JP7448743B2 - 光硬化性人工爪組成物 - Google Patents
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この光硬化性人工爪組成物には、例えばウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとアクリル系モノマー等を含むジェル状の組成物を、爪の表面に塗布した後、紫外線を照射して硬化させるものがあるが、有機溶剤を乾燥させるよりも短い時間の照射で塗膜が完成することや、有機溶剤を使用せず安全性により優れていること、ラジカル重合反応により、組成物中の高分子が架橋され、強力な塗膜を形成すること、その結果爪からの脱落・剥離が少ないこと等から、爪専門のサロン等においても、多用されている。
(但し、本発明の組成物に、「粘着付与剤」等を含有させることを否定するものではない。)
下記の(A)乃至(D)の成分を含有する光硬化性人工爪組成物であって、(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの1分子内のウレタン結合基数が、少なくとも10以上であることを特徴とする、光硬化性人工爪組成物。
(A)重量平均分子量が10,000以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
(B)(メタ)アクリル系モノマー
(C)不飽和基を有するシランカップリング剤
(D)光重合開始剤
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのポリオール成分が、ポリエーテル系のものであることを特徴とする、第一の発明に記載の光硬化性人工爪組成物。
光硬化性の人工爪のベース層として用いるものであることを特徴とする、第一の発明又は第二の発明に記載の光硬化性人工爪組成物。
本発明の光硬化性人工爪組成物は、下記の(A)乃至(D)の成分を含有する光硬化性人工爪組成物であって、(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの1分子内のウレタン結合基数が、少なくとも10以上であることを特徴とするものである。
(B)(メタ)アクリル系モノマー
(C)不飽和基を有するシランカップリング剤
(D)光重合開始剤
(本発明に用いられる(A)成分)
本発明に用いられる(A)成分である「ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー」は、「光硬化性人工爪組成物」に光硬化性、及び塗膜の硬度、耐久性、柔軟性、爪への密着性等を付与するために必要な成分である。
「ウレタンオリゴマー」とは、
a)ポリオール(ポリエーテル系,ポリエステル系,ポリカーボネート系,脂肪族系)、
b)ジイソシネナートあるいは多官能イソシアネート、
c)硬化剤(鎖延長剤・架橋剤)
等の反応によって合成されるものである。
本発明の(A)成分であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、10,000以上である必要があり、好ましくは12,000以上、より好ましくは13,000以上、更に好ましくは15,000以上である。
2)ポリオールが複数重合した「ポリマーグリコール」と「ジイソシアネート」が、が交互に重合している「ウレタン連鎖ポリオール」
3)「ポリマーグリコール」、「ジイソシアネート」に加えて鎖延長剤の「低分子グリコール」との重付加反応で得られるマルチブロック共重合体である、「セグメンティドポリウレタン」
本発明に用いられる(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの1分子内のウレタン結合基数は、少なくとも10以上であることが必要である。
ウレタン結合基数が10未満の場合、耐久性に劣るからである。
尚、ウレタン結合基数が12以上の場合、耐久性に加えて、硬化性や硬度においても、より優れた光硬化性人工爪組成物が得られる点で好ましい。
尚、ウレタン結合基数とは、アミンの窒素とカルボニル基の炭素の間に共有結合が形成されている「-NHCOO-」部分の数を言い、「ウレタン結合数」とも言う。
(ii)イソシアネート成分が芳香族系のものである場合、1分子中のウレタン結合基数は少なくとも12以上が好ましく、より好ましくは16以上、更に好ましくは18以上である。
(iii)イソシアネート成分が脂環式系のものである場合、1分子中のウレタン結合基数は少なくとも18以上が好ましく、より好ましくは20以上、更に好ましくは22以上である。
(A)成分のウレタン結合基数は、本発明の光硬化性人工爪組成物に用いる(A)成分全体の分子量を決定した後、(A)成分の原料となるポリオール及びイソシアネートの分子量を、適宜選択すること等によって、調整することができる。
本発明の(A)成分を製造する際に用いられるポリオールとしては、例えばポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート等、通常ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造に用いられるものが挙げられるが、中でもポリエーテルが、爪への初期密着性、硬度、耐久性等のバランスに優れている点で好ましい。
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)
ポリプロピレングリコール(PPG)
ポリエチレングリコール(PEG)
ポリカプロラクトンジオール(PCL)
低分子量ジオールと酸成分との反応物
ポリカーボネート系ポリオールとは、例えば、カーボネートとジオールとの反応生成物であるポリカーボネートジオール(PCD)等が挙げられ、以下の原材料から生成されるもの等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の(A)成分を製造する際に用いられるイソシアネートには、芳香族系化合物、脂肪族系化合物、脂環式化合物等、通常ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造に用いられるものが挙げられるが、中でも密着性に特に優れる芳香族系化合物や、柔軟性に特に優れる脂肪族系化合物が、爪への初期密着性、硬度、耐久性等の全てのバランスにおいても優れている点で好ましい。
尚、脂環式化合物には、硬さと耐黄変性が特に優れているという利点がある。
