JP7450422B2 - ヘテロファジックプロピレン重合材料粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)固体触媒成分を含む触媒の存在下、モノマーを重合して下記成分(I)を得る工程、
(2)成分(I)の存在下、モノマーを重合して下記成分(II)を得て、揮発成分、成分(I)、及び成分(II)を含む粒子を生成する工程、及び、
(3)前記粒子を不活性ガス含有流と接触させて、前記粒子から前記揮発成分を除去する工程を含む。
19.5≦T1.12・t0.17・(C/100)0.61/(d・(0.85・P)1/3)0.13≦51.4…(1)
成分(I):下記成分(I-1)、及び/又は、下記成分(I-2)
成分(I-1):プロピレン単独重合体
成分(I-2):プロピレンに由来する構造単位と、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位と、を含有する共重合体であって、該共重合体の質量に占める前記少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が15質量%未満であるプロピレン共重合体。
成分(II):プロピレンに由来する構造単位と、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位と、を含有する共重合体であって、該共重合体の質量に占める前記少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が15~80質量%であるプロピレン共重合体。
26.5≦T1.12・t0.17・(C/100)0.61/(d・(0.85・P)1/3)0.13…(2)
(乾燥の対象となるヘテロファジックプロピレン重合材料粒子)
本実施形態において乾燥の対象となるヘテロファジックプロピレン重合材料粒子は、成分(I)、少なくとも一種の成分(II)、及び、揮発成分を含む。
成分(I)は、成分(I-1)、及び/又は、成分(I-2)である。
成分(I-1)とは、プロピレンに由来する構造単位のみからなるプロピレンの単独重合体である。
成分(I-2)は、プロピレンに由来する構造単位と、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位と、を含有する共重合体である。成分(I-2)の質量に占める、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合は15質量%未満である。
成分(I-2)の質量に占める、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合は、0.01質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、12質量%以下、より好ましくは3質量%以上、10質量%以下である。一態様として、上記質量割合は、好ましくは1質量%以上、10質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上、3質量%以下である。成分(I-2)の質量に占める、プロピレンに由来する構造単位の含有量は、85質量%以上であることができ、90質量%以上であることもできる。
成分(II)は、プロピレンに由来する構造単位と、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位と、を含有する共重合体である。成分(II)の質量に占める少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合は15~80質量%である。
成分(II)の質量に占める少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合は、好ましくは20~70質量%、より好ましくは25~60質量%であり、さらに好ましくは30~50質量%であり、さらに好ましくは40~50質量%である。成分(II)の質量に占めるプロピレンに由来する構造単位の質量割合は、20質量%以上、85質量%以下であることができる。
(i)成分(I-1)と成分(II)とを含むプロピレン重合材料、
(ii)成分(I-2)と成分(II)とを含むプロピレン重合材料、及び
(iii)成分(I-1)と成分(I-2)と成分(II)とを含むプロピレン重合材料である。
揮発成分とは、上記の成分(I)及び成分(II)のモノマー、オリゴマー、並びに/又は、ヘテロファジックプロピレン重合材料の重合等の製造過程で用いられる溶媒(モノマー以外)である。
乾燥後のヘテロファジックプロピレン重合材料粒子中の揮発成分の含有量は、100質量ppm以下であることができる。
ヘテロファジックプロピレン重合材料粒子の製造方法の一例を説明する。
この方法は、工程(1)~工程(3)を含む。以下、各工程について具体的に説明する。
本実施形態に係る工程(1)は、オレフィン重合用触媒の存在下、プロピレン、及び必要に応じて添加されるα-オレフィンを含む単量体を重合し、上述した成分(I)、すなわち、成分(I-1)及び/または成分(I-2)を製造する工程である。オレフィン重合用触媒としては、チーグラー・ナッタ型触媒やメタロセン系触媒等が挙げられ、好ましくは、チーグラー・ナッタ型触媒である。チーグラー・ナッタ型触媒としては、チタン原子とマグネシウム原子とを含む固体触媒成分を含む触媒が挙げられる。前記固体触媒成分は、さらにハロゲン原子を含むことが好ましい。前記固体触媒成分は、マグネシウム化合物とチタン化合物とを接触させることにより得ることができる。前記チタン化合物は、ハロゲン化チタン化合物が好ましい。
