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JP7498566B2 - 粒状構造体 - Google Patents
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本発明は、水性媒体中で使用される粒状構造体に関する。
水中の有害物質の除去に使用される吸着剤、水媒体中での化学反応に使用される触媒等には、使用時の利便性から、多孔質粒子をバインダーで造粒してなる粒状構造体が利用される。
この場合の造粒には、転動造粒法、押出造粒法、噴霧乾燥法等の造粒方法が利用されており、例えば、特許文献1には、噴霧乾燥法によって、特定の細孔容積を有する放射性物質除染粒子の凝集体を製造することが記載されている。
特開2014-228282号公報
ここで、造粒後の粒状構造体において、多孔質粒子が本来有する吸着容量を発揮させ、破過曲線における破過をできるだけ遅らせるためには、粒子内部の空隙率を大きくするだけでなく、空隙に水が入り込みやすくするために、外部との連通を有する空隙を設計する必要がある。しかしながら、従来の造粒方法では、多孔質粒子(吸着剤粉末)が有する本来の吸着容量を十分に発揮することができていなかった。
すなわち、転動造粒法や押出造粒法によって得られた造粒物は、空隙率が比較的小さいため、多孔質粒子本来の吸着容量を損なっていると考えられる。さらに、転動造粒法は、造粒後の粒度分布がブロードであるため、必要とする粒径の粒子の生産のためには、粗大粒子の解砕、又は微粉末の再造粒といった操作が必要となり、歩留まりが悪くなる傾向がある。
一方、噴霧乾燥法は、得られる造粒物の空隙率が大きく本来の吸着容量を発揮できるだけでなく、造粒後の粒度分布がシャープであり、必要とする粒径の粒子を歩留まり良く生産することができる。しかし、噴霧乾燥法は水や熱を大量に使用することからサステナブルな方法ではない。また、造粒物の粒子強度が低いために吸着剤、触媒等の強度が必要とされる用途の造粒には適しているとはいい難い。
したがって本発明は、多孔質粒子による造粒物であって、多孔質粒子が有する本来の吸着容量が高く、更に触媒活性を十分に発揮することができ、かつ粒子強度も高い粒状構造体に関する。
本発明者らは、種々の造粒法を検討した結果、容器回転型造粒機と多流体ノズルを用いる造粒法によれば、空隙率が高く多孔質粒子本来の吸着容量が高く、更に触媒活性を十分に発揮でき、しかも十分な粒子強度を有する粒状構造物を、歩留まり良く製造することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、親水性多孔質粒子がバインダーを介して互いに結合している粒状構造体であって、粒状構造体の中央断面積中において30μm2以上の面積を有する空隙の占める比率が、乾燥時において5%以上15%以下であり、乾燥時における前記比率から水含浸時における前記比率を引いて得られる含水能力が4%以上15%以下であり、かつ、粒状構造体の粒子強度が400gf/mm2以上2000gf/mm2以下である、粒状構造体を提供するものである。
本発明の粒状構造体は、多孔質粒子をバインダーで造粒して得られ、多孔質粒子が有する本来の吸着容量又は触媒活性を十分に発揮することができ、しかも十分な粒子強度を有する。
多孔質粒子としてA型ゼオライトを使用した場合について、平衡上清濃度に対する吸着量をプロットした吸着等温線である。 多孔質粒子としてA型ゼオライトを使用した場合について、平衡上清濃度に対する平衡上清濃度の吸着量による除数をプロットしたLangmuirプロットである。
〔粒状構造体〕
本発明の粒状構造体は、多孔質粒子本来の吸着容量を発揮させる観点から、その断面積中において30μm2以上の面積を有する空隙の占める比率(以下、単に「空隙率」ということがある)が、乾燥時において、5%以上であって、好ましくは6%以上、より好ましくは7%以上、更に好ましくは7.5%以上であり、また、粒子強度や粒状構造体の嵩比重を保持する観点から、15%以下であって、好ましくは14%以下、より好ましくは12%以下、更に好ましくは10%以下である。
また、本発明の粒状構造体は、空隙に水が入り込みやすいものである観点から、乾燥時における空隙率から水含浸時における空隙率を引いて得られる含水能力が、4%以上であって、好ましくは5%以上、より好ましくは5.5%以上、更に好ましくは6%以上であり、また、粒子強度の維持の観点から、15%以下であって、好ましくは14%以下、より好ましくは12%以下、更に好ましくは10%以下である。
なお、本発明において、粒状構造体の空隙率の測定は、ガラスキャピラリーに粒状構造体を入れ、X線CT(ブルカーマイクロCT社製)を用いて取得した粉体断面像を、画像処理ソフトImageJを使用して解析を行った。すなわち、粉体中央の断面像を二値化し、粉体面積中の空隙面積割合を算出することで粉体空隙率とした。なお、検出可能な空隙サイズは装置分解能(0.8μm)である。
