JP7462736B2 - 太陽電池封止材シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ポリオレフィン系樹脂を主成分とする太陽電池封止材シートを用いた太陽電池モジュールは、高温にさらされた際に気泡を発生したり膨れを生じたりする場合があり、太陽電池モジュールの性能、外観、耐久性等の観点から、その解決が求められていた。
しかしながら、この様な直注設備を設けることはコストアップ要因であり、直注設備が設けられていない標準的な押出成形機を用いて、比較的短時間で製造することができるポリオレフィン系太陽電池封止材シートが求められていた。
更に本発明は、標準的な押出成形機を用いた比較的短時間での製造を可能にする等の、生産性の向上を更なる課題とする。
[1]
ポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットに架橋剤及び架橋助剤を含浸させることにより架橋性樹脂ペレットを作製する工程と、
前記架橋性樹脂ペレットを押出成形機の供給口からシリンダ内に投入し、前記シリンダ内で前記ポリオレフィン系樹脂、前記架橋剤、及び前記架橋助剤を含む樹脂組成物を溶融混練する工程と、
前記押出成形機のダイから、前記樹脂組成物をシート状に押出成形する工程と、
を有する、太陽電池封止材シートの製造方法であって、
前記架橋剤が、構造中に2以上の下式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物を含み
R1-OO- -(1)
(式中、R1は、炭素数1~6のアルキル基を示す。)、
前記架橋助剤がトリアリルイソシアヌレートを含む、上記製造方法、に関する。
[2]
前記架橋性樹脂ペレットを作製する工程を行う時間が、100分以下である、[1]に記載の製造方法。
[3]
前記構造中に2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物の配合量が、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.4質量部以上である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]
前記構造中に2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物が、2以上のアルキルパーオキシ基が、同一の炭素原子に結合しているか、又は2以上の炭素原子を介して結合している構造を有する、[1]から[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5]
前記ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニルより導かれる構造単位を実質的に有さない、[1]から[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]
太陽電池封止後のゲル分率が40%以上である太陽電池封止材シートを製造する、[1]から[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7]
ポリオレフィン系樹脂、
構造中に2以上の下式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物、
R1-OO- -(1)
(式中、R1は、炭素数1~6のアルキル基を示す。)、及び
トリアリルイソシアヌレート
を含む、太陽電池封止材用の架橋性樹脂組成物、に関する。
[8]
前記2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物の配合量が、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.4質量部以上である、[7]に記載の架橋性樹脂組成物。
[9]
前記構造中に2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物が、2以上のアルキルパーオキシ基が、同一の炭素原子に結合しているか、又は2以上の炭素原子を介して結合している構造を有する、[7]又は[8]に記載の架橋性樹脂組成物。
[10]
前記ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニルより導かれる構造単位を実質的に有さない、[7]から[9]のいずれか1項に記載の架橋性樹脂組成物。
[11]
ポリオレフィン系樹脂、
構造中に2以上の下式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物、
R1-OO- -(1)
(式中、R1は、炭素数1~6のアルキル基を示す。)、及び
トリアリルイソシアヌレート
を含む、太陽電池封止材シート。
、に関する。
[12]
前記2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物の配合量が、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.4質量部以上である、[11]に記載の太陽電池封止材シート。
[13]
前記構造中に2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物が、2以上のアルキルパーオキシ基が、同一の炭素原子に結合しているか、又は2以上の炭素原子を介して結合している構造を有する、[11]又は[12]に記載の太陽電池封止材シート。
[14]
