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JP7451882B2 - 搬送ローラー - Google Patents
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JP7451882B2 - 搬送ローラー - Google Patents

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Description

本発明は、搬送ローラーに関する。
従来から、フィルムの搬送を行うローラーとして、端部に軸受を設置したローラーが用いられている。しかしながら、このようなローラーによりフィルムの搬送を行った場合、ローラーの回転が、搬送されるフィルムの搬送速度の変動に追従しにくいという問題があった。
このような問題を解決するものとして、例えば特許文献1に記載の搬送ローラーが知られている。特許文献1に記載の搬送ローラーは、円筒状の軸体と、円筒状軸体を囲むように配置される円筒状殻体と、を備える。
特開2008-201561号公報
特許文献1に記載の搬送ローラーにおいては、円筒状軸体に設けた開口部から、円筒状軸体と円筒状殻体との間隙に高圧気体を送り込むことで、円筒状殻体を浮上しながら回転できるようになっており、これにより、フィルムの搬送速度の変動への追従性を良好なものとしうる。
特許文献1の搬送ローラーの円筒状軸体には、円筒状殻体の位置固定のための固定用リングが設置されており、当該固定用リングと円筒状殻体との間から、円筒状軸体と円筒状殻体との間隙を流れる気体を放出するようになっている(特許文献1の[0035])。しかしながら、円筒状軸体に固定用リングを設置することにより、当該軸体の長手方向(搬送されるフィルムの幅方向と対応する方向)における、円筒状殻体の移動が規制されるため、例えば、搬送されるフィルムが蛇行する等、フィルムがその幅方向に力を受けて変動した場合に、円筒状殻材が前記フィルムの変動に追従することが困難であり、搬送が不安定となりうる。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたものであって、搬送方向以外の方向への力を受けた場合であっても、安定した搬送を行うことができる、搬送ローラーを提供することを目的とする。
本発明者は前記の課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、搬送ローラーを、円筒状の内筒部材と、内径が内筒部材の外径よりも大きい円筒状の外筒部材とを備え、内筒部材が、外筒部材を、間隙をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する搬送ローラーにおいて、内筒部材および外筒部材の少なくとも一方の部材を、間隙側の面に設けた溝部と、間隙側の面から裏側の面に貫通する貫通孔とを有する構成とするか、内筒部材を、気体の圧力の調整が可能な3以上の領域からなる構成とすることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
〔1〕 円筒状の内筒部材と、
前記内筒部材を囲むように配置される円筒状の外筒部材と、を備える搬送ローラーであって、
前記外筒部材は、その内径が、前記内筒部材の外径よりも大きい部材であり、
前記内筒部材は、前記外筒部材を、間隙をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する部材であり、
前記内筒部材、前記外筒部材またはこれらの両方は、前記間隙側の面に設けた溝部と、当該間隙側の面から裏側の面に貫通する貫通孔と、を有する、搬送ローラー。
〔2〕 円筒状の内筒部材と、
前記内筒部材を囲むように配置される円筒状の外筒部材と、を備える搬送ローラーであって、
前記外筒部材は、その内径が、前記内筒部材の外径よりも大きい部材であり、
前記内筒部材は、前記外筒部材を、間隙をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する部材であり、
前記搬送ローラーは長尺のフィルムを搬送するローラーであり、
前記内筒部材は、前記フィルムの幅方向と対応する方向に並ぶ、3以上の領域からなり、
前記3以上の領域において、前記気体の圧力の調整が可能である、搬送ローラー。
〔3〕 前記搬送ローラーは長尺のフィルムを搬送するローラーであり、
前記内筒部材は、前記フィルムの幅方向と対応する方向に並ぶ、3以上の領域からなり、
前記3以上の領域において、前記気体の圧力の調整が可能である、〔1〕に記載の搬送ローラー。
〔4〕 前記内筒部材、前記外筒部材またはこれらの両方は、前記間隙側の面に設けた溝部と、当該間隙側の面から裏側の面に貫通する貫通孔と、を有する、〔2〕に記載の搬送ローラー。
〔5〕 前記溝部は、その長手方向に対し、斜め方向に設けられている、〔1〕、〔3〕及び〔4〕のいずれか一項に記載の搬送ローラー。
〔6〕 前記溝部は、当該溝部が設けられた部材の長手方向の中央に対して対称の形状である、〔1〕、〔3〕、〔4〕及び〔5〕のいずれか一項に記載の搬送ローラー。
〔7〕 前記内筒部材の前記3以上の領域のうち、前記フィルムの幅方向の中央に対応する領域は、他の領域よりも前記気体の圧力が低い領域である、〔2〕~〔6〕のいずれか一項に記載の搬送ローラー。
〔8〕 前記内筒部材は、多孔質材料からなる部材を含み、
前記多孔質材料からなる部材の平均孔径は10μm以下である、〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の搬送ローラー。
本発明によれば、搬送方向以外の方向への力を受ける場合であっても安定した搬送を行うことができる、搬送ローラーを提供することができる。
