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JP7486187B2 - 塔型風力発電設備の解体方法 - Google Patents
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JP7486187B2 - 塔型風力発電設備の解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、風力発電設備の解体方法、特に塔型の風力発電設備の解体方法に関する。
塔型の風力発電設備は、例えば下記特許文献1に記載されるように、多くの場合、塔体の上端部に風力発電機を備える。また、塔体の内部は円形断面の空洞である。こうした塔型風力発電設備は、風力発電効率を追求するため、平均風速が高く、風向が安定しており、乱れが少ない、いわゆる風況の良い地点、つまり山の上や海上(洋上)など、様々な場所に設営される。
この種の塔型風力発電設備の寿命は20~30年(日本国における耐用年数は17年)とされている。寿命又は耐用年数となった塔型風力発電設備は、他の発電設備と同様に解体される。また、落雷や台風などにより事故・故障となり、寿命より手前で解体される場合もある。従来の塔型風力発電設備の解体方法は、建設時の建設方法と同様に、塔の周囲に足場を組み、大型揚重機を発電設備の近傍に移動又は輸送し、この大型揚重機を用いて風力発電機及び塔体を解体する。
特開2012-102692号公報
しかしながら、大型揚重機を用いる塔型風力発電設備の解体工事には、例えば、大型揚重機の使用に伴うコスト高、大型揚重機の輸送、大量の足場等資機材の輸送といった問題があり、更には、大型揚重機の使用に支障のない広大な作業領域を必要とする。また、塔型風力発電設備は通常風の強い場所に設営されることから、強風の影響を受けやすい大型揚重機では、頻繁に解体作業の中断を余儀なくされる。具体的に、クレーン等安全規則によれば、10分間の平均風速10m以上で作業中止とされる。
近年の高出力化に伴って、塔型風力発電設備は更に巨大化しており、寿命又は耐用年数となって解体が必要な塔型風力発電設備の中には、塔体全体が上方に向かって先細りとなった形状のものが解体対象となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、大型揚重機を用いることなく、全高に亘って上方先細りの塔体を解体することができ、工事期間の短縮を達成することも可能な塔型風力発電設備の解体方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の塔型風力発電設備の解体方法は、
全高に亘って上方先細りで且つ中空の塔体と、該塔体の上端部に設けられた風力発電機と、を備えた塔型風力発電設備の解体方法において、
前記塔体の設置面から所定高さまで伸長し、上部にジャッキが設けられた内部支柱を前記塔体の内部空洞内に構築する内部支柱構築工程と、前記塔体の内壁の所定位置に係止される係止部材を介して前記ジャッキによって前記係止部材の係止位置より上方の全設備の荷重以上の支持力を前記塔体に上向きに加える塔体上側部支持準備工程と、作業者が載って作業可能な作業台を所定位置に設置する作業台設置工程と、前記作業台での作業により前記係止部材の係止位置よりも下部の所定領域を塔体全周に亘って切断除去する塔体途中領域除去工程と、該塔体途中領域除去工程の後、前記ジャッキによって支持されている塔体上側部分を下降させて残存する塔体下側部分の内側に着地する塔体上側部下降着地工程と、を有し、前記着地された塔体に対して前記塔体上部支持準備工程を行い、以降、前記塔体途中領域除去工程、前記塔体上側部下降着地工程を順次繰り返し、前記塔体を順次低くしていくことを特徴とする。
この構成によれば、係止部材を介して内部支柱の上部のジャッキによって塔体の上側部分の支持準備が行われる。その状態で、係止部材の係止位置よりも下部の塔体の所定領域、すなわち設置又は着地状態にある塔体の途中領域が切断除去される。その結果、切断除去領域よりも上側部分の塔体はジャッキによって支持され、下側部分はそれと分離されて着地している。全高に亘って上方先細りの塔体では、この分離された塔体の上側部分はそれより下側部分の塔体よりも外径が小さいので、支持された状態の塔体の上側部分は塔体の下側部分の内側の空間内に着地させることができる。そして、着地された塔体に対して、再度、上記塔体上側部支持準備工程、すなわちジャッキによって係止部材を介してそれより上側部分の塔体の設備全体の荷重を支持する支持力を上向きに加える工程を行い、順次、それ以降の工程を繰り返すことによって、着地状態の下側塔体の内側に上側塔体の下部を順次着地させていくことができる。
