〔印刷物〕
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1および図2を参照して説明する。なお、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状、装飾などは理解を容易にするため適宜誇張、単純化などしている。また説明に直接的に関係しない構成などについては適宜省略している。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
図1(a)に本発明の第1実施形態に係る印刷物1を示す。
印刷物1は、原反10の一部(通常は大部分)に絵柄2が印刷されたものである。図1(a)は、印刷機における印刷物1の搬送方向が図における上下方向の下から上向き、印刷物1の幅方向が横方向とした場合の部分概念図である。図1(a)における印刷物1は、幅方向において、一例として両端付近を除く大部分に絵柄2か印刷されている。幅方向において該絵柄2が印刷された部分を絵柄部2と呼ぶ。図1(a)に絵柄2の印刷範囲すなわち絵柄部2を示している。図1(a)においては、印刷物1の幅方向について、絵柄2が印刷されていない(絵柄部2ではない)部分を絵柄外部3と呼び、図1(a)においては印刷物1の幅方向の両端付近部分である。絵柄外部3の一部に見当マーク群29が印刷されおり、図1(a)は左端付近に見当マーク群29が印刷された例である。なお、以下の説明は上記の通り、搬送方向が図における上下方向の下から上向きの場合について説明するが、搬送方向が逆であっても問題ない。また後述の通り、透明インクが印刷されるユニット(順序)は、最終ユニット(最後)である必要はなく、いずれのユニット(順序)であっても構わない。
絵柄、見当マーク群29とも同一の印刷工程で印刷されるものであるが、ここで絵柄部2に印刷される絵柄2とは、印刷物1を製品とした場合に、意匠性を認識させる印刷絵柄のことであり、例えば木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄、あるいは食品包装における包装絵柄、その他の包装絵柄などである。一方、絵柄外部3に印刷されるもの(絵柄2に該当しないもの)としては、上記見当マーク群29のほか、各インクの版濃度(インクの盛り量)を振ったチャート、いわゆるトンボ(マーク)、製品を区別するための文字、記号などであり、主に印刷工程の管理や、印刷後の製品の管理に使用されるものである。
また上記例においては、絵柄2が印刷されていない部分(すなわち絵柄外部3)は、幅方向の両端付近のみであるがこれに限らず、印刷物1の幅方向の両端付近でない部分に絵柄2が印刷されていない部分(絵柄外部3)があってもよい。このような場合には、印刷工程の後で、該絵柄2が印刷されていない部分でスリットしたり打ち抜いたりして、同一製品を複数に、あるいは複数の異なる製品に分けることが考えられるが、そのような場合であっても、スリットや打ち抜きの前後を問わず本発明の印刷物1に含まれる。
以下、本発明の説明は、4つの異なるインクを用い、そのうち1つが透明インクである場合の例について説明する。換言すれば4色印刷であり、そのうち1色が透明インクの例である。
図1(b)は最終ユニット(第4ユニット)印刷後における見当マーク群29部分の部分拡大平面図である。図1(b)に示すように見当マーク群29は、見当マーク下地層20、第1ユニット見当マーク21、第2ユニット見当マーク22、第3ユニット見当マーク23、および第4ユニット見当マーク24を含んでいる。本発明は透明インクの見当に関するものであるため、第1ユニット見当マーク21、第2ユニット見当マーク22、第3ユニット見当マーク23、および第4ユニット見当マーク24のうち少なくとも1つは透明インクにより印刷されている。すなわち印刷に係る4つのユニットのうちの少なくとも1ユニットは透明インクを印刷するユニットである。図1(b)においては第4ユニットに係るインクを透明インクとした例である。
印刷物1は、少なくとも1以上の透明インクを含む、2以上の異なるインクを用いた印刷物1であって、印刷物1は、幅方向において、絵柄が印刷された絵柄部2と、絵柄が印刷されていない絵柄外部3とを含み、絵柄部2には、2以上の異なるインクのすべてのインクが用いられた絵柄が印刷されており、絵柄外部3には、2以上の見当マークと、見当マーク下地層20とが印刷されており、該2以上の見当マークは、2以上の異なるインクのインクごとに2以上の異なる位置に印刷されており、見当マーク下地層20は、2以上の異なるインクのうち透明インクとは異なるインクにより、透明インクにより印刷された見当マークの少なくとも一部と重なるように印刷されたものである。
図1(b)に即して説明する。印刷物1は、1種類の(少なくとも1以上)透明インク14を含む、4種類(2以上)の異なるインク(第1ユニットインク11~第4ユニットインク14)を用いた印刷物1である。印刷物1は幅方向において、絵柄が印刷された絵柄部2と、絵柄が印刷されていない絵柄外部3とを含んでいる。絵柄部2には、4種類の異なるインク(11~14)のすべてのインクが用いられた絵柄2が印刷されている。絵柄外部3には、4種類(2以上)の見当マーク(第1ユニット見当マーク21~第4ユニット見当マーク24)と、見当マーク下地層20とが印刷されており、4種類の見当マーク(21~24)は、4種類の異なるインク(11~14)のインクごとに4つ(2以上)の異なる位置に印刷されている。見当マーク下地層20は、4種類の異なるインク(11~14)のうち透明インク14とは異なるインク(第3ユニットインク13、詳細は後述)により、透明インク14により印刷された第4ユニット見当マーク24(透明インク見当マーク24)の少なくとも一部と重なるように印刷されている
図2(a)は、図1(b)と同様に見当マーク群29部分の部分拡大平面図である。図2(a)においては説明の都合上、図1(b)の見当マーク群29を左に90°回転させた状態で図示している。そのため図2における印刷機の搬送方向は図示の通り、図面における右から左向きである。また見当マーク(第1ユニット見当マーク21~第4ユニット見当マーク24)は通常、印刷物1の幅方向(図2(a)における上下方向)が長辺となる様な扁平な矩形状である。しかし本発明に係る見当マークは、矩形状に限定されるものではなく、他の一例として三角形状、その他の形状であっても良い。
図2(b)は、図2(a)における見当マーク下地層20が含まれない部分、すなわち図2(a)に示すA-A線の断面図である。そして図2(c)は、図2(a)における見当マーク下地層20が含まれる部分、すなわち図2(a)に示すB-B線の断面図である。
図2(d)は、図2(a)における見当マーク下地層20が含まれない部分、すなわちA-A線部分における、自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514による、受光量信号52、閾値処理における上閾値SU、および下閾値SLを示す概念図である。そして図2(e)は、図2(a)における見当マーク下地層20が含まれる部分、すなわちB-B線部分における、自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514による、受光量信号52、閾値処理における上閾値SU、および下閾値SLを示す概念図である。
図2(a)は全体として本発明に係る見当マーク群29を示すものではある。詳細は後述するが、図2のうち、見当マーク下地層20が含まれない部分を示す、図2(a)におけるA-A線部分、図2(b)、および図2(d)が従来技術を示し、見当マーク下地層20が含まれる部分を示す、図2(a)におけるB-B線部分、図2(c)、および図2(e)が本発明を示すこととなる。
次に、グラビア印刷機を例にとり、印刷機および自動見当装置について説明する。
まずグラビア印刷機、および該グラビア印刷機において印刷される印刷物1について説明する。図3は一例として印刷ユニットを4つ有するグラビア印刷機40(いわゆる4色機)の概略を説明するための概略図である。ここでは一例として4色機を説明するが、印刷ユニットを2つ以上有する印刷機(2色機以上)であれば、色間の見当合わせを要し、そのうち1色が透明インクであれば、印刷ユニット数(色数)によらず本発明を適用することができる。また印刷機40のユニット数と印刷色数が一致していることを要さず、印刷機40は印刷色数以上のユニット数を有していれば良い。また図3はあくまで概略図であり、説明に必要のない多くの機構や多くのローラーなどを省略している。
