JP7501157B2 - ダイシングテープ基材用樹脂、それを含む樹脂組成物、ダイシングテープ基材及びダイシングテープ - Google Patents
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Description
現在、市販されているエチレン系アイオノマーとしては、Dupont社が開発したエチレン-メタクリル酸共重合体のナトリウム塩や亜鉛塩「Surlyn(登録商標)」、及び、三井・ダウポリケミカル社が販売している「ハイミラン(登録商標)」等が知られている。
しかしながら近年、本願出願人等により開発された新触媒及び新製造方法を用いることにより、分子構造が実質的に直鎖状の極性基含有オレフィン共重合体を、工業的に安価で安定的に得る方法が提案されている。
そして、エチレン系アイオノマーのベース樹脂となる極性基含有オレフィン共重合体の製造方法として、後周期遷移金属触媒を用い、エチレンとアクリル酸t-ブチルの共重合体を製造し、得られた極性基含有オレフィン共重合体を熱又は酸処理を行うことでエチレン-アクリル酸共重合体に変性した後、金属イオンと反応させ二元アイオノマーを製造することに成功したことが本願出願人等により報告されている(特許文献3)。
[1]下記アイオノマーからなることを特徴とするダイシングテープ基材用樹脂である。
エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位(A)と、
カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーに由来する構造単位(B)を必須構成単位として含む共重合体(P)中の、カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基の少なくとも一部が周期表1族、2族、又は12族から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含有する金属含有カルボン酸塩に変換されてなり、
回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δが、50度~75度であることを特徴とするアイオノマー。
[2]前記共重合体(P)の13C-NMRにより算出されるメチル分岐数が、炭素1,000個当たり50個以下であることを特徴とする、[1]記載のダイシングテープ基材用樹脂である。
[3]前記共重合体(P)の13C-NMRにより算出されるメチル分岐数が、炭素1,000個当たり5個以下であることを特徴とする、[1]記載のダイシングテープ基材用樹脂である。
[4]前記共重合体(P)が、共重合体中に前記構造単位(B)を2~20mol%含むことを特徴とする、[1]~[3]のいずれかに記載のダイシングテープ基材用樹脂である。
[5]前記構造単位(A)が、エチレンに由来する構造単位であることを特徴とする、[1]~[4]のいずれかに記載のダイシングテープ基材用樹脂である。
[6]前記共重合体(P)が周期表第8~11族の遷移金属を含む遷移金属触媒を用いて製造されることを特徴とする、[1]~[5]のいずれかに記載のダイシングテープ基材用樹脂である。
[7]前記遷移金属触媒がリンスルホン酸又はリンフェノール配位子とニッケル又はパラジウムからなる遷移金属触媒であることを特徴とする、[6]に記載のダイシングテープ基材用樹脂である。
[8](a)前記[1]~[7]のいずれかのダイシングテープ基材用樹脂と、(b)ポリオレフィン樹脂とを含む、ダイシングテープ基材用樹脂組成物である。
[9]前記[1]~[7]のいずれかのダイシングテープ基材用樹脂又は前記[8]のダイシングテープ基材用樹脂組成物からなる層を少なくとも一層含むことを特徴とする、ダイシングテープ基材である。
[10]前記[9]のダイシングテープ基材を有することを特徴とする、ダイシングテープである。
また、本明細書において、アイオノマーとは、前記構造単位(A)と、前記構造単位(B)の少なくとも一部が金属含有カルボン酸塩に変換されている構造単位(B’)とを含み、更に前記構造単位(B)を含んでいてもよい、2元系以上の共重合体のアイオノマーを意味する。
本発明のアイオノマーは、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位(A)と、カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーに由来する構造単位(B)とを必須構成単位として、さらに場合により分子構造中に炭素-炭素二重結合を1つ以上有する化合物である構造単位(C)を構成単位として含み、これらが実質的に直鎖状に共重合、好ましくはランダム共重合した共重合体(P)をベース樹脂とし、該構造単位(B)のカルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基の少なくとも一部が周期表1族、2族、又は12族から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含有する金属含有カルボン酸塩に変換されていることを特徴とする。
構造単位(A)はエチレンに由来する構造単位及び炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位である。
本発明に関わるα-オレフィンは構造式:CH2=CHR18で表される、炭素数3~20のα-オレフィンである(R18は炭素数1~18の炭化水素基であり、直鎖構造であっても分岐を有していてもよい)。α-オレフィンの炭素数は、より好ましくは、3~12である。
また、構造単位(A)は、一種類であってもよいし、複数種であってもよい。
二種の組み合わせとしては、例えば、エチレン-プロピレン、エチレン-1-ブテン、エチレン-1-ヘキセン、エチレン-1-オクテン、プロピレン-1-ブテン、プロピレン-1-ヘキセン、及びプロピレン-1-オクテン等が挙げられる。
三種の組み合わせとしては、例えば、エチレン-プロピレン-1-ブテン、エチレン-プロピレン-1-ヘキセン、エチレン-プロピレン-1-オクテン、プロピレン-1-ブテン-ヘキセン、及びプロピレン-1-ブテン-1-オクテン等が挙げられる。
構造単位(A)中のエチレンは、構造単位(A)の全molに対して、65~100mol%であってもよく、70~100mol%であってもよい。
耐衝撃性の点から前期構造単位(A)が、エチレンに由来する構造単位であってもよい。
構造単位(B)は、カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーに由来する構造単位である。なお、構造単位(B)は、カルボキシ基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーに由来する構造単位と同じ構造であることを表し、後述の製造方法において述べるように、必ずしもカルボキシ基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーを用いて製造されたものでなくてもよい。
カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーに由来する構造単位として、工業的入手の容易さの点から好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物が挙げられ、特にアクリル酸であってもよい。
また、カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーに由来する構造単位は、一種類であってもよいし、複数種であってもよい。
本発明に用いる共重合体(P)としては、構造単位(A)と構造単位(B)のみからなる二元共重合体と、構造単位(A)と構造単位(B)と、それら以外の構造単位(C)をさらに含む多元共重合体を用いることができるが、好ましくは、構造単位(A)及び構造単位(B)で示される構造単位以外の構造単位(C)をさらに含む、多元共重合体である。構造単位(C)を与えるモノマーは、構造単位(A)及び、構造単位(B)を与えるモノマーに包含されるものでなければ、任意のモノマーを使用できる。構造単位(C)を与えるモノマーは、分子構造中に炭素-炭素二重結合を1つ以上有する化合物であれば限定されないが、例えば後掲の一般式(1)で表される非環状モノマーや一般式(2)で表される環状モノマーなどが挙げられる。
構造単位(A)と構造単位(B)のみからなる二元共重合体に比べて、構造単位(C)成分を含む三元以上の多元共重合体をアイオノマーのベース樹脂として用いることにより、アイオノマー樹脂の物性をより細かく制御することができる。構造単位(C)は、1種類のモノマーに基づくものでもよく、2種類以上のモノマーを組み合わせて用いてもよい。
[一般式(1)中、T1~T3はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の炭化水素基、水酸基で置換された炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のアルコキシ基で置換された炭素数2~20の炭化水素基、炭素数2~20のエステル基で置換された炭素数3~20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~20のエステル基、炭素数炭素数3~20のシリル基、ハロゲン原子、又は、シアノ基からなる群より選択される置換基であり、