前記ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニルより導かれる構造単位を実質的に有さない、[11]から[13]のいずれか1項に記載の太陽電池封止材シート。
[15]
[11]から[14]のいずれか一項に記載の太陽電池封止材シートの架橋硬化物を有する、太陽電池モジュール。
[16]
[11]から[14]のいずれか一項に記載の太陽電池封止材シートで太陽電池を封止する工程、及び
該太陽電池封止材シートを架橋硬化する工程、
を有する、太陽電池モジュールの製造方法。
本願第1発明は、
ポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットに架橋剤及び架橋助剤を含浸させることにより架橋性樹脂ペレットを作製する工程と、
前記架橋性樹脂ペレットを押出成形機の供給口からシリンダ内に投入し、前記シリンダ内で前記ポリオレフィン系樹脂、前記架橋剤、及び前記架橋助剤を含む樹脂組成物を溶融混練する工程と、
前記押出成形機のダイから、前記樹脂組成物をシート状に押出成形する工程と、
を有する、太陽電池封止材シートの製造方法であって、
前記架橋剤が、構造中に2以上の下式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物を含み
R1-OO- -(1)
(式中、R1は、炭素数1~6のアルキル基を示す。)、
前記架橋助剤がトリアリルイソシアヌレートを含む、上記製造方法である。
すなわち、本願第1発明においては、少なくともポリオレフィン系樹脂、特定の成分を含む架橋剤、及び特定の成分を含む架橋助剤を用いて、太陽電池封止材シートを製造する。本願第1発明においては、上記ポリオレフィン系樹脂、架橋剤、及び架橋助剤以外の成分を、例えば他の添加剤を、任意成分として使用することができる、
以下、本願第1発明の製造方法に使用する各材料について詳細に説明する。
本願第1発明において使用されるポリオレフィン系樹脂は、炭素数2以上のオレフィンより導かれる構成単位を有する高分子であればよく、それ以外には特に限定されないが、その好適な例として、低密度エチレン系樹脂、中密度エチレン系樹脂、超低密度エチレン系樹脂、プロピレン(共)重合体、1-ブテン(共)重合体、4-メチルペンテン-1(共)重合体、エチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α-オレフィン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・α-オレフィン・共役ポリエン共重合体、エチレン・芳香族ビニル共重合体、エチレン・α-オレフィン・芳香族ビニル共重合体等が挙げられる。
これらのポリオレフィン系樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
MFRが27g/10分以下であると、さらに、シート成形時のドローダウンを効果的に抑制でき、幅の広いシートを成形でき、また架橋特性および耐熱性がさらに向上し、特に良好な太陽電池封止材シートを得ることができる。
ポリオレフィン系樹脂として好ましく用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体としては、エチレンから導かれる構成単位および炭素数3~20のα-オレフィンから導かれる構成単位を有することが好ましい。その様なエチレン・α-オレフィン共重合体は、例えば、エチレンと、炭素数3~20のα-オレフィンとを共重合することによって得られる。α-オレフィンとしては、通常、炭素数3~20のα-オレフィンを1種類単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも好ましいのは、炭素数が10以下であるα-オレフィンであり、とくに好ましいのは炭素数が3~8のα-オレフィンである。
α-オレフィン単位の割合が10mol%以上であると、高い透明性を有するシートが得ることが容易である。また、低温での押出成形を容易に行うことができ、例えば130℃以下での押出成形が可能である。
このため、エチレン・α-オレフィン共重合体中に架橋剤を含浸させる場合においても、押出機内での架橋反応が進行することを抑制できる。また、適度な柔軟性が得られるため、太陽電池モジュールのラミネート成形時に太陽電池素子の割れや、薄膜電極のカケ等の発生を効果的に防ぐことができる。
a1)エチレンに由来する構成単位の含有割合が80~90mol%であり、炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10~20mol%である。
a2)ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRが2~40g/10分である。
a3)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.865~0.884g/cm3である。
a4)ASTM D2240に準拠して測定されるショアA硬度が60~85である。
本願第1発明で使用される架橋剤は、構造中に2以上の下式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物(以下、「特定過酸化物」ともいう。)を含む。
R1-OO- -(1)
上記式(1)中、R1は、炭素数1~6のアルキル基を示す。
特定過酸化物を架橋剤の少なくとも一部として用いることで、本願第1発明の製造方法得られた太陽電池封止材シートは、高温での気泡の発生や膨れを有効に抑制することができる。また、この架橋剤はポリオレフィン系樹脂への浸透性に優れるので、標準的な押出成形機を用いて比較的短時間で良好な性能を有する太陽電池封止材シート製造できるなど、生産性向上やコスト低減などにも寄与する。