図3に示す印刷機40において、巻出し部41に装着されたロール状の原反10は、巻出し部41から巻き出され連続シート状の原反10となる。この連続シート状の原反10は、印刷機40においてはウェブとも言われる。ウェブ状の原反10は、まず第1色目を印刷する第1ユニット1Uにおいて第1ユニットの版胴431から第1ユニットインク11が転写され、乾燥ユニット45を通って、第1-2ユニット間経路長調整手段461を経て、第2色目を印刷する第2ユニット2Uに至る。第2ユニット2Uにおいても同様に、第2ユニットの版胴432から第2ユニットインク12が転写され、乾燥ユニット45を通って、第2-3ユニット間経路長調整手段462を経て、第3色目を印刷する第3ユニット3Uに至る。
第3ユニット3Uにおいても同様に、第3ユニットの版胴433から第3ユニットインク13が転写され、乾燥ユニット45を通って、第3-4ユニット間経路長調整手段463を経て、第4色目を印刷する第4ユニット4Uに至る。第4ユニット4Uにおいては、第4ユニットの版胴434から第4ユニットインク14が転写され、乾燥ユニット45を通るところまでは第1ユニット~第3ユニットまでと同様であり、その後巻取り部42においてロール状に巻き取られる。
第1ユニット1U~第4ユニット4Uにおいて、第1ユニットインク11~第4ユニットインク14がそれぞれ転写(すなわち印刷)されるが、その際、絵柄部2には絵柄2が印刷され、それと同時に絵柄外部3には第1ユニット見当マーク21~第4ユニット見当マーク24、および見当マーク下地層20を含む見当マーク群29が各印刷される。
第1ユニット見当マーク21~第4ユニット見当マーク24、および見当マーク下地層20が各印刷され、見当マーク群29が印刷されていく様子を図4を用いて説明する。図4(a)は第1ユニット1Uの印刷直後における見当マーク群29が形成される部分の外観を示す。図4(a)においては第1ユニット見当マーク21のみが印刷されている。図4(b)は第2ユニット2Uの印刷直後(例えば、自動見当制御装置第2ユニットセンサー部512が設置されている位置)における見当マーク群29が形成される部分の外観を示す。図4(b)においては第1ユニット見当マーク21に加え、第2ユニット見当マーク22も印刷されている。
図4(c)は第3ユニット3Uの印刷直後(例えば、自動見当制御装置第3ユニットセンサー部513が設置されている位置)における見当マーク群29が形成される部分の外観を示す。図4(c)においては第1ユニット見当マーク21、および第2ユニット見当マーク22に加え、第3ユニット見当マーク23も印刷されている。さらに第1ユニット見当マーク21~第3ユニット見当マーク23の各長辺方向の半分程度と重なる様に見当マーク下地層20も印刷されている。すなわち本発明の第1の実施形態に係る説明例においては、見当マーク下地層20は第3ユニット3Uにおいて第3ユニットインク13により印刷されている。
図4(d)は第4ユニット4Uの印刷直後(例えば、自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514が設置されている位置)における見当マーク群29が形成される部分の外観を示す。図4(d)においては第1ユニット見当マーク21、第2ユニット見当マーク22、第3ユニット見当マーク23、および見当マーク下地層20に加え、第4ユニット見当マーク24も印刷されている。
図4(d)の状態の見当マーク群29について、インクの層構成を断面図により説明する。なお本説明においても、透明インクは最終ユニットにおいて印刷される例を示すが、透明インクなどの各インクの印刷順序は任意である。搬送方向は例示説明と逆向きであっても構わない。図2(a)は、図4(d)と同じ状態の見当マーク群29を示す平面図である。そして上述のように、図2(b)は、図2(a)における見当マーク下地層20が含まれない部分、すなわち図2(a)に示すA-A線の断面図である。そして図2(c)は、図2(a)における見当マーク下地層20が含まれる部分、すなわち図2(a)に示すB-B線の断面図である。
図2(a)におけるA-A線の断面図である図2(b)は、従来技術に相当することは上述の通りである。図2(b)に示す従来技術においては、各見当マーク(第1ユニット見当マーク21~第4ユニット見当マーク24)を構成する各インク(第1ユニットインク11~第4ユニットインク14)は、いずれのインクも原反10の表面(図2(b)における上側)に直接形成(印刷)されている。
一方、図2(a)におけるB-B線の断面図である図2(c)は、本発明を示すものであることは上述の通りである。本発明においては、見当マーク下地層20が、第4ユニットインク(透明インク)14とは異なるインク(第1ユニットインク11~第3ユニットインク13のいずれか)により印刷されるものであるが、第1実施形態に係る本説明においては、見当マーク下地層20は第3ユニットインク13により印刷されている。
図2(c)においては、第1ユニット見当マーク21、および第2ユニット見当マーク22を各構成する、第1ユニットインク11、および第2ユニットインク12は、原反10の表面(図2(c)における上側)に直接印刷されている。
第3ユニット見当マーク23、および見当マーク下地層20は、第3ユニット3Uにおいて第3ユニットインク13により印刷される。見当マーク下地層20としての第3ユニットインク13は、すでに印刷されている第1ユニット見当マーク21、および第2ユニット見当マーク22の各前後(図2(c)における左右方向)のみだけでなく、第1ユニット見当マーク21、および第2ユニット見当マーク22と重なる位置にも印刷される。すなわち図2(c)に示す通り、第3ユニットインク13は、第1ユニット見当マーク21、および第2ユニット見当マーク22の各前後においては、原反10の表面に直接、第1ユニット見当マーク21においては第1ユニットインク11に重ねて、第2ユニット見当マーク22においては第2ユニットインク12に重ねて、各印刷されている。
第3ユニット見当マーク23、およびその前後に注目すると、第3ユニット見当マーク23、およびその前後に印刷される見当マーク下地層20は、ともに第3ユニットインク13により印刷される。そのため通常であれば、見当マーク下地層20と第3ユニット見当マーク23とは光学的に差異はなく、第3ユニット見当マーク23を光学的に読み取ることは困難である。
しかし本発明においては、見当マーク下地層20と第3ユニット見当マーク23とで第3ユニットインク13の盛り量を異ならせている。第3ユニットインク13の盛り量の差異は、一般的には第3ユニットインク13の層厚の差異となって現れ、また光学的にはマーク読み取り手段(自動見当制御装置センサー部51)における受光量の差異となって現れる。具体的には、見当マーク下地層20のインクの盛り量は、見当マーク下地層20を印刷した第3ユニットインク13により印刷された第3ユニット見当マーク23のインクの盛り量より少ないものとなっている。
上述の通り、インクの盛り量の差異は、一般的にはインクの層厚の差異となって現れる。図2(c)において、第3ユニットインク13の層厚は、第3ユニット見当マーク23においては厚く、見当マーク下地層20においては薄いものとなっている。グラビア印刷において、インクの盛り量は、版胴の彫刻密度(セル密度)、彫刻深さ(セル深さ)のいずれか、あるいは双方などにより変化させることができる。すなわち、インクの盛り量を多くしたい部分は版胴の彫刻深さを深くし、あるいは彫刻密度を高くし、インクの盛り量を少なくしたい部分は版胴の彫刻深さを浅くし、あるいは彫刻密度を低くすることで、同一インクの盛り量、すなわち一般的には層厚を変化させることができる。
また上述の通り、インクの盛り量の差異は、自動見当制御装置センサー部51における受光量の差異にも現れる。第3ユニットインク13は有色インクであり、一般的に有色インクは可視光(の一部)を吸収するものであるため、光源が可視光である自動見当制御装置センサー部51における受光量は、有色インクにより低下する。そして有色インクの盛り量が多い方が、可視光の吸収が多くなるため、自動見当制御装置センサー部51における受光量はより低下する。
見当マーク下地層20より第3ユニットインク13の盛り量が多い(層厚の厚い)第3ユニット見当マーク23部分は、図2(a)においては、見当マーク下地層20部分より濃く(暗く)観察される。また、自動見当制御装置センサー部51における受光量を概念的に示す図2(e)においては、第3ユニット見当マークにおける受光量信号523部分として示す通り、見当マーク下地層20部分に対し第3ユニット見当マーク23部分において受光量信号52が有意に低下している。この受光量の有意な低下のために、見当マーク下地層20と同一のインク(第3ユニットインク13)により印刷された第3ユニット見当マーク23を自動見当制御装置センサー部51にて検出することが可能となっている。
このように、透明インク14の検出性を向上させるための見当マーク下地層20は、絵柄を印刷するインク(11~13)のうちの1つである第3ユニットインク13により印刷されるため、透明インク14の検出性を向上させるために別のインク、およびそれを印刷するためのユニットを追加する必要がない。そのため工程負荷が増大することがほとんどない。
