JP7498692B2 - 固形充填物の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
したがって本発明の課題は、良好な外観を有する固形化粧料等の固形充填物を製造し得る方法及び装置を提供することにある。
前記上側開口部を押圧補助具で被覆した状態で、前記容器の内容物を該押圧補助具ごと押圧具で押圧する押圧工程とを有する、固形充填物の製造方法に関する。
前記押圧工程では、前記押圧補助具に0.01kgf/m以上3kgf/m以下の張力を加えた状態で、前記押圧具が備える吸引機構により、前記容器の内容物から前記上側開口部を介して該内容物中の溶媒を吸引除去することが好ましい。
容器1は、固形化粧料の中間物M(化粧料スラリー又は該スラリーの固化物)が収容され且つ上側開口部1aを有する。
押圧具3は、容器1の内容物、具体的には、スラリー状中間物M又はその固化物である固形状中間物Mを上側開口部1a側から押圧するために用いられる。
押圧補助具4は、一方向に長い帯状の連続シートであり、ロール状に巻回された原反40から巻き出され、ガイドロール41に案内されて受け治具2と押圧具3との間を走行し、巻取装置42によって巻き取られるようになされている。巻取装置42は、押圧補助具4の走行手段として機能する。
押圧具3及び押圧補助具4は、それぞれ、上下動可能に配置されており、受け治具2に対して接離自在になされている。
スラリー状中間物Mの充填時の流量は、生産性向上と装置負荷軽減とのバランスの観点から、好ましくは30ml/分以上、より好ましくは60ml/分以上、更に好ましくは90ml/分以上、そして、好ましくは1000ml/分以下、より好ましくは800ml/分以下、更に好ましくは600ml/分以下である。
押圧制御部62は、押圧具3及び押圧補助具4を受け治具2に対して接離自在に移動させる移動機構を作動させて、容器1の上側開口部1aを押圧補助具4で被覆した状態で、容器1の内容物を押圧補助具4ごと押圧具3で押圧する(図1(c)参照)。
溶媒除去制御部63は、押圧具3が備える前記吸引機構等の溶媒除去手段を作動させて、スラリー状中間物M中の溶媒を吸引除去し、固形状中間物Mとする。
第1押圧工程では、押圧具3による押圧と並行して、押圧具3が備える前記吸引機構等の溶媒除去手段により、容器1の内容物から上側開口部1aを介して該内容物中の溶媒を吸引除去する。すなわち第1押圧工程では、上側開口部1aを押圧補助具4で被覆した状態で、容器1の内容物(具体的にはスラリー状中間物M)を押圧補助具4ごと押圧具3で押圧しつつ、該内容物から上側開口部1aを介して該内容物中の溶媒を吸引除去し、固形状の中間物Mとする(図1(c)参照)。
通常、押圧補助具4のたるみやよれを抑制し、均一な張りをもった状態として押圧対象の外観を良くする目的から、5kgf/m程度の張力をかけることが一般的に行われている。しかし、本発明の吸引孔跡を抑制するという観点からは、一般的な張力よりも小さい張力を加えることが好ましいことを本発明者は見出した。
吸引孔31の跡が発生することを防止するための有効な手段はこれまで分かっておらず、押圧条件、溶媒吸引条件及び押圧補助具4の種類などの各種製造条件を試行錯誤的に変更して対応するしかなかった。このような状況下、この欠陥の発生を抑制するための手段について本発明者が鋭意検討した結果、押圧補助具4に所定の張力を加えることが有効であることが判明した。
また押圧補助具4に加える張力は、好ましくは3kgf/m以下、より好ましくは2.5kgf/m以下、更に好ましくは2.0kgf/m以下、更に一層好ましくは1.5kgf/m以下、特に好ましくは1.0kgf/m以下とする。この値以下の張力を押圧補助具4に加えることで、固形化粧料の表面に、吸引孔31の跡が発生することを効果的に防止できる。
押圧を行う場合には、押圧具3にロードセルなどの圧力検出センサ(図示せず)を取り付けておき、押圧具3による押圧力を監視することが好ましい。
しかし、溶媒として水を用いる場合に、押圧補助具4が紙であると、押圧具3による溶媒の吸引時にスラリー状中間物Mから吸引された水を押圧補助具4が吸収し、押圧補助具4の強度が低下するおそれがある。紙であっても耐水性の高いものであれば問題なく使用することができるが、溶媒の透過性及び溶媒に対する耐性等を考慮すると、押圧補助具4として布を用いることが好ましい。例えば、織布や不織布を用いることができる。布は紙よりも平滑性が低いため、押圧補助具4として布を用いた場合に、本発明の効果が発揮されやすい。
押圧補助具4を構成する布の素材は特に制限されないが、中間物Mの溶媒として水を用いた場合であっても耐性を有するものであることを考慮すると、合成樹脂のような疎水性材料を主体とするものが好ましい。
