JP7452287B2 - 封止用樹脂組成物の製造方法、封止用樹脂組成物、電子部品装置の製造方法、及び電子部品装置 - Google Patents
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Description
一方、封止用樹脂組成物としての性能を得る観点から、封止用樹脂組成物を構成する各成分が均一に分散した封止用樹脂組成物が望まれる。そして各成分が均一に分散した封止用樹脂組成物を得る観点から、上記混練時における均一混練性(すなわち、混練によって各成分が均一に分散されること)が求められる。
<1>
エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填材と溶媒とアセチレングリコール系化合物とを含む分散液を準備する工程と、
前記分散液を混練する工程と、
前記分散液に含まれる前記溶媒を除去する工程と、
を有する封止用樹脂組成物の製造方法。
<2>
前記アセチレングリコール系化合物のHLB値は10以下である<1>に記載の封止用樹脂組成物の製造方法。
<3>
エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、アセチレングリコール系化合物と、を含む封止用樹脂組成物。
<4>
前記アセチレングリコール系化合物のHLB値は10以下である<3>に記載の封止用樹脂組成物。
<5>
素子を、<1>又は<2>に記載の封止用樹脂組成物の製造方法により製造された封止用樹脂組成物で封止する工程を含む電子部品装置の製造方法。
<6>
素子と、
前記素子を封止する<3>又は<4>に記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、
を備える電子部品装置。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示の封止用樹脂組成物の製造方法は、エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填材と溶媒とアセチレングリコール系化合物とを含む分散液を準備する工程(以下「分散液準備工程」ともいう)と、前記分散液を混練する工程(以下「混練工程」ともいう)と、前記分散液に含まれる前記溶媒を除去する工程(以下「溶媒除去工程」ともいう)と、を有する。
エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機充填材を含む封止用樹脂組成物の製造は、例えば、封止用樹脂組成物を構成する成分(以下「構成成分」ともいう)を混練することで行われる。上記混練は、例えば構成成分に固体の成分が含まれる場合、一般的には、その固体の成分が溶融する温度に加熱した状態で撹拌する固相混練により行われることが多い。
そして、上記分散液混練法において、構成成分を溶媒に分散させた分散液にアセチレングリコール系化合物を含有させることで、均一分散性がさらに向上した封止用樹脂組成物が得られる。その理由は、溶媒を含む分散液を混練する際に発生した気泡が、アセチレングリコール系化合物により破泡されるためと推測される。具体的には、分散液に気泡が発生した状態で混練を続けると、気泡の存在により均一混練性が低下する。これに対し、分散液がアセチレングリコール系化合物を含むと、アセチレングリコール系化合物の分子中における電子密度の高いセグメントが破泡作用に寄与しつつ、グリコールセグメントが界面エネルギーの低減に寄与する。それにより、気泡による均一混練性の低下が抑制され、アセチレングリコール系化合物を用いない場合に比べて、得られる封止用樹脂組成物の均一分散性が向上すると考えられる。
なお、均一分散性の高い封止用樹脂組成物は、硬化時に空隙欠点が発生し難いことにより、高い熱時硬度が得られやすく、熱膨張係数の低い硬化物が得られやすい。均一分散性の高い封止用樹脂組成物は、例えば、強度、伸度、弾性等の機械特性、寸法安定性、電気特性、並びにこれらの品質安定性などが得られやすい。
また、上記封止用樹脂組成物の製造方法が有する工程は、別々に行われてもよく、同時に行われてもよい。複数の工程が同時に行われる態様としては、例えば、混練工程及び溶媒除去工程において、溶媒を除去しながら混練する態様が挙げられる。
以下、本開示の封止用樹脂組成物の製造方法が有する各工程について詳細に説明する。
分散液準備工程では、エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填材と溶媒とアセチレングリコール系化合物とを含む分散液を準備する。
分散液は、エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填材と溶媒とアセチレングリコール系化合物とを含み、必要に応じてその他の成分(アセチレングリコール系化合物以外の界面活性剤、封止用樹脂組成物に含まれるその他添加剤等)を含んでもよい。
以下、分散液に含まれる各成分について説明する。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればその種類は特に制限されない。
