JP7459472B2 - ハードコート層付き有色ガラス - Google Patents
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Description
[全体構成]
図1に示すように、本発明のハードコート層付き有色ガラス10は、有色の有機ガラス基材4の表面に、中間樹脂基材層3を介してハードコート層1が積層されている層構成を基本構成とする。有機ガラス基材4としては、全層に均一に着色材料を含有してなる単層構成の有色の有機ガラス基材を好ましく用いることができる。但し、本発明のハードコート層付き有色ガラスを構成するガラス基材は、無色透明な層に積層されている有色層が表面に露出している多層構成の有機ガラス基材であってもよい。この場合においては、中間樹脂基材層3は多層の有機ガラス基材4の表面に露出している有色層の表面に積層される。
ハードコート層1は、硬化性樹脂を含んでなる樹脂組成物(以下、「硬化性樹脂組成物」とも言う)からなる層である。そして、このハードコート層1は、有色ガラス10の表面保護層として、その最表面に良好な耐傷性を備えさせる機能を有する層である。尚、このハードコート層1は、ハードコート層付き有色ガラス10に、防汚・防曇的性を付与することもできる。
(評価条件):摩耗輪CS-10Fを用いて500g荷重500回転の試験を行い、試験前後のヘイズ値の変化(ΔH)を測定する。(尚、ヘイズ値は、JIS K 7136に基づいて測定する。)
接着層2は、上述の通りハードコート層1の側から順に、プライマー層とヒートシール層(両層については図示せず)とが配置されてなる2層構成を好ましい構成の一例として挙げることができる。この場合において、プライマー層は、ハードコート層1に対する応力緩和層として補助的機能を発揮するとともに、有機ガラス基材4に対するハードコート層1の密着性を向上させる。又、ヒートシール層は、転写によりハードコート層を形成する場合に必須であり、熱融着性を有する樹脂からなり、ハードコート層1と有機ガラス基材4との間の十分な接着強度を確保する機能を発揮する。
中間樹脂基材層3は、ハードコート層付き有色ガラス10において、有機ガラス基材4の表面に露出する有色層と、ハードコート層1との間に配置される樹脂層である。
有機ガラス基材4は、ベース樹脂とする樹脂材料に各種の着色材が適量添加された材料組成物を所望の形状に成型することによって得ることができる。尚、有機ガラス基材4が多層構成である場合は、有色層のみに着色材を添加すればよい。
本発明のハードコート層付き有色ガラスの他の実施形態として図2に示すハードコート層付き有色ガラス20を挙げることができる。ハードコート層付き有色ガラス20は、有機ガラス基材4の有色の表面に、中間樹脂基材層3を介してハードコート層1が積層されている層構成を基本構成とする点において、図1に示すハードコート層付き有色ガラス10と基本層構成が共通するが、両最表面に接着層2、2Aを介してハードコート層1、1Aが配置されていながら、中間樹脂基材層3については、有機ガラス基材4の両面のうち一方の表面側にのみ配置されている。ハードコート層付き有色ガラス20は、このように非対称な層構成からなる点を、上述のハードコート層付き有色ガラス10とは異なる特徴とする。その他の各層毎の物性については上述したハードコート層付き有色ガラス10と同様であればよい。
本発明のハードコート層付き有色ガラスは、従来公知のハードコート層付き有機ガラスの製造方法又はそれに準じた各種の製造方法により製造することができる。但し、以下に詳細を説明する製造方法により、本発明のハードコート層付き有色ガラスを、特に高い生産性の下で製造することができる。尚、下記、実施例においては、この製造方法により、試料とするハードコート層付き有色ガラスを製造した。
第1の積層工程は、中間樹脂基材層3の表面にハードコート層1を積層一体化した積層体を得る工程である。上記の積層体を得るための材料としては、PET等からなる基材にハードコート層、プライマー層、ヒートシール層が順次積層されてなる、公知のハードコート転写フィルムを用いることが好ましい。そして、ハードコート転写フィルムのヒートシール層の表面を、中間樹脂基材層3を構成する樹脂フィルムに積層して熱転写した後、上記基材のみハードコート層から剥離することで、中間樹脂基材層3の表面にハードコート層1を積層一体化した積層体を得ることができる。