架橋剤の使用量には特に制限は無く、太陽電池封止材シートに求められる諸性能、及び製造工程の諸条件に応じて適宜設定することができるが、後述の特定の架橋助剤との組み合わせにおいて、太陽電池封止後のゲル分率が40%以上となる様な量使用することが好ましい。
より具体的には、十分な架橋を行う観点からは、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、特定過酸化物が0.4質量部以上であることが好ましい。特定過酸化物の使用量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.4~3.0質量部であることがより好ましく、0.4~1.5質量部であることが特に好ましい。
架橋剤の含有量が上記下限値以上であると、封止シートの架橋特性の低下を抑制し、後述するシランカップリング剤の架橋性樹脂の主鎖へのグラフト反応を良好にして、耐熱性、接着性の低下を抑制することができる。また、架橋剤の含有量が上記上限値以下であると、架橋剤の分解生成物等の発生量が一層低下し、より確実に封止シート中に気泡が発生するのを抑制することができる。
特定過酸化物が有する2以上の式(1)で表されるアルキルパーオキシ基において、R1は、炭素数1~6のアルキル基であり、それ以外の制限は無いが、炭素数3~6のアルキル基であることが好ましい。
R1は、直鎖状であっても分岐状であってもよいが、特定過酸化物の安定性の観点から嵩高い基であることが好ましく、したがって分岐状であることが好ましい場合が多い。特に好ましい例として、t-ブチル基を挙げることができる。
その様な特定過酸化物の好適な例として、2,5-ジメチル2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、等を挙げることができる。
特定過酸化物の1分間半減期温度が140℃以上であると、押出シート成形時に太陽電池封止材の架橋反応が進行するのを有効に抑制することができる。有機過酸化物の1分間半減期温度が200℃以下であると、太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋速度が十分なものとなるので、太陽電池モジュールの生産性を良好なものとすることができる。また、太陽電池封止材の耐熱性、接着性を確保することも容易となる。
本願第1発明においては、架橋反応を促進させ、ポリオレフィン系樹脂の架橋度を高めるのに、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットに、架橋助剤を含浸させる。
本願第1発明において使用する架橋助剤は、トリアリルイソシアヌレートを含む。トリアリルイソシアヌレートは、特定過酸化物を含む架橋剤との組み合わせにおいて、比較的少量でポリオレフィン系樹脂を十分に架橋することができるので、生産性と製造される太陽電池封止材シートの品質とを、高いレベルで両立することができる。
本発明においてはトリアリルイソシアヌレートのみを架橋助剤として使用してもよく、あるいはトリアリルイソシアヌレートと他の架橋助剤とを併用してもよい。トリアリルイソシアヌレートと他の架橋助剤とを併用する場合、全架橋助剤中のトリアリルイソシアヌレートの割合は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
他の架橋助剤の種類には特に限定は無いが、従来から使用されている分子内に二重結合を2個以上有する化合物を好ましく使用することができる。分子内に二重結合を3個以上有する化合物であることがより好ましい。
トリアリルイソシアヌレートの使用量を上記範囲内とすることで、比較的容易にかつ短時間で含浸することができる。これにより、生産性に優れるだけでなく、適度な架橋構造を有する太陽電池封止材が得られ、太陽電池封止材の耐熱性、機械物性、接着性をより良好なものとすることができる。
本願第1発明の太陽電池封止材シートの製造方法においては、上記の架橋剤及び架橋助剤に加えて、他の各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲において適宜使用することができる。例えば、シランカップリング材、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、ポリオレフィン系樹脂以外の各種樹脂、各種ゴム、可塑剤、充填剤、顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、光拡散剤、変色防止剤および分散剤等から選ばれる一種以上の添加剤を適宜添加することができる。
本願第1発明の太陽電池封止材シートの製造方法においては、その一工程において、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットに架橋剤及び架橋助剤を含浸させることにより架橋性樹脂ペレットを作製する。
ここでペレットの形状や大きさには特に限定は無く、従来当該技術分野において慣用されている形状および大きさを適宜採用すればよいが、ペレットの平均粒子径は0.2~10mmの範囲であることが好ましい。ペレットの平均粒子径が上記範囲内であると、後述するポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットの攪拌性と、添加剤のペレットへの含浸時間とのバランスに優れるので好ましい。
ポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットの製造方法はとくに限定はされないが、例えば、一軸または二軸押出成形機により、ポリオレフィン系樹脂を溶融混練してストランド状またはシート状に押し出し、ペレタイザを用いて、所定の粒度となるようにペレット状に切断して得る方法等が挙げられる。なお、ペレットには、あらかじめ上述した、架橋剤及び架橋助剤以外の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲において、適宜含有させてもよい。
架橋助剤の少なくとも一部として使用されるトリアリルイソシアヌレートが室温付近に融点を有し、また架橋剤少なくとも一部として使用される特定過酸化物の多くが室温において液体であるか又は高濃度の炭化水素溶液の形で供給されるので、架橋剤及び架橋助剤を混合して液体を形成できることが多く、またその様にして液体を予め調整し、これをポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットに含浸させることが好ましい。架橋剤及び/又は架橋助剤が固体である場合には、固体成分の溶解性または分散性を向上させるために、希釈溶媒を適宜添加してもよい。
含浸用の液体には、架橋剤及び架橋助剤以外の添加剤を予め添加してもよい。架橋剤及び架橋助剤以外の添加剤が固体の場合には、その様な固体添加剤の溶解性または分散性を向上させるために、希釈溶媒を適宜添加してもよい。
攪拌混合する時間は特に限定はされないが、固体成分が目視で、均一に溶解または分散するまで行うことが好ましい。
ここで、室温で液体の成分としては、架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤等は、室温で液体であるものが多い。一方、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、光安定化剤等は、室温で固体であるものが多い。
はじめに、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットと、架橋剤及び架橋助剤を含む液体とを、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、スーパーミキサー、ロータリーミキサー等の攪拌混合機に供給する。
次いで、攪拌混合機を攪拌させて、ポリオレフィン系樹脂を主体とするペレットと、上記液体とを接触させて、上記液体をペレットに含浸させて架橋性樹脂ペレットを作製する。なお、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットは、攪拌混合機を回転させる前に全量供給することが好ましい。一方、架橋剤及び架橋助剤を含む液体は、攪拌混合機を回転させる前に全量供給してもよいし、分割して供給してもよい。より均一にペレットに含浸させる観点からは、攪拌混合機内に分割して供給することが好ましい。生産時間短縮の観点からは、全量供給することが好ましい。
攪拌混合時の攪拌混合機のモーター動力値、および、攪拌混合時の攪拌混合機のモーター積算動力値は、架橋剤、架橋助剤等の含浸速度や処理量に応じて定めることができる設計的事項である。
なお、本実施形態においてペレットに架橋剤及び架橋助剤の含浸が完了したかどうかは攪拌混合機のモーター動力値により確認できる。含浸が完了すると、ペレットの湿り気が無くなるため、モーターの動力値が急上昇する。
本願第1発明で用いる特定の架橋剤及び特定の架橋助剤の組み合わせは、含浸性に優れ、比較的短時間でポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットに均一に含浸させることができるので、本願第1発明の製造方法は、高い生産性で高品質の太陽電池封止材シートを製造することができる。
次に、上記混練工程で得られた架橋性樹脂ペレットを、押出成形機の供給口からシリンダ内に投入し、前記シリンダ内で前記ポリオレフィン系樹脂、前記架橋剤、及び前記架橋助剤を含む樹脂組成物を溶融混練する。
当該工程を図1に模式的に示す。図1中100は、押出成形機である。
本実施形態における押出成形機100としては、公知の各種二軸押出成形機や単軸押出成形機が挙げられる。押出成形機としては、混練性能に優れる点で、二軸押出成形機が好ましい。
まず、上記架橋性樹脂ペレットは、供給口101からシリンダ103内に投入される。次いで、シリンダ103内に投入された上記架橋性樹脂ペレットはシリンダ103の外側に配置されたヒータによって加熱溶融され、回転するスクリュー105により溶融混練される。
注入ノズル107は、標準的な押出成形機には設けられておらず、これを設けることはコストが大幅に増加する要因となる。また、容器201、供給ポンプ203、及びその配管類を設置することも、コスト増大の要因となる。
本願第1発明においては、架橋剤及び架橋助剤のポリオレフィン系樹脂への含浸性に優れるので、注入ノズル107等を必要とせず、標準的な押出成形機を用いて混練工程を実施することが可能であり、生産コスト低減に大きく資することができる。
本願第1発明においては、溶融混練工程で得られたポリオレフィン系樹脂、架橋剤、及び架橋助剤を含む樹脂組成物を、押出成形機のダイから、シート状に押出成形する。
図1に示す実施形態における押出成形工程では、以下に示す様にして、押出成形機100のダイ109から、樹脂組成物をシート状に押出成形する。
押出温度はとくに限定されないが、使用する架橋剤の一時間半減期温度よりも低い温度にて溶融混練し、シート状に押し出すのが好ましい。こうすることで、架橋剤の失活を抑制することができる。