これにより、塔体は所定の高さで下側から順に同心円状に着地され、全体が低い構造物となる。その後、比較的低い位置での塔体の解体作業を行うことが可能となる。また、上記塔体高さの低下作業中や上記解体作業を行っている間、切断されて着地している塔体部分は、外側の塔体内に鞘状に収まっており、それらの倒れが防止される。また、上記解体作業時、上記内部支柱及びジャッキは上記同心円状の塔体部分の最内側に残存しているので、これを解体作業に用いることも可能である。以上のように、作業困難性の原因となる大型揚重機を用いることなく、比較的低い位置での解体作業が可能となり、結果として工事期間の短縮や解体作業性の向上が図られる。
また、本発明の他の構成は、前記塔体上側部支持準備工程は、前記塔体の内壁から塔内に突設されたフランジに前記係止部材を下方から当接させて係止することを特徴とする。
この構成によれば、全高に亘って上方先細りの塔体は、上方先細り円筒状の塔体部材の内壁の上下端部から塔内に突出するフランジを介してそれらの塔体部材同士を高さ方向に連結・接続して構成されることが多いので、このフランジに下方から上記係止部材を当接させることにより、それより上側部分の塔体を安定して且つ確実に支持することができる。
本発明の更なる構成は、前記塔体上側部支持準備工程、前記塔体途中領域除去工程、及び前記塔体上側部下降着地工程の繰り返し工程における前記塔体途中領域除去工程に先立ち、前記着地された下側部分の塔体の内壁の内側まで垂下する規制部材を前記上側部分の塔体の下端部のフランジに挿通して設置する規制部材設置工程を有することを特徴とする。
この構成によれば、上記塔体の上側部分が上記フランジの下面に当接された係止部材で支持されている状態で、それより下部の所定領域を切断除去する際、上記塔体の上側部分の下端部のフランジから垂下された規制部材が塔体の下側部分の内部に入り込んでその内壁の内側に位置しているので、その切断除去作業中、それら規制部材が規制体となって塔体の上側部分の倒れが抑制・防止される。
前記作業台設置工程は、前記作業台を前記塔体の外周全周に亘って設置することを特徴とする。
この構成によれば、作業台に載って塔体を塔体の外側から解体する際、作業環境が安定し、効率よく解体作業を行うことが可能となる。
本発明の更なる構成は、前記塔体の下端部に設備搬入用の開口部を形成する開口部形成工程を前記内部支柱構築工程の前に含むことを特徴とする。
この構成によれば、設備搬入用の開口部から内部支柱部材やジャッキを搬入することにより、塔体内の内部支柱の構築や内部支柱上部へのジャッキの設置(移動)を容易に行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、大型揚重機を用いる必要も、解体作業を頻繁に中断する必要もなく、塔型風力発電設備の解体工事期間を短縮することも可能となることから、塔型風力発電設備の解体工事のコストを低廉化することが可能となる。
本発明の塔型風力発電設備の解体方法が適用された塔型風力発電設備の一実施の形態を示す概略構成一部断面正面図である。 図1の塔型風力発電設備の説明図である。 図1の塔型風力発電設備の解体方法の概要の説明図である。 図1の塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の塔型風力発電設備の解体方法に用いられる作業台の平面図である。 図1の塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。
以下に、本発明の塔型風力発電設備の解体方法の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態の解体方法が適用された塔型風力発電設備の解体開始時の状態を示す一部断面正面図である。なお、図1では、後述するブレード6(図2参照)が省略されているが、このブレード6は、解体に先立って除去されてもよいし、残存されたままでもよいし、或いは、中間部で切断除去するなどしてもよい。この塔型風力発電設備は、既存の塔型風力発電設備と同様に、塔体1の上端部に風力発電機2を備え、一般に、塔体1の内部は断面円形の内部空洞3になっている。この塔体1の内部空洞3には、例えば風力発電機2の保守・点検を行う人が登れるように、元来は、図示しない梯子やエレベータなどが設けられている。塔体1の高さや大きさは、例えば風力発電設備の設営場所によってさまざまであるが、この実施の形態の塔体1の高さは、ハブ7の中心位置で55mである。この塔型風力発電設備、特に塔体1のサイズについては後述する。なお、塔体1の内部空洞3が部分的に閉塞されているような場合には、内部空洞3が連続するように閉塞を除去する。
