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JP7452287B2 - 封止用樹脂組成物の製造方法、封止用樹脂組成物、電子部品装置の製造方法、及び電子部品装置 - Google Patents
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JP7452287B2 - 封止用樹脂組成物の製造方法、封止用樹脂組成物、電子部品装置の製造方法、及び電子部品装置 - Google Patents

封止用樹脂組成物の製造方法、封止用樹脂組成物、電子部品装置の製造方法、及び電子部品装置 Download PDF

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Description

本発明は、封止用樹脂組成物の製造方法、封止用樹脂組成物、電子部品装置の製造方法、及び電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コストなどの面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物が広く用いられている(例えば特許文献1)。これは、エポキシ樹脂が作業性、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性のバランスに優れるためである。また、COB(Chip on Board)、COG(Chip on Glass)、TCP(Tape Carrier Package)等のベアチップ実装した電子部品装置においても、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物が封止材として広く使用されている。
特開2017-115083号公報
エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機充填材を含む封止用樹脂組成物の製造は、例えば、封止用樹脂組成物を構成する成分を混練することで行われる。
一方、封止用樹脂組成物としての性能を得る観点から、封止用樹脂組成物を構成する各成分が均一に分散した封止用樹脂組成物が望まれる。そして各成分が均一に分散した封止用樹脂組成物を得る観点から、上記混練時における均一混練性(すなわち、混練によって各成分が均一に分散されること)が求められる。
本開示の一形態は、均一分散性の高い封止用樹脂組成物が得られる封止用樹脂組成物の製造方法、均一分散性の高い封止用樹脂組成物、前記封止用樹脂組成物の製造方法により得られた封止用樹脂組成物を用いた電子部品装置の製造方法、及び前記封止用樹脂組成物により封止された素子を備える電子部品装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>
エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填材と溶媒とアセチレングリコール系化合物とを含む分散液を準備する工程と、
前記分散液を混練する工程と、
前記分散液に含まれる前記溶媒を除去する工程と、
を有する封止用樹脂組成物の製造方法。
<2>
前記アセチレングリコール系化合物のHLB値は10以下である<1>に記載の封止用樹脂組成物の製造方法。
<3>
エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、アセチレングリコール系化合物と、を含む封止用樹脂組成物。
<4>
前記アセチレングリコール系化合物のHLB値は10以下である<3>に記載の封止用樹脂組成物。
<5>
素子を、<1>又は<2>に記載の封止用樹脂組成物の製造方法により製造された封止用樹脂組成物で封止する工程を含む電子部品装置の製造方法。
<6>
素子と、
前記素子を封止する<3>又は<4>に記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、
を備える電子部品装置。
本開示の一形態によれば、均一分散性の高い封止用樹脂組成物が得られる封止用樹脂組成物の製造方法、均一分散性の高い封止用樹脂組成物、前記封止用樹脂組成物の製造方法により得られた封止用樹脂組成物を用いた電子部品装置の製造方法、及び前記封止用樹脂組成物により封止された素子を備える電子部品装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
[封止用樹脂組成物の製造方法]
本開示の封止用樹脂組成物の製造方法は、エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填材と溶媒とアセチレングリコール系化合物とを含む分散液を準備する工程(以下「分散液準備工程」ともいう)と、前記分散液を混練する工程(以下「混練工程」ともいう)と、前記分散液に含まれる前記溶媒を除去する工程(以下「溶媒除去工程」ともいう)と、を有する。
本開示の封止用樹脂組成物の製造方法を用いることで、均一分散性の高い封止用樹脂組成物が得られる。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機充填材を含む封止用樹脂組成物の製造は、例えば、封止用樹脂組成物を構成する成分(以下「構成成分」ともいう)を混練することで行われる。上記混練は、例えば構成成分に固体の成分が含まれる場合、一般的には、その固体の成分が溶融する温度に加熱した状態で撹拌する固相混練により行われることが多い。
一方、より均一分散性の高い組成物が得られる混練方法として、構成成分を溶媒に分散させた分散液を混練する方法(以下「分散液混練法」ともいう)が考えられる。
そして、上記分散液混練法において、構成成分を溶媒に分散させた分散液にアセチレングリコール系化合物を含有させることで、均一分散性がさらに向上した封止用樹脂組成物が得られる。その理由は、溶媒を含む分散液を混練する際に発生した気泡が、アセチレングリコール系化合物により破泡されるためと推測される。具体的には、分散液に気泡が発生した状態で混練を続けると、気泡の存在により均一混練性が低下する。これに対し、分散液がアセチレングリコール系化合物を含むと、アセチレングリコール系化合物の分子中における電子密度の高いセグメントが破泡作用に寄与しつつ、グリコールセグメントが界面エネルギーの低減に寄与する。それにより、気泡による均一混練性の低下が抑制され、アセチレングリコール系化合物を用いない場合に比べて、得られる封止用樹脂組成物の均一分散性が向上すると考えられる。
なお、均一分散性の高い封止用樹脂組成物は、硬化時に空隙欠点が発生し難いことにより、高い熱時硬度が得られやすく、熱膨張係数の低い硬化物が得られやすい。均一分散性の高い封止用樹脂組成物は、例えば、強度、伸度、弾性等の機械特性、寸法安定性、電気特性、並びにこれらの品質安定性などが得られやすい。
本開示の封止用樹脂組成物の製造方法は、前記の通り、分散液準備工程、混練工程、及び溶媒除去工程を少なくとも有し、必要に応じてその他の工程(溶媒除去工程の後に得られた固形分を粉砕する工程、溶媒除去工程の後に得られた固形分又は粉砕する工程により得られた粉砕物をタブレット状やシート状などの固形成形体に成形する工程等)を有してもよい。
また、上記封止用樹脂組成物の製造方法が有する工程は、別々に行われてもよく、同時に行われてもよい。複数の工程が同時に行われる態様としては、例えば、混練工程及び溶媒除去工程において、溶媒を除去しながら混練する態様が挙げられる。
以下、本開示の封止用樹脂組成物の製造方法が有する各工程について詳細に説明する。
<分散液準備工程>
分散液準備工程では、エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填材と溶媒とアセチレングリコール系化合物とを含む分散液を準備する。
分散液は、エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填材と溶媒とアセチレングリコール系化合物とを含み、必要に応じてその他の成分(アセチレングリコール系化合物以外の界面活性剤、封止用樹脂組成物に含まれるその他添加剤等)を含んでもよい。
以下、分散液に含まれる各成分について説明する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればその種類は特に制限されない。
具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール化合物及びα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものであるノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等);上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂;上記フェノール化合物及びナフトール化合物と、アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものである共重合型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のジグリシジルエーテルであるジフェニルメタン型エポキシ樹脂;アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン系フェノール化合物のジグリシジルエーテルであるスチルベン型エポキシ樹脂;ビスフェノールS等のジグリシジルエーテルである硫黄原子含有型エポキシ樹脂;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の多価カルボン酸化合物のグリシジルエステルであるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したものであるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール化合物との共縮合樹脂をエポキシ化したものであるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化したものであるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシ)シクロヘキシル-5,5-スピロ(3,4-エポキシ)シクロヘキサン-m-ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるパラキシリレン変性エポキシ樹脂;メタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるメタキシリレン変性エポキシ樹脂;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるテルペン変性エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルである多環芳香環変性エポキシ樹脂;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるナフタレン型エポキシ樹脂;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるアラルキル型エポキシ樹脂;などが挙げられる。さらにはシリコーン樹脂のエポキシ化物、アクリル樹脂のエポキシ化物等もエポキシ樹脂として挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、耐リフロー性と流動性のバランスの観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、共重合型エポキシ樹脂及びアラルキル型エポキシ樹脂からなる群より選ばれるエポキシ樹脂(これらを「特定エポキシ樹脂」と称する)が好ましい。特定エポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂が特定エポキシ樹脂を含む場合、特定エポキシ樹脂の性能を発揮する観点からは、その合計含有率がエポキシ樹脂全体の30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