TDI:トルエンジイソシアネート
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
XDI:キシリレンジイソシアネート
NDI:ナフタレンジイソシアネート
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
TMDI:トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート
PDI:1,5-ペンタメチレンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート(別名:3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート)
H6XDI:シクロヘキサン-1,3-ジイルビスメチレンジイソシアネート
H12MDI:ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート
NBDI:ノルボルネンジイソシアネート
尚、(A)成分は、本発明の目的を阻害しない範囲で、水酸基、メチル基その他の炭化水素基等の、その他の置換基を含有していても構わない。
尚、(A)成分であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、上述した1種又は2種以上を用いることによって、それぞれが有する特質を利用して、光硬化性人工爪組成物全体の物性を更に高めることができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物における、(A)成分の含有量は、好ましくは30~70重量%、より好ましくは35~65重量%、更に好ましくは40~60重量%である。
また、本発明の目的を阻害しない範囲で、(A)成分以外の「ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー」を含有していても良い。
本発明に用いられる(B)成分とは、「(メタ)アクリル系モノマー」である。
この(B)成分は、「光硬化性人工爪組成物」に密着性、希釈によるハンドリング性を付与するために必要な成分である。
(i)アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である(メタ)アクリレート
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、又はN-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等
(i)ジ(メタ)アクリレート化合物
尚、(B)成分である(メタ)アクリル系モノマーとしては、上述した1種又は2種以上を用いることができる。
しかし、上述した通り、「単官能(メタ)アクリレートモノマー」のほうが、硬化収縮率が小さく、爪との接着界面に発生する応力も小さく、爪からより剥がれにくいため、「単官能(メタ)アクリレートモノマー」2種以上の併用が好ましい。
アリルグリシジルエーテル、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、又はα-クロルスチレン
本発明の光硬化性人工爪組成物における、(B)成分の含有量は、好ましくは20~60重量%、より好ましくは25~55重量%、更に好ましくは30~50重量%である。
本発明に用いられる(C)成分とは、「不飽和基を有するシランカップリング剤」である。
「不飽和基を有するシランカップリング剤」としては、通常、「光硬化性人工爪組成物」に使用されるもの等で良く、特に制限されるものではないが、例えば下記のようなものが挙げられる。
3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
2-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
又は2-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
等のアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を含有するシランカップリング剤
又はビニルトリメトキシシラン、
等の、ビニル基を含有するシランカップリング剤
尚、(C)成分である不飽和基を有するシランカップリング剤としては、上述した1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物における、(C)成分の含有量は、好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.7~3重量%、更に好ましくは0.9~1.5重量%である。
本発明に用いられる(D)成分「光重合開始剤」とは、爪に施与した本発明の「光硬化性人工爪組成物」に光エネルギーを照射した際に、組成物を硬化させることができる物質を言い、通常「光硬化性人工爪組成物」に用いられているものを使用することができる。
具体的には、下記のようなものが挙げられるが、特に制限されるものではない。
2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、
p-ジメチルアミノプロピオフェノン、
シクロロアセトフェノン、
2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルホリノプロパン-1-オン、
又は2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン
等のアセトフェノン類、
2-クロロベンゾフェノン、
4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、
4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
又は3,3’-ジメチル-4―メトキシ-ベンゾフェノン、
等のベンゾフェノン類、
フェニルグリオキシックアシッドメチルエステル、
1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、
2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン
又は2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、
