以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態における支持具11、12、13、…(図2)は、廻り階段100の各踏板101、102、103、…を柱170に支持し固定するものである。支持具11は、図1に示す左廻りの廻り階段(左廻りに上がっていく階段)と右廻りの廻り階段(右廻りに上がっていく階段)のいずれにも使用可能に構成されている。
まず、左廻りの廻り階段に適用する場合について説明する。木製の廻り階段100の各踏板101、102、103、…は、柱170の廻りに、それぞれ支持具11、12、13、…(図2)を介して一端部が支持され固定されている。また、各踏板101の他端側は、柱170の周囲に設けられた壁面等(図示せず)に固定される。
具体的には、図3に示すように、本実施形態の廻り階段100は、いわゆる蹴込芯構成を有している。蹴込芯とは、柱170の中心に蹴込板の延長方向を合わせて配列する組立工法をいう。すなわち図1及び図3に示すように、廻り階段100を構成する踏板101、102、103、…は、一定角度ずつ柱170の廻りに回転した位置に順次支持されている。本実施形態では、左廻りに各踏板101が柱170の長さ方向に対して順次所定の蹴上げ高さ(蹴込板111、112、113、…の高さ)分ずつ高さ位置を異にし、かつ蹴込板111、112、113、…の方向を所定角度(例えば30°)ずつ回転した位置に設定して配置されている。
各踏板101、102、103、…を柱170に支持及び固定するための支持具11、12、13、…は、当該支持具11、12、13…が取り付けられる踏板101、102、103、…の柱170への取り付け角度に応じて、後述する傾斜ブロック50(図6)を使用し、または使用せずに用いられる。なお、本実施形態では、傾斜ブロック50(ガイド部)を本体金具10(後述)と別体構成とする場合について述べるが、一体構成としてもよい。
以下、金属製の本体金具10を有する支持具11、12、13、…の構成について詳述する。本実施形態において、廻り階段100の最下段を構成する踏板101を第1段の踏板とし、1段ずつ左廻りに第2段、第3段、…と称するものとする。
まず、本体金具10の取付対象である柱170と踏板101、102、103、…との関係について説明する。
図3に示すように、本体金具10の取付対象である柱170は、四角形(本実施形態の場合、正方形又は長方形)を底面とする柱体(いわゆる四角柱)であり、4つの側面170A、170B、170C及び170Dを有している。なお、柱170の側面170A、170B及び170Cには、石膏ボード180が取り付けられているが、本実施形態では、石膏ボード180を含めて、単に側面170A、170B及び170Cと称するものとする。
最下段(第1段)の踏板101(図1、図2)は、柱170の第1の側面170A(踏板101の段鼻101Aと直交した側面(図3))を取付面とし、当該第1の側面170Aに対して、第1の支持具11を介して支持固定される。
図4に示すように、第1の支持具11は、柱170にねじ止めされる垂直片部(第2の片部)10Aと、踏板101(102、103、…)にねじ止めされる水平片部(第1の片部)10Bを有し、これら垂直片部10A及び水平片部10Bが曲折部10Cを介して略直角に折り曲げられることにより全体が略L字形状に形成された本体金具10を構成する。なお、本実施形態においては、柱170に対して支持具をねじ止めする場合について述べるが、これに限られるものではなく、たとえば釘等、他の締結具を用いることができる。
図4に示すように、本体金具10の垂直片部10Aを柱170の第1の側面170Aに対してねじ(締結具)31によってねじ止めすると共に、水平片部10Bを踏板101に対してねじ32によってねじ止めすることにより、踏板101は柱170に支持固定される。この場合、図5に示すように、第1の支持具11においては、本体金具10の垂直片部10Aを柱170の第1の側面170Aに直接当接させ、ねじ31を垂直片部10A及び第1の側面170Aに垂直に打ち込む(螺合させる)ことにより、ねじ31は、柱170の木材部170Xに到達する方向に進行することになる。すなわち、ねじ31の打込み位置が柱170の木材部170Xに正対する位置となっていることにより、ねじ31を第1の側面170Aに対して垂直に打ち込むことにより、当該ねじ31は、第1の側面170Aに対して垂直な方向(矢印a3方向)に進行することとなり、当該ねじ31を木材部170Xに到達させることができる。