さらに、本発明の粒状構造体は、吸着剤、触媒等の強度が必要とされる用途に好適に使用できる観点から、粒状構造体の粒子強度が、400gf/mm2以上であって、好ましくは450gf/mm2以上、より好ましくは500gf/mm2以上、更に好ましくは550gf/mm2以上であり、また、吸着等を実施した後の減容処理を容易にする観点から、2000gf/mm2以下であって、好ましくは1800gf/mm2以下、より好ましくは1500gf/mm2以下、更に好ましくは1200gf/mm2以下である。
本発明の粒状構造体の造粒に使用される親水性多孔質粒子としては、ゼオライト、シリコチタネート、フェロシアン化物、チタン酸等が挙げられ、なかでもゼオライトの一種であるA型ゼオライト、モルデナイト、クリノプチロライト、チャバサイトが好ましい。
親水性多孔質粒子の細孔率は、十分な吸着容量を得る観点から、好ましくは15%以上、より好ましくは18%以上、更に好ましくは20%以上であり、また、結晶構造の骨格を維持する観点から、好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下、更に好ましくは50%以下である。
親水性多孔質粒子の平均粒子径は、吸着効率を向上する観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは3μm以上であり、また、粒状構造体の形成のしやすさの観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは10μm以下、更に好ましくは7μm以下である。
本発明の粒状構造体の造粒に使用されるバインダーとしては、ケイ酸塩、脂肪酸、ワックス等が挙げられ、なかでもケイ酸塩が好ましい。ケイ酸塩としては、粒状構造体を形成する観点から、ケイ酸ナトリム及びケイ酸カリウムから選ばれる1種又は2種を含むことが好ましく、ケイ酸ナトリウムを含むことがより好ましい。ケイ酸塩中、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムとの合計含有量は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上、更に好ましくは99.5質量%以上、更に好ましくは実質100質量%である。
ケイ酸ナトリウムとしては、メタケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)、オルトケイ酸ナトリウム(Na4SiO4)、二ケイ酸ナトリウム(Na2Si25)、四ケイ酸ナトリウム(Na2Si49)及びそれらの水和物が挙げられる。ケイ酸ナトリウム材料としては、通常、JIS K1408に記載のケイ酸ソーダ1号、2号、3号のほか、種々のモル比の水ガラスを使用することができる。
ケイ酸ナトリウムは、一般にNa2O・nSiO2・mH2Oの分子式で表される。係数n(Na2Oに対するSiO2の分子比)はモル比と呼ばれ、下記式で表すことができる。
Figure 0007498566000001
ケイ酸ナトリウムの物性は前記モル比によって異なるが、粒状構造体使用時のハンドリング性を向上する観点から、前記モル比は、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.4以上、更に好ましくは2.8以上、更に好ましくは3.0以上であり、また、製造時の噴霧性を向上する観点から、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、更に好ましくは3.3以下である。
本発明の粒状構造体を構成するバインダーと親水性多孔質粒子との質量比(バインダー/親水性多孔質粒子)は、粒状構造体使用時のハンドリング性を向上する観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上であり、また、吸着効率の観点から、好ましくは1以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.7以下である。
本発明の粒状構造体の平均粒子径は、粒状構造体使用時のハンドリング性を向上する観点から、好ましくは50μm以上、より好ましくは80μm以上、更に好ましくは100μm以上であって、吸着効率を向上する観点から、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1000μm以下、更に好ましくは800μm以下である。
〔製造方法〕
