JP7455488B2 - 基準器の校正値の診断方法及び診断装置 - Google Patents
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Description
主軸頭2は、並進軸であり互いに直交するY・Z軸によって並進2自由度の運動が可能である。テーブル3は、並進軸でありY・Z軸に直交するX軸により並進1自由度の運動が可能である。したがって、主軸頭2は、テーブル3に対して並進3自由度を有する。各軸は、数値制御装置により制御されるサーボモータにより駆動され、被加工物をテーブル3に固定し、主軸頭2に工具を装着して回転させ、被加工物を任意の形状に加工する。
しかし、基準器の校正値に誤差がある場合、それが測定誤差となる。
これに対して、特許文献2には、チェックゲージの一側面の直動測定を行って第1のデータを取得した後、チェックゲージを軸心を中心に180°回転させて同一面の直動測定を行って第2のデータを取得し、両データの差を真直度誤差補正量とする発明が開示されている。このような反転法を用いることで、基準器の校正値と機械の運動誤差とを分離して測定することができる。
前記基準器を前記テーブルの所定の設置位置に設置する基準器設置ステップと、
前記センサを用いて、前記基準器の各前記測定ポイントを検出することで、各前記測定ポイントの相対的な位置に関する計測値を取得する計測ステップと、
予め取得した各前記測定ポイントの相対的な位置に関する校正値と、前記計測値とに基づいて誤差値を算出する誤差値算出ステップと、
を前記設置位置を変えて複数回実行した後、
各前記設置位置でのそれぞれの前記誤差値同士の類似度を計算する類似度算出ステップと、
前記類似度に基づいて前記校正値の誤差の有無を診断する診断ステップと、
を実行することを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記診断ステップでは、前記類似度算出ステップで算出された全ての前記類似度が、予め設定された閾値を超えるか否かを判別し、少なくとも1つの前記類似度が前記閾値を超えている場合に前記校正値に誤差が発生していると診断することを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記診断ステップで前記校正値の誤差が発生していると診断した場合、当該誤差の発生を報知する報知ステップをさらに実行することを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記類似度算出ステップでは、複数の前記設置位置のうちの1つの前記設置位置で取得する前記誤差値と、他の前記設置位置で取得する前記誤差値とのユークリッド距離に基づいて前記類似度を計算することを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記類似度算出ステップでは、複数の前記設置位置のうちの1つの前記設置位置で取得する前記誤差値と、他の前記設置位置で取得する前記誤差値とをそれぞれ鮮鋭化フィルタ処理を行ってから前記類似度を計算することを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記類似度算出ステップを実行する前に、各前記設置位置でそれぞれ算出した各前記誤差値の最大値と最小値との差分を計算し、前記差分が予め設定した差分閾値以上の場合に前記類似度算出ステップを実行することを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明のうち、第2の発明は、2軸以上の並進軸と、複数の測定ポイントを有する基準器を設置可能なテーブルと、センサを保持可能な先端機器とを有し、前記先端機器に保持された前記センサが、前記並進軸により、前記基準器に対して並進2自由度以上の相対運動が可能である機械を用いて、前記基準器の校正値の誤差を診断する装置であって、
前記センサを用いて、前記テーブルの所定の設置位置に設置された前記基準器の各前記測定ポイントを検出することで、各前記測定ポイントの相対的な位置に関する計測値を取得する計測手段と、
予め取得した各前記測定ポイントの相対的な位置に関する校正値と、前記計測値とに基づいて誤差値を算出する誤差値算出手段と、
を前記設置位置を変えて複数回実行可能であると共に、
