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JP7480436B2 - 画像処理装置および車両 - Google Patents
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Description

本開示は、撮像画像に基づいて物体認識を行う画像処理装置、および、そのような画像処理装置を備えた車両に関する。
撮像装置により得られた撮像画像には、様々な物体の画像が含まれる。例えば特許文献1には、そのような撮像画像に基づいて物体認識を行う画像処理装置が開示されている。
特開2018-97766号公報
ところで、このような画像処理装置では、処理モデルの軽量化を図ったり、モデル性能を担保したりすることが、求められている。処理モデルの軽量化を図りつつモデル性能を担保することが可能な画像処理装置、および、そのような画像処理装置を備えた車両を提供することが望ましい。
本開示の一実施の形態に係る第1の画像処理装置は、撮像画像に含まれる特徴量を抽出する抽出部と、その特徴量に基づいて物体を識別する物体識別部と、を備えたものである。抽出部は、撮像画像に基づいて、2次元配置された複数のフィルタ値を有するフィルタを用いた畳み込み演算を行うことにより、特徴量を抽出する。また、フィルタにおける複数のフィルタ値がそれぞれ、所定方向に沿った対称軸を中心として、線対称の値に設定されている。
本開示の一実施の形態に係る第2の画像処理装置は、1または複数のプロセッサと、この1または複数のプロセッサに通信可能に接続される1または複数のメモリと、を備えたものである。1または複数のプロセッサは、撮像画像に含まれる特徴量を抽出することと、その特徴量に基づいて物体を識別することと、を行うと共に、撮像画像に基づいて、2次元配置された複数のフィルタ値を有するフィルタを用いた畳み込み演算を行うことにより、特徴量を抽出する。また、フィルタにおける複数のフィルタ値がそれぞれ、所定方向に沿った対称軸を中心として、線対称の値に設定されている。
本開示の一実施の形態に係る車両は、上記本開示の一実施の形態に係る画像処理装置と、上記物体識別部による物体の識別結果を利用して、車両制御を行う車両制御部と、を備えたものである。
本開示の一実施の形態に係る車両の概略構成例を表すブロック図である。 図1に示した車両の外観構成例を模式的に表す上面図である。 図1に示したステレオカメラが生成した左画像および右画像の一例を表す模式図である。 撮像画像において設定される画像領域の一例を表す模式図である。 畳み込み演算に用いられるフィルタの更新処理の概要について説明するための模式図である。 図1に示した特徴量抽出部における畳み込み演算および活性化関数の適用例を表す模式図である。 図6に示した畳み込み演算の具体的な処理例を表す模式図である。 図6に示した活性化関数の具体的な構成例を表す模式図である。 比較例に係るフィルタの構成例を表す模式図である。 比較例に係るフィルタを用いた場合の物体認識結果の一例を表す模式図である。 実施の形態に係るフィルタにおけるフィルタ値の更新処理例を表す模式図である。 実施の形態に係るフィルタの構成例を表す模式図である。 実施例等に係るデータセットの構成例を表す模式図である。 実施例等に係る機械学習モデルの構成例を表す模式図である。 比較例、参考例および実施例に係る物体認識結果の一例を表す図である。 比較例、参考例および実施例に係る物体認識結果の他の例を表す図である。 比較例および実施例に係るパラメータ数の一例を表す図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(畳み込み演算の際のフィルタにおけるフィルタ値の設定例)
2.実施例(具体的な物体認識結果の例)
3.変形例
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る車両(車両10)の概略構成例を、ブロック図で表したものである。図2は、図1に示した車両10の外観構成例を、模式的に上面図で表したものである。
車両10は、図1に示したように、ステレオカメラ11、画像処理装置12および車両制御部13を備えている。なお、この図1では、車両10の駆動力源(エンジンやモータなど)等の図示については、省略している。この車両10は、例えば、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV:Electric Vehicle)などの電動車両、あるいは、ガソリン車により構成されている。
(A.ステレオカメラ11)