厚みは、定圧厚さ測定器PJ-16J(テックロック社製)によって測定される。
前記化粧料基材は、典型的には、体質顔料、着色顔料、光輝性顔料等の粉体と、油剤とを含む。粉体及び油剤としては、固形化粧料に通常使用されているものを特に制限なく用いることができる。上述したとおり、固形化粧料の表面に発生する吸引孔31の跡は、光輝性顔料の含有量が少ないと視認されやすくなることから、本発明は、固形化粧料に含まれる光輝性顔料の含有量が20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である場合に特に有効である。
前記溶媒としては、湿式法による固形化粧料の製造で従来使用されているものを特に制限なく用いることができ、従来多用されている揮発性炭化水素、低沸点アルコール等の有機溶剤を用いてもよく、あるいは環境負荷の低減の観点から水を用いてもよい。
なお、本明細書において「粘度」は、25℃において、東機産業社製のB型粘度計(TVB-10形粘度計)により測定した値を指す。
例えば前記実施形態は、化粧料スラリーを容器1の底部から充填するバック充填方式であったが、本発明は、該スラリーを容器1の上側開口部1a側から充填するフロント充填方式にも適用できる。
また前記実施形態では、押圧補助具4が押圧具3とともに上下に移動し、受け治具2に対して接離自在になされていたが、これに代えて、押圧補助具4は上下動せず、常時所定の位置、例えば受け治具2の上面2aと接触し得る位置に配置されていてもよい。
また押圧工程においては、押圧力を一段階のみに設定してもよく、あるいは必要に応じて押圧力を多段階に設定してもよい。
図2に示す製造装置と同様の構成のバック充填方式の製造装置を用いて、湿式法により固形化粧料を製造した。具体的には図1(a)~図1(d)に示すように、上側開口部1aを有する皿状の容器1を受け治具2の凹部20に載置し、上側開口部1aを押圧補助具4で被覆した状態で、容器1の内部にノズル5によりスラリー状中間物M(化粧料スラリー)を充填する充填工程を実施するとともに、第1押圧工程として、押圧補助具4に密着する押圧具3により、上側開口部1aを介してスラリー状中間物M中の溶媒を吸引除去しつつ、該中間物Mを押圧補助具4ごと凹部20の底部側に押圧する押圧工程(湿式成型工程)を実施して、固形状中間物M(化粧料スラリーの固化物)を得た。次いで、第2押圧工程として、得られた固形状中間物Mを更に押圧し、溶媒を吸引除去し、目的とする固形化粧料を製造した。
・押圧補助具の素材:80%レーヨン・20%ポリプロピレンポリエチレン不織布(厚み420μm、坪量40g/m2)
<第1押圧工程>
・押圧補助具に加える張力:5kgf/m
・化粧料スラリーの充填時の圧力:0.4MPa
・化粧料スラリーの充填時の流量:290ml/分
・化粧料スラリー中の溶媒の吸引圧力:-50kPa
<第2押圧工程>
・押圧補助具に加える張力:表1に示したとおり
・押圧具3による押圧条件:表1に示したとおり
・固形状中間物M中の溶媒の吸引圧力:第1の押圧工程と同じ
実施例及び比較例で得られた固形化粧料について、押圧補助具4との対向面を5人のパネラーに目視観察させて、その状態を以下の基準で評価させた。評価点の平均値を、固形化粧料の外観の良好さの尺度とした。値が高いほど、外観が良好であることを意味する。
<評価基準>
5:吸引孔の跡が全く認められない
4:吸引孔の跡がごく僅かに認められる
3:吸引孔の跡が認められる
2:吸引孔の跡がはっきりと認められる
1:比較例1の状態であり、吸引孔の跡が極めてはっきりと認められる
1a 上側開口部
2 受け治具
20 容器載置用凹部
3 押圧具
31 吸引孔
32 保持部材
33 弾性部材
4 押圧補助具
40 原反
41 ガイドロール
42 巻取装置(押圧補助具の走行手段)
5 ノズル
6 制御手段
61 充填制御部
62 押圧制御部
63 溶媒除去制御部
64 押圧補助具制御部
M 固形化粧料の中間物
Claims (2)
- 上側開口部を有する容器に固形充填物の原料及び溶媒を含むスラリーを充填する充填工程と、
前記上側開口部を押圧補助具で被覆した状態で、前記容器の内容物を該押圧補助具ごと押圧具で押圧する押圧工程とを有する、固形充填物の製造方法であって、
前記押圧工程では、前記押圧補助具に0.03kgf/m以上1.0kgf/m以下の張力を加えた状態で、前記押圧具が備える吸引機構により、前記容器の内容物から前記上側開口部を介して該内容物中の溶媒を吸引除去する、固形充填物の製造方法。 - 前記押圧補助具は巻き取り可能なシートであり、該押圧補助具を巻き取ることで、該押圧補助具に張力を加える、請求項1に記載の固形充填物の製造方法。
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