T4は、水酸基で置換された炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のアルコキシ基で置換された炭素数2~20の炭化水素基、炭素数2~20のエステル基で置換された炭素数3~20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~20のエステル基、炭素数炭素数3~20のシリル基、ハロゲン原子、又は、シアノ基からなる群より選択される置換基である。]
T1~T4に関する炭化水素基の炭素数は、下限値が1以上であればよく、上限値は20以下であればよく、10以下であってもよい。
T1~T4に関する置換アルコキシ基の炭素数は、下限値が1以上であればよく、上限値は20以下であればよく、10以下であってもよい。
T1~T4に関する置換エステル基の炭素数は、下限値が2以上であればよく、上限値は20以下であればよく、10以下であってもよい。
T1~T4に関するアルコキシ基の炭素数は、下限値が1以上であればよく、上限値は20以下であればよく、10以下であってもよい。
T1~T4に関するアリール基の炭素数は、下限値が6以上であればよく、上限値は20以下であればよく、11以下であってもよい。
T1~T4に関するエステル基の炭素数は、下限値が2以上であればよく、上限値は20以下であればよく、10以下であってもよい。
T1~T4に関するシリル基の炭素数は、下限値が3以上であればよく、上限値は18以下であればよく、12以下であってもよい。シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリn-プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、及びトリフェニルシリル基等が挙げられる。
また、耐衝撃性の点から、T4は炭素数2~20のエステル基であってもよい。
T4が炭素数2~20のエステル基である場合、非環状モノマーとしては、構造式:CH2=C(R21)CO2(R22)で表される化合物が挙げられる。ここで、R21は、水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基であり、分岐、環、及び/又は不飽和結合を有してもよい。R22は、炭素数1~20の炭化水素基であり、分岐、環、及び/又は不飽和結合を有してもよい。さらに、R22内の任意の位置にヘテロ原子を含有してもよい。
構造式:CH2=C(R21)CO2(R22)で表される化合物として、R21が、水素原子又は炭素数1~5の炭化水素基である化合物が挙げられる。また、R21が水素原子であるアクリル酸エステル又はR21がメチル基であるメタクリル酸エステルが挙げられる。
構造式:CH2=C(R21)CO2(R22)で表される化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
具体的な化合物として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル(nBA)、アクリル酸イソブチル(iBA)、アクリル酸t-ブチル(tBA)、及びアクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられ、特にアクリル酸n-ブチル(nBA)、アクリル酸イソブチル(iBA)、及びアクリル酸t-ブチル(tBA)であってもよい。
なお、非環状モノマーは、一種類であってもよいし、複数種であってもよい。
[一般式(2)中、R1~R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭素数1~20の炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、R9及びR10、並びに、R11及びR12は、各々一体化して2価の有機基を形成してもよく、R9又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは、0又は正の整数を示し、nが2以上の場合には、R5~R8は、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
本発明で用いるアイオノマーのベース樹脂となる共重合体(P)は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位(A)と、カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーに由来する構造単位(B)とを必須構成単位として含み、さらに場合により前記(A)及び(B)以外の任意の構造単位(C)を含み、これら各構造単位が実質的に直鎖状に共重合、好ましくはランダム共重合していることを特徴とする。「実質的に直鎖状」とは、共重合体が分岐を有していないか又は分岐構造が現れる頻度が小さく、共重合体を直鎖状とみなしうる状態であることを指す。具体的には、後述する条件下で共重合体の位相角δが50度以上である状態を指す。
本発明に関わる共重合体の構造単位と構造単位量について説明する。
エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィン(A)、カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマー(B)、並びに(A)及び(B)以外の任意のモノマー(C)それぞれ1分子に由来する構造を、共重合体中の1構造単位と定義する。
そして、共重合体中の構造単位全体を100mol%とした時に各構造単位の比率をmol%で表したものが構造単位量である。
本発明に関わる構造単位(A)の構造単位量は、下限が60.0mol%以上、好ましくは70.0mol%以上、より好ましくは80.0mol%以上、さらに好ましくは85.0mol%以上、さらにより好ましくは90.0mol%以上、特に好ましくは91.2mol%以上であり、上限が97.9mol%以下、好ましくは97.5mol%以下、より好ましくは97.0mol%以下、さらに好ましくは96.5mol%以下から選択される。
エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィン(A)に由来する構造単位量が60.0mol%よりも少なければ共重合体の靱性が劣り、97.9mol%よりも多ければ共重合体の結晶化度が高くなり、透明性が悪くなる場合がある。
本発明に関わる構造単位(B)の構造単位量は、下限が2.0mol%以上、好ましくは2.9mol%以上であり、より好ましくは5.2mol%以上、上限が20.0mol%以下、好ましくは15.0mol%以下、より好ましくは10.0mol%以下、さらに好ましくは8.0mol%以下、特に好ましくは6.0mol%以下、最も好ましくは5.6mol%以下から選択される。
カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマー(B)に由来する構造単位量が2.0mol%よりも少なければ、共重合体の極性の高い異種材料との接着性が充分ではなく、20.0mol%より多ければ共重合体の充分な機械物性が得られない場合がある。
更に、用いられるカルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーは単独でもよく、2種類以上を合わせて用いてもよい。
本発明のアイオノマーの構成要素に前記(A)又は(B)以外の任意のモノマー(C)が含まれる場合、本発明に関わる構造単位(C)の構造単位量は、下限が0.001mol%以上、好ましくは0.010mol%以上、より好ましくは0.020mol%以上、さらに好ましくは0.1mol%以上、さらにより好ましくは2.0mol%以上であり、上限が20.0mol%以下、好ましくは15.0mol%以下、より好ましくは10.0mol%以下、さらに好ましくは5.0mol%以下、特に好ましくは3.6mol%以下から選択される。
任意のモノマー(C)に由来する構造単位量が0.001mol%以上であると、共重合体の柔軟性が充分となりやすく、20.0mol%以下であると共重合体の充分な機械物性が得られやすい。
更に、用いられる任意のモノマーは単独でもよく、2種類以上を合わせて用いてもよい。
本発明の共重合体においては、弾性率を高くし、充分な機械物性を得る点から、13C-NMRにより算出されるメチル分岐数が、炭素1,000個当たり、上限が50個以下であってもよく、5.0個以下であってもよく、1.0個以下であってもよく、0.5個以下であってもよく、下限は、特に限定されず、少なければ少ないほどよい。またエチル分岐数が炭素1,000個当たり、上限が3.0個以下であってもよく、2.0個以下であってもよく、1.0個以下であってもよく、0.5個以下であってもよく、下限は、特に限定されず、少なければ少ないほどよい。さらにブチル分岐数が炭素1,000個当たり、上限が7.0個以下であってもよく、5.0個以下であってもよく、3.0個以下であってもよく、0.5個以下であってもよく、下限は、特に限定されず、少なければ少ないほどよい。
本発明の共重合体中のカルボキシ基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマー、及び非環状モノマーに由来する構造単位量、及び炭素1,000個当たりの分岐数は13C-NMRスペクトルを用いて求められる。13C-NMRは以下の方法によって測定する。
試料200~300mgをo-ジクロロベンゼン(C6H4Cl2)と重水素化臭化ベンゼン(C6D5Br)の混合溶媒(C6H4Cl2/C6D5Br=2/1(体積比))2.4ml及び化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れて窒素置換した後封管し、加熱溶解して均一な溶液としてNMR測定試料とする。
NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・ジャパン(株)のAV400M型NMR装置を用いて120℃で行う。
13C-NMRは、試料の温度120℃、パルス角を90°、パルス間隔を51.5秒、積算回数を512回以上、逆ゲートデカップリング法で測定する。
化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とする。
得られた13C-NMRにおいて、共重合体が有するモノマー又は分岐に特有のシグナルを同定し、その強度を比較することで、共重合体中の各モノマーの構造単位量、及び分岐数を解析することができる。モノマー又は分岐に特有のシグナルの位置は公知の資料を参照することもできるし、試料に応じて独自に同定することもできる。このような解析手法は、当業者にとって一般的に行いうるものである。
本発明に関わる共重合体の重量平均分子量(Mw)は、下限が通常1,000以上であり、好ましくは6,000以上であり、より好ましくは10,000以上であり、上限が通常2,000,000以下であり、好ましくは1,500,000以下であり、更に好ましくは1,000,000以下であり、特に好適なのは800,000以下であり、最も好ましくは100,000以下である。
Mwが1,000未満では共重合体の機械的強度や耐衝撃性などの物性が充分ではなく、Mwが2,000,000を超えると共重合体の溶融粘度が非常に高くなり、共重合体の成形加工が困難となる場合がある。
また、本明細書においては(Mw/Mn)を分子量分布パラメーターと表現することがある。
(測定条件)
使用機種:ウォーターズ社製150C
検出器:FOXBORO社製MIRAN1A・IR検出器(測定波長:3.42μm)
測定温度:140℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
流速:1.0mL/分
注入量:0.2mL
(試料の調製)
試料はODCB(0.5mg/mLのBHT(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール)を含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
(分子量(M)の算出)
標準ポリスチレン法により行い、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは例えば、東ソー社製の、(F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000)の銘柄、昭和電工製単分散ポリスチレン(S-7300、S-3900、S-1950、S-1460、S-1010、S-565、S-152、S-66.0、S-28.5、S-5.05、の各0.07mg/ml溶液)などである。各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式、又は溶出時間と分子量の対数値を4次式で近似したものなどを用いる。分子量(M)への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαには以下の数値を用いる。
ポリスチレン(PS):K=1.38×10-4、α=0.7
ポリエチレン(PE):K=3.92×10-4、α=0.733
ポリプロピレン(PP):K=1.03×10-4、α=0.78
本発明に関わる共重合体の融点は、示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度によって示される。最大ピーク温度とは、DSC測定において、縦軸に熱流(mW)、横軸に温度(℃)をとった際に得られる吸熱曲線に複数ピークが示された場合、そのうちベースラインからの高さが最大であるピークの温度の事を示し、ピークが1つだった場合には、そのピークの温度の事を示している。
融点は50℃~140℃であることが好ましく、60℃~138℃であることが更に好ましく、70℃~135℃であることが最も好ましい。この範囲より低ければ耐熱性が充分ではなく、この範囲より高い場合は接着性が劣るものとなる場合がある。
本発明において、融点は、例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製のDSC(DSC7020)を使用し、試料約5.0mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間等温保持後、10℃/分で20℃まで降温し、20℃で5分間等温保持後、再度、10℃/分で200℃まで昇温させる際の吸収曲線より求めることができる。
本発明の共重合体においては、示差走査熱量測定(DSC)により観測される結晶化度は、特に限定されないが、0%を超えていることが好ましい。5%を超えていることがより好ましく、7%以上であることが更に好ましい。結晶化度が0%であると共重合体の靱性が充分とはならなくなる場合がある。結晶化度は透明性の指標でもあり、透明性がある方が好ましいが、結晶化度の上限は特に限定されない。
結晶化度は、例えば、上記融点の測定と同じ手順でのDSC測定により得られる融解吸熱ピーク面積から融解熱(ΔH)を求め、その融解熱を高密度ポリエチレン(HDPE)の完全結晶の融解熱293J/gで除することにより求めることができる。
本発明に関わる共重合体の分子鎖末端は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンの構造単位(A)であってもよく、カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーの構造単位(B)であってもよく、(A)及び(B)以外の任意の構造単位(C)であってもよい。
一般的な三元系の共重合体の分子構造例(1)を下記に示す。
ランダム共重合体とは、下記に示した分子構造例(1)のエチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンの構造単位(A)とカルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーの構造単位(B)と任意のモノマーの構造単位(C)とが、ある任意の分子鎖中の位置においてそれぞれの構造単位を見出す確率が、その隣接する構造単位の種類と無関係な共重合体である。
下記のように、共重合体の分子構造例(1)は、エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンの構造単位(A)とカルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーの構造単位(B)と任意のモノマーの構造単位(C)とが、ランダム共重合体を形成している。
50<Tm<-3.74×[Z]+130・・・(I)
共重合体の融点(Tm、℃)が-3.74×[Z]+130(℃)よりも高い場合はランダム共重合性が低い為、衝撃強度など機械物性が劣り、融点が50℃よりも低い場合は耐熱性が劣る場合がある。
なお、高圧ラジカル重合法プロセスによる重合、金属触媒を用いた重合など、製造方法によって共重合体の分子構造は異なることが知られている。
この分子構造の違いは製造方法を選択する事によって制御が可能であるが、例えば、特開2010-150532号公報に記載されている様に、回転式レオメータで測定した複素弾性率によっても、その分子構造を推定する事ができる。
本発明の共重合体においては、回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δは、下限が50度以上であってもよく、51度以上であってもよく、54度以上であってもよく、56度以上であってもよく、58度以上であってもよく、上限が75度以下であってもよく、70度以下であってもよい。
より具体的には、回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δ(G*=0.1MPa)が50度以上である場合、共重合体の分子構造は直鎖状の構造であって、長鎖分岐を全く含まない構造か、機械的強度に影響を与えない程度の少量の長鎖分岐を含む、実質的に直鎖状の構造であることを示す。
また、回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δ(G*=0.1MPa)が50度より低い場合、共重合体の分子構造は長鎖分岐を過多に含む構造を示し、機械的強度が劣るものとなる。
回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δは、分子量分布と長鎖分岐の両方の影響を受ける。しかし、Mw/Mn≦4、より好ましくはMw/Mn≦3である共重合体に限れば長鎖分岐の量の指標になり、その分子構造に含まれる長鎖分岐が多いほどδ(G*=0.1MPa)値は小さくなる。なお、共重合体のMw/Mnが1.5以上であれば、当該分子構造が長鎖分岐を含まない構造である場合でもδ(G*=0.1MPa)値が75度を上回ることはない。
試料を厚さ1.0mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度180℃の熱プレス機中で5分間予熱後、加圧と減圧を繰り返すことで溶融樹脂中の残留気体を脱気し、更に4.9MPaで加圧し、5分間保持する。その後、試料を表面温度25℃のプレス機に移し替え、4.9MPaの圧力で3分間保持することで冷却し、厚さが約1.0mmの試料からなるプレス板を作成する。試料からなるプレス板を直径25mm円形に加工したものをサンプルとし、動的粘弾性特性の測定装置としてRheometrics社製ARES型回転式レオメータを用い、窒素雰囲気下において以下の条件で動的粘弾性を測定する。