固体触媒成分の中位径は、マグネシウム化合物の粒子径を変更する等により調整できる。
また、重合体の分子量を調整するために、例えば、水素等の連鎖移動剤を用いてもよい。
工程(1)では、バルク重合の後に、さらに気相重合を行って、成分(I)を製造してもよい。
工程(1)の初期段階において、オレフィン重合用触媒に対して少量のオレフィンを接触させて成分(I-1)及び/または成分(I-2)を得る、いわゆる予備重合工程を行ってもよい。工程(1)において予備重合工程を行う場合、固体触媒成分の中位径とは、予備重合を行う前の固体触媒成分の粒径である。
本実施形態に係る工程(2)は、工程(1)で得られた成分(I)、すなわち、成分(I-1)及び/または成分(I-2)の存在下、1以上の気相重合反応装置を用いて、エチレンおよび炭素原子数4以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、プロピレンとを共重合し、上述した成分(II)を製造する工程である。これにより、成分(I)、成分(II)、及び、揮発成分を含むヘテロファジックプロピレン重合材料粒子が得られる。
気相重合反応装置には、公知の重合反応装置、例えば、特開昭58-201802号公報、特開昭590126406号公報、および特開平2-233708号公報等に記載の反応装置を用いることができる。
続いて、得られたヘテロファジックプロピレン重合材料粒子の乾燥を行う。ここでは、成分(I)、成分(II)、及び、揮発成分を含むヘテロファジックプロピレン重合材料粒子を、不活性ガス含有流と接触させて、当該粒子から揮発成分を除去する。
19.5≦T1.12・t0.17・(C/100)0.61/(d・(0.85・P)1/3)0.13≦51.4…(1)
26.5≦T1.12・t0.17・(C/100)0.61/(d・(0.85・P)1/3)0.13…(2)
乾燥工程がバッチ式で行われる場合は、接触時間tは、粒子と不活性ガス含有流とが接触している時間である。乾燥工程が連続式で行われる場合、乾燥装置へ供給される粒子の供給速度と乾燥装置から排出される粒子の排出速度は等しい。乾燥工程が連続式で行われる場合、接触時間は、下記(10)式で定義される。
接触時間t(時間)=β/α・・・(10)
α:乾燥装置から排出される粒子の排出速度(kg/時間)
β:乾燥装置内で乾燥されている粒子の全質量(kg)
中でも、粒子が下向きに移動する移動層を採用し、かつ、不活性ガス含有流を向流接触させる、すなわち、下向きの粒子の移動層に対して上向きに不活性ガス含有流を接触させることが好適である。
この乾燥装置100は、ホッパー10、及び、ガス流入管20を主として備える。ホッパー10は、下方に向かうほど内径が小さくなるコーン部10aと、コーン部10aの上に接続された筒状部10bとを有している。ガス流入管20は、コーン部10aの外と中とを連通する。
本実施形態に係る乾燥方法によれば、乾燥条件が上記の(1)式を満たしているため、揮発成分を十分に除去でき、かつ、除去後の粒子の粘着性の増加を抑制できる。
(オレフィン重合用固体触媒成分Eの合成)
撹拌機、滴下ロート、及び温度計を備えた100mLのフラスコ内を窒素で置換した。
その後、該フラスコに、トルエン36.0mL、及び四塩化チタン22.5mLを供給し、撹拌した。フラスコ内の温度を0℃とした後、同温度でマグネシウムエトキシド1.88gを30分おきに4回供給した後、0℃で1.5時間撹拌した。次いで、2-エトキシメチル-3,3-ジメチルブタン酸エチル0.60mLをフラスコ内に供給した後でフラスコ内の温度を10℃に昇温した。その後、同温度で2時間撹拌し、トルエン9.8mLを供給した。次いで、フラスコ内の温度を1.2K/分の速度で昇温し、60℃の時点でフラスコ内に2-エトキシメチル-3,3-ジメチルブタン酸エチル3.15mLを供給し、110℃まで昇温した。同温度で3時間、フラスコ内に供給した成分を撹拌した。得られた混合物を固液分離して固体を得た。該固体を100℃にてトルエン56.3mLで3回洗浄した。
(1-1a)予備重合
撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水および脱気処理したn-ヘキサン、トリエチルアルミニウム(以下、「TEA」と記載する。)20ミリモル/L、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン1.0ミリモル/Lを収容させた。その中に上述のようにして製造した固体触媒成分E 8g/Lを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン8g/Lを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った。TEA、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン、固体触媒成分Eおよびプロピレンの量は、それぞれ、n-ヘキサン1Lあたりの量である。その後、予備重合スラリーを攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、液状ブタンを加えて、0.055g/Lの予備重合触媒成分のスラリーとした。