図2は、図1の塔型風力発電設備の解体前の説明図であり、図2(a)は正面図、図2(b)は右側面図である。塔体1の頂部の風力発電機2は、ローター4及びナセル5を有する。ローター4は風力発電機2の回転子であり、ナセル5は、風力発電機2の主要機器を収納する収納部(筐体)である。ローター4は、風車の翼を構成するブレード6、ブレード6を主軸に接続するためのハブ7などを備えて構成され、ハブ7はロータカバーで覆われている。ナセル5内には、主として主軸の回転速度を増速するトランスミッション、増速された回転軸から起電する発電装置などが収納されている。また、ナセル5の下部には、ローター4の向き、つまりヨー軸をナセル5ごと調整する図示しないヨー調整装置などが設けられている。また、塔体1の下部には、上記発電装置で起電された電力を系統に適した電力に変換する図示しない変電装置なども配設されている。
この実施の形態の塔型風力発電設備は、図2より明らかなように、塔体1が全高に亘って上方先細りである。この実施の形態では、合計で5つの筒状塔体部材10を上方に積み上げるようにして塔体1が構築されており、全ての筒状塔体部材10-1~10-5は上方先細りの円筒形状、つまり外観が円錐台形状の筒体であり、その内部空洞3も上方先細りである。この実施の形態の塔体1の下端部の外径は4.0m、塔体頂部、すなわちナセル5直下における塔体1の外径は2.0mである。ちなみに、上記ブレード6の長さは約22mであり、ブレード6を含む塔型風力発電設備の最大高さは約77mである。これらのサイズ(寸法)は、あくまでも一例である。また、上記筒状塔体部材10は、20~40mm程度の鋼板からなる、いわゆる鉄皮構造である。なお、筒状塔体部材10は、その内壁の上下端部から筒内に突設されたリング状のフランジ23を介して連結・接続されている。具体的には、上側の筒状塔体部材10の下端部のフランジ23と下側の筒状塔体部材10の上端部のフランジ23を重ね合わせ、両フランジ23に形成された貫通穴8(図5参照)にボルトを挿通し、その突出部にナットを螺合し締付けて双方の筒状塔体部材10を連結・接続する。
前述したように、塔型風力発電設備の寿命は20~30年、日本国での耐用年数は17年であり、寿命や耐用年数となった塔型風力発電設備は解体される。図2は、この実施の形態で塔型風力発電設備の解体作業が行われる前の状態を示しており、この実質的な解体工事の準備といえる作業では、塔体1の下端部に、設備搬入用の開口部14を形成する(開口部形成工程)。この実施の形態の解体方法では、塔体1を支持するためのジャッキを搭載する内部支柱部材やジャッキ自体などを塔体1の内部空洞3に搬入する必要がある。一般に、塔体1の下端部には、人が入れる程度の入口Eがあるが、そこからでは設備(設備用部材)を搬入することは困難である。そのため、例えば上記入口Eを拡げて設備(設備用部材)を搬入可能な大きさの開口部14を形成し、必要に応じてその開口部周辺の補強を行う。また、この実施の形態では、解体作業に先立ち、解体中の塔体1の倒壊を防止するために、例えば図1に示すように、塔体1の上端部に連結された倒壊防止用ワイヤロープ11の下端部を地表に固定する。この倒壊防止用ワイヤロープ11には、例えば、張力自動調整装置12を介装して、倒壊防止用ワイヤロープ11に作用する張力が一定になるようにする。なお、以下の説明では、この塔体倒壊防止用ワイヤロープ11を省略する。
図3は、この実施の形態の塔型風力発電設備の解体方法の概要を示す説明図であり、図の左方から順に解体が進められる。この解体方法では、塔体1を構成する下から2番目の上記筒状塔体部材10-4の位置で、それより上側部分の塔体1、つまり凡そ残りの筒状塔体部材10-1~10-4及び風力発電機2の全荷重を支持し(塔体上側部支持準備工程)、その状態で、1番下の筒状塔体部材10-5の上端部(正確には上端部のやや下方の部分)の所定領域(塔体1としては下部の途中領域)を全周に亘って切断除去する(塔体途中領域除去工程)。作業は、後述するように、塔体1の外壁の外側に足場部材を組み上げて設置された作業台15に載って塔体1の外側から行う。