JP7494727B2 - 前処理液、およびそれを用いた水性インクジェットインキセット、印刷物、印刷物の製造方法 - Google Patents
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Description
前記前処理液が、樹脂微粒子(A)と、凝集剤(B)と、水とを含み、
前記凝集剤(B)が、ビニル重合体であって、カチオン性基を含む構造単位(B1)、及び、水酸基を含む構成単位(B2)を含む、水、水溶性カチオン樹脂(C)を含み、
前記水溶性カチオン樹脂(C)の重量平均分子量が、10,000~100,000であり、水酸基価が50~300mgKOH/gである、前処理液に関する。
前記水性インクジェットインキの1種類以上が、顔料(P)と、顔料分散樹脂(D)と、水とを含み、
前記顔料分散樹脂(D)の酸価が、30~375mgKOH/gである水性インクジェットインキセットに関する。
前記非浸透性基材に、前処理液を、乾燥後の膜厚が、0.1~1.6μmとなる量で印刷する工程と、
非浸透性基材上の、前記前処理液を印刷した部分に、水性インクジェットインキを用いて、1パスインクジェット印刷により印刷する工程と、
前記水性インクジェットインキが印刷された、前記非浸透性基材を乾燥する工程とを含む、印刷物の製造方法に関する。
本発明の前処理液は、樹脂微粒子(A)と、凝集剤(B)と、水とを含む。本発明における「樹脂微粒子」とは、後述する方法によって測定される粒子径が5~1000nmであるものを指す。なお、前記粒子径が1000nmより大きいものは、本発明では「樹脂粒子」と呼び、樹脂微粒子と区別する。
樹脂微粒子(A)の融点は、0~130℃であることが好ましい。より好ましくは15~105℃であり、特に好ましくは30~90℃である。融点が0℃以上であれば、前処理液の保存安定性が良好となり、130℃以下であれば、非浸透性基材に対する密着性に優れる。なお上記融点は、示差操作熱量測定(DSC)を用いて測定される値であり、例えば以下のように測定できる。樹脂を乾固したサンプル約2mgをアルミニウム製試料容器上で秤量したのち、前記アルミニウム製試料容器を、DSC測定装置(例えば、島津製作所社製「DSC-60Plus」)内のホルダーにセットする。そして10℃/分の昇温条件にて測定を行い、得られたDSCチャートから読み取った吸熱ピークの温度を、本発明における融点とする。なお、温度校正にはインジウムを使用する。
非浸透性基材に対する密着性に優れる印刷物が得られる観点から、樹脂微粒子(A)のガラス転移温度(Tg)は、-50~50℃であることが好ましく、-40~40℃であることがより好ましい。なお融点と同様に、ガラス転移温度も示差操作熱量測定(DSC)によって測定できる。具体的には、上記方法によって得られたDSCチャートから、低温側のベースラインと、前記ベースラインの変曲点における接線との交点を求め、前記交点の温度をガラス転移温度とする。
樹脂微粒子(A)の粒子径(D50)は、30~500nmであることが好ましく、より好ましくは40~400nmであり、特に好ましくは50~300nmである。30nm以上であれば、前処理液の保存安定性が良好となり、500nm以下であれば、非浸透性基材に対する密着性に優れた印刷物が得られる。なお、粒子径(D50)は、粒度分布測定機(例えばマイクロトラック・ベル社製マイクロトラックUPAEX-150)を用い、動的光散乱法によって測定された、体積基準での累積50%径値(メジアン径)である。
本発明の前処理液は、凝集剤(B)、水、水溶性カチオン樹脂(C)を含み、凝集剤(B)が、ビニル重合体であって、カチオン性基を含む構造単位(B1)、及び、水酸基を含む構成単位(B2)を含む。前記カチオン樹脂(C)の重量平均分子量が、10,000~100,000であり、水酸基価が50~300mgKOH/gである。上記の通り、凝集剤(B)に由来するカチオン成分が、水性インクジェットインキ中の固体成分を凝集させる、及び/または、アニオン基を有する成分に起因する増粘を引き起こし、画像品質に優れた印刷物を得ることができる。
なお、カチオン性基と水酸基とを含む構成単位が存在することを排除するものでないが、少なくとも、カチオン性基を含み水酸基を含まない構造単位と、水酸基を含みカチオン性基を含まない構造単位とがあることが必須である。
(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
これらの水酸基を含むエチレン性不飽和単量体(b2)は、単独、あるいは複数使用可能である。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、テトラトリアコンタノイル(メタ)アクリレート、ヘキサトリアコンタノイル(メタ)アクリレート等のアルキル基含有(メタ)アクリル系単量体;