・プレート:φ25mm パラレルプレート
・温度:160℃
・歪み量:10%
・測定角周波数範囲:1.0×10-2~1.0×102 rad/s
・測定間隔:5点/decade
複素弾性率の絶対値G*(Pa)の常用対数logG*に対して位相角δをプロットし、logG*=5.0に相当する点のδ(度)の値をδ(G*=0.1MPa)とする。測定点の中にlogG*=5.0に相当する点がないときは、logG*=5.0前後の2点を用いて、logG*=5.0におけるδ値を線形補間で求める。また、測定点がいずれもlogG*<5であるときは、logG*値が大きい方から3点の値を用いて2次曲線でlogG*=5.0におけるδ値を補外して求める。
本発明に関わる共重合体は、その分子構造を直鎖状とする観点から、遷移金属触媒の存在下で製造されたものであることが好ましい。
・重合触媒
本発明に関わる共重合体の製造に用いる重合触媒の種類は、構造単位(A)、構造単位(B)、及び任意の構造単位(C)を共重合することが可能なものであれば特に限定されないが、例えば、キレート性配位子を有する第5~11族の遷移金属化合物が挙げられる。
好ましい遷移金属の具体例としては、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、モリブデン原子、タングステン原子、マンガン原子、鉄原子、白金原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子、銅原子などが挙げられる。これらの中で好ましくは、第8~11族の遷移金属であり、さらに好ましくは第10族の遷移金属であり、特に好ましくはニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)である。これらの金属は、単一であっても複数を併用してもよい。
キレート性配位子は、P、N、O、及びSからなる群より選択される少なくとも2個の原子を有しており、二座配位(bidentate)又は多座配位(multidentate)であるリガンドを含み、電子的に中性又は陰イオン性である。Brookhartらによる総説に、キレート性配位子の構造が例示されている(Chem.Rev.,2000,100,1169)。
キレート性配位子としては、好ましくは、二座アニオン性P、O配位子が挙げられる。二座アニオン性P、O配位子として例えば、リンスルホン酸、リンカルボン酸、リンフェノール、リンエノラートが挙げられる。キレート性配位子としては、他に、二座アニオン性N、O配位子が挙げられる。二座アニオン性N、O配位子として例えば、サリチルアルドイミナートやピリジンカルボン酸が挙げられる。キレート性配位子としては、他に、ジイミン配位子、ジフェノキサイド配位子、及びジアミド配位子等が挙げられる。
[構造式(a)、及び構造式(b)において、
Mは、元素の周期表の第5~11族のいずれかに属する遷移金属、即ち前述したような種々の遷移金属を表す。
X1は、酸素、硫黄、-SO3-、又は-CO2-を表す。
Y1は、炭素又はケイ素を表す。
nは、0又は1の整数を表す。
E1は、リン、砒素又はアンチモンを表す。
R53及びR54は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。
R55は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、又は炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。
R56及びR57は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基、OR52、CO2R52、CO2M’、C(O)N(R51)2、C(O)R52、SR52、SO2R52、SOR52、OSO2R52、P(O)(OR52)2-y(R51)y、CN、NHR52、N(R52)2、Si(OR51)3-x(R51)x、OSi(OR51)3-x(R51)x、NO2、SO3M’、PO3M’2、P(O)(OR52)2M’又はエポキシ含有基を表す。
R51は、水素又は炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。
R52は、炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。
M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは、0から3までの整数、yは、0から2までの整数を表す。
なお、R56とR57が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、若しくは硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していても、有していなくてもよい。
L1は、Mに配位したリガンドを表す。
また、R53とL1が互いに結合して環を形成してもよい。]
[構造式(c)において、
Mは、元素の周期表の第5~11族のいずれかに属する遷移金属、即ち前述したような種々の遷移金属を表す。
X1は、酸素、硫黄、-SO3-、又は-CO2-を表す。
Y1は、炭素又はケイ素を表す。
nは、0又は1の整数を表す。
E1は、リン、砒素又はアンチモンを表す。
R53及びR54は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。
R55は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、又は炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表す。
R58、R59、R60及びR61は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基、OR52、CO2R52、CO2M’、C(O)N(R51)2、C(O)R52、SR52、SO2R52、SOR52、OSO2R52、P(O)(OR52)2-y(R51)y、CN、NHR52、N(R52)2、Si(OR51)3-x(R51)x、OSi(OR51)3-x(R51)x、NO2、SO3M’、PO3M’2、P(O)(OR52)2M’又はエポキシ含有基を表す。
R51は、水素又は炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。
R52は、炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。
M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは、0から3までの整数、yは、0から2までの整数を表す。
なお、R58~R61から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、若しくは硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。このとき、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していても、有していなくてもよい。
L1は、Mに配位したリガンドを表す。
また、R53とL1が互いに結合して環を形成してもよい。]
SHOP系触媒は、置換基を有してもよいアリール基を有するリン系リガンドがニッケル金属に配位した触媒である(例えば、WO2010-050256号公報を参照)。
また、Drent系触媒は、置換基を有してもよいアリール基を有するリン系リガンドがパラジウム金属に配位した触媒である(例えば、特開2010-202647号公報を参照)。
本発明に関わる共重合体の重合方法は限定されない。
重合方法としては、媒体中で少なくとも一部の生成重合体がスラリーとなるスラリー重合、液化したモノマー自身を媒体とするバルク重合、気化したモノマー中で行う気相重合、又は、高温高圧で液化したモノマーに生成重合体の少なくとも一部が溶解する高圧イオン重合などが挙げられる。
重合形式としては、バッチ重合、セミバッチ重合、又は連続重合のいずれの形式でもよい。
また、リビング重合を行ってもよいし、連鎖移動を併発しながら重合を行ってもよい。
更に、重合の際には、いわゆるchain shuttling agent(CSA)を併用し、chain shuttling反応や、coordinative chain transfer polymerization(CCTP)を行ってもよい。
具体的な製造プロセス及び条件については、例えば、特開2010-260913号公報、特開2010-202647号公報等に開示されている。
本発明に関わる共重合体へのカルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基の導入方法は特に限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の方法によりカルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を導入することができる。
カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基の導入方法は、例えば、カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するコモノマーを直接共重合する方法や、カルボキシル基を生じる官能基を有する他のモノマーを共重合した後、変性によりカルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を導入する方法などが挙げられる。
反応促進効果、価格、装置腐食性等の観点から水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸が好ましく、トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸がより好ましい。
本発明に関わるアイオノマーは、前記共重合体(P)中の、構造単位(B)のカルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基の少なくとも一部が周期表1族、2族、又は12族から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含有する金属含有カルボン酸塩に変換されており、回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δが、50度~75度であり、実質的に直鎖状構造を有するアイオノマーである。なお、アイオノマーは、後述のとおりアイオノマーベース樹脂に金属塩を作用させることにより得られ、その際に重合体の分子鎖を切断するような反応は通常起こらない。このため、コモノマーのモル比、分岐の程度、ランダム性等の構造に関するパラメーターは、通常はアイオノマーベース樹脂とアイオノマーとの間で保存されている。
本発明に関わるアイオノマーは本発明に関わる共重合体と同様に実質的に直鎖状構造を有することから、回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δが、50~75度であることを特徴とする。
前記位相角δ(G*=0.1MPa)が50度より低い場合、アイオノマーの分子構造は長鎖分岐を過多に含む構造を示し、機械的強度が劣るものとなる。また、当該分子構造が長鎖分岐を含まない構造である場合でもδ(G*=0.1MPa)値が75度を上回ることはない。
本発明のアイオノマーは、機械的強度を向上する点から、前記位相角δの下限が、51度以上であることが好ましく、54度以上であることがより好ましく、56度以上であることが更に好ましく、58度以上であることがより更に好ましく、上限は、特に限定されず、75度に近ければ近いほどよい。
本発明に関わるアイオノマーの融点(Tm、℃)は、50℃~140℃であることが好ましく、60℃~138℃であることが更に好ましく、70℃~135℃が最も好ましい。この範囲より低ければ耐熱性が充分ではなく、この範囲より高い場合は接着性が劣るものとなる場合がある。
本発明に関わるアイオノマーに含まれる金属イオンは、特に限定されず、従来公知のアイオノマーに用いられる金属イオンを含むことができる。金属イオンとしては、中でも、周期表1族、2族、又は12族の金属イオンであることが好ましく、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。特に好ましくは、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、及びZn2+、更に好ましくは、Na+、及びZn2+からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
これらの金属イオンを必要に応じて2種以上混合して含むことができる。
金属イオンの含有量としては、ベースポリマーとしての共重合体中のカルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基の少なくとも一部又は全部を中和する量を含むことが好ましく、好ましい中和度(平均中和度)としては、5~95mol%、より好ましくは10~90mol%、さらに好ましくは20~80mol%である。
なお、中和度は、共重合体中のカルボキシ基及び/又はジカルボン酸無水物基に含まれ得るカルボキシ基の合計mol量に対する、金属イオンの価数×mol量の合計mol量の割合から求めることができる。
ジカルボン酸無水物基はカルボン酸塩を形成する際に、開環してジカルボン酸となるため、ジカルボン酸無水物基1molにつき、2molのカルボキシ基を有するものとして前記カルボキシ基の合計mol量を求める。また、例えばZn2+等の二価の金属イオンは、1molにつき、2molのカルボキシ基と塩を形成できるものとして、2×mol量により中和度の分子の合計mol量を算出する。
中和度が高いと、アイオノマーの引張強度及び引張破壊応力が高く、引張破壊ひずみが小さくなるが、アイオノマーのメルトフローレート(MFR)が小さくなる傾向がある。一方、中和度が低いと、適度なMFRのアイオノマーが得られるが、引張弾性率及び引張破壊応力は低く、引張破壊ひずみが高くなる傾向がある。
なお、中和度は、カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基の量と加えた金属イオンのモル比から計算できる。
本発明に関わるアイオノマーは、上述のとおりの共重合体へのカルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基の導入方法によって得たエチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィン/不飽和カルボン酸の共重合体を、周期表1族、2族、又は12族から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含有する金属塩により処理し金属含有カルボン酸塩に変換する変換工程を経ることにより得てもよい。また、本発明に関わるアイオノマーはエチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を加熱し、該共重合体中の少なくとも一部のエステル基を、周期表1族、2族、又は12族から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含有する金属含有カルボン酸塩に変換する加熱変換工程を経ることにより得てもよい。
金属イオンを含有する化合物は、粒状あるいは微粉状で反応系に供給してもよく、水や有機溶媒に溶解又は分散させた後、反応系に供給してもよく、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体やオレフィン共重合体をベースポリマーとするマスターバッチを作製し、反応系に供給してもよい。反応を円滑に進行させるためにはマスターバッチを作製し、反応系に供給する方法が好ましい。
金属イオンを含有する化合物との反応に際し、反応を促進させるために、少量の水を注入してもよい。
ダイシングテープの基材フィルムの材料として、これまで説明してきた新規アイオノマーが用いられる。基材フィルムの材料は該アイオノマー100%でもよいが、その他の樹脂と混合した組成物を用いてもよい。すなわち、本発明の一態様は、前記アイオノマーとその他の樹脂を含む、ダイシングテープ基材用樹脂組成物である。
ダイシング工程では、通常は半導体チップを個片化するブレードがチップ厚みより深く当てられ、ダイシングテープ層まで到達する。ブレードとの接触による摩擦熱で基材の変質、寸法の変化などが起こり、半導体チップの精確な切り出しに悪影響を与えうるので、ダイシングテープは耐熱性が高いことが望ましい。そのため、ダイシングテープ用樹脂組成物には、融点が高い樹脂を配合してもよい。高融点の樹脂としては、ポリアミドやポリウレタンを用いることができる。ポリアミドには、ジカルボン酸とジアミンの重縮合体、ラクタムの開環重合体などを用いることができる。ポリウレタンには、高分子ポリオールとポリイソシアネートの反応生成物などを用いることができる。これらの樹脂は、例えばポリアミドとしてナイロンなど、市販されているものを用いることができる。
本発明に関わるアイオノマーには、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、従来公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、着色剤、顔料、架橋剤、発泡剤、核剤、難燃剤、及び、充填材等の添加剤を配合してもよい。樹脂組成物における添加剤の量は任意であるが、組成物全体の質量に対して0~20質量%の範囲が好ましい。
・層構造
本発明のダイシングテープは、基材フィルム1と基材フィルムの片側に積層された粘着層3を有する(図3)。基材フィルムは単層であってもよいし、多層であってもよい。多層の場合、例えば基材フィルム1、基材フィルム2の積層フィルムの上に、粘着層3を有するフィルムとなる(図4)。ダイシングテープは、使用前には粘着剤層を保護するため、粘着層の上面に剥離フィルムを仮粘着しておくことが好ましい。
基材フィルム層の厚さは、用途によって適宜選択されるが、フィルムとして扱われる200μm以下である事が好ましい。
粘着層に用いる粘着剤としては、特に制限は無く、放射線硬化型、加熱発泡型、感圧型のものを用いる事ができる。本発明では、紫外線などの放射線硬化型の粘着剤が特に好ましい。放射線硬化型には種々のものがあるが、(メタ)アクリル系粘着剤を用いることが望ましい。また、放射線反応性を付与するために、必要に応じ、アクリル系粘着剤中に炭素―炭素二重結合を持ったモノマー、オリゴマー、ポリマーや光反応開始剤等の添加材を処方し用いることもできる。このような粘着剤自体は任意の物を用いることができ、例えば、特開平1-249877号、特開平5-196768号、特開昭63-17980号公報などに記載のものを用いることができる。