各前記設置位置でのそれぞれの前記誤差値同士の類似度を計算する類似度算出手段と、
前記類似度に基づいて前記校正値の誤差の有無を診断する診断手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明の別の態様は、上記構成において、前記診断手段は、前記類似度算出手段で算出された全ての前記類似度が、予め設定された閾値を超えるか否かを判別し、少なくとも1つの前記類似度が前記閾値を超えている場合に前記校正値に誤差が発生していると診断することを特徴とする。
第2の発明の別の態様は、上記構成において、前記診断手段で前記校正値の誤差が発生していると診断した場合、当該誤差の発生を報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする。
第2の発明の別の態様は、上記構成において、前記類似度算出手段は、複数の前記設置位置のうちの1つの前記設置位置で取得する前記誤差値と、他の前記設置位置で取得する前記誤差値とのユークリッド距離に基づいて前記類似度を計算することを特徴とする。
第2の発明の別の態様は、上記構成において、前記類似度算出手段は、複数の前記設置位置のうちの1つの前記設置位置で取得する前記誤差値と、他の前記設置位置で取得する前記誤差値とをそれぞれ鮮鋭化フィルタ処理を行ってから前記類似度を計算することを特徴とする。
第2の発明の別の態様は、上記構成において、前記類似度算出手段を実行する前に、各前記設置位置でそれぞれ算出した各前記誤差値の最大値と最小値との差分を計算し、前記差分が予め設定した差分閾値以上の場合に前記類似度算出手段による前記類似度の算出を行うことを特徴とする。
[形態1]
本発明の一実施形態を、図2、図3のフローチャートにもとづいて説明する。適用する機械としては、図1のマシニングセンタ1を例に説明する。
マシニングセンタ1は、図4の制御装置(NC装置)21により制御される。制御装置21は、X,Y,Zの各軸の並進用サーボモータの制御の他、本発明の基準器の校正値の診断装置として後述する校正値の診断方法を実行する。すなわち、計測手段26によりターゲットの位置を計測し、記憶手段23において計測結果などを記憶し、演算手段22において後述する誤差値及び類似度の算出といった各種演算処理を行う。よって、演算手段22は、本発明の誤差値算出手段、類似度算出手段、診断手段として機能する。
また、制御装置21は、基準器の校正値の入力などを行う入力手段24や、オペレータに情報を伝達する報知手段としての出力手段25を備える。
校正値から求められるターゲット球P1とPi(i=1~10)の間隔をc(i)、間隔の計測結果をm1(i)とすると、第1誤差値δ1(i)は、下式で求められる(S3:誤差値算出ステップ)。
得られた第1誤差値、第2誤差値について、図8のような特定のターゲットに生じている校正値の誤差を診断対象とする場合には、鮮鋭化フィルタによるフィルタ処理を行う(S7-1)。これにより、精度の高い診断を行うことができる。
例えば、下式のようにSavitzky-Golayフィルタを利用して誤差値のゆるやかな変化成分を抽出し、それを誤差値δ1, δ2から差し引くことで、誤差値の急な変化成分δ1’, δ2’を算出することができる。
続けて、基準長さを用いて誤差値を正規化する(S7-2)。本例では、第1誤差値と第2誤差値との各10個の誤差値を要素とした第1ベクトルと第2ベクトルとの2つの10次元ベクトルの長さL1,L2のうち、長いほうを基準長さLとする。ベクトルの長さは下式で計算する。
各誤差値例に対して類似度を計算すると、図12のような類似度となり、校正値に誤差がある誤差値例1と誤差値例2とにおいて、類似度が高くなる。一方、計測の再現性による誤差値である誤差値例3では類似度は低くなる。
次に、本発明の他の形態を説明する。
マシニングセンタ1及び制御装置21の構成は先の形態1と同じであるが、ここでは図13に示すように、ターゲット球を備えない基準器12をテーブル3に設置し、基準器12の測定面となる上面に設定された複数の測定ポイントの位置をタッチプローブ11で測定する。基準器12の測定面は高い平面度で加工されており、測定面上の複数の測定ポイントの相対的な位置関係は、高精度な測定器で予め測定され、測定結果が校正値として記録されている。