ステレオカメラ11は、例えば図2に示したように、車両10の前方を撮像することにより、互いに視差を有する一組の画像(左画像PLおよび右画像PR)を生成するカメラである。このステレオカメラ11は、図1,図2に示したように、左カメラ11Lおよび右カメラ11Rを有している。
左カメラ11Lおよび右カメラ11Rはそれぞれ、例えば、レンズおよびイメージセンサを含んでいる。左カメラ11Lおよび右カメラ11Rは、例えば図2に示したように、車両10におけるフロントガラス19の上部近傍に、車両10の幅方向に沿って所定距離だけ離間して、配置されている。これらの左カメラ11Lおよび右カメラ11Rは、互いに同期して撮像動作を行うようになっている。具体的には図1に示したように、左カメラ11Lは左画像PLを生成し、右カメラ11Rは右画像PRを生成する。左画像PLは複数の画素値を含み、右画像PRは複数の画素値を含んでいる。これらの左画像PLおよび右画像PRは、図1に示したように、ステレオ画像PICを構成している。
図3は、このようなステレオ画像PICの一例を表したものである。具体的には、図3(A)は、左画像PLの一例を示しており、図3(B)は、右画像PRの一例を示している。なお、図3中に示したx,yはそれぞれ、x軸,y軸を表している。この例では、車両10が走行している走行路における車両10の前方に、他車両(先行車両90)が走行している。左カメラ11Lは先行車両90を撮像することにより左画像PLを生成し、右カメラ11Rは先行車両90を撮像することにより右画像PRを生成する。
ステレオカメラ11は、このような左画像PLおよび右画像PRを含む、ステレオ画像PICを生成するようになっている。また、ステレオカメラ11は、所定のフレームレート(例えば60[fps])にて撮像動作を行うことにより、一連のステレオ画像PICを生成するようになっている。
(B.画像処理装置12)
画像処理装置12は、ステレオカメラ11から供給されたステレオ画像PICに基づいて、各種の画像処理(車両10の前方の物体の認識処理等)を行う装置である。この画像処理装置12は、図1に示したように、画像メモリ121、特徴量抽出部122および物体識別部123を有している。
このような画像処理装置12は、例えば、プログラムを実行する1または複数のプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)と、これらのプロセッサに通信可能に接続される1または複数のメモリと、を含んで構成される。また、このようなメモリは、例えば、処理データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、および、プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等により構成される。
なお、上記した特徴量抽出部122は、本開示における「抽出部」の一具体例に対応している。
(画像メモリ121)
画像メモリ121は、図1に示したように、ステレオ画像PICに含まれる左画像PLおよび右画像PRをそれぞれ、一旦記憶するメモリである。また、画像メモリ21は、このようにして記憶された左画像PLおよび右画像PRの少なくとも一方を、撮像画像Pとして、特徴量抽出部122に対して順次供給するようになっている(図1参照)。
(特徴量抽出部122)
特徴量抽出部122は、画像メモリ121から読み出された撮像画像P(ここでは、左画像PLおよび右画像PRのうちの一方の画像)における1または複数の画像領域Rに含まれる、特徴量Fを抽出するものである(図1参照)。この特徴量Fは、詳細は後述するが(図7)、行列状に配置(2次元配置)された複数の画素における画素値により構成されている。なお、このような特徴量Fとしては、例えば、RGB(Red, Green, Blue)特徴量やHOG(Histograms of Oriented Gradients)特徴量等が挙げられる。
特徴量抽出部122は、詳細は後述するが、DNN(Deep Neural Network)等の学習済みモデルを用いて(機械学習を利用して)、撮像画像Pにおいて上記した画像領域Rを設定したり、上記した特徴量Fを抽出するようになっている。また、画像領域Rを設定する際には、特徴量抽出部122は、例えば、撮像画像P内の物体を識別すると共に、その識別した物体の座標を出力することにより、矩形領域である画像領域Rを設定するようになっている。
図4は、そのような画像領域Rの一例を、模式的に表したものである。この図4に示した例では、撮像画像Pにおいて、2つの車両にそれぞれ、画像領域Rが設定されている。なお、この例では、車両に画像領域Rが設定されているが、この例には限定されず、例えば、人、ガードレール、壁などにも、画像領域Rが設定されるようにしてもよい。