特定エポキシ樹脂の中でも、流動性の観点からは、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、及び硫黄原子含有型エポキシ樹脂がより好ましく、耐熱性の観点からは、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、及びアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。
なかでも、上記特性のバランスの観点から、エポキシ樹脂は、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、これらのうち2つ以上を組み合わせて用いることがより好ましい。
エポキシ樹脂がジフェニルメタン型エポキシ樹脂を含む場合、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂の含有率は、エポキシ樹脂の全質量に対して、40質量%以上であってもよく、50質量%以上であってもよく、60質量%以上であってもよい。また、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂の含有率は、エポキシ樹脂の全質量に対して、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよく、70質量%以下であってもよい。
エポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂を含む場合、ビフェニル型エポキシ樹脂の含有率は、エポキシ樹脂の全質量に対して、10質量%以上であってもよく、20質量%以上であってもよく、30質量%以上であってもよい。また、ビフェニル型エポキシ樹脂の含有率は、エポキシ樹脂の全質量に対して、70質量%以下であってもよく、60質量%以下であってもよく、50質量%以下であってもよい。また、ビフェニル型エポキシ樹脂の含有率は、エポキシ樹脂の全質量に対して、30質量%~100質量%であることが好ましく、30質量%~90質量%であることがより好ましく、30質量%~80質量%であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂がトリフェニルメタン型エポキシ樹脂を含む場合、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂の含有率は、エポキシ樹脂の全質量に対して、30質量%以上であってもよく、40質量%以上であってもよく、50質量%以上であってもよい。また、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂の含有率は、エポキシ樹脂の全質量に対して、70質量%以下であってもよく、60質量%以下であってもよく、50質量%以下であってもよい。
一態様において、エポキシ樹脂は、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを含むことが好ましい。エポキシ樹脂がジフェニルメタン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを含む場合、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂の比率は、質量基準で、40:60~90:10であることが好ましく、50:50~80:20であることがより好ましく、60:40~70:30であることがさらに好ましい。
さらなる一態様において、エポキシ樹脂は、ビフェニル型エポキシ樹脂とトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の組み合わせを含むことが好ましい。エポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂とトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の組み合わせを含む場合、ビフェニル型エポキシ樹脂とトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の比率は、質量基準で、20:80~80:20であることが好ましく、30:70~70:30であることがより好ましく、40:60~60:40であることがさらに好ましい。
以下、好ましいエポキシ樹脂の具体例を示す。
ビフェニル型エポキシ樹脂は、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂の中でもRのうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’,5,5’位がメチル基であり、それ以外のRが水素原子であるYX-4000H(三菱ケミカル株式会社、商品名)、全てのRが水素原子である4,4’-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ビフェニル、全てのRが水素原子の場合及びRのうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’,5,5’位がメチル基でそれ以外のRが水素原子である場合の混合品であるYL-6121H(三菱ケミカル株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(II)中、Rは水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数4~18の芳香族基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。nは平均値であり、0~10の数を示す。
スチルベン型エポキシ樹脂は、スチルベン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(III)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(III)で表されるエポキシ樹脂の中でも、Rのうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’,5,5’位がメチル基であり、それ以外のRが水素原子であり、R10の全てが水素原子である場合と、Rのうち3,3’,5,5’位のうちの3つがメチル基であり、1つがt-ブチル基であり、それ以外のRが水素原子であり、R10の全てが水素原子である場合との混合品であるESLV-210(住友化学株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(III)中、R及びR10は水素原子又は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。nは平均値であり、0~10の数を示す。
ジフェニルメタン型エポキシ樹脂は、ジフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。ジフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(IV)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(IV)で表されるエポキシ樹脂の中でも、R11の全てが水素原子であり、R12のうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’,5,5’位がメチル基であり、それ以外のR12が水素原子であるYSLV-80XY(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(IV)中、R11及びR12は水素原子又は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。nは平均値であり、0~10の数を示す。
硫黄原子含有型エポキシ樹脂は、硫黄原子を含有するエポキシ樹脂であれば特に限定されない。硫黄原子含有型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(V)で表されるエポキシ樹脂が挙げられる。下記一般式(V)で表されるエポキシ樹脂の中でも、R13のうち酸素原子が置換している位置を4及び4’位としたときの3,3’位がt-ブチル基であり、6,6’位がメチル基であり、それ以外のR13が水素原子であるYSLV-120TE(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(V)中、R13は水素原子又は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。nは平均値であり、0~10の数を示す。
ノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂をグリリシジルエーテル化等の手法を用いてエポキシ化して得られるエポキシ樹脂が好ましく、下記一般式(VI)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。下記一般式(VI)で表されるエポキシ樹脂の中でも、R14の全てが水素原子であり、R15がメチル基であり、i=1であるESCN-190、ESCN-195(住友化学株式会社、商品名)、R14の全てが水素原子であり、i=0であるN-770、N-775(DIC株式会社、商品名)、R14の全てが水素原子であり、i=0である部分とi=1であり、R15が-CH(CH)-Phである部分とを有するスチレン変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂であるYDAN-1000-10C(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、商品名)、R14の全てが水素原子であり、i=1であり、R15がメチル基である部分とi=2であり、R15のうち一つがメチル基で一つがベンジル基である部分とを有するベンジル基変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であるHP-5600(DIC株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(VI)中、R14は水素原子又は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R15は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0~3の整数を示す。nは平均値であり、0~10の数を示す。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂は、ジシクロペンタジエン骨格を有する化合物を原料としてエポキシ化して得られるエポキシ樹脂であれば特に限定されない。例えば、下記一般式(VII)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式(VII)で表されるエポキシ樹脂の中でも、i=0であるHP-7200(DIC株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(VII)中、R16は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0~3の整数を示す。nは平均値であり、0~10の数を示す。
トリフェニルメタン型エポキシ樹脂は、トリフェニルメタン骨格を持つ化合物を原料とするエポキシ樹脂であれば特に制限されない。トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、トリフェニルメタン骨格を持つ化合物とフェノール性水酸基を有する化合物とのノボラック型フェノール樹脂等のトリフェニルメタン型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂が好ましく、下記一般式(VIII)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。下記一般式(VIII)で表されるエポキシ樹脂の中でも、iが0であり、kが0である1032H60(三菱ケミカル株式会社、商品名)、EPPN-502H(日本化薬株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。

式(VIII)中、R17及びR18は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0~3の整数、kは各々独立に0~4の整数を示す。nは平均値であり、0~10の数を示す。
ナフトール化合物及びフェノール化合物と、アルデヒド化合物と、から得られるノボラック樹脂をエポキシ化した共重合型エポキシ樹脂は、ナフトール骨格を有する化合物及びフェノール骨格を有する化合物を原料とするエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。共重合型エポキシ樹脂としては、ナフトール骨格を有する化合物及びフェノール骨格を有する化合物を用いたノボラック型フェノール樹脂をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂が好ましく、下記一般式(IX)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。下記一般式(IX)で表されるエポキシ樹脂の中でも、R21がメチル基でiが1であり、jが0であり、kが0であるNC-7300(日本化薬株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(IX)中、R19~R21は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0~3の整数、jは各々独立に0~2の整数、kは各々独立に0~4の整数を示す。l及びmはそれぞれ平均値であり、1~10の数であり、(l+m)は2~10の数を示す。式(IX)で表されるエポキシ樹脂の末端は、下記式(IX-1)又は(IX-2)である。式(IX-1)及び(IX-2)において、R19~R21、i、j及びkの定義は式(IX)におけるR19~R21、i、j及びkの定義と同じである。nは1(メチレン基を介して結合する場合)又は0(メチレン基を介して結合しない場合)である。
上記一般式(IX)で表されるエポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体等が挙げられる。これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合型エポキシ樹脂としては、下記一般式(IX-3)中の2種の構造単位をランダム、交互又はブロックの順序で含むメトキシナフタレン・クレゾールホルムアルデヒド共縮合型エポキシ樹脂である、下記の一般式(IX-3)で表されるエピクロンHP-5000(DIC株式会社、商品名)もまた好ましい。下記一般式(IX-3)では、n及びmはそれぞれ平均値であり、1~10の数であり、(n+m)は2~10の数を示し、好ましくはn及びmはそれぞれ平均値であり、1~9の数であり、(n+m)は2~10の数を示す。
アラルキル型エポキシ樹脂は、フェノール、クレゾール等のフェノール化合物及びナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル又はこれらの誘導体と、から合成されるフェノール樹脂を原料とするエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。アラルキル型エポキシ樹脂としては、フェノール、クレゾール等のフェノール化合物及びナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル又はこれらの誘導体と、から合成されるフェノール樹脂をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂が好ましく、下記一般式(X)及び(XI)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。
下記一般式(X)で表されるエポキシ樹脂の中でも、iが0であり、R38が水素原子であるNC-3000S(日本化薬株式会社、商品名)、iが0であり、R38が水素原子であるエポキシ樹脂と一般式(II)の全てのRが水素原子であるエポキシ樹脂とを質量比80:20で混合したCER-3000(日本化薬株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。また、下記一般式(XI)で表されるエポキシ樹脂の中でも、iが0であり、jが0であり、kが0であるESN-175(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(X)及び(XI)において、R38は水素原子又は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R37、R39~R41は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0~3の整数であり、jはそれぞれ独立に0~2の整数であり、kはそれぞれ独立に0~4の整数であり、lはそれぞれ独立に0~6の整数を示す。nは平均値であり、それぞれ独立に0~10の数である。
上記一般式(II)~(XI)中のR~R21及びR37~R41について、「それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい」とは、例えば、式(II)中の8~88個のRの全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。他のR~R21及びR37~R41についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。また、R~R21及びR37~R41はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、RとR10の全てについて同一でも異なっていてもよい。
また、一般式(III)~(XI)における炭素数1~18の1価の有機基はアルキル基又はアリール基であることが好ましい。
上記一般式(II)~(XI)中のnは、平均値であり、それぞれ独立に0~10の範囲であることが好ましい。nが10以下であると樹脂成分の溶融粘度が高くなりすぎず、封止用樹脂組成物の溶融成形時の粘度が低下し、充填不良、ボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金線)の変形等の発生が抑制される傾向にある。nは0~4の範囲に設定されることがより好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に制限されない。成形性、耐リフロー性及び電気的信頼等の各種特性バランスの観点からは、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100g/eq~1000g/eqであることが好ましく、150g/eq~500g/eqであることがより好ましい。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236:2009に準じた方法で測定される値とする。
