JP7480485B2 - 細胞分離方法 - Google Patents
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Description
100mL2口フラスコに2-メトキシエチルアクリレート(MEA,HLB値=13.5)0.650g(5mmol)を加え、さらにシアノメチルドデシルカルボナトを31.8mg(100μmol)とアゾビスイソブチロニトリル1.6mg(10μmol)と1,4-ジオキサン10mLを加え、アルゴンガス置換後、62℃で24時間加熱撹拌した。
1回目の加熱撹拌後、上記にn-ブチルアクリレート(BA,HLB値=6.9)3.845g(30mmol)を加え、さらにアゾビスイソブチロニトリル1.6mg(10μmol)と1,4-ジオキサン5mLを加え、アルゴンガス置換後、62℃で48時間加熱撹拌した。
2回目の加熱撹拌後、上記にN-イソプロピルアクリルアミド(IPAAm,LCST=32℃、HLB値=7.6)7.355g(65mmol)を加え、さらにアゾビスイソブチロニトリル1.6mg(10μmol)と1,4-ジオキサン35mLを加え、アルゴンガス置換後、62℃で48時間加熱撹拌した。
3回目の加熱撹拌後、反応液を水で再沈精製し、減圧乾燥することで黄色固体を得た。
得られた黄色固体をクロロホルムに溶解し、分液ロートを用いクロロホルム相を回収した。回収したクロロホルム相をエバポレーターで濃縮し、ヘキサンで再沈精製した。沈殿物をろ過で回収し、減圧乾燥することで、ブロック共重合体poly(MEA-BA-IPAAm)を5.805g得た。得られたブロック共重合体の組成比はMEA/BA/IPAAm=5/26/69(mol%)であり、数平均分子量Mnは8.5万、分子量分布Mw/Mnは1.78であった。
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM-ECZ400S/L1)を用いたプロトン核磁気共鳴分光(1H-NMR)スペクトル分析より求めた。
<ブロック共重合体の分子量、分子量分布>
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置は東ソー(株)製 HLC-8320GPCを用い、カラムは東ソー製 TSKgel SuperAWM-Hを2本用い、カラム温度を40℃に設定し、溶離液は10mMトリフルオロ酢酸ナトリウムを含む2,2,2-トリフルオロエタノールを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mLで調製して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリメタクリル酸メチル(Sigma-Aldrich社製)を用いた。
<細胞培養器材のLCSTを示すセグメントの被覆量>
ブロック共重合体を被覆した細胞培養器材のLCSTを示すセグメント(IPAAm)の被覆量はIPAAmセグメントの被覆量を全反射型フーリエ変換型赤外分光(ATR/FT-IR)法により解析した。解析には被覆量が既知のサンプルから作成した検量線を用い、単位面積当たりのLCSTを示すセグメントの被覆量(μg/cm2)で評価した。
播種する細胞の数は血球計算盤を用いて計測した。血球計算盤の四隅の1mm2区画内の全細胞を数え、全細胞数を(区画中の全生細胞の平均値)×希釈倍率×培地量(mL)×10000で算出した。
<細胞種の割合解析>
予め、細胞の種類ごとに、色素の異なるCellTrackerTM(Themofisher Scientific社製)を用い、細胞を染色した。混合済みの染色した細胞の懸濁液を細胞培養器材に播種し、37℃、5%CO2条件で所定の時間培養後、非接着の細胞を培地ごと除去した後の培養器材上の残存細胞を、対物レンズ10倍の共焦点定量イメージサイトメーターCQ1(横河電機社製)を用い画像撮影を行った。画像解析はImageJを用い、一例として、CellTrackerTM Blue CMACで染色した細胞は色相124~255、CellTrackerTM Green CMFDAで染色した細胞は色相60~100、CellTrackerTM Orange CMTMRで染色した細胞は色相0~30で各細胞の面積を割り出し、細胞当たりの染色面積で割ることで、細胞種の割合を解析した。
2.0wt%のブロック共重合体の2-メトキシエタノール溶液を調製した。IWAKI組織培養用ディッシュ(φ6cm)の中央にブロック共重合体/2-メトキシエタノール溶液を100μL加え、スピンコータ―(ミカサ社製、商品名MS-B200)を用いて、回転数2,000rpm、回転時間60秒の条件でスピンコートすることで、ブロック共重合体を被覆した細胞培養器材(1)を調製した。器材培養面のIPAAmセグメントの被覆量は5.8μg/cm2であった。