(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノブチルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノオクチルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノベンジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノフェニルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノヘキサデシルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノオクタデシルエーテル等のアルキレンオキサイド鎖含有(メタ)アクリル系単量体;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリル系単量体;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル系単量体;
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリル系単量体;等が挙げられる。なお「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」から選ばれる少なくとも1種を表す。
例えば、グリシジル(メタ)アクリレートを含む単量体をビニル重合し、重合後当該グリシジル基に、グリシジル基と反応する化合物で変性すれば、水酸基を含む構造単位(B2)を有するビニル重合体となる。
オニウム塩化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、またはジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p-トルエンスルホン酸メチル、またはベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、またはオクチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、またはオクチルクロブロマイド等のアルキルブロマイド、あるいは、ベンジルクロライド、またはベンジルブロマイド等が挙げられる。
そのほか、オニウム塩化剤などでカチオン性基に変性できる重合体として、ビニルアミン、アリルアミン、メチルジアリルアミン、エチレンイミンなどのアミン化合物;アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミドなどのアミド化合物;ジシアンジアミドなどのシアナミド化合物;エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、メチルエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどのエピハロヒドリン化合物;ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾールなどの環状ビニル化合物;アミジン化合物;ピリジニウム塩化合物;イミダゾリウム塩化合物などの重合体を挙げることができる。
凝集剤(B)として金属塩を組み合わせる場合、水性インクジェットインキを凝集・増粘させられるものであれば、任意の材料を用いることができる。また、前処理液に対する溶解性や液中拡散性に優れるものを選択することが好ましい。なお、金属塩は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属塩には、無機金属塩と有機金属塩がある。
本発明の前処理液は、更に有機溶剤を含んでもよい。有機溶剤を併用することで、凝集剤(B)の溶解性や、前処理液の乾燥性・濡れ性を好適なものに調整することができる。なお本実施形態の前処理液では、有機溶剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の前処理液は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤には、シロキサン系、アクリル系、フッ素系、アセチレンジオール系、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系などの種類があり、これらのうちいずれか1種を選択してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の通り、本発明の前処理液は水を主成分として含む。なお、本明細書において「水を主成分として含む」とは、全ての構成成分のうち水の配合量が最も多いことを意味する。