ここで、図5~図8を参照して、特徴量抽出部122による、撮像画像Pに含まれる(1または複数の画像領域Rにおける)特徴量Fの抽出処理について、詳細に説明する。
図5は、後述する畳み込み演算に用いられるフィルタFLの更新処理の概要について、模式的に表したものである。図6は、特徴量抽出部122における後述する畳み込み演算および活性化関数の適用例を、模式的に表したものである。図7は、図6に示した畳み込み演算の具体的な処理例を、模式的に表したものである。図8は、図6に示した活性化関数の具体的な構成例を、模式的に表したものである。
まず、例えば図5に示したように、特徴量抽出部122では、入力された撮像画像Pにおいて、後述するフィルタFLを用いた畳み込み演算等が行われることで、機械学習による物体認識の推論結果(上記した画像領域R内での特徴量Fの抽出結果等)が、得られる。この推論結果と、物体認識の正解データとは随時比較され(図5中の破線の矢印CF参照)、これらの推論結果と正解データとの差分が小さくなるように、フィルタFLのパラメータ(後述する各フィルタ値)の更新処理が、随時行われる。つまり、そのような機械学習によるフィルタFLの更新時ごとに、そのフィルタFLにおける各フィルタ値に対する更新処理が随時実行され、機械学習の学習済みモデルが生成される。
このようにして、従来のルールベース開発のように具体的な処理数式を規定するではなく、機械学習用の教師データと対応する正解データとを大量に準備しておき、上記した更新処理を繰り返すことで、最終的には、正解データと同じ推論結果が得られることになる。
そして、例えば図6に示したように、特徴量抽出部122は、このようにして得られた学習済みモデルを用いて、入力された撮像画像Pに基づく各種演算処理を複数回繰り返して行うことにより、撮像画像Pにおける各画像領域R内で物体認識(特徴量Fの抽出等)を行う。具体的には、特徴量抽出部122は、そのような各種演算処理として、上記したフィルタFLを用いた畳み込み演算CNと、活性化関数CAを用いた演算とを、交互に複数回繰り返すようになっている(図6参照)。
ここで、例えば図7に示したように、上記した畳み込み演算CNは、以下のようにして行われる。すなわち、特徴量抽出部122は、まず、行列状に2次元配置された複数の画素PXを有する撮像画像Pにおいて、所定の大きさ(この例では3画素×3画素)の領域を設定する。また、特徴量抽出部122は、設定したこの領域における9個の画素値(この例では、「0」または「1」の値)に対して、フィルタFLにおける9個のフィルタ値を、重み係数として重みづけ加算する。これにより、その領域での特徴量Fの値が、得られる(この例では、「4」の値)。なお、図7に示した例では、フィルタFLにおけるフィルタ値(「×0」または「×1」として記載)は、行列状に2次元配置されており、(行方向(x軸方向)に沿って3個×列方向(y軸方向)に沿って3個)=9個となっている。そして、特徴量抽出部122は、撮像画像Pにおいて、上記した領域を1画素分ずつずらしながら順次設定し、設定した各領域において、上記したフィルタFLを用いた重みづけ加算を個別に行うことにより、各領域での特徴量Fの値を順次算出する。これにより、例えば図7に示したように、行列状に2次元配置された複数の画素PXを有する、特徴量Fが抽出されることになる。なお、例えば図6に示した複数回の畳み込み演算CNではそれぞれ、上記したフィルタFLが、個別に設定されるようになっている。
また、例えば図8に示したように、上記した活性化関数CAを用いた演算は、以下のようにして行われる。すなわち、入力値(各畳み込み演算CNによって得られた特徴量Fにおける各画素PXの値)に対して、例えば図8に示したような活性化関数CAが適用されることで、そのような活性化関数CAの適用後の出力値が、得られることになる。なお、この図8の例では、入力値が所定値未満の場合、出力値が固定値(例えば「0」など)に設定され、入力値が所定値以上の場合、その入力値の大きさに応じて出力値が線形的に増加するように、出力値が設定されている。
なお、このような各種演算処理が複数回繰り返して行われることで得られた、最終的な特徴量Fは、特徴量抽出部122から物体識別部123に対して、供給されるようになっている(図1参照)。
(物体識別部123)
物体識別部123は、特徴量抽出部122にて抽出された特徴量Fに基づき、撮像画像P(前述した1または複数の画像領域Rの各々)における、物体を識別するものである。すなわち、例えば、画像領域Rの画像が車両を示す場合には、特徴量Fは車両の特徴を含み、画像領域Rの画像が人を示す場合には、特徴量Fは人の特徴を含むことから、物体識別部123は、そのような特徴量Fに基づいて、各画像領域Rにおける物体を識別する。