調製した細胞培養器材(1)を用いてTIG3-20細胞(CellTrackerTM blue CMACで染色済み)とA549細胞(CellTrackerTM Green CMFDAで染色済み)とPC9細胞(CellTrackerTM ORANGE CMTMR)を1×105個ずつ含む細胞懸濁液を播種した。培地はD-MEM基礎培地にウシ胎児血清10%と抗生物質を加えたものを用い、37℃、5%CO2条件で1時間共培養した。ブロック共重合体に非接着の細胞を培地ごと除去した。非接着細胞除去後の残存細胞の割合を表1に示す。残存細胞を含む細胞培養器材へ4℃に冷却した培地を加え、10分放置後にピペッティングを行うことで細胞が剥がれ、PC9細胞の比率が75.7%の細胞懸濁液を回収できた。
4.0wt%のブロック共重合体の2-メトキシエタノール溶液を用いたことは実施例1記載の方法でブロック共重合体を被覆した細胞培養器材(2)を調製した。器材培養面のIPAAmセグメントの被覆量は13.3μg/cm2であった。
細胞培養器材(2)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で培養した。非接着細胞除去後の残存細胞の割合を表1に示す。残存細胞を含む細胞培養器材へ4℃に冷却した培地を加え、10分放置後にピペッティングを行うことで細胞が剥がれ、PC9細胞の比率が89.4%の細胞懸濁液を回収できた。
細胞培養器材としてIWAKI組織培養用ディッシュ(φ6cm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で培養した。非接着細胞除去後の残存細胞率を表1に示す。残存細胞を含む細胞培養器材へ4℃に冷却した培地を加え、10分放置後にピペッティングを行ったが、細胞が剥がれなかった。
細胞培養器材としてセルシード社製UpCellR(φ6cm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で培養した。非接着細胞除去後の残存細胞率を表1に示す。残存細胞を含む細胞培養器材へ4℃に冷却した培地を加え、10分放置後にピペッティングを行うことで細胞が剥がれたが、細胞分離されていない細胞懸濁液の回収となった。
細胞培養器材(1)を用いて、実施例1と同様の方法で培養した。非接着細胞除去後の残存細胞の割合を表2に示す。残存細胞を含む細胞培養器材へ4℃に冷却した培地を加え、10分放置後にピペッティングを行うことで、PC9細胞の比率が76.3%の細胞懸濁液を回収した。
回収したPC9細胞の比率が高い細胞懸濁液を細胞培養器材(2)に播種した。培地はD-MEM基礎培地にウシ胎児血清10%と抗生物質を加えたものを用い、37℃、5%CO2条件で1時間共培養した。ブロック共重合体に非接着の細胞を培地ごと除去した。
非接着細胞除去後の残存細胞率を表2に示す。残存細胞を含む細胞培養器材へ4℃に冷却した培地を加え、10分放置後にピペッティングを行うことで、PC9細胞の比率が95.0%の細胞懸濁液を回収できた。
0.4wt%のブロック共重合体の2-メトキシエタノール溶液を調製した。IWAKI組織培養用ディッシュ(φ6cm)の中央にブロック共重合体/2-メトキシエタノール溶液を100μL加え、スピンコータ―(ミカサ社製、商品名MS-B200)を用いて、回転数2,000rpm、回転時間60秒の条件でスピンコートすることで、ブロック共重合体を被覆した細胞培養器材(3)を調製した。器材培養面のIPAAmセグメントの被覆量は0.5μg/cm2であった。
調製した細胞培養器材(3)を用いてヒト骨髄由来間葉系幹細胞(CellTrackerTM ORANGE CMTMRで染色済み)とRAMOS細胞(CellTrackerTM Green CMFDAで染色済み)を1×105個ずつ含む細胞懸濁液を播種した。培地はD-MEM基礎培地にウシ胎児血清10%と抗生物質を加えたものを用い、37℃、5%CO2条件で1時間共培養した。ブロック共重合体に非接着の細胞を培地ごと除去した。非接着細胞除去後の残存細胞の割合を表3に示す。残存細胞を含む細胞培養器材へ4℃に冷却した培地を加え、10分放置後にピペッティングを行うことで細胞が剥がれ、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞の比率が99.0%の細胞懸濁液を回収できた。
1.5wt%のブロック共重合体の2-メトキシエタノール溶液を調製した。IWAKI組織培養用ディッシュ(φ6cm)の中央にブロック共重合体/2-メトキシエタノール溶液を100μL加え、スピンコータ―(ミカサ社製、商品名MS-B200)を用いて、回転数2,000rpm、回転時間60秒の条件でスピンコートすることで、ブロック共重合体を被覆した細胞培養器材(4)を調製した。器材培養面のIPAAmセグメントの被覆量は4.0μg/cm2であった。