具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール化合物及びα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものであるノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等);上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂;上記フェノール化合物及びナフトール化合物と、アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものである共重合型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のジグリシジルエーテルであるジフェニルメタン型エポキシ樹脂;アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン系フェノール化合物のジグリシジルエーテルであるスチルベン型エポキシ樹脂;ビスフェノールS等のジグリシジルエーテルである硫黄原子含有型エポキシ樹脂;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の多価カルボン酸化合物のグリシジルエステルであるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したものであるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール化合物との共縮合樹脂をエポキシ化したものであるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化したものであるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシ)シクロヘキシル-5,5-スピロ(3,4-エポキシ)シクロヘキサン-m-ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるパラキシリレン変性エポキシ樹脂;メタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるメタキシリレン変性エポキシ樹脂;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるテルペン変性エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルである多環芳香環変性エポキシ樹脂;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるナフタレン型エポキシ樹脂;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるアラルキル型エポキシ樹脂;などが挙げられる。さらにはシリコーン樹脂のエポキシ化物、アクリル樹脂のエポキシ化物等もエポキシ樹脂として挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、一般式(III)~(XI)における炭素数1~18の1価の有機基はアルキル基又はアリール基であることが好ましい。
硬化剤としては、例えば、フェノール性水酸基を分子中に有する硬化剤(すなわち、フェノール硬化剤)が挙げられる。
フェノール硬化剤としては、例えば、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂及び多価フェノール化合物が挙げられる。
フェノール硬化剤の具体例としては、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の多価フェノール化合物;フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール化合物及びα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジメトキシパラキシレン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル等と、から合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジシクロペンタジエンと、から共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂及びジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂;これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂などが挙げられる。
これらのフェノール硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤の官能基当量(フェノール性水酸基を分子中に有する硬化剤では、水酸基当量)は、例えば、JIS K 0070:1992に準じた方法により測定される値であってもよい。
硬化剤の融点又は軟化点は、エポキシ樹脂の融点又は軟化点と同様にして測定される値とする。
無機充填材の材質は、特に制限されない。無機充填材の具体例としては、シリカ(溶融シリカ、結晶シリカ等)、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカなどの無機材料が挙げられる。難燃効果を有する無機充填材を用いてもよい。難燃効果を有する無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。中でも、無機充填材としては、線膨張係数低減の観点からシリカが好ましく、高熱伝導性の観点からアルミナが好ましい。無機充填材は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填材の状態としては粉未、粉末を球形化したビーズ、繊維等が挙げられる。
無機充填材の形状は特に制限されない。封止用樹脂組成物の流動性の観点からは、無機充填材の粒子形状は球形であることが好ましい。
また、無機充填材の含有率は分散液の固形分の全体積に対して95体積%以下であることが好ましく、90体積%以下であることがより好ましく、87体積%以下であることがさらに好ましい。無機充填材の含有率が分散液の固形分全体の95体積%以下であると、封止用樹脂組成物の粘度の上昇が抑制され、流動性がより向上して成形性がより良好になる傾向にある。