粘着層の厚みは特に限定されるものではなく、求められる性能に応じて適宜設定されるが、5~30μmが好ましい。
なお、実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に示す方法によって実施した。また、表中のnot detectedは検出限界未満を意味する。
(1)複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δ(G*=0.1MPa)の測定
1)試料の準備、測定
試料を厚さ1.0mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度180℃の熱プレス機中で5分間予熱後、加圧と減圧を繰り返すことで溶融樹脂中の残留気体を脱気し、更に4.9MPaで加圧し、5分間保持した。その後、表面温度25℃のプレス機に移し替え、4.9MPaの圧力で3分間保持することで冷却し、厚さが約1.0mmの試料からなるプレス板を作製した。試料からなるプレス板を直径25mm円形に加工したものをサンプルとし、動的粘弾性特性の測定装置としてRheometrics社製ARES型回転式レオメータを用い、窒素雰囲気下において以下の条件で動的粘弾性を測定した。
・プレート:φ25mm(直径) パラレルプレート
・温度:160℃
・歪み量:10%
・測定角周波数範囲:1.0×10-2~1.0×102 rad/s
・測定間隔:5点/decade
複素弾性率の絶対値G*(Pa)の常用対数logG*に対して位相角δをプロットし、logG*=5.0に相当する点のδ(度)の値をδ(G*=0.1MPa)とした。測定点の中にlogG*=5.0に相当する点がないときは、logG*=5.0前後の2点を用いて、logG*=5.0におけるδ値を線形補間で求めた。また、測定点がいずれもlogG*<5であるときは、logG*値が大きい方から3点の値を用いて2次曲線でlogG*=5.0におけるδ値を補外して求めた。
重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求めた。また、分子量分布パラメーター(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって、更に数平均分子量(Mn)を求め、MwとMnの比、Mw/Mnによって算出した。
測定は下記の手順及び条件に従って行った。
試料にカルボン酸基が含まれる場合は、例えばジアゾメタンやテトラメチルシラン(TMS)ジアゾメタンなどを用いたメチルエステル化などのエステル化処理を行い測定に用いた。また、試料にカルボン酸塩基が含まれる場合は酸処理を行い、カルボン酸塩基をカルボン酸基へと変性した後、上記のエステル化処理を行い測定に用いた。
4mLバイアル瓶に試料3mg及びo-ジクロロベンゼン3mLを秤り採り、スクリューキャップ及びテフロン(登録商標)製セプタムで蓋をした後、センシュー科学製SSC-7300型高温振とう機を用いて150℃で2時間振とうを行った。振とう終了後、不溶成分がないことを目視で確認した。
ウォーターズ社製Alliance GPCV2000型に昭和電工製高温GPCカラムShowdex HT-G×1本及び同HT-806M×2本を接続し、溶離液にo-ジクロロベンゼンを使用し、温度145℃、流量:1.0mL/分下にて測定を行った。
カラムの較正は、昭和電工製単分散ポリスチレン(S-7300、S-3900、S-1950、S-1460、S-1010、S-565、S-152、S-66.0、S-28.5、S-5.05、の各0.07mg/ml溶液)、n-エイコサン及びn-テトラコンタンの測定を上記と同様の条件にて行い、溶出時間と分子量の対数値を4次式で近似した。なお、ポリスチレン分子量(MPS)とポリエチレン分子量(MPE)の換算には次式を用いた。
MPE=0.468×MPS
MFRは、JIS K-7210(1999年)の表1-条件7に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定した。
試料をJIS K7151(1995年)に記載の方法(冷却方法A)で厚さ1mmのシートを作製し、これを打抜いて作製したJIS K7162(1994年)に記載の5B形小型試験片を用いて、JIS K7161(1994年)に従って温度23℃の条件下において引張試験を行い、引張破断伸びを測定した。なお、試験速度は10mm/分とした。
融点は、示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線のピーク温度によって示される。測定にはエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製のDSC(DSC7020)を使用し、次の測定条件で実施した。
試料約5.0mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後に10℃/分で30℃まで降温させた。30℃で5分間保持した後、再度、10℃/分で昇温させる際の吸収曲線のうち、最大ピーク温度を融点Tmとし、融解吸熱ピーク面積から融解熱(ΔH)を求め、その融解熱を高密度ポリエチレン(HDPE)の完全結晶の融解熱293J/gで除することにより、結晶化度(%)を求めた。
本発明の共重合体中のカルボキシ基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマー、及び非環状モノマーに由来する構造単位量、炭素1,000個当たりの分岐数は13C-NMRスペクトルを用いて求められる。13C-NMRは以下の方法によって測定した。
試料200~300mgをo-ジクロロベンゼン(C6H4Cl2)と重水素化臭化ベンゼン(C6D5Br)の混合溶媒(C6H4Cl2/C6D5Br=2/1(体積比))2.4ml及び化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れて窒素置換した後封管し、加熱溶解して均一な溶液としてNMR測定試料とした。
NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・ジャパン(株)のAV400M型NMR装置を用いて120℃で行った。
13C-NMRは、試料の温度120℃、パルス角を90°、パルス間隔を51.5秒、積算回数を512回以上、逆ゲートデカップリング法で測定した。
化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
試料にカルボン酸塩基が含まれる場合は酸処理を行うことにより、カルボン酸塩基をカルボキシ基へと変性した後に測定に用いた。また試料にカルボキシ基が含まれる場合は、例えばジアゾメタンやトリメチルシリル(TMS)ジアゾメタンなどを用いたメチルエステル化などのエステル化処理を適宜行ってもよい。
<E/tBA>
tBAのt-ブチルアクリレート基の四級炭素シグナルは、13C-NMRスペクトルの79.6~78.8に検出される。これらのシグナル強度を用い、以下の式からコモノマー量を算出した。
tBA総量(mol%)=I(tBA)×100/〔I(tBA)+I(E)〕
ここで、I(tBA)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
I(tBA)=I79.6~78.8
I(E)=(I180.0~135.0+I120.0~5.0-I(tBA)×7)/2
tBAのt-ブチルアクリレート基の四級炭素シグナルは、13C-NMRスペクトルの79.6~78.8ppm、iBAのイソブトキシ基のメチレンシグナルは70.5~69.8ppm、イソブトキシ基のメチルシグナルは19.5~18.9ppmに検出される。これらのシグナル強度を用い、以下の式からコモノマー量を算出した。
tBA総量(mol%)=I(tBA)×100/〔I(tBA)+I(iBA)+I(E)〕
iBA総量(mol%)=I(iBA)×100/〔I(tBA)+I(iBA)+I(E)〕
ここで、I(tBA)、I(iBA)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
I(tBA)=I79.6~78.8
I(iBA)=(I70.5~69.8+I19.5~18.9)/3
I(E)=(I180.0~135.0+I120.0~5.0-I(iBA)×7-I(tBA)×7)/2
tBAのt-ブチルアクリレート基の四級炭素シグナルは、13C-NMRスペクトルの79.6~78.8ppm、NBのメチン炭素シグナルは41.9~41.1ppmに検出される。これらのシグナル強度を用い、以下の式からコモノマー量を算出した。
tBA総量(mol%)=I(tBA)×100/〔I(tBA)+I(NB)+I(E)〕
NB総量(mol%)=I(NB)×100/〔I(tBA)+I(NB)+I(E)〕
ここで、I(tBA)、I(NB)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
I(tBA)=I79.6~78.8
I(NB)=(I41.9~41.1)/2
I(E)=(I180.0~135.0+I120.0~5.0-I(NB)×7-I(tBA)×7)/2
