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JP7479766B2 - モルタル圧送用ホース及びモルタル圧送方法 - Google Patents
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本発明は、モルタルを送する可撓性ホースに関する。また、本発明は、可撓性ホースを用いたモルタル送方法に関する。
ビルや高速道路、ダム等の土木/建築物の構築に、モルタルすなわちコンクリートモルタルが使用される。モルタルが型枠内に圧送されて、型枠内で所定の形状に固化し、建築物や土木構築物となる。モルタルの打設等に際し、モルタルを搬送(圧送)する必要があり、送経路の一部に可撓性ホースが用いられることがある。
可撓性ホースをモルタルの圧送経路に用いると、圧送経路の自由度が増して便利である。
特許文献1には、モルタル圧送用ホースにおいて、ホースの内周面側および外周面側にそれぞれ導線を螺旋状に埋入し、これら導線の導通状態を調べてホースの摩耗や破損を検知する技術が開示されており、当該モルタル圧送用ホースによれば、効率的にホースの摩耗や破損を検知できることが開示されている。
特開2010-138991号公報
ところで、近年、モルタルを利用した土木構築物/建築物の構築に、繊維を混ぜて補強した高強度モルタルを使用することがある。中でも、金属繊維、特に鋼繊維で補強したモルタルを使用することにより、固化したモルタルの強度を大幅に高めることができ、鉄筋を省略できたり、モルタル構造物を小断面化できたり、モルタルのひび割れを低減させたり、といったメリットが生ずる。
しかしながら、鋼繊維で補強したモルタルを使用すると、圧送する可撓性ホースの寿命が短くなりやすいことが判明した。発明者らの調査によれば、モルタルに鋼繊維が含まれていると、圧送時にモルタル中の鋼繊維がホース内周面に突き刺さってしまい、それがホースの寿命短縮に関わっていることが判明した。
本発明の目的は、モルタルに含まれる金属繊維がホース内周面に突き刺さりにくいモルタル送用ホースおよびモルタル送方法を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、ホース内周面を特定の樹脂材料により構成すると、モルタル中の金属繊維の突き刺さりが抑制されることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、合成樹脂製のホース壁と、ホース壁に埋入された螺旋状補強体とを有するモルタル送用ホースであって、前記ホース壁のホース内周面が、シリコーン樹脂もしくはシリコーンオイルを含有する塩化ビニル樹脂組成物により構成されている、モルタル送用ホースである(第1発明)。
第1発明において、好ましくは、ホース壁が、ホース最内周に配置される内層を備える多層構造であり、内層を構成する塩化ビニル樹脂組成物のデュロA硬度が70度以上90度以下である(第2発明)。また、本発明は、第1発明または第2発明のモルタル送用ホースにより、金属繊維を含有するモルタルを送する、金属繊維を含有するモルタル送方法である(第3発明)。
本発明のモルタル送用ホース(第1発明)や本発明の金属繊維を含有するモルタル送方法(第3発明)によれば、モルタル中の鋼繊維の突き刺さりが抑制できる。さらに、第2発明のように、ホース壁を多層構造として内層の樹脂の硬度をデュロA(JISK7215に基づき、加圧直後に測定)で70度~90度とすれば、鋼繊維の突き刺さりをより効果的に抑制できる。
第1実施形態のモルタル送用ホースの構造を示す一部断面図である。 第2実施形態のモルタル送用ホースの構造を示す一部断面図である。
以下図面を参照しながら、鋼繊維を含有するモルタル圧送用ホースの実施形態について説明する。なお発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1は、第1実施形態のモルタル送用ホース1の構造を示す一部断面図である。ホース中心軸より上側半分を断面図で示し、下側半分を外観図で示している。図2も同様である。モルタル送用ホース1は、合成樹脂製のホース壁10と、ホース壁10に埋入された螺旋状補強体13とを有する。ホース壁10は可撓性を有し、ホース1の可撓性に貢献する。
螺旋状補強体13は、ホース壁を構成する樹脂材料よりも硬質な材料により構成され、ホース1を円筒状に維持するとともに、モルタル圧送時の内圧に耐える。螺旋状補強体13は、例えばデュロA硬度で85度以上の硬度を有する樹脂材料(例えば硬質塩化ビニル樹脂)や、金属線(例えば硬鋼線等)、樹脂被覆金属線(例えば塩ビ被覆鋼線等)などにより構成できる。螺旋状補強体13は、1条の螺旋状に設けられていてもよいし、2条以上の螺旋状に設けられていてもよい。
