以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態である米飯成形装置の分解斜視図である。
本実施の形態の米飯成形装置10は、例えば、寿司シャリ玉(米飯塊)を成形するための米飯成形装置であり、容器20と、機構本体部30と、中枠部40と、蓋部50とを備えている。
容器20は、米飯成形装置10の外形を形成する容器であり、例えば、有底矩形筒状に形成されている。ただし、容器20の形状は、有底矩形筒状に限定されるものではなく種々変更可能であり、有底円筒状、有底楕円筒状または有底長円筒状でも良い。
機構本体部30は、寿司シャリ玉等を成形する成形本体部であり、容器20内に着脱自在の状態で設置されている。機構本体部30は、横搬送機構部(第1の搬送機構部)31と、縦搬送機構部(第2の搬送機構部)32と、成形部33とを備えている。横搬送機構部31と縦搬送機構部32とは、寿司シャリ玉用の酢飯(米飯)の搬送方向に沿って互いに隣接した状態で並設されている。成形部33は縦搬送機構部上に設置されている。
中枠部40は、容器20内において機構本体部30上に着脱自在の状態で設置されている。中枠部40は、ホッパ部41と、カバー部42とを備えている。ホッパ部41とカバー部42とは、酢飯の搬送方向に沿って互いに隣接した状態で一体的に形成されている。
ホッパ部41は、外部から供給された酢飯が横搬送機構部31内に入り易くするための補助部材であり、横搬送機構部31上に設けられている。ホッパ部41には、上部から下部に向かって面積が次第に小さくなるような逆四角錐状の開口部41aが形成されており、その開口部41aを通じて横搬送機構部31内に酢飯が供給されるようになっている。
カバー部42は、縦搬送機構部32の上面を部分的(選択的)に覆う部材であり、縦搬送機構部32上に設けられている。カバー部42の上面内のほぼ中央には平面視で十字状の開口部42aが形成されており、その開口部42a内に、縦搬送機構部32により搬送され成形部33で成形された寿司シャリ玉が載置されるようになっている。
蓋部50は、容器20の開口部を覆う部材であり、容器20の上部に着脱自在の状態で設置されている。蓋部50は、供給蓋部51と、取出し蓋部52とを備えている。供給蓋部51と取出し蓋部52とは、酢飯の搬送方向に沿って互いに隣接した状態で配置されている。供給蓋部51はホッパ部41の開口部を覆うようにホッパ部41上に配置され、取出し蓋部52はカバー部42を覆うようにカバー部42上に配置されている。取出し蓋部52は、開閉自在の状態で供給蓋部51に係合されている。
次に、上記した成形機構部3の横搬送機構部31について図2~図8を参照して説明する。図2は図1の米飯成形装置の機構本体部の斜視図、図3は図2の機構本体部の平面図、図4は図2の機構本体部内の要部を抜き出して示した要部斜視図、図5は図4の機構本体部の要部側面図、図6は図5の機構本体部を右側から見た要部正面図、図7は図1の米飯成形装置内の一部を透かして見せた全体斜視図、図8は図2の機構本体部の横搬送機構部の斜視図である。
図2~図8に示すように、横搬送機構部31は、トラフ(ケース)31aと、トラフ31a内の上段に設けられた2本で一対のスクリュー部31b1,31b2と、トラフ31a内の下段に設けられた1本の横スクリュー部31dと、一対のスクリュー部31b1,31b2の隣接間に設けられたシャリ浮き抑え部31eとを備えている。なお、以下においては、トラフ31a内の酢飯の搬送方向において縦搬送機構部32に接近する方向を前方向といい、縦搬送機構部32から離間する方向を後方向という。
図2~図6、図8に示すように、トラフ31aは、例えば、略V型のトラフで構成されている。トラフ31aの内側面において、酢飯の搬送方向に交差(直交)する幅方向両側面には、2段の傾斜面31a1,31a2が形成されている。下段の傾斜面31a2の傾斜角度は、上段の傾斜面31a1の傾斜角度よりも小さい。ただし、トラフ31aは略V型のトラフに限定されるものではなく、例えば、略U型のトラフでも良い。