切断除去で生じた解体物は、例えば、作業台15に取付けられた図示しない揚重装置を用いて塔体1の外側から下降する。1番下の筒状塔体部材10-5の上端部を除去すると、残存する塔体1の上側部分、すなわち残りの塔体部材10-1~10-4が塔体1の下側部分、すなわち1番下の筒状塔体部材10-5から切り離される。この切り離された塔体1の上側部分の外径は塔体1の下側部分の外径より小さいので、その塔体1の上側部分を塔体1の下側部分の内部空洞3内に下降して内部空洞3の地上に着地させる(塔体上側部下降着地工程)。その結果、塔体1の上側部分は、その下部が塔体1の下側部分、すなわち1番下の筒状塔体部材10-5内に鞘状に収容され、そこから上方に突出しているので、例えば、下から3番目であった筒状塔体部材10-3の位置で、それより上側部分の塔体1の全荷重を支持し(塔体上側部支持準備工程)、その状態で下から2番目の筒状塔体部材10-4の上端部の所定領域(塔体1としては下部の途中領域)を切断除去し(塔体途中領域除去工程)、切り離された塔体1の上側部分を下降して下から2番目の筒状塔体部材10-4の内部空洞3の地上に着地させる(塔体上側部下降着地工程)と共に、それによって生じた解体物を、例えば上記揚重装置を用いて塔体1の外側から下降する。
そしてこれらの工程を繰り返すことにより、1番下の筒状塔体部材10-5の内側に下から2番目の筒状塔体部材10-4を収容し、その内側に下から3番目の筒状塔体部材10-3を収容し、その内側に下から4番目の筒状塔体部材10-2を収容し、その内側に1番上の筒状塔体部材10-1を収容するようにして塔体1を同心円状に大まかに分解することができる。この間、1番下の塔体部材10-5を除く全ての筒状塔体部材10-1~10-4は、その外側の塔体部材内に鞘状に収容されているので、それら内側に収容される塔体部材の倒れが防止される。このようにして、最終的に残存する塔体1の上端部が地上まで下降されたら、全ての筒状塔体部材10-1~10-5を比較的低い位置で解体する。なお、地上まで下降された全ての塔体部材10-1~10-5は、十分に低く、或いは十分に小さいので、解体せず、小型クレーンなどの重機を用いて搬出してもよい。また、塔体1の内部空洞3に設けられている前述の梯子やエレベータなどは適宜のタイミングで撤去する。
上記塔体上側部支持準備工程において、上記切断除去領域より上側部分の塔体1は、塔体1の内部から支持する。そのため、塔体1の内部空洞3には、上記下から2番目の筒状塔体部材10-4の下端部のやや上方位置まで内部空洞3の地上、すなわち塔体1の設置面から連続する内部支柱16を立て(内部支柱構築工程)、この内部支柱16に設けたジャッキ17で上記塔体1の上側部分を支持する。すなわち、ジャッキ17は、塔体1の上側部分の全荷重を支持する支持力を塔体1に上向きに付与する。ジャッキ17は、例えば、内部支柱16の上端部に取付けられる。ジャッキ17を塔内で支持することから内部支柱16と称しているが、実際には、例えば、折り畳み型の足場部材16aを用い(図4など参照)、これを、例えば内部空洞3の上方位置、例えばナセル5に取付けた図示しない揚重装置で吊り上げながら、その下端部に個別の足場部材16aを継ぎ足し、これを順次繰り返して、塔体1の内部空洞3に内部支柱16を構築する。したがって、内部支柱16が足場部材16aで構成されていることから、この足場部材16aに載って塔内から各種作業を行うこともできる。上記塔体1の上側部分を支持する方法については、後述する。
また、内部支柱構築工程に伴って、又は、それと前後して、塔体1の外壁の外側に作業台15を設置する(作業台設置工程)。この作業台15は、作業者がそれに載って作業を行うためのものであり、この実施の形態では、塔体1の外壁の外側で地上から足場部材を組上げて構築している。また、この実施の形態では、後述するように、作業台15を塔体1の外周全周に亘って設ける。この作業台15の高さ範囲は、少なくとも上記内部支柱16の高さ位置までの領域とし、必要に応じて、それより高く設定してもよい。このほか、例えば、作業台15を上記1番下の筒状塔体部材10-5の外壁の所定高さ(凡そ上端部の高さ)位置にのみ、その外壁に取付けるようにして設置することも可能である。