螺旋状補強体13がホース壁10に埋入されることにより、螺旋状補強体13とホース壁10が強固に一体化され、ホースの耐圧性が高められる。埋入の形態は、本実施形態のように、螺旋状補強体13の全体がホース壁10に埋入されていることが好ましいが、それは必須ではない。後述する第2実施形態のように、螺旋状補強体の一部がホース壁に埋入される形態であってもよい。
ホース壁10のホース内周面10Aが、シリコーン樹脂もしくはシリコーンオイルを含有する塩化ビニル樹脂組成物により構成されている。必須ではないが、本実施形態においては、ホース壁10は、内層11と外層12を有する。すなわち、ホース壁10が、ホース最内周に配置される内層11を備える多層構造を有している。
なお、必須ではないが、ホース壁10は略円筒状に形成されている。
ホース内周面10Aを構成する塩化ビニル樹脂組成物は、シリコーン樹脂もしくはシリコーンオイルを含有する。ここで、シリコーン樹脂とは、シリコーンゴムもしくはシリコーンレジンを含む。シリコーン樹脂は粉末状に、いわゆるシリコーンパウダー(シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等)として含まれることが好ましい。シリコーン樹脂もしくはシリコーンオイルの好ましい配合量は塩化ビニル樹脂100重量部に対し、3~30重量部程度、より好ましくは、5~20重量部程度である。シリコーン樹脂を含有する塩化ビニル樹脂組成物としては、例えば、信越ポリマー株式会社からEXELASTシリーズの塩ビコンパウンドで品番SE-855として販売されている、シリコーンレジンパウダーを含有する塩化ビニル樹脂組成物などが例示される。
ホース内周面10Aを構成する塩化ビニル樹脂組成物、本実施形態においては内層11を構成する塩化ビニル樹脂組成物の硬度は、デュロA硬度(JISK7215に基づき、加圧直後に測定)で70度以上90度以下であることが好ましい。また、ホース壁10が多層構造をとる場合には、内層11が他の層(例えば外層12)に比べ硬質であることが好ましい。
ホース内周面10Aを構成する塩化ビニル樹脂組成物には、必要に応じ、可塑剤や安定剤、充てん剤、老化防止剤などの添加剤を配合してもよい。
第1実施形態のモルタル送用ホース1は、従来公知のホース製造方法により製造できる。すなわち、可撓性条帯を螺旋状に捲回成型可能なホース成形軸を準備し、かかるホース成形軸に、ホース壁の内層11、外層12や螺旋状補強体13となるべき材料を半溶融状態のテープ状・紐状に押出もしくは共押出して供給する。ホース成形軸上で、これら材料は互いに融着し、多層構造のホース壁10が円筒状に形成され、螺旋状補強体13がホース壁10に埋入されて、モルタル送用ホース1が連続的に成型される。
第1実施形態のモルタル送用ホース1は、モルタルの搬送すなわち圧送に使用できる。特に、上記第1実施形態のモルタル送用ホース1は、金属繊維を含有するモルタルの送に適している。中でも、モルタルの補強効果が高い鋼繊維を含有するモルタルの送に適している。なお、モルタルに含有される金属繊維は鋼繊維に限定されず、鉄繊維やステンレス繊維、亜鉛繊維なども使用できる。
第1実施形態のモルタル送用ホース1の作用および効果について説明する。
第1実施形態のモルタル送用ホース1によれば、ホース内周面が、シリコーン樹脂もしくはシリコーンオイルを含有する塩化ビニル樹脂組成物により構成されているため、モルタル送時に、モルタルに含まれる金属繊維(特に鋼繊維)がホース内周面に突き刺さりにくくなる。
シリコーン樹脂もしくはシリコーンオイルの塩化ビニル樹脂組成物への配合により、なぜ、金属繊維の突き刺さりが抑制されるのかのメカニズムの詳細は不明であるが、ホース内周面10Aの滑り性が良くなり、これがモルタルに含まれる鋼繊維の突き刺さりの抑制に貢献するものと推測される。
モルタルを送する際に金属繊維がホース内周面に突き刺さってしまうと、突き刺さった金属繊維に他の金属繊維が絡み合うように堆積しやすくなる。その結果、モルタルを送する際の抵抗が大きくなり、ホースにより大きな送圧力が作用しやすくなる。圧送する圧力が高まると、ホースへの負荷が高くなり寿命が短くなる。
また、金属繊維がホース内周面に突き刺ささることにより、ホース内周面が削れて荒れやすくなり、ホースが摩耗しやすくなる。このように、金属繊維がホース内周面に突き刺さると、ホースの強度や耐久性が低下する傾向が生じやすいが、金属繊維の突き刺さりを抑制できれば強度や耐久性の劣化が抑制できる。