スラリー重合リアクターと、多段気相重合リアクターと、2つの流動層型リアクターとが全て直列に接続された装置において、下記重合工程Iおよび下記重合工程IIにおいて成分(I-1)を製造し、生成ポリマーを失活することなく下流のリアクターに移送し、下記重合工程III-1および下記重合工程III-2においてエチレン-プロピレン共重合体である成分(II)を製造した。
攪拌機付きSUS304製ベッセルタイプのスラリー重合リアクターを用いて、プロピレン単独重合を行った。すなわち、プロピレン、水素、TEA、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランおよび(1-1a)で製造した予備重合触媒成分のスラリーをスラリー重合リアクターに連続的に供給し、重合反応を行い、ポリプロピレン粒子及び液状プロピレンを含むスラリーを得た。反応条件は以下の通りとした。
攪拌速度:150rpm、
プロピレン供給量に対する水素供給量:2.0NL/kg、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対するTEAの供給量:5790ppm、 重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対するtert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランの供給量:177ppm、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対する予備重合触媒成分のスラリー中の固体触媒成分の供給量:0.00061g/g、
重合圧力:2.70MPa(ゲージ圧)。
鉛直方向に6段の反応領域を有し、その内最上段が流動層であり、残りの5段が噴流層である多段気相重合リアクターを準備した。
重合圧力:2.00MPa(ゲージ圧)
重合圧力:1.96MPa(ゲージ圧)
重合温度:70℃、
重合圧力:1.92MPa(ゲージ圧)
ここで、[η]Tはヘテロファジックプロピレン重合材料全体の極限粘度、(C’2)Tはヘテロファジックプロピレン重合材料全体におけるエチレン単位含有量(質量%)、[η]Iは成分(I-1)または成分(I-2)の極限粘度、[η]IIは成分(II)の極限粘度、(C’2)I-2は成分(I-2)におけるエチレン単位含有量(質量%)、(C’2)IIは成分(II)におけるエチレン単位含有量(質量%)である。
ヘテロファジックプロピレン重合材料粒子Aの平均粒子径は、HELOSのレーザ回折式乾式粒度分布測定装置を用い、体積基準の粒度分布のD50を平均粒子径とした。
C=100×{1-(ΔHf)T/(ΔHf)P}
(ΔHf)T:ヘテロファジックプロピレン重合材料全体の融解熱量(J/g)
(ΔHf)P:成分(I-1)または成分(I-2)の融解熱量(J/g)
所定の濃度となるように重合体を1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン溶媒に溶解させ、3種類の試料を調製した。それぞれの試料の重合体濃度は、0.1g/dl、0.2g/dlおよび0.5g/dlとした。温度135℃の条件下、これらの試料の還元粘度をウベローデ型粘度計を用いて測定した。「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年、共立出版会社刊)の第491頁に記載の計算法に従い、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿することによって極限粘度を求めた。
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店刊)の第619頁に記載のIRスペクトル測定に準拠し、IRスペクトル法によってエチレン単位含有量を求めた。なお、ここでいう「エチレン単位」とはエチレンに由来する構造単位を意味する。
[η]II={100[η]T-[η]I(100-C)}/C
(C’2)II={100(C’2)T-(C’2)I-2・(100-C)}/C
なお、ヘテロファジックプロピレン重合材料が成分(I-2)を含まない場合は、(C’2)I-2が0であるとして計算する。
ISO13320:2009に従い、レーザ回折・散乱法により固体触媒成分の中位径を分析した。測定装置としてレーザ回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製「マスターサイザー3000」)を用い、屈折率はトルエンを1.49、固体触媒成分を1.53-0.1iとした。アルミナ等で予め水分除去しておいたトルエン溶媒を、開口部を窒素シールした分散装置(ハイドロMV)に投入して測定セルを含めた循環系内部を溶媒で満たした。撹拌速度は2,000rpmに設定し、かつ超音波分散処理せずに測定セル内の溶媒を循環させながら散乱強度3~10%となるように粉末試料を投入して粒度を測定した。得られた粒度体積基準分布図(チャート)より中位径(D50)を求めた。試料は大気および水分と接触しないように取扱い、前処理は実施しなかった。
(1-1a)予備重合
撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水および脱気処理したn-ヘキサン、TEA20ミリモル/L、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン2.0ミリモル/Lを収容させた。その中に、ヘテロファジックプロピレン重合材料粒子Aの製造に用いたものと同じ固体触媒成分E 5g/Lを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン26g/Lを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った。その後、予備重合スラリーを攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、液状ブタンを加えて、0.028g/Lの予備重合触媒成分のスラリーとした。
スラリー重合リアクターと、多段気相重合リアクターと、2つの流動層型リアクターとが全てを直列に接続された装置において、下記重合工程Iおよび下記重合工程IIにおいて成分(I-1)を製造し、生成ポリマーを失活することなく下流のリアクターに移送し、下記重合工程III-1および下記重合工程III-2においてエチレン-プロピレン共重合体である成分(II)を製造した。
攪拌機付きSUS304製ベッセルタイプのスラリー重合リアクターを用いて、プロピレン単独重合を行った。すなわち、プロピレン、水素、TEA、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランおよび(1-1a)で製造した予備重合触媒成分のスラリーをスラリー重合リアクターに連続的に供給し、重合反応を行い、ポリプロピレン粒子及び液状プロピレンを含むスラリーを得た。反応条件は以下の通りとした。
攪拌速度:150rpm、
プロピレン供給量に対する水素供給量:2.8NL/kg、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対するTEAの供給量:8260ppm、 重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対するtert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランの供給量:2680ppm、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対する予備重合触媒成分のスラリーの供給量(重合触媒成分換算):0.00070g/g、
重合圧力:2.68MPa(ゲージ圧)。
鉛直方向に6段の反応領域を有し、その内最上段が流動層であり、残りの5段が噴流層である多段気相重合リアクターを準備した。
重合圧力:2.00MPa(ゲージ圧)
重合圧力:1.97MPa(ゲージ圧)
重合温度:70℃、
重合圧力:1.93MPa(ゲージ圧)
(オレフィン重合用固体の合成)
内容積200Lの攪拌機付きのSUS製反応容器を窒素で置換した後、ヘキサン80L、テトラブトキシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モルおよびテトラブトキシシラン98.9モルを供給し均一溶液とした。次に濃度2.1モル/Lのブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51Lを反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後室温でさらに1時間攪拌した後、室温で固液分離し、トルエン70Lで3回洗浄を繰り返した。次いで、スラリー濃度が0.6kg/Lになるようにトルエンを抜き出した後、n-ブチルエーテル8.9モルと四塩化チタン274モルの混合液を加えた後、更にフタル酸クロライドを20.8モル加え110℃で3時間反応を行った。反応終了後、95℃のトルエンで2回洗浄を行った。次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、フタル酸ジイソブチル3.13モル、n-ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離した後、95℃のトルエン90Lで2回洗浄を行った。次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、n-ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行った。次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、n-ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行った後、更にヘキサン90Lで3回洗浄した後、減圧乾燥して固体触媒成分F 11.0kgを得た。固体触媒成分Fは、チタン原子1.89質量%、マグネシウム原子20質量%、フタル酸エステル8.6質量%、エトキシ基0.05質量%、ブトキシ基0.21質量%を含有した微紛のない良好な粒子性状を有していた。この固体触媒成分Fのレーザ回折・散乱法による中位径は29.0μmであった。
(1-1a)予備重合
撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水および脱気処理した液状ブタン、TEA25ミリモル/L、tert-ブチルノルマルプロピルジメトキシシラン3.3ミリモル/Lを収容させた。その中に固体触媒成分F 15g/Lを添加し、オートクレーブ内の温度を約25℃に保ちながらプロピレン53g/Lを約10分かけて連続的に供給して予備重合を行った。その後、予備重合スラリーを攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、液状ブタンを加えて、3.8g/Lの予備重合触媒成分のスラリーとした。
スラリー重合リアクターと、流動層型リアクターとが直列に接続された装置において、下記重合工程I、下記重合工程II-1および下記重合工程II-2において成分(I-1)を製造し、生成ポリマーを失活することなく下流のリアクターに移送し、下記重合工程IIIにおいてエチレン-プロピレン共重合体である成分(II)を製造した。
SUS304製ループタイプのスラリー重合リアクターを用いて、プロピレン単独重合を行った。すなわち、プロピレン、水素、TEA、tert-ブチルノルマルプロピルジメトキシシランおよび(1-1a)で製造した予備重合触媒成分のスラリーをスラリー重合リアクターに連続的に供給し、重合反応を行い、ポリプロピレン粒子及び液状プロピレンを含むスラリーを得た。反応条件は以下の通りとした。
プロピレン供給量に対する水素供給量:4.2NL/kg、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対するTEAの供給量:330ppm、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対するtert-ブチルノルマルプロピルジメトキシシランの供給量:90ppm、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対する予備重合触媒成分のスラリーの供給量(重合触媒成分換算):0.00007g/g、
重合圧力:4.50MPa(ゲージ圧)。
前記スラリー重合リアクターから流動層型リアクターに、ポリプロピレン粒子および液状プロピレンを含むスラリーを失活させることなく連続供給した。
重合圧力:2.10MPa(ゲージ圧)
重合工程II-1の流動層型リアクターから排出されるポリプロピレン粒子を重合工程II-2の流動層型リアクターに連続的に供給した。
重合圧力:1.70MPa(ゲージ圧)
重合工程II-2の流動層型リアクターから排出されるポリプロピレン粒子をさらに下流の流動層型リアクターに連続的に供給した。
重合温度:70℃、
重合圧力:1.35MPa(ゲージ圧)
(1-1a)予備重合
撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水および脱気処理したn-ヘキサン、TEA30ミリモル/L、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン3.0ミリモル/Lを収容させた。その中に、固体触媒成分Eと同様にして合成した固体触媒成分Hの12g/Lを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン12g/Lを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った。その後、予備重合スラリーを攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、液状ブタンを加えて、0.094g/Lの予備重合触媒成分のスラリーとした。
スラリー重合リアクターと、多段気相重合リアクターと、1つの流動層型リアクターとが全てを直列に接続された装置において、下記重合工程Iおよび下記重合工程IIにおいて成分(I-1)を製造し、生成ポリマーを失活することなく下流のリアクターに移送し、下記重合工程IIIにおいてエチレン-プロピレン共重合体である成分(II)を製造した。
攪拌機付きSUS304製ベッセルタイプのスラリー重合リアクターを用いて、プロピレン単独重合を行った。すなわち、プロピレン、水素、TEA、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランおよび(1-1a)で製造した予備重合触媒成分のスラリーをスラリー重合リアクターに連続的に供給し、重合反応を行い、ポリプロピレン粒子及び液状プロピレンを含むスラリーを得た。反応条件は以下の通りとした。
攪拌速度:150rpm、
プロピレン供給量に対する水素供給量:2.8NL/kg、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対するTEAの供給量:5336ppm、 重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対するtert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランの供給量:1835ppm、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対する予備重合触媒成分のスラリーの供給量(重合触媒成分換算):0.00134g/g、
重合圧力:3.50MPa(ゲージ圧)。
鉛直方向に6段の反応領域を有し、その内最上段が流動層であり、残りの5段が噴流層である多段気相重合リアクターを準備した。
重合圧力:1.80MPa(ゲージ圧)