以上の観点から、無機充填材の含有率は分散液の固形分の全体積に対して50体積%~95体積%であることが好ましく、60体積%~95体積%であることがより好ましく、70体積%~95体積%であることがさらに好ましく、75体積%~90体積%であることが特に好ましく、80体積%~87体積%であることが極めて好ましい。
本開示における無機充填材の平均粒子径は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により、体積平均粒子径(D50)として測定することができる。
また、分散液、封止用樹脂組成物、又はその硬化物中の無機充填材の平均粒子径は、具体的には以下の方法によって測定することができる。分散液、封止用樹脂組成物、又はその硬化物を入れたるつぼを、マッフル炉に入れ、800℃に加熱する。試料が完全に灰化するまで4時間放置する。常温(25℃)に戻るまで試料を自然冷却し、灰分(無機充填材)を抽出する。超音波分散機等で無機充填材を十分に分散して分散液を調製する。この分散液を用いて、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により測定される体積基準の粒度分布から、無機充填材の体積平均粒子径を測定することができる。
分散液に含まれる溶媒は、特に限定されるものではなく、封止用樹脂組成物を構成する各成分を均一に溶解又は分散し得る特性を有するものが好ましい。
溶媒としては、水、有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
つまり、溶媒の沸点は、50℃~130℃の範囲が好ましく、60℃~110℃の範囲がより好ましく、70℃~90℃の範囲がさらに好ましい。
つまり、分散液全体に対する溶媒の含有率は、5質量%~80質量%の範囲が好ましく、10質量%~50質量%の範囲がより好ましく、20質量%~30質量%の範囲がさらに好ましい。
アセチレングリコール系化合物は、アセチレングリコール及びその誘導体であれば特に限定されるものではない。
アセチレングリコールとしては、炭素-炭素間三重結合を有する不飽和グリコールが挙げられ、例えば下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
また、アセチレングリコールの誘導体としては、例えばアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が挙げられ、具体的には、例えば下記一般式(A2)で表される化合物が挙げられる。
一般式(A2)中のm及びnは、HLB値を10以下に調整する観点から、1≦m+n≦10であることが好ましく、1≦m+n≦4であることがより好ましい。
アセチレングリコール系化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
式(A):HLB値=(親水性部分の分子量/化合物全体の分子量)×100/5
なお、上記式(A)中「親水性部分」とは、アセチレングリコール系化合物のうち親水性を示す部分構造を意味する。具体的には、例えば一般式(A1)で表される化合物における親水性部分は側鎖の水酸基(すなわち、2つの「-OH」)であり、一般式(A2)で表される化合物における親水性部分は側鎖のエチレングリコール鎖及び水酸基(すなわち、「-(OC2H4)m-OH」及び「-(OC2H4)n-OH」)である。
また、分散液に含まれる溶媒100質量部に対するアセチレングリコール系化合物の含有量は、封止用樹脂組成物の均一分散性を得る観点から、0.01質量部~20質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部~50質量部の範囲であることがより好ましく、0.3質量部~1.5質量部の範囲であることがさらに好ましい。
-その他の界面活性剤-
分散液は、必要に応じてアセチレングリコール系化合物以外の界面活性剤(以下「その他の界面活性剤」ともいう)を含んでもよく、その他の界面活性剤を含んでいなくてもよい。
その他の界面活性剤の種類は特に限定されず、電子部品用の有機樹脂組成物に一般的に使用されている界面活性剤を使用できる。その他の界面活性剤としては、非イオン性の界面活性剤、アニオン性の界面活性剤、フッ素系の界面活性剤等が挙げられる。その他の界面活性剤を用いる場合、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アニオン性の界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
フッ素系の界面活性剤としては、疎水部にフッ素原子、親水部にカチオン性基、アニオン性基、水酸基、エーテル結合等の親水部を合わせ持つ化合物が好ましく、例えば、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸、パーフルオロアルキル基含有スルホン酸、パーフルオロアルキル基含有リン酸(エステル)、パーフルオロアルキル基含オキシド付加物、パーフルオロアルキル基含アンモニウム等の疎水部としてパーフルオロアルキル基を有する化合物等が挙げられる。
製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、硬化促進剤を用いてもよい。
硬化促進剤の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂の種類、封止用樹脂組成物の所望の特性等に応じて選択できる。
なかでも硬化促進剤はリン系硬化促進剤を含むことが好ましく、ホスホニウム化合物を含むことがより好ましい。硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
製造する封止用樹脂組成物において樹脂成分と無機充填材との接着性を高めるために、封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、カップリング剤を用いてもよい。
カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム/ジルコニウム系化合物などの公知のカップリング剤が挙げられる。
製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、イオン交換体を用いてもよい。封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、封止用樹脂組成物がイオン交換体を含むことが好ましい。
イオン交換体は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハイドロタルサイト化合物、並びにマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及びビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物等が挙げられる。イオン交換体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、下記一般式(A)で表されるハイドロタルサイトが好ましい。
(0<X≦0.5、mは正の数)
成形時における金型との良好な離型性を得る観点から、製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として離型剤を用いてもよい。
離型剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、難燃剤を用いてもよい。
難燃剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む有機又は無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、着色剤を用いてもよい。
着色剤としては、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤を挙げることができる。着色剤の含有量は目的等に応じて適宜選択できる。着色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
製造する封止用樹脂組成物に含有させるその他添加剤として、シリコーンオイル、シリコーンゴム粒子等の応力緩和剤を用いてもよい。封止用樹脂組成物が応力緩和剤を含むことにより、パッケージの反り変形及びパッケージクラックの発生をより低減させることができる。
応力緩和剤としては、一般に使用されている公知の応力緩和剤(可とう剤)が挙げられる。応力緩和剤の具体例としては、シリコーン系、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子、メタクリル酸メチル-スチレン-ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル-シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチル共重合体等のコア-シェル構造を有するゴム粒子などが挙げられる。応力緩和剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、シリコーン系応力緩和剤が好ましい。シリコーン系応力緩和剤としては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性したもの等が挙げられる。
分散液の調製方法は、特に制限されず、例えば、分散液に含まれる前述の成分を所定の配合量でミキサー等によって混合する方法が挙げられる。
分散液の調製時における温度は、特に限定されず、例えば5℃~50℃が挙げられる。
分散液の調製時に撹拌を行う場合、撹拌時間は特に限定されず、例えば10分~120分が挙げられる。
混練工程では、前記分散液準備工程において準備した分散液を混練する。具体的には、撹拌機、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル、又はホモディスパー、ニーダー、ロール、エクストルーダー等を用いて、分散液を混練する。
混練温度は、混練促進と分散液成分の熱劣化抑制の観点から、例えば40℃~140℃の範囲が挙げられ、60℃~120℃の範囲が好ましく、80℃~110℃の範囲がより好ましい。
混練時間は、同じく混練性と分散液成分の熱劣化進行を均衡させる観点から、例えば1分~60分の範囲が挙げられ、5分~30分の範囲が好ましく、5分~20分の範囲がより好ましい。
なお、混練工程において、後述する溶媒除去工程を行ってもよい。
溶媒除去工程では、前記分散液準備工程において準備した分散液に含まれる溶媒を除去する。具体的には、分散液の加熱、減圧等を行うことで、分散液から溶媒を揮発させて除去する。
加熱により溶媒を除去する場合、加熱温度は、残留溶媒低減と混練促進の観点から、例えば40℃~140℃の範囲が挙げられ、60℃~120℃の範囲が好ましく、80℃~110℃の範囲がより好ましい。また、加熱時間は、同じく残留溶媒低減と混練促進の観点から、例えば1分~60分の範囲が挙げられ、5分~30分の範囲が好ましく、5分~20分の範囲がより好ましい。
減圧により溶媒を除去する場合、減圧度は、残留溶媒低減の観点から、0MPa~0.07MPaの範囲が好ましく、0MPa~0.05MPaの範囲がより好ましい。また、減圧時間は、残留溶媒低減に加え混練促進の観点から、例えば1分~60分の範囲が挙げられ、5分~30分の範囲が好ましく、5分~20分の範囲がより好ましい。
なお、溶媒除去工程では、加熱及び減圧の両方を行うことで溶媒を除去してもよい。また、溶媒除去工程は、前述の混練工程において行ってもよい。