そして、物体識別部123は、各画像領域Rに対して、その物体が何であるかを示すカテゴリを付与する。具体的には、物体識別部123は、画像領域Rの画像における物体が車両である場合には、その画像領域Rに対して、車両を示すカテゴリを付与し、画像領域Rの画像における物体が人である場合には、その画像領域Rに対して、人を示すカテゴリを付与するようになっている。
(C.車両制御部13)
車両制御部13は、物体識別部123による物体の識別結果(画像処理装置12における物体認識結果)を利用して、車両10における各種の車両制御を行うものである(図1参照)。具体的には、車両制御部13は、そのような物体の識別結果(物体認識結果)の情報に基づき、例えば、車両10の走行制御や、車両10における各種部材の動作制御などを、行うようになっている。
このような車両制御部13は、画像処理装置12と同様に、例えば、プログラムを実行する1または複数のプロセッサ(CPU)と、これらのプロセッサに通信可能に接続される1または複数のメモリと、を含んで構成される。また、このようなメモリも、画像処理装置12と同様に、例えば、処理データを一時的に記憶するRAM、および、プログラムを記憶するROM等により構成される。
[動作および作用・効果]
続いて、本実施の形態における動作および作用・効果について、比較例と比較しつつ詳細に説明する。
(A.比較例)
図9は、比較例に係る一般的なフィルタFLcの構成例を、模式的に表したものである。また、図10は、比較例に係るフィルタFLcを用いた場合の物体認識結果(物体識別結果)の一例を、模式的に表したものである。
まず、図9に示した比較例のフィルタFLcでは、後述する本実施の形態のフィルタFL(図11,図12)とは異なり、複数のフィルタ値Vfがそれぞれ、任意に設定されている。具体的には、後述する本実施の形態のフィルタFLとは異なり、この比較例のフィルタFLcにおける各フィルタ値Vfは、所定の対称軸Asを中心とした、線対称(左右対称)の値とはなっていない(図9中の破線の矢印参照)。
ところで、前述したDNNにおける畳み込み演算では、一般的に、以下のような課題がある。
すなわち、まず、前述したように、畳み込み演算用のフィルタは一般に、複数回の畳み込み演算ごとに個別に設けられるため、各フィルタに設定されるパラメータ数(フィルタ値Vfが示す値の個数)が、学習済みモデル全体では、膨大なものとなる(例えば数百万個のオーダー)。したがって、画像処理(物体認識)の際の処理モデル(学習済みモデル)の軽量化が困難となり、例えば組み込み等の小規模ハードウェアへの実装難易度が、高くなってしまう。なお、例えば、モデルサイズ自体を縮小したり、畳み込み演算の精度を下げるなどの手法も考えられるが、モデル性能(認識性能)とのトレードオフがある。
また、車両の走行環境(左側走行環境または右側走行環境)は一般に、国によって異なっていることから、物体認識の性能は左右対称になっているのが望ましいが、一般的なDNNでの畳み込み演算では、そのような物体認識の性能は、左右非対称となってしまう。したがって、そのような左側走行環境の場合と右側走行環境の場合との双方について、機械学習の際に個別の評価作業が必要となり、評価工数が増大してしまうことになる。なお、例えば、左右反転させた人工画像(左右反転画像)を機械学習させる等の手法も考えられるが、その手法を用いた場合でも、厳密な左右対称性は得らないことから、結局は、評価工数が増大してしまうことになる。
具体的には、例えば図10に示したように、元の撮像画像Pにおいて、車両の走行環境が左側走行環境である場合(図10(A)参照)、上記した人工的な左右反転画像PLR(図10(B)参照)では、物体認識結果が以下のようになる。なお、これらの図10(A),図10(B)ではそれぞれ、物体認識の際に設定された各画像領域Rにおいて、認識された車両の前方部分を実線で示し、認識された車両の後方部分を破線で示している。
ここで、図10(A)に示した元の撮像画像Pにおける物体認識結果では、例えば破線の丸で示した領域内の画像領域Rのように、認識された車両の前方部分と後方部分とが、正確に認識されている。一方、図10(B)に示した左右反転画像PLRにおける物体認識結果では、元の撮像画像Pの場合とは異なり、部分的に不正確な認識結果が、得られている。具体的には、例えば図10(B)中の破線の丸で示した領域内の画像領域Rのように、認識された車両の前方部分と後方部分とが、前後逆になってしまっている。つまり、この図10の例では、物体認識の性能が、左右対称になっていないことが分かる。
