以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態の車両用ブレーキ装置80は、車両6の各車輪である左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL、右後輪RRを制御する車両用ブレーキシステム1に用いられる。まず、この車両用ブレーキシステム1について説明する。
車両用ブレーキシステム1は、図1に示すように、左前輪用ホイールシリンダ、右前輪用ホイールシリンダ、左後輪用ホイールシリンダおよび右後輪用ホイールシリンダを備えている。また、車両用ブレーキシステム1は、第1アクチュエータ10、電源40、電圧センサ45、第1ECU51、第2アクチュエータ20、第2ECU52および車両用ブレーキ装置80を備えている。なお、以下では、便宜上、ホイールシリンダをW/Cと記載する。また、ECUは、Electronic Control Unitの略である。
左前輪用W/C2は、左前輪FLに配置されている。右前輪用W/C3は、右前輪FRに配置されている。左後輪用W/C4は、左後輪RLに配置されている。右後輪用W/C5は、右後輪RRに配置されている。また、左前輪用W/C2、右前輪用W/C3、左後輪用W/C4および右後輪用W/C5は、車両6の図示しない各ブレーキパッドにそれぞれ接続されている。
第1アクチュエータ10は、第1液圧発生部に対応しており、ブレーキ液圧を発生させる。また、第1アクチュエータ10は、ブレーキ液圧を増加させることにより、左前輪用W/C2、右前輪用W/C3、左後輪用W/C4、右後輪用W/C5のそれぞれのブレーキ液圧を増加させる。具体的には、第1アクチュエータ10は、リザーバ11、第1ポンプ12、第1アクチュエータ用モータ13および第1圧力センサ14を有する。
リザーバ11は、油等のブレーキ液を貯蔵しつつ、第1ポンプ12にブレーキ液を供給する。
第1ポンプ12は、第1アクチュエータ用モータ13によって駆動される。これにより、第1ポンプ12は、リザーバ11からのブレーキ液の圧力を増加させる。この液圧が増加したブレーキ液は、第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動する。
第1圧力センサ14は、第2アクチュエータ20に流動するブレーキ液の液圧に応じた信号を後述の第1ECU51に出力する。
電源40は、第1ECU51および第2ECU52に電力を供給する。
電圧センサ45は、電源40から第1ECU51および第2ECU52に印加される電圧に応じた信号を後述の第1ECU51に出力する。
第1ECU51は、第1液圧制御装置に対応しており、第1アクチュエータ用モータ13を制御することにより、第1アクチュエータ10を制御する。具体的には、第1ECU51は、第1マイコン61および第1駆動回路71を有する。
第1マイコン61は、第1液圧制御部に対応しており、第1駆動回路71を制御することにより、第1アクチュエータ10を制御する。具体的には、第1マイコン61は、第1通信部611、第1記憶部612および第1制御演算部613を有する。
第1通信部611は、第1圧力センサ14と通信するためにインターフェースと、電圧センサ45と通信するためのインターフェースとを含む。また、第1通信部611は、後述の第2ECU52の第2マイコン62と通信するためのインターフェースと、後述の車両用ブレーキ装置80のストロークセンサ86と通信するためのインターフェースと、を含む。
第1記憶部612は、ROMおよびフラッシュメモリ等の不揮発性メモリとRAM等の揮発性メモリとを含む。
第1制御演算部613は、CPU等を含み、第1記憶部612のROMに記憶されているプログラムを実行することにより、第1アクチュエータ用モータ13を駆動させる信号を第1駆動回路71に出力する。
第1駆動回路71は、例えば、スイッチング素子等を含み、第1制御演算部613からの信号に基づいて、第1アクチュエータ用モータ13に電力を供給することにより、第1アクチュエータ10を駆動させる。
第2アクチュエータ20は、第2液圧発生部に対応しており、ブレーキ液圧を発生させる。また、第2アクチュエータ20は、後述の第2ECU52からの信号に基づいて、左前輪用W/C2、右前輪用W/C3、左後輪用W/C4、右後輪用W/C5のそれぞれのブレーキ液圧を制御する。例えば、第2アクチュエータ20は、図2に示すように、第1配管系統21、第2配管系統26および第2アクチュエータ用モータ30を有する。
第1配管系統21は、左前輪用W/C2および右前輪用W/C3のブレーキ液圧を制御する。具体的には、第1配管系統21は、第1主管路211、第1差圧制御弁212、第2圧力センサ213、第1分岐管路214、第1増圧制御弁215および第1減圧制御弁216を含む。また、第1配管系統21は、第2分岐管路217、第2増圧制御弁218、第2減圧制御弁219、第1減圧管路220、第1調圧リザーバ221、第1補助管路222、第1還流管路223および第2ポンプ224を含む。
第1主管路211は、第1アクチュエータ10に接続されており、第1アクチュエータ10からのブレーキ液圧を第1差圧制御弁212に伝達する。
第1差圧制御弁212は、後述の第2ECU52からの信号により、第1主管路211のうちの上流側と下流側との間の差圧を制御する。例えば、左前輪用W/C2、右前輪用W/C3側のブレーキ液圧が第1アクチュエータ10側のブレーキ液圧よりも所定以上高いとき、第1差圧制御弁212は、左前輪用W/C2、右前輪用W/C3側から第1アクチュエータ10側にブレーキ液の流動を許容する。これにより、左前輪用W/C2、右前輪用W/C3側のブレーキ液圧が第1アクチュエータ10側のブレーキ液圧よりも所定圧力以上高くならないように維持される。
第2圧力センサ213は、第1差圧制御弁212よりも下流側のブレーキ液圧に応じた信号を後述の第2ECU52に出力する。
第1分岐管路214は、第1差圧制御弁212からのブレーキ液を第1増圧制御弁215に導く。
第1増圧制御弁215は、連通状態および遮断状態を制御可能なノーマルオープン型の2位置電磁弁である。具体的には、第1増圧制御弁215の図示しないソレノイドコイルが非通電状態であるとき、第1増圧制御弁215は、連通状態となることによって左前輪用W/C2および第1減圧制御弁216へのブレーキ液の流動を許容する。また、第1増圧制御弁215の図示しないソレノイドコイルが通電状態であるとき、第1増圧制御弁215は、遮断状態となることによって左前輪用W/C2および第1減圧制御弁216へのブレーキ液の流動を遮断する。
第1減圧制御弁216は、遮断状態および連通状態を制御可能なノーマルクローズ型の2位置電磁弁である。具体的には、第1減圧制御弁216の図示しないソレノイドコイルが非通電状態であるとき、第1減圧制御弁216は、遮断状態となることによって後述の第1減圧管路220へのブレーキ液の流動を遮断する。また、第1減圧制御弁216の図示しないソレノイドコイルが通電状態であるとき、第1減圧制御弁216は、連通状態となることによって後述の第1減圧管路220へのブレーキ液の流動を許容する。
第2分岐管路217は、第1差圧制御弁212からのブレーキ液を第2増圧制御弁218に導く。
第2増圧制御弁218は、第1増圧制御弁215と同様に、ノーマルオープン型の2位置電磁弁である。具体的には、第2増圧制御弁218の図示しないソレノイドコイルが非通電状態であるとき、第2増圧制御弁218は、連通状態となることによって右前輪用W/C3および第2減圧制御弁219へのブレーキ液の流動を許容する。また、第2増圧制御弁218の図示しないソレノイドコイルが通電状態であるとき、第2増圧制御弁218は、遮断状態となることによって右前輪用W/C3および第2減圧制御弁219へのブレーキ液の流動を遮断する。
第2減圧制御弁219は、第2減圧制御弁219と同様に、ノーマルクローズ型の2位置電磁弁である。具体的には、第2減圧制御弁219の図示しないソレノイドコイルが非通電状態であるとき、第2減圧制御弁219は、遮断状態となることによって後述の第1減圧管路220へのブレーキ液の流動を遮断する。また、第2減圧制御弁219の図示しないソレノイドコイルが通電状態であるとき、第2減圧制御弁219は、連通状態となることによって後述の第1減圧管路220へのブレーキ液の流動を許容する。
第1減圧管路220は、第1減圧制御弁216および第2減圧制御弁219からのブレーキ液を第1調圧リザーバ221に導く。
第1補助管路222は、第1主管路211から分岐しており、第1アクチュエータ10からのブレーキ液を第1調圧リザーバ221に導く。
第1調圧リザーバ221は、第1減圧制御弁216および第2減圧制御弁219から第1減圧管路220を経由して流動したブレーキ液を貯留する。また、第1調圧リザーバ221は、第1アクチュエータ10から第1補助管路222を経由して流動したブレーキ液を貯留する。さらに、第1調圧リザーバ221は、後述の第2ポンプ224によってブレーキ液が吸入されるとき、これらの貯留するブレーキ液の流量を調整する。
第1還流管路223は、第1差圧制御弁212と第1増圧制御弁215および第2増圧制御弁218との間に接続されている。また、第1還流管路223は、第2ポンプ224に接続されている。
第2ポンプ224は、第1減圧管路220に接続されており、第2モータに対応する第2アクチュエータ用モータ30によって駆動される。これにより、第2ポンプ224は、第1調圧リザーバ221に貯留されたブレーキ液を吸入する。この吸入されたブレーキ液は、第1還流管路223を経由して第1差圧制御弁212と第1増圧制御弁215および第2増圧制御弁218との間に流動する。これにより、左前輪用W/C2および右前輪用W/C3のそれぞれのブレーキ液圧が増加する。
第2配管系統26は、左後輪用W/C4および右後輪用W/C5のブレーキ液圧を制御する。具体的には、第2配管系統26は、第2主管路261、第2差圧制御弁262、第3圧力センサ263、第3分岐管路264、第3増圧制御弁265および第3減圧制御弁266を含む。また、第2配管系統26は、第4分岐管路267、第4増圧制御弁268、第4減圧制御弁269、第2減圧管路270、第2調圧リザーバ271、第2補助管路272、第2還流管路273および第3ポンプ274を含む。
ここでは、第2配管系統26は、第1配管系統21と同様に構成されている。したがって、上記の左前輪用W/C2が右後輪用W/C5に読み替えられる。また、上記の右前輪用W/C3が、左後輪用W/C4に読み替えられる。さらに、第2主管路261は、第1主管路211に対応する。第2差圧制御弁262は、第1差圧制御弁212に対応する。第3圧力センサ263は、第2圧力センサ213に対応する。第3分岐管路264は、第1分岐管路214に対応する。第3増圧制御弁265は、第1増圧制御弁215に対応する。第3減圧制御弁266は、第1減圧制御弁216に対応する。第4分岐管路267は、第2分岐管路217に対応する。第4増圧制御弁268は、第2増圧制御弁218に対応する。第4減圧制御弁269は、第2減圧制御弁219に対応する。第2減圧管路270は、第1減圧管路220に対応する。第2調圧リザーバ271は、第1調圧リザーバ221に対応する。第2補助管路272は、第1補助管路222に対応する。第2還流管路273は、第1還流管路223に対応する。第3ポンプ274は、第2ポンプ224に対応する。
第2ECU52は、第2液圧制御装置に対応しており、第2アクチュエータ20の各弁および第2アクチュエータ用モータ30等を制御することにより、第2アクチュエータ20を制御する。具体的には、第2ECU52は、第2マイコン62および第2駆動回路72を有する。
第2マイコン62は、第2液圧制御部に対応しており、第2駆動回路72を制御することにより、第2アクチュエータ20を制御する。具体的には、第2マイコン62は、第2通信部621、第2記憶部622および第2制御演算部623を有する。
第2通信部621は、第2圧力センサ213と通信するためにインターフェースと、第3圧力センサ263と通信するためにインターフェースと、電圧センサ45と通信するためのインターフェースとを含む。また、第2通信部621は、第1マイコン61の第1通信部611と通信するためのインターフェースと、後述の車両用ブレーキ装置80のストロークセンサ86と通信するためのインターフェースとを含む。
第2記憶部622は、ROMおよびフラッシュメモリ等の不揮発性メモリとRAM等の揮発性メモリとを含む。
第2制御演算部623は、CPU等を含み、第2記憶部622のROMに記憶されているプログラムを実行することにより、第2アクチュエータ用モータ30を駆動させるための信号を第2駆動回路72に出力する。
第2駆動回路72は、例えば、スイッチング素子等を含み、第2制御演算部623からの信号に基づいて、第2アクチュエータ20の各弁および第2アクチュエータ用モータ30に電力を供給することにより、第2アクチュエータ20を駆動させる。
車両用ブレーキ装置80は、図1、図3および図4に示すように、ブレーキペダル81、センサ用電源配線82、センサ用グランド配線83、第1センサ用出力配線841および第2センサ用出力配線842を備えている。また、車両用ブレーキ装置80は、ストロークセンサ86、ハウジング88および反力発生部90を備えている。
ブレーキペダル81は、車両6の運転者によって踏まれることにより操作される。具体的には、ブレーキペダル81は、ペダル部811およびレバー部812を有する。ペダル部811は、車両6の運転者によって踏まれる。レバー部812は、ペダル部811に接続されており、ペダル部811が車両6の運転者によって踏まれるとき、回転軸Oを中心に回転する。
センサ用電源配線82は、図1および図4に示すように、第1ECU51および後述のストロークセンサ86に接続されている。これにより、電源40からの電力は、第1ECU51およびセンサ用電源配線82を経由してストロークセンサ86に供給される。
なお、センサ用電源配線82は、第2ECU52および後述のストロークセンサ86に接続されてもよい。これにより、電源40からの電力は、第2ECU52およびセンサ用電源配線82を経由してストロークセンサ86に供給される。
センサ用グランド配線83は、第1ECU51および後述のストロークセンサ86に接続されている。なお、センサ用グランド配線83は、第2ECU52および後述のストロークセンサ86に接続されてもよい。
第1センサ用出力配線841は、第1ECU51およびストロークセンサ86に接続されている。
第2センサ用出力配線842は、第2ECU52およびストロークセンサ86に接続されている。
ストロークセンサ86は、図3に示すように、例えば、レバー部812の回転軸Oの隣に配置されている。また、ストロークセンサ86は、図1および図4に示すように、車両6の運転者の踏力によるブレーキペダル81の操作量であるストローク量Xに応じた信号を、第1センサ用出力配線841を経由して第1ECU51に出力する。さらに、ストロークセンサ86は、このブレーキペダル81のストローク量Xに応じた信号を、第2センサ用出力配線842を経由して第2ECU52に出力する。また、ここでは、ストローク量Xは、例えば、ペダル部811が車両6の前方に向かう並進移動量である。さらに、図5に示すように、ストローク量Xとストロークセンサ86のセンサ出力Vsとは線形関係となるように調整されている。なお、ここでは、センサ出力Vsは、例えば、電圧によって表示されている。また、ストロークセンサ86は、レバー部812の回転軸Oを中心とした回転角度θに応じた信号を、第1センサ用出力配線841を経由して第1ECU51に出力してもよい。さらに、ストロークセンサ86は、このブレーキペダル81の回転角度θに応じた信号を、第2センサ用出力配線842を経由して第2ECU52に出力してもよい。このとき、回転角度θとストロークセンサ86の信号とは、ストローク量Xとセンサ出力Vsとの関係と同様に、線形関係となるように調整されている。