本発明の前処理液は、pH調整剤を含むことができる。pH調整剤を使用することで、塗工装置に使用される部材へのダメージを抑制するとともに、経時でのpH変動を抑えて前処理液の性能を長期的に維持し、保存安定性を維持・向上させることができる。pH調整剤として使用できる材料に制限はなく、また1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。具体的に、前処理液を塩基性化させる場合には、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、などのアルカノールアミン;アンモニア水;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などを使用することができる。また、前処理液を酸性化させる場合には、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸、ホウ酸、フマル酸、マロン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸などを使用することができる。
ある好ましい実施形態において、本発明の前処理液は、顔料や染料などの着色剤を実質的に含まない。着色剤を含まず、実質的に透明な前処理液を用いることで、基材特有の色味や透明感を活かした印刷物を得ることができる。なお本発明において「実質的に含まない」とは、本実施形態の効果発現を妨げる程度まで、当該材料を意図的に添加することを認めないことを表すものであり、例えば、不純物や副生成物としての意図せぬ混入まで排除するものではない。具体的には、前処理液全量に対し、当該材料を2.0質量%以上含まないことであり、好ましくは1.0質量%以上含まないことであり、より好ましくは0.5質量%以上含まないことであり、特に好ましくは0.1質量%以上含まないことである。
また本発明の前処理液は、所望の物性値とするために、必要に応じて消泡剤、増粘剤、防腐剤などの添加剤を適宜使用できる。これらの添加剤を使用する場合、その配合量は、前処理液全量に対して0.01~5質量%とすることが好ましく、0.01~3質量%とすることが更に好ましい。過剰に配合してしまうと、前処理液中の凝集剤の機能を阻害してしまう可能性があることから、添加量は上記範囲にすることが好ましい。
本発明の前処理液が、平均粒子径(D50)が1μm以上である水不溶性粒子を含む場合、その含有量が、前記前処理液全量に対して1質量%以下であることが好ましい。平均粒子径が1μm以上である水不溶性粒子の配合量を制限することで、長期にわたって、前処理液の保存安定性が好適なものとなる。
上記の成分からなる本発明の前処理液は、例えば、樹脂微粒子(A)、凝集剤(B)及び、必要に応じて、有機溶剤、界面活性剤、pH調整剤や、上記で挙げたような適宜に選択される添加剤成分を加え、撹拌・混合したのち、必要に応じて濾過することで製造される。ただし、前処理液の製造方法は上記に限定されるものではない。例えば着色剤として白色顔料を使用する場合、あらかじめ、前記白色顔料と水とを含む白色顔料分散液を作製したのち、樹脂微粒子(A)、凝集剤(B)と混合してもよい。
本発明の前処理液は、1種類以上の水性インクジェットインキと組み合わせ、水性インクジェットインキセットの形態で使用できる。以下に、本発明の水性インクジェットインキセットを構成する水性インクジェットインキの構成要素について説明する。
本発明で使用される水性インクジェットインキは、少なくとも1種類が、顔料(P)と、顔料分散樹脂(D)と、水とを含む。水性インクジェットインキセットのすべての水性インクジェットインキが、顔料(P)と、顔料分散樹脂(D)と、水とを含むことがより好ましい。
本発明で使用される水性インクジェットインキは、耐ブロッキング性、耐水性、耐光性、耐候性、耐ガス性などを有する観点から、色材として顔料(P)を含む。前記顔料(P)として、既知の有機顔料、無機顔料のいずれも使用することができる。これらのうち、ホワイトインキ以外の顔料は、水性インキ全量に対して2~20質量%の範囲で含まれることが好ましく、2.5~15質量%の範囲で含まれることがより好ましく、3~10質量%の範囲で含まれることが特に好ましい。またホワイトインキの場合、顔料の含有量は、前記ホワイトインキ全量に対して3~40質量%であることが好ましく、5~35質量%であることがより好ましく、7~30質量%であることが特に好ましい。顔料の含有量を2質量%以上(ホワイトインキの場合は3質量%以上)にすることで、十分な発色性や鮮明性を有する印刷物が得られる。また顔料の含有量を20質量%以下(ホワイトインキの場合は40質量%以下)とすることで、水性インキの粘度を、インクジェット印刷に適した範囲に収められるとともに、前記水性インキの保存安定性も良好となり、結果として長期にわたって吐出安定性を確保できる。
顔料を水性インキ中で安定的に分散保持する方法として、(1)水溶性顔料分散樹脂を顔料表面に吸着させ分散する方法、(2)水溶性及び/または水分散性の界面活性剤を顔料表面に吸着させ分散する方法、(3)顔料表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し、分散樹脂や界面活性剤なしでインキ中に分散する方法(自己分散顔料)、(4)水不溶性樹脂で顔料を被覆し、必要に応じて更に別の水溶性顔料分散樹脂や界面活性剤を用いてインキ中に分散させる方法などを挙げることができる。