図1は、実施形態1に係る搬送ローラーを模式的に示す正面図である。 図2は、図1で示す状態から90°回転させた状態の搬送ローラーを模式的に示す正面図である。 図3は、図1で示す内筒部材をX1-X1線で切断して展開した状態を模式的に示す展開図である。 図4は、図1のX1-X1線における断面を模式的に示す断面図である。 図5は、図2のX2-X2線における断面を模式的に示す断面図である。 図6は、外筒部材が右側にずれた場合の、搬送ローラーを模式的に示す搬送ローラーの正面図である。 図7は、図6に示す状態の溝部における気体の流れを模式的に示す内筒部材の展開図である。 図8は、外筒部材が左側にずれた場合の、搬送ローラーを模式的に示す搬送ローラーの正面図である。 図9は、図8に示す状態の溝部における気体の流れを模式的に示す内筒部材の展開図である。 図10は、実施形態2に係る搬送ローラーを模式的に示す正面図である。 図11は、図10で示す内筒部材をX3-X3線で切断して展開した状態を模式的に示す展開図である。 図12は、実施形態3に係る搬送ローラーを模式的に示す正面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、幅に対して、5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。長尺のフィルムの長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍以下としうる。
本発明において、長尺のフィルムの幅方向とは、フィルムの搬送方向に対して垂直な方向であって、フィルムの面に平行な方向をいう。フィルムの搬送方向とは、搬送ローラーにより搬送される長尺のフィルムが搬送される方向であり、通常は長尺のフィルムの長手方向と平行である。
以下の説明において、要素の方向が「平行」及び「垂直」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±4°、好ましくは±3°、より好ましくは±1°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
以下の説明において、「斜め方向」とは、内筒部材の長手方向に平行(長手方向に対して角度0°をなす方向)でも垂直(長手方向に対して角度90°をなす方向)でもない方向を表す。
[本発明の搬送ローラーの概要]
本発明の搬送ローラーは、円筒状の内筒部材と、内筒部材を囲むように配置される円筒状の外筒部材と、を備える。本発明において、外筒部材は、その内径が、内筒部材の外径よりも大きい部材であり、内筒部材は、外筒部材を、間隙をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する部材である。本発明においては、「間隙を空けた状態」を「離隔状態」ともいう。
本発明の搬送ローラーは、内筒部材、外筒部材またはこれらの両方は、間隙側の面に設けた溝部と、当該間隙側の面から裏側の面に貫通する貫通孔と、を有する構成、搬送ローラーが長尺のフィルムを搬送するローラーであり、内筒部材は、フィルムの幅方向と対応する方向に並ぶ、3以上の領域からなり、3以上の領域において、気体の圧力の調整が可能である構成、もしくは両方の構成を備える。
[実施形態1]
以下、本発明に係る実施形態1の搬送ローラーについて、図1~9を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る搬送ローラーを模式的に示す正面図である。図2は、図1で示す状態から90°回転させた状態の搬送ローラーを模式的に示す正面図である。図3は、図1で示す内筒部材をX1-X1線で切断して展開した状態を模式的に示す展開図である。図4は、図1のX1-X1線における断面を模式的に示す断面図である。図5は、図2のX2-X2線における断面を模式的に示す断面図である。図6は、外筒部材が右側にずれた場合の、搬送ローラーを模式的に示す搬送ローラーの正面図である。図7は、図6に示す状態の溝部における気体の流れを模式的に示す内筒部材の展開図である。図8は、外筒部材が左側にずれた場合の、搬送ローラーを模式的に示す搬送ローラーの正面図である。図9は、図8に示す状態の溝部における気体の流れを模式的に示す内筒部材の展開図である。
[1.搬送ローラー]
本実施形態の搬送ローラー100は、図1及び図2に示すように、円筒状の内筒部材110と、内筒部材110を囲むように配置される円筒状の外筒部材120と、を備える。外筒部材120は、その内径が、内筒部材110の外径よりも大きい部材であり、内筒部材110は、外筒部材120を、間隙S1(図4参照)をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する部材である。
本実施形態の搬送ローラー100は、内筒部材110が、間隙S1側の面に設けた溝部111A,111B,111C,111Dと、当該間隙側の面から裏側の面に貫通する貫通孔112A,112B,112C,112Dと、を有する構成、および、搬送ローラー100が長尺のフィルムを搬送するローラーであり、内筒部材110は、フィルムの幅方向と対応する方向に並ぶ、3つの領域115L,115M,115Rからなり、3つの領域115L,115M,115Rにおいて、気体の圧力の調整が可能である構成を備える。
[内筒部材]
内筒部材110の外径は、図1及び図2に示すように、外筒部材120の内径よりも小さい。内筒部材110は、図4及び図5に示すように、外筒部材120を、間隙S1をあけた状態で保持する気体を供給する孔(「気体供給孔」ともいう)を有する。上記気体は、図6及び図8の矢線1で示すように、内筒部材110の長手方向の端部110Aから、内筒部材110内に導入されうる。
内筒部材110と外筒部材120との間の間隙S1の距離Y1は、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.10mm以上であり、好ましくは1.00mm以下、より好ましくは0.50mm以下である。間隙S1の距離Y1を、上記下限値以上とすることにより、外筒部材120と内筒部材110との接触を抑制することができる。間隙S1の距離Y1を、上記上限値以下とすることにより、溝部111A,111B,111C,111Dに気体が流れやすくなり、また空気の消費量を抑えることができる。
本実施形態において、内筒部材110は、間隙S1側の面(外側面)に設けた溝部111A,111B,111C,111Dと、当該間隙S1側の面から裏側の面(内側面)に貫通する貫通孔112A,112B,112C,112Dと、を有する(図1~図5を参照)。
