JP7507232B2 - セラミックス回路基板、電子デバイス、及び、金属部材 - Google Patents
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Description
セラミックス基板と金属部材を接合する方法の一つとして、セラミックス基板と金属部材とをろう材を用いて接合する方法がある。この場合、一般的には、銀・銅と、活性金属とを含むろう材をセラミックス基板に塗布し、ろう材上に金属部材を配置し、適当な温度で加熱処理することでセラミックス基板と金属部材とを接合する。
前記金属部材はセラミックス基板に対向する第一の面と、当該第一の面とは逆の第二の面と、その両面の外周端の相互間に存する端面とを有し、
前記金属部材は上面視において多角形であって、その対角線に沿った厚み方向のいずれかの切断面において、
前記切断面と前記端面とが成す交線Lの長さをxmmとし、前記金属部材の厚みをdmmとしたとき、x/dが1.5以上3.0以下であり、
前記端面は、前記端面と前記第二の面との境界よりも前記金属部材の外側に位置する凸部を有する、セラミックス回路基板が提供される。
前記金属部材はセラミックス基板に対向する第一の面と、当該第一の面とは逆の第二の面と、その両面の外周端の相互間に存する端面とを有し、
前記金属部材は上面視において多角形であって、その対角線に沿った厚み方向のいずれかの切断面において、
前記切断面と前記端面とが成す交線Lの長さをxmmとし、前記金属部材の厚みをdmmとしたとき、x/dが1.5以上3.0以下であり、
前記端面は、前記端面と前記第二の面との境界よりも前記金属部材の外側に位置する凸部を有する、金属部材が提供される。
はじめに、図1及び図2を用いて本実施形態に係るセラミックス回路基板100の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係るセラミックス回路基板100の全体の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態に係るセラミックス回路基板100は、セラミックス基板10、ろう材20、板状の金属部材30を備えるものである。セラミックス基板10の少なくとも一面にろう材20を介して板状の金属部材30が接合されており、接合によりセラミックス基板10、ろう材20、金属部材30が互いに固定されている。
図3及び図4を参照し、本実施形態に係るセラミックス回路基板100における金属部材30について詳述する。図3及び図4は本実施形態に係るセラミックス回路基板100を、金属部材30の対角線に沿って厚み方向に切断した際の切断面である。ここで、金属部材30の対角線に沿った厚み方向のいずれかの切断面とは、例えば、本実施形態に係るセラミックス回路基板100を、図2の破線a~dで切断したときの断面をいう。
x/dの下限値は、2.0以上が好ましく、2.5以上がより好ましい。x/dの上限値は、3.0以下が好ましくい。
交線Lの長さxは、x/dが上記数値範囲内にあれば特に限定されないが、ろう材のはい上がり経路を長くする観点、加工時間・コストの観点、及び、凸部の突出量を抑える観点のバランスから、0.75mm以上6.0mm以下とすることができる。交線Lの長さxの下限値は、好ましくは0.75mm以上である。交線Lの長さxの上限値は、4.5mm以下がより好ましく、3.0mm以下が特に好ましい。
金属部材30の厚みdは、x/dが上記数値範囲内にあれば特に限定されないが、放熱性、耐熱サイクル特性等の観点から0.5mm以上2.0mm以下とすることができる。厚みdの下限値は、0.5mm以上が好ましい。厚みdの上限値は、1.5mm以下がより好ましく、1.0mm以下が特に好ましい。
交線Lの長さx、及び、金属部材30の厚みdは、例えば、セラミックス回路基板100を、金属部材30の対角線に沿ってその厚み方向に切断した断面を、顕微鏡で観察することにより求めることができる。金属部材30の厚みdは、金属部材30の、第一の面31と、第一の面32の距離を、スケール等を用い測定することにより求めることができる。また、交線Lの長さxは必要に応じ、画像の2値化や交線Lをトレースする等画像解析を用いて求めることができる。
本実施形態において、上記端面33は、上記端面33と上記第一の面との境界34、及び、上記端面33と上記第二の面32との境界よりも上記金属部材30の外側に位置する凸部36を有することが特に好ましい。