本発明で使用される水性インクジェットインキは、水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。また、1気圧下における沸点が250℃以上である水溶性有機溶剤の量が、水性インクジェットインキ全量に対し5質量%以下(0質量%でもよい)であることが好ましい。高沸点の水溶性有機溶剤量を5質量%以下にすることで、水性インクジェットインキの乾燥性、吐出安定性が良好になる上に、前処理液と組み合わせた際、にじみなどの画質欠陥がなく、耐ブロッキング性も良好な水性インキが得られる。また画像品質や耐ブロッキング性を更に向上させる観点から、1気圧下における沸点が250℃以上である水溶性有機溶剤の量は、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい(いずれも、0質量%であってもよい)。
系溶剤の中でも1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールを選択することが好ましい。
本発明で使用される水性インクジェットインキはバインダー樹脂を含むことが好ましい。バインダー樹脂の形態は、水溶性樹脂、エマルジョン、及び、両者の中間的形態であるディスパージョンのいずれであってもよく、水性インクジェットインキや印刷物に要求される特性に応じて、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。例えばエマルジョンやディスパージョンは、水性インクジェットインキの粘度を低くすることができ、より多量の樹脂を配合することができることから、印刷物の耐性を高めるのに適している。また、バインダー樹脂として水溶性樹脂を使用した水性インクジェットインキは、吐出安定性や、本実施形態の前処理液と組み合わせた際の印刷物の画像品質に優れる。
本発明で使用される水性インキは、表面張力を調整し画像品質を向上させる目的で界面活性剤を使用することが好ましい。一方で、表面張力が低すぎるとインクジェットヘッドのノズル面が水性インキで濡れてしまい、吐出安定性を損なうことから、界面活性剤の種類と量の選択は非常に重要である。基材に対する濡れ性の確保と、ノズルからの吐出安定性の最適化という観点から、シロキサン系、アセチレンジオール系、フッ素系、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系の界面活性剤を使用することが好ましく、シロキサン系、アセチレンジオール系の界面活性剤を使用することが特に好ましい。界面活性剤の添加量としては、水性インキ全量に対して、0.01~5.0質量%が好ましく、0.05~3.0質量%が更に好ましい。
本発明で使用される水性インキに含まれる水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
本発明で使用される水性インキは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインキとするためにpH調整剤を添加することができ、pH調整能を有する材料を任意に選択することができる。塩基性化させる場合は、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン;アンモニア水;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などを使用することができる。また酸性化させる場合は塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸、ホウ酸、フマル酸、マロン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸などを使用することができる。上記のpH調整剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用される水性インクジェットインキは単色で使用してもよいが、用途に合わせて複数の色を組み合わせた水性インクジェットインキのセットとして使用することもできる。組み合わせは特に限定されないが、シアン、イエロー、マゼンタの3色を使用することでフルカラーの画像を得ることができる。また、ブラックインキを追加することで黒色感を向上させ、文字などの視認性を上げることができる。更にオレンジ、グリーンなどの色を追加することで色再現性を向上させることも可能である。非吸収性基材の一例であるフィルム基材では、透明フィルムに対して、ホワイトインキの印刷を行うことで、鮮明な画像を得ることができ、特にブラックインキで印刷された文字などの鮮明性や視認性を上げることができるため、好ましく組み合わされる。
上記した成分を含む、水性インクジェットインキは、例えば、以下のプロセスを経て製造される。ただし、水性インクジェットインキの製造方法は以下に限定されるものではない。
顔料分散樹脂として、水溶性顔料分散樹脂を用いる場合、前記水溶性顔料分散樹脂と水と、必要に応じて水溶性有機溶剤とを混合・攪拌し、水溶性顔料分散樹脂混合液を作製する。前記水溶性顔料分散樹脂混合液に、顔料を添加し、混合・攪拌(プレミキシング)した後、分散機を用いて分散処理を行う。その後、必要に応じて遠心分離、濾過や、固形分濃度の調整を行い、顔料分散液を得る。