図2~図6および図8に示すように、上段の一対のスクリュー部31b1,31b2は、横スクリュー部31dで縦搬送機構部32に送りきれなかった酢飯を後方向に送り戻すリバース機能と、外部から供給された酢飯を解す解し機能と、解された酢飯を下段の横スクリュー部31d側に供給する供給機能とを備えている。
これら一対のスクリュー部31b1,31b2は、各々の回転軸Ra,Rbを酢飯の搬送方向に向けた状態で、トラフ31aの幅方向に沿って並設されている。一対のスクリュー部31b1,31b2の各々は、回転軸Ra,Rbの軸心を中心にして回転自在の状態で設置されている。一対のスクリュー部31b1,31b2の回転軸Ra,Rbの前方向端部は軸受けに軸支されている。一方、図3および図8に示すように、一対のスクリュー部31b1,31b2の回転軸Ra,Rbの後方向端部はトラフ31aの壁部を貫通して外部に突出されており、その突出部には、一対のスクリュー部31b1,31b2の回転に寄与する回転ギア部34G1,34G2が接続されている。この回転ギア部34G1,34G2は、図7に示す駆動モータ部34M1と係合されている。駆動モータ部34M1は、例えば、正逆両方向に回転可能な電動式のモータで構成されている。
一対のスクリュー部31b1,31b2の回転軸Ra,Rbには、羽根Wa,Wbが軸方向に沿って螺旋状に設置されている。一対のスクリュー部31b1,31b2の羽根Wa,Wbの巻き方向は左右対称になっており、一方のスクリュー部31b1の羽根Waは左巻に、他方のスクリュー部31b2の羽根Wbは右巻になっている。図3に示すように、各スクリュー部31b1,31b2の回転方向は、例えば、互いの隣接間中央から外側に向かって回転するようになっている。これにより、一対のスクリュー部31b1,31b2は、回転動作により酢飯を後方向に搬送するようになっている。
ここで、本実施の形態においては、一対のスクリュー部31b1,31b2の各々の羽根Wa,Wbが、回転軸Ra,Rbの前方向側に配置された相対的に大きな大羽根Wa1,Wb1と、回転軸Ra,Rbの後方向に配置された相対的に小さな複数枚の小羽根Wa2,Wb2とで構成されている。
大羽根Wa1,Wb1は、1ピッチの間に2枚の羽根を有する二条羽根で構成されており、回転軸Ra,Rbに対して斜めに配置されている。この大羽根Wa1,Wb1は、例えば、上記リバース機能と、上記供給機能とを備えている。
一方、複数枚の小羽根Wa2,Wb2は、例えば、平面視で略矩形状の有幅の板状部材で構成されており、例えば、回転軸Ra,Rbに対して全て斜めに設置されている。小羽根Wa2,Wb2は、例えば、上記解し機能と、上記供給機能とを備えている。個々の小羽根Wa2,Wb2は幅が小さいので酢飯をより良く解すことができる。また、複数枚の小羽根Wa2,Wb2の傾斜の向きにより、上記リバース機能をも生じさせている。
ここで、上記した一対のスクリュー部の各々に二条羽根(上記した大羽根)のみが設置されている場合、横スクリュー部31dに酢飯を送る際に、酢飯が解されずに塊のまま送られてしまう場合がある。これに対して本実施の形態においては、一対のスクリュー部31b1,31b2の各々に大羽根Wa1,Wb1の他に、小羽根Wa2,Wb2を設けたことにより、一対のスクリュー部31b1,31b2の回転時に小羽根Wa2,Wb2によって酢飯の塊を切るようにして解すことができるので、より良く解された状態の酢飯を横スクリュー部31dに供給することができる。
また、一対のスクリュー部31b1,31b2の各々に大羽根Wa1,Wb1と小羽根Wa2,Wb2とを設けたことにより、大羽根Wa1,Wb1のみ備えるスクリュー部と、小羽根Wa2,Wb2のみ備えるスクリュー部とを同一のトラフ31a内に設ける場合に比べて、米飯成形装置10を小型化することができる。
図2~図6および図8に示すように、下段の横スクリュー部31dは、供給された酢飯を縦搬送機構部32に搬送する1本の標準型のスクリューコンベアで構成されており、その回転軸Rdを酢飯の搬送方向に向けた状態で、平面視で一対のスクリュー部31b1,31b2の隣接間に配置されている。