溝部111A,111B,111C,111Dは、その一部または全域が、離隔状態で保持される外筒部材120により覆われることにより、当該外筒部材120により覆われている部分において、内筒部材110の外側面から噴出する気体が流れるようになっている。つまり、溝部111A,111B,111C,111Dは、離隔状態で保持される外筒部材120に覆われることにより、前記気体の流路が構成されうる。図6及び図8に示すように、流路を流れた気体は、貫通孔112A,112B,112C,112Dから外部に排出される(矢線4を参照)。貫通孔112A,112B,112C,112Dには、溝部111A,111B,111C,111Dを流れた気体を外部に排出するパイプ(図示せず)が接続されている。
本実施形態において、溝部111A,111B,111C,111Dの形状は、内筒部材110の長手方向に対して平行に伸びる直線形状である。各溝部111A,111B,111C,111Dの長手方向の中央には、貫通孔112A,112B,112C,112Dが、それぞれ設けられている。本実施形態において、各溝部111A,111B,111C,111Dの長手方向の中央は、内筒部材110の長手方向の中央110Pに対応する。各溝部111A,111B,111C,111Dの形状は、内筒部材110(溝部が設けられた部材)の長手方向の中央110Pに対して対称の形状である。このような態様とすることにより、離隔状態で保持された外筒部材120に覆われたときに、内筒部材110の長手方向の中央に対して対称の位置に、気体の流路を構成しうる。
本実施形態において、溝部111A,111B,111C,111Dは、内筒部材110の周方向において等間隔(90°ごと)に設けられている。このような態様とすることにより、離隔状態で保持された外筒部材120に覆われたときに、内筒部材110の周方向において均等に、気体の流路を構成しうる。
本実施形態において、内筒部材110は、図3に示すように、長手方向の長さが相違する2種類の溝部を有する。具体的には、溝部111A及び溝部111Cの長手方向の長さは、溝部111B及び溝部111Dの長手方向の長さよりも長い。溝部111Aと111Cとは同じ長さであり、溝部111Bと111Dとは同じ長さである。長さの長い溝部111A,111C(「長溝部」ともいう)及び、長さの短い溝部111B,111D(「短溝部」ともいう)は、図3に示すように、内筒部材110の周方向において交互に設けられている。
内筒部材110が長手方向の長さが相違する溝部を有する態様による効果について説明する。
搬送ローラーの使用に際しては、フィルムを搬送ローラーで支持して搬送する。かかる使用に際しては、通常、フィルムは、幅方向へのずれを伴わず、長手方向に沿って搬送されることが求められるが、何等かの理由で、フィルムが幅方向に不所望にずれる場合がある。外筒部材120が、かかるずれによる力を受けると、外筒部材120が内筒部材110に対して、不所望にずれた位置に配置されることがある。ここで、「外筒部材が、内筒部材に対してずれた位置に配置される」とは、外筒部材の長手方向の中央が、内筒部材の長手方向における中央と一致しない位置に配置されることをいう。
外筒部材120が、内筒部材110に対して、長溝部111A,111Cのみが露出する程度にずれた位置に配置された場合、長溝部111A,111Cのみにおいて気体の流れに起因する力の不均衡が生じ、外筒部材120を、前記力の均衡が取れる位置(外筒部材の長手方向の中央が、内筒部材の長手方向における中央と一致する位置)に戻す力が作用する。
外筒部材120が、内筒部材110に対して、長溝部111A,111C及び短溝部111B,111Dの両方が露出する程度にずれた位置に配置された場合(図6および図8を参照)、長溝部111A,111C及び短溝部111B,111Dの両方において気体の流れに起因する力(2L1~2L4、2R1~2R4)の不均衡が生じ、外筒部材120を、前記力の均衡が取れる位置(外筒部材の長手方向の中央が、内筒部材の長手方向における中央と一致する位置)に戻す力が作用する。つまり、内筒部材110を長さが相違する溝部を有する態様とすることにより、内筒部材110に対する外筒部材120のずれ度合いが大きくなったときに、外筒部材120を、外筒部材120の長手方向の中央120Pが、内筒部材110の長手方向における中央110Pと一致する位置に戻す作用に寄与する溝部を増やすことができる。
本実施形態では、長さが相違する2種類の溝部を有する態様を示したが、長さが同一の溝部を複数有する態様であってもよいし、長さが相違する3種以上の溝部を有する態様であってもよい。
溝部111A,111B,111C,111Dの幅寸法は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは2.0mm以上であり、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。溝部の幅寸法を上記下限値以上とすることにより、溝部に気体を多く流すことができ、溝部に沿って、気体の流れに起因する力をより大きくすることができる。また、溝部の幅寸法を上記上限値以下とすることにより、気体の消費量を抑えつつ溝部に流れる気体の流速を早めることができる。
溝部111A,111B,111C,111Dの深さは、溝部が形成されている部材(本実施形態では内筒部材)の厚み以下であれば限定されないが、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、好ましくは5.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下である。溝部の深さを上記下限値以上とすることにより、溝部に気体を多く流すことができ、溝部に沿って、気体の流れに起因する力をより大きくすることができる。また、溝部の深さを上記上限値以下とすることにより、気体の消費量を抑えつつ溝部に流れる気体の流速を早めることができる。
溝部111A,111B,111C,111Dの、長手方向に対して垂直な方向の断面の形状は、特に限定されないが、方形状、半円形状等が挙げられる。これらのうち半円形状が好ましい。
貫通孔112A,112B,112C,112Dの最大開口径は、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは3.0mm以上であり、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下である。貫通孔の最大開口径を上記下限値以上とすることにより、気体の排出における圧力損失を減じることができ、貫通孔の最大開口径を上記上限値以下とすることにより、気体の消費量を抑えることができる。