金属繊維がホース内周面に突き刺ささることをより効果的に抑制する観点からは、ホース壁が、ホース最内周に配置される内層を備える多層構造であり、内層を構成する塩化ビニル樹脂組成物のデュロA硬度(JISK7215に基づき、加圧直後に測定)が70度以上90度以下であることが好ましい。内層をデュロA硬度で70度以上90度以下という、ホース壁の構成材料としては硬めの材料で構成することにより、金属繊維の突き刺さりを効果的に抑制できる。また、ホースを多層構造にすれば、内層以外の部分をより柔軟な樹脂材料にすることによって、ホースが剛直になってしまうことを予防しつつ、同時に、金属繊維の突き刺さりを効果的に抑制できる。
また、上記第1実施形態のモルタル送用ホースにより、金属繊維を含有するモルタルを送するようにすれば、モルタルに金属繊維、特に鋼繊維が含有されていても、ホース内周面への金属繊維の突き刺さりを抑制してモルタルが圧送できる。そして長期間にわたってホースでモルタルが送できる。
(実施例1)
図1に示した第1実施形態ホース1に対応する、実施例1のモルタル送用ホースを製造した。ホースの呼び径はφ50mmであり、内層の肉厚は3.5mm、外層の肉厚は4.5mm、螺旋状補強体は、ホースの径方向が4.2mm、中心軸方向が7.2mmの矩形状断面であり、ピッチは11mmである。螺旋状補強体はデュロA硬度90度の硬質塩化ビニル樹脂であり、ホース壁の外層はデュロA硬度60度の軟質塩化ビニル樹脂であり、ホース壁の内層は、シリコーンパウダーを含有する軟質塩化ビニル樹脂(デュロA硬度80度、信越ポリマー社製)である。
(比較例)
内層および外層を共にデュロA硬度60度の軟質塩化ビニル樹脂組成物とした点をのぞいて、他の点は実施例1と同様にした比較例のモルタル送用ホースを製造した。
実施例1、比較例のホースを、それぞれ、鋼繊維を含むモルタルの送に用いた。比較例のホースでは、送開始後まもなく、モルタルの送が困難となり、ホース長さ10m程度で送が停止してしまった。比較例のホースでは、鋼繊維がホース内周面に突き刺さっていた。実施例1のホースでは、送開始後、モルタルの送が止まることなく、20mのホース長さでもモルタルを送することができ、鋼繊維のホース内周面への突き刺さりが抑制されていることが確認できた。また、実施例1のホースではホース内周面の極端な摩耗の進行も確認されず、鋼繊維のホース内周面への突き刺さりが抑制されていることが確認できた。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
必須ではないが、モルタル送用ホース1は、ホース壁等に、補強繊維、補強糸や補強層、断熱層や耐摩耗層、摩耗検知線などを備えていてもよい。モルタルを送する場合には、補強繊維、補強糸や補強層のいずれかを備えていることが好ましい。
図2には、第2実施形態のモルタル送用ホース2を示す。本実施形態のモルタル送用ホース2では、螺旋状補強体23がホース壁20の外周部に半分程度埋入されている。このように、螺旋状補強体の埋入は、補強体全体がホース壁に埋入されている必要はなく、補強体とホース壁がしっかり一体化されるように、少なくとも補強体の内周側部分がホース壁に埋入されていればよい。
また、第2実施形態のモルタル送用ホース2では、ホース壁20が単一の樹脂組成物により構成された単層のホース壁となっている。この場合にも、ホース壁20のホース内周面が、シリコーン樹脂もしくはシリコーンオイルを含有する塩化ビニル樹脂組成物により構成されていれば、第1実施形態のホース1と同様に、ホース内周面への金属繊維の突き刺さりを抑制できる。
また、ホースの内周面は、実質的に平滑な円筒状であることが好ましく、ホース内周面には、ギャップや段差、突条、溝などが実質的に形成されていないことが好ましい。ホース内周面が平滑にされていると、金属繊維が突き刺さりにくい。
上記実施形態のモルタル送用ホースはモルタルの送に使用でき、金属繊維の突き刺さりが抑制できて産業上の利用価値が高い。
1 モルタル送用ホース
10 ホース壁
10A ホース内周面
11 内層
12 外層
13 螺旋状補強体

Claims (3)

  1. 合成樹脂製のホース壁と、ホース壁に埋入された螺旋状補強体とを有するモルタル送用ホースであって、
    前記ホース壁のホース内周面が、シリコーン樹脂もしくはシリコーンオイルを含有する塩化ビニル樹脂組成物により構成されている、
    モルタル送用ホース。
  2. ホース壁が、ホース最内周に配置される内層を備える多層構造であり、
    内層を構成する塩化ビニル樹脂組成物のデュロA硬度が70度以上90度以下である、
    請求項1に記載のモルタル送用ホース。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモルタル送用ホースにより、金属繊維を含有するモルタルを送する、金属繊維を含有するモルタル送方法。
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