横スクリュー部31dは、回転軸Rdの軸心を中心にして回転自在の状態で設置されている。横スクリュー部31dの回転軸Rdの前方向端部は軸受け(図示せず)に軸支されている。一方、図3および図8に示すように、横スクリュー部31dの回転軸Rdの後方向端部はトラフ31aの壁部を貫通して外部に突出されており、その突出部には回転ギア部34G3が接続されている。この回転ギア部34G3は、横スクリュー部31dの回転に寄与する部材であり、図7に示すように、上記駆動モータ部34M1と係合されている。
横スクリュー部31dの回転軸Rdには、羽根Wdが軸方向に沿って螺旋状に配置されている。横スクリュー部31dの羽根Wdは左巻になっている。図3に示すように、横スクリュー部31dの回転方向は、例えば、図3の矢印A1の方向で見て右回りである。これにより、横スクリュー部31dは、その回転動作により酢飯を前方向に搬送するようになっている。横スクリュー部31dの羽根Wdのピッチは、例えば、等ピッチとなっている。ただし、横スクリュー部31d5の羽根Wdのピッチを部分的(位置毎)に変えても良い。
図2~図6および図8に示すように、シャリ浮き抑え部31eは、横スクリュー部31dの回転動作により前方向端部に送られた酢飯が、一対のスクリュー部31b1,31b2によって上方に持ち上げられてしまうのを抑制または防止するための構成部である。
上記したように一対のスクリュー部31b1,31b2は酢飯を後方向に送り戻す機能を備えているが、一対のスクリュー部31b1,31b2の隣接間において酢飯が縦搬送機構部32に送り込まれる箇所(横スクリュー部31dの前方向端部)では、一対のスクリュー部31b1,31b2の回転動作に因り酢飯が上方に持ち上げられてしまう場合がある。特に、この現象は酢飯が少なくなってくると顕著である。その結果、縦搬送機構32に供給される酢飯が不足してしまう場合がある。
そこで、本実施の形態においては、一対のスクリュー部31b1,31b2の隣接間において、横スクリュー部31dの前方向端部側の上方にシャリ浮き抑え部31eを設けた。これにより、上記したように一対のスクリュー部31b1,31b2の回転動作に因り酢飯が浮き上がってしまうのを抑制または防止することができるので、縦搬送機構部32に供給される酢飯に不足が生じないようにすることができる。なお、シャリ浮き抑え部31eの上部側面には、シャリ浮き抑え部31e上に酢飯が残留しないように傾斜が形成されている。
次に、上記した成形機構部3の縦搬送機構部32および成形部33について図2~図7および図9~図14を参照して説明する。図9は図1の米飯成形装置の縦搬送機構部および成形部の正面図、図10は図9の成形部の平面図、図11は図9の縦搬送機構部および成形部の分解斜視図、図12は図9の成形部の上側成形枠体を上方から見た斜視図、図13は図12の上側成形枠体を下方から見た斜視図、図14(a)は図9の成形部の米飯成形部の要部断面図、図14(b)は発明者が比較検討した成形部の米飯成形部の要部断面図である。
図5、図9および図11に示すように、縦搬送機構部32は、筒体32aと、筒体32a内に設けられた1本の縦スクリュー部32bとを備えている。
図7、図9および図11に示すように、筒体32aは、例えば、円筒状の有底の筒体で構成されており、その上面開口部を上に向けた状態で横搬送機構部31に対して垂直に立設されている。筒体32aの側面において横搬送機構部31に対向する側面下部には、筒体32aの内外を連通する連通孔Ha(図9参照)が形成されている。この連通孔Haには、横搬送機構部31のトラフ31a内の搬送路が接続されている。すなわち、トラフ31a内の搬送路内の横スクリュー部31dによって搬送された酢飯は連通孔Haを通じて筒体32a内に送り込まれるようになっている。