エポキシ樹脂が固体である場合、その軟化点又は融点は特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点から、エポキシ樹脂の軟化点又は融点は40℃~180℃であることが好ましく、封止用樹脂組成物の調製の際の取扱い性の観点から、エポキシ樹脂の軟化点又は融点は50℃~130℃であることがより好ましい。エポキシ樹脂の融点は示差走査熱量測定(DSC)で測定される値とし、エポキシ樹脂の軟化点はJIS K 7234:1986に準じた方法(環球法)で測定される値とする。
分散液の固形分(溶媒等の揮発成分を除く全成分)全体に対するエポキシ樹脂の含有率(つまり、封止用樹脂組成物の固形分に占めるエポキシ樹脂の含有率)は、強度、流動性、耐熱性、成形性等の観点から0.5質量%~50質量%であることが好ましく、2質量%~30質量%であることがより好ましい。
(硬化剤)
硬化剤としては、例えば、フェノール性水酸基を分子中に有する硬化剤(すなわち、フェノール硬化剤)が挙げられる。
フェノール硬化剤としては、例えば、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂及び多価フェノール化合物が挙げられる。
フェノール硬化剤の具体例としては、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の多価フェノール化合物;フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール化合物及びα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等と、から合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジシクロペンタジエンと、から共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂及びジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂;これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂などが挙げられる。
これらのフェノール硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール硬化剤の中でも、耐リフロー性の観点からはアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂、及びノボラック型フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種(これらを「特定フェノール硬化剤」と称する)が好ましい。特定フェノール硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アラルキル型フェノール樹脂としては、フェノール性化合物と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等と、から合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等が挙げられる。アラルキル型フェノール樹脂は、さらに他のフェノール樹脂と共重合していてもよい。共重合したアラルキル型フェノール樹脂としては、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂等が挙げられる。
アラルキル型フェノール樹脂は、フェノール化合物及びナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル又はこれらの誘導体と、から合成されるフェノール樹脂であれば特に限定されない。アラルキル型フェノール樹脂としては、下記一般式(XII)~(XIV)で表されるフェノール樹脂が好ましい。
式(XII)~(XIV)において、R23は水素原子又は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R22、R24、R25及びR28は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R26及びR27は水酸基又は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0~3の整数であり、jはそれぞれ独立に0~2の整数であり、kはそれぞれ独立に0~4の整数であり、pはそれぞれ独立に0~4の整数である。nは平均値であり、それぞれ独立に0~10の数である。
上記一般式(XII)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、R23が全て水素原子であるMEH-7851(明和化成株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
上記一般式(XIII)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、kが0であるXL-225、XLC(三井化学株式会社、商品名)、MEH-7800(明和化成株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
上記一般式(XIV)で表されるフェノール樹脂の中でも、jが0であり、kが0であり、pが0であるSN-170(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、商品名)、jが0であり、kが1であり、R27が水酸基であり、pが0であるSN-395(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂は、ジシクロペンタジエン骨格を有する化合物を原料として得られるフェノール樹脂であれば特に限定されない。ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂としては、下記一般式(XV)で表されるフェノール樹脂が好ましい。下記一般式(XV)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であるDPP(新日本石油化学株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(XV)中、R29は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0~3の整数を示す。nは平均値であり、0~10の数を示す。
トリフェニルメタン型フェノール樹脂は、トリフェニルメタン骨格を有する化合物を原料として得られるフェノール樹脂であれば特に限定されない。トリフェニルメタン型フェノール樹脂としては、下記一般式(XVI)で表されるフェノール樹脂が好ましい。
下記一般式(XVI)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、kが0であるMEH-7500(明和化成株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(XVI)中、R30及びR31は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0~3の整数であり、kはそれぞれ独立に0~4の整数である。nは平均値であり、0~10の数である。
ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂は、ベンズアルデヒド骨格を有する化合物を原料として得られるフェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂であれば特に限定されない。ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂としては、下記一般式(XVII)で表されるフェノール樹脂が好ましい。
下記一般式(XVII)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、kが0であり、qが0であるHE-510(エア・ウォーター・ケミカル株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(XVII)中、R32~R34は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0~3の整数であり、kはそれぞれ独立に0~4の整数であり、qはそれぞれ独立に0~5の整数である。l及びmはそれぞれ平均値であり、それぞれ独立に0~11の数である。ただし、lとmの合計は1~11の数である。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール化合物及びナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物と、アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるフェノール樹脂であれば特に限定されない。ノボラック型フェノール樹脂としては、下記一般式(XVIII)で表されるフェノール樹脂が好ましい。
下記一般式(XVIII)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、R35が全て水素原子であるタマノル758、759(荒川化学工業株式会社、商品名)、HP-850N(日立化成株式会社、商品名)等が市販品として入手可能である。
式(XVIII)中、R35は水素原子又は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R36は炭素数1~18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0~3の整数を示す。nは平均値であり、0~10の数を示す。
上記一般式(XII)~(XVIII)におけるR22~R36について記載した「それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい」は、例えば、式(XII)中のR22の全てが同一でも相互に異なっていてもよいことを意味している。他のR23~R36についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも相互に異なっていてもよいことを意味している。また、R22~R36は、それぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、R22及びR23の全てについて同一でも異なっていてもよく、R30及びR31の全てについて同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(XII)~(XVIII)におけるnは、0~10の範囲であることが好ましい。10以下であると樹脂成分の溶融粘度が高くなりすぎず、封止用樹脂組成物の溶融成形時の粘度も低くなり、充填不良、ボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金線)の変形等が発生し難くなる。1分子中の平均nは0~4の範囲に設定されることが好ましい。