第4ユニット4Uにおいて、第4ユニットインク(透明インク)14により第4ユニット見当マーク(透明インク見当マーク)24が印刷される。第4ユニット見当マーク24が印刷される部分においては、すでに第3ユニットインク13により見当マーク下地層20が印刷されているため、図2(c)に示す通り、第4ユニット見当マーク24は、見当マーク下地層20に重なるように印刷されている。
自動見当制御装置センサー部51における受光量を概念的に示す図2(e)において、第4ユニット見当マーク24部分は、第4ユニット見当マークにおける受光量信号524として示される通り、その部分において受光量信号52が有意に増加している。上述の通り通常の有色インクにおいては、見当マーク(21~23)部分により受光量が低下するのに対し、透明インク14で印刷された第4ユニット見当マーク24部分は逆に受光量が増加している。「透明」であるため受光量はほとんど変化しない様にも思われるが、透明インク14は他の有色インクに対し艶が高く、すなわち可視光をよく反射するため、透明インク14部分、すなわち第4ユニット見当マーク24部分において受光量が有意に増加するものと考えられる。
上記からすると、見当マーク下地層20が存在せず、原反10表面に第4ユニット見当マーク24を直接印刷した場合であっても、その艶により受光量が増加して第4ユニット見当マーク24を検出できそうにも思われる。しかしながら見当マーク下地層20が存在しない場合においては、図2(d)に524部として示すように、第4ユニット見当マーク24による受光量の増加の程度は、本発明に係る図2(e)の524部と比較して少ないものとなっている。
従来例、すなわち見当マーク下地層20が存在しない場合においては、原反10表面は通常明るい色(例えば白色)であるため、可視光をよく反射し、そのためベースとなる受光量(図2(d)における受光量信号52のフラットな部分)は元々多い。そのような元々多い受光量に対して、第4ユニット見当マーク24の艶により受光量が増えたとしてもその影響はわずかである。そのため、図2(d)の524部分として示す通り、上閾値SUには達することはなく、すなわち第4ユニット見当マーク24を検出することは困難である。
一方、本発明のように、見当マーク下地層20が存在する場合においては、上述の通り見当マーク下地層20は有色インクにより印刷されているため、可視光の反射は多くはなく、すなわち見当マーク下地層20部分におけるベースとなる受光量(図2(e)における受光量信号52のフラットな部分)は少ない。一方、第4ユニット見当マーク24は艶により可視光をよく反射するものである。見当マーク下地層20の上に印刷された第4ユニット見当マーク24部分は可視光をよく反射するのに対し、その前後の見当マーク下地層20部分は反射が少ないため、見当マーク下地層20部分と第4ユニット見当マーク24部分とは反射光量(すなわち受光量)に大きな差異が生ずる。この大きな差異(図2(e)における524部分)により、上閾値SUを上回ることとなり、すなわち第4ユニット見当マーク24を検出することが可能となる。
第1実施形態に係る本説明においては、第1ユニットインク11~第3ユニットインク13が互いに異なる有色インクであり、第4ユニットインク14が透明インクの例である。印刷物が透明インクを用いるものであり、化粧シートに用いられる場合などは、有色インクにより有色の絵柄を印刷した後に、さらに意匠性を高めるために有色の絵柄の上に透明インクを印刷することが多い。すなわち透明インクは、使用するユニットのうち最終のユニットにて印刷されることが多い。
しかし本発明は、透明インクが最終ユニットで印刷される場合に限定されるものではない。本発明の趣旨は、原反上に透明インクによる見当マークを直接印刷した場合に、自動見当制御装置が透明インクによる見当マークを検出できない場合であっても、透明インクによる見当マークと重なるように見当マーク下地層20を印刷することで、自動見当制御装置により透明インクによる見当マークを検出可能とし、さらに見当マーク下地層20が絵柄の印刷に使用される有色インクを用いて印刷されていることである。この趣旨からすると、見当マーク下地層20のみが印刷された場所と、透明インクによる見当マークと見当マーク下地層20とが重ねて印刷された場所とで、自動見当制御装置の受光量信号52が有意に変化することにより透明インクによる見当マークが検出可能となるのであれば、透明インクによる見当マークが先に印刷され、その上に重ねて見当マーク下地層20が印刷される場合であっても構わない。すなわち透明インクが印刷されるユニット(順序)は最終ユニット(最後)である必要はなく、いずれのユニット(順序)であっても構わない。
上記からすると、透明インクを印刷するユニットは、最終ユニットに限定されることなくいずれのユニットでも良く、また見当マーク下地層20を印刷するユニットについても、透明インクを印刷するユニットを除くいずれのユニットでも良いこととなる。ただしいずれの場合であっても見当マーク下地層20のみが印刷された場所と、透明インクによる見当マークと見当マーク下地層20とが重ねて印刷された場所とで、自動見当制御装置の受光量信号52が有意に変化することにより透明インクによる見当マークを検出可能となっていることを要する。そうでければ本願の効果を奏さないからである。
次に図2、および図3を用いて、自動見当制御装置50の概要について説明する。本発明は印刷物1(原反10)の搬送方向についての色間見当に係るものであり、ここで説明する自動見当制御装置50も搬送方向についての色間見当を自動制御するものである。
自動見当制御装置50は、印刷物1(原反10)の搬送量を検出する搬送量検出手段(図示なし)、各見当マーク(第1ユニット見当マーク21~第4ユニット見当マーク24)を検出する自動見当制御装置センサー部51、搬送量検出手段および自動見当制御装置センサー部51からの信号に基づき、搬送方向の見当ずれ量を算出し、該見当ずれ量から経路長調整手段46の移動量を算出し、それに応じた信号を経路長調整手段46に出力する制御部(図示なし)、およびユニット間の搬送経路の長さを変化させる経路長調整手段46などを有している。
搬送量検出手段は、ロータリーエンコーダが用いられることが多く、その1パルス分に相当する搬送経路の長さは、版胴周長により変化するものの、版胴周長から正確に求めることができ、例えば概ね0.01mm程度である。また各見当マーク(第1ユニット見当マーク21~第4ユニット見当マーク24)は、搬送方向の見当が正確に合っていれば、隣接する見当マークの間隔が所定長さ(例えば20.00mm)となるように設計配置されている。
自動見当制御装置センサー部51は各ユニットの印刷直後に設置されており、第2ユニット2U~第4ユニット4Uに、自動見当制御装置第2ユニットセンサー部512~自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514が各設置されている。1色目を印刷するユニットにおいては、見当を合わせる対象がなく、見当マークを読み取る必要がないため、図3においては第1ユニット1Uには自動見当制御装置センサー部51を設置していない。しかし設置されていても構わない。各自動見当制御装置センサー部51は、投光部および受光部を備えている。投光部は幅方向において、可視光を印刷物1(原反10)の見当マーク群29が印刷される位置に照射できるように配置され、受光部は投光部により照射された光のうち、印刷物1(原反10)の見当マーク群29が形成される位置で反射(あるいは透過)した光を受光できる位置に配置されている。
各自動見当制御装置センサー部51の受光部は、上記搬送量検出手段(好ましくはロータリーエンコーダ)の例えば1パルスごとに受光量をモニターしている。そして第1ユニット見当マーク21~第4ユニット見当マーク24が自動見当制御装置センサー部51を通過する際には、見当マーク(第1ユニット見当マーク21~第4ユニット見当マーク24)ごとに受光量が変化する。そして受光量の変化をもって各見当マークの位置を知ることができる。具体的には、例えば0.01mm/パルス、見当マークの所定の設計間隔が20mmである場合には、隣接する見当マークは2000パルス(=20/0.01)ごとに検出されるはずであるが、実際は例えば2016パルスであったとすれば、16パルス分、すなわち0.16mmだけ前のユニットに対する後のユニットの見当が後にずれている、換言するとユニット間の搬送距離が0.16mmだけ長いことが分かる。