また、金属部材30に長い処理時間を要する煩雑な加工を行うことは、製造の手間及びコストを低減させる観点から好ましくなかった。
さらに、端面33に凸部36を有する形状とする場合、凸部の突出量が大きくなりすぎると、隣り合う金属部材30同士が放電する恐れがあった。
凹部37は、少なくともその一部が、境界34と境界35を結ぶ直線よりも、金属部材30の内側に位置することが好ましい。
端面33が、複数の凹部37及び稜線40を有することにより、ろう材が金属部材30の第二の面32に到達するまでの経路は、より長くなり、かつ、稜線40を含むことにより、はい上がりの過程にその方向が反転する経路を有することとなり、より確実にろう材のはい上がりを抑制することができる。
本実施形態によれば、端面33が凹部37及び稜線40を有し、かつ上記x/dを上記数値範囲内とすることにより、ろう材のはい上がりを抑制するとともに凸部36の突出量を抑えることができるので、放電のリスクを低下させることができ、突出量を勘案してパターン間の距離を一定以上にしなければならない等の回路設計上の制約を緩和することができる。
前記端面33と前記第一の面31との境界34と、前記凸部36の頂点との水平間距離を上記数値範囲内とすることにより、耐電圧低下のリスクを抑制しつつ、かつ、確実にろう材のはい上がりを抑制することができる。
上記交線L上に、複数の変曲点41が存在し、凹部、凸部の形状が、少なくとも2回以上切り替わる形状とすることにより、ろう材が金属部材30の第二の面32に到達するまでの経路は、複数回の反転を有し、かつ、沿面距離が長くなるため、より確実にろう材のはい上がりを抑制することができる。
まず、金属素材の表面に、公知の手法によりマスキングを施す。ここで、マスキングは、公知の手法で両面の位置合わせを行うことにより、金属素材の両面に同一のパターンが施されることが好ましい。
次に、マスキングされた金属素材をエッチングにより個片化する。エッチング液は、公知のエッチング液を使用することができ、例えば金属素材が銅板である場合、具体例は、塩化第二鉄、塩化第二銅、硫酸、過酸化水素水等が挙げられる。両面に同一のマスキングを有する板状の金属素材をエッチングすることにより、両面からマスキングパターン間がエッチングされ、本実施形態に係る特定の端部形状を有する金属部材30を得ることができる。
金属部材30の形状は、エッチング条件等によって調整することができる。例えば、エッチング液の濃度や、エッチング時間を調整することにより、金属部材30における、x/dの大きさ、凸部36の突出量、凹部37の凹み量を調整することが可能である。
引き続き、マスキングを除去することにより、金属部材30が得られる。
本実施形態に係るセラミックス回路基板100に使用されるセラミックス基板10としては、特に限定されるものではなく、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの窒化物系セラミックス、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物系セラミックス、炭化ケイ素等の炭化物系セラミックス、ほう化ランタン等のほう化物系セラミックス等が挙げられる。後述のように、金属部材30を、活性金属を含有する銀-銅系ろう材でセラミックス基板10に接合する観点からは、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の非酸化物系セラミックスが好適であり、更に、優れた熱伝導性の観点からは窒化アルミニウム基板が好ましい。
本実施形態に係るセラミックス回路基板100において、ろう材20は、ろう材中にチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、アルミニウム、錫から選択される少なくとも一種の活性金属を含有することが好ましい。具体的には、窒化アルミニウム基板や、窒化珪素基板との反応性が高く、接合強度を非常に高くできるため、チタンを含むことが好ましい。
また、Ag粉末の配合量が多くCu粉末の配合量が少ないと、接合時にAg粉末が溶解しきれずに接合ボイドとして残る場合がある。よって、Ag粉末と、Cu粉末、Sn粉末またはIn粉末の配合比は、Ag粉末:85.0質量部以上95.0質量部以下、Cu粉末:5.0質量部以上13.0質量部以下、Sn粉末またはIn粉末:0.4質量部以上3.5質量部以下からなるものが好ましく挙げられる。上記数値範囲内とすることで、ろう材の融解温度が過度に上昇することを防ぎ、適度な温度での接合が可能となり、接合時の熱膨張率差に由来する熱ストレスを低下させることができ、耐熱サイクル性を向上することができる。