次いで、上記顔料分散液に、水溶性有機溶剤、水、及び必要に応じて上記で挙げたバインダー樹脂、界面活性剤やその他の添加剤を加え、撹拌・混合する。なお、必要に応じて前記混合物を40~100℃の範囲で加熱しながら撹拌・混合してもよい。
上記混合物に含まれる粗大粒子を、濾過分離、遠心分離などの手法により除去し、水性インクジェットインキとする。濾過分離の方法としては、既知の方法を適宜用いることができる。またフィルター開孔径は、粗大粒子、ダストが除去できるものであれば、特に制限されないが、好ましくは0.3~5μm、より好ましくは0.5~3μmである。また濾過を行う際は、フィルターは単独種を用いても、複数種を併用してもよい。
水性インクジェットインキは、25℃における粘度を3~20mPa・sに調整することが好ましい。この粘度領域であれば、特に通常の4~10KHzの周波数を有するインクジェットヘッドから10~70KHzの高周波数のインクジェットヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。特に、25℃における粘度を4~10mPa・sとすることで、600dpi以上の設計解像度を有するインクジェットヘッドに対して用いても、安定的に吐出させることができる。
本発明の前処理液と、上記水性インクジェットインキとを組み合わせた、水性インクジェットインキセットで印刷物を製造する方法として、非吸収性基材に前記前処理液を印刷する工程と、前記非吸収性基材上の、前記前処理液を印刷した部分に、前記水性インクジェットインキを、1パスインクジェット印刷により印刷する工程と、前記水性インクジェットインキが印刷された、前記非吸収性基材を乾燥する工程とを含む方法が好ましく用いられる。なお上記の工程は、この順番に実施することが好ましい。
本発明の前処理液を用いて印刷物を製造する際、好適には、水性インクジェットインキを印刷する前に、非吸収性基材上に前処理液が印刷される。その印刷方法として、インクジェット印刷のように基材に対して非接触で印刷する方式と、基材に対し前処理液を当接させて印刷する方式のどちらを採用してもよい。また、前処理液の印刷方法として、前処理液を当接させる印刷方式を選択する場合、オフセットグラビアコーター、グラビアコーター、ドクターコーター、バーコーター、ブレードコーター、フレキソコーター、ロールコーターなどのローラ形式が好適に使用できる。
本発明の前処理液は、前処理液を非吸収性基材に印刷したのち、前記非吸収性基材を乾燥させ、前記基材上の前処理液を乾燥させたのち、水性インクジェットインキを印刷してもよいし、前記基材上の前処理液が完全に乾燥する前に、水性インクジェットインキを印刷してもよい。一実施形態において、水性インクジェットインキを印刷する前に前処理液を完全に乾燥させる、すなわち、前記前処理液の液体成分を完全に除去された状態とすることが好ましい。前処理液が完全に乾燥した後で水性インクジェットインキを印刷することで、後から着弾する水性インクジェットインキが乾燥不良を起こすことなく、耐擦性に優れた印刷物が得られるためである。
水性インクジェットインキは、非吸収性基材上の前処理液を印刷した部分に、1パスインクジェット印刷により付与される方式が好ましい。なお、前記1パスインクジェット印刷で用いるインクジェットヘッドの設計解像度は、画像品質に優れた画像が得られる点から、600dpi(DotsPerInch)以上であることが好ましく、720dpi以上であることがより好ましい。
水性インクジェットインキを印刷したあと、前記水性インキ、及び未乾燥の前処理液を乾燥させるため、前記水性インクジェットインキが付与された非吸収性基材を乾燥する工程を含むことが好ましい。なお好適に用いられる乾燥方法は、上記前処理液の場合と同様である。
前処理液を印刷してなる乾燥後の層の膜厚が、0.1~1.6μmとなることが好ましい。
あるいは、本発明の水性インクジェットインキセットを印刷する際、非吸収性基材に対する本実施形態の前処理液の印刷量(乾燥後)は、1~25g/m2であることが好ましい。膜厚や塗布量を上記範囲に収めることで、混色にじみを抑えるとともに、塗布後の前処理液層の乾燥性が良好なものとなり、塗工装置内部への付着や、印刷物を重ねた際のブロッキングを防止し、タック感(べたつき)がなく、また耐擦性に優れた印刷物を得ることができる。
本発明の水性インクジェットインキセットを用いて印刷する際、非吸収性基材として、従来から既知のものを任意に用いることができる。例えば、ポリ塩化ビニルシート、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルムの様な熱可塑性樹脂基材や、アルミニウム箔の様な金属基材などが使用できる。上記の基材は印刷媒体の表面が滑らかであっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、不透明のいずれであっても良い。また、これらの基材の2種以上を互いに張り合わせたものでも良い。更に印字面の反対側に剥離粘着層などを設けても良く、また印字後、印字面に粘着層などを設けても良い。また本発明のインキセットの印刷で使用される基材の形状は、ロール状でも枚葉状でもよい。