経路長調整手段46は、隣接するユニット間の搬送経路の長さを変化させるものであり、通常は図3の461~463に示すよう軸が可動するローラーである。上記の具体例からすると、ユニット間の搬送経路の長さを0.16mm短くするためには、第1-2ユニット間経路長調整手段461が0.08mmだけ図3における下方向に移動すればよい。上記例では図3の概略図に基づき、1-2ユニット間経路長調整手段461の移動距離の2.0倍だけ搬送経路の長さが変化することとしたが、1-2ユニット間経路長調整手段461の移動距離と搬送経路の長さの変化量の関係は事前に把握され、設定されている。
自動見当制御装置センサー部51において、受光量の変化をもって各見当マークの位置を知ることができる方法について図2を参照して説明する。上述の通り、図2(d)は、図2(a)における見当マーク下地層20が含まれない部分、すなわちA-A線部分における、自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514による、受光量信号52、閾値処理における上閾値SU、および下閾値SLを示す概念図である。図2(d)の受光量信号52において、図2(d)における上方向が受光量が増加する方向であり、横軸方向の距離は図2(a)と図2(d)とで一致させている。
第1ユニットインク11に対する第2ユニットインク12の見当合わせは、第2ユニット2Uにおいて、自動見当制御装置第2ユニットセンサー部512による第1ユニット見当マーク21、および第2ユニット見当マーク22の読み取り情報に基づいて行われる。第2ユニット2U印刷直後では、第3ユニット3Uにて印刷される見当マーク下地層20、および第3ユニット見当マーク23、および第4ユニット4Uにて印刷される第4ユニット見当マーク24はまだ印刷されていない。そのため、自動見当制御装置第2ユニットセンサー部512における受光量信号は、第3ユニット3Uにて印刷される見当マーク下地層20はまだ印刷されていないので、図2(d)に示す受光量信号52において、第3ユニット見当マークにおける受光量信号523部分、および第4ユニット見当マークにおける受光量信号524部分について、検出信号をなくし平らにした信号に相当する。
図2(d)を用いて詳述すると、第1ユニット見当マーク21が到達する前の受光量信号52は、原反10表面からの反射光量であり一定している(図2(d)における521部分より左側の部分)。そして第1ユニット見当マーク21が通過すると、原反10上に印刷された第1ユニット見当マーク21により受光量信号52は低下し(図2(d)における第1ユニット見当マークにおける受光量信号521部分)、それが通り過ぎると、定常の受光量に復帰する(図2(d)における521部分と522部分の間の部分)。同様に第2ユニット見当マーク22が通過すると、原反10上に印刷された第2ユニット見当マーク22により受光量信号52は低下し(図2(d)における第2ユニット見当マークにおける受光量信号522部分)、それが通り過ぎると、定常の受光量に復帰する(図2(d)における522部分と523部分の間の部分)。
図2(d)において、第1ユニット見当マークにおける受光量信号521部分および第2ユニット見当マークにおける受光量信号522部分はともに、下閾値SLを下回るため、第1ユニット見当マーク21、および第2ユニット見当マーク22をともに検出することができ、その情報に基づき、第1ユニットインク11に対し第2ユニットインク12の見当を合わせることができる。
次に、第2ユニットインク12に対する第3ユニットインク13の見当合わせは、第3ユニット3Uにおいて、自動見当制御装置第3ユニットセンサー部513による第2ユニット見当マーク22、および第3ユニット見当マーク23の読み取り情報に基づいて行われる。第1実施形態に係る本説明においては、見当マーク下地層20は第3ユニット3Uにおいて第3ユニットインク13により印刷される例である。以降、本発明と従来技術の差異を説明するために、見当マーク下地層20が存在しない従来技術、および見当マーク下地層20が存在する本発明の両者について説明する。
まず見当マーク下地層20が存在しない従来技術について説明する。自動見当制御装置第3ユニットセンサー部513における受光量信号は、見当マーク下地層20を印刷しない態様であるため、図2(d)に示す受光量信号52において、第4ユニット見当マークにおける受光量信号524部分について、検出信号をなくし平らにした信号に相当する。
図2(d)において、第2ユニット見当マーク22における受光量信号522部分および第3ユニット見当マーク23における受光量信号523部分はともに、下閾値SLを下回るため、第2ユニット見当マーク22、および第3ユニット見当マーク23をともに検出することができ、その情報に基づき、第2ユニットインク12に対し第3ユニットインク13の見当を合わせることができる。すなわち、見当マーク下地層20が存在しない従来技術においても、第2ユニットインク12に対し第3ユニットインク13の見当を合わせることは可能である。
次に見当マーク下地層20が存在する本発明について説明する。自動見当制御装置第3ユニットセンサー部513における受光量信号は、見当マーク下地層20を印刷する態様であるため、図2(e)に示す受光量信号52において、第4ユニット見当マークにおける受光量信号524部分について、検出信号をなくし平らにした信号に相当する。
図2(e)において、第2ユニット見当マークにおける受光量信号522部分および第3ユニット見当マークにおける受光量信号523部分はともに、下閾値SLを下回るため、第2ユニット見当マーク22、および第3ユニット見当マーク23をともに検出することができ、その情報に基づき、第2ユニットインク12に対し第3ユニットインク13の見当を合わせることができる。すなわち、見当マーク下地層20が存在する本発明においても、第2ユニットインク12に対し第3ユニットインク13の見当を合わせることは可能である。
次に、第3ユニットインク13に対する第4ユニットインク14の見当合わせは、第4ユニット4Uにおいて、自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514による第3ユニット見当マーク23、および第4ユニット見当マーク24の読み取り情報に基づいて行われる。ここで、第4ユニットインク14は透明インク14である。
まず見当マーク下地層20が存在しない従来技術について説明する。自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514における受光量信号は、見当マーク下地層20を印刷しない態様であるため、図2(d)に示す受光量信号52である。
図2(d)において、第4ユニット見当マークにおける受光量信号524部分は、その前後の信号に対しわずかに突出するのみで、上閾値SUを上回ることがない。そのため第4ユニット見当マークを検出することができず、第3ユニットインク13に対し第4ユニットインク14の見当を合わせることができない。すなわち、見当マーク下地層20が存在しない従来技術においては、透明インク14の見当を合わせることができない。
次に見当マーク下地層20が存在する本発明について説明する。自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514における受光量信号は、見当マーク下地層20を印刷する態様であるため、図2(e)に示す受光量信号52である。
図2(e)において、第4ユニット見当マーク24における受光量信号524部分は、見当マーク下地層20も重ねて印刷されているために、上閾値SUを上回ることとなり、第4ユニット見当マーク24を検出することができる。第4ユニット見当マーク24部分およびその前後に見当マーク下地層20が印刷されている方が、第4ユニット見当マーク24が検出し易くなる理由は上述の通りである。また見当マーク下地層20を印刷する態様においても第3ユニット見当マーク23を検出できることは、第2ユニットインク12に対する第3ユニットインク13の見当合わせにて説明した通りである。
本発明においては、第3ユニット見当マーク23、および第4ユニット見当マーク24をともに検出することができ、その情報に基づき、第3ユニットインク13に対し第4ユニットインク14の見当を合わせることができる。すなわち、透明インク14の見当合わせに関し、見当マーク下地層20を印刷しない従来技術においては見当を合わせることができないのに対し、見当マーク下地層20を印刷する本発明においては、見当を合わせることができる。
図2(d)、図2(e)において、受光量信号52は簡略化して直線を用いて表現されているが、実際の受光量信号52はノイズが含まれ、また各見当マーク21~24が通過した場合においても、図2(d)、図2(e)のような理想的な信号は得られない。そのため受光量信号52にはノイズを軽減するために通常は平滑化処理がなされる。また各見当マーク21~24の検出についても、図2(d)、図2(e)のような受光量信号52に対する単純な上下の閾値処理はなく、各見当マーク21~24に起因した受光量信号52の急激かつ有意な変化を検出する観点から、一次微分あるいは二次微分による波形(信号)に対する閾値処理としても良い。また受光量信号52の急激かつ有意な変化を検出する処理であれば、上記以外の他の信号処理方法によって各見当マーク21~24が検出されるのであっても構わない。