具体的には、押出温度(シリンダ温度)が70~130℃であることが好ましい。押出温度を上記下限値以上にすることにより、太陽電池封止材の生産性を向上させることができる。また、押出温度を上記上限値以下にすることにより、添加剤の劣化を抑制することができる。また、太陽電池封止材のゲル化を抑制することができる。
シートの表面にエンボス加工を施す方法としてはとくに限定されないが、Tダイから押出されたシートを、表面にエンボス模様が施されたエンボスロールと、このエンボスロールに対峙して配設されたゴムロールとの間に供給し、エンボスロールを溶融シートに押圧させながら、シートの表面にエンボス加工を施す方法が挙げられる。なお、得られたシートを再度加熱して溶融させ、エンボス加工を施してもよい。
本実施形態において、得られた太陽電池封止材シートは、太陽電池モジュールサイズに合わせて裁断された枚葉形式、または太陽電池モジュールを作製する直前にサイズに合わせて裁断可能なロール形式にて用いることができる。
本願第2発明は、
ポリオレフィン系樹脂、
構造中に2以上の下式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物、
R1-OO- -(1)
(式中、R1は、炭素数1~6のアルキル基を示す。)、及び
トリアリルイソシアヌレート
を含む、太陽電池封止材用の架橋性樹脂組成物、である。
また、本願第2発明の架橋性樹脂組成物は、架橋剤として機能する構造中に2以上の式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物と、架橋助剤として機能するトリアリルイソシアヌレートとの組み合わせを、ポリオレフィン系樹脂中に均一にかつ十分な量含浸させることが容易であるため、生産性に優れ、従来汎用される押出成形機を用いて、比較的短時間で製造できる。
本願第2発明の架橋性樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂、構造中に2以上の式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物、及びトリアリルイソシアヌレート以外の成分を含んでいてもよく、これらの成分の詳細及び好ましい形態も、本願第1発明に関して上記で説明したものと同様である。
本願第2発明の架橋性樹脂組成物の好ましい組成、すなわち、ポリオレフィン系樹脂、構造中に2以上の式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物、及びトリアリルイソシアヌレート、並びに所望により用いられる他の成分、の好ましい使用割合も、本願第1発明に関して上記で説明したものと同様である。
本願第2発明の架橋性樹脂組成物の形状にも特に制限は無いが、ペレット状、又はシート状であることが好ましい。シート状である場合には、本願第2発明の架橋性樹脂組成物は、同時に本願第3発明の太陽電池封止材シートに該当するものであってもよい。
本願第3発明は、
ポリオレフィン系樹脂、
構造中に2以上の下式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物、
R1-OO- -(1)
(式中、R1は、炭素数1~6のアルキル基を示す。)、及び
トリアリルイソシアヌレート
を含む、太陽電池封止材シート、である。
本願第3発明の太陽電池封止材シートを用いて形成された太陽電池モジュールは、高温で使用した際にも、気泡の発生や膨れ等の問題が有効に抑制される。
また、本願第3発明の太陽電池封止材シートは、架橋剤として機能する構造中に2以上の式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物と、架橋助剤として機能するトリアリルイソシアヌレートとの組み合わせを、ポリオレフィン系樹脂中に均一にかつ十分な量含浸させることが容易であるため、生産性に優れ、従来汎用される押出成形機を用いて、比較的短時間で製造できる。
本願第3発明の太陽電池封止材シートは、ポリオレフィン系樹脂、構造中に2以上の式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物、及びトリアリルイソシアヌレート以外の成分を含んでいてもよく、これらの成分の詳細及び好ましい形態も、本願第1発明に関して上記で説明したものと同様である。
本願第3発明の太陽電池封止材シートの好ましい組成、すなわち、ポリオレフィン系樹脂、構造中に2以上の式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物、及びトリアリルイソシアヌレート、並びに所望により用いられる他の成分、の好ましい使用割合も、本願第1発明に関して上記で説明したものと同様である。
本願第3発明の太陽電池封止材シートは、本願第2発明の架橋性樹脂組成物からなる、又は本願第2発明の架橋性樹脂組成物を含んでなるものであることが好ましい。
太陽電池封止材シートで、太陽電池セルを挟み込んだ積層体を形成するとともに、当該積層体を、3~30分間、140℃以上200℃以下で加熱しながら、0.4気圧以上1気圧以下のプレス圧力で積層体に圧力を加えて一体化する封止工程を実施する。
架橋度はゲル分率によって評価することが可能であり、より具体的には、例えば本願実施例記載の方法によって評価することができる。
ゲル分率は、太陽電池封止材シートの質量に対して40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。
(1)含浸時間