本開示の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、アセチレングリコール系化合物と、を含み、必要に応じてその他添加剤を含んでもよい。
本開示の封止用樹脂組成物としては、例えば、前述の封止用樹脂組成物の製造方法により製造された封止用樹脂組成物が挙げられる。
本開示の封止用樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、及びその他添加剤は、前述の封止用樹脂組成物の製造方法で用いる分散液に含まれるエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、及びその他添加剤として説明した通りである。
封止用樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の含有率は、封止用樹脂組成物全体に対し、例えば100ppm以下が挙げられ、2ppm~50ppmの範囲であることが好ましく、3ppm~20ppmの範囲であることがより好ましい。
アセチレングリコール系化合物を含有しない封止用樹脂組成物である比較用試料の250℃での加熱時の質量と、アセチレングリコール系化合物を含有する封止用樹脂組成物である測定試料の250℃での加熱時の質量と、を測定し、その質量差を算出して封止用樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の質量とする。そして、算出された封止上樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の質量を、測定前の常温(25℃)における前記測定試料の質量で除した数値を、封止用樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の含有率とする。
なお、上記比較用試料は、アセチレングリコール系化合物を含まないこと以外は上記測定試料と組成が同じ封止用樹脂組成物である。上記比較用試料は、例えば、分散液準備工程においてアセチレングリコール系化合物を用いないこと以外は前記測定試料の製造方法と同じ工程を経ることにより得られる。
具体的には、熱重量分析(TG-DTA)を用いることができる。例えば以下の装置及び条件を用いて、熱重量分析を行い封止用樹脂組成物の熱重量を測定し、下式(1)にて、封止用樹脂組成物に含まれるアセチレングリコール系化合物の含有率を計算する。
・測定条件
装置:TG/DTA 7300(セイコーインスツル株式会社製)
試料量:0.01g
加熱雰囲気:窒素 100ml/分
昇温開始温度:20℃
昇温終了温度:300℃
昇温速度:10℃/分
C = ((W1-W2) / W) × 106 ・・・(1)
C:測定試料に含まれるアセチレングリコール系化合物の含有率(ppm)
W1:熱重量分析で測定された比較用試料の250℃での質量(g)
W2:熱重量分析(TG-DTA)で測定された測定試料の250℃での質量(g)
W:測定試料の質量(0.01g)
CTEの測定は以下のようにして行う。具体的には、TMA法(示差膨張方式)を用いることができる。具体的には、トランスファ成形機と方形金型を用いて、成形温度175℃,成形時間90秒、圧力7MPaの条件にて、封止用樹脂組成物を成形し、更に175℃で3時間の条件にて後硬化を行い、大きさ:4mm(W)×4mm(D)×0.2mm(H)のTMA測定用試験片を作製する。上記試験片のW方向の寸法を、ティーエーインスツルメント社製の熱機械分析装置(Q400)により、圧縮法(荷重0.05N)で25~300℃の温度範囲で、昇温速度5℃/分にて昇温測定を行い、200~240℃の温度範囲でのCTEを算出する。
熱時硬度の測定は以下のようにして行う。具体的には、トランスファ成形機と円板金型を用いて、175℃、90秒、圧力7MPaの条件にて封止用樹脂組成物を成形し、更に175℃で3時間の条件にて後硬化を行い、大きさ:直径50mm×厚さ3mmの円板状の熱時硬度測定用試験片を作製する。上記円板状の試験片について、ショアD硬度計(高分子計器(株)製)を用いて熱時硬度(180℃)を測定する。
本開示の一実施形態に係る電子部品装置は、素子と、前記素子を封止する上述の封止用樹脂組成物の硬化物と、を備える。
電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ、有機基板等の支持部材に、素子(半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子など)を搭載して得られた素子部を封止用樹脂組成物で封止したものが挙げられる。
より具体的には、リードフレーム上に素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部とをワイヤボンディング、バンプ等で接続した後、封止用樹脂組成物を用いてトランスファ成形によって封止した構造を有するDIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC;テープキャリアにバンプで接続した素子を封止用樹脂組成物で封止した構造を有するTCP(Tape Carrier Package);支持部材上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した素子を、封止用樹脂組成物で封止した構造を有するCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール等;裏面に配線板接続用の端子を形成した支持部材の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と支持部材に形成された配線とを接続した後、封止用樹脂組成物で素子を封止した構造を有するBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)などが挙げられる。また、プリント配線板においても封止用樹脂組成物を好適に使用することができる。
