~20%まで減衰する。
また、シリコンの屈折率は3.4で生体の屈折率1.4に対して大きいため、血糖値測定において全反射の際にしみ出す界をより深くしみ出させるには、臨界角θCに近い角度でプローブ光Pを全反射面に入射させることが好ましい。この場合、ATRプリズム16にプローブ光Pが入射して出射するまでの全反射回数が増えるため、ATRプリズム16内でのプローブ光Pの伝搬距離が長くなり、伝搬距離の長さに応じてプローブ光Pが大きく減衰する。その結果、生体Sによるプローブ光の減衰を正確に取得できずに、血糖値の測定精度が低下する場合がある。
これらに対し、本実施形態では、全反射部材260の内部に中空部270を設けて光学部材26を構成する。中空部270には、シリコン材料より光吸収が小さい空気等の媒質が介在している。そのため、シリコン材料で構成されたATRプリズム等の部材の内部をプローブ光Pが伝搬する場合と比較して、中空部270内を伝搬するプローブ光Pの減衰を抑制できる。これにより、全反射部材として光学部材26を通過するプローブ光の減衰を抑制し、生体Sによるプローブ光の減衰を正確に取得することで血糖値の測定精度を確保することができる。
また、本実施形態では、全反射部材260を、シリコンを材料として構成している。これにより、ゲルマニウム等を材料として全反射部材260を構成した場合に比較して、光学部材26のコストを低減させ、血糖値測定装置100の装置コストを低減させることができる。但し、シリコン材料に限定されるものではなく、プローブ光Pに対して透過性を有する材料であれば、他の材料により全反射部材260を構成してもよい。
また、本実施形態では、中空部270における第1全反射面262と対向する部分に、第1全反射面262へのプローブ光Pの入射角度θ0と同じ角度で第1全反射面262に対して傾斜する傾斜面271及び272を設けている。また第2全反射面263に対向する部分に、第2全反射面263へのプローブ光Pの入射角度θ0と同じ角度で第2全反射面263に対して傾斜する傾斜面273及び274を設けている。換言すると、傾斜面271は第1全反射面262に対して臨界角θC以上の角度で傾斜し、傾斜面272は第2全反射面263に対して臨界角θC以上の角度で傾斜している。
このようにすることで、光学部材26の内部を伝搬するプローブ光Pを傾斜面271~274のそれぞれに垂直に入射させることができる。これにより、傾斜面271~274でのプローブ光Pの反射が抑制され、光学部材26の内部でプローブ光Pのうちの全反射される光以外のノイズ光が減少するため、プローブ光の利用効率を向上させることができる。そして、生体Sによるプローブ光の減衰を正確に取得して血糖値の測定精度を確保することができる。
傾斜面271~274のそれぞれには、プローブ光Pの反射を防止する反射防止膜を設けると、上記のノイズ光をより減少させることできるため、さらに好適である。
なお、本実施形態では、第1光学ブロック260aと第2光学ブロック260bの2つの光学ブロックで挟まれた空隙部分により中空部270を形成する例を示したが、これに限定されるものではない。中空部270を形成する2つの光学ブロックの一部が繋がっていてもよいし、1つの光学ブロックの内部に形成した空隙部分により中空部270を構成してもよい。
<光学部材26の各種変形例>
ここで、光学部材26は、図15に示したものに限定されるものではなく各種変形が可能である。
図17は、第1変形例に係る光学部材36の構成を説明する図である。図17に示すように、光学部材36は、全反射部材360と、中空部370とを備えている。また全反射部材360は第1光学ブロック360aと、第2光学ブロック360bとを含んで構成されている。中空部370は、第1光学ブロック360aと第2光学ブロック360bとの間に設けられた空隙である。図17における太い実線で挟まれた空隙部分が中空部370に該当する。
また第1光学ブロック360aは、入射面361と、第1全反射面362と、出射面364と、10個の傾斜面とを含んで構成され、第2光学ブロック360bは第2全反射面363と、6個の傾斜面とを含んで構成されている。第1光学ブロック360a及び第2光学ブロック360bのそれぞれは、シリコン材料により構成されている。
このように任意の数の傾斜面を、第1光学ブロック360a及び第2光学ブロック360bに設けることもできる。