このようにして、比較例に係るフィルタFLcを用いた場合、画像処理(物体認識)の際の処理モデル(学習済みモデル)の軽量化を図ることや、モデル性能(認識性能)を担保することが、困難であると言える。
(B.本実施の形態)
そこで、例えば図11,図12に示したように、本実施の形態のフィルタFLでは、上記比較例のフィルタFLcとは異なり、複数のフィルタ値Vfが、以下のように設定されている。なお、図11は、本実施の形態のフィルタFLにおけるフィルタ値Vfの更新処理例を、模式的に表したものであり、図12は、本実施の形態のフィルタFLの構成例を、模式的に表したものである。
まず、例えば図12に示したように、本実施の形態のフィルタFLでは、複数のフィルタ値Vfがそれぞれ、所定方向(この例ではy軸方向)に沿った対称軸Asを中心として、線対称の値に設定されている。具体的には、この例では、そのような線対称が、対称軸Asを中心とした左右対称(x軸方向に沿った対称)となっており、複数のフィルタ値Vsが、左右対称の値に設定されている(図12中の破線の矢印参照)。
また、このような各フィルタ値Vfにおける左右対称の設定は、例えば図11に示したようにして、行われるようになっている。すなわち、前述した機械学習によるフィルタFLの更新時(図5参照)ごとに、複数のフィルタ値Vfに対する更新処理が随時実行されることによって、そのフィルタFLにおける複数のフィルタ値Vfがそれぞれ、上記した線対称の値に設定されるようになっている。具体的には、例えば図11中の破線の矢印および計算式(除算の式)で示したように、この場合におけるフィルタ値Vfの更新処理は、以下のようになっている。すなわち、上記した対称軸Asを中心とした2つの線対称位置(この例では左右対称位置)におけるフィルタ値Vfをそれぞれ、その2つの線対称位置におけるフィルタ値Vf同士の平均値に更新する処理となっている。このような更新処理により、例えば図11中に示したように、前述した比較例のフィルタFLcのように、複数のフィルタ値Vfが線対称とはなっていない(各フィルタ値Vfが任意に設定されている)構成が、上記したような線対称を示すフィルタFLに、更新されることになる。
また、本実施の形態のフィルタFLでは、例えば図11,図12に示したように、複数のフィルタ値Vfが左右対称の値に設定されていることで、物体識別部123による物体の識別結果(物体認識結果)に関し、左右対称性が担保されるようになっている。具体的には、例えば、車両10の走行環境が左側走行環境である場合における、物体識別部123による物体の識別結果と、車両10の走行環境が右側走行環境である場合における、物体識別部123による物体の識別結果とに関して、左右対称性が担保されるようなっている。これにより、例えば前述した図10の比較例の場合とは異なり、本実施の形態では、以下のようになる。すなわち、例えば図10(B)に示したような、左右反転画像PLRにおける物体認識結果においても、前述した比較例の場合とは異なり、図10(A)に示した元の撮像画像Pにおける物体認識結果と、同様の結果が得られることになる。
(C.作用・効果)
このようにして本実施の形態では、2次元配置された複数のフィルタ値Vfを有するフィルタFLを用いた畳み込み演算が行われることにより、撮像画像Pに含まれる特徴量Fが抽出される。そして、このフィルタFLにおける複数のフィルタ値Vfがそれぞれ、所定方向に沿った対称軸Asを中心として、線対称の値に設定されている。
これにより本実施の形態では、例えば、複数のフィルタ値Vfが線対称とはなっていない(各フィルタ値Vfが任意に設定されている)、上記比較例の場合と比べ、フィルタFLに含まれるパラメータ数(フィルタ値Vfが示す値の個数)が、削減される。具体的には、前述した図11,図12の例では、比較例のフィルタFLcと比べ、本実施の形態のフィルタFLでは、そのようなパラメータ数が約半分まで削減されることになる。また、抽出した特徴量Fに基づく物体識別(物体認識)の際に、本実施の形態では例えば前述したように、上記比較例の場合とは異なり、線対称の性能が担保されることになる。よって、本実施の形態では、画像処理(物体認識)の際の処理モデル(学習済みモデル)の軽量化を図りつつ、モデル性能(認識性能)を担保することが可能となる。
また、本実施の形態では、前述した機械学習によるフィルタFLの更新時ごとに、複数のフィルタ値Vfに対する更新処理が随時実行されることによって、フィルタFLにおける複数のフィルタ値Vfがそれぞれ、線対称の値に設定されることから、以下のようになる。すなわち、各フィルタ値Vfを線対称の値に設定する処理を、容易に行うことが可能となる。