本発明の粒状構造体は、回転している容器回転型造粒機中の親水性多孔質粒子に、バインダーの水溶液を多流体ノズルで噴霧することによって造粒する工程を含む方法(以下、「噴霧凝集法」という)によって製造することができる。
一般に、容器回転型造粒機を用いた造粒方法によれば、粉体を均一に流動せしめることが可能であり、更に、回転による粒子の持ち上げ及び自重による滑り・落下を伴う混合機構により、粉体に加えられるせん断力が抑制される。そのため、容器回転型造粒機を用いた造粒方法は非圧密な造粒方法ということができる。これにより、前記方法で得られる本発明の粒状構造体は、他の造粒法によって得られる造粒物に比べ、大きな空隙率を有する。
さらに、前記造粒方法によれば、好適な粒度の造粒物を、収率良く得ることができる。これは、多流体ノズルを用いて、バインダーを予め微細な水溶液の液滴として噴霧して、容器回転型造粒機内に供給することにより、粗大粒子の形成する大きな液塊が発生しないためと考えられる。
前記の製造方法において、噴霧するバインダー水溶液中のバインダー濃度は、親水性多孔質粒子同士を結着させるのに好適な濃度とする観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、また、ハンドリング性及び液滴として噴霧し、粗大粒子化の抑制及び粒状構造体の強度を高める観点から、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは58質量%以下である。なお、バインダー水溶液中のバインダー濃度(固形分)は、実施例記載の方法により求めることができる。
また、バインダー水溶液には、本発明の効果を阻害しない限り、ポリマー、無機粒子等を含有させることもできるし、また、炭素数1~3の低級アルコール等を含有させることもできる。
(容器回転型造粒機)
容器回転型造粒機としては、ドラム型造粒機及びパン型造粒機が好ましい。ドラム型造粒機としては、ドラム状の円筒が回転して処理を行うものであれば特に限定されない。水平又はわずかに傾斜させたドラム型造粒機も使用可能である。これらの装置は、バッチ式、連続式いずれの方式でもよい。
なお、親水性多孔質粒子と容器回転型造粒機の内壁との間の壁面摩擦係数が小さく、親水性多孔質粒子に十分な上昇運動力を加えることが困難な場合は、容器内壁に混合を補助するための複数個の邪魔板(バッフル)を設けることが好ましい。邪魔板を設けることにより、親水性多孔質粒子に上昇運動を付与することが可能となり、粉末混合性及び固液混合性が向上する。
容器回転型造粒機の運転条件としては、造粒機内の親水性多孔質粒子をできるだけ均一に流動させ、撹拌できる条件であれば特に制限されない。十分な粒子強度を有する粒状構造物を歩留まりよく製造する観点から、下記式で定義されるフルード数を0.005以上とすることが好ましく、0.01以上とすることがより好ましく、0.05以上とすることが更に好ましく、非圧密の造粒物を得る観点から、1.0以下とすることが好ましく、0.6以下とすることがより好ましく、0.4以下とすることが更に好ましい。
Figure 0007498566000002
なお、本体胴部の回転によって造粒が進行するドラム型造粒機又はパン型造粒機においては、V及びRは本体胴部の値を用い、主翼や解砕翼を備えた横型又は竪型造粒機においては、V及びRは主軸の値を用い、解砕翼を備えたパン型造粒機においては、V及びRは解砕翼の値を用いることとする。
(多流体ノズル)
本発明においては、バインダーの水溶液を多流体ノズルを用いて供給する。多流体ノズルを用いることにより、その液滴を微細化して分散させることができる。多流体ノズルとは、液体と微粒化用気体(エアー、窒素等)を独立の流路を通してノズル先端部近傍まで流通させて混合・微粒化するノズルであり、二流体ノズル、三流体ノズル、四流体ノズル等を挙げることができる。また、バインダー水溶液と微粒化用気体の混合部は、ノズル先端部内で混合する内部混合型、ノズル先端部外で混合する外部混合型のいずれであってもよい。
このような多流体ノズルとしては、スプレーイングシステムスジャパン社製、共立合金製作所社製、いけうち社製等の内部混合型二流体ノズル、スプレーイングシステムスジャパン社製、共立合金製作所社製、アトマックス社製等の外部混合型二流体ノズル、藤崎電機社製の外部混合型四流体ノズル等が挙げられる。
また、バインダー水溶液の液滴径は、バインダー水溶液の流量と微粒化用気体の流量のバランスを調整することにより、所望の範囲に調整することができる。すなわち、液滴径を小さくする場合は、一定流量のバインダー水溶液に対して、微粒化用気体の流量を増加させればよく、また、一定流量の微粒化気体に対して、バインダー水溶液の流量を低下させればよい。
