JP7473036B2 - 積層体及び包装袋 - Google Patents
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Description
第2基材層の熱収縮率≦5% ・・・(式1)
第2基材層の熱収縮率≧第1基材層の熱収縮率 ・・・(式2)
第2基材層の熱収縮率≧シーラント層の熱収縮率 ・・・(式3)
(但し、熱収縮率(%)=(加熱前の走行方向長さ-加熱後の走行方向長さ)/加熱前の走行方向長さ×100)
第2基材層の熱収縮率-第1基材層の熱収縮率≧0.3% ・・・(式4)
第2基材層の熱収縮率-シーラント層の熱収縮率≧0.5% ・・・(式5)
シーラント層の熱収縮率≦2% ・・・(式6)
図1は、一実施形態に係る積層体を示す模式断面図である。図1に示す積層体100は、第1基材層11、第2基材層12及びシーラント層13をこの順に備える。第1基材層11及び第2基材層12、並びに第2基材層12及びシーラント層13は、それぞれ接着剤層Sで接着されていてよい。第1基材層、第2基材層及びシーラント層がいずれもポリオレフィンフィルムを含む。第1基材層又は第2基材層のポリオレフィンフィルムは、例えば水蒸気や酸素に対するガスバリア性向上の観点から、少なくとも一方の表面に無機酸化物層を備える。無機酸化物層を備えるポリオレフィンフィルムはガスバリア性を有しているため、そのような第1基材層又は第2基材層をガスバリア性基材層ということができる。以下、各層について説明する。
第1基材層は支持体の一つとなるフィルムであり、ポリオレフィンフィルムを含む。第1基材層がポリオレフィンフィルムからなるものであってよい。ポリオレフィンフィルムとしては、例えばポリエチレンフィルム(PE)、ポリプロピレンフィルム(PP)、ポリブテンフィルム(PB)等が挙げられる。また、ポリオレフィンフィルムとしては、ポリオレフィンを、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、不飽和カルボン酸のエステル等を用いてグラフト変性して得られる酸変性ポリオレフィンフィルム等が挙げられる。
ポリオレフィンフィルムが無機酸化物層を備える場合、ポリオレフィンフィルムの、無機酸化物層を積層する面には密着層(アンカーコート層)が設けられてよい。密着層はポリオレフィンフィルム上に設けられ、ポリオレフィンフィルムと無機酸化物層との密着性能向上と、ポリオレフィンフィルム表面の平滑性向上との二つの効果を得ることができる。なお、平滑性が向上することで無機酸化物層を欠陥なく均一に成膜し易くなり、高いバリア性を発現し易い。密着層はアンカーコート剤を用いて形成することができる。
ポリオレフィンフィルムが無機酸化物層を備える場合、無機酸化物層に含まれる無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化錫等が挙げられる。透明性及びバリア性の観点から、無機酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化マグネシウムからなる群より選択されてよい。また、加工時に引っ張り延伸性に優れる観点から、無機酸化物層を酸化ケイ素を用いた層とすることが好ましい。無機酸化物層を用いることにより、積層体のリサイクル性に影響を与えない範囲のごく薄い層で、高いバリア性を得ることができる。
ポリオレフィンフィルムは無機酸化物層上にガスバリア性被覆層を備えてよい。ガスバリア性被覆層は、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて形成された層である。
M(OR1)m(R2)n-m …(I)
上記一般式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1~8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であることが好ましい。MはSi、Ti、Al、Zr等のn価の金属原子を示す。mは1~nの整数である。なお、R1又はR2が複数存在する場合、R1同士又はR2同士は同一でも異なっていてもよい。
Si(OR11)p(R12)3-pR13 …(II)