硬化剤の官能基当量(フェノール性水酸基を分子中に有する硬化剤では、水酸基当量)は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点から、硬化剤の官能基当量は、70g/eq~1000g/eqであることが好ましく、80g/eq~500g/eqであることがより好ましい。
硬化剤の官能基当量(フェノール性水酸基を分子中に有する硬化剤では、水酸基当量)は、例えば、JIS K 0070:1992に準じた方法により測定される値であってもよい。
硬化剤が固体である場合、その軟化点又は融点は、特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点から、硬化剤の軟化点又は融点は、40℃~180℃であることが好ましく、封止用樹脂組成物の製造時における取扱い性の観点から、硬化剤の軟化点又は融点は、50℃~130℃であることがより好ましい。また、硬化剤の軟化点又は融点は、流動性を向上させる観点及び封止用樹脂組成物の硬化物の高温弾性率を低下させ、耐リフロー性を向上させる観点から、50℃~100℃であることが好ましく、50℃~75℃であることがより好ましく、50℃~65℃であることがさらに好ましい。
硬化剤の融点又は軟化点は、エポキシ樹脂の融点又は軟化点と同様にして測定される値とする。
エポキシ樹脂と硬化剤との当量比、すなわちエポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する硬化剤中の官能基数の比(硬化剤中の官能基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)は、特に制限されない。それぞれの未反応分を少なく抑える観点から、エポキシ樹脂と硬化剤との当量比は、0.5~2.0の範囲に設定されることが好ましく、0.6~1.3の範囲に設定されることがより好ましい。成形性と耐リフロー性の観点からは、0.8~1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
(無機充填材)
無機充填材の材質は、特に制限されない。無機充填材の具体例としては、シリカ(溶融シリカ、結晶シリカ等)、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカなどの無機材料が挙げられる。難燃効果を有する無機充填材を用いてもよい。難燃効果を有する無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。中でも、無機充填材としては、線膨張係数低減の観点からシリカが好ましく、高熱伝導性の観点からアルミナが好ましい。無機充填材は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填材の状態としては粉未、粉末を球形化したビーズ、繊維等が挙げられる。
無機充填材の形状は特に制限されない。封止用樹脂組成物の流動性の観点からは、無機充填材の粒子形状は球形であることが好ましい。
一態様において、耐リフロー性、粘度の上昇抑制、流動性の向上等の観点からは、無機充填材はシリカを含むことが好ましく、シリカを主成分として(すなわち無機充填材の50体積%以上)含むことがより好ましい。
さらなる一態様において、高熱伝導性の硬化物を得る場合には、無機充填材はアルミナを含むことが好ましく、アルミナを主成分として(すなわち無機充填材の50体積%以上)含むことがより好ましい。具体的には、無機充填材は、例えば、シリカと、アルミナと、が混合されていることが好ましい。
無機充填材全体の体積平均粒子径は、特に制限されない。無機充填材全体の体積平均粒子径は、0.2μm~80μmであることが好ましく、0.5μm~70μmであることがより好ましく、1μm~50μmであることがさらに好ましい。体積平均粒子径が0.2μm以上であると、封止用樹脂組成物の粘度の上昇が抑制される傾向がある。体積平均粒子径が80μm以下であると、狭い隙間への封止用樹脂組成物の充填性が向上する傾向にある。封止用樹脂組成物の流動性の観点からは、無機充填材の粒子径は広範囲に分布していることが好ましい。
無機充填材の最大粒子径(カットポイントともいう)は特に制限されない。封止用樹脂組成物の狭い隙間への充填性の観点からは、無機充填材の最大粒子径は150μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、55μm以下であることがさらに好ましい。
分散液の固形分(溶媒等の揮発成分を除く全成分)全体に対する無機充填材の含有率(つまり、封止用樹脂組成物の固形分に占める無機充填材の含有率)は特に制限されない。無機充填材の含有率は分散液の固形分の全体積に対して50体積%以上であることが好ましく、60体積%以上であることがより好ましく、70体積%以上であることがさらに好ましく、75体積%以上であることが特に好ましい。無機充填材の含有率を分散液の固形分全体の50体積%以上とすることによって、封止用樹脂組成物の硬化物における熱膨張係数、熱伝導率、弾性率等の特性を好適に向上させることができる傾向にある。
また、無機充填材の含有率は分散液の固形分の全体積に対して95体積%以下であることが好ましく、90体積%以下であることがより好ましく、87体積%以下であることがさらに好ましい。無機充填材の含有率が分散液の固形分全体の95体積%以下であると、封止用樹脂組成物の粘度の上昇が抑制され、流動性がより向上して成形性がより良好になる傾向にある。
以上の観点から、無機充填材の含有率は分散液の固形分の全体積に対して50体積%~95体積%であることが好ましく、60体積%~95体積%であることがより好ましく、70体積%~95体積%であることがさらに好ましく、75体積%~90体積%であることが特に好ましく、80体積%~87体積%であることが極めて好ましい。
なお、本開示における無機充填材の平均粒子径は、体積平均粒子径とする。
本開示における無機充填材の平均粒子径は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により、体積平均粒子径(D50)として測定することができる。
また、分散液、封止用樹脂組成物、又はその硬化物中の無機充填材の平均粒子径は、具体的には以下の方法によって測定することができる。分散液、封止用樹脂組成物、又はその硬化物を入れたるつぼを、マッフル炉に入れ、800℃に加熱する。試料が完全に灰化するまで4時間放置する。常温(25℃)に戻るまで試料を自然冷却し、灰分(無機充填材)を抽出する。超音波分散機等で無機充填材を十分に分散して分散液を調製する。この分散液を用いて、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により測定される体積基準の粒度分布から、無機充填材の体積平均粒子径を測定することができる。
本開示において、「無機充填材を2種類以上併用する」とは、例えば、同じ成分で平均粒子径が異なる無機充填材を2種類以上用いる場合、平均粒子径が同じで成分の異なる無機充填材を2種類以上用いる場合並びに平均粒子径及び種類の異なる無機充填材を2種類以上用いる場合が挙げられる。
(溶媒)
分散液に含まれる溶媒は、特に限定されるものではなく、封止用樹脂組成物を構成する各成分を均一に溶解又は分散し得る特性を有するものが好ましい。
溶媒としては、水、有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
分散液に含まれる溶媒の沸点は、後述する溶媒除去工程における溶媒の除去しやすさの観点から、130℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、90℃以下がさらに好ましい。また、分散液に含まれる溶媒の沸点は、取り扱い性の観点及び均一混練性の観点から、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。
つまり、溶媒の沸点は、50℃~130℃の範囲が好ましく、60℃~110℃の範囲がより好ましく、70℃~90℃の範囲がさらに好ましい。
分散液全体に対する溶媒の含有率は、後述する溶媒除去工程における溶媒の除去しやすさの観点から、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。また、分散液全体に対する溶媒の含有率は、均一混練性の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。
つまり、分散液全体に対する溶媒の含有率は、5質量%~80質量%の範囲が好ましく、10質量%~50質量%の範囲がより好ましく、20質量%~30質量%の範囲がさらに好ましい。
(アセチレングリコール系化合物)
アセチレングリコール系化合物は、アセチレングリコール及びその誘導体であれば特に限定されるものではない。
アセチレングリコールとしては、炭素-炭素間三重結合を有する不飽和グリコールが挙げられ、例えば下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
また、アセチレングリコールの誘導体としては、例えばアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が挙げられ、具体的には、例えば下記一般式(A2)で表される化合物が挙げられる。
一般式(A1)及び(A2)中、R51~R58は、それぞれ独立にアルキル基を示し、m及びnは、それぞれ独立に0~25の整数を示し、1≦m+n≦50である。
一般式(A1)及び(A2)中のR51~R58で示されるアルキル基は、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基が好ましい。また、一般式(A1)中のR51及びR52はの一方は、一方が炭素数1~3のアルキル基で他方が炭素数3~6のアルキル基であることがより好ましく、一方がメチル基で他方が炭素数3~5の分岐状アルキル基であることがさらに好ましい。一般式(A1)中のR53及びR54、一般式(A2)中のR55及びR56、並びに一般式(A2)中のR57及びR58についても、一般式(A1)中のR51及びR52と同様である。