本発明の水性インクジェットインキセットを用いて作製した印刷物は、必要に応じて、印刷面をコーティング処理することができる。前記コーティング処理の具体例として、コーティング用組成物の塗工・印刷や、ドライラミネート法、無溶剤ラミネート法、押出しラミネート法などによるラミネート加工などが挙げられ、いずれを選択してもよいし、複数を組み合わせても良い。
<水溶性カチオン樹脂1の製造例>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水100部とイソプロピルアルコール(IPA)100部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱し、アクリルエステルDMC(三菱ケミカル製)50部と2-ヒドロキシエチルメタクリレート50部との混合液と、過硫酸アンモニウム15%水溶液50部をそれぞれ3時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、110℃で1時間反応させ、熟成した。さらに、液中のイソプロピルアルコールと水分を留出させ、固形分が30%になるように水を添加して調整することで、水溶性カチオン樹脂1(固形分30%)を得た。なお、上記に示した方法で測定した水溶性カチオン樹脂1の水酸基価は166mgKOH/g、重量平均分子量は10,000であった。
表1に記載の材料を使用する以外は、水溶性カチオン樹脂1と同様の方法により、水溶性カチオン樹脂2~17を製造した。
2HE-DMC:メタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)メチルアミノエチルメチルクロライド塩
2HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
2HEA:2-ヒドロキシエチルアクリレート
4HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート
St:スチレン
下記材料を、攪拌機を備えた混合容器内に投入し、室温(25℃)にて1時間混合したのち、50℃に加温し、更に1時間混合した。その後、混合物を室温まで冷却したのち、孔径1μmのメンブランフィルターにて濾過を行うことで、前処理液1を得た。
・NeoCrylXK-190(固形分40%)18.75部
・水溶性カチオン樹脂1(固形分30%)20.0部
・アデカノールUH-526(固形分30%)5.0部
・サーフィノール465 1.0部
・IPA5.0部
・プロキセルGXL0.10部
・イオン交換水50.15部
表2に記載の材料を使用する以外は、前処理液1と同様の方法により、前処理液2~25を製造した。
<樹脂微粒子>
NeoCrylXK-190:DSMCoatingResins社製スチレン-アクリル樹脂微粒子(ガラス転移温度32℃、固形分40%)
NeoRezR-9621:DSMCoatingResins社製ウレタン樹脂微粒子(ガラス転移温度-31℃、固形分38%)
<凝集剤>
PAS-H-1L:ニットーボーメディカル社製ポリジメチルジアリルアンモニウム塩酸塩(重量平均分子量8,500、固形分28%)
カチオマスタPD-7:四日市合成社製ポリエピクロロヒドリン(水酸基価410mgKOH/g、重量平均分子量5,000、固形分50%)
カチオマスタPD-30:四日市合成社製ポリエピクロロヒドリン(水酸基価405mgKOH/g、重量平均分子量9,000、固形分50%)
カチオマスタPE-30:四日市合成社製ポリエピクロロヒドリン(水酸基価340mgKOH/g、重量平均分子量9,000、固形分50%)
<増粘剤>
アデカノールUH-526:ADEKA社製水溶性ウレタン樹脂(固形分30%)
<界面活性剤>
サーフィノール465:エアープロダクツ社製アセチレンジオール系界面活性剤(固形分100%)
<防腐剤>
プロキセルGXL:アーチケミカルズ社製1,2-ベンゾイソチアゾールー3-オン(固形分100%)
<顔料分散樹脂1の製造例>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブタノール95部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱し、重合性単量体としてスチレン35部、アクリル酸35部、ラウリルメタクリレート30部、及び重合開始剤であるV-601(和光純薬製)6部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、110℃で3時間反応させた後、V-601(和光純薬製)0.6部を添加し、更に110℃で1時間反応を続けて、顔料分散樹脂1の溶液を得た。更に、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノールを添加して完全に中和したのち、水を100部添加し水性化した。その後、100℃以上に加熱し、ブタノールを水と共沸させてブタノールを留去し、固形分が30%になるように調整することで、顔料分散樹脂1の水性化溶液(固形分30%)を得た。なお、上記に示した方法で測定した顔料分散樹脂1の酸価は272mgKOH/g、重量平均分子量は28,000であった。