更に、本実施の形態では、上記した各フィルタ値Vfに対する更新処理が、上記した対称軸Asを中心とした2つの線対称位置におけるフィルタ値Vfをそれぞれ、2つの線対称位置におけるフィルタ値Vf同士の平均値に更新する処理であることから、以下のようになる。すなわち、各フィルタ値Vfを線対称の値に設定する処理を、更に容易に行うことが可能となる。
加えて、本実施の形態では、画像処理装置12が車両10に搭載されたものであると共に、上記した各フィルタ値Vfにおける線対称が、上記した対称軸Asを中心とした左右対称となっている。そして、複数のフィルタ値Vfが左右対称の値に設定されていることで、前述したように、車両10における左側走行環境の場合と右側走行環境の場合とにおいて、物体識別部123による物体の識別結果に関し、左右対称性が担保されるようにしたので、以下のようになる。すなわち、そのような左側走行環境の場合と右側走行環境の場合との双方について、物体識別性能の左右対称性が担保されることから、利便性を向上させることが可能となると共に、機械学習の際の評価作業を共通化することができ、評価工数を削減することが可能となる。
<2.実施例>
続いて、上記実施の形態に係る具体的な実施例について、前述した比較例の場合等と適宜比較しつつ、詳細に説明する。
図13は、実施例等に係るデータセットDSの構成例を、模式的に表したものである。図14は、実施例等に係る機械学習モデル(DNNにおける学習済みモデル)の構成例を、模式的に表したものである。図15,図16はそれぞれ、比較例、参考例および実施例に係る物体認識結果(後述する評価(1),(2)の結果)の一例を、表したものである。具体的には、図15では、横軸がエポック数(Epoch)、縦軸が正解率(Accuracy)に設定されており、比較例、参考例および実施例の各々において、「val(validationデータ)」の場合と「train(trainデータ)」の場合とについて、示している。一方、図16では、横軸がエポック数(Epoch)、縦軸が、元の撮像画像での正解率と左右反転画像での正解率との差分の絶対値(|Original Accuracy - Flipped Accuracy|)に設定されている。また、図17は、比較例および実施例に係るパラメータ数(後述する評価(3)の結果)の一例を、表したものである。
なお、これらの図13~図16中に示した、比較例、参考例および実施例とはそれぞれ、以下のような機械学習による物体認識手法となっている。
・比較例:一般的な機械学習による物体認識手法
(図9,図10に示した比較例のフィルタFLcを用いた畳み込み演算の例)
・参考例:元の撮像画像に加えて左右反転画像も機械学習させた場合の物体認識手法
・実施例:本実施の形態のフィルタFLを用いた畳み込み演算を利用した物体認識手法
(図11,図12の例を参照)
まず、これらの実施例等(比較例、参考例および実施例)における機械学習による物体認識では、図13中に模式的に示した、公知のデータセットDS(Fashion-MNISTデータセット)の衣服画像を使用し、10クラス分の分類問題を扱うようにした。また、これらの実施例等に係る機械学習モデルとしては、図14に示したモデルを使用した。すなわち、前述した畳み込み演算CNと活性化関数CAとを交互に組み合わせた、合計(20+1)層のニューラルネットワークを使用した。そして、これらの実施例等について、以下説明する3種類の評価(評価(1)~(3))を実施した。
最初に、図15に示した評価(1)の結果では、実施例および参考例ではそれぞれ、比較例と比べて正解率が高くなっており、高性能な物体認識結果が得られていることが分かる。また、実施例および参考例では、ほぼ同等の性能が得られているが、実施例のほうが参考例と比べ、若干高性能となっており、実施例において、最も高性能な物体認識結果が得られている。
次に、図16に示した評価(2)の結果では、上記した正解率の差分(元の撮像画像での正解率と左右反転画像での正解率との差分の絶対値)が、比較例では、実施例および参考例と比べ、大幅に大きくなっていることが分かる。これは、比較例は一般的な機械学習であることから、前述したように、物体認識の性能が、左右非対称になっているためである。一方、参考例では、上記した正解率の差分が小さいものの、完全には「0」となっておらず、物体認識の性能が、完全には左右対称になっていないことが分かる。これらの比較例および参考例に対し、実施例では、上記した正解率の差分が、完全に常時「0」となっており、物体認識の性能が、完全に左右対称になっている(左右対称性が担保されている)ことが分かる。
続いて、図17に示した評価(3)の結果では、前述したように、実施例では比較例と比べ、畳み込み演算の際に用いられるフィルタに含まれるパラメータ数(フィルタ値Vfが示す値の個数)が、削減されていることが分かる(図17中の破線の矢印参照)。具体的には、この例では、比較例におけるパラメータ数が「34950」、実施例におけるパラメータ数が「22134」となっており、実施例では比較例と比べ、パラメータ数が約63%まで、削減されている。