ハウジング88は、図3および図6に示すように、車両6のエンジンルーム等の車室外7と車室8とを区切る隔壁であるダッシュパネル9に取り付けられている。なお、ダッシュパネル9は、バルクヘッドと呼称されることもある。また、車室外7では、車両6のエンジンだけでなく、車両6のバッテリや空調装置等も配置されている。
また、ハウジング88は、図3に示すように、有底筒状に形成されており、第1取り付け部881、第2取り付け部882、ハウジング底部883およびハウジング筒部884を有する。ここで、説明のため、便宜上、車両6の前方に対して上側を、単に上側と記載する。車両6の前方に対して下側を、単に下側と記載する。
第1取り付け部881は、後述のハウジング底部883に接続されており、ハウジング底部883から上方に延びている。また、第1取り付け部881は、第1取り付け穴885を含む。この第1取り付け穴885およびダッシュパネル9の第1穴901にボルト887が挿入されることにより、第1取り付け部881がダッシュパネル9に取り付けられている。なお、ここでは、ボルト887は、ダッシュパネル9を貫通しないように挿入されている。
第2取り付け部882は、後述のハウジング筒部884に接続されており、ハウジング筒部884から下方に延びている。また、第2取り付け部882は、第2取り付け穴886を含む。この第2取り付け穴886およびダッシュパネル9の第2穴902にボルト887が挿入されることにより、第2取り付け部882がダッシュパネル9に取り付けられている。
ハウジング底部883は、レバー部812が回転軸Oを中心に回転可能にレバー部812の一部を支持するとともに、ストロークセンサ86を支持する。
ハウジング筒部884は、筒状であって、ハウジング底部883に接続されており、ハウジング底部883から下方に延びている。また、ハウジング筒部884は、レバー部812の一部を収容している。
反力発生部90は、ハウジング筒部884およびレバー部812に接続されており、ストローク量Xに応じてレバー部812に対する反力Frを発生する。具体的には、反力発生部90は、弾性部材91を有する。
弾性部材91は、例えば、圧縮コイルばねである。また、弾性部材91は、ハウジング筒部884のうち前側とレバー部812とに接続されている。このため、車両6の運転者の踏力によってブレーキペダル81が操作されるとき、この踏力に対応する力がレバー部812から弾性部材91に伝達される。これにより、弾性部材91が弾性変形、ここでは収縮するため、復元力が発生する。この復元力により、レバー部812に対する反力Frが発生する。また、この弾性部材91の復元力は、弾性部材91の変形量に比例する。さらに、弾性部材91の変形量は、ストローク量Xに比例する。したがって、弾性部材91の復元力は、ストローク量Xに比例する。よって、ストローク量Xと反力Frとは、図7に示すように線形関係になっている。なお、ここでは、上記の回転角度θも、反力Frと線形関係になるように調整されている。
以上のように、車両用ブレーキシステム1は構成されている。この車両用ブレーキシステム1の第1ECU51の第1制御演算部613および第2ECU52の第2制御演算部623の処理により車両6の左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL、右後輪RRが制御される。
次に、図8のフローチャートを参照して、第1制御演算部613の処理について説明する。ここでは、例えば、車両6のイグニッションがオンされたときに、第1制御演算部613は、第1記憶部612のROMに記憶されているプログラムを実行する。
ステップS100において、第1制御演算部613は、各種情報を取得する。具体的には、第1制御演算部613は、電源40から第1ECU51に印加される電圧である第1電圧Vb1を、電圧センサ45から第1通信部611を経由して取得する。また、第1制御演算部613は、第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動するブレーキ液の液圧を、第1圧力センサ14から第1通信部611を経由して取得する。さらに、第1制御演算部613は、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応するセンサ出力Vsを、ストロークセンサ86から第1センサ用出力配線841および第1通信部611を経由して取得する。
続いて、ステップS110において、第1制御演算部613は、電源40が正常であるか否かを判定する。具体的には、第1制御演算部613は、ステップS100にて取得した第1電圧Vb1が所定範囲内、例えば、第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるか否かを判定する。第1電圧Vb1が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるとき、電源40が正常であるため、処理は、ステップS120に移行する。また、第1電圧Vb1が第1電圧閾値Vb_th1未満であるとき、電源40が異常であるため、処理は、ステップS190に移行する。さらに、第1電圧Vb1が第2電圧閾値Vb_th2より高いとき、電源40が異常であるため、処理は、ステップS190に移行する。なお、第1電圧閾値Vb_th1および第2電圧閾値Vb_th2は、実験やシミュレーション等により設定される。
ステップS110に続くステップS120において、第1制御演算部613は、第2制御演算部623が正常であるか否かを判定する。具体的には、第1制御演算部613は、後述の第2制御演算部623が異常であることを示す信号を第2制御演算部623から受信したか否かを判定する。そして、第2制御演算部623が正常であるとき、処理は、ステップS130に移行する。また、第2制御演算部623が異常であるとき、処理は、ステップS190に移行する。
ステップS120に続くステップS130において、第1制御演算部613は、第1制御演算部613自体が正常であるか否かを判定する。例えば、第1制御演算部613は、図示しない監視ICにウオッチドッグ信号を定期的に出力する。この監視ICは、第1制御演算部613からのウオッチドッグ信号を検知したか否かを判定する。そして、監視ICは、第1制御演算部613からのウオッチドッグ信号を検知したとき、第1制御演算部613が正常であると判定しつつ、ローレベルの信号を第1制御演算部613に出力する。第1制御演算部613が監視ICからのローレベルの信号を受信するとき、第1制御演算部613が正常であるため、処理は、ステップS140に移行する。また、監視ICは、第1制御演算部613からのウオッチドッグ信号を検知していないとき、第1制御演算部613が異常であることを示す信号、例えば、ハイレベルの信号を第1制御演算部613に出力する。第1制御演算部613が監視ICからのハイレベルの信号を受信するとき、第1制御演算部613が異常であるため、処理は、ステップS180に移行する。
ステップS130に続くステップS140において、第1制御演算部613は、第1アクチュエータ10を駆動させる。具体的には、第1制御演算部613は、第1アクチュエータ10を駆動させるための信号を第1駆動回路71に出力する。第1駆動回路71は、この第1制御演算部613からの信号に基づいて、第1アクチュエータ用モータ13を駆動させる。第1アクチュエータ用モータ13は、第1駆動回路71からの信号に基づいて回転することにより、第1ポンプ12を駆動させる。これにより、第1ポンプ12は、リザーバ11からのブレーキ液の圧力を増加させる。この液圧が増加したブレーキ液は、第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動する。
続いて、ステップS150において、第1制御演算部613は、第1駆動回路71が正常であるか否かを判定する。具体的には、第1制御演算部613は、ステップS140にて第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動したブレーキ液の液圧である第1液圧P1を第1圧力センサ14から第1通信部611を経由して取得する。そして、第1制御演算部613は、第1液圧P1が第1液圧閾値P1_th以上であるか否かを判定する。第1液圧P1が第1液圧閾値P1_th以上であるとき、第1アクチュエータ10が第1駆動回路71により正常に駆動しているため、第1駆動回路71は、正常である。したがって、このとき、処理は、ステップS155に移行する。また、第1液圧P1が第1液圧閾値P1_th未満であるとき、第1アクチュエータ10が第1駆動回路71により正常に駆動していないため、第1駆動回路71は、異常である。したがって、このとき、処理は、ステップS180に移行する。なお、第1液圧閾値P1_thは、実験やシミュレーション等により設定される。また、ここでは、第1液圧P1が第1液圧閾値P1_th未満であるとき、第1アクチュエータ10が異常であると判定されてもよい。
ステップS150に続くステップS155において、第1制御演算部613は、ストロークセンサ86が正常であるか否かを判定する。具体的には、第1制御演算部613は、ステップS100にて取得したセンサ出力Vsが第1センサ閾値Vs_th1以上、第2センサ閾値Vs_th2以下であるか否かを判定する。センサ出力Vsが第1センサ閾値Vs_th1以上、第2センサ閾値Vs_th2以下であるとき、ストロークセンサ86が正常であるため、処理は、ステップS160に移行する。また、センサ出力Vsが第1センサ閾値Vs_th1未満であるとき、ストロークセンサ86が異常であるため、処理は、ステップS180に移行する。さらに、センサ出力Vsが第2センサ閾値Vs_th2より大きいとき、ストロークセンサ86が異常であるため、処理は、ステップS180に移行する。なお、第1センサ閾値Vs_th1は、例えば、ブレーキペダル81の初期位置と、ブレーキペダル81の位置バラつきと、に基づいて設定される。また、第2センサ閾値Vs_th2は、例えば、ブレーキペダル81のストローク量Xの最大値と、ブレーキペダル81の位置バラつきと、に基づいて設定される。
ステップS155に続くステップS160において、第1制御演算部613は、第2駆動回路72が正常であるか否かを判定する。具体的には、第1制御演算部613は、後述の第2制御演算部623からの第2駆動回路72が異常であることを示す信号を受信したか否かを判定する。第2駆動回路72が正常であるとき、処理は、ステップS170に移行する。また、第2駆動回路72が異常であるとき、処理は、ステップS190に移行する。
ステップS160に続くステップS170において、第1制御演算部613は、ステップS100にて取得したストローク量Xに対応するセンサ出力Vsに基づいて、第1アクチュエータ10を通常制御する。
例えば、図9に示すように、ペダル部811が車両6の運転者によって踏まれたとき、レバー部812は、回転軸Oを中心に回転する。これにより、ストローク量Xが大きくなるため、センサ出力Vsが大きくなる。このとき、第1制御演算部613は、車両6を減速させるために、第1液圧P1が大きくなるように第1アクチュエータ10を駆動させるための信号を第1駆動回路71に出力する。第1駆動回路71は、この第1制御演算部613からの信号に基づいて、第1アクチュエータ用モータ13を駆動させる。このとき、第1アクチュエータ用モータ13の回転数が大きくなる。これにより、第1ポンプ12は、リザーバ11からのブレーキ液の圧力を増加させる。このため、第1液圧P1が大きくなる。この第1液圧P1が比較的大きいブレーキ液は、第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動する。
また、ストローク量Xが大きくなるとき、弾性部材91は、ハウジング筒部884のうち前側とレバー部812とに接続されているため収縮する。これにより、弾性部材91の復元力に伴う反力Frが発生する。この反力Frによって、車両6の運転者の足がペダル部811から外れるとき、ブレーキペダル81が初期位置に戻る。その後、処理は、ステップS100に戻る。なお、図9において、初期状態のブレーキペダル81の位置が2点鎖線で記載されている。また、ここでは、ストローク量Xが、ペダル部811が車両6の前方に向かう並進移動量であるため、反力Frの方向は、後方になっている。
ステップS180において、第1制御演算部613は、第1制御演算部613自体が異常であるとき、第1制御演算部613が異常であることを示す信号を第2制御演算部623に出力する。また、このとき、第1制御演算部613は、第1制御演算部613が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により、第1制御演算部613が異常であることを車両6の運転者に通知する。
また、第1制御演算部613は、第1駆動回路71が異常であるとき、第1駆動回路71が異常であることを示す信号を第2制御演算部623に出力する。また、このとき、第1制御演算部613は、第1駆動回路71が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により、第1駆動回路71が異常であることを車両6の運転者に通知する。
さらに、第1制御演算部613は、ストロークセンサ86が異常であるとき、ストロークセンサ86が異常であることを示す信号を報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により、ストロークセンサ86が異常であることを車両6の運転者に通知する。そして、ステップS180の後、処理は、ステップS190に移行する。
ステップS190において、電源40が異常である場合、第1制御演算部613自体が異常である場合または第1駆動回路71が異常である場合、第1制御演算部613は、第1駆動回路71を正常に制御できない。このとき、第1制御演算部613とは異なる演算部等によって、車両6の安全を確保するべく車両6が減速および停止されるように制御される。
例えば、これらの場合において、第2制御演算部623および第2駆動回路72が正常であるとき、後述するように、第2制御演算部623が第2駆動回路72を制御することにより第2アクチュエータ20を制御する。これにより、車両6は、安全に減速および停止する。
また、これらの場合において、第2制御演算部623および第2駆動回路72が異常であるとき、第1ECU51および第2ECU52とは別のECUにより図示しない回生ブレーキおよびパーキングブレーキ等が制御される。これにより、車両6は、安全に減速および停止する。
また、例えば、電源40、第1制御演算部613、第1駆動回路71が正常である場合において、第2制御演算部623または第2駆動回路72が異常であるとき、第1制御演算部613は、車両6を減速および停止させる。