一般式(A2)中のm及びnは、HLB値を10以下に調整する観点から、1≦m+n≦10であることが好ましく、1≦m+n≦4であることがより好ましい。
アセチレングリコール系化合物の具体例としては、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-デシン-3,6-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、及びこれらアセチレングリコールのエチレンオキシド付加物等が挙げられる。
アセチレングリコール系化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アセチレングリコール系化合物のHLB値(すなわち、親水性親油性バランス;Hydrophile-Lipophile Balance)は、封止用樹脂組成物の均一分散性を得ること及び溶媒除去工程において除去されやすいことを両立する観点から、1~10であることが好ましく、2~8であることがより好ましく、4~8であることがさらに好ましい。
HLB値の算出は複数の方法が公知されており、例えば、藤本武彦著、「全訂版 新・界面活性剤入門」(三洋化成工業株式会社、1981年10月発行)等に記載されている。本明細書においては、上記HLB値として、下記の計算式(A)により算出される値を用いる。
式(A):HLB値=(親水性部分の分子量/化合物全体の分子量)×100/5
なお、上記式(A)中「親水性部分」とは、アセチレングリコール系化合物のうち親水性を示す部分構造を意味する。具体的には、例えば一般式(A1)で表される化合物における親水性部分は側鎖の水酸基(すなわち、2つの「-OH」)であり、一般式(A2)で表される化合物における親水性部分は側鎖のエチレングリコール鎖及び水酸基(すなわち、「-(OC-OH」及び「-(OC-OH」)である。
分散液全体に対するアセチレングリコール系化合物の含有率は、封止用樹脂組成物の均一分散性を得る観点から、0.01質量%~1質量%の範囲であることが好ましく、0.05質量%~0.5質量%の範囲であることがより好ましく、0.05質量%~0.3質量%の範囲であることがさらに好ましい。
また、分散液に含まれる溶媒100質量部に対するアセチレングリコール系化合物の含有量は、封止用樹脂組成物の均一分散性を得る観点から、0.01質量部~20質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部~50質量部の範囲であることがより好ましく、0.3質量部~1.5質量部の範囲であることがさらに好ましい。
(その他添加剤)
-その他の界面活性剤-
分散液は、必要に応じてアセチレングリコール系化合物以外の界面活性剤(以下「その他の界面活性剤」ともいう)を含んでもよく、その他の界面活性剤を含んでいなくてもよい。
その他の界面活性剤の種類は特に限定されず、電子部品用の有機樹脂組成物に一般的に使用されている界面活性剤を使用できる。その他の界面活性剤としては、非イオン性の界面活性剤、アニオン性の界面活性剤、フッ素系の界面活性剤等が挙げられる。その他の界面活性剤を用いる場合、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
非イオン性の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアミン界面活性剤、アルキルアルカノールアミド界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤、アラルキル変性シリコーン界面活性剤、ポリエステル変性シリコーン界面活性剤、ポリアクリル界面活性剤等が挙げられる。非イオン性の界面活性剤としては、これらの中でも、ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤及びアラルキル変性シリコーン界面活性剤が好ましい。
アニオン性の界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
フッ素系の界面活性剤としては、疎水部にフッ素原子、親水部にカチオン性基、アニオン性基、水酸基、エーテル結合等の親水部を合わせ持つ化合物が好ましく、例えば、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸、パーフルオロアルキル基含有スルホン酸、パーフルオロアルキル基含有リン酸(エステル)、パーフルオロアルキル基含オキシド付加物、パーフルオロアルキル基含アンモニウム等の疎水部としてパーフルオロアルキル基を有する化合物等が挙げられる。
-硬化促進剤-
製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、硬化促進剤を用いてもよい。
硬化促進剤の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂の種類、封止用樹脂組成物の所望の特性等に応じて選択できる。
硬化促進剤としては、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)等のジアザビシクロアルケン、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール等の環状アミジン化合物;前記環状アミジン化合物の誘導体;前記環状アミジン化合物又はその誘導体のフェノールノボラック塩;これらの化合物に無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの、π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;DBUのテトラフェニルボレート塩、DBNのテトラフェニルボレート塩、2-エチル-4-メチルイミダゾールのテトラフェニルボレート塩、N-メチルモルホリンのテトラフェニルボレート塩等の環状アミジニウム化合物;ピリジン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物;前記三級アミン化合物の誘導体;酢酸テトラ-n-ブチルアンモニウム、リン酸テトラ-n-ブチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、安息香酸テトラ-n-ヘキシルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム等のアンモニウム塩化合物;トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p-トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の三級ホスフィン;前記三級ホスフィンと有機ボロン類との錯体等のホスフィン化合物;前記三級ホスフィン又は前記ホスフィン化合物と無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの、π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;前記三級ホスフィン又は前記ホスフィン化合物と4-ブロモフェノール、3-ブロモフェノール、2-ブロモフェノール、4-クロロフェノール、3-クロロフェノール、2-クロロフェノール、4-ヨウ化フェノール、3-ヨウ化フェノール、2-ヨウ化フェノール、4-ブロモ-2-メチルフェノール、4-ブロモ-3-メチルフェノール、4-ブロモ-2,6-ジメチルフェノール、4-ブロモ-3,5-ジメチルフェノール、4-ブロモ-2,6-ジ-t-ブチルフェノール、4-クロロ-1-ナフトール、1-ブロモ-2-ナフトール、6-ブロモ-2-ナフトール、4-ブロモ-4’-ヒドロキシビフェニル等のハロゲン化フェノール化合物を反応させた後に、脱ハロゲン化水素の工程を経て得られる、分子内分極を有する化合物;テトラフェニルホスホニウム等のテトラ置換ホスホニウム、テトラ-p-トリルボレート等のホウ素原子に結合したフェニル基がないテトラ置換ホスホニウム及びテトラ置換ボレート;テトラフェニルホスホニウムとフェノール化合物との塩などが挙げられる。
なかでも硬化促進剤はリン系硬化促進剤を含むことが好ましく、ホスホニウム化合物を含むことがより好ましい。硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化促進剤を用いる場合、硬化促進剤の含有量は、樹脂成分(すなわち、エポキシ樹脂と硬化剤の合計)100質量部に対して0.1質量部~30質量部であることが好ましく、1質量部~15質量部であることがより好ましい。硬化促進剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.1質量部以上であると、短時間で良好に硬化する封止用樹脂組成物が得られる傾向にある。硬化促進剤の量が樹脂成分100質量部に対して30質量部以下であると、硬化速度が速すぎず良好な成形品が得られる封止用樹脂組成物が得られる傾向にある。
-カップリング剤-
製造する封止用樹脂組成物において樹脂成分と無機充填材との接着性を高めるために、封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、カップリング剤を用いてもよい。
カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム/ジルコニウム系化合物などの公知のカップリング剤が挙げられる。
カップリング剤を用いる場合、カップリング剤の量は、無機充填材100質量部に対して0.05質量部~5質量部であることが好ましく、0.1質量部~2.5質量部であることがより好ましい。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して0.05質量部以上であると、フレームとの接着性がより向上する封止用樹脂組成物が得られる傾向にある。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して5質量部以下であると、パッケージの成形性がより向上する封止用樹脂組成物が得られる傾向にある。
-イオン交換体-
製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、イオン交換体を用いてもよい。封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、封止用樹脂組成物がイオン交換体を含むことが好ましい。