第2の積層一体化成形工程は、第1の積層一体化工程で得た上記の積層体と、有色の有機ガラス基材とを、更に積層し、この積層体を加熱加圧成形して一体化することにより、ハードコート層付き有色ガラスを得る工程である。この加熱加圧成形は、ハードコート層1、接着層2、中間樹脂基材層3、及び、有機ガラス基材4を含んでなる積層体を、単一の又は一連の処理によって加熱圧着して一体化成形する工程である。加熱加圧成形の具体的方法としては、ロールラミネート法、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法及び内圧成形法等を採用することができる。又、有色の有機ガラス基材を射出成型により作製する場合は、第1の積層一体化工程で得た上記の積層体を射出成型機の金型に配置し、成型と同時に、一体化させるインサート成型法を用いることもできる。
上述した「ハードコート層付き有色ガラスの製造方法」(但し、〔転写用ハードコートフィルム、ハードコート層積層体の製造〕等、製造方法の詳細については、下記に記載の通りとした)により、各実施例及び各比較例のハードコート層付き有色ガラス試料を作成した。試料作成のための材料は下記の通りとした。又、板状の各試料のサイズは何れも25mm×25mmとした。但し、比較例1、4~5、及び、参考例においては、中間樹脂基材層を配置せずに、ハードコート層を各有機ガラス基材に接着層のみを介して積層した。
:ポリカーボネート樹脂をベース樹脂とし、顔料としてカーボンブラック、及び、赤外線吸収剤として六ホウ化ランタンが配合されているガラス樹脂組成物(Tg:150℃)を厚さ4mmの平板に成型した、有色のガラス基材を、各実施例及び比較例の試料を構成する単層の有機ガラス基材1(有機ガラス基材1-1~1-2)として用いた。上記顔料の配合量は、各有機ガラス基材の光線透過率が、それぞれ表1記載の透過率となる配合量とした。
:厚さ4mmの透明なポリカーボネート樹脂板(Tg:150℃)の表面に、ベース樹脂がアクリルであり、顔料としてカーボンブラック、及び、赤外線吸収剤として六ホウ化ランタンが配合されてなる厚さ100μmの有色樹脂フィルムを積層してなる有色のガラス基材を、各実施例及び比較例の試料を構成する多層の有機ガラス基材2として用いた。各有機ガラス基材において有色層を構成する有色樹脂フィルム中の上記顔料の配合量は、各有機ガラス基材の光線透過率が、それぞれ表1記載の透過率となる配合量とした。
:厚さ4mmの透明なポリカーボネート樹脂板からなる透明のガラス基材(Tg:150℃)を、参考例の試料を構成する多層の有機ガラス基材(有機ガラス基材3)として用いた。
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)(Tg:100℃)からなる樹脂フィルムを各実施例及び比較例の試料の中間樹脂基材層を構成する中間樹脂基材1(中間樹脂基材1-1~1-6)として用いた。各中間樹脂基材の厚さは、それぞれ表1に記載の厚さとした。
ポリ塩化ビニル(PVC)(Tg60℃)からなる樹脂フィルムを各実施例及び比較例の試料の中間樹脂基材層を構成する中間樹脂基材2(中間樹脂基材2-1~2-2)として用いた。各中間樹脂基材の厚さは、それぞれ表1に記載の厚さとした。中間樹脂基材2-2についてのみ上記顔料を配合し、光線透過率が、表1記載の透過率となるようにした。
基材フィルム(剥離フィルム)として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)(製品名:E5101,東洋紡社製)からなるフィルムを用い、該基材フィルムの塗布面に、以下に示すハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物(希釈後固形分30%、希釈溶剤:酢酸エチル)をグラビアコーティングにより塗布して未硬化樹脂層を形成し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、該未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、ハードコート層(厚さ:3μm)を形成した。ハードコート層は23℃から150℃までの温度領域で、明確なガラス転移温度を示さなかった。
6官能の電離放射線硬化性樹脂(6官能のウレタンアクリレート,重量平均分子量Mw:約1,000)60質量部と、2官能のカプロラクトン変性ウレタンアクリレート(重量平均分子量:数千程度)40質量部との混合物:100質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(製品名:Tinuvin479,BASFジャパン株式会社製):0.7質量部