図4、図5、図9および図11に示すように、縦スクリュー部32bは、横スクリュー部31dにより連通孔Haを通じて筒体32a内の下部に送り込まれた酢飯を上方に押し上げるように搬送するためのスクリューコンベアであり、その回転軸Reを上下方向に向け、回転軸Reの軸心を中心にして回転自在の状態で筒体32a内に立設されている。縦スクリュー部32bの下部には、縦スクリュー部32bの回転に寄与する回転ギア部(図示せず)が接続されており、この回転ギア部は、図7に示すように、駆動モータ部34M2と係合されている。駆動モータ部34M2は、例えば、正逆両方向に回転可能な電動式のモータで構成されている。
縦スクリュー部32bの回転軸Reには、羽根Weが軸方向に沿って螺旋状に配置されている。縦スクリュー部32bの羽根Weは、例えば、左巻になっている。縦スクリュー部32bの回転方向は、例えば、下から見て右回りである。これにより、縦スクリュー部32bは、その回転動作により酢飯を上方向に搬送するようになっている。
また、本実施の形態においては、図9に示すように、縦スクリュー部32bの羽根Weのピッチが上下で異なっている。すなわち、縦スクリュー部32bの下部(連通孔Haのある位置)の羽根Weのピッチが、縦スクリュー部32bの上部(連通孔Haよりも上方の位置)の羽根Weのピッチよりも広くなっている。これにより、筒体32aの下部では、連通孔Haを通じて筒体32a内に酢飯をより入り易くすることができる。一方、筒体32aの連通孔Haの上部では、縦スクリュー部32bの回転動作により適度に酢飯を詰めて適度に米密度を高めることができる。
また、本実施の形態においては、図11および図14(a)に示すように、縦スクリュー部32bの回転軸Reの上部に突起部Paが一体的に設けられている。この突起部Paが、図14(b)に示すように無い場合、酢飯Cの幅方向中央には空間が形成されないのに対して、図14(a)に示すように、突起部Paが有ると、搬送時の酢飯Cの幅方向中央に空間Sを形成することができる。これにより、本実施の形態においては、口の中に入れたときにホロホロと解れるようなソフト感のある寿司シャリ玉を形成にすることができる。突起部Paは縦スクリュー部32bの回転に合わせて回るので、突起部Paの表面に酢飯Cが付着し難くなっている。なお、突起部Paの先端部を円錐状に尖らせることにより、さらに酢飯Cの付着を抑制または防止することができる。
次に、図2~図6および図9~図14(a)に示すように、成形部33は、縦スクリュー部32bの上方に設けられた一対の成形ローラ(一対の回転部材)33a,33aと、筒体32a上に設けられ一対の成形ローラ33a,33aを軸支する成形枠体33bと、成形枠体33bの上面に設けられた一対の分割シャッタ部(一対の切断部材)33c,33cとを備えている。
図4~図6、図9、図11および図14(a)に示すように、一対の成形ローラ33a,33aは、縦スクリュー部32bによって上方に押し上げられ送られた酢飯Cを成形しながら、さらに上方に送り込む回転部材であり、正面視で酢飯の搬送空間を挟んで互いに対向した状態で成形枠体33b内に回転自在の状態で軸支されている。図11および図12に示すように、一対の成形ローラ33a,33aの回転軸の一端部には回転ギア部34G4が接続されている。この回転ギア部34G4は、一対の成形ローラ33a,33aの回転に寄与する部材であり、駆動モータ部(図示せず)と係合されている。
一対の成形ローラ33a,33aの各々の外周には、成形ローラ33aの軸方向に延在する複数の突起部Pb(図11等参照)が成形ローラ33aの周方向に沿って凹凸を形成するように予め決められた間隔毎に形成されている。この複数の突起部Pbは、一対の成形ローラ33a,33a間の搬送空間を通過する酢飯と成形ローラ33aとの接触面積を小さくしつつも、外方から適度に酢飯を押圧し成形しながら上方に押し上げる機能を備えている。
このような一対の成形ローラ33a,33aの各々の外周(輪郭)は、上から見て略細長い円弧状に形成されており、一対の成形ローラ33a,33aの同士の外周(輪郭)を合わせると略扁平楕円形状の搬送空間が形成されるようになっている。この一対の成形ローラ33a,33aの対向間に形成される略扁平楕円形状の搬送空間は、寿司シャリ玉の平面形状および平面寸法とほぼ一致している。