例えば、二流体ノズルを用いる場合、微粒化用気体の流量の調整は、微粒化用気体の噴霧圧の調整により行うのが容易である。微粒化用気体噴霧圧としては、液分散の観点から0.05MPa以上が好ましく、設備負荷の観点から1MPa以下が好ましい。また、バインダー水溶液の噴霧圧としては特に制限はないが、設備負荷の観点から、例えば1MPa以下が好ましい。
バインダー水溶液の液滴径の平均粒径は、十分な粒子強度を有する粒状構造物を歩留まりよく製造する観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下であり、使用時のハンドリング性を向上する観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上である。
滴径を小さくするほどバインダー水溶液の流量が低下し生産性が低下するが、例えば多流体ノズルを複数個使用しノズル一本当たりの流量を低下させることで、液滴の微細化を維持しつつ添加速度を上げることができる。多流体ノズルは1本以上であればよいが、2~20本用いることもできる。
なお、当該バインダー水溶液の液滴径の平均粒径は体積基準で算出されるものであり、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、スプレーテック)を用いて測定される値である。
バインダー水溶液を多流体ノズルを用いて噴霧する際のバインダー水溶液の温度は、噴霧の安定性の観点から、5~50℃が好ましく、10~30℃がより好ましい。
バインダー水溶液の添加速度は、シャープな粒度分布の造粒物を得る観点から、親水性多孔質粒子100質量部に対して、好ましくは35質量部/分以下、より好ましくは20質量部/分以下、更に好ましくは10質量部/分以下であり、また、好ましくは1質量部/分以上、より好ましくは2質量部/分以上、更に好ましくは3質量部/分以上である。上記の範囲は、JIS K1408に記載のケイ酸ソーダ1号、2号又は3号を用いる場合に好適である。
また、バインダー(固形分)の添加速度は、上記と同様の観点から、当該親水性多孔質粒子100質量部に対して、好ましくは30質量部/分以下、より好ましくは18質量部/分以下、更に好ましくは9質量部/分以下であり、また、好ましくは0.4質量部/分以上、より好ましくは0.8質量部/分以上、更に好ましくは1.2質量部/分以上である。
(乾燥)
本発明においては、粒子強度を高め、構造体の水中での使用時にも安定な造粒物とする観点から、得られた粒状構造体を更に乾燥することが好ましい。乾燥法については、棚乾燥、流動層乾燥、減圧乾燥、マイクロ波乾燥等が挙げられる。なかでも、設備的な観点から、棚乾燥、流動層乾燥が好ましい。
乾燥中の粒状構造体の崩壊を抑制する観点から、強いせん断力をできるだけ与えない乾燥方式が好ましい。例えば、バッチ式では、電気式棚乾燥機や熱風乾燥機で乾燥させる方法、バッチ式流動層で乾燥させる方法等が挙げられ、連続式では、流動層やロータリー乾燥機、スチームチューブドライヤー等が挙げられる。
乾燥温度は、乾燥速度を考慮して適宜決定することができるが、好ましくは60℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上である。また、熱負荷を低減する観点から、その上限は、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下、更に好ましくは200℃以下である。
乾燥時間は、製造に用いたバインダー水溶液の有効分や量により異なるが、粒状構造体の粒子強度が前述の範囲となるように適宜調整を行う。乾燥時間は、通常、10分~24時間程度、より好ましくは20分~15時間程度、更に好ましくは30分~8時間程度である。
得られる粒状構造体の中の水分量は、粒子強度を高め、構造体の水中での使用時にも安定な造粒物とする観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下であり、生産性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以下である。
〔用途〕
本発明の粒状構造体は、水中有害物質の吸着剤、極性溶媒の液相反応系用の触媒等として有用である。例えば、原子力発電における放射性物質を含む汚染水の処理、工場から排出される有害金属や有機物を含む排水の処理、油脂類加工用の水素添加用触媒等に利用することができる。
実施例1~2、比較例1~3
多孔質粒子としてA型ゼオライト又はモルデナイト、バインダーとしてケイ酸ナトリウムを用い、実施例1~2、比較例1~3に示す製造方法によって粒状構造体を製造した。表1に粒状構造体の製造に使用した原料の組成、得られた粒状構造体の組成、平均粒径及び水分量について示す。なお、粒状構造体の水分量は以下のようにして測定した。
<粒状構造体の水分量の測定>
