JP7447828B2 - ワークの切断方法 - Google Patents
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Description
このようなワイヤソーにおいて、例えば遊離砥粒方式のものでは、加工液として、砥粒を含んだスラリが用いられる。この砥粒が高速駆動するワイヤにより加工部へ運搬され、研磨作用によりワークが削られることで、切断が行われる。
前記ワイヤに付与する張力を、該ワイヤの破断強度の50%以上60%以下の範囲とし、かつ、
前記ワイヤの波形状の平均振幅を、切断に使用する前記砥粒のメジアン径の110%以上140%以下の範囲とすることを特徴とするワークの切断方法を提供する。
まず、本発明のワークの切断方法に使用することができるワイヤソーについて、図1を参照して説明する。図1に示すように、ワイヤソー1は、主に、ワークWを切断するためのワイヤ2、ワイヤ2を巻き掛けた複数の溝付ローラ3、3’、溝付ローラ3、3’間に形成されたワイヤ列11、ワイヤ2に張力を与えるための張力付与機構4、4’、切断するワークWを保持しながらワイヤ列11に切り込み送りすることができ、なおかつ、切り込み送りした方向とは逆方向に相対的にワークWを移動させることもできるワーク送り手段5、切断時に加工液(砥粒を含むスラリ)を供給するノズル6aを有する加工液供給機構6を具備している。
振幅の平均値が上記条件を満たせば足りるが、均一な振幅を有するものであると、より確実に上記効果を得ることができるため好ましい。また、切断時にはワイヤ2に張力を付与するが、ここでいう平均振幅とは、その張力を付与する前の状態での数値を言う。
例えば、ワイヤ2としては素線径が100~180μm程度であり、波形状の平均振幅が5.7~16.6μm程度の鋼線を用意することができ、砥粒としては炭化珪素砥粒やダイヤモンド砥粒などが、一般的によく使用される。砥粒番手が#800~3000で、メジアン径が5.7±0.5~18±1μm程度のものを用意することができる。
なお、砥粒径は、例えばレーザー回折・散乱法で測定可能である。
そして、張力付与機構4、4’により、ワイヤ2へ付与する張力を調整する。このとき、波形状を有するワイヤ2の付与張力をワイヤ2の破断強度の50%以上60%以下の範囲とする。このように、ワイヤ2の張力を破断強度の50%以上とすることで、切断中のワイヤ2のブレを抑制できるので、切断の軌跡が安定し、切り出されたウェーハの形状精度が向上する。また、ワイヤ2の張力を破断強度の60%以下とすることで、切断中にワイヤ2が断線するリスクを抑制することができる。
なお、ワイヤの破断強度は、例えば金属材料引張試験(JIS Z 2241)に基づき、ワイヤの引張試験において破断した時の力(N/cm2)とすることができる。
そして、ワーク送り手段5によって、ワイヤ列11に対してワークWを切り込み送りすることにより、ワークWを軸方向に並ぶ複数の箇所で同時に切断する。
切断終了後、ワークWを切り込み送りした方向とは逆方向に相対的に移動させることによって、切断後のワークWをワイヤ列11から引き抜く。
(実施例、比較例)
図1に示すワイヤソー1を用い、切断対象のワーク、ワイヤ、加工液(砥粒を含むスラリ)に関して表1に示す条件でワークの切断を行った。
具体的には、切断するワークとしては、直径約300mmの円柱状のシリコン単結晶インゴットを用いた。
また、加工液としては、メジアン径が8μmである砥粒(材質:SiC)を含むスラリを用いた。
切断用のワイヤ(鋼線)としては、素線径が130μmである直線形状のワイヤと、素線径が130μmであり、波形状の平均振幅が8.0μm、8.8μm、11.2μm、12μmである4種類の周期的な波形状を有するワイヤを用いた。上記のように砥粒のメジアン径が8μmであるため、該メジアン径に対するワイヤの波形状の平均振幅の割合(割合A)は100%、110%、140%、150%であった。
切断時のワイヤの張力は23N/cm2、25N/cm2、30N/cm2、33N/cm2の4段階で変化させた。すなわち、ワイヤの破断強度(約50N/cm2)に対する付与張力の割合(割合B)は45%、50%、60%、65%であった。
なお、波形状を有するワイヤを用い、砥粒のメジアン径に対するワイヤの波形状の平均振幅の割合が110%か140%のどちらか、かつ、ワイヤの破断強度に対する付与張力の割合が50%か60%のどちらか、の場合が本発明の切断方法による実施例である。それ以外の条件の場合が比較例である。
以上のような条件でワークの切断を行い、切り出された複数のウェーハのWarpを測定し、切断条件ごとに平均Warpの値を算出して、直線形状のワイヤについては表2、波形状を有するワイヤについては表3に示す。
また、波形状の平均振幅が8.0μm(割合A:100%)では、切断加工に最も寄与するとされているメジアン径の砥粒を運搬しにくいせいか切断効率が悪く、他と比べて切断に時間を要し、また形状精度も良くなかった。また、12.0μm(割合A:150%)の場合、ワイヤの波形状が大きく、その谷部分に補足されて運搬される砥粒の最大径が安定しないせいか、形状精度も良くなかった。
ところで本発明の有効性はワーク送り速度が0.20mm/min以下の場合に限定されるものではなく、それより速いワーク送り速度の場合においても切断を試したところ、同様に高品質のスライスウェーハを得ることができた。
4、4’…張力付与機構、 5…ワーク送り手段、 6…加工液供給機構、
6a…ノズル、 7、7’…ワイヤリール、 8、8’…トラバーサ、
9、9’…定トルクモータ、 10…駆動用モータ、 11…ワイヤ列、
W…ワーク。
Claims (2)
- 波形状を有するワイヤを複数の溝付ローラに巻掛けることによってワイヤ列を形成し、該ワイヤ列に砥粒を含むスラリを供給しつつ、前記ワイヤに張力を付与して軸方向に往復走行させ、前記ワイヤ列に対してワークを切り込み送りすることによって、前記ワークを軸方向に並ぶ複数の箇所で同時に切断するワイヤソーによるワークの切断方法であって、
前記ワイヤに付与する張力を、該ワイヤの破断強度の50%以上60%以下の範囲とし、かつ、
前記ワイヤの波形状の平均振幅を、切断に使用する前記砥粒のメジアン径の110%以上140%以下の範囲とし、
前記ワークの送り速度を0.20mm/min以下とすることを特徴とするワークの切断方法。 - 前記切断するワークをシリコン単結晶インゴットとすることを特徴とする請求項1に記載のワークの切断方法。
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