本実施形態の内筒部材110は、多孔質材料からなる部材を含みうる。内筒部材110は、一部(例えば、内筒部材110の、気体供給孔を有する部分)が、多孔質材料からなる部材で構成されていてもよく、全体が多孔質材料からなる部材で構成されていてもよい。
多孔質材料からなる部材を構成する多孔質材料としては、ポーラスカーボン、ポーラスアルミナ等が挙げられる。このような多孔質材料からなる部材を含む内筒部材を用いると、内筒部材110(気体供給孔)から噴出する気体の圧力により、外筒部材120を、内筒部材110との間に間隙をあけた状態(離隔状態)で保持することができる。
内筒部材110が多孔質材料からなる部材を含む場合、多孔質材料からなる部材の平均孔径は好ましくは10μm以下、より好ましくは2μm以下である。孔径が大きすぎる場合、一部の孔がふさがれて、他の孔から気体の漏れが生じることがあるが、孔径を上限値以下とすると、一部の孔がふさがれたとしても、気体の漏れを防止することができ、外筒部材120が、内筒部材110に均一な力で、離隔状態で保持されうる。このことは、以下のメカニズムによるものと推測される。孔径が大きすぎる場合、一部の孔が外筒部材120で覆われたときに、圧力の変動が内筒部材110の内部構造を伝わって、外筒部材で覆われていない部分から多量の気体が漏れ出てしまい、外筒部材120を、離隔状態で保持できなくなくなることがある。孔径を上限値以下とすると、一部の孔が外筒部材で覆われたときにも、圧力の変動が内筒部材の内部構造に伝わりにくく、外筒部材で覆われていない部分への大量の気体の漏れが抑制され、外筒部材120が内筒部材110に均一な力で離隔状態で保持されうる。
内筒部材110から間隙S1(内筒部材110と外筒部材120との間の隙間)に供給される気体は、高圧空気であることが好ましい。気体が高圧空気である場合、その圧力は好ましくは0.05MPa以上、より好ましくは0.2MPa以上であり、好ましくは0.7MPa以下、より好ましくは0.5MPa以下である。内筒部材110が供給する気体の圧力が前記範囲であると、外筒部材120を離隔状態で保持しうる。
本実施形態において、内筒部材110は、図1及び図2に示すように、フィルムの幅方向と対応する方向(A1で示す方向)に並ぶ、3つの領域115L,115M,115R(3以上の領域)からなりうる。
内筒部材110の3つの領域115L,115M,115Rは、気体供給孔から噴出する気体の圧力の調整が可能な領域としうる。3つの領域115L,115M,115Rが、圧力調整の可能な領域である場合、これらの領域における気体の圧力は同一であってもよいし、相違していてもよい。たとえば、3つの領域115L,115M,115Rのうち、フィルムの幅方向の中央に対応する領域115Mの気体の圧力を、端部の領域115Lおよび115Rの気体の圧力よりも低くすると、フィルム幅方向の力を受けて、外筒部材120が内筒部材110に対してずれた位置に配置された場合に、外筒部材120を、外筒部材の長手方向の中央が、内筒部材の長手方向における中央と一致する位置に戻すことが可能である。
[外筒部材]
外筒部材120は、その内径が、内筒部材110の外径よりも大きい部材である。外筒部材120の長手方向の長さは、内筒部材110の長手方向の長さよりも短くしうる。外筒部材120の長手方向は、フィルムの幅方向と対応する方向(A1の矢印で示す方向)に平行な方向である。
外筒部材120の材料としては、例えば、樹脂製の薄膜及び金属製の薄膜などが挙げられる。外筒部材120を金属製の薄膜で構成する場合、円筒状の支持体に外筒部材の材料となる金属をめっきして、支持体を除去する方法、金属薄膜を円筒状に成形する方法等により製造しうる。
外筒部材120の厚みは好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上であり、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.5mm以下である。外筒部材120の厚みを上記下限値以上とすることにより、他の部材やフィルム等との接触による変形等を防止することができる。外筒部材120の厚みを上記上限値以下とすることにより、離隔状態に保持された際に回転しやすい状態としうる。
[搬送ローラー]
本実施形態の搬送ローラー100は、例えば長尺のフィルムを搬送するローラーとして用いうる。このような場合に、本実施形態の搬送ローラー100により搬送されるフィルムとしては、特に限定はないが、例えば脂環式構造含有重合体を含む樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、アクリルフィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP、OPP)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリスチレン(PS)フィルム、セルローストリアセテート(TAC)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム等のプラスチックのフィルム、及びポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルスルホン(PES)フィルム、アラミドフィルム等のスーパーエンプラのフィルムが挙げられる。
本実施形態の搬送ローラー100は、フィルムの搬送方向以外の方向に力を受けた場合であっても、安定した搬送を行うことができるので、連続プレス加工、切断加工等を行う製造ラインにおいて、フィルムを搬送する用途等に用いうる。
[2.作用・効果]
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態の搬送ローラー100は、円筒状の内筒部材110と、内筒部材を囲むように配置される円筒状の外筒部材120と、を備え、外筒部材120は、その内径が、内筒部材110の外径よりも大きい部材であり、内筒部材110は、外筒部材120を、間隙S1をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する部材である。したがって、本実施形態によれば、内筒部材110から供給される気体により、外筒部材120を、間隙を空けた状態(離隔状態)で保持することができるので、内筒部材と外筒部材との摩擦を気体との摩擦力のみとすることができ、フィルムの搬送速度への追従性に優れたものとしうる。