上記一般式(II)中、R11はメチル基、エチル基等のアルキル基を示し、R12はアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基、アクリロキシ基で置換されたアルキル基、又は、メタクリロキシ基で置換されたアルキル基等の1価の有機基を示し、R13は1価の有機官能基を示し、pは1~3の整数を示す。なお、R11又はR12が複数存在する場合、R11同士又はR12同士は同一でも異なっていてもよい。R13で示される1価の有機官能基としては、グリシジルオキシ基、エポキシ基、メルカプト基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、又は、イソシアネート基を含有する1価の有機官能基が挙げられる。
第1基材層の第2基材層側には、印刷層を設けることができる。印刷層は、内容物に関する情報の表示、内容物の識別、あるいは包装袋の意匠性向上を目的として、積層体の外側から見える位置に設けられる。印刷方法及び印刷インキは特に制限されず、既知の印刷方法及び印刷インキの中からフィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、食品容器としての安全性などを考慮して適宜選択される。印刷方法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。中でもグラビア印刷法は生産性や絵柄の高精細度の観点から、好ましく用いることができる。
第2基材層の構成は、第1基材層の構成に関し記載した上記内容を適宜参照することができる。第1基材層がガスバリア性基材層である場合、第2基材層はガスバリア性基材層である必要はなく、逆に第2基材層がガスバリア性基材層である場合、第1基材層はガスバリア性基材層である必要はない。
接着剤層を介して、第1基材層と第2基材層とを積層することができる。接着剤の材料としては、例えば、ポリエステル-イソシアネート系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル系樹脂などを用いることができる。包装袋をレトルト用途に使用するには、レトルト耐性のある2液硬化型のウレタン系接着剤を好ましく用いることができる。
シーラント層は、積層体においてヒートシールによる封止性を付与する層であり、ポリオレフィンフィルムを含む。シーラント層がポリオレフィンフィルムからなるものであってよい。
上記積層体において、第1基材層、第2基材層及びシーラント層のそれぞれにおける、120℃で15分間加熱した後の走行方向(MD方向)の熱収縮率は、下記式を満たす。
第2基材層の熱収縮率≦5% ・・・(式1)
第2基材層の熱収縮率≧第1基材層の熱収縮率 ・・・(式2)
第2基材層の熱収縮率≧シーラント層の熱収縮率 ・・・(式3)
(加熱前の走行方向長さ-加熱後の走行方向長さ)/加熱前の走行方向長さ×100
熱収縮率の測定手順は以下のとおりである。
(1)測定対象層を20cm×20cmに切り出して測定サンプルとする。
(2)測定サンプルの走行方向に10cmの線を書き込む(加熱前の走行方向長さ)。
(3)測定サンプルを120℃で15分間加熱する。
(4)書き込んだ線の走行方向長さを測定する(加熱後の走行方向長さ)。
(5)上記式より熱収縮率を算出する。
包装袋は、上述した積層体を製袋してなるものである。包装袋は、1枚の積層体をシーラント層が対向するように二つ折りにした後、3方をヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよく、2枚の積層体をシーラント層が対向するように重ねた後、4方をヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよい。包装袋は、内容物として食品、医薬品等の内容物を収容し、レトルト処理やボイル処理などの加熱殺菌処理を施すことができる。
第1基材層及び第2基材層として、以下の延伸ポリプロピレンフィルムを準備した。なお、以下「収縮率」とは、120℃で15分間加熱した後の走行方向(MD方向)の熱収縮率である。
[第1基材層]
OPP(収縮率2.0%):厚さ20μm
OPP(収縮率3.1%):厚さ20μm
OPP(収縮率4.1%):厚さ20μm
EVOH-OPP(収縮率2.0%):厚さ18μm。OPPフィルム上にEVOH層(密着層)が設けられたもの。
[第2基材層]
OPP(収縮率2.6%):厚さ20μm
OPP(収縮率2.6%):厚さ18μm
OPP(収縮率3.8%):厚さ20μm
EVOH-OPP(収縮率2.6%):厚さ18μm。OPPフィルム上にEVOH層(密着層)が設けられたもの。
アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを、アクリルポリオールのOH基の数に対してトリレンジイソシアネートのNCO基の数が等量となるように混合し、全固形分(アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量)が5質量%になるよう酢酸エチルで希釈した。希釈後の混合液に、さらにβ-(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを、アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量100質量部に対して5質量部となるように添加し、これらを混合することで密着層形成用組成物(アンカーコート剤)を調製した。
下記のA液、B液及びC液を、それぞれ65/25/10の質量比で混合することで、ガスバリア性被覆層形成用組成物を調製した。
A液:テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)17.9gとメタノール10gに0.1N塩酸72.1gを加えて30分間攪拌して加水分解させた固形分5質量%(SiO2換算)の加水分解溶液。
B液:ポリビニルアルコールの5質量%水/メタノール溶液(水:メタノールの質量比は95:5)。
C液:1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートを水/イソプロピルアルコールの混合液(水:イソプロピルアルコールの質量比は1:1)で固形分5質量%に希釈した加水分解溶液。
延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面に、上記密着層形成用組成物をグラビアロールコート法にて塗工し、60℃で乾燥及び硬化させ、塗布量が0.1g/m2であるポリエステル系ポリウレタン樹脂からなる密着層を形成した。次に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、厚さ30nmの酸化ケイ素からなる透明な無機酸化物層(シリカ蒸着層)を形成した。シリカ蒸着層としては、蒸着材料種を調整し、O/Si比が1.8である蒸着層を形成した。O/Si比は、X線光電子分光分析装置(日本電子株式会社製、商品名:JPS-90MXV)にて、X線源は非単色化MgKα(1253.6eV)を使用し、100W(10kV-10mA)のX線出力で測定した。O/Si比を求めるための定量分析には、それぞれO1sで2.28、Si2pで0.9の相対感度因子を用いて行った。
EVOH-OPPフィルムのEVOH層(密着層)上に、上記と同様にして無機酸化物層(シリカ蒸着層)を形成した。次に、上記と同様にして、無機酸化物層上に、上記ガスバリア性被覆層形成用組成物を用いてガスバリア性被覆層を形成した。これにより、フィルム基材/EVOH層(密着層)/無機酸化物層/ガスバリア性被覆層の積層構造を有するガスバリアフィルムを得た。
シーラント層として、以下のポリプロピレンフィルムを準備した。
CPP(収縮率0.2%):厚さ70μm
CPP(収縮率1.8%):厚さ70μm
各層の熱収縮率(%)は、以下の手順に従って測定した。
(1)測定対象層を20cm×20cmに切り出して測定サンプルとした。
(2)測定サンプルの走行方向に10cmの線を書き込んだ(加熱前の走行方向長さ)。
(3)測定サンプルを120℃で15分間加熱した。
(4)書き込んだ線の走行方向長さを測定した(加熱後の走行方向長さ)。
(5)下記式より熱収縮率を算出した。
(加熱前の走行方向長さ-加熱後の走行方向長さ)/加熱前の走行方向長さ×100
表1に示す各層の組合せに基づき、各実施例及び比較例の積層体を製造した。積層体の製造方法は以下のとおりである。
(実施例1)
第2基材層のコロナ処理面に、第1基材層を、2液型の接着剤(三井化学株式会社製、商品名:主剤A525/硬化剤A52)を介してドライラミネート法によってラミネートし、また第2基材層の非コロナ処理面にシーラント層を同様にラミネートした。第1基材層のガスバリア性被覆層(バリア面)は第2基材層側とした。これにより、第1基材層(ガスバリア性基材層)/接着剤層/第2基材層/接着剤層/シーラント層の積層構造を有する積層体を製造した。
(実施例2)