以上のように、本発明においては、透明インクを含む印刷であっても、自動見当制御装置50を用いて、透明インクの見当を有色インクの見当と合わせることができる。そのため目視で見当合わせを行う場合と比較して、作業負荷を大幅に軽減することができる。
また本発明においては、可視光により、透明インク14の見当マーク24を検出することが可能であるため、自動見当制御装置50を使用するにあたり、例えば可視光から紫外光を含むような光に切り替えるような、光源の切り替えが不要である。この点からも作業負荷を軽減することができる。また自動見当制御装置50にオートゲインコントロール機能が搭載されている場合などにおいては、センサーの感度設定も不要であるため、ほぼフルオートで使用することができるため、この点からも、作業負荷を大幅に軽減することができる。
また本発明においては、自動見当制御装置50で透明インク14を検出するにあたり、透明インクに対しセンサーが読み取り易くなるような添加剤を追加することを要しない。そのため、例えば紫外光により発光する添加剤を用いた場合であれば、例えばブラックライトにより発光する、あるいは、紫外光を多く含む可視光を照射した場合においては、意図した色の見え方と異なるなど、製品仕様からは意図しない見え方となることにより、製品仕様が制限されるというような、問題が生じることがない。そのため、製品仕様が制限されることなく、透明インクを含む幅広い意匠に対応することが可能となる。
さらに本発明においては、見当マーク下地層20は絵柄2の印刷に必要なインクにて印刷されている。そのため、透明インク14の検出を容易にするための新たなインクを追加する必要がなく、すなわち印刷のユニットが追加されることがなく、工程負荷を増大させることなく透明インクの検出が可能となるという効果を奏する。また、見当マーク下地層20を印刷するインク(上記説明では第3ユニットインク13)により印刷される見当マーク(第3ユニット見当マーク23)についても問題なく読み取ることができる。そのため、透明インク14を含むすべてのインクについて自動見当制御装置50による見当制御が可能である。
本発明の課題、効果からすると、見当マーク下地層20は、透明インク14による見当マーク24の少なくとも一部と重なるように印刷されていれば、他(透明インク見当マーク24以外)の見当マーク(21~23)と重なっていることを要しない。この場合には見当マーク下地層20が一部と重なる様に印刷されていない見当マークについては、見当マーク下地層20がない状態で読み取ることができることを要する。例えば、後述する図6(a)、あるいは図7(c)に示す様な態様である。
第1実施形態に係る見当マーク群29においては、見当マーク下地層20は、すべての見当マーク(21~24)に対し、少なくともそれぞれの一部と重なるように印刷されている。具体的には、見当マーク群29を示す図2(a)、あるいは図4(d)において、見当マーク下地層20は、上記各図におけるおよそ下半分にのみ印刷され、上半分には印刷されていない。そして下半分に印刷されている見当マーク下地層20は、すべての見当マーク(21~24)に対し、各見当マーク(21~24)の(一部である)下半分と重なる様に印刷されている。
このような見当マーク群29であれば、自動見当制御装置50の自動見当制御装置センサー部51における、見当マーク群29の読み取り対象位置を、見当マーク下地層20が印刷されている部分(上記各図における下半分)にするか、見当マーク下地層20が印刷されていない部分(上記各図における上半分)にするか、を印刷現場にて選択することができる。そのため自動見当制御装置50の検出状況を確認しながら適宜、見当マーク下地層20が印刷されていない部分から、印刷されている部分(あるいはその逆)へと、容易に変更することができる。透明インク14の読み取り性について、見当マーク下地層20を適用した方が良いか否かは、原反10の種類や、透明インク14の種類、性状、あるいは見当マーク下地層20を印刷するために選択するインクの色、その盛り量などに依存し異なるため、どちらでも対応できる様にしておいた方が無難である。
またこのように、各見当マーク(21~24)の一部のみに見当マーク下地層20を印刷するのであれば、各見当マーク(21~24)における、見当マーク下地層20が印刷されていない部分(上記各図における上半分)においては、各インク(11~14)の単色ベタが印刷されていることとなる。そのため、各インクの単色ベタ状態の印刷色などを見当マーク群29部分においても確認可能である。
しかし上記に限定されることなく、例えば、本発明を適用した方が良いことが明らかな場合などは、図5に示すように、本発明の見当マーク群29において、見当マーク下地層20は、すべての見当マーク(21~24)のすべての部分と重なるように印刷されていてもよい。この場合においては、自動見当制御装置50の自動見当制御装置センサー部51における、読み取り位置の幅方向における設定位置精度が緩和され、すなわち自動見当制御装置センサー部51の幅方向の位置を容易に設定することができる。
本発明の印刷物1に係る原反10として、紙基材としては、例えばクラフト紙、チタン紙、リンター紙、樹脂含浸紙、薄葉紙及び和紙等が挙げられる。繊維基材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機繊維で構成される繊維基材、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の各種合成樹脂の有機繊維で構成される繊維基材、またこれらの複合体等の基材が挙げられる。また、繊維基材は、不織布であってもよいし、織布であってもよい。
基材の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、ラジカル重合型のアクリレート系やカチオン重合型のエポキシ系等で電離放射線(紫外線、電子線等)で硬化する電離放射線硬化性樹脂等を用いることができる。なお、基材の材料が樹脂の場合、公知の着色剤で着色しても良い。
また、原反10の厚さは、原反10の種類にも依存するが、概ね10μm以上、200μm以下である。10μmを下まわる場合、および200μmを上回る場合はともに、印刷機における精度の良い搬送が困難となるなど、印刷を良好に行うことが困難となり好ましくない。原反10の一例として、厚さ80μmのチタン紙を挙げることができる。
本発明の印刷物1に係る有色インク(第1ユニットインク11~第3ユニットインク13)は、公知の着色剤(染料又は顔料)を樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得ることができる。着色剤として、無機顔料、有機顔料、金属粉顔料、真珠光沢顔料、蛍光顔料、夜光顔料等が挙げられる。例えば、無機顔料としては、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等を、有機顔料としては、アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等を、金属粉顔料としては、アルミニウム粉、ブロンズ粉等を、真珠光沢顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等を挙げることができる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用したり、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等とともに使用したりしてもよい。
有色インク(第1ユニットインク11~第3ユニットインク13)に使用する樹脂としては、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン-アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン-無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。具体的には、例えば、水溶性合成樹脂として、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN-ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂等を、水溶性天然高分子として、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等を使用することができる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン-ポリアクリル系樹脂等が変性したものないし上記天然ゴム等の混合物、その他の樹脂を使用することもできる。上記樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記樹脂には架橋剤、重合開始剤、または、重合促進剤を添加して、塗膜強度、および耐久性を向上させることが好ましく、上記樹脂のなかでは アクリル系樹脂が好ましい。