まず、S11から、基準器の設置位置ループを実行する。すなわち、設置位置sを変更して、S11~S17の処理を所定の回数繰り返す。設置位置については同一軸に平行な方向の別の位置でもよいし、別の軸に平行な方向に設置してもよい。本例ではX軸に平行な方向の別の位置に設置する例について説明する。
S12で、基準器12を設置位置sに設置する(基準器設置ステップ)。
S13で、基準器12のj番目の測定ポイントPjのZ方向の位置をタッチプローブ11で測定し、X軸の指令値Xcs,jにおける計測値Zms,jを得る(計測ステップ)。
S14で、計測値Zms,jと、基準器12の校正値Zcjとで差分をとって、誤差値dZms,jを算出する(dZms,j=Zms,j-Zcj)。特にここでは、基準器12の設置誤差による計測値の誤差を除去した誤差値dZs,jを計算する(誤差値算出ステップ)。この計算については後述する。
S16で、類似度算出時に基準とする設置位置と設置位置sとにおいて、それぞれの設置位置における誤差値dZs,jの最大値と最小値との差(誤差幅)が、予め設定した差分閾値以上かどうか判定する。誤差幅が差分閾値を下回る場合は類似度を計算しない。
S16の判定で、誤差幅が差分閾値以上の場合は、S17で、ある設置位置の測定結果に対する設置位置sの測定結果の類似度を計算する(類似度算出ステップ)。詳細は後述する。
S18で、S17にて計算された全ての類似度が予め設定された閾値以内かどうか判定する(診断ステップ)。少なくとも1つの類似度が閾値を超える場合、S19で、出力手段25を用いて警告メッセージを出力する(報知ステップ)。
X軸の真直度の測定において、基準器12の測定面がX軸に対して傾いている場合、設置位置sにおける測定ポイントPjの測定において、基準器12の設置誤差による下式のZ方向誤差dZws,jが発生する。
数8のawsとbwsとは、最小二乗法などを用いて下式を解くことで求める。
なお、位置決め精度測定の場合には、aws=0となる。
設置位置1で得られた誤差値dZ1,jと設置位置2で得られた誤差値dZ2,jとの差は、下式のように各誤差値のユークリッド距離||d||として表すことができる。
一方、設置位置1と設置位置2との各N個の誤差値を要素としたN次元ベクトルの長さL1,L2を、下式のようにして計算し、長い方を基準長さLとする。
特に、X軸位置に依存する誤差dZa(Xci,j)と比較して、測定ポイントPjの校正値の誤差dZpsが大きいほど、類似度Dは1に近くなる。
上記形態1,2は、X軸のZ方向成分真直度を測定する例で説明しているが、その他の軸、その他の成分の真直度や位置決め精度を測定する場合に対しても、本発明を実施することができる。
基準器の形状も上記形態1,2に限らず、適宜変更可能である。位置決め精度を測定する場合には、測定面間の距離を校正値として持つ基準器でもよい。
上記形態1,2では、マシニングセンタを例示して説明しているが、適用する機械としては、複合加工機や旋盤、研削盤等の他の工作機械でもよい。また、工作機械に限らず、産業機械やロボットでもよい。
Claims (12)
- 2軸以上の並進軸と、複数の測定ポイントを有する基準器を設置可能なテーブルと、センサを取付可能な先端機器とを有し、前記先端機器に保持された前記センサが、前記並進軸により、前記基準器に対して並進2自由度以上の相対運動が可能である機械を用いて、前記基準器の校正値の誤差を診断する方法であって、
前記基準器を前記テーブルの所定の設置位置に設置する基準器設置ステップと、
前記センサを用いて、前記基準器の各前記測定ポイントを検出することで、各前記測定ポイントの相対的な位置に関する計測値を取得する計測ステップと、
予め取得した各前記測定ポイントの相対的な位置に関する校正値と、前記計測値とに基づいて誤差値を算出する誤差値算出ステップと、
を前記設置位置を変えて複数回実行した後、
各前記設置位置でのそれぞれの前記誤差値同士の類似度を計算する類似度算出ステップと、
前記類似度に基づいて前記校正値の誤差の有無を診断する診断ステップと、
を実行することを特徴とする基準器の校正値の診断方法。 - 前記診断ステップでは、前記類似度算出ステップで算出された全ての前記類似度が、予め設定された閾値を超えるか否かを判別し、少なくとも1つの前記類似度が前記閾値を超えている場合に前記校正値に誤差が発生していると診断することを特徴とする請求項1に記載の基準器の校正値の診断方法。