共重合体には、主鎖に分岐が単独で存在する孤立型と、複合型(主鎖を介して分岐と分岐が対面した対面タイプ、分岐鎖中に分岐のあるbranched-branchタイプ、及び連鎖タイプ)が存在する。
以下は、エチル分岐の構造の例である。なお、対面タイプの例において、Rはアルキル基を表す。
分岐数(個/炭素1,000個当たり)=I(分岐)×1000/I(total)
ここで、I(total)、I(B1)、I(B2)、I(B4)は以下の式で示される量である。
I(total)=I180.0~135.0 +I120.0~5.0
I(B1)=(I20.0~19.8+I33.2~33.1+I37.5~37.3)/4
I(B2)=I8.6~7.6 +I11.8~10.5
I(B4)=I14.3~13.7 -I32.2~32.0
ここで、Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI180.0~135.0は180.0ppmと135.0ppmの間に検出した13Cシグナルの積分強度を示す。
帰属は、非特許文献Macromolecules 1984, 17, 1756-1761、Macromolecules 1979,12,41を参考にした。
なお、各分岐数が不等号を含む「<0.1」で示されている場合、共重合体中の構成単位として存在しているが有効数字を考慮して0.1mol%未満の量であることを意味する。また、not detectedは検出限界未満を意味する。
1)摩耗試験サンプルの作製方法
試料を、寸法:150mm×150mm、厚さ1mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度180℃の熱プレス機中で5分間予熱後、加圧と減圧を繰り返すことで試料を溶融すると共に試料中の残留気体を脱気し、更に4.9MPaで加圧し、3分間保持した。その後、4.9MPaの圧力をかけた状態で、10℃/分の速度で徐々に冷却し、温度が室温付近まで低下したところでモールドから成形板を取り出した。得られた成形板を温度23±2℃、湿度50±5℃の環境下で48時間以上、状態調節した。状態調節後のプレス板を直径約115mmの円形に切り抜き、中心に直径約6.5mmの穴をあけ、摩耗試験サンプルとした。
上記試験片を用い、JIS K 7204-1999に準拠し下記条件で摩耗損失量(mg)を測定した。
・装置:テーバー摩耗試験機(ロータリーアブレーションテスタ)_(株)東洋精機製作所製
・摩耗輪:CS-17
・回転数:60回転/min
・試験回数:1000回転
・荷重:4.9N
1)試験サンプルの作製方法
25mmのφ25mm押し出し機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成型機を使用し、樹脂温度200度、引取り速度4m/分で厚み80μmのアイオノマーフィルム(基材フィルム)を製造した。また、粘着剤として、紫外線硬化型アクリル粘着剤(荒川化学工業製のビームセット575(ウレタンアクリレート系オリゴマー))を用意した。上記の基材フィルム、粘着剤を用いて、フィルムの上に、紫外線硬化型アクリル粘着剤を酢酸エチルに溶かしたものをバーコート塗布することで、基材フィルム(80μm)/粘着層(15μm、乾燥後厚み)の構造から成るダイシングテープを製造した。
作成したダイシングテープに300μmのシリコンウェハを貼り付け、下記の条件でシリコンウェハのダイシング加工を実施した。
・サンプルサイズ:20mm角
・ダイシング装置:ディスコ社製 DFD6240
・ダイシング刃:ディスコ社製 ZH05-SD3000-N1-70 FF
・回転数:30000rpm
・切削速度:30mm/s
・ダイシング刃の基材フィルムへの切込み深さ:40μm
・ライン数:3本
加工終了後、基材フィルム側から紫外線照射を十分行った後、シリコンウェハを端部から丁寧に剥離した。
シリコンウェハを剥離した後のダイシングラインについて、顕微鏡(400倍)で切削屑の状態確認を実施した。合計3本のラインについて、100μm以上の長さの切削屑を全て集計し、切削屑の状態を比較した。
<金属錯体の合成>
(1)B-27DM/Ni錯体の合成
B-27DM/Ni錯体は、国際公開第2010/050256号に記載された合成例4に従い、下記の2-ビス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスファノ-6-ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B-27DM)を使用した。国際公開第2010/050256号の実施例1に準じて、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(COD)2と称する)を用いて、B-27DMとNi(COD)2とが1対1で反応したニッケル錯体(B-27DM/Ni)を合成した。
1)配位子B-423:2-ビス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスファノ-6-(2,6-ジイソプロピルフェニル)フェノールの合成
特許文献WO2010/050256に従って合成した。
化合物2(2.64g、10.0mmol)のTHF(5.0ml)溶液にiso-PrMgCl(2M、5.25ml)を0℃で加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌した後、PCl3(618mg、4.50mmol)を-78℃で加えた。
反応混合物を25℃まで3時間かけて昇温し、黄色懸濁液を得た。溶媒を減圧留去し、黄色固体を得た。この混合物を精製することなく、次の反応に用いた。
化合物4(30g、220mmol)のTHF(250ml)溶液にn-BuLi(2.5M、96ml)を0℃で加え、30℃で1時間撹拌した。この溶液にB(OiPr)3(123g、651mmol)を-78℃で加え、30℃で2時間撹拌して白色懸濁液を得た。
塩酸(1M)を加えてpH=6~7に調整し、有機層を濃縮して混合物を得た。
得られた混合物を石油エーテル(80ml)で洗浄し、化合物5を26g得た。
化合物5(5.00g、27.5mmol)、化合物6(4.42g、18.3mmol)、Pd2(dba)3(168mg、0.183mmol)、s-Phos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル)(376mg、0.916mmol)、K3PO4(7.35g、34.6mmol)を反応容器に量りとり、トルエン(40ml)を加えた。この溶液を110℃で12時間反応させ、黒色懸濁液を得た。
H2O(50ml)を加え、EtOAc(55ml×3)で抽出した。
有機層を食塩水(20ml)で洗浄してNa2SO4で脱水した。
有機層を濾過して溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムで精製することにより1.3gのオイル状物質を得た。
化合物7(6.5g、22mmol)のTHF(40ml)溶液にn-BuLi(2.5M、9.15ml)を0℃で滴下し、30℃に昇温して1時間撹拌した。この反応溶液を-78℃に冷却してCuCN(2.1g,23mmol)を加え、30℃で1時間撹拌した。
反応溶液を-78℃に冷却して化合物3(6.7g、20mmol)のTHF(40ml)溶液を加え、30℃で12時間撹拌して白色の懸濁液を得た。
懸濁液にH2O(50ml)を加えると白色沈殿が生じた。
白色沈殿を濾過で回収してジクロロメタン(20ml)に溶解させ、アンモニア水(80ml)を加えて3時間撹拌した。
生成物をジクロロメタン(50ml×3)で抽出してNa2SO4で脱水した後、濃縮して黄色のオイル状物質を得た。このオイル状物質をシリカゲルカラムで精製し、化合物8を2.9g得た。
化合物8(2.9g、4.8mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液にHCl/EtOAc(4M、50ml)を0℃で加え、30℃で2時間撹拌して淡黄色溶液を得た。
溶媒を減圧留去した後、ジクロロメタン(50ml)を加えた。
飽和NaHCO3水溶液(100ml)で洗浄し、B-423を2.5g得た。
得られた配位子B-423のNMR帰属値を以下に示す。
[NMR]
1H NMR(CDCl3、δ、ppm):7.49(t、1H)、7.33(t、1H)、7.22(m、4H)、6.93(d、1H)、6.81(t、1H)、6.49(dd、4H)、6.46(br、1H)、3.56(s、12H)、2.63(sept、2H)、1.05(d、6H)、1.04(d、6H);
31P NMR(CDCl3、δ、ppm):-61.6(s).
以下の操作は、全て窒素雰囲気下で行った。
以下、ニッケルアセチルアセトンをNi(acac)2と記載する。
Ni(acac)2(90.0mg、0.35mol)をトルエン(30mL)に溶解させ、配位子として上記で得られたB-423(200mg、0.36mmol)に加えた。
反応溶液を室温で10分撹拌後、溶媒を減圧留去して濃赤紫色固体を得た。
この生成物をヘキサン(10mL×2)で洗浄し、減圧乾燥することで赤紫色固体を得た(収量247g、収率99%)。得られた金属錯体のNMR帰属値を以下に示す。
[NMR]
1HNMR(C6D6,δ,ppm):7.65(d,1H)、7.25-7.35(m,3H)、7.07(t,2H)、6.97(d,1H)、6.51(t,1H)、6.26(d,4H)、4.83(brs,1H)、3.44(s,12H)、3.14(sept,2H)、1.44(d,6H)、1.29(s,6H)、1.21(d,6H).