第2基材層のガスバリア性被覆層上に、第1基材層を、上記2液型の接着剤を介してドライラミネート法によってラミネートし、また第2基材層の非コロナ処理面にシーラント層を同様にラミネートした。これにより、第1基材層/接着剤層/第2基材層(ガスバリア性基材層)/接着剤層/シーラント層の積層構造を有する積層体を製造した。
(実施例7)
各層の組合せを表1のとおり変更し、ガスバリア性被覆層がシーラント層側となるように第2基材層を積層したこと以外は、実施例2と同様にして積層体を製造した。
(比較例4、5)
各層の組合せを表1のとおり変更し、ガスバリア性被覆層がシーラント層側となるように第2基材層を積層し、第1基材層を積層しなかったこと以外は、実施例2と同様にして積層体を製造した。
(その他の実施例及び比較例)
各層の組合せを表1のとおり変更したこと以外は、実施例1又は実施例2と同様にして積層体を製造した。
各例で得られた積層体を15cm×10cmのサイズに切り出し、切り出した2枚の包装フィルムを互いのシーラント層が対向するように重ねた。そしてパウチ状に3方インパルスシールした後、内容物として100mlの水道水を入れ、残り一辺をインパルスシールした。これにより、4方シールされたパウチ(包装袋)を作製した。
各例で得られたパウチに対し、レトルト装置にて0.2MPa、121℃で30分間レトルト処理を行った。レトルト処理後、パウチ内の水道水を捨て、十分に乾燥させた状態で、ガスバリア性の評価を行った。具体的には、以下のとおり酸素透過度(OTR)及び水蒸気透過度(WTR)を測定した。結果を表2に示す。
酸素透過度:
酸素透過度測定装置(MOCON社製、商品名:OX-TRAN2/20)
温度30℃、相対湿度70%の条件で測定(JIS K-7126、B法)
測定値は単位[cc/m2・day・MPa]で表記。
水蒸気透過度:
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、商品名:PERMATRAN-W 3/33)
温度40℃、相対湿度90%の条件で測定(JIS K-7126、B法)
測定値は単位[g/m2・day]で表記。
Claims (8)
- 第1基材層、第2基材層及びシーラント層をこの順に備え、
前記第1基材層、前記第2基材層及び前記シーラント層がいずれもポリオレフィンフィルムを含み、
前記第1基材層又は前記第2基材層の前記ポリオレフィンフィルムが、少なくとも一方の表面に無機酸化物層を備え、
前記第1基材層、前記第2基材層及び前記シーラント層のそれぞれにおける、120℃で15分間加熱した後の走行方向(MD方向)の熱収縮率が下記式を満たす、積層体。
1.5%≦第2基材層の熱収縮率≦5% ・・・(式1)
第2基材層の熱収縮率>第1基材層の熱収縮率 ・・・(式2)
第2基材層の熱収縮率>シーラント層の熱収縮率 ・・・(式3)
(但し、熱収縮率(%)=(加熱前の走行方向長さ-加熱後の走行方向長さ)/加熱前の走行方向長さ×100) - 前記熱収縮率が下記式を満たす、請求項1に記載の積層体。
1.5%≧第2基材層の熱収縮率-第1基材層の熱収縮率≧0.3% ・・・(式4)
3.0%≧第2基材層の熱収縮率-シーラント層の熱収縮率≧0.5% ・・・(式5) - 前記熱収縮率が下記式を満たす、請求項1又は2に記載の積層体。
シーラント層の熱収縮率≦2% ・・・(式6) - 前記第1基材層又は前記第2基材層の前記ポリオレフィンフィルムが、少なくとも一方の表面に前記無機酸化物層と、前記無機酸化物層上にガスバリア性被覆層とを備え、
前記ガスバリア性被覆層が、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。 - 前記第1基材層の前記ポリオレフィンフィルムの、前記無機酸化物層を積層する面に密着層が設けられており、又は前記第2基材層の前記ポリオレフィンフィルムの、前記無機酸化物層を積層する面に密着層が設けられており、前記密着層が、ポリエステル系ポリウレタン樹脂又はポリエーテル系ポリウレタン樹脂を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記無機酸化物層が酸化ケイ素を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体。
- レトルトパウチ用である、請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を製袋してなる包装袋。
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