また、有色インク(第1ユニットインク11~第3ユニットインク13)の厚さは、通常は0.1μm以上、50μm以下であり、例えばグラビアインクの場合は、好ましくは0.1μm以上30μm以下である。30μmを超えると乾燥に時間がかかるようになり生産性が悪くなり、また印刷後のインクの形状安定性が悪いことに起因してブロッキングが懸念されるようになる。また0.1μmを下回る場合は安定した印刷が困難となり、カスレやインク抜け、転移不良などが懸念されるようになる。
本発明の印刷物1に係る透明インク14として、上記有色インクの材料に着色剤を加えない形態のものを挙げることができる。すなわち、透明インク14として、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン-アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン-無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。具体的には、例えば、水溶性合成樹脂として、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN-ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂等を、水溶性天然高分子として、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等を使用することができる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン-ポリアクリル系樹脂等が変性したものないし上記天然ゴム等の混合物、その他の樹脂を使用することもできる。上記樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記樹脂には架橋剤、重合開始剤、または、重合促進剤を添加して、塗膜強度、および耐久性を向上させることが好ましく、上記樹脂のなかでは アクリル系樹脂が好ましい。
また、加熱により重合する高分子である熱硬化型樹脂でも良い。熱硬化型樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、メラミン-尿素樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、ケイ素樹脂及びポリシロキサン樹脂等が好ましい。
また、紫外線や電子線により硬化する、エネルギー硬化型樹脂であっても良い。エネルギー硬化型樹脂としては、重合性モノマーであるエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート等の二官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能以上の(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。中でも、より質感の高い意匠性及びより優れた表面特性を得る観点から、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール系重合性モノマーが好ましく、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがより好ましく、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。重合性オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンジオールウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また透明インク14の厚さは、透明インク14の種類に依存するが、概ね0.1μm以上、50μm以下である。0.1μmを下まわる場合には安定した印刷が困難となり、カスレやインク抜け、転移不良などが懸念されるようになる。また触覚上の凹凸効果も得られ難くなる。一方50μmを上回る場合には乾燥に時間がかかるようになり生産性が悪くなり、また印刷後のインクの形状安定性の悪化やブロッキングが懸念されるようになるなど好ましくない。
透明インク14の一例として、電離放射線硬化性モノマー60質量部、反応性シリコーン0.6質量部、およびメチルエチルケトン40質量部を、攪拌機にて2000rpm、1時間攪拌して得られたものを、厚さ10μmに印刷した例を挙げることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について、図6を参照して説明する。第2実施形態は第1実施形態に対し、見当マーク下地層20が印刷される位置、およびインクの盛り量の分布が異なっている。すなわち、第1実施形態においては、見当マーク群29において、見当マーク下地層20は、すべての見当マーク(21~24)に対し、少なくともそれぞれの一部と重なるように印刷されていた。それに対し第2実施形態においては、見当マーク群29において、見当マーク下地層20のインクの盛り量は、見当マーク(21~24)が配列される方向(印刷方向)に段階的に増加して所定の盛り量となり、該所定の盛り量から段階的に減少している。なお、ここで所定の盛り量とは、見当マーク(21~24)が配列される方向において、見当マーク下地層20のインクの盛り量が最大となる盛り量である。図6(a)の例においては、透明インク14による透明インク見当マーク24のみに対し、その一部と重なるように見当マーク下地層20の濃度が段階的に増加し、そして段階的に減少するように印刷されている。
図6(c)は、図6(a)における見当マーク下地層20が含まれる部分、すなわち図6(a)に示すD-D線の断面図である。また図2(e)は、図2(a)におけるD-D線部分における、自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514による、受光量信号52、閾値処理における上閾値SU、および下閾値SLを示す概念図である。また比較のため、図6(a)における見当マーク下地層20が含まれない部分、すなわち図6(a)に示すC-C線の断面図を図6(b)に、C-C線部分における、自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514による、受光量信号52などを図6(d)に示す。
図6(c)に示す通り、見当マーク下地層20のインクの盛り量は、透明インク見当マーク24の前後において、見当マーク(21~24)が配列される方向(印刷方向)に段階的に増加して所定の盛り量となり、該所定の盛り量から段階的に減少している。そして見当マーク(21~24)が配列される方向(印刷方向)に関し、インクの盛り量が所定の盛り量(最大の盛り量)となる付近に透明インク見当マーク24が配置されている。すなわち、見当マーク下地層20のインクの盛り量が最大となっている付近に透明インク見当マーク24が重ねて印刷されている。
第2実施形態におけるマーク読み取り手段(自動見当制御装置センサー部51)における受光量を示す図6(e)について、第1実施形態における自動見当制御装置センサー部51における受光量を示す図2(e)と異なる部分について説明する。見当マーク下地層20は第3ユニット3Uにて印刷されるため、第2ユニット2Uまでの見当合わせは第1実施形態と同様である。第1実施形態と第2実施形態とでは、第3ユニット3Uにおいて、第3ユニット見当マーク23の前後における見当マーク下地層20の有無が異なっている。
すなわち、第3ユニット見当マーク23の前後において、第1実施形態においては見当マーク下地層20が印刷されているが、第2実施形態においては見当マーク下地層20が印刷されていない点が異なっている。第3ユニット見当マーク23の検出に関し、第3ユニット見当マーク23と同じインクである第3ユニットインク13で印刷された見当マーク下地層20が第3ユニット見当マーク23の前後に印刷されていない第2実施形態の方が、検出が容易と考えられ、特に説明を要しない。