図4は、塔型風力発電設備、具体的には塔体1の解体開始直前の構成を示している。前述したように、塔体1を構成する上記1番下の筒状塔体部材10-5と下から2番目の筒状塔体部材10-4の連結・接続位置は図のフランジ23の位置である。図から明らかなように、塔体1の内部空洞3には、内部空洞3内の地上から、上記下から2番目の筒状塔体部材10-4の下端部のやや上方位置まで連続する上記内部支柱16が上記折り畳み型の足場部材16aを積み上げて構築されている(内部支柱構築工程)。また、塔体1の外壁の外側には、塔体1を囲繞する上記作業台15が地上から組上げ設置されている(作業台設置工程)。この作業台15は、足場部材を組んで構築されているが、その詳細は次段で説明する。
図5は、図4の上端部で上記下から2番目の筒状塔体部材10-4を水平方向に切断して上方から見た平面図である。同図に示すように、上記作業台15は、方形板状の床板(布板)部材24を8つ、塔体1の外壁の外側に等配し、それらの隙間を平面視三角形の隙間用床板部材24aで閉塞するようにして連結したものであり、前述のように塔体1の外周全周に亘って設けられている。この実施の形態では、図4に示すように、これらの床板部材24を上下に7段設け、それらを支柱部材25や手摺部材26で連結すると共に、壁繋ぎ部材27で塔体1(筒状塔体部材10-5)の外壁に固定している。
また、図4、図5から明らかなように、内部支柱16の上端には、例えばH型鋼で構築した平面視八角形の架台19の上面に4つのジャッキ17が搭載されている。このジャッキ17は、上下方向に伸長するステップロッド20を伸長方向に継ぎ足したり取り除いたりすることで、例えば吊り下げられている重量物を上下方向に移動したり、その吊り下げ状態で維持したりすることができるものである。このステップロッド20の下端部には、例えばH型鋼で構築した支持台21が連結されており、この支持台21の上面に4枚の略円板状の係止部材22a~22dが重合状態で搭載されている(図9参照)。
この略円板状の係止部材22a~22dは、何れも、例えば25mm程度の厚さの鋼板で構成され、上記フランジ23と同等の径(半径又は直径)の円形外周面を有する。例えば、図4の状態で、この略円板状の係止部材22a~22dを上記フランジ23の下方から上記ジャッキ17で支持台21と共に吊り上げていくと、係止部材22a~22dの外周部がフランジ23の下面に当接し、それ以上、上昇できなくなる(この状態で係止状態となる)。すなわち、ジャッキ17は、係止部材22の当接部分でそれより上方の全設備の荷重を支持する上向きの支持力を塔体1に付与することが可能となる(塔体上側部支持準備工程)。その状態で、1番下の筒状塔体部材10-5の上端部のうち、例えば図4の上下の一点鎖線の間の部分を切断除去すると、それより上方の全設備の荷重が上記係止部材22a~22d及び支持台21を介してジャッキ17で支持される。このようにフランジ23を介して上記塔体1の上側部分の荷重をジャッキ17で支持した状態で、後述するように、上記ステップロッド20を伸長して塔体1の上側部分を下降し、更に内部空洞3内の地上に着地させる。なお、筒状塔体部材10の上端部の切断除去領域は後述の条件を満たす限り適宜に設定してよい。
ここで、上記5つの筒状塔体部材10-1~10-5を連結するための4カ所のフランジ23は、塔体1が全高に亘って上方先細りであることから、上方のフランジ23ほど径(半径又は直径)が小さい。前述のように、重合された4枚の係止部材22a~22dを上から順に用いて、最初に下から2番目の筒状塔体部材10-4の下端部のフランジ23を支持しながら下降し、次いで下から3番目の筒状塔体部材10-3の下端部のフランジ23を支持しながら下降し、次に下から4番目の筒状塔体部材10-2の下端部のフランジ23を支持しながら下降し、最後に1番上の筒状塔体部材10-1の下端部のフランジ23を支持しながら下降する場合、それぞれのフランジ23に当接される係止部材22a~22dの外径を少しずつ小さくする必要がある。そこで、最初に使用される1番上の係止部材22aの外径を下から2番目の筒状塔体部材10-4の下端部のフランジ23の直径相当とし、2番目に使用される上から2番目の係止部材22bの外径を下から3番目の筒状塔体部材10-3の下端部のフランジ23の直径相当とし、3番目に使用される上から3番目の係止部材22cの外径を下から4番目の筒状塔体部材10-2の下端部のフランジ23の直径相当とし、最後に使用される1番下の係止部材22dの外径を1番上の筒状塔体部材10-1の下端部のフランジ23の直径相当とした。