- 前記診断ステップで前記校正値の誤差が発生していると診断した場合、当該誤差の発生を報知する報知ステップをさらに実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の基準器の校正値の診断方法。
- 前記類似度算出ステップでは、複数の前記設置位置のうちの1つの前記設置位置で取得する前記誤差値と、他の前記設置位置で取得する前記誤差値とのユークリッド距離に基づいて前記類似度を計算することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の基準器の校正値の診断方法。
- 前記類似度算出ステップでは、複数の前記設置位置のうちの1つの前記設置位置で取得する前記誤差値と、他の前記設置位置で取得する前記誤差値とをそれぞれ鮮鋭化フィルタ処理を行ってから前記類似度を計算することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の基準器の校正値の診断方法。
- 前記類似度算出ステップを実行する前に、各前記設置位置でそれぞれ算出した各前記誤差値の最大値と最小値との差分を計算し、前記差分が予め設定した差分閾値以上の場合に前記類似度算出ステップを実行することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の基準器の校正値の診断方法。
- 2軸以上の並進軸と、複数の測定ポイントを有する基準器を設置可能なテーブルと、センサを保持可能な先端機器とを有し、前記先端機器に保持された前記センサが、前記並進軸により、前記基準器に対して並進2自由度以上の相対運動が可能である機械を用いて、前記基準器の校正値の誤差を診断する装置であって、
前記センサを用いて、前記テーブルの所定の設置位置に設置された前記基準器の各前記測定ポイントを検出することで、各前記測定ポイントの相対的な位置に関する計測値を取得する計測手段と、
予め取得した各前記測定ポイントの相対的な位置に関する校正値と、前記計測値とに基づいて誤差値を算出する誤差値算出手段と、
を前記設置位置を変えて複数回実行可能であると共に、
各前記設置位置でのそれぞれの前記誤差値同士の類似度を計算する類似度算出手段と、
前記類似度に基づいて前記校正値の誤差の有無を診断する診断手段と、
を備えることを特徴とする基準器の校正値の診断装置。 - 前記診断手段は、前記類似度算出手段で算出された全ての前記類似度が、予め設定された閾値を超えるか否かを判別し、少なくとも1つの前記類似度が前記閾値を超えている場合に前記校正値に誤差が発生していると診断することを特徴とする請求項7に記載の基準器の校正値の診断装置。
- 前記診断手段で前記校正値の誤差が発生していると診断した場合、当該誤差の発生を報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項7又は8に記載の基準器の校正値の診断装置。
- 前記類似度算出手段は、複数の前記設置位置のうちの1つの前記設置位置で取得する前記誤差値と、他の前記設置位置で取得する前記誤差値とのユークリッド距離に基づいて前記類似度を計算することを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の基準器の校正値の診断装置。
- 前記類似度算出手段は、複数の前記設置位置のうちの1つの前記設置位置で取得する前記誤差値と、他の前記設置位置で取得する前記誤差値とをそれぞれ鮮鋭化フィルタ処理を行ってから前記類似度を計算することを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の基準器の校正値の診断装置。
- 前記類似度算出手段を実行する前に、各前記設置位置でそれぞれ算出した各前記誤差値の最大値と最小値との差分を計算し、前記差分が予め設定した差分閾値以上の場合に前記類似度算出手段による前記類似度の算出を行うことを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の基準器の校正値の診断装置。
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