等のヒドロキシケトン類
尚、(D)成分である光重合開始剤としては、上述した1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物における、(D)成分の含有量は、好ましくは1~10重量%、より好ましくは2.5~8重量%、更に好ましくは4~6重量%である。
本発明の「光硬化性人工爪組成物」には、本発明の目的を阻害しない範囲で、光硬化性人工爪組成物等に通常用いられている、各種の添加剤その他の成分を更に含有させることができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物の製造方法は、「ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー」を含む光硬化性人工爪組成物において一般に用いられる方法で良いが、具体的には、例えば以下のような方法で製造することができる。
本発明の光硬化性人工爪組成物は、複層構造からなる人工爪の、ベース(下地)層、カラー(装飾)層、トップコート層等の各層を形成するために用いることができるが、形成する塗膜が、爪との接着性及び柔軟性に優れており、日常生活における衝撃等による剥離をも防止できるという特性を最も活かせるという観点からは、ベース(下地)層用組成物として用いることが、特に好ましい。
本発明の光硬化性人工爪組成物は、公知の光硬化性人工爪組成物と同様の方法で、手や足の爪に対して施与することができる。
UVライトの場合、UV-A領域である365nm程度のものを使用することができる。
下記の実施例又は比較例に記載の方法にて得られた「光硬化性人工爪組成物」を使用して、以下の評価を行った。
スライドガラス(松浪硝子工業製 水切放No.1 S1125)を基材とし、バーコーター#20を用いて、各組成物を塗布した後、光源LED、波長405±5nm、32Wの条件下で40秒エネルギー線照射を行い光硬化させた。
被膜と爪との密着性について、JIS K 5600 5-6に準拠(クロスカット法、5×5マス(1mm角))した方法で、初期密着性の試験を行い、以下の基準に基づいて評価を行った。
○:ごく少量のマス目に剥がれが生じた
△:ところどころマス目の剥がれが生じた
×:ほとんどのマス目に剥がれが生じた
実施例又は比較例の「光硬化性人工爪組成物」を使用して、以下の工程で爪への処理を行った。
被膜と爪との「耐久性(日常生活において生じる物理的な応力等に耐え得る性質)」について、実生活を通しての被膜の状態を、以下の基準に基づいて評価した。評価は3人の手の2本の爪(合計6本)で行い、評価結果を、表1に示した。
〇:初期状態と比し、全ての爪において、3週間後の外観に変化が確認されなかった。
△:初期状態と比し、全ての爪において、2週間後の外観に変化が確認されなかった。
×:初期状態と比し、一部の爪において、2週間後の外観に剥離、白化などの異常が確認された。
アセトンで湿らせたコットンを被膜上に載せ、その上からアルミホイルで指の第一関節全体を包み、所定時間ごとに被膜の状態を評価した。評価は2人又は3人の手の1本又は2本の爪(製品によって評価本数が異なる)で行い、評価結果は、以下の評価基準において最低評価となったものを、表1に示した。
△:15分以内に被膜が膨潤し、剥がれが生じた。
×:剥がれが生じなかった。
表1の上段に示した構造の、各種の(A)成分:ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを製造した。
表1下段に示した配合組成に基づき、(A),(B),(C),(D)の各原料を、以下の手順で混合することによって、実施例又は比較例の「光硬化性人工爪組成物」を製造した。
(D)成分である光重合開始剤が全て溶解したことを確認してから、(C)成分を仕込み、撹拌し、保存容器に収缶した。
PPG:ポリプロピレングリコール
TDI:トルエンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート(別名:3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート)
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
表1から、(A)成分であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのウレタン結合基数が6以上で、良好なオフ性は得られたものの、10に満たない比較例1及び2は、いずれも初期密着性、耐久性において、実施例に劣るものであった。
特に、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの分子量が同じ(37,000)であっても、オリゴマーに用いたポリオールの分子量が大きく、1分子中のウレタン結合基数が少ない比較例2(ウレタン結合基数:8)は、他の条件がほぼ同じでウレタン結合基数が多い実施例5(ウレタン結合基数:18)と比較して、初期密着性、耐久性において、著しく劣っていた。
上記の結果から、初期密着性、耐久性、オフ性の全てにおいてバランスの取れた、光硬化性人工爪組成物を得るためには、単に(A)成分の分子量が10,000以上であることに加えて、更に(A)成分の1分子内のウレタン結合基数を、10以上とすることが必要であるということが判明した。
Claims (3)
- 下記の(A)乃至(D)の成分を含有する光硬化性人工爪組成物であって、(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの1分子内のウレタン結合基数が、少なくとも10以上であることを特徴とする、光硬化性人工爪組成物。
(A)重量平均分子量が10,000以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
(B)(メタ)アクリル系モノマー
(C)不飽和基を有するシランカップリング剤
(D)光重合開始剤 - ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのポリオール成分が、ポリエーテル系のものであることを特徴とする、請求項1記載の光硬化性人工爪組成物。
- 光硬化性の人工爪のベース層として用いるものであることを特徴とする、請求項1又は2記載の光硬化性人工爪組成物。
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