また、第1段の踏板101よりも1段分上段であり柱170を中心に1段分だけ左廻り方向に回転した位置に設けられる第2段の踏板102は、上記第1の側面170Aに隣接する第2の側面170Bを取付側面として、第2の支持具12によって当該第2の側面170Bに支持固定される。
第2の支持具12は、上述した第1の支持具11を構成する本体金具10と同様構成の本体金具10と、これに組み合わされて用いられる金属製の傾斜ブロック(ガイド部)50とによって構成される。具体的には、図6に示すように、第2の支持具12において、本体金具10の垂直片部10Aを柱170の第2の側面170Bに対して、傾斜ブロック50を介して、ねじ31によってねじ止めすると共に、水平片部10Bを踏板101に対してねじ32によってねじ止めすることにより、踏板102は柱170に支持固定される。この場合、図5に示すように、第2の支持具12においては、本体金具10の垂直片部10Aと柱170の第2の側面170Bとの間に傾斜ブロック50が介在することにより、ねじ31は垂直片部11Aに対して垂直な方向から傾斜した方向(すなわち、第2の側面170Bに対して垂直方向から傾斜した方向)に打ち込まれる(螺合される)ことになる。第2の支持具12においては、ねじ31を第2の側面170Bに対して垂直に打ち込まれると、当該ねじ31は矢印a4方向に石膏ボード180の内部のみを進行することになるが、本実地形態の場合、本体金具10の垂直片部11Aとその取付対象である第2の側面170Bとの間に傾斜ブロック50を介在させることにより、ねじ31の打込み方向を、第2の側面170Bに垂直な方向から傾斜した方向(矢印a5方向)に傾けることができる。これにより、当該ねじ31を矢印a5方向に進行させ、木材部170Xに到達させることができる。従って、従来のようにねじ31が石膏ボード180のみに打ち込まれるといった事態を回避することができる。
また、第2段の踏板102よりも1段分上段であり柱170を中心に1段分だけ左廻り方向に回転した位置に設けられる第3段の踏板103は、上記第2の側面170Bを取付側面として、第3の支持具13によって当該第2の側面170Bに支持固定される。
第3の支持具13は、上述した第1の支持具11を構成する本体金具10と同様構成の本体金具10によって構成される。具体的には、図7に示すように、第3の支持具13においては、本体金具10の垂直片部10Aを柱170の第2の側面170Bに直接当接させ、ねじ31を垂直片部10A及び第1の側面170Aに垂直に打ち込まれることにより、ねじ31は、柱170の木材部170Xに到達する方向(矢印a6方向)に進行することになる。すなわち、ねじ31の打込み位置が柱170の木材部170Xに正対する位置となっていることにより、ねじ31を第2の側面170Bに対して垂直に打ち込むことにより、当該ねじ31を木材部170Xに到達させることができる。
このようにして、柱170の第1の側面110A、第2の側面110B、第3の側面110Cに対して、本体金具10のみにより、又は、必要に応じて傾斜ブロック50を本体金具10に組み合わせることにより、踏板101、102、103、…を柱170の木材部170Xに支持固定するようになされている。
ここで、本体金具10及び傾斜ブロック50の構成について詳細に説明する。図8は、各支持具11、12、13、…に用いられる本体金具10の全体構成を示す斜視図である。図8に示すように、本体金具10は、取付対象である柱170の側面(第1の側面170A、第2の側面170B、第3の側面170C)に取り付けられる垂直片部10Aと、踏板101、102、103、…の底面に取り付けられる水平片部10Bとが曲折部11Cを介して略直角に折り曲げられた略L字形状を有する。
垂直片部10Aには、当該垂直片部10Aをねじ31(図4、図6、図7)によって柱170の側面(第1の側面170A、第2の側面170B、第3の側面170C)にねじ止めするための孔部10Eが設けられている。また、垂直片部10Aには、傾斜ブロック50を組み合わせて使用する際に当該傾斜ブロック50を結合するための結合用孔10Gが設けられている。結合用孔10Gは、傾斜ブロック50を結合するための結合ねじ(以下、単にねじと呼ぶ)33(図6)及び本体金具10を柱170にねじ止めするためのねじ31を同時に挿通することができる長孔形状に形成されている。傾斜ブロック50を用いずに、本体金具10(垂直片部10Aを柱170の側面に直接取り付ける場合には、ねじ31を孔部10E、結合用孔10Gに挿通し、当該ねじ31を柱170の側面に打ち込む(螺合させる)ことにより、垂直片部10Aを直接側面部に締結することができる。