次に第4ユニット見当マーク24の検出について説明する。図6(c)に示す通り、第3ユニット見当マーク23から第4ユニット見当マーク24に近づくにつれ見当マーク下地層20のインクの盛り量は増加し、第4ユニット見当マーク24の後は第4ユニット見当マーク24から遠ざかるにつれインクの盛り量は減少している。上述の通りインクの盛り量は光の吸収量におよそ比例すると考えられるため、受光量信号52は、図6(e)に示す通り、第3ユニット見当マーク23から第4ユニット見当マーク24にかけて徐々に減少する。そして第4ユニット見当マーク24においては524部分として示す通り透明インク14の艶のために受光量は有意に増加する。そして第4ユニット見当マーク24の後は第4ユニット見当マーク24から遠ざかるにつれ、受光量信号52は徐々に増加する。
見当マーク下地層20のインクの盛り量の変化は段階的である。これにより、上記受光量信号52が直線的に徐々に減少または増加する部分については、受光量信号52の変化が緩やかであるため、インクの盛り量の段階的な変化が見当マークとして誤検出されることはない。これを概念的に示すならば、図6(e)の第4ユニット見当マークにおける受光量信号524部分の左右に示す通り、受光量信号52が緩やかに減少し、その後増加するのに付随して、上閾値SU、および下閾値SLも緩やかに減少し、増加する様なイメージである。自動見当制御装置50の実際の演算処理からすれば、上記説明は正確ではないかもしれないが、受光量信号52の緩やかな変化は検出せずに、その急激な変化のみ、換言すれば平面視上の濃度における明りょうな輪郭のみを検出するような処理が行われていることの説明である。
第2実施形態においては、見当マーク下地層20の開始部分、あるいは終了部分の輪郭を見当マークとして誤検出することを回避することができる。第1実施形態においては、上記誤検出を回避するために、見当マーク(21~24)から十分離れた位置に見当マーク下地層20の始まり部分、および終わり部分を配置し、該始まり部分、および終わり部分が自動見当制御装置センサー部51の検出範囲外となる様に見当マーク下地層20を印刷方向に十分長く設定することが好ましい。あるいは、見当マーク下地層20を版胴の全周に印刷し、見当マーク下地層20の始まり部分、および終わり部分が存在しないようにすることが好ましい。これに対し、第2実施形態においては、このように見当マーク下地層20を印刷方向に十分長く設定する必要がないため、版胴の作成負荷や、インクの消費量を軽減することができ、同時に透明インク見当マーク24を安定して検出することができる。
上記例においては、見当マーク(21~24)が配列される方向(印刷方向)に関し、インクの盛り量が所定の盛り量(最大の盛り量)となる付近に透明インク見当マーク24が配置されていた。しかしこれに限らず、インクの盛り量が所定の盛り量(最大の盛り量)となる付近ではなく、例えばインクの盛り量が段階的に増加あるいは減少している中間付近(所定の盛り量の半分の盛り量付近)に透明インク見当マーク24が配置されていても良い。自動見当制御装置第4ユニットセンサー部514における受光量信号52が、見当マーク下地層20の作用により、透明インク見当マーク24部分で有意に増加するのであれば、本発明の趣旨に合致し、検出が可能となるのである。
(変形例1)
以下、第2実施形態の変形例を説明する。変形例1においては、図7(a)、およびそのE-E線の断面図である図7(b)に示すように、第1ユニット見当マーク21の上流部から第1ユニット見当マーク21部分にかけて見当マーク下地層20のインクの盛り量が見当マーク(21~24)が配列される方向(印刷方向)に段階的に増加して所定の盛り量となり、第1ユニット見当マーク21部分から第4ユニット見当マーク24部分までは、所定の盛り量を維持し、第4ユニット見当マーク24部分からその下流部にかけてインクの盛り量が見当マーク(21~24)が配列される方向(印刷方向)に段階的に減少している。
この変形例1は、第1実施形態において、見当マーク下地層20の開始部分におけるインクの盛り量を段階的に増加して第1ユニット見当マーク21に近づけ、見当マーク下地層20の終了部分におけるインクの盛り量を段階的に減少して第4ユニット見当マーク24に近づけたものと考えることもできる。また、変形例1においては、第1ユニット見当マーク21の上流部、および第4ユニット見当マーク24の下流部において、両見当マーク(21、24)近傍にインクの盛り量が段階的に増加あるいは減少している部分が配置されている。しかしこれに限らず、両見当マーク(21、24)からある程度離れた位置に、インクの盛り量が段階的に増加あるいは減少している部分を配置しても良い。
変形例1においても、見当マーク下地層20の開始部分、あるいは終了部分の輪郭が見当マークとして誤検出されることを回避することができる。そのため第1実施形態と比較して見当マーク下地層20の印刷方向の長さを短くすることができるため、版胴の作成負荷や、インクの消費量を軽減することができる。
なお第1実施形態においては、上述の通り、見当マーク下地層20の開始部分および終了部分は、誤って見当マークとして検出されない様に、見当マーク(21~24)から印刷方向に十分離れて設定されている。
(変形例2)
次に変形例2について説明する。変形例2においては、図7(c)、およびそのF-F線の断面図である図7(d)に示すように、第1ユニット見当マーク21付近、および第2ユニット見当マーク22付近には見当マーク下地層20がない。そして第2ユニット見当マーク22部分から第3ユニット見当マーク23部分にかけて見当マーク下地層20のインクの盛り量が見当マーク(21~24)が配列される方向(印刷方向)に段階的に増加して所定の盛り量となり、第3ユニット見当マーク23部分から第4ユニット見当マーク24部分までは、所定の盛り量を維持し、第4ユニット見当マーク24部分からその下流部にかけてインクの盛り量が見当マーク(21~24)が配列される方向(印刷方向)に段階的に減少している。
変形例2においても、見当マーク下地層20の開始部分、および終了部分の輪郭が見当マークとして誤検出されることを回避することができる。変形例1と比較して、見当マーク下地層20の印刷方向の長さをさらに短くすることができるため、版胴の作成負荷や、インクの消費量を軽減することができる。しかし第2実施形態と比較すると、見当マーク下地層20の印刷方向の長さが長くなっている。第1実施形態、第2実施形態、変形例1、および変形例2を通じて例示すべきことは、透明インク見当マーク24の少なくとも一部と重なる様に見当マーク下地層20が印刷されていること、および見当マーク下地層20は、その開始部分、および終了部分を見当マークとして誤検出されることを回避するように印刷されていることである。
上記各実施例などについて説明してきたように、本発明に係る印刷物はグラビア印刷により印刷されていることが好ましい。グラビア印刷であれば、絵柄において、基本色の網点の組み合わせではなく、調肉により特別な色のインクを直接印刷することが可能であり、またインクの盛り量を変えることができるため豊かな階調表現が可能で、すなわち高い意匠性を有する絵柄を印刷することが可能だからである。また本発明は、透明インクの使用が前提となるが、透明インクを用いるような絵柄は、通常グラビア印刷で印刷されるからである。
〔化粧シート〕
本発明に係る印刷物1は、例えば化粧シートとして用いられる。すなわち本発明に係る化粧シートは、本発明に係る印刷物1を含む化粧シートである。例えば、耐久性や施工性を高めるために、本発明に係る印刷物1を別の基材と積層するなどして化粧シートとする。あるいは、本発明に係る印刷物1から、絵柄が印刷されていない絵柄外部3をスリットするなどして除去し、絵柄が印刷された絵柄部2のみとして、化粧シートとしても良い。もちろん上記積層と上記スリットとを組み合わせて化粧シートとしても良い。
上記化粧シートは、本発明に係る印刷物を使用しているため、透明インクに対し、その見当マークの検出性を向上させるための添加剤などを付加する必要がないため、添加剤などに起因して化粧シートの製品仕様が制限されることがない。また添加剤などに対応するために、自動見当制御装置において、光源および受光センサーを変更する必要もなく、作業負荷が増大することがない。また、透明インク14の検出性を向上させるための見当マーク下地層20は、絵柄を印刷するインク(11~13)により印刷されるため、透明インク14の検出性を向上させるために別のインク、およびそれを印刷するためのユニットを追加する必要がない。そのため工程負荷が増大することがほとんどない。
すなわち、上記製品仕様の制限や、上記作業負荷、工程負荷の増大がほとんどないにもかかわらず、透明インクの見当と有色インクにより印刷された絵柄の見当とを合わすことができ、両者の位置ずれがない、高い意匠性を有する化粧シートを提供することができる。
〔印刷物の製造方法〕