以下に本実施形態に係るセラミックス回路基板100の製造方法について説明する。
まず、セラミックス基板10、及び、金属部材30を準備する。セラミックス基板10、及び、金属部材30の態様については前述のとおりである。
次にろう材ペーストを調製する。ろう材の金属成分の配合は上述の通りであり、Ag粉末:85.0質量部以上95.0質量部以下、Cu粉末:5.0質量部以上13.0質量部以下、Sn粉末またはIn粉末:0.4質量部以上3.5質量部以下からなるものが好ましく挙げられる。チタン等の活性金属の添加量は、Ag粉末と、Cu粉末と、Sn粉末またはIn粉末の合計100質量部に対して、1.5質量部以上5.0質量部以下が好ましい。
これらの金属粉末と、樹脂、溶剤、必要に応じて分散剤等を公知の手法で混合することにより、ろう材ペーストを得ることができる。
続いて、セラミックス基板10の片面又は両面に、ろう材ペーストを塗布する。塗布方法は特に限定されず、例えばスクリーン印刷により塗布を行うことができる。塗布されたろう材ペーストの乾燥膜厚は、例えば1μm以上50μm以下とすることが好ましい。
本実施形態において、セラミックス基板10と金属部材30とを接合する接合温度は、770℃以上830℃以下であることが好ましく、より好ましくは800℃未満である。また、接合時の真空度は、1×10-3Pa以下とすることが好ましい。また、上記接合温度での保持時間は10分以上60分以下であることが望ましい。
接合温度・真空度・接合時間を上記範囲内とすることにより、活性金属を含む化合物が十分に生成され、セラミックス基板10と金属部材30とを全面にわたって接合することができる。また、接合温度が高温であったり、保持時間が長すぎたりする場合には、接合後のろう材層の厚みムラが大きくなり、超音波接合によるクラックが発生する場合があるが、接合温度・真空度・接合時間を上記範囲内とすることにより、接合後のろう材の厚みムラを低減することができる。
以上のようにして、本実施形態に係るセラミックス回路基板100を得ることができる。
エッチング液に関しても特に制限はなく、公知のエッチング液を用いることができ、金属部材30が銅板である場合、塩化第二鉄溶液や塩化第二銅溶液、硫酸、過酸化水素水等を使用することができ、塩化第二鉄溶液や塩化第二銅溶液が好ましい。
本実施形態に係るセラミックス回路基板100は、例えば、電鉄、車両、産業機械向けといった高電圧、大電流動作を必要とするパワーデバイスに特に好適に適用することができる。パワーデバイスの具体的構成や詳細については、例えば、前述の特許文献1から3の記載や、特開平10-223809号公報の記載、特開平10-214915号公報の記載などを参照されたい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
1. セラミックス基板の少なくとも一面にろう材を介して板状の金属部材を接合してなるセラミックス回路基板において、
前記金属部材はセラミックス基板に対向する第一の面と、当該第一の面とは逆の第二の面と、その両面の外周端の相互間に存する端面とを有し、
前記金属部材は上面視において多角形であって、その対角線に沿った厚み方向のいずれかの切断面において、前記切断面と前記端面とが成す交線Lの長さをxmmとし、前記金属部材の厚みをdmmとしたとき、x/dが1.5以上3.0以下であり、
前記端面は、前記端面と前記第二の面との境界よりも前記金属部材の外側に位置する凸部を有する、セラミックス回路基板。
2. 当該端面は、当該端面と第二の面との境界よりも金属部材の内側に位置する凹部を有する1.に記載のセラミックス回路基板。
3. 前記端面が、
金属部材の内側に凹の第一曲面、
当該第一曲面よりも前記第一の面側に位置し金属部材の内側に凹の第二曲面、及び、
当該第一曲面と当該第二曲面に挟まれた稜線を有する、1.又は2.に記載のセラミックス回路基板。
4. 前記端面と前記第一の面との境界と、前記凸部の頂点との水平間距離が500μm以下である、1.又は2.に記載のセラミックス回路基板。
5. 前記切断面と前記端面とが成す交線Lが、少なくとも2つの変曲点を有する、1.~4に記載のセラミックス回路基板。
6. 前記金属部材が銅板である、1.~5.のいずれか一つに記載のセラミックス回路基板。
7. 前記ろう材が、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、アルミニウム、及び、錫から選択される少なくとも1つの金属を含む、1.~6.のいずれか一つに記載のセラミックス回路基板。