具体的には、第1制御演算部613は、第1アクチュエータ10を駆動させるための信号を第1駆動回路71に出力する。第1駆動回路71は、この第1制御演算部613からの信号に基づいて、第1アクチュエータ用モータ13を駆動させる。第1アクチュエータ用モータ13は、第1駆動回路71からの信号に基づいて回転することにより、第1ポンプ12を駆動させる。
このとき、第1ポンプ12は、リザーバ11からのブレーキ液の圧力を増加させる。この液圧が増加したブレーキ液は、第2アクチュエータ20に流動する。この第2アクチュエータ20に流動したブレーキ液は、対応する増圧制御弁を経由して、左前輪用W/C2、右前輪用W/C3、左後輪用W/C4、右後輪用W/C5に流動する。これにより、図示しない各ブレーキパッドがそれに対応するブレーキディスクと摩擦接触する。よって、各ブレーキディスクに対応する車輪が減速されるため、車両6は、減速する。これにより、車両6は、停止する。そして、ステップS190の後、処理は、ステップS100に戻る。
このようにして、第1制御演算部613の処理が行われる。
次に、図10のフローチャートを参照して、第2制御演算部623の処理について説明する。ここでは、例えば、車両6のイグニッションがオンされたときに、第2制御演算部623は、第2記憶部622のROMに記憶されているプログラムを実行する。
ステップS200において、第2制御演算部623は、各種情報を取得する。例えば、第2制御演算部623は、電源40から第2ECU52に印加される電圧である第2電圧Vb2を、電圧センサ45から第2通信部621を経由して取得する。また、第2制御演算部623は、第1差圧制御弁212よりも下流側のブレーキ液圧を、第2圧力センサ213から第2通信部621を経由して取得する。さらに、第2制御演算部623は、第2差圧制御弁262よりも下流側のブレーキ液圧を、第3圧力センサ263から第2通信部621を経由して取得する。また、第2制御演算部623は、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応するセンサ出力Vsを、ストロークセンサ86から第2センサ用出力配線842および第2通信部621を経由して取得する。さらに、第2制御演算部623は、車両6の旋回方向への回転角の変化速度であるヨーレートを、図示しないヨーレートセンサから第2通信部621を経由して取得する。また、第2制御演算部623は、車両6の加速度を、図示しない加速度センサから第2通信部621を経由して取得する。さらに、第2制御演算部623は、車両6の操舵角を、図示しない舵角センサから第2通信部621を経由して取得する。また、第2制御演算部623は、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL、右後輪RRの各車輪速度を、図示しない車輪速度センサから第2通信部621を経由して取得する。さらに、第2制御演算部623は、車両6の車速を、図示しない車速センサから第2通信部621を経由して取得する。なお、ここでは、車速とは、推定車体速度の略である。
続いて、ステップS210において、第2制御演算部623は、上記の第1制御演算部613のステップS110と同様に、電源40が正常であるか否かを判定する。具体的には、第2制御演算部623は、ステップS200にて取得した第2電圧Vb2が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるか否かを判定する。第2電圧Vb2が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるとき、電源40が正常であるため、処理は、ステップS220に移行する。また、第2電圧Vb2が第1電圧閾値Vb_th1未満であるとき、電源40が異常であるため、処理は、ステップS290に移行する。さらに、第2電圧Vb2が第2電圧閾値Vb_th2より高いとき、電源40が異常であるため、処理は、ステップS290に移行する。
ステップS210に続くステップS220において、第2制御演算部623は、第1制御演算部613が正常であるか否かを判定する。具体的には、第2制御演算部623は、上記した第1制御演算部613のステップS180の第1制御演算部613が異常であることを示す信号を受信したか否かを判定する。第1制御演算部613が異常であるとき、処理は、ステップS290に移行する。また、第1制御演算部613が正常であるとき、処理は、ステップS230に移行する。
ステップS220に続くステップS230において、第2制御演算部623は、上記の第1制御演算部613のステップS130と同様に、第2制御演算部623自体が正常であるか否かを判定する。具体的には、第2制御演算部623は、ウオッチドッグ信号を図示しない監視ICに出力することにより、第2制御演算部623自体が正常であるか否かを判定する。第2制御演算部623自体が正常であるとき、処理は、ステップS240に移行する。また、第2制御演算部623自体が異常であるとき、処理は、ステップS280に移行する。
ステップS230に続くステップS240において、第2制御演算部623は、第2アクチュエータ20を駆動させる。具体的には、第2制御演算部623は、第2アクチュエータ20を駆動させるための信号を第2駆動回路72に出力する。第2駆動回路72は、この第2制御演算部623からの信号に基づいて、第2アクチュエータ用モータ30を駆動させる。第2アクチュエータ用モータ30は、第2駆動回路72からの信号に基づいて回転することにより、第2ポンプ224および第3ポンプ274を駆動させる。
このとき、第2ポンプ224は、第1調圧リザーバ221に貯留されたブレーキ液を吸入する。この吸入されたブレーキ液は、第1還流管路223を経由して第1差圧制御弁212と第1増圧制御弁215および第2増圧制御弁218との間に流動する。これにより、第1差圧制御弁212と第1増圧制御弁215および第2増圧制御弁218との間のブレーキ液の圧力が増加する。
また、このとき、第3ポンプ274は、第2調圧リザーバ271に貯留されたブレーキ液を吸入する。この吸入されたブレーキ液は、第2還流管路273を経由して第2差圧制御弁262と第3増圧制御弁265および第4増圧制御弁268との間に流動する。これにより、第2差圧制御弁262と第3増圧制御弁265および第4増圧制御弁268との間のブレーキ液の圧力が増加する。
続いて、ステップS250において、第2制御演算部623は、第2駆動回路72が正常であるか否かを判定する。具体的には、第2制御演算部623は、ステップS240にて流動した第1差圧制御弁212と第1増圧制御弁215および第2増圧制御弁218との間のブレーキ液の圧力である第2液圧P2を、第2圧力センサ213から第2通信部621を経由して取得する。また、第2制御演算部623は、ステップS240にて流動した第2差圧制御弁262と第3増圧制御弁265および第4増圧制御弁268との間のブレーキ液の圧力である第3液圧P3を、第3圧力センサ263から第2通信部621を経由して取得する。
そして、第2制御演算部623は、第2液圧P2が第2液圧閾値P2_th以上、かつ、第3液圧P3が第3液圧閾値P3_th以上であるか否かを判定する。第2液圧P2が第2液圧閾値P2_th以上、かつ、第3液圧P3が第3液圧閾値P3_th以上であるとき、第2駆動回路72により第2アクチュエータ20が正常に駆動しているため、第2駆動回路72が正常である。したがって、このとき、処理は、ステップS255に移行する。また、第2液圧P2が第2液圧閾値P2_th未満、または、第3液圧P3が第3液圧閾値P3_th未満であるとき、第2駆動回路72により第2アクチュエータ20が正常に駆動していないため、第2駆動回路72が異常である。したがって、このとき、処理は、ステップS280に移行する。なお、第2液圧閾値P2_thおよび第3液圧閾値P3_thは、実験やシミュレーション等により設定される。また、ここでは、第2液圧P2が第2液圧閾値P2_th未満、または、第3液圧P3が第3液圧閾値P3_th未満であるとき、第2アクチュエータ20が異常であると判定されてもよい。
ステップS250に続くステップS255において、第2制御演算部623は、上記の第1制御演算部613のステップS155と同様に、ストロークセンサ86が正常であるか否かを判定する。具体的には、第2制御演算部623は、ステップS200にて取得したセンサ出力Vsが第1センサ閾値Vs_th1以上、第2センサ閾値Vs_th2以下であるか否かを判定する。センサ出力Vsが第1センサ閾値Vs_th1以上、第2センサ閾値Vs_th2以下であるとき、ストロークセンサ86が正常であるため、処理は、ステップS260に移行する。また、センサ出力Vsが第1センサ閾値Vs_th1未満であるとき、ここでは、ストロークセンサ86が異常であるため、処理は、ステップS280に移行する。さらに、センサ出力Vsが第2センサ閾値Vs_th2より大きいとき、ストロークセンサ86が異常であるため、処理は、ステップS280に移行する。なお、上記したように、第1センサ閾値Vs_th1は、例えば、ブレーキペダル81の初期位置と、ブレーキペダル81の位置バラつきと、に基づいて設定される。また、第2センサ閾値Vs_th2は、例えば、ブレーキペダル81のストローク量Xの最大値と、ブレーキペダル81の位置バラつきと、に基づいて設定される。
ステップS255に続くステップS260において、第2制御演算部623は、第1駆動回路71が正常であるか否かを判定する。具体的には、第2制御演算部623は、上記した第1制御演算部613のステップS180の第1駆動回路71が異常であることを示す信号を受信したか否かを判定する。第1駆動回路71が異常であるとき、処理は、ステップS290に移行する。また、第1駆動回路71が正常であるとき、処理は、ステップS270に移行する。
ステップS260に続くステップS270において、第2制御演算部623は、通常制御、ABS制御およびVSC制御等を行う。なお、ABSは、Antilock Brake Systemの略である。また、VSCは、Vehicle stability controlの略である。
例えば、第2制御演算部623は、ペダル部811が車両6の運転者により踏まれるとき、車両6の運転者のブレーキペダル81に操作によるブレーキ制御である通常制御を実行する。このとき、レバー部812は、回転軸Oを中心に回転する。これにより、ストローク量Xが大きくなるため、センサ出力Vsが大きくなる。このとき、第2制御演算部623は、車両6を減速させるために、第2駆動回路72を制御する。これにより、第2駆動回路72は、第2アクチュエータ20の増圧制御弁のソレノイドコイルを非通電状態にさせることによって、第2アクチュエータ20の増圧制御弁を連通状態にさせる。このため、第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動したブレーキ液は、対応する増圧制御弁を経由して、左前輪用W/C2、右前輪用W/C3、左後輪用W/C4、右後輪用W/C5に流動する。したがって、図示しない各ブレーキパッドがそれに対応するブレーキディスクと摩擦接触する。よって、各ブレーキディスクに対応する車輪が減速されるため、車両6は、減速する。これにより、車両6は、停止する。
また、第2制御演算部623は、例えば、ステップS200にて取得した車輪速度および車速に基づいて、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL、右後輪RRの各スリップ率を演算する。そして、第2制御演算部623は、このスリップ率に基づいて、ABS制御を実行するか否かを判定する。また、第2制御演算部623は、ABS制御を実行するとき、このスリップ率に応じて減圧モード、保持モード、増圧モードのいずれかを行う。減圧モードでは、制御対象輪に対応する増圧制御弁が遮断状態にされるとともに、減圧制御弁が適宜連通状態にされることにより、制御対象輪に対応するW/Cの圧力が減少する。また、保持モードでは、制御対象輪に対応する増圧制御弁および減圧制御弁が遮断状態にされることにより、制御対象輪に対応するW/Cの圧力が保持される。さらに、増圧モードでは、制御対象輪に対応する減圧制御弁が遮断状態にされるとともに、増圧制御弁が適宜連通状態にされることにより、制御対象輪に対応するW/Cの圧力が増加する。このようにして、車両6の各車輪のスリップ率が制御されるため、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL、右後輪RRがロックに至ることが抑制される。
また、第2制御演算部623は、例えば、ステップS200にて取得したヨーレート、操舵角、加速度、各車輪速度および車速等に基づいて、車両6の横滑り状態を演算する。そして、第2制御演算部623は、この車両6の横滑り状態に基づいて、VSC制御を実行するか否かを判定する。また、第2制御演算部623は、VSC制御を実行するとき、この車両6の横滑り状態に基づいて、車両6の旋回を安定させるための制御対象輪を選定する。さらに、第2制御演算部623は、この選定した制御対象輪に対応するW/Cの圧力が増加するように第2駆動回路72を制御する。このとき、第2駆動回路72は、第2アクチュエータ用モータ30を駆動させることにより、制御対象輪に対応するポンプを駆動させる。これにより、制御対象輪に対応するポンプは、制御対象輪に対応する調圧リザーバに貯留されたブレーキ液を吸入する。この吸入されたブレーキ液は、制御対象輪に対応する還流管路を経由して、制御対象輪に対応するW/Cに流動する。これにより、制御対象輪に対応するW/Cのブレーキ液圧が増加するため、車両6の横滑りが抑制される。このため、車両6の走行が安定する。
このようにして、ステップS270において、第2制御演算部623は、通常制御、ABS制御およびVSC制御等を行う。その後、処理は、ステップS200に戻る。なお、ステップS270において、第2制御演算部623は、上記の通常制御、ABS制御およびVSC制御に加えて、図示しない他のECUからの信号に基づいて、衝突回避制御および回生協調制御等を行ってもよい。
ステップS280において、第2制御演算部623は、第2制御演算部623自体が異常であるとき、第2制御演算部623が異常であることを示す信号を第1制御演算部613に出力する。また、このとき、第2制御演算部623は、第2制御演算部623が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により、第2制御演算部623が異常であることを車両6の運転者に通知する。
また、第2制御演算部623は、第2駆動回路72が異常であるとき、第2駆動回路72が異常であることを示す信号を第1制御演算部613に出力する。また、このとき、第2制御演算部623は、第2駆動回路72が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により、第2駆動回路72が異常であることを車両6の運転者に通知する。
さらに、第2制御演算部623は、ストロークセンサ86が異常であるとき、第1制御演算部613と同様に、ストロークセンサ86が異常であることを示す信号を報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により、ストロークセンサ86が異常であることを車両6の運転者に通知する。その後、処理は、ステップS290に移行する。