以上のことから、本実施例では比較例等と比べ、前述したように、物体認識における線対称(左右対称)の性能が、担保されると共に、上記したパラメータ数が約半分まで削減されることが、実際に確認された。なお、上記した実施例等において使用したデータセットは、あくまでも一例であり、他のデータセットを使用した場合においても、比較例、参考例および実施例において、同様の評価結果(物体認識結果)が得られた。
<3.変形例>
以上、実施の形態および実施例を挙げて本開示を説明したが、本開示はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、車両10や画像処理装置12における各部材の構成(形式、形状、配置、個数等)については、上記実施の形態等で説明したものには限られない。すなわち、これらの各部材における構成については、他の形式や形状、配置、個数等であってもよい。また、上記実施の形態等で説明した各種パラメータの値や範囲、大小関係等についても、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の値や範囲、大小関係等であってもよい。
具体的には、例えば上記実施の形態等では、ステレオカメラ11が車両10の前方を撮像するように構成されていたが、このような構成には限定されず、例えばステレオカメラ11が、車両10の側方や後方を撮像するように構成してもよい。また、上記実施の形態等では、ステレオカメラ11を用いた場合の例について説明したが、この例には限られず、例えば単眼のカメラを用いて、上記実施の形態等で説明した各種処理を行うようにしてもよい。
また、例えば、上記実施の形態等では、車両10や画像処理装置12において行われる各種処理について、具体例を挙げて説明したが、これらの具体例には限られない。すなわち、他の手法を用いて、これらの各種処理を行うようにしてもよい。具体的には、例えば、前述したフィルタ値の設定手法や、フィルタ値の更新処理の手法については、上記実施の形態等で説明した手法には限られず、他の手法を用いるようにしてもよい。より具体的には、例えば、上記実施の形態等では、y軸方向(列方向)に沿った対称軸を中心とした線対称(左右対称)の場合を、例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば、x軸方向(行方向)に沿った対称軸を中心とした線対称(上下対称)の場合や、斜め方向に沿った対称軸を中心とした線対称の場合などであってもよい。また、上記実施の形態等では、フィルタ値の更新処理が随時実行されることによって、フィルタ値が線対称に設定される場合を、例に挙げて説明したが、この例には限られず、他の手法を用いて、フィルタ値が線対称に設定されるようにしてもよい。加えて、上記実施の形態等では、畳み込み演算を複数回繰り返して行う場合を、例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば、畳み込み演算を1回だけ行うと共に、他の演算手法を組み合わせて行うことによって、特徴量を抽出するようにしてもよい。
更に、上記実施の形態等で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。
また、上記実施の形態等では、画像処理装置12が車両に搭載されている場合の例について説明したが、この例には限られず、そのような画像処理装置12が、例えば、車両以外の移動体や、移動体以外の装置に設けられているようにしてもよい。
更に、これまでに説明した各種の例を、任意の組み合わせで適用させるようにしてもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
撮像画像に含まれる特徴量を抽出する抽出部と、
前記特徴量に基づいて物体を識別する物体識別部と
を備え、
前記抽出部は、前記撮像画像に基づいて、2次元配置された複数のフィルタ値を有するフィルタを用いた畳み込み演算を行うことにより、前記特徴量を抽出し、
前記フィルタにおける前記複数のフィルタ値がそれぞれ、所定方向に沿った対称軸を中心として、線対称の値に設定されている
画像処理装置。
(2)
機械学習による前記フィルタの更新時ごとに、前記複数のフィルタ値に対する更新処理が随時実行されることによって、
前記フィルタにおける前記複数のフィルタ値がそれぞれ、前記線対称の値に設定されるようになっている