調製した細胞培養器材(4)を用いてヒト歯髄由来間葉系幹細胞(CellTrackerTM ORANGE CMTMRで染色済み)とヒト脂肪由来間葉系幹細胞(CellTrackerTM Green CMFDAで染色済み)を1×105個ずつ含む細胞懸濁液を播種した。培地はD-MEM基礎培地にウシ胎児血清10%と抗生物質を加えたものを用い、37℃、5%CO2条件で1時間共培養した。ブロック共重合体に非接着の細胞を培地ごと除去した。非接着細胞除去後の残存細胞の割合を表4に示す。残存細胞を含む細胞培養器材へ4℃に冷却した培地を加え、10分放置後にピペッティングを行うことで細胞が剥がれ、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞の比率が85.2%の細胞懸濁液を回収できた。
2.5wt%のブロック共重合体の2-メトキシエタノール溶液を調製した。IWAKI組織培養用ディッシュ(φ6cm)の中央にブロック共重合体/2-メトキシエタノール溶液を100μL加え、スピンコータ―(ミカサ社製、商品名MS-B200)を用いて、回転数2,000rpm、回転時間60秒の条件でスピンコートすることで、ブロック共重合体を被覆した細胞培養器材(5)を調製した。器材培養面のIPAAmセグメントの被覆量は6.9μg/cm2であった。
調製した細胞培養器材(5)を用いてヒト肝癌由来細胞HepG2(CellTrackerTM ORANGE CMTMRで染色済み)とヒト結腸腺癌細胞HCT116(CellTrackerTM Green CMFDAで染色済み)を1×105個ずつ含む細胞懸濁液を播種した。培地はD-MEM基礎培地にウシ胎児血清10%と抗生物質を加えたものを用い、37℃、5%CO2条件で1時間共培養した。ブロック共重合体に非接着の細胞を培地ごと除去した。非接着細胞除去後の残存細胞の割合を表5に示す。残存細胞を含む細胞培養器材へ4℃に冷却した培地を加え、10分放置後にピペッティングを行うことで細胞が剥がれ、ヒト結腸腺癌細胞HCT116の比率が98.1%の細胞懸濁液を回収できた。
1.0wt%のブロック共重合体の2-メトキシエタノール溶液を調製した。IWAKI組織培養用ディッシュ(φ6cm)の中央にブロック共重合体/2-メトキシエタノール溶液を100μL加え、スピンコータ―(ミカサ社製、商品名MS-B200)を用いて、回転数2,000rpm、回転時間60秒の条件でスピンコートすることで、ブロック共重合体を被覆した細胞培養器材(6)を調製した。器材培養面のIPAAmセグメントの被覆量は2.6μg/cm2であった。
調製した細胞培養器材(6)を用いてTIG3-20細胞(CellTrackerTM ORANGE CMTMRで染色済み)とTIG3-60細胞(CellTrackerTM Green CMFDAで染色済み)を1×105個ずつ含む細胞懸濁液を播種した。培地はD-MEM基礎培地にウシ胎児血清10%と抗生物質を加えたものを用い、37℃、5%CO2条件で1時間共培養した。ブロック共重合体に非接着の細胞を培地ごと除去した。非接着細胞除去後の残存細胞の割合を表6に示す。残存細胞を含む細胞培養器材へ4℃に冷却した培地を加え、10分放置後にピペッティングを行うことで細胞が剥がれ、TIG3-20細胞の比率が83.3%の細胞懸濁液を回収できた。
Claims (3)
- 2-メトキシエチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、N-イソプロピルアクリルアミドの繰返し単位を含むブロック共重合体のみを被覆した細胞培養器材に2種類以上の細胞を播種する工程と、
前記細胞培養器材から前記ブロック共重合体に非接着の細胞を除く工程と、
前記細胞培養器材を下限臨界溶解温度(LCST)以下に冷却して前記ブロック共重合体に接着した細胞を回収する工程と、
を含んでなることを特徴とする細胞分離方法であって、
播種する細胞が、TIG3-20細胞、TIG3-60細胞、A549細胞、PC9細胞、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞、ヒト歯髄由来間葉系幹細胞、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞、ヒト肝癌由来細胞及び/又はヒト結腸腺癌細胞であって、
前記N-イソプロピルアクリルアミドの被覆量が0.1~20.0μg/cm2である方法。 - 前記細胞培養器材の形状が、ディッシュ、プレート又はフラスコであることを特徴とする請求項1に記載の細胞分離方法。
- 前記ブロック共重合体に接着した細胞を回収した後に、当該細胞に対して前記N-イソプロピルアクリルアミドの被覆量が前回と同量以上の前記細胞培養器材を用いて、請求項1または2のいずれかに記載の方法を繰返すことを特徴とする細胞分離方法。
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