図2、図3および図9~図14(a)に示すように、成形枠体33bは、主に、上記一対の成形ローラ33a,33aを軸支するとともに、酢飯の搬送経路を形成する枠体であり、下側成形枠体33b1と、その上に設けられた上側成形枠体(蓋体)33b2とを備えている。
図9および図11に示すように、下側成形枠体33b1は、筒体32a上に設けられている。下側成形枠体33b1の上面中央には、その上下面を貫通する連通孔Hb(図11参照)が形成されている。この連通孔Hbは、縦スクリュー部32bにより押し上げられ搬送されてきた酢飯を一対の成形ローラ33a,33aの隣接間に供給するための搬送路を形成するものである。連通孔Hbの位置および大きさは、筒体32aの上面の開口部の位置および大きさとほぼ一致している。
また、図11に示すように、下側成形枠体33b1の上面には、連通孔Hbを挟むように一対の窪み部Da,Daが形成されている。この一対の窪み部Da,Daは、上記した一対の成形ローラ33a,33aを収めるための窪みであり、成形ローラ33aを収められるように成形ローラ33aの外周に沿って湾曲状に形成されている。
図2、図3および図9~図14に示すように、上側成形枠体33b2は、下側成形枠体33b1上に設けられている。上側成形枠体33b2の上面中央には、その上下面を貫通する成形孔Hm(図11~図14(a)参照)が形成されている。この成形孔Hmは、一対の成形ローラ33a,33aを通じて送り出された酢飯C(図14(a)参照)を上側成形枠体33b2の上面上に供給するための孔である。平面視で成形孔Hmの位置、寸法および向きは、上記した一対の成形ローラ33a,33aの対向間に形成される略扁平楕円形状の搬送空間に対応するように形成されている。
ここで、発明者が比較検討した技術においては、筒体内に搬送された酢飯を筒体内の標準型のスクリューコンベアによって押し上げ、筒体の天井面に押し付けて圧縮しながら天井面(傾斜面)を滑らせて成形孔から押し出すようになっているので、酢飯の側面が天井面を滑っていくうちに擦れてしまう。このため、成形孔から押し出された酢飯の側面にネト(米粒が潰れて米飯の表面がくずれたような状態)が発生する、という課題がある。
これに対して本実施の形態においては、図9に示すように、縦スクリュー部32bで押し上げられた酢飯は、一対の成形ローラ33a,33aを通過することにより、酢飯の幅方向外方から適度に圧縮されて平面視で成形孔Hmの形状に合った略扁平楕円形状に形成された後、成形孔Hmを通じて外部に送り出されるようになっている。これにより、酢飯が成形孔Hmを通過する際に、酢飯の側面が成形孔Hmの内周に接触して擦れるのを低減または防止することができるので、成形孔Hmから送り出された酢飯Cの側面にネトが発生するのを抑制または防止することができる。したがって、本実施の形態においては、米が酢をよく吸っていながらも、米の一粒一粒が残されて外側がしっかりし、サラッとした状態の美味しい寿司シャリ玉(米飯塊)を提供することができる。
また、本実施の形態においては、図11~図14(a)に示すように、成形孔Hmの内周上部に、平面視で成形孔Hmの中央から外方に向かって凹む複数の凹部Dbが形成されている。図14(b)に示すように、蓋体100の成形孔101のように内周側面に凹部が無い場合、酢飯Cが成形孔101を通過する際に成形孔101の内周面に接触して酢飯Cの側面が擦れる場合がある。これに対して、本実施の形態においては、図14(a)に示すように、成形孔Hmの内周上部に複数の凹部Dbを設けたことにより、成形孔Hmを通過する酢飯Cと成形孔Hmの内周との接触面積を低減することができるので、寿司シャリ玉にネトが発生するのをより一層抑制または防止することができる。
また、本実施の形態においては、図11および図12に示すように、成形孔Hmの長手方向の向きが、一対の分割シャッタ部33c,33cの移動方向に対して交差(直交)するように成形孔Hmが配置されている。すなわち、一対の分割シャッタ部33c,33cは、成形孔Hmを挟んで成形孔Hmの幅(短)方向両側に配置されている。