図5には、上記係止部材22a~22dの外形を合わせて示す。前述のように、上下の筒状塔体部材10(10-5、10-4)を連結・接続するためのフランジ23には、上記ボルトを挿通するための貫通穴8が形成されている。フランジ23の塔内への突出寸度は150mm程度であり、上記ボルト挿通用の貫通穴8は、フランジ23の周方向に沿ってその突出方向中央部に一列に多数形成されている。上記係止部材22a~22dの円形外周部の外径は、例えば、この貫通穴8の形成位置に相当する直径よりもやや大きい直径とした。そして、この実施の形態では、例えば、上記係止部材22a~22dの円形外周部を4カ所のみ等配に残し、その間の部分を直線状に除去した。例えば、前述のように、フランジ23の下面に係止部材22a~22dを当接する場合、貫通穴8に挿通されているボルトやそれに螺合されているナットが支障となることがある。そこで、係止部材22a~22dの当接領域だけ、ボルトやナットを除去し、その他の部分はボルト・ナットの締結状態を残すことで、上下の筒状塔体部材10の連結状態を維持することができる。また、後述するように、フランジ23の貫通穴8に棒状の規制部材9を挿通して設置する場合には、上記係止部材22a~22dの円形外周部が除去されている部分を使用することができる。なお、上記係止部材22a~22dの円形外周部及びその除去部の組合せは一例である。また、円形外周部を除去しなくともよい。
図4の1点鎖線間の切断除去が完了したら、前述のように塔体1の上側部分を上記ジャッキ17で支持しながらステップロッド20を伸長して下降すると、図6に示すように、塔体1の上側部分は塔体1の下側部分、具体的には1番下の筒状塔体部材10-5の内部空洞3内、すなわち内側に下降される。この塔体1の上方先細り形状の上方向への縮小率は、塔体1の高さ1mあたり、半径で20mm程度であり、図4の上下の一点鎖線間の高さ方向の距離は2.5m程度であることから、塔体1の上側部分の下端部の外径と塔体1の下側部分の上端部の外径の差は半径で約50mmである。前述のように、塔体1を構成する筒状塔体部材10-1~10-5の壁部、すなわち鉄皮の厚さは20~40mmであるので、この厚さ分より外径が小さい塔体1の上側部分は塔体1の下側部分の内部空洞3内に降ろすことができる。
このようにして塔体1の上側部分が塔体1の下側部分の内部空洞3内に下降され始めたら、塔体1の上側部分をジャッキ17で支持しながらステップロッド20を更に伸長して下降し、図7に示すように、切断除去された塔体1の上側部分の下端部を塔体1の下側部分の内部空洞3の地上に当接させて塔体1の上側部分を内部空洞3内に着地させる。こうして塔体1の上側部分が内部空洞3内に着地されたら、フランジ23に当接されている1番上の係止部材22aを取り除く。1番上の係止部材22aを取り除く際には、例えば、ステップロッド20を少し伸長するようにして重合されている係止部材22a~22dを支持台21ごとジャッキ17によって少し下降する。こうして1番上の係止部材22aとフランジ23の間に隙間ができたら、その係止部材22aと当接する領域のフランジ23を切断除去する。これにより1番上の係止部材22aの上方に空間ができるので、この空間を利用して、例えば1番上の係止部材22aを切断するなどして取り除く。
1番上の係止部材22aが取り除かれると、それまで上から2番目だった係止部材22bが1番上の係止部材となる。この係止部材22bは、下から3番目の筒状塔体部材10-3の下端部のフランジ23の直径相当であるから、ジャッキ17によって支持台21ごと係止部材22bを上昇させると、その係止部材22bが下から3番目の筒状塔体部材10-3の下端部のフランジ23の下面に当接する。そこで、ジャッキ17によってそれより上側部分の塔体1を支持するための支持力を付与し、その状態で、上記図4と同様に下から2番目の筒状塔体部材10-4の上端部の所定領域を切断除去し、その切断箇所より上側部分の塔体1をジャッキ17で下降して塔体1の下側部分の内部空洞3内に着地させる。塔体1の上側部分が塔体1の下側部分の内部空洞3内に着地されたら、前述と同様に、1番上にある係止部材22bを取り除き、当初、上から3番目だった係止部材22cを1番上の係止部材とする。これを繰り返すことにより、図8に示すように、1番上の筒状塔体部材10-1からなる塔体1の上端部が分解された塔体1の下側部分の内部空洞3内に着地される(上記図3の最終的段階)。なお、ブレード6を含む風力発電機2は、適時に解体してよい。