本実施形態の搬送ローラー100により長尺のフィルムを搬送する場合、長尺のフィルムは、その幅方向がA1で示す方向と平行となるように配される(図1及び図2を参照)。
本実施形態において、溝部は、内筒部材110の長手方向の中央に対して対称の形状である。したがって、図1及び図2に示すように、外筒部材120の長手方向の中央120Pが、内筒部材110の長手方向の中央110Pに一致するように配置されている場合、各溝部111A,111B,111C,111Dの、離隔状態で保持されている外筒部材120により覆われている部分(気体の流路)は、内筒部材110の長手方向の中央110Pに対して対称である。このような場合、貫通孔112A,112B,112C,112Dよりも右側の流路(溝部)と左側の流路(溝部)における、気体の流れに起因する力は、均衡がとれているので、フィルムの搬送を安定して行いうる。
フィルムの搬送を行う際に、フィルムがその幅方向に変動する場合がある。本実施形態では、外筒部材120の位置を規制する固定部が設けられていないので、フィルムが幅方向に変動した場合、当該変動に追従して外筒部材120の中央120Pが、内筒部材110の長手方向の中央110Pから、前記フィルムの幅方向にずれることがある。
例えば、図6で示すように、外筒部材120の長手方向の中央120Pが内筒部材110の長手方向の中央110Pから図示右側にずれた位置に配置されると、溝部111A,111B,111Cの貫通孔112A,112B,112Cよりも右側の部分は外筒部材120に覆われるが、溝部111A,111B,111Cの貫通孔112A,112B,112Cよりも左側の部分の一部(端部)は露出する。図6に示されていない溝部111Dについても貫通孔112Dよりも右側の部分は外筒部材120に覆われ、貫通孔112Dよりも左側の部分の一部(端部)は露出する。つまり図6で示す外筒部材120の配置状態において、溝部111A,111B,111C,111Dの外筒部材120により覆われている部分は、内筒部材110の長手方向の中央110P(貫通孔)に対して、非対称となる。このような場合、図6および図7に示すように、貫通孔112A,112B,112C,112Dに対して、右側の流路(溝部)における、気体の流れに起因する力2R1,2R2,2R3,2R4と、左側の流路(溝部)における、気体の流れに起因する力2L1,2L2,2L3,2L4と、が不均衡な状態となり、外筒部材120には、前記気体の流れに起因する力が均衡となる位置(すなわち外筒部材120の長手方向の中央120Pが内筒部材110の長手方向の中央110Pに一致する位置)にもどる力3が作用する。図6において、120Aは、その長手方向の中央が内筒部材110の長手方向の中央110Pに一致する位置に配置された外筒部材を示す。
また図8で示すように、外筒部材120の長手方向の中央120Pが内筒部材110の長手方向の中央110Pから図示左側にずれた位置に配置されると、溝部111A,111B,111Cの貫通孔112A,112B,112Cよりも左側の部分は外筒部材120に覆われるが、溝部111A,111B,111Cの貫通孔112A,112B,112Cよりも右側の部分の一部(端部)は露出する。図8に示されていない溝部111Dについても貫通孔112Dよりも左側の部分は外筒部材120に覆われ、貫通孔112Dよりも右側の部分の一部(端部)は露出する。つまり図8で示す外筒部材120の配置状態において、溝部111A,111B,111C,111Dの外筒部材120により覆われている部分は、内筒部材110の長手方向の中央110P(貫通孔)に対して、非対称となる。このような場合、図8および図9に示すように、貫通孔112A,112B,112C,112Dに対して、右側の流路(溝部)における、気体の流れに起因する力2R1,2R2,2R3,2R4と、左側の流路(溝部)における、気体の流れに起因する力2L1,2L2,2L3,2L4と、が不均衡な状態となり、外筒部材120には、前記気体の流れに起因する力が均衡となる位置(すなわち外筒部材120の長手方向の中央120Pが内筒部材110の長手方向の中央110Pに一致する位置)にもどる力3が作用する。図8において、120Aは、その長手方向の中央が内筒部材110の長手方向の中央110Pに一致する位置に配置された外筒部材を示す。
したがって、本実施形態によれば、フィルムが幅方向に変動して、当該変動に追従して外筒部材120の中央120Pが、内筒部材110の長手方向の中央110Pから、前記フィルムの幅方向にずれたとしても、外筒部材120には、外筒部材120の長手方向の中央120Pと、内筒部材110の長手方向における中央110Pとが一致する位置に戻る力が作用し、外筒部材120が前記位置に戻るので、フィルム幅方向の力(搬送方向以外の方向への力)を受けた場合であっても、安定した搬送を行うことができる。
また、本実施形態において、内筒部材110は、フィルムの幅方向と対応する方向に並ぶ、3つの領域115L,115M,115Rからなり、この3つの領域115L,115M,115Rにおいては、気体の圧力の調整が可能である。したがって、たとえば、3つの領域115L,115M,115Rのうち、フィルムの幅方向の中央に対応する領域115Mの気体の圧力を、端部の領域115Lおよび115Rの気体の圧力よりも低くすると、フィルム幅方向の力を受けて、外筒部材120が内筒部材110に対してずれた位置に配置された場合に、外筒部材120を、外筒部材の長手方向の中央が、内筒部材の長手方向における中央と一致する位置に戻すことが可能である。
また本実施形態によれば、内筒部材110が長さの相違する溝部を有しているので、内筒部材110に対する外筒部材120のずれ度合いが大きくなった場合に、外筒部材120を、外筒部材120の長手方向の中央120Pが、内筒部材110の長手方向における中央110Pと一致する位置に戻す作用に寄与する溝部を増やすことができる。
[実施形態2]
以下、本発明の実施形態2に係る搬送ローラーについて図10及び図11を参照しつつ、説明する。図10は、本実施形態に係る搬送ローラーを模式的に示す正面図である。図11は、図10で示す内筒部材をX3-X3線で切断して展開した状態を模式的に示す展開図である。