また、水平片部10Bには、当該水平片部10Bをねじ32(図4、図6、図7)によって踏板101、102、103、…にねじ止めするための孔部10Fが設けられている。ねじ32を孔部10Fに挿通し、当該ねじ32を踏板101、102、103、…に打ち込む(螺合させる)ことにより、水平片部10Bを直接踏板101、102、103、…に締結することができる。
このように、本体金具10を直接柱170及び踏板101、102、103、…にねじ止めすることができる。
一方、本体金具10に傾斜ブロック50を結合して支持具として用いることもできる。
具体的には、図9に示すように、傾斜ブロック50を連結して使用する場合には、垂直片部10Aに設けられた結合用孔10Gを介して、結合ねじ60を傾斜ブロック50側の結合用ねじ孔50Gに螺合させることにより、傾斜ブロック50を支持具本体に固定させ、これらを一体として使用することができる。
結合ねじ60を緩めた状態では、図10に示すように、傾斜ブロック50を結合ねじ60を中心に左右に回転させることができる。傾斜ブロック50には、2つの突起部50Cが結合用ねじ孔50Gを回転中心とした場合の回転対称位置に形成されており、これら突起部50Cを、本体金具10の垂直片部10Aに設けられた切欠き部10H、10Iに逃げる位置で傾斜ブロック50の回転位置を位置決めすることができる。
傾斜ブロック50は、全体の長さが本体金具10の垂直片部10Aと略同等の長さに形成されており、その厚みが一方の縁部50Bと他方の縁部50Aとで異なるように、全体の厚みが一方の縁部50Bから他方の縁部50Aにかけてその厚みが次第に大きくなるように形成されている。
また、傾斜ブロック50の幅は、本体金具10の垂直片部10Aの幅と略同等の幅に形成されており、傾斜ブロック50を本体金具10の垂直片部10Aに重ね合わせた状態で取り付けることができるようになっている。
このように、傾斜ブロック50に突起部50Cを設けるとともに、本体金具10の切欠き部10I、10Hに突起部50Cが位置決めされるように構成することにより、垂直片部10Aに対する傾斜ブロック50の取付位置を、第1の位置決め状態(図11(a))又は第2の位置決め状態(図11(b))のいずれかで垂直片部10Aの背面に取り付けることができる。
図11に示すように、第1の位置決め状態と第2の位置決め状態とは、傾斜ブロック50が180°回転した位置関係となっており、第1の位置決め状態(図11(a))と第2の位置決め状態(図11(b))とでは、肉厚側の縁部50Aと肉薄側の縁部50Bとが180°回転した状態となる。すなわち、これらの縁部が、本体金具10の垂直片部10Aの右側縁部10R又は左側縁部10Lのいずれかに配置される状態となる。
傾斜ブロック50の肉厚側の縁部50Aが垂直片部10Aの右側縁部10R側に配置された状態(図11(a))では、本体金具10及び傾斜ブロック50からなる支持具は、左廻り階段用に用いられ、これに対して、傾斜ブロック50の肉厚側の縁部50Aが垂直片部10Aの左側縁部10L側に配置された状態(図11(b))では、本体金具10及び傾斜ブロック50からなる支持具は、右廻り階段用に用いられる(図12、図13参照)。
このように、本実施形態では、傾斜ブロック50を回転させることで、左廻り階段又は右廻り階段のいずれにも用いることができる。
ここで、図9に示すように、傾斜ブロック50の本体金具10への取付面には、傾斜ブロック50の回転位置を特定するためのマーク51R及び51Lが設けられている。マーク51Lは、左廻り階段用を示す「左」の文字であり、マーク51Rは、右回り階段用を示す「右」の文字である。これらの文字は、傾斜ブロック50が左廻り階段用の回転位置に位置決めされた状態では、図14(a)に示すように、本体金具10の垂直片部10Aの結合用孔10Gを介して「左」のマーク51Lが目視可能な状態に露出し、これに対して、傾斜ブロック50が右廻り階段用の回転位置に位置決めされた状態では、図14(b)に示すように、本体金具10の垂直片部10Aの結合用孔10Gを介して「右」のマーク51Rが目視可能な状態に露出する。これにより、使用者は、傾斜ブロック50が左廻り階段用に位置決めされているのか、又は右回り階段用に位置決めされているのかを容易に確認することができる。
図15(a)に示すように、傾斜ブロック50には、本体金具10の垂直片部10Aに取り付けられる取付面50Jからその反対側の面(柱170への取付面50K)にかけて貫通する孔部50E(50L、50R)が設けられている。この孔部50E(50L、50R)は、本体金具10の垂直片部10Aを貫通する孔部10E、結合用孔10Gを介して挿通されたねじ31(図6)を挿通し、当該ねじ31を柱170の側面(第1の側面170A、第2の側面170B、第3の側面170C)に打ち込む(螺合させる)ためのものである。