図18は、第2変形例に係る光学部材46の構成を説明する図である。図18に示すように、光学部材46は、全反射部材460と、中空部470とを備えている。また全反射部材460は光学ブロック460aと、ミラー460bとを含んで構成されている。中空部470は光学ブロック460aとミラー460bとの間に設けられた空隙である。図18における太い実線で挟まれた空隙部分が中空部470に該当する。ここで、ミラー460bは反射部材の一例である。
また光学ブロック460aは、入射面461と、全反射面462と、出射面463と、2個の傾斜面とを含んで構成されている。光学ブロック460aは、シリコン材料により構成されている。
このように、2つの光学ブロックを対向させて配置するだけでなく、一方をミラーとした全反射部材460を用いて光学部材46を構成することもできる。但しこの場合は、ミラー460b側では全反射による界は形成されないため、血糖値測定は、光学ブロック460aの全反射面462に接触された生体Sに対して行われる。
図19は、第3変形例に係る光学部材56の構成を説明する図である。図19に示すように、光学部材56は、全反射部材560と、中空部570とを備えている。また全反射部材560は、第1光学ブロック560aと、第2光学ブロック560bと、第3光学ブロック560cとを含んで構成されている。中空部570は、第1光学ブロック560a、第2光学ブロック560b及び第3光学ブロック560cの間に設けられた空隙である。図19における太い実線で挟まれた空隙部分が中空部570に該当する。
また第1光学ブロック560aは、入射面561と、第1全反射面562とを含み、第2光学ブロック560bは、第2全反射面563と、出射面564とを含み、第3光学ブロック560cは、第3全反射面565を含んで構成されている。第1光学ブロック560a、第2光学ブロック560b及び第3光学ブロック560cのそれぞれは、シリコン材料により構成されている。ここで、第1光学ブロック560a、第2光学ブロック560b及び第3光学ブロック560cは複数の板状部材の一例である。
このように、2つの光学ブロックを対向させて配置するだけでなく、3つ、或いはそれ以上の個数の光学ブロックを組み合わせた全反射部材560を用いて光学部材56を構成することもできる。
以上に示した光学部材36、46及び56のそれぞれは、図1におけるATRプリズム16の位置にATRプリズム16に代えて配置され、入射されるプローブ光を生体Sに接触した状態で全反射させる全反射部材として機能する。
<本実施形態に係る光学部材の製法例>
ここで、本実施形態に係る光学部材の製法について説明する。
図20は、光学部材66の製法の一例を説明する図であり、(a)は光学部材66の構成を示す図である。また、図20(b)~(e)は製作過程における光学部材66を示す図であり、(b)は第2光学ブロック660bを示す図、(c)は接合前の第1光学ブロック660aと第2光学ブロック660bを示す図、(d)は接合後の第1光学ブロック660aと第2光学ブロック660bを示す図、(e)は光学部材66におけるプローブ光Pの伝搬の様子を示す図である。
光学部材66の製作では、まず、シリコンウエハに異方性エッチングで溝部を形成し、所定のサイズのブロックを切り出すことで、図20(b)に示すように第2光学ブロック660bを製作する。同様に、シリコンウエハに異方性エッチングで溝部を形成し、所定のサイズのブロックを切り出すことで、第1光学ブロック660aを製作する。そして、図20(c)、(d)に示すように、第1光学ブロック660aと第2光学ブロック660bのそれぞれの端部を利用して位置合わせして、両者を貼り合わせる。このようにして、光学部材66を製作できる。
但し、第1光学ブロック660a及び第2光学ブロック660bの製作は、異方性エッチングに限定されるものではなく、光または熱インプリントによる成型や射出成型、切削加工等の他の加工法を用いてもよい。第1光学ブロック660a及び第2光学ブロック660bを構成する材料に応じて加工法を選択すると好適である。
<第2実施形態>