本実施形態の搬送ローラー200は、内筒部材210が1つの領域により構成されている点、溝部が、内筒部材210の長手方向に対し、斜め方向に設けられている点が実施形態1と相違する。以下において、実施形態1と同様の構成に関する重複した説明は省略する。
本実施形態の搬送ローラー200は、図10に示すように、円筒状の内筒部材210と、内筒部材210を囲むように配置される円筒状の外筒部材220と、を備える。外筒部材220は、その内径が、内筒部材210の外径よりも大きい部材であり、内筒部材210は、外筒部材220を、間隙をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する部材である。
本実施形態の搬送ローラー200は、内筒部材210が、間隙側の面に設けた溝部211A,211B,211C,211Dと、当該間隙側の面から裏側の面に貫通する貫通孔212A,212B,212C,212Dと、を有する構成を備える。
本実施形態においても、溝部211A,211B,211C,211Dは、その一部または全域が、離隔状態で保持される外筒部材220により覆われることにより、当該外筒部材220により覆われている部分において、内筒部材210の外側面から噴出する気体が流れるようになっている。つまり、溝部211A,211B,211C,211Dは、離隔状態で保持される外筒部材220に覆われることにより、前記気体の流路が構成されうる。流路を流れた気体は、貫通孔212A,212B,212C,212Dから外部に排出される。貫通孔212A,212B,212C,212Dには、溝部211A,211B,211C,211Dを流れた気体を外部に排出するパイプ(図示せず)が接続されている。
図11に示すように、内筒部材110の長手方向の中央には4つの貫通孔212A,212B,212C,212Dが、周方向において等間隔(90°ごと)に設けられている。各貫通孔212A,212B,212C,212Dの図示右側と左側には、内筒部材210の長手方向に対して斜め方向に延びる直線形状の溝部211A,211B,211C,211Dが設けられている。
溝部211A,211B,211C,211Dは、それぞれ、貫通孔212A,212B,212C,212Dに対して対称の形状である。つまり、各溝部211A,211B,211C,211Dの形状は、内筒部材210(溝部が設けられた部材)の長手方向の中央210Pに対して対称の形状である。このような態様とすることにより、離隔状態で保持された外筒部材220に覆われたときに、内筒部材210の長手方向の中央に対して対称の位置に、気体の流路を構成しうる。
本実施形態において、溝部211A,211B,211C,211Dは、内筒部材210の周方向において等間隔(90°ごと)に設けられている。このような態様とすることにより、離隔状態で保持された外筒部材220に覆われたときに、内筒部材210の周方向において均等に、気体の流路を構成しうる。
本実施形態において、内筒部材210は、図11に示すように、長さが相違する2種類の溝部を有する。具体的には、溝部211A及び溝部211Cの長さは、溝部211B及び溝部211Dの長さよりも長い。溝部211Aと211Cとは同じ長さであり、溝部211Bと211Dとは同じ長さである。長さの長い溝部211A,211C(「長溝部」ともいう)及び、長さの短い溝部211B,211D(「短溝部」ともいう)は、図11に示すように、内筒部材210の周方向において交互に設けられている。
内筒部材210を長さが相違する溝部を有する態様とすることにより、内筒部材210に対する外筒部材220のずれ度合いが大きくなった場合に、外筒部材220を、外筒部材220の長手方向の中央220Pが、内筒部材210の長手方向における中央210Pと一致する位置に戻す作用に寄与する溝部を増やすことができる。
本実施形態において、溝部211A,211B,211C,211Dは、内筒部材210の長手方向に対し斜め方向に設けられているので、溝部の外筒部材220に覆われた部分では、内筒部材210の長手方向に対して斜め方向に気体が流れる。このような気体の流れにより、外筒部材220には、外筒部材220を、外筒部材220の長手方向の中央220Pが、内筒部材210の長手方向における中央210Pと一致する位置に戻す力と、外筒部材220を周方向に回転させる力とが作用する。
長溝部211Aの内筒部材210の長手方向に対する角度θ1と、短溝211Bの内筒部材210の長手方向に対する角度θ2は、特に限定されないがθ1およびθ2が90°に近づくと、外筒部材220を周方向に回転させる力の作用が強くなり、θ1およびθ2が0°に近くなると外筒部材220を、外筒部材220の長手方向の中央220Pが、内筒部材210の長手方向における中央210Pと一致する位置に戻す力の作用が強くなる。本実施形態においてはθ1がθ2よりもわずかに大きい態様を示しているが、θ1はθ2より小さくてもよいし同一であってもよい。
本実施形態の溝部211A,211B,211C,211Dの幅寸法の好適値及び、貫通孔212A,212B,212C,212Dの最大開口径の好適値は実施形態1と同様である。
本実施形態の内筒部材210は、多孔質材料からなる部材を含みうる。内筒部材210は、一部(例えば、内筒部材110の、気体供給孔を有する部分)が、多孔質材料からなる部材で構成されていてもよく、全体が多孔質材料からなる部材で構成されていてもよい。多孔質材料からなる部材を構成する多孔質材料としては、実施形態1で説明した材料が挙げられる。
本実施形態の外筒部材220は、その内径が、内筒部材210の外径よりも大きい部材である。外筒部材220の構成は実施形態1と同様である。
[作用・効果]
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態の搬送ローラー200は、円筒状の内筒部材210と、内筒部材を囲むように配置される円筒状の外筒部材220と、を備え、外筒部材220は、その内径が、内筒部材210の外径よりも大きい部材であり、内筒部材210は、外筒部材220を、間隙をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する部材である。したがって、本実施形態によっても、内筒部材210から供給される気体により、外筒部材220を、間隙を空けた状態(離隔状態)で保持することができるので、内筒部材と外筒部材との摩擦を気体との摩擦力のみとすることができ、フィルムの搬送速度への追従性に優れたものとしうる。