また、図15(b)に示すように、傾斜ブロック50には、孔部50E、50L、50Rと同様の方向にねじ孔50Gが設けられている。このねじ孔50Gには、本体金具10の垂直片部10Aと傾斜ブロック50とを結合するためのねじ33を螺合させるものである。
図16(a)に示すように、孔部50E(50L、50R)は、本体金具10の垂直片部10Aへの取付面50Jに対して垂直な方向に形成されており、取付面50Jと取付面50Kとのなす角度は所定角度(例えば30°)に設定されていることにより、柱170に対する取付面50Kに対して、孔部50E(50L、50R)は垂直方向から傾いた方向に形成されていることになる。これにより、取付面50Jに対して垂直方向に挿入されたねじ31は、傾斜ブロック50が当接する柱170(第1の側面170A、第2の側面170B、第3の側面170C)に対して斜めに打ち込まれる(螺合される)ことになる。
すなわち、傾斜ブロック50を用いることにより、本体金具10の垂直片部10Aを柱170にねじ止めする際のねじ31の打込み方向(進行方向)を、柱170の側面(第1の側面170A、第2の側面170B、第3の側面170C)に対して斜め方向とすることができる。なお、図16(a)は左廻り階段用として使用する場合を示し、傾斜ブロック50を180°回転させると、図16(c)に示すように、右階段用として使用することができる。
また、図16(b)に示すように、傾斜ブロック50を用いずに、本体金具10の垂直片部10Aを直接柱170の側面にねじ止めする状態を示しており、この場合には、ねじ31は、本体金具10の垂直片部10A及び柱170の側面に対して垂直に打ち込まれる(螺合される)される。
このように、本実施形態では、本体金具10に傾斜ブロック50を組み合わせた場合には、ねじ31の打込み方向(進行方向)を柱170の側面に対して斜め方向とすることができ、傾斜ブロック50を用いない場合には、ねじ31の打込み方向(進行方向)を柱170の側面に対して垂直方向とすることができる。
これにより、支持具の取付位置が制限される場合であっても、柱170に対するねじ31の打込み方向(進行方向)を傾斜ブロック50の傾斜角度(例えば30°)だけ傾けることができるため、本体金具10の取付位置に関わらず、ねじ31の打込み方向(進行方向)を柱170の木材部170X方向とすることができる。これにより、従来のように、ねじ31が石膏ボード180のみに打ち込まれる(螺合される)といった強度が不十分な取付状態となることを回避することができる。
すなわち、各踏板101、102、103、…は、順次所定角度(例えば30°)ずつ回転させた位置で柱170に支持固定されるのに対して、これらの踏板101、102、103、…が取り付けられる柱170は互いに90°ずつの角度をもって隣接する側面(第1の側面170A、第2の側面170B、第3の側面170C、…)を有することにより、踏板101、102、103、…とその取付面(第1の側面170A、第2の側面170B、第3の側面170C、…)とのなす角度は一様にはならない。
また、廻り階段においては、踏板101、102、103、…と柱170との接続部の幅を大きく確保することが困難であるため、踏板101、102、103、…に対する支持具11、12、13、…の取付位置が限定されることになる。
このような制約の下では、踏板101、102、103、…と柱170(第1の側面170A、第2の側面170B、第3の側面170C)との接続部が柱170の側面(第1の側面170A、第2の側面170B、第3の側面170C)の縁部付近とならざるを得ない場合には、ねじ31の打込み方向(進行方向)を側面に垂直な方向とはせずに斜め方向とすることで、ねじ31が柱170の表面に設けられた石膏ボード180のみに打ち込まれる(螺合される)ことを回避し得るため、踏板101、102、103、…ごとに形状の異なる支持具を用いる必要があるが、本実施形態においては、傾斜ブロック50を本体金具10と組み合わせて使用する場合と、傾斜ブロックを組み合わせずに本体金具10のみで使用する場合とを選択することにより、すべての踏板101、102、103、…について同一形状の本体金具10を用いることが可能となる。
また、傾斜ブロック50を用いる場合は、本体金具10の垂直片部10Aに対する傾斜ブロック50の取付状態を180°回転させることで、左廻り階段用又は右回り階段用として用いることができるため、左廻り階段用の支持具と右回り階段用の支持具を別々に用意する必要がなくなる。