第1実施形態では、光学部材26に含まれる傾斜面の表面に反射防止膜を設ける例を示したが、このような構成に限定されるものではない。反射防止膜を設ける代わりに、或いは反射防止膜を設けることに加えて、プローブ光Pの偏光状態をP偏光にして、光学部材26の入射面261、出射面264、及び傾斜面271~274のそれぞれに入射させてもよい。これにより、プローブ光Pに偏光状態がS偏光の成分が含まれる場合と比較して、入射面261、出射面264、及び傾斜面271~274のそれぞれでのプローブ光Pの反射を低減させることができる。
また、偏光状態がP偏光のプローブ光Pを、入射面261、出射面264、及び傾斜面271~274のそれぞれにブリュースター角に対応する角度で入射させるとさらに好適である。ここで、ブリュースター角とは、屈折率の異なる物質の界面においてP偏光の反射率が0となる入射角をいう。また、ブリュースター角に対応する角度とは、ブリュースター角に一致する角度、またはブリュースター角に対して一般に加工誤差や製造誤差として許容される程度の差異がある角度をいう。
図21は、プローブ光Pが入射面261にブリュースター角φで入射する様子を説明する図である。入射面261にブリュースター角φで入射すると、プローブ光PのP偏光成分PPは反射せずに全て第1光学ブロック260a内に入射し、S偏光成分PSのみが反射される。従って偏光素子等を用いて偏光状態がP偏光のみのプローブ光Pを生成し、ブリュースター角に対応する角度で入射面261に入射させることで、反射を限りなくゼロにすることができる。
これにより、光学部材26の内部でプローブ光Pのうちの全反射される光以外のノイズ光が減少するため、プローブ光の利用効率を向上させることができる。そして、生体Sによるプローブ光の減衰を正確に取得して血糖値の測定精度を確保することができる。
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
実施形態では、吸光度取得部21、血糖値取得部22、駆動制御部23等の機能を1つの処理部2が実現する例を示したが、これに限定されるものではない。これらの機能を別々の処理部により実現してもよいし、吸光度取得部21及び血糖値取得部22の機能を複数の処理部に分散させて実現してもよい。また、処理部の機能や、データ収録部216等の記憶装置の機能をクラウドサーバ等の外部装置が実現する構成にすることも可能である。
また、実施形態では、複数の光源としての第1光源111、第2光源112及び第3光源113を備え、それぞれが中赤外領域で異なる波長の光を射出する例を示したが、これに限定されるものではない。1つの光源が複数の波長の光を射出してもよい。
また、光源として量子カスケードレーザの例を示したが、これに限定されるものではなく、赤外線ランプや、LED(Light Emitting Diode)、SLD(Super Luminescent Ddiode)等のレーザ以外の光源を用いることもできる。この場合には、適宜、所望の波長のみを取り出す波長フィルタを介してプローブ光をATRプリズム16等の全反射部材に入射させると好適である。或いは、光検出器17が波長フィルタを介してプローブ光を受光すると好適である。
また、実施形態では、生体情報として血糖値を測定する例を示したが、これに限定されるものではなく、ATR法に基づいて測定できれば、他の生体情報の測定に実施形態を適用することもできる。
また、光源で射出された後や中空光ファイバから出射された後に、プローブ光の一部を分岐させるビームスプリッタ等の光学素子と、分岐された一部のプローブ光強度を検出する検出素子とを設け、プローブ光強度の変動を抑制するように、光源の駆動電圧又は駆動電流をフィードバック制御する構成にしてもよい。これにより、光源の出力変動を抑え、より正確な生体情報の測定が可能になる。
また、実施形態では、複数の光源を備える例を説明したが、これに限定されるものではない。血糖値測定装置が1つの光源を備え、1つの光源から波長の異なる第1~第3プローブ光を射出させて測定する場合にも実施形態を適用できる。その場合は、第1~第3プローブ光のATRプリズム16への入射を切り替える必要はないため、血糖値測定装置は第1シャッタ121、第2シャッタ122、第3シャッタ123、第1ハーフミラー131及び第2ハーフミラー132を備えなくてもよい。
また、血糖値測定装置が1つの光源を備え、1つの光源から1つの波長のプローブ光を射出させて測定する場合にも実施形態を適用可能である。
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。