次に、本発明の印刷物1の製造方法を説明する。本発明の印刷物1の製造方法は、少なくとも1以上の透明インク14を含む、2以上の異なるインク(11~14)を用いた印刷物1の製造方法である。印刷物1は、幅方向において、絵柄が印刷された絵柄部2と、絵柄が印刷されていない絵柄外部3とを含み、絵柄部2には、2以上の異なるインク(11~14)のすべてのインクが用いられた絵柄が印刷されており、絵柄外部3には、2以上の見当マーク(21~24)と、見当マーク下地層20とが印刷されており、2以上の見当マーク(21~24)は、2以上の異なるインク(11~14)のインクごとに2以上の異なる位置に印刷されており、見当マーク下地層20は、2以上の異なるインク(11~14)のうち透明インク14とは異なるインク(11~13)により、透明インク14により印刷された見当マーク24の少なくとも一部と重なるように印刷されている。
そして印刷物1を印刷する印刷機40においては、2以上の異なるインク(11~14)相互の搬送方向の見当は自動見当制御装置50により制御される。自動見当制御装置50は、印刷機40における印刷物1の搬送距離を検出する搬送距離検出手段と、見当マーク(21~24)を光学的に読み取るマーク読み取り手段(自動見当制御装置センサー部51)と、制御手段と、経路長調整手段46を含む。該制御手段は、上記搬送距離検出手段および上記マーク読み取り手段(自動見当制御装置センサー部51)からの信号から搬送方向の見当ずれ量を算出し、その見当ずれ量から経路長調整手段46の移動量を算出し、移動量に応じた信号を経路長調整手段46に出力するものであり、経路長調整手段46は、該信号に基づき、各見当マーク(21~24)の間隔が所定の間隔となるように搬送経路の長さを変化させることで搬送方向の見当を制御している。
なお、自動見当制御装置50の動作の詳細については、上述の印刷物1の説明の中で説明しているためここでは省略する。
上記印刷物1の製造方法においては、透明インクに対し、その見当マークの検出性を向上させるための添加剤などを付加する必要がないため、添加剤などに起因して製品仕様が制限されることがない。また添加剤などに対応するために、自動見当制御装置において、光源および受光センサーを変更する必要もなく、作業負荷が増大することがない。また、透明インク14の検出性を向上させるための見当マーク下地層20は、絵柄を印刷するインク(11~13)により印刷されるため、透明インク14の検出性を向上させるために別のインク、およびそれを印刷するためのユニットを追加する必要がない。そのため工程負荷が増大することがほとんどない。
すなわち、上記製品仕様の制限や、上記作業負荷、工程負荷の増大がほとんどないにもかかわらず、透明インクの見当と有色インクにより印刷された絵柄の見当とを合わすことができ、両者の位置ずれがない、高い意匠性を有する印刷物1の製造方法を提供することができる。
〔化粧シートの製造方法〕
次に、本発明に係る化粧シートの製造方法を説明する。本発明に係る化粧シートの製造方法は、上記印刷物の製造方法を含む化粧シートの製造方法である。一例として、本発明に係る化粧シートが、本発明の印刷物1と、基材としての塩化ビニルフィルムを積層したものである場合について説明する。上記印刷物の製造方法にて製造された印刷物1の絵柄が印刷された面とは反対側の面(原反側の面)に対し、接着剤を介し、塩化ビニルフィルムを熱ラミネートすることで、本発明に係る化粧シートを製造することができる。
本発明に係る印刷物1、および化粧シートは透明インクを用い、かつ有色インクによる絵柄と、透明インクにより形成される絵柄パターンとの見当が合っているものである。透明インクによる触覚上の凹凸感や、有色インクによる絵柄と透明インクによる凹凸の見当が合っていることによる視覚的な凹凸感、あるいは艶差などにより、高い意匠性を発現するものである。
そのため透明インク14が最外面に存在する方が透明インクによる効果が得られやすいため、印刷物1の絵柄が印刷された面側に対し、接着剤を介し、塩化ビニルフィルムを熱ラミネートすることは考えにくい。しかし印刷物1が本発明に係る製造方法で製造されたものであれば、印刷物1の絵柄が印刷された面側に対し、接着剤を介し、塩化ビニルフィルムを熱ラミネートして製造された化粧シートの製造方法についても本発明に含まれることは言うまでもない。
また印刷物1のスリットについては上述の通りであるが、印刷物1をスリットした後で、上記積層により化粧シートとした場合であっても、上記積層後の化粧シートに対しスリットした場合であっても、本発明の化粧シートの製造方法に含まれる。また上記、化粧シートの製造方法においても、上記印刷物1の製造方法における効果と同様の効果を得ることができる。
(実施例および比較例)
以下本発明に係る実施例および比較例について説明する。8種類の異なる原反(原反A~原反H)に対し、異なる有色インクを3種類(第1ユニットインク~第3ユニットインク)、および透明インクを1種類用いて、本発明と同様の印刷物を作成した。印刷物を作成するにあたり、見当マーク下地層の印刷に関し、インクを3種類(第1ユニットインク~第3ユニットインク)、およびインクの盛り量について、当該インクで見当マークを印刷する場合の盛り量を100%とした場合において、盛り量を20%、40%、60%と変更し、インク種類とその盛り量の組み合わせの異なる7種類の見当マーク下地層を印刷した。また従来例として、見当マーク下地層を印刷しない印刷物も作成した。
原反A~原反Hは、厚さ80μmのチタン紙(KJ特殊紙株式会社製の品番(A~Hの順に)、KSH-801P、PM-62P、PM-67P、PM-28P、PM-42P、PM-52P、KW-801P、PM-77P)を使用した。
また、第1ユニットインク~第3ユニットインクは、DICグラフィックス株式会社製、オーデPFを使用した。
また、透明インクは、電離放射線硬化性モノマー(東亜化成工業株式会社製、アロニックスM400)60質量部、反応性シリコーン(信越化学株式会社製、X-22-164B)0.6質量部、およびメチルエチルケトン(丸善石油化学株式会社)40質量部を、攪拌機(株式会社エスエムテー製、プロセスホモジナイザーPH91)にて2000rpm、1時間攪拌して得られたものを使用した。
上記、原反8種類、見当マーク下地層8種類(7種類+なし)の組み合わせである、64種類各々について、見当マーク下地層のみが印刷された部分、および見当マーク下地層と透明インク見当マークが重ねて印刷された部分の、自動見当制御装置センサー部の出力電圧(V)の差分(V)を算出した。すなわち透明インク見当マークによる信号変動量(V)である。自動見当制御装置として、株式会社ニレコ製、MR5500を使用した。その結果を表1に示す。
表1において、出力電圧の差分が1.7V以上であれば、透明インク見当マーク部分における有意な信号としてノイズなどと分離でき、すなわち透明インク見当マークが検出可能であると判断できる。概念的な説明としては、図2(e)などにおける自動見当制御装置センサー部の受光量変化の概念図において、受光量信号(V)に対し、上閾値を受光量信号+1.7V、下閾値を受光量信号-1.7V、としたようなイメージである。
表1を参照すると、見当マーク下地層の印刷条件が同一であっても、原反の種類、すなわち原反表面の色、表面状態などにより、透明インク見当マークによる信号変動量(V)にかなりの差異が生じている、すなわち表1の縦方向において数値の変化が大きい、ことが分かる。これから、見当マーク下地層が印刷されている部分においても、原反の影響を大きく受けていることが分かる。また同一原反であっても、見当マーク下地層の印刷条件により透明インク見当マークによる信号変動量(V)に差異が生じている、すなわち表1の横方向において数値に差異が生じている、ことが分かる。
見当マーク下地層を印刷していない従来例においては、8種類の原反の内、1.7Vを上回っているものが4種類、1.7Vを下回っているものが4種類となっている。すなわち実施例および比較例に係る半数の原反種類において1.7Vを下回っており、これは透明インクの見当マーク読み取りに関し、何らかの工夫が必要であることを示唆している。一方、本発明に係る7種類の見当マーク下地層のうち、第1ユニットインクによる盛り量40%の印刷、および第3ユニットインクによる盛り量20%の印刷においては、8種類の原反すべてにおいて1.7Vを上回っている。このことから、透明インク見当マークの読み取りに関し本発明は有用であることが理解でき、しかも幅広い原反種類において見当マーク下地層は同一の条件で印刷可能であることを示唆しており、すなわち本発明は高い汎用性を有していることが確認できた。
以上、本発明に係る印刷物、化粧シート、印刷物の製造方法、および化粧シートの製造方法について、実施形態を示しながら各説明してきた。しかし本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。