ステップS290において、電源40が異常である場合、第2制御演算部623自体が異常である場合、または、第2駆動回路72が異常である場合、第2制御演算部623は、第2駆動回路72を正常に制御できない。このとき、第2制御演算部623とは異なる演算部等によって、車両6の安全を確保するべく車両6が減速および停止されるように制御される。
例えば、これらの場合において、第1制御演算部613および第1駆動回路71が正常であるとき、上記のステップS190にて記載したように、第1制御演算部613が第1駆動回路71を制御することにより第1アクチュエータ10を制御する。これにより、車両6が安全に減速および停止する。
また、これらの場合において、第1制御演算部613および第1駆動回路71が異常であるとき、第1ECU51および第2ECU52とは別のECUにより図示しない回生ブレーキおよびパーキングブレーキ等が制御される。これにより、車両6は、安全に減速および停止する。
また、例えば、電源40、第2制御演算部623、第2駆動回路72が正常である場合において、第1制御演算部613または第1駆動回路71が異常であるとき、第2制御演算部623は、車両6を減速および停止させる。
具体的には、第2制御演算部623は、第2アクチュエータ20を駆動させるための信号を第2駆動回路72に出力する。第2駆動回路72は、この第2制御演算部623からの信号に基づいて、第2アクチュエータ用モータ30を駆動させる。第2アクチュエータ用モータ30は、第2駆動回路72からの信号に基づいて回転することにより、第2ポンプ224および第3ポンプ274を駆動させる。
このとき、第2ポンプ224は、第1調圧リザーバ221に貯留されたブレーキ液を吸入する。この吸入されたブレーキ液は、第1還流管路223を経由して第1差圧制御弁212と第1増圧制御弁215および第2増圧制御弁218との間に流動する。この第2ポンプ224により流動したブレーキ液は、第1増圧制御弁215を経由して左前輪用W/C2に流動する。また、この第2ポンプ224により流動したブレーキ液は、第2増圧制御弁218を経由して右前輪用W/C3に流動する。
また、このとき、第3ポンプ274は、第2調圧リザーバ271に貯留されたブレーキ液を吸入する。この吸入されたブレーキ液は、第2還流管路273を経由して第2差圧制御弁262と第3増圧制御弁265および第4増圧制御弁268との間に流動する。この第3ポンプ274により流動したブレーキ液は、第3増圧制御弁265を経由して右後輪用W/C5に流動する。この第3ポンプ274により流動したブレーキ液は、第4増圧制御弁268を経由して左後輪用W/C4に流動する。
したがって、図示しない各ブレーキパッドがそれに対応するブレーキディスクと摩擦接触する。よって、各ブレーキディスクに対応する車輪が減速されるため、車両6は、減速する。これにより、車両6は、停止する。そして、ステップS290の後、処理は、ステップS200に戻る。
このようにして、第2制御演算部623の処理が行われる。
以上のように、車両用ブレーキシステム1では、車両6のブレーキが制御される。この車両用ブレーキシステム1では、ブレーキペダル81の調整が容易になる。以下では、このブレーキペダル81の調整の容易さについて説明する。
本実施形態では、反力発生部90の弾性部材91は、図3および図6に示すように、ハウジング88およびブレーキペダル81のレバー部812に接続されている。また、この反力発生部90の弾性部材91により、ブレーキペダル81のストローク量Xに応じてレバー部812に対する反力Frが発生する。また、ハウジング88は、車両6のエンジンルーム等の車室外7と車室8とを区切るダッシュパネル9のうち車室8側に配置されている。
ハウジング88とダッシュパネル9とは別体であるため、車両用ブレーキ装置80単体でハウジング88と反力発生部90とブレーキペダル81とを調整することができる。これにより、車両6毎に、ハウジング88と反力発生部90とブレーキペダル81とを調整する必要がなくなる。したがって、ハウジング88と反力発生部90とブレーキペダル81との調整が容易になる。また、ハウジング88と反力発生部90とブレーキペダル81との調整が容易になるため、ストローク量Xに対する反力Frの精度を向上させることができる。
また、車両用ブレーキ装置80は、以下に説明するような効果も奏する。
[1]特許文献1に記載されている構成では、マスタシリンダは、車両のエンジンルームに配置される、また、車両のエンジンルームではエンジン等が配置されるため、マスタシリンダの搭載位置の自由度は、比較的低い。このため、ブレーキペダルとマスタシリンダとが接続されるとき、ブレーキペダルの搭載位置の自由度、比較的低い。
車両用ブレーキ装置80では、ハウジング88は、車両6の車室外7と車室8とを区切るダッシュパネル9のうち車室8側に配置されている。これにより、エンジンルーム内のマスタシリンダ等と接続する必要がないため、車両用ブレーキ装置80の搭載位置の自由度が比較的高くなる。
[2]特許文献1に記載されている構成では、ブレーキペダルとマスタシリンダとストロークシミュレータとこれらに対応するブレーキ液の流路とによってブレーキペダルに対する反力が発生するため、ブレーキ装置の部品点数が比較的多くなる。
車両用ブレーキ装置80では、反力発生部90の弾性部材91がハウジング88およびブレーキペダル81のレバー部812に接続されている。また、この反力発生部90の弾性部材91により、ブレーキペダル81のストローク量Xに応じてレバー部812に対する反力Frが発生する。これにより、反力Frを発生させるためのブレーキ液の流路等を配置する必要がなくなるため、ブレーキ装置の部品点数を削減することができる。
[3]特許文献1に記載されている構成では、油等の粘性流体の圧力によってブレーキペダルへの反力が発生する。この場合、油内への空気の混入等によりブレーキペダルへの反力が変化しやすいため、車両の運転のしやすさであるドライバビリティが低下することがある。
車両用ブレーキ装置80では、反力発生部90は、ストローク量Xに応じて変形する弾性部材91を有する。弾性部材91の復元力は、空気の混入等による影響を受けないため、空気の混入等により変化しにくい。したがって、弾性部材91による反力Frは、油等の粘性流体の圧力による反力と比較して、空気の混入等により変化しにくいため、車両用ブレーキ装置80では、ドライバビリティが向上する。また、車両用ブレーキ装置80では、ストローク量Xと反力Frとは、図7に示すように線形関係になっている。これにより、車両6の運転者の意図が検出されやすくなるため、反力Frの制御性が向上する。
[4]ハウジング88は、車両6のエンジンルーム等の車室外7と車室8とを区切るダッシュパネル9のうち車室8側に配置されている。車室8内では、ダッシュパネル9によりエンジンルームからの水分や油分が入りにくいため、このエンジンルームからの水分や油分は、反力発生部90に弾性部材91に付着しにくい。また、車室8内では、ダッシュパネル9によりエンジンルームからの外的要因、例えば、光および熱が入りにくい。したがって、反力発生部90に弾性部材91が劣化しにくくなるため、耐久性が向上する。
また、車両用ブレーキシステム1では、以下に説明するような効果も奏する。
[5]車両用ブレーキシステム1は、第1アクチュエータ10および第2アクチュエータ20を備える。これにより、車両用ブレーキシステム1は、第1アクチュエータ10および第2アクチュエータ20の一方が故障しても、正常な他方によって車両6を安全に減速および停止させることができる。したがって、車両用ブレーキシステム1の冗長性を確保することができるため、車両用ブレーキシステム1の冗長性が向上する。
[6]車両用ブレーキシステム1は、第1駆動回路71および第2駆動回路72を備える。これにより、車両用ブレーキシステム1は、第1駆動回路71および第2駆動回路72の一方が故障しても、正常な他方によって車両6を安全に減速および停止させることができる。したがって、車両用ブレーキシステム1の冗長性を確保することができるため、車両用ブレーキシステム1の冗長性が向上する。
[7]車両用ブレーキシステム1は、第1マイコン61および第2マイコン62を備える。これにより、第1マイコン61および第2マイコン62の一方が故障しても、正常な他方によって車両6を安全に減速および停止させることができる。したがって、車両用ブレーキシステム1の冗長性を確保することができるため、車両用ブレーキシステム1の冗長性が向上する。
(第2実施形態)
第2実施形態では、車両用ブレーキ装置80の反力発生部90は、ダンパ92を有する。これ以外は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態の車両用ブレーキ装置80の反力発生部90は、図11に示すように、ダンパ92を有する。このダンパ92は、単位時間あたりのストローク量Xの変化量であるストローク変化量ΔXに応じた反力Frを発生させる。具体的には、ダンパ92は、ダンパシリンダ921およびダンパピストン922を含む。
ダンパシリンダ921は、有底筒状に形成されており、このダンパシリンダ921には、流体が封入されている。流体は、例えば、油および空気等の粘性流体である。なお、図11において、ダンパシリンダ921内の粘性流体の所在を明確にするため、ダンパシリンダ921内の粘性流体がドット柄で記載されている。
ダンパピストン922は、ダンパシリンダ921の軸方向に沿ってダンパシリンダ921内を摺動する。また、ダンパピストン922の一端は、ブレーキペダル81のレバー部812に接続されている。このため、車両6の運転者の踏力によるブレーキペダル81の操作されるとき、この踏力に対応する力がレバー部812からダンパピストン922に伝達される。これにより、ダンパピストン922は、ダンパシリンダ921に封入されている流体を圧縮する。このとき、ダンパシリンダ921内の流体の粘性によって、ストローク変化量ΔXに応じた反力Frが発生する。また、ここでは、この流体による反力Frは、ストローク変化量ΔXに比例する。したがって、図12に示すように、ストローク変化量ΔXと反力Frとは、線形関係になっている。これにより、反力Frの制御性が向上する。
第2実施形態において、弾性部材91が備えられていないため上記[3]を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第1実施形態と第2実施形態とが組み合わされてもよい。具体的には、反力発生部90は、図13に示すように、上記の弾性部材91およびダンパ92を有する。このような形態であっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
第3実施形態では、車両用ブレーキシステム1は、1つのECUを備える。また、車両用ブレーキ装置80は、2つのストロークセンサを備える。これ以外は、第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、車両用ブレーキシステム1は、図14に示すように、第3ECU53をさらに備えている。
第3ECU53は、液圧制御装置に対応しており、第1アクチュエータ用モータ13を制御することにより、第1アクチュエータ10を制御する。また、第3ECU53は、第2アクチュエータ用モータ30を制御することにより、第2アクチュエータ20を制御する。具体的には、第3ECU53は、第3マイコン63、上記の第1駆動回路71および第2駆動回路72を有する。
第3マイコン63は、液圧制御部に対応しており、第1駆動回路71を制御することにより、第1アクチュエータ10を制御する。また、第3マイコン63は、第2駆動回路72を制御することにより、第2アクチュエータ20を制御する。具体的には、第3マイコン63は、第3通信部631、第3記憶部632および第3制御演算部633を有する。
第3通信部631は、電圧センサ45と通信するためのインターフェースを含む。また、第3通信部631は、第1圧力センサ14と通信するためにインターフェースと、第2圧力センサ213と通信するためにインターフェースと、第3圧力センサ263と通信するためにインターフェースと、を含む。さらに、第3通信部631は、後述の第1ストロークセンサ861と通信するためのインターフェースと、第2ストロークセンサ862と通信するためのインターフェースと、を含む。
第3記憶部632は、ROMおよびフラッシュメモリ等の不揮発性メモリとRAM等の揮発性メモリとを含む。
第3制御演算部633は、CPU等を含み、第3記憶部632のROMに記憶されているプログラムを実行することにより、第1アクチュエータ用モータ13を駆動させるための信号を第1駆動回路71に出力する。また、第3制御演算部633は、第3記憶部632のROMに記憶されているプログラムを実行することにより、第2アクチュエータ用モータ30を駆動させるための信号を第2駆動回路72に出力する。
車両用ブレーキ装置80は、上記のブレーキペダル81、ハウジング88および反力発生部90を備えている。また、車両用ブレーキ装置80は、第1センサ用電源配線821、第1センサ用グランド配線831および第1センサ用出力配線841を備えている。さらに、車両用ブレーキ装置80は、第2センサ用電源配線822、第2センサ用グランド配線832、第2センサ用出力配線842、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862を備えている。
第1センサ用電源配線821は、図14および図15に示すように、第3ECU53および第1ストロークセンサ861に接続されている。これにより、電源40からの電力は、第3ECU53および第1センサ用電源配線821を経由して第1ストロークセンサ861に供給される。
第1センサ用グランド配線831は、第3ECU53および第1ストロークセンサ861に接続されている。
第1センサ用出力配線841は、第3ECU53および第1ストロークセンサ861に接続されている。
第2センサ用電源配線822は、第3ECU53および第2ストロークセンサ862に接続されている。これにより、電源40からの電力は、第3ECU53および第2センサ用電源配線822を経由して第2ストロークセンサ862に供給される。
第2センサ用グランド配線832は、第3ECU53および第2ストロークセンサ862に接続されている。
第2センサ用出力配線842は、第3ECU53および第2ストロークセンサ862に接続されている。
第1ストロークセンサ861は、ブレーキペダル81のストローク量Xに応じた信号を、第1センサ用出力配線841を経由して第3ECU53に出力する。また、ここでは、第1ストロークセンサ861からの信号である第1センサ出力Vs1は、図16に示すように、ストローク量XがX1未満であるとき、V1で一定となるように調整されている。また、第1センサ出力Vs1は、ストローク量XがX1以上、X2未満であるとき、ストローク量Xが大きくなるにつれて、大きくなるように調整されている。さらに、第1センサ出力Vs1は、ストローク量XがX2以上であるとき、V1よりも大きい値であるV2で一定となるように調整されている。なお、V1およびV2は、実験やシミュレーション等により設定される。また、ここでは、V1は、後述するように、上記の第1センサ閾値Vs_th1よりも小さい値に設定されている。さらに、V2は、上記の第2センサ閾値Vs_th2よりも大きい値に設定されている。