上記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記更新処理が、前記対称軸を中心とした2つの線対称位置における前記フィルタ値をそれぞれ、前記2つの線対称位置における前記フィルタ値同士の平均値に更新する処理である
上記(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記画像処理装置が、車両に搭載されたものであると共に、
前記線対称が、前記対称軸を中心とした左右対称であり、
前記複数のフィルタ値が、前記左右対称の値に設定されていることにより、
前記車両の走行環境が左側走行環境である場合における、前記物体識別部による前記物体の識別結果と、
前記車両の走行環境が右側走行環境である場合における、前記物体識別部による前記物体の識別結果と
に関して、左右対称性が担保されるようなっている
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の画像処理装置。
(5)
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記物体識別部による前記物体の識別結果を利用して、車両制御を行う車両制御部と
を備えた車両。
(6)
1または複数のプロセッサと、
前記1または複数のプロセッサに通信可能に接続される1または複数のメモリと
を備え、
前記1または複数のプロセッサは、
撮像画像に含まれる特徴量を抽出することと、
前記特徴量に基づいて物体を識別することと
を行うと共に、
前記撮像画像に基づいて、2次元配置された複数のフィルタ値を有するフィルタを用いた畳み込み演算を行うことにより、前記特徴量を抽出し、
前記フィルタにおける前記複数のフィルタ値がそれぞれ、所定方向に沿った対称軸を中心として、線対称の値に設定されている
画像処理装置。

Claims (6)

  1. 撮像画像に含まれる特徴量を抽出する抽出部と、
    前記特徴量に基づいて物体を識別する物体識別部と
    を備え、
    前記抽出部は、前記撮像画像に基づいて、2次元配置された複数のフィルタ値を有するフィルタを用いた畳み込み演算を行うことにより、前記特徴量を抽出し、
    機械学習による前記フィルタの更新時ごとに、前記複数のフィルタ値に対する更新処理が随時実行されることによって、前記フィルタにおける前記複数のフィルタ値がそれぞれ、所定方向に沿った対称軸を中心として、線対称の値に設定されており、
    前記更新処理が、前記対称軸を中心とした2つの線対称位置における前記フィルタ値をそれぞれ、前記2つの線対称位置における前記フィルタ値同士の平均値に更新する処理である
    画像処理装置。
  2. (削除)
  3. (削除)
  4. 前記画像処理装置が、車両に搭載されたものであると共に、
    前記線対称が、前記対称軸を中心とした左右対称であり、
    前記複数のフィルタ値が、前記左右対称の値に設定されていることにより、
    前記車両の走行環境が左側走行環境である場合における、前記物体識別部による前記物体の識別結果と、
    前記車両の走行環境が右側走行環境である場合における、前記物体識別部による前記物体の識別結果と
    に関して、左右対称性が担保されるようなっている
    請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 請求項1または請求項4に記載の画像処理装置と、
    前記物体識別部による前記物体の識別結果を利用して、車両制御を行う車両制御部と
    を備えた車両。
  6. 1または複数のプロセッサと、
    前記1または複数のプロセッサに通信可能に接続される1または複数のメモリと
    を備え、
    前記1または複数のプロセッサは、
    撮像画像に含まれる特徴量を抽出することと、
    前記特徴量に基づいて物体を識別することと
    を行うと共に、
    前記撮像画像に基づいて、2次元配置された複数のフィルタ値を有するフィルタを用いた畳み込み演算を行うことにより、前記特徴量を抽出し、
    機械学習による前記フィルタの更新時ごとに、前記複数のフィルタ値に対する更新処理が随時実行されることによって、前記フィルタにおける前記複数のフィルタ値がそれぞれ、所定方向に沿った対称軸を中心として、線対称の値に設定されており、
    前記更新処理が、前記対称軸を中心とした2つの線対称位置における前記フィルタ値をそれぞれ、前記2つの線対称位置における前記フィルタ値同士の平均値に更新する処理である
    画像処理装置。
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