なお、上述の実施形態においては、本体金具10に対して着脱可能な傾斜ブロック50を組み合わせる場合について述べたが、これに限られず、例えば、図17~図21に示すように、L字形状の本体金具を2枚重ねて使用するようにしてよい。
具体的には、図17に示すように、本体金具110は、柱170の側面にねじにより取り付けられる垂直片部110Aと踏板にねじにより取り付けられる水平片部110Bとを有するL字形状の金属製板材により形成されており、垂直片部110Aと水平片部110Bとの間は、斜面部110Cにより一体化されている。
また、本体金具112に重ねて使用される本体金具120は、柱170の側面にねじにより取り付けられる垂直片部120Aと踏板にねじにより取り付けられる水平片部120Bとを有するL字形状の金属製板材により形成されており、垂直片部120Aと水平片部120Bとの間は、斜面部120Cにより一体化されている。
本体金具110の垂直片部110Aには、ねじ31(図4)を挿通するための孔部110E、110Gが形成されており、本体金具120の対応する箇所にも同様の孔部120E、120Gが形成されている。また、本体金具110の水平片部110Bには、ねじ32(図4)を挿通させるための孔部110Fが形成されており、本体金具120の対応する箇所にも同様の孔部120Fが形成されている。
本体金具110及び120の斜面部110C及び120Cには、それぞれねじ孔110H及び120Hが設けられており、本体金具110及び120を重ねることにより、これらのねじ孔110H及び120Hが1つのねじ孔を構成する。このねじ孔110H、120Hにねじ33を螺合させることにより、本体金具110及び120を重ねた状態で一体に締結することができる。
このようにして一体に重なった本体金具110及び120を用いて、垂直片部110A、120Aを柱170の側面に対してねじ31により固定すると共に、水平片部110B、120Bを踏板に対してねじ32により固定することにより、踏板を柱170の側面に支持固定することができる。
このように本体金具110及び120を重ねて使用する場合、ねじ31の柱側面に対する打ち込み方向は垂直片部110A、120Aに対して垂直方向、すなわち、柱側面に対して垂直方向となり、ねじ32の踏板に対する打ち込み方向は、水平片部110B、120Bに対して垂直方向、すなわち、踏板に対して垂直方向となる。従って、同様構成の2枚の本体金具110及び120を重ねて使用することにより、ねじ31、32を柱側面及び踏板に対して垂直方向に打ち込む(螺合させる)支持具として用いることができる。
このように、本体金具110及び120を重ねて使用することにより、十分な強度をもって、踏板を柱側面に支持固定することができる。
なお、垂直片部110A、120Aと水平片部110B、120Bとの間に斜面部110C、120Cを設け、当該斜面部110C、120Cにねじ孔110H、120Hを形成して本体金具110及び120を結合するためのねじ33を螺合させる構成としたことにより、ねじ33の先端が柱170や踏板に干渉することを回避することができる。
このように、本体金具110及び120を重ねて使用する構成においては、本体金具110に重ね合わせる本体金具120を他の本体金具150(図18、図19)に交換するだけで、柱170の側面に対するねじ31の打込み方向(螺合方向)を、柱側面に垂直な方向から傾けた方向とすることができる。
具体的には、図17との対応部分に同一符号を付して示す図18及び図19に示すように、本体金具110に対して、本体金具150を重ね合わせて使用する。本体金具150は、ねじ31を柱側面に対して斜めに打ち込む(螺合させる)ためのガイド部を構成する。本体金具150は、本体金具110の垂直片部110A、斜面部110C及び水平片部110Bにそれぞれ重ね合わせる垂直片部150A、斜面部150C及び水平片部150Bを有している。
斜面部150Cには、ねじ33を螺合させるためのねじ孔150Hが形成されており、本体金具150を本体金具110に重ね合わせた状態では、本体金具110のねじ孔110Hに重なり1つの連通したねじ孔を構成するようになっている。これにより、ねじ33をねじ孔150H及び110Hに螺合させることにより、ねじ33によって本体金具150と本体金具110を重ね合わせた状態で一体に結合することができる。
水平片部150bには、ねじ32を挿通するための孔部150Fが設けられており、本体金具150を本体金具110に重ね合わせた状態において、本体金具110の対応する孔部110Fと1つの孔部を構成するように連通するようになっている。