第2ストロークセンサ862は、図14および図15に示すように、ブレーキペダル81のストローク量Xに応じた信号を、第2センサ用出力配線842を経由して第3ECU53に出力する。また、ここでは、第2ストロークセンサ862からの信号である第2センサ出力Vs2は、図16に示すように、ストローク量XがX1未満であるとき、V1よりも大きい値であるV2で一定となるように調整されている。また、第2センサ出力Vs2は、ストローク量XがX1以上、X2未満であるとき、ストローク量Xが大きくなるにつれて、小さくなるように調整されている。さらに、第2センサ出力Vs2は、ストローク量XがX2以上であるとき、V2よりも小さい値であるV1で一定となるように調整されている。
次に、図17のフローチャートを参照して、第3制御演算部633の処理について説明する。ここでは、例えば、車両6のイグニッションがオンされたときに、第3制御演算部633は、第3記憶部632のROMに記憶されているプログラムを実行する。
ステップS300において、第3制御演算部633は、各種情報を取得する。具体的には、第3制御演算部633は、電源40から第3ECU53に印加される電圧である第3電圧Vb3を、電圧センサ45から第3通信部631を経由して取得する。また、第3制御演算部633は、第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動するブレーキ液の液圧を、第1圧力センサ14から第3通信部631を経由して取得する。さらに、第3制御演算部633は、第1差圧制御弁212よりも下流側のブレーキ液圧を、第2圧力センサ213から第3通信部631を経由して取得する。また、第3制御演算部633は、第2差圧制御弁262よりも下流側のブレーキ液圧を、第3圧力センサ263から第3通信部631を経由して取得する。さらに、第3制御演算部633は、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応する第1センサ出力Vs1を、第1ストロークセンサ861から第1センサ用出力配線841および第3通信部631を経由して取得する。また、第3制御演算部633は、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応する第2センサ出力Vs2を、第2ストロークセンサ862から第2センサ用出力配線842および第3通信部631を経由して取得する。さらに、第3制御演算部633は、第2制御演算部623のステップS200と同様に、ヨーレート、加速度、操舵角、各車輪速度、車速を図示しない各センサから第3通信部631を経由して取得する。
続いて、ステップS310において、第3制御演算部633は、上記の第1制御演算部613のステップS110および第2制御演算部623のステップS210と同様に、電源40が正常であるか否かを判定する。具体的には、第3制御演算部633は、ステップS300にて取得した第3電圧Vb3が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるか否かを判定する。第3電圧Vb3が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるとき、電源40が正常であるため、処理は、ステップS320に移行する。また、第3電圧Vb3が第1電圧閾値Vb_th1未満であるとき、電源40が異常であるため、処理は、ステップS390に移行する。さらに、第3電圧Vb3が第2電圧閾値Vb_th2より高いとき、電源40が異常であるため、処理は、ステップS390に移行する。
ステップS310に続くステップS320において、第3制御演算部633は、上記の第1制御演算部613のステップS130および第2制御演算部623のステップS230と同様に、第3制御演算部633自体が正常であるか否かを判定する。具体的には、第3制御演算部633は、ウオッチドッグ信号を図示しない監視ICに出力することにより、第3制御演算部633自体が正常であるか否かを判定する。第3制御演算部633自体が正常であるとき、処理は、ステップS330に移行する。また、第3制御演算部633自体が異常であるとき、処理は、ステップS385に移行する。
ステップS320に続くステップS330において、第3制御演算部633は、上記の第1制御演算部613のステップS140と同様に、第1アクチュエータ10を駆動させる。具体的には、第3制御演算部633は、第1アクチュエータ10を駆動させるための信号を第1駆動回路71に出力する。第1駆動回路71は、この第3制御演算部633からの信号に基づいて、第1アクチュエータ用モータ13を駆動させる。第1アクチュエータ用モータ13は、第1駆動回路71からの信号に基づいて回転することにより、第1ポンプ12を駆動させる。第1ポンプ12は、リザーバ11からのブレーキ液の圧力を増加させる。また、この液圧が増加したブレーキ液は、第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動する。
続いて、ステップS340において、第3制御演算部633は、上記の第1制御演算部613のステップS150と同様に、第1駆動回路71が正常であるか否かを判定する。具体的には、第3制御演算部633は、ステップS330にて第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動したブレーキ液の液圧である第1液圧P1を第1圧力センサ14から第3通信部631を経由して取得する。そして、第3制御演算部633は、第1液圧P1が第1液圧閾値P1_th以上であるか否かを判定する。第1液圧P1が第1液圧閾値P1_th以上であるとき、第1駆動回路71により第1アクチュエータ10が正常に駆動しているため、第1駆動回路71が正常である。したがって、このとき、処理は、ステップS350に移行する。また、第1液圧P1が第1液圧閾値P1_th未満であるとき、第1駆動回路71により第1アクチュエータ10が正常に駆動していないため、第1駆動回路71が異常である。したがって、このとき、処理は、ステップS385に移行する。
ステップS340に続くステップS350において、第3制御演算部633は、上記の第2制御演算部623のステップS240と同様に、第2アクチュエータ20を駆動させる。具体的には、第3制御演算部633は、第2アクチュエータ20を駆動させるための信号を第2駆動回路72に出力する。第2駆動回路72は、この第3制御演算部633からの信号に基づいて、第2アクチュエータ用モータ30を駆動させる。第2アクチュエータ用モータ30は、第2駆動回路72からの信号に基づいて回転することにより、第2ポンプ224および第3ポンプ274を駆動させる。
このとき、第2ポンプ224は、第1調圧リザーバ221に貯留されたブレーキ液を吸入する。この吸入されたブレーキ液は、第1還流管路223を経由して第1差圧制御弁212と第1増圧制御弁215および第2増圧制御弁218との間に流動する。これにより、第1差圧制御弁212と第1増圧制御弁215および第2増圧制御弁218との間のブレーキ液の圧力が増加する。
また、このとき、第3ポンプ274は、第2調圧リザーバ271に貯留されたブレーキ液を吸入する。この吸入されたブレーキ液は、第2還流管路273を経由して第2差圧制御弁262と第3増圧制御弁265および第4増圧制御弁268との間に流動する。これにより、第2差圧制御弁262と第3増圧制御弁265および第4増圧制御弁268との間のブレーキ液の圧力が増加する。
続いて、ステップS360において、第3制御演算部633は、上記の第2制御演算部623のステップS250と同様に、第2駆動回路72が正常であるか否かを判定する。具体的には、第3制御演算部633は、ステップS350にて流動した第1差圧制御弁212と第1増圧制御弁215および第2増圧制御弁218との間のブレーキ液の圧力である第2液圧P2を第2圧力センサ213から第3通信部631を経由して取得する。また、第3制御演算部633は、ステップS350にて流動した第2差圧制御弁262と第3増圧制御弁265および第4増圧制御弁268との間のブレーキ液の圧力である第3液圧P3を第3圧力センサ263から第3通信部631を経由して取得する。
そして、第3制御演算部633は、第2液圧P2が第2液圧閾値P2_th以上、かつ、第3液圧P3が第3液圧閾値P3_th以上であるか否かを判定する。第2液圧P2が第2液圧閾値P2_th以上、かつ、第3液圧P3が第3液圧閾値P3_th以上であるとき、第2駆動回路72により第2アクチュエータ20が正常に駆動しているため、第2駆動回路72が正常である。したがって、このとき、処理は、ステップS365に移行する。また、第2液圧P2が第2液圧閾値P2_th未満、または、第3液圧P3が第3液圧閾値P3_th未満であるとき、第2駆動回路72により第2アクチュエータ20が正常に駆動していないため、第2駆動回路72が異常である。したがって、このとき、処理は、ステップS385に移行する。
ステップS360に続くステップS365において、第3制御演算部633は、第1センサ用電源配線821および第2センサ用電源配線822が正常であるか否かを判定する。具体的には、第3制御演算部633は、ステップS300にて取得した第1センサ出力Vs1および第2センサ出力Vs2がV1以上、V2以下であるか否かを判定する。なお、上記したように、V1およびV2は、実験やシミュレーション等により設定される。また、ここでは、V1は、後述するように、上記の第1センサ閾値Vs_th1よりも小さい値に設定されている。さらに、V2は、上記の第2センサ閾値Vs_th2よりも大きい値に設定されている。
第1センサ出力Vs1がV1以上、V2以下であるとき、第1センサ用電源配線821は、正常である。また、第2センサ出力Vs2がV1以上、V2以下であるとき、第2センサ用電源配線822は、正常である。したがって、第1センサ出力Vs1および第2センサ出力Vs2がV1以上、V2以下であるとき、第1センサ用電源配線821および第2センサ用電源配線822が正常であるため、処理は、ステップS370に移行する。また、第1センサ出力Vs1または第2センサ出力Vs2がV1未満であるとき、第1センサ用電源配線821または第2センサ用電源配線822が異常である、例えば、断線しているため、処理は、ステップS385に移行する。さらに、第1センサ出力Vs1または第2センサ出力Vs2がV2より大きいとき、第1センサ用電源配線821または第2センサ用電源配線822が異常である、例えば、断線しているため、処理は、ステップS385に移行する。
ステップS365に続くステップS370において、第3制御演算部633は、第1ストロークセンサ861が正常であるか否かを判定する。具体的には、第3制御演算部633は、ステップS300にて取得した第1センサ出力Vs1が第1センサ閾値Vs_th1以上、第2センサ閾値Vs_th2以下であるか否かを判定する。なお、上記したように、第1センサ閾値Vs_th1は、例えば、ブレーキペダル81の初期位置と、ブレーキペダル81の位置バラつきと、に基づいて設定される。また、第2センサ閾値Vs_th2は、例えば、ブレーキペダル81のストローク量Xの最大値と、ブレーキペダル81の位置バラつきと、に基づいて設定される。また、ここでは、ストローク量XがX1付近の値であって、X1より大きいとき、すなわち、X>X1 であるとき、ブレーキペダル81が初期位置になっている。また、ストローク量XがX2付近の値であって、X2より小さいとき、すなわち、X2>X であるとき、ブレーキペダル81のストローク量Xが最大値になっている。したがって、ここでは、V1とV2と第1センサ閾値Vs_th1と第2センサ閾値Vs_th2とは、V1<Vs_th1<Vs_th2<V2の関係になっている。
第1センサ出力Vs1が第1センサ閾値Vs_th1以上、第2センサ閾値Vs_th2以下であるとき、第1ストロークセンサ861が正常であるため、処理は、ステップS375に移行する。また、第1センサ出力Vs1がV1以上、第1センサ閾値Vs_th1未満であるとき、第1ストロークセンサ861が異常であるため、処理は、ステップS385に移行する。さらに、第1センサ出力Vs1が第2センサ閾値Vs_th2より大きく、V2以下であるとき、第1ストロークセンサ861が異常であるため、処理は、ステップS385に移行する。なお、このとき、第3制御演算部633は、上記と同様に、ステップS300にて取得した第2センサ出力Vs2に基づいて、第2ストロークセンサ862が正常であるか否かを判定してもよい。
ステップS370に続くステップS375において、第3制御演算部633は、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862が正常であるか否かを判定する。具体的には、第3制御演算部633は、ステップS300にて取得した第1センサ出力Vs1および第2センサ出力Vs2に基づいて、第1センサ出力Vs1と第2センサ出力Vs2との差の相対値であるセンサ出力差Vs1-Vs2を演算する。
ここで、上記のように、第1センサ出力Vs1は、図16に示すように、ストローク量XがX1未満であるとき、V1で一定となるように調整されている。また、第1センサ出力Vs1は、ストローク量XがX1以上、X2未満であるとき、ストローク量Xが大きくなるにつれて、大きくなるように調整されている。さらに、第1センサ出力Vs1は、ストローク量XがX2以上であるとき、V2で一定となっている。また、第2センサ出力Vs2は、ストローク量XがX1未満であるとき、V1よりも大きい値であるV2で一定となるように調整されている。また、第2センサ出力Vs2は、ストローク量XがX1以上、X2未満であるとき、ストローク量Xが大きくなるにつれて、小さくなるように調整されている。さらに、第2センサ出力Vs2は、ストローク量XがX2以上であるとき、V2よりも小さい値であるV1で一定となるように調整されている。したがって、第1センサ出力Vs1および第2センサ出力Vs2が正常であるとき、センサ出力差Vs1-Vs2は、ストローク量Xにより規定される値になる。
よって、第3制御演算部633は、この演算したセンサ出力差Vs1-Vs2が上記規定値の範囲内か否かを判定する。センサ出力差Vs1-Vs2が上記規定値の範囲以内であるとき、第1センサ出力Vs1および第2センサ出力Vs2が正常であるため、処理は、ステップS380に移行する。また、センサ出力差Vs1-Vs2が上記規定値の範囲外であるとき、第1センサ出力Vs1または第2センサ出力Vs2が異常である。このとき、第3制御演算部633は、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862のいずれの異常であるかを特定する。その後、処理は、ステップS385に移行する。
ステップS375に続くステップS380において、第3制御演算部633は、上記の第1制御演算部613のステップS170と同様に、第1アクチュエータ10を制御する。具体的には、第3制御演算部633は、ステップS300にて取得したストローク量Xに対応する第1センサ出力Vs1に基づいて、第1アクチュエータ10を通常制御する。なお、このとき、第3制御演算部633は、ステップS300にて取得したストローク量Xに対応する第2センサ出力Vs2に基づいて、第1アクチュエータ10を通常制御してもよい。