図9は、1番下の筒状塔体部材10-5の上端部の所定領域を切断除去した状態の詳細図である。前述したように、下から2番目の筒状塔体部材10-4の下端部のフランジ23の下面に4枚重ねの1番上の係止部材22aが当接されてそれより上側部分の塔体1が支持されていることが分かる。同様に、図10は、下から2番目の筒状塔体部材10-4の上端部の所定領域を切断除去した状態の詳細図である。図から明らかなように、当初上から2番目だった係止部材22bが1番上の係止部材となり、その係止部材22bが下から3番目の筒状塔体部材10-3の下端部のフランジ23の下面に当接されてそれより上側部分の塔体1が支持されていることが分かる。同様に、図11は、下から3番目の筒状塔体部材10-3の上端部の所定領域を切断除去した状態の詳細図である。図から明らかなように、当初上から3番目だった係止部材22cが1番上の係止部材となり、その係止部材22cが下から4番目の筒状塔体部材10-2の下端部のフランジ23の下面に当接されてそれより上側部分の塔体1が支持されていることが分かる。同様に、図12は、下から4番目の筒状塔体部材10-2の上端部の所定領域を切断除去した状態の詳細図である。図から明らかなように、当初上から4番目だった、つまり1番下だった係止部材22dが1番上の係止部材(それしか残っていない)となり、その係止部材22dが1番上の筒状塔体部材10-1の下端部のフランジ23の下面に当接されてそれより上側部分の塔体1が支持されていることが分かる。なお、図12では、先に着地されていた下から2番目の筒状塔体部材10-4の上端部及び下から3番目の筒状塔体部材10-3の上端部が、下から4番目の筒状塔体部材10-2の上端部の切断除去の支障となったので、それらの上端部を別途切断除去している。
また、図9~図12では、上記フランジ23の貫通穴8に棒状の規制部材9を挿通している状態を表している。前述のように、係止部材22a~22dの円形外周部が除去されている部分において、フランジ23の貫通穴8に挿通されているボルト・ナットを取り外し、その貫通穴8に棒状の規制部材9を差し込んで先端部を垂下させる。この棒状の規制部材9の垂下先端部は、塔体1の下側部分の内壁の内側に位置しているので、例えば塔体1の上側部分が傾斜したときに、それら規制部材9が傾斜の規制体となるから塔体1の上側部分の傾斜がそこで規制され、結果的に塔体1の上側部分の倒れが防止される。この実施の形態では、棒状の規制部材9の上端部に大径部9aを設け、これより下方の棒状部を貫通穴8に差し込むだけの構成としているが、例えば棒状部の上端部に雄ねじを形成し、この雄ねじにナットを螺合し締め付けて規制部材9をフランジ23に固定するようにしてもよい。また、棒状の規制部材9の垂下下端部を個別の連結部材で互いに連結する構成も可能である。なお、棒状の規制部材9を差し込む貫通穴8の位置は適宜に設定してよい。また、規制部材9を用いる以外の塔体倒れ防止構造も適用及び併用可能である。
また、この実施の形態では、着地された塔体1、すなわち分断された筒状塔体部材10の上端部同士をねじ鉄筋13及びロックナット18で互いに連結するようにしている。この連結は、例えば、図10~図12、及び図8に見られるように、塔体1の上側部分が着地されるたびに行うようにしている。これにより、着地された塔体1の上側部分の傾斜や倒れが防止され、互いに鞘状に収容されている塔体1同士の間隔を適正に維持することもできる。また、塔体1の下側部分の内部空間3内に塔体1の上側部分が下降される際、塔体1の上側部分が塔体1の下側部分内に円滑に収容されるような構成を適用することも可能である。
このように、この実施の形態の塔型風力発電設備の解体方法では、塔体1は所定の高さで下側から順に同心円状に着地され、全体が低い構造物となるので、その後、比較的低い位置で塔体1の解体作業を行うことが可能となる。また、上記塔体高さの低下作業中や上記解体作業を行っている間、切断されて着地している筒状塔体部材10は、外側の筒状塔体部材10の内側に鞘状に収まっており、それらの倒れが防止される。このように、この実施の形態の塔型風力発電設備の解体方法によれば、作業困難性の原因となる大型揚重機を用いることなく、比較的低い位置での解体作業が可能となり、結果として工事期間の短縮や解体作業性の向上が図られる。
また、全高に亘って上方先細りの塔体1は、上方先細り円筒状塔体部材10の内壁の上下端部から塔内に突出するフランジ23を介してそれらの塔体部材10同士を高さ方向に連結・接続して構成されることが多いので、このフランジ23に下方から上記係止部材22a~22dを当接させることにより、それより上側部分の塔体1を安定して且つ確実に支持することができる。