前記多段気相重合リアクターから排出されるポリプロピレン粒子を流動層型リアクター(1)に連続的に供給した。重合工程IIIの流動層型リアクター(1)は鉛直方向に1つの流動層の反応領域を有しており、前記多段気相重合リアクターから流動層型リアクター(1)へのポリプロピレン粒子の移送手段は、上記のダブル弁方式で行った。
重合圧力:1.75MPa(ゲージ圧)
(1-1a)予備重合
撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水および脱気処理したn-ヘキサン、TEA20ミリモル/L、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン2.0ミリモル/Lを収容させた。その中に、固体触媒成分Eと同様にして合成した固体触媒成分Iの7g/Lを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン7g/Lを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った。その後、予備重合スラリーを攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、液状ブタンを加えて、0.060g/Lの予備重合触媒成分のスラリーとした。
スラリー重合リアクターと、多段気相重合リアクターと、1つの流動層型リアクターとが全てを直列に接続された装置において、下記重合工程Iおよび下記重合工程IIにおいて成分(I-2)を製造し、生成ポリマーを失活することなく下流のリアクターに移送し、下記重合工程IIIにおいてエチレン-プロピレン共重合体である成分(II)を製造した。
攪拌機付きSUS304製ベッセルタイプのスラリー重合リアクターを用いて、エチレンープロピレン共重合を行った。すなわち、プロピレン、エチレン、水素、TEA、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランおよび(1-1a)で製造した予備重合触媒成分のスラリーをスラリー重合リアクターに連続的に供給し、重合反応を行い、ポリプロピレン粒子及び液状プロピレンを含むスラリーを得た。反応条件は以下の通りとした。
攪拌速度:150rpm、
プロピレン供給量に対するエチレン供給量:0.0015kg/kg
プロピレン供給量に対する水素供給量:1.5NL/kg、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対するTEAの供給量:6610ppm、重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対するtert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランの供給量:2250ppm、
重合工程Iにおけるポリプロピレン生産量に対する予備重合触媒成分のスラリーの供給量(重合触媒成分換算):0.0006
8g/g、
重合圧力:3.83MPa(ゲージ圧)。
鉛直方向に6段の反応領域を有し、その内最上段が流動層であり、残りの5段が噴流層である多段気相重合リアクターを準備した。
重合圧力:1.80MPa(ゲージ圧)
重合圧力:1.50MPa(ゲージ圧)
(実施例1)
図2に示す粒子の乾燥装置200を用意した。乾燥装置200は、底面210bを有する筒状の容器210、容器210の内部に底面210bと対向して設けられた多孔質の分散板230、容器210の上部開口を覆うフタ220、容器210の周面に設けられたオイルバス240を有する。容器210の底面210bの開口210aにはガス供給用のラインL210が接続され、フタ220の開口220bにはガス排出用のラインL220が接続されている。容器210の容量は2Lであり、80gのヘテロファジックプロピレン重合材料を貯蔵することができる。
その後、90℃に加熱した窒素をラインL210及び開口210aを介して容器210内に0.1Nm3/hの流量で2時間通気させ、粒子から揮発成分を除去し、粒子を乾燥させた。
粒子と窒素ガスとの接触時間を3時間とする以外は実施例1と同様とした。
窒素ガス及び粒子の温度を100℃とする以外は実施例1と同様とした。
窒素ガス及び粒子の温度を70℃とする以外は実施例1と同様とした。
粒子と窒素ガスとの接触時間を3.5時間とする以外は実施例4と同様とした。
粒子と窒素ガスの温度を80℃とする以外は実施例2と同様とした。
粒子Aに代えて粒子Bを用いること、及び、窒素ガス及び粒子の温度を80℃とする以外は実施例1と同様とした。
粒子と窒素ガスとの接触時間を3時間とする以外は実施例7と同様とした。
粒子と窒素ガスとの接触時間を1時間とする以外は実施例4と同様とした。
粒子Aに代えて粒子Dを用いること、及び、窒素ガス及び粒子の温度を65℃とする以外は実施例1と同様とした。
粒子と窒素ガスとの接触時間を3時間とする以外は実施例10と同様とした。
粒子Dに代えて粒子Gを用いること以外は実施例10と同様とした。
粒子Dに代えて粒子Gを用いること以外は実施例11と同様とした。
粒子Aに代えて粒子Cを用いること、粒子及びガスの温度を70℃とすること、及び、粒子と窒素ガスとの接触時間を0.5時間とすること以外は実施例1と同様とした。
粒子と窒素ガスとの接触時間を1時間とすること以外は比較例1と同様とした。
粒子と窒素ガスとの接触時間を3時間とすること以外は実施例3と同様とした。