イオン交換体は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハイドロタルサイト化合物、並びにマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及びビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物等が挙げられる。イオン交換体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、下記一般式(A)で表されるハイドロタルサイトが好ましい。
Mg(1-X)Al(OH)(COX/2・mHO ……(A)
(0<X≦0.5、mは正の数)
イオン交換体を用いる場合、その含有量は、ハロゲンイオン等のイオンを捕捉するのに充分な量であれば特に制限はない。例えば、イオン交換体の含有量が、樹脂成分100質量部に対して0.1質量部~30質量部であることが好ましく、1質量部~15質量部であることがより好ましい。
-離型剤-
成形時における金型との良好な離型性を得る観点から、製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として離型剤を用いてもよい。
離型剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
離型剤を用いる場合、その量は樹脂成分100質量部に対して0.01質量部~15質量部が好ましく、0.1質量部~10質量部がより好ましい。離型剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.01質量部以上であると、離型性が充分に得られる封止用樹脂組成物が得られる傾向にある。離型剤の量が樹脂成分100質量部に対して15質量部以下であると、より良好な接着性が得られる封止用樹脂組成物が得られる傾向にある。
-難燃剤-
製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、難燃剤を用いてもよい。
難燃剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む有機又は無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
難燃剤を用いる場合、その量は、所望の難燃効果を得るのに充分な量であれば特に制限されない。難燃剤の量は、樹脂成分100質量部に対して1質量部~300質量部であることが好ましく、2質量部~150質量部であることがより好ましい。
-着色剤-
製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、着色剤を用いてもよい。
着色剤としては、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤を挙げることができる。着色剤の含有量は目的等に応じて適宜選択できる。着色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
-応力緩和剤-
製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、シリコーンオイル、シリコーンゴム粒子等の応力緩和剤を用いてもよい。封止用樹脂組成物が応力緩和剤を含むことにより、パッケージの反り変形及びパッケージクラックの発生をより低減させることができる。
応力緩和剤としては、一般に使用されている公知の応力緩和剤(可とう剤)が挙げられる。応力緩和剤の具体例としては、シリコーン系、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子、メタクリル酸メチル-スチレン-ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル-シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチル共重合体等のコア-シェル構造を有するゴム粒子などが挙げられる。応力緩和剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、シリコーン系応力緩和剤が好ましい。シリコーン系応力緩和剤としては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性したもの等が挙げられる。
(分散液の調製方法)
分散液の調製方法は、特に制限されず、例えば、分散液に含まれる前述の成分を所定の配合量でミキサー等によって混合する方法が挙げられる。
分散液の調製時における温度は、特に限定されず、例えば5℃~50℃が挙げられる。
分散液の調製時に撹拌を行う場合、撹拌時間は特に限定されず、例えば10分~120分が挙げられる。
<混練工程>
混練工程では、前記分散液準備工程において準備した分散液を混練する。具体的には、撹拌機、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル、又はホモディスパー、ニーダー、ロール、エクストルーダー等を用いて、分散液を混練する。
混練温度は、混練促進と分散液成分の熱劣化抑制の観点から、例えば40℃~140℃の範囲が挙げられ、60℃~120℃の範囲が好ましく、80℃~110℃の範囲がより好ましい。
混練時間は、同じく混練性と分散液成分の熱劣化進行を均衡させる観点から、例えば1分~60分の範囲が挙げられ、5分~30分の範囲が好ましく、5分~20分の範囲がより好ましい。
なお、混練工程において、後述する溶媒除去工程を行ってもよい。
<溶媒除去工程>
溶媒除去工程では、前記分散液準備工程において準備した分散液に含まれる溶媒を除去する。具体的には、分散液の加熱、減圧等を行うことで、分散液から溶媒を揮発させて除去する。
加熱により溶媒を除去する場合、加熱温度は、残留溶媒低減と混練促進の観点から、例えば40℃~140℃の範囲が挙げられ、60℃~120℃の範囲が好ましく、80℃~110℃の範囲がより好ましい。また、加熱時間は、同じく残留溶媒低減と混練促進の観点から、例えば1分~60分の範囲が挙げられ、5分~30分の範囲が好ましく、5分~20分の範囲がより好ましい。
減圧により溶媒を除去する場合、減圧度は、残留溶媒低減の観点から、0MPa~0.07MPaの範囲が好ましく、0MPa~0.05MPaの範囲がより好ましい。また、減圧時間は、残留溶媒低減に加え混練促進の観点から、例えば1分~60分の範囲が挙げられ、5分~30分の範囲が好ましく、5分~20分の範囲がより好ましい。
なお、溶媒除去工程では、加熱及び減圧の両方を行うことで溶媒を除去してもよい。また、溶媒除去工程は、前述の混練工程において行ってもよい。
溶媒除去工程では、分散液に含まれる溶媒の少なくとも一部が除去されていればよい。溶媒除去工程において除去される溶媒の量は、分散液に含まれる溶媒全体に対し、99質量%以上であることが好ましく、99.5質量%以上であることがより好ましく、99.9質量%以上であることがさらに好ましい。
[封止用樹脂組成物]
本開示の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、アセチレングリコール系化合物と、を含み、必要に応じてその他添加剤を含んでもよい。
本開示の封止用樹脂組成物としては、例えば、前述の封止用樹脂組成物の製造方法により製造された封止用樹脂組成物が挙げられる。
本開示の封止用樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、及びその他添加剤は、前述の封止用樹脂組成物の製造方法で用いる分散液に含まれるエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、及びその他添加剤として説明した通りである。
また、本開示の封止用樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の種類も、前述の封止用樹脂組成物の製造方法で用いる分散液に含まれるアセチレングリコール系化合物と同じものが適用される。
封止用樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の含有率は、封止用樹脂組成物全体に対し、例えば100ppm以下が挙げられ、2ppm~50ppmの範囲であることが好ましく、3ppm~20ppmの範囲であることがより好ましい。
ここで、封止用樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の含有率は、以下のようにして測定される。
アセチレングリコール系化合物を含有しない封止用樹脂組成物である比較用試料の250℃での加熱時の質量と、アセチレングリコール系化合物を含有する封止用樹脂組成物である測定試料の250℃での加熱時の質量と、を測定し、その質量差を算出して封止用樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の質量とする。そして、算出された封止上樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の質量を、測定前の常温(25℃)における前記測定試料の質量で除した数値を、封止用樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の含有率とする。
なお、上記比較用試料は、アセチレングリコール系化合物を含まないこと以外は上記測定試料と組成が同じ封止用樹脂組成物である。上記比較用試料は、例えば、分散液準備工程においてアセチレングリコール系化合物を用いないこと以外は前記測定試料の製造方法と同じ工程を経ることにより得られる。
上記加熱時の質量(以下「熱重量」とする)の測定及び算出は以下のようにして行う。
具体的には、熱重量分析(TG-DTA)を用いることができる。例えば以下の装置及び条件を用いて、熱重量分析を行い封止用樹脂組成物の熱重量を測定し、下式(1)にて、封止用樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の含有率を計算する。
・測定条件
装置:TG/DTA 7300(セイコーインスツル株式会社製)
試料量:0.01g
加熱雰囲気:窒素 100ml/分
昇温開始温度:20℃
昇温終了温度:300℃
昇温速度:10℃/分
・計算
C = ((W1-W2) / W) × 10 ・・・(1)
C:測定試料に含まれるアセチレングリコール系化合物の含有率(ppm)
W1:熱重量分析で測定された比較用試料の250℃での質量(g)
W2:熱重量分析(TG-DTA)で測定された測定試料の250℃での質量(g)
W:測定試料の質量(0.01g)