また、第3制御演算部633は、上記の第2制御演算部623のステップS270と同様に、第2アクチュエータ20を制御する。具体的には、第3制御演算部633は、通常制御、ABS制御およびVSC制御等を行う。その後、処理は、ステップS300に戻る。なお、第3制御演算部633は、ステップS300にて取得したストローク量Xに対応する第2センサ出力Vs2に基づいて、第2アクチュエータ20を通常制御してもよい。
ステップS385において、第3制御演算部633は、第3制御演算部633自体が異常であるとき、第3制御演算部633が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により第3制御演算部633が異常であることを車両6の運転者に通知する。
また、第3制御演算部633は、第1駆動回路71が異常であるとき、第1駆動回路71が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により第1駆動回路71が異常であることを車両6の運転者に通知する。
さらに、第3制御演算部633は、第2駆動回路72が異常であるとき、第2駆動回路72が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により第2駆動回路72が異常であることを車両6の運転者に通知する。
また、第3制御演算部633は、第1センサ用電源配線821が異常であるとき、第1センサ用電源配線821が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により第1センサ用電源配線821が異常であることを車両6の運転者に通知する。
さらに、第3制御演算部633は、第2センサ用電源配線822が異常であるとき、第2センサ用電源配線822が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により第2センサ用電源配線822が異常であることを車両6の運転者に通知する。
また、第3制御演算部633は、第1ストロークセンサ861が異常であるとき、第1ストロークセンサ861が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により第1ストロークセンサ861が異常であることを車両6の運転者に通知する。
さらに、第3制御演算部633は、第2ストロークセンサ862が異常であるとき、第2ストロークセンサ862が異常であることを示す信号を図示しない報知器に出力する。この報知器は、この信号を受信したとき、画面表示、音および光等により第2ストロークセンサ862が異常であることを車両6の運転者に通知する。そして、ステップS385の後、処理は、ステップS390に移行する。
続いて、ステップS390において、電源40が異常である場合、または、第3制御演算部633自体が異常である場合、第3制御演算部633は、第1駆動回路71および第2駆動回路72を正常に制御できない。このとき、第3制御演算部633とは異なる演算部等によって、車両6の安全を確保するべく車両6が減速および停止されるように制御される。
例えば、上記の第1制御演算部613のステップS190および第2制御演算部623のステップS290の場合と同様に、第3ECU53とは別のECUにより図示しない回生ブレーキおよびパーキングブレーキ等が制御される。これにより、車両6が安全に減速および停止する。
また、電源40および第3制御演算部633が正常である場合、第3制御演算部633は、第1駆動回路71および第2駆動回路72を正常に制御できる。このとき、第3制御演算部633は、正常である第1駆動回路71または第2駆動回路72を制御することにより、上記のステップS190およびステップS290の場合と同様に、車両6を減速および停止させる。そして、ステップS390の後、処理は、ステップS300に戻る。
このようにして、第3制御演算部633の処理が行われる。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、第3実施形態では、第3制御演算部633は、第1ストロークセンサ861の第1センサ出力Vs1とV1とV2とに基づいて、第1センサ用電源配線821が正常であるか否かを判定する。さらに、第3制御演算部633は、第2ストロークセンサ862の第2センサ出力Vs2とV1とV2とに基づいて、第2センサ用電源配線822が正常であるか否かを判定する。また、第3制御演算部633は、第1ストロークセンサ861の第1センサ出力Vs1と第1センサ閾値Vs_th1と第2センサ閾値Vs_th2とに基づいて、第1ストロークセンサ861が正常であるか否かを判定する。さらに、第3制御演算部633は、第2ストロークセンサ862の第2センサ出力Vs2と第1センサ閾値Vs_th1と第2センサ閾値Vs_th2とに基づいて、第2ストロークセンサ862が正常であるか否かを判定する。これにより、配線の異常とセンサの異常とを区別することができる。なお、上記したように、V1とV2と第1センサ閾値Vs_th1と第2センサ閾値Vs_th2とは、V1<Vs_th1<Vs_th2<V2の関係になっている。
さらに、第3制御演算部633は、センサ出力差Vs1-Vs2に基づいて、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862が正常であるか否かを判定する。これにより、センサの異常が検出されやすくなる。
また、車両用ブレーキシステム1は、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862を備える。これにより、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862の一方が故障しても、正常な他方によって車両6を安全に減速および停止させることができる。したがって、車両用ブレーキシステム1の冗長性を確保することができるため、車両用ブレーキシステム1の冗長性が向上する。
(第4実施形態)
第4実施形態では、車両用ブレーキシステム1は、2つの電源、2つの電圧センサを備える。また、車両用ブレーキ装置80は、2つのストロークセンサを備える。さらに、第1制御演算部613および第2制御演算部623の処理が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
第4実施形態では、車両用ブレーキシステム1は、図18に示すように、第1電源401、第2電源402、第1電圧センサ451および第2電圧センサ452を備えている。
第1電源401は、第1ECU51に電力を供給する。
第1電圧センサ451は、第1電源401から第1ECU51に印加される電圧に応じた信号を第1ECU51に出力する。
第2電源402は、第2ECU52に電力を供給する。
第2電圧センサ452は、第2電源402から第2ECU52に印加される電圧に応じた信号を第2ECU52に出力する。
車両用ブレーキ装置80は、上記の第1実施形態と同様のブレーキペダル81、ハウジング88および反力発生部90を備えている。また、車両用ブレーキ装置80は、第1センサ用電源配線821、第1センサ用グランド配線831および第1センサ用出力配線841、第2センサ用出力配線842を備えている。さらに、車両用ブレーキ装置80は、第2センサ用電源配線822、第2センサ用グランド配線832、第3センサ用出力配線843、第4センサ用出力配線844、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862を備えている。
第1センサ用電源配線821は、図18および図19に示すように、第1ECU51および第1ストロークセンサ861に接続されている。これにより、第1電源401からの電力は、第1ECU51および第1センサ用電源配線821を経由して第1ストロークセンサ861に供給される。
第1センサ用グランド配線831は、第1ECU51および第1ストロークセンサ861に接続されている。
第1センサ用出力配線841は、第1ECU51および第1ストロークセンサ861に接続されている。
第2センサ用出力配線842は、第1ECU51および第2ストロークセンサ862に接続されている。
第2センサ用電源配線822は、第2ECU52および第2ストロークセンサ862に接続されている。これにより、第2電源402からの電力は、第2ECU52および第2センサ用電源配線822を経由して第2ストロークセンサ862に供給される。
第2センサ用グランド配線832は、第2ECU52および第2ストロークセンサ862に接続されている。
第3センサ用出力配線843は、第2ECU52および第1ストロークセンサ861に接続されている。
第4センサ用出力配線844は、第2ECU52および第2ストロークセンサ862に接続されている。
第1ストロークセンサ861は、ブレーキペダル81のストローク量Xに応じた信号を、第1センサ用出力配線841を経由して第1ECU51に出力する。また、第1ストロークセンサ861は、ブレーキペダル81のストローク量Xに応じた信号を、第3センサ用出力配線843を経由して第2ECU52に出力する。また、ここでは、上記の第3実施形態と同様に、第1ストロークセンサ861からの信号である第1センサ出力Vs1は、図16に示すように調整されている。
第2ストロークセンサ862は、ブレーキペダル81のストローク量Xに応じた信号を、第2センサ用出力配線842を経由して第1ECU51に出力する。また、第2ストロークセンサ862は、ブレーキペダル81のストローク量Xに応じた信号を、第4センサ用出力配線844を経由して第2ECU52に出力する。また、ここでは、上記の第3実施形態と同様に、第2ストロークセンサ862からの信号である第2センサ出力Vs2は、図16に示すように調整されている。
以上のように、第4実施形態では、車両用ブレーキシステム1は構成されている。
次に、図20のフローチャートを参照して、第1制御演算部613の処理について説明する。上記と同様に、車両6のイグニッションがオンされたときに、第1制御演算部613は、第1記憶部612のROMに記憶されているプログラムを実行する。
ステップS400において、第1制御演算部613は、各種情報を取得する。具体的には、第1制御演算部613は、第1電源401から第1ECU51に印加される電圧である第1電圧Vb1を、第1電圧センサ451から第1通信部611を経由して取得する。また、第1制御演算部613は、第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動するブレーキ液の液圧を、第1圧力センサ14から第1通信部611を経由して取得する。さらに、第1制御演算部613は、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応する第1センサ出力Vs1を、第1ストロークセンサ861から第1センサ用出力配線841および第1通信部611を経由して取得する。また、第1制御演算部613は、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応する第2センサ出力Vs2を、第2ストロークセンサ862から第2センサ用出力配線842および第1通信部611を経由して取得する。
続いて、ステップS410において、第1制御演算部613は、ステップS110と同様に、第1電源401が正常であるか否かを判定する。具体的には、第1制御演算部613は、ステップS400にて取得した第1電圧Vb1が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるか否かを判定する。第1電圧Vb1が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるとき、第1電源401が正常であるため、処理は、ステップS420に移行する。また、第1電圧Vb1が第1電圧閾値Vb_th1未満であるとき、第1電源401が異常であるため、処理は、ステップS490に移行する。さらに、第1電圧Vb1が第2電圧閾値Vb_th2より高いとき、第1電源401が異常であるため、処理は、ステップS490に移行する。
ステップS410に続くステップS420において、第1制御演算部613は、上記のステップS120と同様に、第2制御演算部623からの信号に基づいて、第2制御演算部623が正常であるか否かを判定する。第2制御演算部623が正常であるとき、処理は、ステップS430に移行する。また、第2制御演算部623が異常であるとき、処理は、ステップS490に移行する。
ステップS420に続くステップS430において、第1制御演算部613は、上記のステップS130と同様に、ウオッチドッグ信号および監視ICにより、第1制御演算部613自体が正常であるか否かを判定する。第1制御演算部613自体が正常であるとき、処理は、ステップS440に移行する。また、第1制御演算部613自体が異常であるとき、処理は、ステップS485に移行する。
ステップS430に続くステップS440において、第1制御演算部613は、上記のステップS140と同様に、第1アクチュエータ10を駆動させる。
続いて、ステップS450において、第1制御演算部613は、上記のステップS150と同様に、第1液圧P1に基づいて、第1駆動回路71が正常であるか否かを判定する。第1駆動回路71が正常であるとき、処理は、ステップS455に移行する。また、第1駆動回路71が異常であるとき、処理は、ステップS485に移行する。なお、第1液圧P1は、上記したように、第1アクチュエータ10から第2アクチュエータ20に流動したブレーキ液の液圧である。
ステップS450に続くステップS455において、第1制御演算部613は、上記の第3制御演算部633のステップS365と同様に、第1センサ用電源配線821および第2センサ用電源配線822が正常であるか否かを判定する。具体的には、第1制御演算部613は、第1センサ出力Vs1および第2センサ出力Vs2に基づいて、第1センサ用電源配線821および第2センサ用電源配線822が正常であるか否かを判定する。第1センサ用電源配線821および第2センサ用電源配線822が正常であるとき、処理は、ステップS460に移行する。また、第1センサ用電源配線821または第2センサ用電源配線822が異常であるとき、例えば、断線しているとき、処理は、ステップS485に移行する。
ステップS455に続くステップS460において、第1制御演算部613は、上記の第3制御演算部633のステップS370と同様に、第1センサ出力Vs1に基づいて、第1ストロークセンサ861が正常であるか否かを判定する。第1ストロークセンサ861が正常であるとき、処理は、ステップS465に移行する。また、第1ストロークセンサ861が異常であるとき、処理は、ステップS485に移行する。なお、このとき、第1制御演算部613は、第2センサ出力Vs2に基づいて、第2ストロークセンサ862が正常であるか否かを判定してもよい。
ステップS460に続くステップS465において、第1制御演算部613は、上記の第3制御演算部633のステップS375と同様に、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862が正常であるか否かを判定する。具体的には、第1制御演算部613は、センサ出力差Vs1-Vs2に基づいて、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862が正常であるか否かを判定する。第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862が正常であるとき、処理は、ステップS470に移行する。また、第1ストロークセンサ861または第2ストロークセンサ862が異常であるとき、第1制御演算部613は、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862のいずれが異常であるかを特定する。その後、処理は、ステップS485に移行する。