乾燥前の粒子中の揮発成分の質量濃度C0、及び、乾燥後の粒子中の揮発成分の質量濃度C1をそれぞれ測定し、揮発成分除去率を以下の式で求めた。
揮発分除去率=100(1-C1/C0)
粒子をオートサンプラーで温度120℃で1時間加熱し、粒子中の揮発成分を揮発させ、オートサンプラーに接続したガスクロマトグラフィー装置にて揮発させられた成分の濃度を測定した。揮発成分は、主にヘキサン、オクタン、デカン、及びドデカンであった。
ガスクロマトグラフィー装置として、島津製作所 GC-2010AFを使用し、カラムとして DB-WAX (Agilent Technologies)を使用した。各実施例及び比較例の揮発分除去率を表2及び表3に示す。
図3に示す粘着性評価装置300を用いて、ホッパー内で、乾燥後のヘテロファジックプロピレン重合材料粒子を、各実施例及び比較例の温度T及び接触時間tで荷重条件下において静置した後の粘着性の評価を行った。130gのヘテロファジックプロピレン重合材料粒子を貯蔵させることができる、容量3Lの排出ホッパー310を用意した。ホッパー310は、下方に行くほど内径が小さくなるコーン部312と、コーン部312の上に接続された筒状部314を有する。コーン部312の下端には、粒子排出用の排出管320が設けられ、排出管320とコーン部312との間には、ゲートバルブ330が設けられている。筒状部314の上端は開放されており、内部に収容される粒子層Paに荷重をかけるべく、錘350を載せたピストン340を挿入できる。
乾燥後のヘテロファジックプロピレン重合材料粒子130gをホッパー310に供給した後、ホッパー310を恒温槽内に保管して粒子の温度を各実施例及び比較例の温度Tと同じ温度にし、各実施例及び比較例の接触時間tと同じ時間だけ静置した。静置時には、ホッパー310の粒子の上に1.5~1.8kgの総重量となるように錘350及びピストン340を載せて、粒子を圧密した。圧密時に、ゲートバルブ330にかかる圧力をJannsenの式で推算したところ、表2及び表3に示すように、約150kg/m2であった。
圧密工程後、錘350及びピストン340をホッパー310から除去し、その後、ゲートバルブ330を開けた。粒子が圧密されているので、ゲートバルブ330を開けても、通常、排出管320から粒子は排出されない。続いて、ゲートバルブ330を開けた状態を維持しつつ、総重量が100gとなるように錘350及びピストン340を粒子に載せ、粒子が排出されるか否かを確認する。1分間経過しても粒子が排出されない場合には、順次100gの錘を追加し、粒子の排出が開始されるまで、100gの錘の追加を行った。このようにして、粒子の排出を開始させるのに必要な荷重を、各実施例及び比較例について取得した。この荷重が大きいほど、粘着性が高く、閉塞トラブルを起こし易いと評価される。結果を、表2及び表3に示す。
Claims (3)
- (1)固体触媒成分を含む触媒(ただしメタロセン触媒を除く)の存在下、モノマーを重合して下記成分(I)を得る工程、
(2)成分(I)の存在下、モノマーを重合して下記成分(II)を得て、揮発成分、成分(I)、及び成分(II)を含む粒子を生成する工程、及び、
(3)前記粒子を不活性ガス含有流と接触させて、前記粒子から前記揮発成分を除去する工程を含む、ヘテロファジックプロピレン重合材料粒子の製造方法であって、
前記粒子は、成分(I)を20~70質量%含み、成分(II)を30~80質量%含み、
前記不活性ガス含有流と接触する際の前記粒子の温度をT[℃]、前記粒子と前記不活性ガス含有流との接触時間をt[h]、(1)工程の開始時点での前記固体触媒成分の中位径をd[μm]、前記固体触媒成分1gあたりの前記粒子の質量[g]をP[g/g]、及び、前記粒子中の成分(II)の含有量をC[質量%]としたときに、下記(1)式を満たす、方法。
19.5≦T1.12・t0.17・(C/100)0.61/(d・(0.85・P)1/3)0.13≦51.4…(1)
ただし、Tは60~110℃であり、tは0.5~5hである。
成分(I):下記成分(I-1)、及び/又は、下記成分(I-2)
成分(I-1):プロピレン単独重合体
成分(I-2):プロピレンに由来する構造単位と、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位と、を含有する共重合体であって、該共重合体の質量に占める前記少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が15質量%未満であるプロピレン共重合体。
成分(II):プロピレンに由来する構造単位と、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位と、を含有する共重合体であって、該共重合体の質量に占める前記少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が15~80質量%であるプロピレン共重合体。 - 前記粒子と前記不活性ガス含有流とを向流接触させる、請求項1に記載の方法。
- さらに、下記(2)式を満たす、請求項1又は2に記載の方法。
26.5≦T1.12・t0.17・(C/100)0.61/(d・(0.85・P)1/3)0.13…(2)
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