封止用樹脂組成物は、常温常圧下(例えば、25℃、大気圧下)において固体であることが好ましい。封止用樹脂組成物が固体である場合の形状は特に制限されず、粉状、粒状、タブレット状等が挙げられる。封止用樹脂組成物がタブレット状である場合の寸法及び質量は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量となるようにすることが取り扱い性の観点から好ましい。
封止用樹脂組成物を硬化物としたときの熱膨張係数(以下CTEとする)は、特に制限されず、6ppm/℃以下であることが好ましく、5ppm/℃以下であることがより好ましく、4ppm/℃以下であることがさらに好ましく、3ppm/℃以下であることが特に好ましい。
CTEの測定は以下のようにして行う。具体的には、TMA法(示差膨張方式)を用いることができる。具体的には、トランスファ成形機と方形金型を用いて、成形温度175℃,成形時間90秒、圧力7MPaの条件にて、封止用樹脂組成物を成形し、更に175℃で3時間の条件にて後硬化を行い、大きさ:4mm(W)×4mm(D)×0.2mm(H)のTMA測定用試験片を作製する。上記試験片のW方向の寸法を、ティーエーインスツルメント社製の熱機械分析装置(Q400)により、圧縮法(荷重0.05N)で25~300℃の温度範囲で、昇温速度5℃/分にて昇温測定を行い、200~240℃の温度範囲でのCTEを算出する。
封止用樹脂組成物を硬化物としたときの熱時硬度は、特に制限されない。熱時硬度は、60以上であることが好ましく、65以上であることがより好ましく、70以上であることがさらに好ましく、75以上であることが特に好ましい。
熱時硬度の測定は以下のようにして行う。具体的には、トランスファ成形機と円板金型を用いて、175℃、90秒、圧力7MPaの条件にて封止用樹脂組成物を成形し、更に175℃で3時間の条件にて後硬化を行い、大きさ:直径50mm×厚さ3mmの円板状の熱時硬度測定用試験片を作製する。上記円板状の試験片について、ショアD硬度計(高分子計器(株)製)を用いて熱時硬度(180℃)を測定する。
[電子部品装置、電子部品装置の製造方法]
本開示の一実施形態に係る電子部品装置は、素子と、前記素子を封止する上述の封止用樹脂組成物の硬化物と、を備える。
電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ、有機基板等の支持部材に、素子(半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子など)を搭載して得られた素子部を封止用樹脂組成物で封止したものが挙げられる。
より具体的には、リードフレーム上に素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部とをワイヤボンディング、バンプ等で接続した後、封止用樹脂組成物を用いてトランスファ成形によって封止した構造を有するDIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC;テープキャリアにバンプで接続した素子を封止用樹脂組成物で封止した構造を有するTCP(Tape Carrier Package);支持部材上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した素子を、封止用樹脂組成物で封止した構造を有するCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール等;裏面に配線板接続用の端子を形成した支持部材の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と支持部材に形成された配線とを接続した後、封止用樹脂組成物で素子を封止した構造を有するBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)などが挙げられる。また、プリント配線板においても封止用樹脂組成物を好適に使用することができる。
本開示の一実施形態に係る電子部品装置の製造方法は、素子を、上述の封止用樹脂組成物の製造方法により製造された封止用樹脂組成物で封止する工程を含む。
封止用樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法、インジェクション成形法、圧縮成形法等が挙げられる。これらの中では、低圧トランスファ成形法が一般的である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[分散液の調製]
下記の材料を表1及び表2に記載の組成(質量部)で混合し、撹拌装置として傾斜パドル翼式攪拌機を用い、25℃の条件で60分間撹拌を行った。
なお、表1及び表2中の空欄は、その成分が未配合であることを意味する。また、分散液の固形分(溶媒等の揮発成分を除く全成分)全体に対する無機充填材の含有率(体積基準)を表1及び表2に示す。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(エポキシ当量167g/eq、軟化点59℃、三菱ケミカル株式会社、商品名:1032H60、一般式(VIII)で表されるエポキシ樹脂)
エポキシ樹脂2:フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(エポキシ当量275g/eq、軟化点58℃、日本化薬社、商品名:NC-3000、一般式(X)で表されるエポキシ樹脂)
エポキシ樹脂3:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂の混合物(エポキシ当量237g/eq、軟化点93℃、日本化薬株式会社、商品名:CER-3000、一般式(X)で表されるエポキシ樹脂の含有率80質量%)
(硬化剤)
硬化剤1:トリフェニルメタン型フェノール樹脂であるフェノール硬化剤(水酸基当量103g/eq、軟化点85℃、明和化成株式会社、商品名:MEH7500-3S、一般式(XVI)で表される化合物)
硬化剤2:ナフトールアラルキル型フェノール樹脂であるフェノール硬化剤(水酸基当量210g/eq、軟化点85℃、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、商品名:SN-485、一般式(XIV)で表される化合物)
硬化剤3:フェノールアラルキル型フェノール樹脂であるフェノール硬化剤(水酸基当量174g/eq、軟化点75℃、明和化成株式会社、商品名:MEHC7800-S、一般式(XIII)で表される化合物)
(無機充填材)
溶融シリカ(球状溶融シリカ、平均粒子径17.5μm、比表面積3.8m/g)
(溶媒)
メチルエチルケトン(沸点79℃)
(アセチレングリコール系化合物)
アセチレングリコール系化合物1:化合物名2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのエチレンオキシド付加物、(エアープロダクツ株式会社、商品名:サーフィノール420、HLB:4.0)
アセチレングリコール系化合物2:化合物名2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのエチレンオキシド付加物、(エアープロダクツ株式会社、商品名:サーフィノール440、HLB:8.0)
アセチレングリコール系化合物3:化合物名2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのエチレンオキシド付加物、(日信化学工業株式会社、商品名:オルフィンE1004、HLB:8.0)
(界面活性剤)
界面活性剤1:有機フッ素系化合物(DIC社、商品名:メガファックF-477、ノニオン性界面活性剤)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:トリブチルホスフィンと1,4-ベンゾキノンの付加反応物
硬化促進剤2:2-エチル-4-メチルイミダゾール
(カップリング剤)
カップリング剤:N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社、商品名「KBM-573」)
(着色剤)
カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社、商品名「MA600」)
(離型剤)
モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社、商品名「HW-E」
[混練及び溶媒の除去]
得られた分散液を、減圧度0.02MPa、混練温度100℃、混練時間10分の条件でロール混練を行うことによって、分散液の混練及び溶媒の除去(加熱による溶媒の除去)を同時に行うことで、封止用樹脂組成物を得た。
[測定及び評価]
得られた封止用樹脂組成物について、封止用樹脂組成物全体に対するアセチレングリコール系化合物の含有率の測定、熱膨張係数の測定、及び熱時硬度の測定を、前述の方法で行った。結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示すように、実施例の封止用樹脂組成物の製造方法により得られた封止用樹脂組成物は、比較例の封止用樹脂組成物の製造方法により得られた封止用樹脂組成物に比べて、熱膨張係数が小さく、熱時硬度が高いことから、各成分の均一分散性が高くなり、実用物性である機械的特性や寸法安定性が高くなっていることがわかる。

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填材と溶媒とアセチレングリコール系化合物とを含む分散液を準備する工程と、
    前記分散液を混練する工程と、
    前記分散液に含まれる前記溶媒を除去する工程と、
    を有する封止用樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記アセチレングリコール系化合物のHLB値は10以下である請求項1に記載の封止用樹脂組成物の製造方法。
  3. エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、アセチレングリコール系化合物と、を含む封止用樹脂組成物。
  4. 前記アセチレングリコール系化合物のHLB値は10以下である請求項3に記載の封止用樹脂組成物。
  5. 素子を、請求項1又は請求項2に記載の封止用樹脂組成物の製造方法により製造された封止用樹脂組成物で封止する工程を含む電子部品装置の製造方法。
  6. 素子と、
    前記素子を封止する請求項3又は請求項4に記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、
    を備える電子部品装置。
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