これにより、本体金具150と本体金具110とを重ね合わせて結合した状態において、ねじ32を用いて、本体金具150、110の水平片部150B、110Bを踏板に締結することができる。
また、垂直片部150Aには、傾斜面150M及び側面部150Nがプレス加工により設けられており、この傾斜面150Mには、ねじ31を挿通するための孔部150Eが設けられている。本体金具150を本体金具110に重ね合わせた状態では、孔部150Eは、それぞれ本体金具110の孔部110Eに重なり1つの連通した孔部を構成するようになっている。なお、傾斜面150Mの傾斜角度は、側面部150Nが本体金具110に重ねあわされた状態において当該本体金具110に当接することにより維持するようになっている。
この状態においては、図20(a)に示すように、孔部150Eと孔部110Eとの連通方向が柱170の側面に対して斜め方向に傾斜した方向となるように規制される。具体的には、本体金具110の垂直片部110Aに形成された孔部110Gは、長孔形状に形成されており、当該長孔の長径方向にねじの打込み方向の自由度が確保されている(すなわち、ねじを斜めに挿通させることができる)。これに対して、本体金具150の傾斜面150Mに設けられた孔部150Eは当該傾斜面150Mに垂直な方向(すなわち、本体金具110、150が取り付けられる柱側面に対して傾斜した方向)にねじ31を挿通する形状となっていることにより、本体金具150及び110を重ね合わせて結合した状態では、孔部150E、110Eによって連通する孔部の方向は、柱側面に対して傾斜した方向となる(図20(a))。すなわち、図20(b)に示すように、ねじ31を柱170に対して垂直な方向へ打ち込む(螺合させる)ことが困難になるようにねじ31の打込み方向(進行方向)を制限するようになっている。すなわち、孔部110Gと孔部150Gとの位置関係によって、ねじの打ち込み方向が制限されるようになっている。
また、本体金具150、110を重ね合わせた状態においては、本体金具150の孔部150Gと、本体金具110の孔部110Gとが連通して1つの孔部を形成することにより、この孔部を介して、ねじ31を柱170の側面に対して斜め方向に打ち込むことができる。
このように、本体金具110、120を重ねて使用した場合には、ねじ31を柱170の側面に対して垂直な方向に打ち込むことができ、これに対して、本体金具110、150を重ねて使用した場合には、ねじ31を柱170の側面に対して斜め方向に打ち込むことができることにより、必要に応じてこれらを使い分けることで、踏板101、102、103、…を柱170に支持固定するための支持具としての強度を保ちながら、当該支持具の取付位置の制限から必要となるねじ31の打込み方向を選択的に(柱側面に対して垂直方向又は斜め方向のいずれか)変更することができる。なお、図18、図19では、右廻り階段用の支持具について説明したが、左廻り階段用の支持具として用いる場合は、本体金具150と左右対称の本体金具(すなわち、傾斜面150Mの傾斜方向が逆である構成)を本体金具110に組み合わせることで対応することができる。
なお、本体金具150を本体金具110に重ね合わせて使用する場合においても、図21に示すように、斜面部110C、150Cにおいてねじ33により本体金具110、150を結合していることにより、ねじ33の先端部が柱170や踏板に干渉することを回避することができる。
なお、図17~図21に示した本体金具150においては、傾斜面150Mの傾斜角度を側面部150Nにより保持する場合について述べたが、これに限られず、例えば図17~図21との対応部分に同一符号を付して示す図22及び図23に示すように、側面部150Nに変えて、傾斜面150Mに突起形成加工により突起部(いわゆるダボ)251を形成することにより、当該突起部251によって傾斜面150Mの傾斜角度を保持するようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては、いわゆる蹴込芯と呼ばれる施工方法に適用する場合について述べたが、これに限られず、例えば、段鼻芯と呼ばれる施工方法に適用することもできる。
段鼻芯とは、図24に示すように、柱170の中心に段鼻101A、102A103A、…を合わせて配列する組立工法をいう。本発明による支持具11、12、13、…を段鼻芯工法の廻り階段に適用する場合、図25に示すように、1段目の踏板を支持する支持具11が当該1段目の蹴込板111と干渉部111Aにおいて干渉するが、この場合には、図26に示すように、蹴込板111の一部(干渉部111A)をカットしてカット部111Bを形成することにより、支持具11との干渉を回避することができる。