ガラス瓶に、ポリオレフィン系樹脂1kgと、下記に示す方法で調整した、架橋剤、架橋助剤及びその他の添加物を含む液状の添加剤混合物である配合液所定量とを入れ、45℃に加温したオーブン(PHH-401、エスペック株式会社製)内でプレートミックスミル(PMM-20、株式会社エヌエス工研製)を使用して約170rpmでガラス瓶を回転させ、含浸を行った。
一定時間毎にオーブンからガラス瓶を取り出し、樹脂の状態を観察した。樹脂の表面やビンの壁面が濡れていないことが確認できたら、含浸が完了したと判断し、それまでの所要時間を含浸時間とした。
(2)ゲル分率
厚み400μm×100mm角の封止材シートを、厚み50μm×220mm角のPETフィルム2枚で挟み、これを厚み3.2mm×250mm角のガラス盤上に配置して、ラミネーター(LM-110×160、株式会社エヌ・ピー・シー製)を用い、160℃で、まず真空で3分保持してから、圧力約1気圧で所定時間加熱加圧することにより、封止材シートを架橋硬化した。
上記で架橋硬化した封止材からサンプルを約1g計り取り、その重量を4桁の精度で計量した(これを、初期重量Aとした。)。
サンプルをキシレン100mlとともに耐熱ボトルに入れ、110℃に加熱したオーブン中で12時間以上保持した後、30メッシュの金属フィルターでろ過し、フィルター上に残ったサンプルを金属シャーレに移した。金属シャーレ上のろ過後サンプルを110℃で8時間以上乾燥し、キシレンを除去した後のサンプルの重量を計量した(これを、乾燥後重量Bとした。)。
初期重量A、及び乾燥後重量Bから、下式に従いゲル分率(%)を計算した。
ゲル分率(%)=(乾燥後重量B(g)/初期重量A(g))×100
(3)高温耐久性
図3に示す様に、厚み3.2mm×75mm×120mmのガラス板31、厚み400μm×75mm×120mmの封止材シート32、厚み300μm×50mm角のアルミニウム板33(太陽電池セルを模したもの)、セル止めテープ35(粘着テープを幅9mm×長さ25mmにカットしたもの)、及び厚み100μm×75mm×120mmのバックシート34(株式会社エムエーパッケージング製、型式名:PPN75S)を用い、ガラス板31/封止材シート32/アルミニウム板33/セル止めテープ35/封止剤シート32/バックシート34の順に積層して、ラミネーター(LM-110×160、株式会社エヌ・ピー・シー製)を用い、160℃で、まず真空で3分保持してから、圧力約1気圧で所定時間加熱加圧処理を行うことにより、疑似的な太陽電池モジュールサンプルを作製した。セル止めテープ35は、アルミニウム板33の四隅を固定する様に配置した。
サンプルを室温まで冷却した後、180℃に加温したオーブン(PHH-401、エスペック株式会社製)内で30分保持してから取り出し、バックシート34の膨れ有無を目視観察により判定した。
ポリオレフィン系樹脂としてのエチレン・α-オレフィン共重合体(タフマーA-4070S、三井化学株式会社製、MFR:3.6g/10min(190℃)、密度:870kg/m3)のペレット100質量部に対して、架橋剤としてt-ブチルパオーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート(商品名:ルペロックスTBEC、アルケマ吉富株式会社製、純度:97.7%)0.6質量部、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート0.8質量部、シランカップリング材として3メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM503、信越化学工業株式会社)0.3質量部、光安定剤0.1質量部、及び酸化防止剤0.02質量部を含む添加剤混合物を用いて、含浸時間を調べた。
結果を表1に示す。
架橋助剤としてのトリアリルイソシアヌレートの使用量を0.2質量部に変更したことを除くほか、比較例1と同様にして含浸時間を調べるとともに、同様の処方で封止材シートを作成し、ゲル分率及び高温での膨れを評価した。結果を表1に示す。
架橋剤として、t-ブチルパオーオキシ2-エチルヘキシルカーボネートに代えて、2,5-ジメチル2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名:ルぺロックス101、アルケマ吉富株式会社製、純度:92.7%)0.6質量部を使用したことを除くほか、比較例2と同様にして含浸時間を調べるとともに、同様の処方で封止材シートを作成し、ゲル分率及び高温での膨れを評価した。結果を表1に示す。
架橋剤としての2,5-ジメチル2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンの使用量を0.9質量部に変更したことを除くほか、実施例1と同様にして含浸時間を調べるとともに、同様の処方で封止材シートを作成し、ゲル分率及び高温での膨れを評価した。結果を表1に示す。
架橋剤として、2,5-ジメチル2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンに代えて、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(商品名:ルぺロックス331、アルケマ吉富株式会社製、純度:79.6%)0.9質量部を使用したことを除くほか、実施例2と同様にして含浸時間を調べるとともに、同様の処方で封止材シートを作成し、ゲル分率及び高温での膨れを評価した。結果を表1に示す。