反応性官能基を有する光安定剤(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニルメタクリレート,製品名:サノールLS-3410,日本乳化剤株式会社製):4.2質量部
非反応性シリコーン化合物(ポリエーテル変性シリコーンオイル):0.3質量部
耐傷フィラー(シリカ粒子、平均粒子径:2μm):2重量部
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:100質量部
紫外線吸収剤A(Tinuvin400):13質量部
紫外線吸収剤B(Tinuvin479):17質量部
光安定剤(Tinuvin123):3質量部
粒子(平均粒径3μmのシリカ):8質量部
ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート):25質量部
上記記載の転写用ハードコートフィルムを中間樹脂基材1の上に転写フィルムを接着層が中間樹脂基材1の側になるように配置した上で、220℃の熱ラミロールにて3回加熱ラミネート加工した。その後、基材フィルムを剥離することにより、中間樹脂基材1、接着層、プライマー層、及びハードコート層がこの順で積層されている積層体を得た。
有機ガラス基材を、150℃のホットプレートを用いて加熱した。上記にて作製した、「転写用ハードコートフィルム」と「中間樹脂基材の積層されている積層体」を、加熱した有機ガラス基材の片面に「中間樹脂基材」が有機ガラス基材側になるように配置した上で、200℃の熱ラミロールにて3回加熱ラミネート加工することにより、有機ガラス基材、中間樹脂基材、接着層、プライマー層、及びハードコート層がこの順で積層されている各実施例及び比較例の「ハードコート層付き有色ガラス試料」を得た。
又、転写用ハードコートフィルムと中間樹脂基材の積層体の代わりに、転写用ハードコートフィルムを用いて。同様に加熱した有機ガラス基材の片面に転写フィルムを接着層が有機ガラス基材側になるように配置した上で、200℃の熱ラミロールにて3回加熱ラミネート加工することにより、有機ガラス基材、接着層、プライマー層、及びハードコート層がこの順で積層されている比較例の「ハードコート層付き有色ガラス試料」を得た。
実施例、比較例、及び参考例の各試料について、キセノンウェザーメーター耐候性試験装置(SX-77 スガ試験機株式会社製)を用いて、JIS K 7350-2に準拠した条件(照度:180W/m2、ブラックパネル温度63℃、)で500~2000時間暴露し、表2記載の各時間経過時において、ハードコート層の表面状態を目視により観察してクラックの発生の有無を確認した。表中「〇」はクラックが発生していないこと、「△」は、長さ1mm以下程度の微細なクラックが少数(25mm×25mmの試料表面の全体で3箇所以下)発生していること。「×」は、「△」の状態を超えるクラックが発生していることを示す。
2、2A 接着層
3 中間樹脂基材層
4 有機ガラス基材
10、20 ハードコート層付き有色ガラス
Claims (3)
- 有機ガラス基材と、ハードコート層と、を備えるハードコート層付き有色ガラスであって、
前記有機ガラス基材は、単一の有色層からなる単層構成であるか、又は、少なくとも一方の最表面層が有色層である多層構成であって、波長800nm以上1000nm以下における赤外線透過率が70%以下であり、
前記ハードコート層は、硬化性樹脂を主たる材料樹脂とし、ハードコート層付き有色ガラスの両最表面に、積層されていて、
一方の最表面に積層されている前記ハードコート層は、前記有機ガラス基材の前記有色層の表面に、ガラス転移温度(Tg)が63℃以上であり、厚さが50μm以上であって、波長800nm以上1000nm以下における赤外線透過率が80%以上である、中間樹脂基材層を介して積層されていて、
他方の最表面に積層されている前記ハードコート層は、前記中間樹脂基材層を介さずに前記有機ガラス基材の前記有色層の表面に積層されている、
ハードコート層付き有色ガラス。 - 前記有機ガラス基材は、波長800nm以上1000nm以下における赤外線透過率が10%以下である、
請求項1に記載のハードコート層付き有色ガラス。 - 前記有機ガラス基材は、全光線透過率が、5%以下である、
請求項1又は2に記載のハードコート層付き有色ガラス。
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