本実施形態の搬送ローラー200により長尺のフィルムを搬送する場合、長尺のフィルムは、その幅方向がA2で示す方向と平行となるように配される(図1及び図2を参照)。
本実施形態において、溝部212A,212B,212C,212Dは、内筒部材210の長手方向の中央210Pに対して対称の形状である。したがって、図10に示すように、外筒部材220の長手方向の中央220Pが、内筒部材210の長手方向の中央210Pに一致するように配置されている場合、各溝部211A,211B,211C,211Dの、離隔状態で保持されている外筒部材220により覆われている部分(気体の流路)は、内筒部材210の長手方向の中央210Pに対して対称である。このような場合、貫通孔212A,212B,212C,212Dよりも右側の流路(溝部)と左側の流路(溝部)における、気体の流れに起因する力は、均衡がとれているので、フィルムの搬送を安定して行いうる。
フィルムの搬送を行う際に、フィルムがその幅方向に変動する場合がある。本実施形態では、外筒部材220の位置を規制する固定部が設けられていないので、フィルムが幅方向に変動した場合、当該変動に追従して外筒部材220の中央220Pが、内筒部材210の長手方向の中央210Pから、前記フィルムの幅方向にずれることがある。
外筒部材220の長手方向の中央220Pが、内筒部材210の長手方向の中央210Pからずれた位置に配置されると、溝部211A,211B,211C、211Dの外筒部材220により覆われている部分は、内筒部材210の長手方向の中央210P(貫通孔)に対して、非対称となる。このような場合、貫通孔212A,212B,212C,212Dに対して、図11における右側の流路(溝部)における、気体の流れに起因する力と、図11における左側の流路(溝部)における、気体の流れに起因する力とが不均衡な状態となり、外筒部材220には、前記気体の流れに起因する力が均衡となる位置(すなわち外筒部材220の長手方向の中央220Pが内筒部材210の長手方向の中央210Pに一致する位置)にもどる力が作用する。さらに、本実施形態では溝部211A,211B,211C,211Dが、内筒部材210の長手方向に対し、斜め方向に設けられているので、外筒部材220を周方向に回転させる力も作用する。
その結果、本実施形態によれば、フィルムが幅方向に変動して、当該変動に追従して外筒部材220の中央220Pが、内筒部材210の長手方向の中央210Pから、前記フィルムの幅方向にずれたとしても、外筒部材220には、外筒部材220の長手方向の中央220Pが内筒部材210の長手方向の中央210Pに一致する位置にもどる力が作用し、当該力の作用により、外筒部材220が前記位置にもどるので、フィルム幅方向の力(搬送方向以外の方向への力)を受ける場合であっても安定した搬送を行うことができる。
また本実施形態によれば、内筒部材210が長さの相違する溝部を有しているので、内筒部材210に対する外筒部材220のずれ度合いが大きくなった場合に、外筒部材220を、外筒部材220の長手方向の中央220Pが、内筒部材210の長手方向における中央210Pと一致する位置に戻す作用に寄与する溝部を増やすことができる。
また、本実施形態によれば、溝部211A,211B,211C,211Dが、内筒部材210の長手方向に対し斜め方向に設けられていることにより、外筒部材220を周方向に回転させることができるので、外筒部材220に、補助駆動力をかけることができる。
[実施形態3]
以下、本発明の実施形態3に係る搬送ローラーについて図12を参照しつつ、説明する。図12は、実施形態3に係る搬送ローラーを模式的に示す正面図である。
本実施形態の搬送ローラー300は、内筒部材に溝部及び貫通孔が形成されていない点で実施形態1と相違する。以下において、実施形態1と同様の構成については、重複した説明は省略する。
本実施形態の搬送ローラー300は、図12に示すように、円筒状の内筒部材310と、内筒部材310を囲むように配置される円筒状の外筒部材320と、を備える。外筒部材320は、その内径が、内筒部材310の外径よりも大きい部材であり、内筒部材310は、外筒部材320を、間隙S3をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する部材である。
本実施形態の搬送ローラー300は、長尺のフィルムを搬送するローラーであり、内筒部材310は、フィルムの幅方向と対応する方向に並ぶ、3つの領域315L,315M,315Rからなり、当該3つの領域315L,315M,315Rにおいて、気体の圧力の調整が可能である構成を備える。
本実施形態の内筒部材310は、多孔質材料からなる部材を含みうる。内筒部材310は、一部(例えば、内筒部材110の、気体供給孔を有する部分)が、多孔質材料からなる部材で構成されていてもよく、全体が多孔質材料からなる部材で構成されていてもよい。多孔質材料からなる部材を構成する多孔質材料としては、実施形態1で説明した材料が挙げられる。
内筒部材310から供給される気体は、高圧空気であることが好ましい。気体が高圧空気である場合、その圧力の好適値は実施形態1で説明した高圧空気と同様である。
本実施形態において、内筒部材310は、図12に示すように、フィルムの幅方向と対応する方向(A3で示す方向)に並ぶ、3つの領域315L,3115M,315Rからなる。
本実施形態において、内筒部材310の3つの領域315L,315M,315Rは、気体供給孔から噴出する気体の圧力の調整が可能な領域であるので、各領域において気体の圧力を調整することが可能である。たとえば、3つの領域315L,315M,315Rのうち、フィルムの幅方向の中央に対応する領域315Mの気体の圧力を、端部の領域315Lおよび315Rの気体の圧力よりも低くすると、フィルム幅方向の力を受けて、外筒部材320が内筒部材310に対してずれた位置に配置された場合に、外筒部材320を、外筒部材の長手方向の中央が、内筒部材の長手方向における中央と一致する位置に戻すことが可能である。3つの領域315L,315M,315Rにおける気体の圧力は同一であってもよいし、相違していてもよい。
外筒部材320は、その内径が、内筒部材310の外径よりも大きい部材である。外筒部材320の構成は実施形態1と同様である。