8. 前記セラミックス基板が窒化ケイ素及び窒化アルミニウムから選択される少なくとも1つである、1.~7.のいずれか一つに記載のセラミックス回路基板。
9. 1.~8.のいずれか一つに記載のセラミックス回路基板であって、前記セラミックス基板の両面にろう材を介し板状の金属部材を接合した、セラミックス回路基板。
10. 1.~9.のいずれか一つに記載のセラミックス回路基板を備える電子デバイス。
11. 10.に記載の電子デバイスであって、パワーデバイスである電子デバイス。
12. セラミックス基板の一面にろう材で接合される板状の金属部材であって、
前記金属部材はセラミックス基板に対向する第一の面と、当該第一の面とは逆の第二の面と、その両面の外周端の相互間に存する端面とを有し、
前記金属部材は上面視において多角形であって、その対角線に沿った厚み方向のいずれかの切断面において、
前記切断面と前記端面とが成す交線Lの長さをxmmとし、前記金属部材の厚みをdmmとしたとき、x/dが1.5以上3.0以下であり、
前記端面は、前記端面と前記第二の面との境界よりも前記金属部材の外側に位置する凸部を有する、金属部材。
セラミックス基板として、0.635mmの窒化アルミニウム基板、及び、銅板1(厚み0.8mm)を準備した。
なお、銅板1は、両面(比較例3は片面)に同一のマスキングパターンを施し、塩化第二鉄溶液を含むエッチング液に浸漬することにより、銅板1の両側からエッチングし、個片化したものである。銅板1の断面形状の例を図6に示す。また、塩化第二鉄溶液への浸漬時間を長くすればx/dが大きくなり、短くすれば小さくなることを利用し、実施例2、比較例1~3は浸漬時間を変更して行った。
その後、ろう材の上に、銅板1を重ね、真空雰囲気下(1.0×10-3Pa以下)、780℃で30分保持させることで銅板と窒化アルミニウム基板の接合体である、セラミックス回路基板を製造した。
得られたセラミックス回路基板のろう材はい上がり性について、外観観察を行ったところ、実施例1~2では、ろう材が銅板の第二の面(上面)にはい上がる、ろう材のはい上がりの発生は確認されなかった。比較例1~3では、ろう材のはい上がりの発生は確認された。
11 第一の面
12 第二の面
20 ろう材
30 金属部材
31 第一の面
32 第二の面
33 端面
34 境界
35 境界
36 凸部
37 凹部
38 第二曲面
39 第一曲面
40 稜線
41 変曲点
100 セラミックス回路基板
Claims (6)
- セラミックス基板の少なくとも一面にろう材を介して板状の金属部材を接合してなるセラミックス回路基板において、
前記金属部材はセラミックス基板に対向する第一の面と、当該第一の面とは逆の第二の面と、その両面の外周端の相互間に存する端面とを有し、
前記金属部材は上面視において多角形であって、その対角線に沿った厚み方向のいずれかの切断面において、前記切断面と前記端面とが成す交線Lの長さをxmmとし、前記金属部材の厚みをdmmとしたとき、x/dが1.5以上3.0以下であり、
前記端面は、前記端面と前記第二の面との境界よりも前記金属部材の外側に位置する凸部を有する、セラミックス回路基板。 - 当該端面は、当該端面と第二の面との境界よりも金属部材の内側に位置する凹部を有する請求項1に記載のセラミックス回路基板。
- 前記凸部は前記端面の周全体にわたって周回するように設けられている、請求項1または2に記載のセラミックス回路基板。
- 請求項1~3までのいずれか一項に記載のセラミックス回路基板を備える電子デバイス。
- セラミックス基板の一面にろう材で接合される板状の金属部材であって、
前記金属部材はセラミックス基板に対向する第一の面と、当該第一の面とは逆の第二の面と、その両面の外周端の相互間に存する端面とを有し、
前記金属部材は上面視において多角形であって、その対角線に沿った厚み方向のいずれかの切断面において、
前記切断面と前記端面とが成す交線Lの長さをxmmとし、前記金属部材の厚みをdmmとしたとき、x/dが1.5以上3.0以下であり、
前記端面は、前記端面と前記第二の面との境界よりも前記金属部材の外側に位置する凸部を有する、金属部材。 - 前記凸部は前記端面の周全体にわたって周回するように設けられている、請求項5に記載の金属部材。
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