また、上記塔体1の上側部分が上記フランジ23の下面に当接された係止部材22a~22dで支持されている状態で、それより下部の所定領域を切断除去する際、上記塔体1の上側部分の下端部のフランジ23から垂下された規制部材9が塔体1の下側部分の内部に入り込んでその内壁の内側に位置しているので、その切断除去作業中、それら規制部材9が規制体となって塔体1の上側部分の倒れが抑制・防止される。
また、作業台15を塔体1の外周全周に亘って配置することにより、作業台15に載って塔体1を塔体1の外側から解体する際、作業環境が安定し、効率よく解体作業を行うことが可能となる。
また、塔体1の下端部に設備搬入用の開口部14を形成することにより、この開口部14から内部支柱部材やジャッキ17を搬入することができ、塔体1内の内部支柱16の構築や内部支柱16の上部へのジャッキ17の設置(移動)を容易に行うことが可能となる。
以上、実施の形態に係る塔型風力発電設備の解体方法について説明したが、本件発明は、上記実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、本件発明の要旨の範囲内で種々変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、筒状塔体部材10を連結するためのフランジ23の下面に係止部材22a~22dを当接させて、それより塔体1の上側部分を支持する構成としたが、この係止部材22a~22dが当接(係止)される部位は、塔体1、具体的には筒状塔体部材10の内壁部分であればどの箇所であってもよい。しかし、係止部材22a~22dをフランジ23の下面に当接させることで、それより上側部分の塔体1を容易且つ確実に、また安定して支持することが可能となる。
また、上記全ての筒状塔体部材10を同心円状に着地させてからの解体作業時、上記内部支柱16及びジャッキ17はそれら同心円状の筒状塔体部材10の最内側に残存しているので、これを解体作業に用いることも可能である。
1 塔体
2 風力発電機
3 内部空洞
9 規制部材
14 開口部
15 作業台
16 内部支柱
17 ジャッキ
22a~22d 係止部材
23 フランジ

Claims (5)

  1. 全高に亘って上方先細りで且つ中空の塔体と、該塔体の上端部に設けられた風力発電機と、を備えた塔型風力発電設備の解体方法において、
    前記塔体の設置面から所定高さまで伸長し、上部にジャッキが設けられた内部支柱を前記塔体の内部空洞内に構築する内部支柱構築工程と、
    前記塔体の内壁の所定位置に係止される係止部材を介して前記ジャッキによって前記係止部材の係止位置より上方の全設備の荷重以上の支持力を前記塔体に上向きに加える塔体上側部支持準備工程と、
    作業者が載って作業可能な作業台を所定位置に設置する作業台設置工程と、
    前記作業台での作業により前記係止部材の係止位置よりも下部の所定領域を塔体全周に亘って切断除去する塔体途中領域除去工程と、
    該塔体途中領域除去工程の後、前記ジャッキによって支持されている塔体上側部分を下降させて残存する塔体下側部分の内側に着地する塔体上側部下降着地工程と、を有し、
    前記着地された塔体に対して前記塔体上側部支持準備工程を行い、以降、前記塔体途中領域除去工程、前記塔体上側部下降着地工程を順次繰り返し、前記塔体を順次低くしていくことを特徴とする塔型風力発電設備の解体方法。
  2. 前記塔体上側部支持準備工程は、前記塔体の内壁から塔内に突設されたフランジに前記係止部材を下方から当接させて係止することを特徴とする請求項1に記載の塔型風力発電設備の解体方法。
  3. 前記塔体上側部支持準備工程、前記塔体途中領域除去工程、及び前記塔体上側部下降着地工程の繰り返し工程における前記塔体途中領域除去工程に先立ち、前記着地された下側部分の塔体の内壁の内側まで垂下する規制部材を前記上側部分の塔体の下端部のフランジに挿通して設置する規制部材設置工程を有することを特徴とする請求項2に記載の塔型風力発電設備の解体方法。
  4. 前記作業台設置工程は、前記作業台を前記塔体の外周全周に亘って設置することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の塔型風力発電設備の解体方法。
  5. 前記塔体の下端部に設備搬入用の開口部を形成する開口部形成工程を前記内部支柱構築工程の前に含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の塔型風力発電設備の解体方法。
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