ここで、発明者が比較検討した技術においては、成形孔の長手方向の向きが一対の分割シャッタ部の移動方向に沿うように成形孔が配置されている。すなわち、一対の分割シャッタ部が成形孔を挟んで成形孔の長手方向両側に配置されている。このため、成形孔から送り出された酢飯を切断する際に、酢飯の長手方向の両端から酢飯の長手方向の中央に向かって分割シャッタ部を移動させて酢飯を切断するので、酢飯と分割シャッタ部との接触長が長くなり、分割シャッタ部の動作に酢飯が引きずられ易くなる。したがって、酢飯を切断することで形成された寿司シャリ玉の長手方向の寸法が狙った寸法より短くなってしまったり、寿司シャリ玉が丸っこくなってしまったり、あるいは、寿司シャリ玉の形状が崩れてしまったりする等、寿司シャリ玉に形状不良が発生する、という課題がある。
これに対して、本実施の形態においては、成形孔Hmの長手方向の向きが一対の分割シャッタ部33c,33cの移動方向に対して交差(直交)するように成形孔Hmを配置したことにより、成形孔Hmから送り出された酢飯を切断する際に、酢飯の幅方向の両端から酢飯の幅方向の中央に向かって分割シャッタ部33c,33cを移動させて酢飯を切断するので、酢飯と分割シャッタ部33c,33cとの接触長を短くすることができ、分割シャッタ部33c,33cの動作に酢飯が引きずられ難くすることができる。したがって、上記した寿司シャリ玉の形状不良の発生を抑制または防止することができる。
さらに、図13に示すように、上側成形枠体33b2の下面(裏面)には、成形孔Hmを挟むように一対の窪み部Dc,Dcが形成されている。この一対の窪み部Dc,Dcは、上記した一対の成形ローラ33a,33aを収めるための窪みであり、成形ローラ33aを収められるように成形ローラ33aの外周に沿って湾曲状に形成されている。そして、これにより、図13および図14(a)に示すように、上側成形枠体33b2において成形孔Hmの内周下部に、一対の成形ローラ33a,33aの外周に沿うように庇部Pcが設けられている。図14(b)示すように、成形孔101の内周下部(破線で囲む箇所)に庇部が設けられていないと、その成形孔101の内周下部に酢飯Cの米粒が入り込んでしまう場合がある。これに対して、本実施の形態においては、図14(a)に示すように、成形孔Hmの内周下部に庇部Pcを設けたことにより、成形孔Hmの内周下部に酢飯Cの米粒が入り込まないようにすることができる。
図2~図7、図9~図12に示すように、一対の分割シャッタ部33c,33cは、成形孔Hmから送り出された酢飯を所定の位置で切断して寿司シャリ玉を形成する部材であり、上側成形枠体33b2上において成形孔Hmを挟んで成形孔Hmの幅方向の両側に、互いに接近または離間する方向に移動自在の状態で設置されている。なお、一対の分割シャッタ部33c,33cは、図7に示すように、駆動モータ部34M3と係合されており、これにより移動動作が制御されている。駆動モータ部34M3は、例えば、正逆両方向に回転可能な電動式のモータで構成されている。
この一対の分割シャッタ部33c,33cを互いに接近する方向に移動して成形孔Hmを閉じると酢飯を切断することができるようになっている。なお、一対の分割シャッタ部33c,33cを閉じると一対の分割シャッタ部33c,33cの先端部(刃先部)が部分的に上下に重なるようになっている。
また、図2、図3、図10~図12に示すように、一対の分割シャッタ部33c,33cの先端側の上面には、平面視で半楕円形状の窪み部Dd,Ddが形成されている。一対の分割シャッタ部33c,33cを閉じると各々の窪み部Dd,Ddが合わさることで、平面視で略扁平楕円形状の受皿部が形成されるようになっている。酢飯が一対の分割シャッタ部33c,33cで切断されることで形成された寿司シャリ玉は、一対の分割シャッタ部3c,33cが閉じたときにその先端部に形成された受皿部上に載置されるようになっている。
(第2の実施の形態)
本実施の形態においては、上記した横搬送機構部31を構成する一対のスクリュー部31b1,31b2の変形例について図15を参照して説明する。図15は本実施の形態の横搬送機構部を構成するスクリュー部の拡大斜視図である。なお、上記したように一対のスクリュー部31b1,31b2は左右対称になっているので、以下の説明では図3の横搬送機構部の左側の1本のスクリュー部31b1のみを図示して説明する。