下記表3に示したように、重合性単量体の種類や量を変更した以外は、顔料分散樹脂1の場合と同様にして、顔料分散樹脂2~6の水性化溶液(固形分30%)を得た。
トーヨーカラー社製LIONOLBLUE7358G(C.I.ピグメントブルー15:3)を20部、顔料分散樹脂1の水性化溶液(固形分30%)を20部、水60部を混合し、攪拌機でプレミキシングした後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて本分散を行い、顔料分散液1Cを得た。また上記C.I.ピグメントブルー15:3を、以下に示す顔料にそれぞれ置き換える以外は顔料分散液1Cと同様にして、顔料分散液1M、1Y、1Kを得た。
・Magenta:DIC社製FASTGENSUPERMAGENTARG(C.I.ピグメントレッド122)
・Yellow:トーヨーカラー社製LIONOLYELLOWTT1405G(C.I.ピグメントイエロー14)
・Black:オリオンエンジニアドカーボンズ社製PrinteX85(カーボンブラック)
顔料分散樹脂として顔料分散樹脂1の水性化溶液を顔料分散樹脂2~6の水性化溶液(固形分30%)を置き換えて使用する以外は、顔料分散液1C、1M、1Y、1Kと同様の方法を用いることで、顔料分散液2~6(それぞれC、M、Y、K)を得た。
石原産業社製タイペークCR-90-2(酸化チタン)を40部、顔料分散樹脂1の水性化溶液(固形分30%)を20部、水40部を混合し、攪拌機でプレミキシングした後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて本分散を行い、顔料分散液1W(顔料濃度40%)を得た。
顔料分散樹脂として顔料分散樹脂1を顔料分散樹脂2~6の水性化溶液(固形分30%)を置き換えて使用する以外は、顔料分散液1Wと同様の方法を用いることで、顔料分散液2W~6Wを得た。
下記材料を、攪拌機を備えた混合容器内に順次投入し、十分に均一になるまで撹拌した。その後、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、インクジェットヘッド詰まりの原因となる粗大粒子を除去することで、水性インクジェットシアンインキ1を得た。また顔料分散液1Cの代わりに、顔料分散液1M、1Y、1K、1Wをそれぞれ使用することにより、シアン(C)、マゼンタ(M)イエロー(Y)、ブラック(K)ホワイト(W)の5色からなる水性インクジェットインキのセット1を得た:
・顔料分散液1C25部
・ジョンクリル8211(固形分44%)15部
・1,2-プロパンジオール(1,2-PD)20部
・サーフィノール465 1部
・プロキセルGXL0.05部
・イオン交換水38.95部
下記表4に記載の材料を使用する以外はインクジェットインキのセット1と同様の方法により、シアン(C)、マゼンタ(M)イエロー(Y)、ブラック(K)ホワイト(W)の5色からなるインクジェットインキのセット2~6を得た。
<前処理液を付与したフィルム基材の作製例>
松尾産業社製KコントロールコーターK202、ワイヤーバーNo.0を用い、下記フィルム基材に、上記で作成した前処理液をウェット膜厚4.0±0.2μmで塗布(印刷)したのち、前記前処理液を塗布したフィルム基材を、70℃のエアオーブンに投入し3分間乾燥させることで、前処理液を塗布したフィルム基材を作製した。
・ユニチカ社製ナイロンフィルム「エンブレムON」
(厚さ15μm、以下「NY」と記載)
基材を搬送できるコンベヤの上部にインクジェットヘッドKJ4B-QA(京セラ社製、設計解像度600dpi)を設置し、上記で製造した水性インクジェットインキのセットを、上流側からK、C、M、Y、Wの順番に充填した。次いで、前記コンベヤ上に、上記で作製した、前処理液を付与したフィルム基材を固定したのち、前記コンベヤを一定速度で駆動させ、前記インクジェットヘッドの設置部を通過する際に、インクジェットインキをそれぞれドロップボリューム10pLで吐出し、下記画像を印刷した。印刷後速やかに、前記印刷物を70℃エアオーブンに投入し5分間乾燥させることで、印刷物を作成した。
上記の条件で印刷を行い、前処理液を塗工したフィルム基材上に印字率を40~320%まで諧調を変えた4C(CMYK)印刷物を作製し、印刷部のドット形状について光学顕微鏡を用いて200倍で観察し、混色滲みの評価を行った。評価基準は以下の通りとし、◎、〇評価を実使用上可能領域とした。
◎:いずれの印字率においても4C印刷部のドットが独立しており、混色滲みが見られ
なかった
○:印字率40~280%の4C印刷部のドットが独立しており、混色滲みが見られな
かったが、印字率280%を超える印刷部で混色滲みが見られた
△:印字率40~240%の4C印刷部のドットが独立しており、混色滲みが見られな