遷移金属錯体(B-27DM/Ni錯体又はB-423/Ni錯体)を用いて、エチレン/アクリル酸tBu共重合体、エチレン/アクリル酸tBu/アクリル酸エステル共重合体、及びエチレン/アクリル酸tBu/ノルボルネン共重合体を製造した。特開2016-79408号公報に記載された製造例1又は製造例3を参考に共重合体の製造を行い、金属触媒種、金属触媒量、トリオクチルアルミニウム(TNOA)量、トルエン量、コモノマー種、コモノマー量、エチレン分圧、重合温度、重合時間など、適宜変更した製造条件及び製造結果を表1、得られた共重合体の物性を表2に示す。
内容積1.6m3の攪拌翼付きSUS316L製のオートクレーブに、得られた製造例1~製造例3の共重合体のうちいずれか1種を100kgとパラトルエンスルホン酸一水和物を2.0kg、トルエンを173L投入し、105℃で4時間撹拌した。イオン交換水173Lを投入し撹拌、静置した後、水層を抜き出した。以後、抜き出した水層のpHが5以上となるまで、イオン交換水の投入と抜き出しを繰り返し行った。残った溶液を42mmφベント装置付二軸押出機(L/D=45.5)に投入し、ベントを真空に引くことで溶媒を留去した。さらに押出機先端のダイスから連続的にストランドの形で押出される樹脂を水中で冷却しカッターで切断することにより樹脂のペレットを得た。
得られた樹脂のIRスペクトルにおいて、tBu基に由来する850cm-1付近のピークの消失及び、エステルのカルボニル基に由来する1730cm-1付近のピークの減少と、カルボン酸(二量体)のカルボニル基に由来する1700cm-1付近のピークの増加を観測した。
これにより、t-Buエステルの分解及びカルボン酸の生成を確認し、アイオノマーベース樹脂1~樹脂3を得た。得られた樹脂の物性を表3に示す。
1)Naイオン供給源の作製
東芝機械製26mmφベント装置付き二軸押出機(L/D=64)に、エチレン/メタクリル酸(MAA)共重合体(三井・ダウポリケミカル(株)製 銘柄:Nucrel N1050H)を55wt%、炭酸ナトリウムを45wt%の配合比率となるように連続的に投入し、バレル設定温度150℃、スクリュー回転数150rpmの混練条件で、混練中に発生するガス及び水を真空ポンプにてベント部分より除去しながら押出を行った。さらに押出機先端のダイスから連続的にストランドの形で押出される樹脂を水中で冷却しカッターで切断することによりNaイオン供給源のペレットを得た。
東芝機械製26mmφベント装置付き二軸押出機(L/D=64)に、エチレン/メタクリル酸(MAA)共重合体(三井・ダウポリケミカル(株)製 銘柄:Nucrel N1050H)を54.5wt%、酸化亜鉛を45wt%、ステアリン酸亜鉛を0.5wt%の配合比率となるように連続的に投入し、バレル設定温度150℃、スクリュー回転数150rpmの混練条件で、混練中に発生するガス及び水を真空ポンプにてベント部分より除去しながら押出を行った。さらに押出機先端のダイスから連続的にストランドの形で押出される樹脂を水中で冷却しカッターで切断することによりZnイオン供給源のペレットを得た。
東芝機械製26mmφベント装置付き二軸押出機(L/D=65)に、樹脂1~樹脂3のいずれか1種とNaイオン供給源又はZnイオン供給源を所望の中和度となるような配合比率で連続的に投入し、バレル設定温度200℃、スクリュー回転数150rpmの混練条件で、投入樹脂量100部に対して4部の割合で水を注入しつつ、混練中に発生するガス及び水を真空ポンプにてベント部分より除去しながら押出を行った。さらに押出機先端のダイスから連続的にストランドの形で押出される樹脂を水中で冷却しカッターで切断することによりアイオノマーのペレットを得た。
得られた樹脂のIRスペクトルにおいて、カルボン酸(二量体)のカルボニル基に由来する1700cm-1付近のピークが減少し、カルボン酸塩基のカルボニル基に由来する1560cm-1付近のピークが増加していた。カルボン酸(二量体)のカルボニル基に由来する1700cm-1付近のピークの減少量から所望の中和度のアイオノマーが作製できていることを確認した。得られたアイオノマーの物性を表4に示す。
エチレンとメタクリル酸とメタクリル酸Naの共重合体であって、高圧ラジカル法プロセスによって製造されたアイオノマー樹脂(三井・ダウポリケミカル(株)製 銘柄:HIMILAN(登録商標) HIM1605)を参考アイオノマーとして用いた。物性を表4に示す。
エチレンとメタクリル酸とメタクリル酸Znの共重合体であって、高圧ラジカル法プロセスによって製造されたアイオノマー樹脂(三井・ダウポリケミカル(株)製 銘柄:HIMILAN(登録商標) HIM1652)を参考アイオノマーとして用いた。物性を表4に示す。
表4の比較より、本発明のアイオノマーと従来の高圧ラジカル法のアイオノマーでエキスパンド性の指標である引張破断伸びはほぼ同等の値であった。従って、エキスパンド性能について両者はほぼ同等であると言える。その一方で、摩耗量は本発明のアイオノマーを用いた場合では非常に小さくなっており、同時に切削屑数も少なくなっている。本発明の新規アイオノマーを用いたダイシングテープは、従来のアイオノマーを用いたダイシングテープと比較し、エキスパンド性は従来品レベルを維持しつつ、切削屑の低減の観点でより優れていると言える。
Claims (10)
- 下記アイオノマーからなることを特徴とするダイシングテープ基材用樹脂。
エチレン及び/又は炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位(A)と、
カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基を有するモノマーに由来する構造単位(B)を必須構成単位として含む共重合体(P)中の、カルボキシル基及び/又はジカルボン酸無水物基の少なくとも一部が周期表1族、2族、又は12族から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含有する金属含有カルボン酸塩に変換されてなり、
回転式レオメータで測定した複素弾性率の絶対値G*=0.1MPaにおける位相角δが、50度~75度であることを特徴とするアイオノマー。 - 前記共重合体(P)の13C-NMRにより算出されるメチル分岐数が、炭素1,000個当たり50個以下であることを特徴とする、請求項1に記載のダイシングテープ基材用樹脂。
- 前記共重合体(P)の13C-NMRにより算出されるメチル分岐数が、炭素1,000個当たり5個以下であることを特徴とする、請求項1に記載のダイシングテープ基材用樹脂。
- 前記共重合体(P)が、共重合体中に前記構造単位(B)を2~20mol%含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のダイシングテープ基材用樹脂。
- 前記構造単位(A)が、エチレンに由来する構造単位であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のダイシングテープ基材用樹脂。
- 前記共重合体(P)が周期表第8~11族の遷移金属を含む遷移金属触媒を用いて製造されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のダイシングテープ基材用樹脂。
- 前記遷移金属触媒がリンスルホン酸又はリンフェノール配位子とニッケル又はパラジウムからなる遷移金属触媒であることを特徴とする、請求項6に記載のダイシングテープ基材用樹脂。
- (a)請求項1~7のいずれか1項に記載のダイシングテープ基材用樹脂と、(b)ポリオレフィン樹脂とを含む、ダイシングテープ基材用樹脂組成物。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載のダイシングテープ基材用樹脂又は請求項8記載のダイシングテープ基材用樹脂組成物からなる層を少なくとも一層含むことを特徴とする、ダイシングテープ基材。
- 請求項9に記載のダイシングテープ基材を有することを特徴とする、ダイシングテープ。
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