[作用・効果]
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態の搬送ローラー300は、円筒状の内筒部材310と、内筒部材を囲むように配置される円筒状の外筒部材320と、を備え、外筒部材320は、その内径が、内筒部材310の外径よりも大きい部材であり、内筒部材310は、外筒部材320を、間隙S3をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する部材である。したがって、本実施形態によっても、内筒部材310から供給される気体により、外筒部材320を、間隙をあけた状態(離隔状態)で保持することができるので、内筒部材と外筒部材との摩擦を気体との摩擦力のみとすることができ、フィルムの搬送速度への追従性に優れたものとしうる。
本実施形態の搬送ローラー300により長尺のフィルムを搬送する場合、長尺のフィルムは、その幅方向がA3で示す方向と平行となるように配される(図12を参照)。
フィルムの搬送を行う際に、フィルムがその幅方向に変動する場合がある。本実施形態では、外筒部材320の位置を規制する固定部が設けられていないので、フィルムが幅方向に変動した場合、当該変動に追従して外筒部材320の中央320Pが、内筒部材310の長手方向の中央310Pから、前記フィルムの幅方向にずれることがある。
本実施形態において、内筒部材310は、気体の圧力の調整が可能な、フィルムの幅方向と対応する方向に並ぶ、3つの領域315L,315M,315Rからなるので、各領域315L,315M,315Rにおいて気体の圧力を調整することが可能である。例えば、3つの領域315L,315M,315Rのうち、フィルムの幅方向の中央に対応する領域315Mの気体の圧力を、端部の領域315Lおよび315Rの気体の圧力よりも低くすると、フィルム幅方向の力を受けて、外筒部材320が内筒部材310に対してずれた位置に配置された場合に、外筒部材320を、外筒部材320の長手方向の中央320Pが、内筒部材310の長手方向における中央310Pと一致する位置に戻すことが可能である。その結果、本実施形態によれば、フィルム幅方向の力(搬送方向以外の方向への力)を受けた場合であっても安定した搬送を行うことができる。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、内筒部材のみが、溝部及び貫通孔を有する態様を示したが、これに限定されない。外筒部材が溝部及び貫通孔を有する態様であってもよいし、内筒部材と外筒部材の両方が、溝部及び貫通孔を有する態様であってもよい。
(2)上記実施形態では直線状の溝部を有する態様を示したが、溝部の形状はこれに限定されない。溝部の形状は、螺旋形状のように曲線形状のものであってもよい。また、直線状の溝部と曲線状の溝部とを交互に有する態様であってもよい。
(3)上記実施形態では、すべての溝部が内筒部材の長手方向の中央に対して対称の形状である例を示したが、溝部は、内筒部材(または外筒部材)の長手方向の中央に対して非対称な形状のものを含んでいてもよい。
(4)上記実施形態では、1つの溝部につき1つの貫通孔を設けた例を示したが、貫通孔は1つの溝部に複数設けてもよい。
(5)上記実施形態では、複数の溝部を設けた例を示したが、溝部は1本であってもよい。
(6)上記実施形態1および3では、フィルムの幅方向と対応する方向に並ぶ、3つの領域からなる内筒部材を示し、実施形態2では、1つの領域からなる内筒部材を示したが、これに限定されない。内筒部材は、4つ以上の領域からなる態様であってもよい。
1…導入される気体の流れる方向
2L1,2L2,2L3,2L4…気体の流れに起因する力
2R1,2R2,2R3,2R4…気体の流れに起因する力
3…外筒部材の動く方向
4…排気される空気の流れる方向
100,200,300…搬送ローラー
110,210,310…内筒部材
110A,110B…内筒部材の端部
110P,210P,310P…内筒部材の長手方向における中央
111A,111B,111C,111D,211A,211B,211C,211D…溝部
112A,112B,112C,112D,212A,212B,212C,212D…貫通孔
115L,115M,115R,315L,315M,315R…領域
120,220,320…外筒部材
120P,220P,320P…外筒部材の長手方向における中央
120A…その長手方向の中央が内筒部材110の長手方向の中央110Pに一致する位置に配置された外筒部材

Claims (6)

  1. 円筒状の内筒部材と、
    前記内筒部材を囲むように配置される円筒状の外筒部材と、を備える搬送ローラーであって、
    前記外筒部材は、その内径が、前記内筒部材の外径よりも大きい部材であり、
    前記内筒部材は、前記外筒部材を、間隙をあけた状態で保持する気体を供給する孔を有する部材であり、
    前記内筒部材、前記外筒部材またはこれらの両方は、前記間隙側の面に設けた溝部と、前記溝部に設けられ当該間隙側の面から裏側の面に貫通する貫通孔と、を有する、搬送ローラー。
  2. 前記搬送ローラーは長尺のフィルムを搬送するローラーであり、
    前記内筒部材は、前記フィルムの幅方向と対応する方向に並ぶ、3以上の領域からなり、
    前記3以上の領域において、前記気体の圧力の調整が可能である、請求項1に記載の搬送ローラー。
  3. 前記内筒部材の前記3以上の領域のうち、前記フィルムの幅方向の中央に対応する領域は、他の領域よりも前記気体の圧力が低い領域である、請求項2に記載の搬送ローラー。
  4. 前記溝部は、前記内筒部材の長手方向に対し、斜め方向に設けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の搬送ローラー。
  5. 前記溝部は、当該溝部が設けられた部材の長手方向の中央に対して対称の形状である、請求項1~4のいずれか一項に記載の搬送ローラー。
  6. 前記内筒部材は、多孔質材料からなる部材を含み、
    前記多孔質材料からなる部材の平均孔径は10μm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の搬送ローラー。
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