ステップS465に続くステップS470において、第1制御演算部613は、上記のステップS160と同様に、第2制御演算部623からの信号に基づいて、第2駆動回路72が正常であるか否かを判定する。第2駆動回路72が正常であるとき、処理は、ステップS480に移行する。また、第2駆動回路72が異常であるとき、処理は、ステップS490に移行する。
ステップS470に続くステップS480において、第1制御演算部613は、上記のステップS170と同様に、第1アクチュエータ10を通常制御する。具体的には、第1制御演算部613は、ステップS300にて取得したストローク量Xに対応する第1センサ出力Vs1に基づいて、第1アクチュエータ10を通常制御する。なお、このとき、第1制御演算部613は、ステップS300にて取得したストローク量Xに対応する第2センサ出力Vs2に基づいて、第1アクチュエータ10を通常制御してもよい。その後、処理は、ステップS400に戻る。
ステップS485において、第1制御演算部613は、上記のステップS180および第3制御演算部633のステップS385と同様に、第2制御演算部623および図示しない報知器に各異常を通知する。
ステップS490において、第1制御演算部613は、上記のステップS190と同様に、車両6の安全を確保するべく車両6を減速および停止させる。その後、処理は、ステップS400に戻る。
このようにして、第1制御演算部613の処理が行われる。
次に、図21のフローチャートを参照して、第2制御演算部623の処理について説明する。
ステップS500において、第2制御演算部623は、各種情報を取得する。具体的には、第2制御演算部623は、第2電源402から第2ECU52に印加される電圧である第2電圧Vb2を、第2電圧センサ452から第2通信部621を経由して取得する。また、第2制御演算部623は、第1差圧制御弁212よりも下流側のブレーキ液圧を、第2圧力センサ213から第2通信部621を経由して取得する。さらに、第2制御演算部623は、第2差圧制御弁262よりも下流側のブレーキ液圧を、第3圧力センサ263から第2通信部621を経由して取得する。また、第2制御演算部623は、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応する第1センサ出力Vs1を、第1ストロークセンサ861から第3センサ用出力配線843および第2通信部621を経由して取得する。さらに、第2制御演算部623は、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応する第2センサ出力Vs2を、第2ストロークセンサ862から第4センサ用出力配線844および第2通信部621を経由して取得する。また、第2制御演算部623は、ステップS200と同様に、ヨーレート、加速度、操舵角、各車輪速度、車速を図示しない各センサから第2通信部621を経由して取得する。
続いて、ステップS510において、第2制御演算部623は、ステップS210と同様に、第2電源402が正常であるか否かを判定する。具体的には、第2制御演算部623は、ステップS500にて取得した第2電圧Vb2が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるか否かを判定する。第2電圧Vb2が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるとき、第2電源402が正常であるため、処理は、ステップS520に移行する。また、第1電圧Vb1が第1電圧閾値Vb_th1未満であるとき、第2電源402が異常であるため、処理は、ステップS590に移行する。さらに、第1電圧Vb1が第2電圧閾値Vb_th2より高いとき、第2電源402が異常であるため、処理は、ステップS590に移行する。
ステップS510に続くステップS520において、第2制御演算部623は、ステップS220と同様に、第1制御演算部613からの信号に基づいて、第1制御演算部613が正常であるか否かを判定する。第1制御演算部613が正常であるとき、処理は、ステップS530に移行する。また、第1制御演算部613が異常であるとき、処理は、ステップS590に移行する。
ステップS520に続くステップS530において、第2制御演算部623は、ステップS230と同様に、ウオッチドッグ信号および監視ICにより、第2制御演算部623自体が正常であるか否かを判定する。第2制御演算部623自体が正常であるとき、処理は、ステップS540に移行する。また、第2制御演算部623自体が異常であるとき、処理は、ステップS585に移行する。
ステップS530に続くステップS540において、第2制御演算部623は、ステップS240と同様に、第2アクチュエータ20を駆動させる。
続いて、ステップS550において、第2制御演算部623は、ステップS250と同様に、第2液圧P2および第3液圧P3に基づいて、第2駆動回路72が正常であるか否かを判定する。第2駆動回路72が正常であるとき、処理は、ステップS555に移行する。また、第2駆動回路72が異常であるとき、処理は、ステップS585に移行する。なお、第2液圧P2は、上記したように、第1差圧制御弁212と第1増圧制御弁215および第2増圧制御弁218との間のブレーキ液の圧力である。また、第3液圧P3は、上記したように、第2差圧制御弁262と第3増圧制御弁265および第4増圧制御弁268との間のブレーキ液の圧力である。
ステップS550に続くステップS555において、第2制御演算部623は、上記の第3制御演算部633のステップS365と同様に、第1センサ用電源配線821および第2センサ用電源配線822が正常であるか否かを判定する。具体的には、第2制御演算部623は、第1センサ出力Vs1および第2センサ出力Vs2に基づいて、第1センサ用電源配線821および第2センサ用電源配線822が正常であるか否かを判定する。第1センサ用電源配線821および第2センサ用電源配線822が正常であるとき、処理は、ステップS560に移行する。また、第1センサ用電源配線821または第2センサ用電源配線822が異常であるとき、例えば、断線しているとき、処理は、ステップS585に移行する。
ステップS555に続くステップS560において、第2制御演算部623は、上記の第3制御演算部633のステップS370と同様に、第1センサ出力Vs1に基づいて、第1ストロークセンサ861が正常であるか否かを判定する。第1ストロークセンサ861が正常であるとき、処理は、ステップS565に移行する。また、第1ストロークセンサ861が異常であるとき、処理は、ステップS585に移行する。なお、このとき、第2制御演算部623は、第2センサ出力Vs2に基づいて、第2ストロークセンサ862が正常であるか否かを判定してもよい。
ステップS560に続くステップS565において、第2制御演算部623は、上記の第3制御演算部633のステップS375と同様に、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862が正常であるか否かを判定する。具体的には、第2制御演算部623は、センサ出力差Vs1-Vs2に基づいて、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862が正常であるか否かを判定する。第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862が正常であるとき、処理は、上記のステップS570に移行する。また、第1ストロークセンサ861または第2ストロークセンサ862が異常であるとき、第2制御演算部623は、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862のいずれが異常であるかを特定しつつ、処理は、ステップS585に移行する。
ステップS565に続くステップS570において、第2制御演算部623は、上記のステップS260と同様に、第1制御演算部613からの信号に基づいて、第1駆動回路71が正常であるか否かを判定する。第1駆動回路71が正常であるとき、処理は、ステップS580に移行する。また、第1駆動回路71が異常であるとき、処理は、ステップS590に移行する。
ステップS570に続くステップS580において、第2制御演算部623は、上記のステップS270と同様に、第2アクチュエータ20を制御する。具体的には、第2制御演算部623は、通常制御、ABS制御およびVSC制御等を行う。その後、処理は、ステップS500に戻る。
ステップS585において、第2制御演算部623は、上記のステップS280の処理および第3制御演算部633のステップS385と同様に、第1制御演算部613および図示しない報知器に各異常を通知する。
ステップS590において、第2制御演算部623は、上記のステップS290と同様に、車両6の安全を確保するべく車両6を減速および停止させる。その後、処理は、ステップS500に戻る。
このようにして、第2制御演算部623の処理が行われる。
第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、車両用ブレーキシステム1は、第1電源401および第2電源402を備える。これにより、車両用ブレーキシステム1は、第1電源401および第2電源402の一方が故障しても、正常な他方によって電力を確保できるため、車両6を安全に減速および停止させることができる。したがって、車両用ブレーキシステム1の冗長性を確保することができるため、車両用ブレーキシステム1の冗長性が向上する。
(第5実施形態)
第5実施形態では、車両用ブレーキ装置80は、図22に示すように、第3センサ用電源配線823、第3センサ用グランド配線833、第4センサ用電源配線824、第4センサ用グランド配線834をさらに備える。これ以外は、第4実施形態と同様である。
第3センサ用電源配線823は、第1センサ用電源配線821と同様に接続されており、第1ECU51および第1ストロークセンサ861に接続されている。
第3センサ用グランド配線833は、第1センサ用グランド配線831と同様に接続されており、第1ECU51および第1ストロークセンサ861に接続されている。
第4センサ用電源配線824は、第2センサ用電源配線822と同様に接続されており、第2ECU52および第2ストロークセンサ862に接続されている。
第4センサ用グランド配線834は、第2センサ用グランド配線832と同様に接続されており、第2ECU52および第2ストロークセンサ862に接続されている。
第5実施形態においても、第1実施形態および第4実施形態と同様の効果を奏する。また、第5実施形態では、車両用ブレーキ装置80は、第3センサ用電源配線823、第3センサ用グランド配線833、第4センサ用電源配線824、第4センサ用グランド配線834をさらに備える。これにより、上記配線のいずれが断線しても、正常な配線によって、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862に電力が供給される。したがって、車両用ブレーキシステム1の冗長性を確保することができるため、車両用ブレーキシステム1の冗長性が向上する。
(第6実施形態)
第6実施形態では、車両用ブレーキ装置80は、第1センサ用出力配線841、第2センサ用出力配線842、第3センサ用出力配線843、第4センサ用出力配線844を備えないで、第5センサ用出力配線845、第6センサ用出力配線846を備えている。これ以外は、第4実施形態と同様である。
第5センサ用出力配線845は、図23および図24に示すように、第1ECU51および第1ストロークセンサ861に接続されている。
第6センサ用出力配線846は、第2ECU52および第2ストロークセンサ862に接続されている。
この場合、第1制御演算部613は、ステップS400にて、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応する第1センサ出力Vs1を、第1ストロークセンサ861から第5センサ用出力配線845および第1通信部611を経由して取得する。また、第1制御演算部613は、ステップS400にて、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応する第2センサ出力Vs2を、第2ECU52と無線通信することにより取得する。なお、この処理以外は、上記と同様である。
また、第2制御演算部623は、ステップS500にて、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応する第2センサ出力Vs2を、第2ストロークセンサ862から第6センサ用出力配線846および第2通信部621を経由して取得する。さらに、第2制御演算部623は、ステップS500にて、ブレーキペダル81のストローク量Xに対応する第1センサ出力Vs1を、第1ECU51と無線通信することにより取得する。なお、この処理以外は、上記と同様である。
第6実施形態においても、第4実施形態と同様の効果を奏する。また、第6実施形態では、第4実施形態と比較して、配線の数を減らすことができるため、車両用ブレーキ装置80の軽量化および材料費等のコストを削減することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態では、第4実施形態と配線形態が異なるとともに、車両用ブレーキシステム1は、電源切替回路403をさらに備える。また、第1制御演算部613および第2制御演算部623の処理が、第4実施形態における処理とは異なる。これら以外は、第4実施形態と同様である。
第7実施形態では、第1電源401は、図25に示すように、第1ECU51および第2ECU52に電力を供給する。
第2電源402も、第1ECU51および第2ECU52に電力を供給する。
電源切替回路403は、第1ECU51および第2ECU52からの信号に基づいて、第1ECU51および第2ECU52に電力供給する電力源を第1電源401および第2電源402のどちらかに切り替える。
また、ここでは、第1電圧センサ451は、第1電源401から第1ECU51および第2ECU52に印加される電圧に応じた信号を第1ECU51および第2ECU52に出力する。
また、第2電圧センサ452は、第2電源402から第1ECU51および第2ECU52に印加される電圧に応じた信号を第1ECU51および第2ECU52に出力する。
また、第1制御演算部613のステップS410の処理および第2制御演算部623のステップS510の処理が第4実施形態と異なる。これらの処理以外は、第4実施形態と同様である。
次に、図26のフローチャートを参照して、第1制御演算部613のステップS410の処理について説明する。なお、初期状態では、第1ECU51および第2ECU52に電力供給する電力源は、第1電源401に設定されている。