封止用樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法、インジェクション成形法、圧縮成形法等が挙げられる。これらの中では、低圧トランスファ成形法が一般的である。
下記の材料を表1及び表2に記載の組成(質量部)で混合し、撹拌装置として傾斜パドル翼式攪拌機を用い、25℃の条件で60分間撹拌を行った。
なお、表1及び表2中の空欄は、その成分が未配合であることを意味する。また、分散液の固形分(溶媒等の揮発成分を除く全成分)全体に対する無機充填材の含有率(体積基準)を表1及び表2に示す。
エポキシ樹脂1:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(エポキシ当量167g/eq、軟化点59℃、三菱ケミカル株式会社、商品名:1032H60、一般式(VIII)で表されるエポキシ樹脂)
エポキシ樹脂2:フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(エポキシ当量275g/eq、軟化点58℃、日本化薬社、商品名:NC-3000、一般式(X)で表されるエポキシ樹脂)
エポキシ樹脂3:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂の混合物(エポキシ当量237g/eq、軟化点93℃、日本化薬株式会社、商品名:CER-3000、一般式(X)で表されるエポキシ樹脂の含有率80質量%)
硬化剤1:トリフェニルメタン型フェノール樹脂であるフェノール硬化剤(水酸基当量103g/eq、軟化点85℃、明和化成株式会社、商品名:MEH7500-3S、一般式(XVI)で表される化合物)
硬化剤2:ナフトールアラルキル型フェノール樹脂であるフェノール硬化剤(水酸基当量210g/eq、軟化点85℃、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、商品名:SN-485、一般式(XIV)で表される化合物)
硬化剤3:フェノールアラルキル型フェノール樹脂であるフェノール硬化剤(水酸基当量174g/eq、軟化点75℃、明和化成株式会社、商品名:MEHC7800-S、一般式(XIII)で表される化合物)
溶融シリカ(球状溶融シリカ、平均粒子径17.5μm、比表面積3.8m2/g)
メチルエチルケトン(沸点79℃)
アセチレングリコール系化合物1:化合物名2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのエチレンオキシド付加物、(エアープロダクツ株式会社、商品名:サーフィノール420、HLB:4.0)
アセチレングリコール系化合物2:化合物名2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのエチレンオキシド付加物、(エアープロダクツ株式会社、商品名:サーフィノール440、HLB:8.0)
アセチレングリコール系化合物3:化合物名2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのエチレンオキシド付加物、(日信化学工業株式会社、商品名:オルフィンE1004、HLB:8.0)
界面活性剤1:有機フッ素系化合物(DIC社、商品名:メガファックF-477、ノニオン性界面活性剤)
硬化促進剤1:トリブチルホスフィンと1,4-ベンゾキノンの付加反応物
硬化促進剤2:2-エチル-4-メチルイミダゾール
カップリング剤:N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社、商品名「KBM-573」)
(着色剤)
カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社、商品名「MA600」)
(離型剤)
モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社、商品名「HW-E」
得られた分散液を、減圧度0.02MPa、混練温度100℃、混練時間10分の条件でロール混練を行うことによって、分散液の混練及び溶媒の除去(加熱による溶媒の除去)を同時に行うことで、封止用樹脂組成物を得た。
得られた封止用樹脂組成物について、封止用樹脂組成物全体に対するアセチレングリコール系化合物の含有率の測定、熱膨張係数の測定、及び熱時硬度の測定を、前述の方法で行った。結果を表1及び表2に示す。
Claims (6)
- エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填材と溶媒とアセチレングリコール系化合物とを含む分散液を準備する工程と、
前記分散液を混練する工程と、
前記分散液に含まれる前記溶媒を除去する工程と、
を有する封止用樹脂組成物の製造方法。 - 前記アセチレングリコール系化合物のHLB値は10以下である請求項1に記載の封止用樹脂組成物の製造方法。
- エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、アセチレングリコール系化合物と、を含む封止用樹脂組成物。
- 前記アセチレングリコール系化合物のHLB値は10以下である請求項3に記載の封止用樹脂組成物。
- 素子を、請求項1又は請求項2に記載の封止用樹脂組成物の製造方法により製造された封止用樹脂組成物で封止する工程を含む電子部品装置の製造方法。
- 素子と、
前記素子を封止する請求項3又は請求項4に記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、
を備える電子部品装置。
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