また、支持具12においても、蹴込板113と干渉部113Aにおいて干渉するが、この場合には、図27に示すように、蹴込板113の下端部の一部(干渉部113A)をカットしてカット部113Bを形成することにより、支持具12との干渉を回避することができる。なお、図27に示す構成に代えて、図28に示すように、踏板102の上面に蹴込板113の下端部を受ける切欠き部113Bを形成し、この切欠き部113Bによって蹴込板113を受ける構成とすることにより、蹴込板113の下端部が支持具12と干渉することを回避することができる。
また、上述の実施形態においては、支持具11,12、13、…を柱170及び踏板101、102、103、…に取り付ける手段としてねじ31、32を用いる場合について述べたが、これに限られず、例えば釘など、他の種々の締結手段を広く用いることができる。
また、上述の実施形態においては、柱170の表面に石膏ボード180を設けた構成に本発明の支持具を用いる場合について述べたが、これに限られず、柱170の表面に石膏ボード180を設けない場合においても適用して好適である。
また、上述の実施形態においては、廻り階段の踏板101、102、103、…を柱170の側面(第1の側面170A、第2の側面170B、第3の側面170C)に支持固定するための支持具11、12、13、…に本発明を適用する場合について述べたが、適用対象はこれに限られず、踏板以外の種々の部材を柱や壁等の固定対象に支持固定するための支持具に広く適用することができる。すなわち、支持具の取付位置に制限がある場合に本発明を適用して好適である。また、取付対象となる柱や踏板の材質も木製以外の材質(例えば、金属、樹脂等)に広く適用することができる。また、支持具(本体金具10及び傾斜ブロック50)の材質についても金属以外のもの(例えば樹脂等)を広く適用することができる。
また、上述の実施形態においては、横断面が正方形又は長方形の柱170(四角柱)に踏板101、102、103、…を取り付ける場合に用いる支持具11、12、13、…について述べたが、本発明はこれに限らず、踏板の取付対象は他の種々の形状のものを含めた基体を広く適用することができる。
例えば、図29及び図30に示すように、全体が直方体形状の基体270を中心として、その側面270A、270B、270Cに踏板を取り付ける構成としてもよい。側面270A、270B、270Cには、踏板(図示せず)を載せるための平面状の支持部271、272、273、274、275が踏板の固定高さごとに当該基体270の周囲を廻る方向に順次設けられており、この支持部271、272、273、274、275と、各蹴込板211、212、213、214、215、216の上縁部211A、212A、213A、214A、215A、216Aに踏板を載せ、支持具11、12、13、…によって支持固定する。
支持具11、12、13、…は、上述の実施形態と同様に、垂直片部10A及び水平片部11Bを有し、垂直片部10Aを側面270A(270B、270C)にねじ31によってねじ止めし、水平片部11Bを踏板にねじ32によってねじ止めすることにより、各踏板を基体270に支持固定することができる。
このように、廻り階段の各踏板を支持する柱は、横断面が正方形のもの以外であっても本発明による支持具を適用することができる。すなわち、基体270の表面に石膏ボード180が設けられている場合に、必要に応じて傾斜ブロック50を介して本体金具10を基体側面に取り付けることにより、取付用のねじが石膏ボード180のみに打ち込まれるといった不都合を回避することができる。特に図29及び図30に示すような複雑な形状の基体270を用いる場合、支持具11、12、13、…の取付位置の制約が多くなることが想定されるが、本発明による傾斜ブロック50を本体金具10に組み合わせた支持具(図29、図30において例えば支持具14)を用いることにより、固定用のねじを確実に基体270の本体部(例えば木材部)に打ち込むことができ、実用上十分な強度で踏板を支持固定することができる。
また、図29、図30では、各踏板を支持する柱として直方体形状の基体270を用いる場合について述べたが、これに限られず、例えば、建物の壁面等、他の種々の構造物の側面を適用することもできる。また、石膏ボードを表面に設けない基体に対しても、支持具の取付位置に制約がある場合において、当該ねじ(締結具)の打込み方向を、より強度が得られる方向とする場合に適用して好適である。