試料2gをアルミ製の直径11.5cmの容器上に均一に散布し、その後、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、FD240)を用い、湿量基準水分測定モードにて温度105℃、Autoの条件(測定値の変化量が、30秒間で0.05%以内になったときを最終測定値とみなして測定を終了)で測定した揮発自由水分を除くことで算出した。なお、表1に示した水分量は固形分に対する外比である。
・実施例1(噴霧凝集法)
表1に示す配合割合で、A型ゼオライト(ゼオビルダー社製、商品名:ゼオライト(パウダー)、平均粒径約3μm)を、邪魔板を有する75Lドラム型造粒機(φ40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながら、ケイ酸ナトリウム水溶液(富士化学社製、商品名:3号珪酸ソーダ、モル比:3.0~3.3、ボーメ度:40~53、固形分:54.3%)を外部混合型二流体ノズル1個(アトマックス社製)を用いて噴霧添加し造粒した。なお、バッチサイズは6.9kgである。また、珪酸ナトリウム水溶液の噴霧液滴径のメジアン径は69μmであった。
珪酸ナトリウム水溶液噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気乾燥機を用いて150℃で720分間乾燥して、実施例1の粒状構造体を得た。
・比較例1(噴霧造粒法)
表1に示す配合割合で、A型ゼオライト(ゼオビルダー社製、商品名:ゼオライト(パウダー)、平均粒径約3μm)と、ケイ酸ナトリウム水溶液(富士化学社製、商品名:3号珪酸ソーダ、モル比:3.0~3.3、ボーメ度:40~53、固形分:54.3%)と、水とを、タービン翼(井上製作所社製DHC-10)で混合し、固形分が50.0%の水スラリーを得た。なお、水スラリーの調製は、まず混合槽に水を投入し、次いでケイ酸ナトリウム水溶液を投入し、次にゼオライトを添加し、混合することによって行った。
得られた水スラリーを、送風温度170℃で噴霧乾燥して、比較例1の粒状構造体を得た。
・比較例2(転動造粒法)
表1に示す配合割合で、A型ゼオライト(ゼオビルダー社製、商品名:ゼオライト(パウダー)、平均粒径約3μm)を2Lハイスピードミキサー(深江パウテック社製:LFS-2、アジテータ回転数300r.p.m.、チョッパー回転1300r.p.m.)で混合しながらケイ酸ナトリウム水溶液(富士化学工業社製、商品名:3号珪酸ソーダ、固形分:55.1%)を滴下添加し転動造粒した。なお、バッチサイズは0.3kgである。珪酸ナトリウム水溶液の滴下液滴径のメジアン径はおよそ500μmであった。
珪酸ナトリウム水溶液滴下後、5分間混合を継続した後、2Lミキサーから排出し、電気式棚乾燥機を用いて120℃で4時間乾燥して、比較例2の粒状構造体を得た。
・比較例3(押出造粒法)
表1に示す配合割合で、A型ゼオライト(ゼオビルダー社製、商品名:ゼオライト(パウダー)、平均粒径約3μm)をナウターミキサー(ホソカワミクロン社製:LV-1、最大回転数)で混合しながら珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業社製、商品名:3号珪酸ソーダ、固形分:55.1%)を滴下添加した。なお、バッチサイズは0.6kgである。珪酸ナトリウム水溶液の滴下液滴径のメジアン径はおよそ500μmであった。
珪酸ナトリウム水溶液滴下後、10分間混合を継続した後、ミキサーから排出した。抜出した混合物を、ドームグラン(ダルトン社製:DG-L1、φ1.5mmスクリーン、回転数50rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物はバットに受け、パワーミル(ダルトン社製:P-02S、φ5.0mmスクリーン)で整粒を行った後、電気式棚乾燥機を用いて140℃で4時間乾燥して、比較例3の粒状構造体を得た。
・実施例2(噴霧凝集法)
表1に示す配合割合で、モルデナイト(東ソー社製、商品名:HSZ-642NAA、平均粒径12μm)を、邪魔板を有する75Lドラム型造粒機(φ40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながら、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学社製、商品名:3号珪酸ソーダ、モル比:3.0~3.3、ボーメ度:40~53、固形分:54.3%)を外部混合型二流体ノズル1個(アトマックス社製)を用いて噴霧添加し造粒した。なお、バッチサイズは8.9kgである。また、珪酸ナトリウム水溶液の噴霧液滴径のメジアン径は69μmであった。
珪酸ナトリウム水溶液噴霧後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気乾燥機を用いて150℃で720分間乾燥して、実施例2の粒状構造体を得た。