かったが、印字率240%を超える印刷部で混色滲みが見られた。
×:印字率40~240%の4C印刷部で明らかに混色滲みが見られた
上記の評価1と同様の条件で印刷を行い、前処理液を塗工したフィルム基材上に印字率を40~320%まで諧調を変えた4C(CMYK)印刷物を作製し、4C(CMYK)印刷物における色ムラの程度を目視観察し、色ムラの評価を行った。評価基準は以下の通りとし、◎、〇評価を実使用上可能領域とした。
◎:いずれの印字率においても4C印刷部の色ムラが見られなかった
○:印字率40~280%の4C印刷部の色ムラが見られなかったが、印字率280%を超える印刷部で色ムラが見られた
△:印字率40~240%の4C印刷部の色ムラが見られなかったが、印字率240%を超える印刷部で色ムラが見られた
×:印字率40~240%の4C印刷部で明らかに色ムラが見られた
テストコーターを用い、前処理液を塗工した下記フィルム基材上に、1色の印字率100%のベタ印刷、および2色の合計印字率200%のベタ印刷した印刷物の印刷面に、下記ラミネート接着剤を、温度60℃、塗工速度50m/分の条件にて塗布した(塗布量:2g/m2)。なお、ラミネート接着剤に溶剤成分を含むものについては、塗布後に溶剤成分を乾燥させ、乾燥後の塗布量を2g/m2となるように塗布した。さらに、ラミネート接着剤の塗工面に下記シーラントフィルムを重ね合わせたのち、40℃、80%RHの環境下にて、1日間エージングすることで、ラミネート接着剤組成物を硬化させ、ラミネート加工した積層体を作製した。
<フィルム基材>
・ユニチカ社製ナイロンフィルム「エンブレムON」(厚さ15μm)
<シーラントフィルム>
・三井化学東セロ社製直鎖状低密度ポリエチレンフィルム「TUX-FC-D」(厚さ40μm)
<ラミネート接着剤>
・東洋モートン社製TM-265L/CAT-RT37(溶剤型ラミネート接着剤)
◎:接着力1.5N以上
〇:接着力0.6N以上、1.5N未満
△:接着力0.3N以上、0.6N未満
×:接着力0.3N未満
ラミネート加工した積層体2枚を、シーラントフィルムが内側になるように重ね合わせ、ヒートシーラーを用い、150℃、2kg/cm2、1秒の条件にてシールして風袋を作製した。これを、日坂製作所製「RCS-40RTGN」高温高圧調理殺菌試験機により95℃、30分間の条件で熱水殺菌を行った。試験後、前記ラミネート強度と同様の方法にて評価を行った。
熱殺菌処理後の接着力評価で用いた積層体試験片について、フィルム基材側から目視で観察することで、外観の評価を行った。評価基準は以下の通りとし、◎、〇評価を実使用上可能領域とした。
◎:積層体にデラミネーションおよび起泡が無いか、3%未満の面積でデラミネーションおよび起泡がある
〇:積層体に3%以上、20%未満の面積でデラミネーションおよび起泡がある
△:積層体に20%以上、50%未満の面積でデラミネーションおよび起泡がある。
×:積層体に50%以上の面積でデラミネーションおよび起泡がある。
Claims (7)
- インクジェット印刷方式で用いる非浸透性基材の前処理液であって、
前記前処理液が、樹脂微粒子(A)と、凝集剤(B)と、水とを含み、
前記凝集剤(B)が、ビニル重合体であって、カチオン性基を含む構造単位(B1)、及び、水酸基を含む構成単位(B2)を含む、水溶性カチオン樹脂(C)を含み、
前記水溶性カチオン樹脂(C)の重量平均分子量が、10,000~100,000であり、水酸基価が50~300mgKOH/gである、前処理液。 - 前処理液の樹脂微粒子(A)のガラス転移温度が、-50~50℃である、請求項1記載の前処理液。
- 凝集剤(B)の含有量が、樹脂微粒子(A)100質量部に対して、60~200質量部であることを特徴とする、請求項1または2記載の前処理液。
- 請求項1~3いずれかに記載の前処理液と、1種類以上の水性インクジェットインキとを含んでなる水性インクジェットインキセットであって、
前記水性インクジェットインキの1種類以上が、顔料(P)と、顔料分散樹脂(D)と、水とを含み、
前記顔料分散樹脂(D)の酸価が、30~375mgKOH/gである水性インクジェットインキセット。 - 1種類以上の水性ジェットインキが、ホワイトインキを含んでなる、請求項4に記載の水性インクジェットインキセット。
- 請求項4または5に記載の水性インクジェットインキセットの前処理液と水性インクジェットインキとを順次、非浸透性基材上に印刷してなる、印刷物。
- 請求項4または5に記載の水性インクジェットインキセットを用いて非浸透性基材上に印刷してなる、印刷物の製造方法であって、
前記非浸透性基材に、前処理液を、乾燥後の膜厚が、0.1~1.6μmとなる量で印刷する工程と、
非浸透性基材上の、前記前処理液を印刷した部分に、水性インクジェットインキを、1パスインクジェット印刷により印刷する工程と、
前記水性インクジェットインキが印刷された、前記非浸透性基材を乾燥する工程とを含む、印刷物の製造方法。
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