更に比較例1と各実施例とを参照すると、本発明の要件を具備することで、架橋剤及び架橋助剤を含む添加剤のポリオレフィン系樹脂への良好な含浸性が実現されることがわかる。この良好な含浸性は、押出成形機の供給口からスクリューの先端までの間に設けられた注入ノズルを有さない、標準的な押出成形機を用いた比較的短時間での溶融混練を可能とするものであり、太陽電池封止材シートのコストや生産性を顕著に向上しうるものである。
101: 供給口
103: シリンダ
105: スクリュー
107: 注入ノズル
109: ダイ
201: 容器
203: 供給ポンプ
31: ガラス
32: 封止材シート
33: アルミニウム板
34: バックシート
35: セル止めテープ
Claims (10)
- ポリオレフィン系樹脂を主成分とするペレットに架橋剤及び架橋助剤を含浸させることにより架橋性樹脂ペレットを作製する工程と、
前記架橋性樹脂ペレットを押出成形機の供給口からシリンダ内に投入し、前記シリンダ内で前記ポリオレフィン系樹脂、前記架橋剤、及び前記架橋助剤を含む樹脂組成物を溶融混練する工程と、
前記押出成形機のダイから、前記樹脂組成物をシート状に押出成形する工程と、
を有する、太陽電池封止材シートの製造方法であって、
前記架橋剤が、構造中に2以上の下式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物を含み
R1-OO- -(1)
(式中、R1は、炭素数1~6のアルキル基を示す。)、
前記架橋助剤がトリアリルイソシアヌレートを含み、
前記構造中に2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物の配合量が、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.4~1.5質量部であり、
前記ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニルより導かれる構造単位を実質的に有さない、上記製造方法。 - 前記架橋性樹脂ペレットを作製する工程を行う時間が、100分以下である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記構造中に2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物が、2以上のアルキルパーオキシ基が、同一の炭素原子に結合しているか、又は2以上の炭素原子を介して結合している構造を有する、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 太陽電池封止後のゲル分率が40%以上である太陽電池封止材シートを製造する、請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
- ポリオレフィン系樹脂、
構造中に2以上の下式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物、
R1-OO- -(1)
(式中、R1は、炭素数1~6のアルキル基を示す。)、及び
トリアリルイソシアヌレート
を含み、
前記2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物の配合量が、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.4~1.5質量部であり、
前記ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニルより導かれる構造単位を実質的に有さず、
前記トリアリルイソシアヌレートの配合量が、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.4質量部以下である、太陽電池封止材用の架橋性樹脂組成物。 - 前記構造中に2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物が、2以上のアルキルパーオキシ基が、同一の炭素原子に結合しているか、又は2以上の炭素原子を介して結合している構造を有する、請求項5に記載の架橋性樹脂組成物。
- ポリオレフィン系樹脂、
構造中に2以上の下式(1)で表されるアルキルパーオキシ基を有する化合物、
R1-OO- -(1)
(式中、R1は、炭素数1~6のアルキル基を示す。)、及び
トリアリルイソシアヌレート
を含み、
前記構造中に2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物の配合量が、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.4~1.5質量部であり、
前記ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニルより導かれる構造単位を実質的に有さず、
前記トリアリルイソシアヌレートの配合量が、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.4質量部以下である、太陽電池封止材シート。 - 前記構造中に2以上のアルキルパーオキシ基を有する化合物が、2以上のアルキルパーオキシ基が、同一の炭素原子に結合しているか、又は2以上の炭素原子を介して結合している構造を有する、請求項7に記載の太陽電池封止材シート。
- 請求項7又は8に記載の太陽電池封止材シートの架橋硬化物を有する、太陽電池モジュール。
- 請求項7又は8に記載の太陽電池封止材シートで太陽電池を封止する工程、及び
該太陽電池封止材シートを架橋硬化する工程、
を有する、太陽電池モジュールの製造方法。
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