Figure 0007498566000003
試験例(粒状構造体の評価)
上で得られた実施例1~2、比較例1~3の粒状構造体について、多孔質粒子の飽和吸着容量、粒状構造体の破過容量、空隙率、含水能力、粒子強度を測定し、結果を表3に示す。各粒状構造体は、篩分けして表3に示す粒子径の範囲のものを以下の測定に用いた。
なお、参考例として、天然ゼオライトについても同様に測定し、結果を表3に併せて示す。
天然ゼオライトの粒状構造体としては、ジークライト社製のZ-05(粒径0.5~1.0mm)を用いた。そのままでは微量の微粉が存在するため、水洗により微粉を取り除いてから評価に供した。多孔質粒子としては、ジークライト社製のSGW(粒径10μm)を用いた。なお、SGWはZ-05の破砕品である。
<多孔質粒子の飽和吸着容量の測定方法>
300、500、800、1000、5000、10000、15000ppmのCsCl水溶液100mLに対して、多孔質粒子1gを100mLビーカーに秤量し、スターラーピースを用いて24時間攪拌後のCsの平衡上清濃度を以下の方法にて測定した。初期濃度と平衡上清濃度から吸着量を算出した。
多孔質粒子としてA型ゼオライトを使用した場合について、図1に平衡上清濃度に対する吸着量をプロットした吸着等温線、図2に平衡上清濃度に対する平衡上清濃度の吸着量による除数をプロットしたLangmuirプロットを示す。
以下のLangmuir式(1)を変形し、Langmuirプロットを表す式(2)の傾きから多孔質粒子の飽和吸着容量を算出した。
Figure 0007498566000004
<粒状構造体の破過容量の測定方法>
容量2mLのカラム(バイオ・ラッドラボラトリーズ社製エコノカラム クロマトグラフィー用カラム#7370707)に上記の実施例及び比較例で製造した粒状構造体を2.0g入れ、アトー社製SJ-1211II-Lペリスタポンプを用いて1000ppmのCsCl溶液を1mL/minの流速で流し、東京理化器械社製フラクションコレクターDC-1000で10mLずつ分画して、Cs濃度を以下の方法で分析することにより破過曲線を得た。濃度が初期濃度の1%を超えた時間を破過時間として、その時間までの吸着量を粒状構造体の破過容量とした。
(Cs濃度の測定方法)
Cs濃度の測定は、誘導結合プラズマ質量分析装置<ICP-MS>を使用した。装置は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製iCAP Qsを使用し、133CsをHeコリジョンモードで測定した。検量線は、原子吸光用標準液<Cs 1000μ g/mL 関東化学社製>を用いて、1%硝酸で希釈して作成した。試料は、検量線範囲内に納まるように1%硝酸で希釈して調製したものを測定に供した。
Figure 0007498566000005
(空隙率の測定方法)
空隙率の測定は、X線CT装置(ブルカーマイクロCT社製、SKYSCAN1272)を使用し、フル走査モードで測定した。測定条件は、電圧値は50kV、電流値は200μA、解像度は4904×3280pixel、分解能は0.8μmとした。取得した画像について画像処理ソフトImageJを用いて閾値を35に設定して二値化し、ImageJ中のコマンドAnalyze Particlesによって空隙面積が30μm2以上の空隙率を算出した。
(粒子強度の測定方法)
粒子硬度測定装置(岡田精工社製、グラノ)を用い、装置内のステージに粒状構造体1個を配置し、圧子を100μm/secの速度で降下させ、粒状構造体が崩壊した際の荷重を測定した。この際、10個の粒状構造体について測定し、数平均値で示した。
Figure 0007498566000006

Claims (2)

  1. 親水性多孔質粒子がバインダーを介して互いに結合している粒状構造体であって、
    粒状構造体を構成するバインダーと親水性多孔質粒子との質量比(バインダー/親水性多孔質粒子)が、0.2以上0.7以下であり、
    親水性多孔質粒子が、ゼオライトであり、
    バインダーが、ケイ酸塩であり、
    粒状構造体の中央断面積中において30μm2以上の面積を有する空隙の占める比率が、乾燥時において5%以上15%以下であり、
    乾燥時における前記比率から水含浸時における前記比率を引いて得られる含水能力が4%以上15%以下であり、かつ、
    粒状構造体の粒子強度が400gf/mm2以上2000gf/mm2以下である、
    粒状構造体。
  2. 水中有害物質の吸着剤である、請求項1記載の粒状構造体。
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