ステップS600において、第1制御演算部613は、ステップS400にて取得した第1電圧Vb1が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるか否かを判定する。第1電圧Vb1が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるとき、第1電源401が正常であるため、処理は、ステップS610に移行する。また、第1電圧Vb1が第1電圧閾値Vb_th1未満であるとき、第1電源401が異常であるため、処理は、ステップS640に移行する。さらに、第1電圧Vb1が第2電圧閾値Vb_th2より高いとき、第1電源401が異常であるため、処理は、ステップS640に移行する。
ステップS600に続くステップS610において、第1制御演算部613は、第1ECU51および第2ECU52に電力供給する電力源を第2電源402にするための信号を電源切替回路403に出力する。これにより、電源切替回路403は、第1ECU51および第2ECU52に電力供給する電力源を、第1電源401から第2電源402に切り替える。
続いて、ステップS620において、第1制御演算部613は、第2電源402から第1ECU51および第2ECU52に印加される電圧である第2電圧Vb2を、第2電圧センサ452から第1通信部611を経由して取得する。また、第1制御演算部613は、この取得した第2電圧Vb2が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるか否かを判定する。第2電圧Vb2が第1電圧閾値Vb_th1以上、第2電圧閾値Vb_th2以下であるとき、第2電源402が正常であるため、処理は、ステップS630に移行する。また、第2電圧Vb2が第1電圧閾値Vb_th1未満であるとき、第2電源402が異常であるため、処理は、ステップS640に移行する。さらに、第2電圧Vb2が第2電圧閾値Vb_th2より高いとき、第2電源402が異常であるため、処理は、ステップS640に移行する。
ステップS620に続くステップS630において、第1制御演算部613は、第1電源401および第2電源402がともに正常であるため、例えば、電源正常フラグをオンにする。その後、処理は、ステップS420に移行する。ステップS420では、上記と同様に、処理が行われる。
ステップS640において、第1制御演算部613は、第1電源401または第2電源402が異常であるため、第1電源401および第2電源402のうち正常な方を特定する。また、第1制御演算部613は、第1ECU51および第2ECU52に電力供給する電力源を正常な方にするための信号を電源切替回路403に出力する。これにより、電源切替回路403は、第1ECU51および第2ECU52に電力供給する電力源を、第1電源401および第2電源402のうち正常な方に切り替える。その後、処理は、ステップS650に移行する。なお、第1電源401および第2電源402の両方が異常であるとき、処理は、ステップS650に移行する。
ステップS640に続くステップS650において、第1制御演算部613は、第1電源401または第2電源402が異常であるため、例えば、電源異常フラグをオンにする。その後、処理は、ステップS490に移行する。ステップS490では、上記と同様に処理が行われる。
このようにして、第1制御演算部613のステップS410の処理が行われる。
また、第2制御演算部623のステップS510の処理は、上記の第1制御演算部613の処理と同様に実行される。したがって、上記の第1制御演算部613が第2制御演算部623に読み替えられる。また、ステップS420がステップS520に読み替えられる。さらに、ステップS490がステップS590に読み替えられる。
第7実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第7実施形態では、第1電源401は、第1ECU51および第2ECU52に電力を供給する。また、第2電源402も、第1ECU51および第2ECU52に電力を供給する。さらに、電源切替回路403は、第1ECU51および第2ECU52からの信号に基づいて、第1ECU51および第2ECU52に電力供給する電力源を第1電源401および第2電源402のうち正常な方に切り替える。これにより、第1電源401および第2電源402のどちらかが異常であっても、第1アクチュエータ10および第2アクチュエータ20を駆動できないことが抑制される。このため、車両6の安全性が向上する。
(第8実施形態)
第8実施形態では、第1ポンプ12によらないで、リザーバ11からのブレーキ液の圧力が増加する。これ以外は、第1実施形態と同様である。
第1アクチュエータ10は、図27に示すように、上記のリザーバ11、第1アクチュエータ用モータ13および第1圧力センサ14に加えて、ギア機構15、アクチュエータ用シリンダ16およびアクチュエータ用ピストン17を有する。
ギア機構15は、図示しないボールねじおよびラックアンドピニオンを有する。また、ギア機構15は、第1アクチュエータ用モータ13に接続されている。このため、ギア機構15は、第1アクチュエータ用モータ13の回転により並進運動する。
アクチュエータ用シリンダ16は、有底筒状に形成されており、リザーバ11に接続されている。このため、リザーバ11内のブレーキ液は、図示しないリザーバ11の穴およびアクチュエータ用シリンダ16の穴を経由して、アクチュエータ用シリンダ16内に流動する。
アクチュエータ用ピストン17は、ギア機構15に接続されており、複数のアクチュエータ用ばね171を有する。これにより、第1アクチュエータ用モータ13の回転によりギア機構15が並進するとき、アクチュエータ用ピストン17は、ギア機構15とともに並進運動する。これにより、アクチュエータ用ピストン17は、アクチュエータ用シリンダ16の軸方向に沿って、アクチュエータ用シリンダ16内を摺動する。また、アクチュエータ用ピストン17が摺動することにより、アクチュエータ用シリンダ16内のブレーキ液の圧力が増加するとともに、第1主管路211および第2主管路261に接続されているアクチュエータ用シリンダ16の図示しない穴が開く。このとき、この液圧が増加したブレーキ液が、アクチュエータ用シリンダ16の図示しない穴から第2アクチュエータ20に向かって流動する。
また、第1駆動回路71から第1アクチュエータ用モータ13への電力供給が停止するとき、第1アクチュエータ用モータ13の回転が停止する。第1アクチュエータ用モータ13の回転が停止したとき、複数のアクチュエータ用ばね171の復元力により、アクチュエータ用ピストン17は、ギア機構15とともに並進運動する。これにより、アクチュエータ用ピストン17は、初期位置に戻る。
第8実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第9実施形態)
第9実施形態では、車両用ブレーキ装置80のハウジング88の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
車両用ブレーキ装置80のハウジング88は、図28に示すように、第1取り付け部881および第2取り付け部882を有しないで、ハウジング底部883およびハウジング筒部884を有する。
ここでは、ハウジング筒部884のうち前側に、ダッシュパネル9の第1穴901に対応する第1ザグリ穴891が形成されている。この第1ザグリ穴891およびダッシュパネル9の第1穴901にボルト887が挿入されていることにより、ハウジング88がダッシュパネル9に取り付けられている。
また、ハウジング筒部884のうち前側に、ダッシュパネル9の第2穴902に対応する第2ザグリ穴892が形成されている。この第2ザグリ穴892およびダッシュパネル9の第2穴902にボルト887が挿入されていることにより、ハウジング88がダッシュパネル9に取り付けられている。
また、ここでは、ハウジング筒部884がハウジング88のうち後側の部分が形成されていないため、ハウジング筒部884とハウジング底部883とにより、ハウジング88は、L字形状の断面を有している。
第9実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第10実施形態)
第10実施形態では、車両用ブレーキ装置80の反力発生部90の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
車両用ブレーキ装置80の反力発生部90の弾性部材91は、図29に示すように、ブレーキペダル81のレバー部812およびハウジング筒部884の後側に接続されている。このとき、車両6の運転者の踏力によってブレーキペダル81が操作されるとき、この踏力に対応する力がレバー部812から弾性部材91に伝達される。これにより、弾性部材91が伸長するため、復元力が発生する。また、この復元力により、レバー部812に対する反力Frが発生する。したがって、第1実施形態と同様に、ストローク量Xと反力Frとは、図7に示すように線形関係になる。なお、第2実施形態におけるダンパ92も、上記と同様に、ブレーキペダル81のレバー部812およびハウジング筒部884の後側に接続されてもよい。
第10実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第11実施形態)
第11実施形態では、車両用ブレーキ装置80のハウジング88、ブレーキペダル81および反力発生部90の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
車両用ブレーキ装置80のハウジング88は、図30に示すように、上記の第1取り付け部881、第2取り付け部882、ハウジング底部883に加えて、第1ハウジング筒部888および第2ハウジング筒部889を有する。
第1ハウジング筒部888は、筒状であって、ハウジング底部883に接続されており、ハウジング底部883から下方に延びている。なお、この場合、第2取り付け部882は、第1ハウジング筒部888に接続されており、第1ハウジング筒部888から下方に延びている。
第2ハウジング筒部889は、筒状であって、ハウジング底部883に接続されており、ハウジング底部883から上方に延びている。なお、この場合、第1取り付け部881は、第2ハウジング筒部889に接続されており、第2ハウジング筒部889から上方に延びている。
また、ブレーキペダル81のレバー部812は、レバー延長部813を有する。このレバー延長部813は、回転軸Oに接続されており、回転軸Oから上方、ここでは、第2ハウジング筒部889に向かって延びている。このため、このレバー延長部813は、第2ハウジング筒部889に収容されている。
車両用ブレーキ装置80の反力発生部90の弾性部材91は、第2ハウジング筒部889の前側およびレバー延長部813に接続されている。このとき、車両6の運転者の踏力によってブレーキペダル81が操作されるとき、この踏力に対応する力がレバー延長部813から弾性部材91に伝達される。これにより、弾性部材91が伸長するため、復元力が発生する。また、この復元力により、レバー部812に対する反力Frが発生する。なお、車両用ブレーキ装置80の反力発生部90の弾性部材91は、第2ハウジング筒部889の後側およびレバー延長部813に接続されてもよい。このとき、車両6の運転者の踏力によってブレーキペダル81が操作されるとき、弾性部材91が圧縮するため、復元力が発生する。また、この復元力により、レバー部812に対する反力Frが発生する。また、第2実施形態におけるダンパ92も、上記と同様に、第2ハウジング筒部889の前側およびレバー延長部813に接続されてもよい。さらに、第2実施形態におけるダンパ92も、第2ハウジング筒部889の後側およびレバー延長部813に接続されてもよい。
第11実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
本開示に記載の制御部等およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部等およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部等およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(1)上記実施形態では、車両用ブレーキシステム1は、電源40を備えている。また、車両用ブレーキシステム1は、第1電源401および第2電源402を備えている。これに対して、電源の数は、1つや2つに限定されないで、3つ以上であってもよい。
(2)上記実施形態では、車両用ブレーキシステム1は、第1マイコン61および第2マイコン62を備えている。また、車両用ブレーキシステム1は、第3マイコン63を備えている。マイコンの数は、1つや2つに限定されないで、3つ以上であってもよい。
(3)上記実施形態では、車両用ブレーキシステム1は、第1液圧発生部に対応する第1アクチュエータ10および第2液圧発生部に対応する第2アクチュエータ20を備えている。液圧発生部の数は、2つに限定されないで、3つ以上であってもよい。
(4)上記実施形態では、車両用ブレーキシステム1は、第1駆動回路71および第2駆動回路72を備えている。駆動回路の数は、2つに限定されないで、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
(5)上記実施形態では、車両用ブレーキ装置80は、センサ用電源配線82、センサ用グランド配線83、第1センサ用出力配線841および第2センサ用出力配線842を備えている。各配線の数は、1本や2本に限定されないで、3本以上であってもよい。
(6)上記実施形態では、車両用ブレーキ装置80は、ストロークセンサ86を備える。また、車両用ブレーキ装置80は、第1ストロークセンサ861および第2ストロークセンサ862を備える。これに対して、ストロークセンサの数は、1つや2つに限定されないで、3つ以上であってもよい。
(7)上記実施形態では、車両用ブレーキ装置80の反力発生部90は、弾性部材91を有する。これに対して、弾性部材91の数は、1つに限定されないで、2つ以上であってもよい。また、車両用ブレーキ装置80の反力発生部90は、ダンパ92を有する。ダンパ92の数は、1つに限定されないで、2つ以上であってもよい。
(8)第1実施形態~第11実施形態が適宜組み合わされてもよい。
また、第3実施形態の車両用ブレーキシステム1は、第1電源401、図31に示すように、第2電源402、電源切替回路403、第1電圧センサ451、第2電圧センサ452を備えてもよい。また、第3実施形態の車両用ブレーキシステム1の第3ECU53は、第1マイコン61、第2マイコン62、第1駆動回路71、第2駆動回路72を有してもよい。
また、第1駆動回路71は、第1アクチュエータ10の駆動に加えて、第1制御演算部613からの信号に基づいて、第2アクチュエータ用モータ30に電力を供給することにより、第2アクチュエータ20を駆動させてもよい。さらに、第2駆動回路72は、第2アクチュエータ20の駆動に加えて、第2制御演算部623からの信号に基づいて、第1アクチュエータ用モータ13に電力を供給することにより、第1アクチュエータ10を駆動させてもよい。
(9)上記実施形態では、弾性部材91は、圧縮コイルばねである。これに対して、弾性部材91は、引張ばねであってもよく、等間隔ピッチばねであることに限定されないで、円錐ばねおよび不等間隔ピッチばね等であってもよい。