本実施の形態においては、スクリュー部31b1の羽根Waを構成する複数枚の小羽根Wa2のうち、後方向側にある複数枚の小羽根Wa2が回転軸Raに対して斜めに配置されず、回転軸Raの軸方向に沿うように配置されている。これは、その小羽根Wa2よりも後方向に酢飯を送る必要がないからである。この場合、スクリュー部31b1の後方向側にある複数枚の小羽根Wa2の上記解し機能および上記供給機能を第1の実施の形態よりも向上させることができるが、その複数枚の小羽根Wa2は、上記リバース機能を備えていない。これ以外の構成および効果は前記第1の実施の形態と同じである。
(第3の実施の形態)
本実施の形態においては、上記した横搬送機構部31を構成する一対のスクリュー部31b1,31b2の変形例について図16を参照して説明する。図16は本実施の形態の横搬送機構部を構成するスクリュー部の拡大斜視図である。なお、上記と同様、以下の説明では図3の横搬送機構部31の左側の1本のスクリュー部31b1のみを図示して説明する。
本実施の形態においては、スクリュー部31b1の羽根Waを構成する複数枚の小羽根Wa2の全てが回転軸Raに対して斜めに配置されず、回転軸Raの軸方向に沿うように配置されている。この場合、スクリュー部31b1の複数枚の小羽根Wa2の上記解し機能および上記供給機能を第1の実施の形態よりも向上させることができるが、スクリュー部31b1の複数枚の小羽根Wa2は、上記リバース機能を備えていない。これ以外の構成および効果は前記第1の実施の形態と同じである。
(第4の実施の形態)
本実施の形態においては、上記した横搬送機構部31を構成する一対のスクリュー部31b1,31b2の変形例について図17を参照して説明する。図17は本実施の形態の横搬送機構部を構成するスクリュー部の拡大斜視図である。なお、上記と同様、以下の説明では図3の横搬送機構部31の左側の1本のスクリュー部31b1のみを図示して説明する。
本実施の形態においては、スクリュー部31b1の羽根Waを構成する複数枚の小羽根Wa2の傾斜方向が、大羽根Wa1の傾斜方向とは逆になっている。この場合、スクリュー部31b1の全ての複数枚の小羽根Wa2の上記解し機能および上記供給機能を第1の実施の形態よりも向上させることができるが、その複数枚の小羽根Wa2は、上記リバース機能を備えておらず、酢飯を若干前方向に送る機能を備えている。これ以外の構成および効果は前記第1の実施の形態と同じである。
(第5の実施の形態)
本実施の形態においては、上記した横搬送機構部31を構成する一対のスクリュー部31b1,31b2の変形例について図18を参照して説明する。図18は本実施の形態の横搬送機構部を構成するスクリュー部の拡大斜視図である。なお、上記と同様、以下の説明では図3の横搬送機構部31の左側の1本のスクリュー部31b1のみを図示して説明する。
本実施の形態においては、スクリュー部31b1の羽根Waを構成する複数枚の小羽根Wa2において前方向側の複数枚の小羽根Wa2の傾斜方向が大羽根Wa1の傾斜方向および巻方向に対して逆になっている。これにより、本実施の形態において前方向側の複数枚の小羽根Wa2は、上記解し機能と上記供給機能とを備えているとともに、酢飯を前方向に送る機能を備えている。
また、本実施の形態においては、スクリュー部31b1の羽根Waを構成する複数枚の小羽根Wa2において後方向側の小羽根Wa2が回転軸Raに対して斜めに配置されず、回転軸Raの軸方向に沿うように配置されている。これは、第2の実施の形態と同様に、その小羽根Wa2よりも後方向に酢飯を送る必要がないからである。この場合、スクリュー部31b1の後方向側にある複数枚の小羽根Wa2の上記解し機能および上記供給機能を第1の実施の形態よりも向上させることができるが、その複数枚の小羽根Wa2は、上記リバース機能を備えていない。これ以外の構成および効果は前記第1の実施の形態と同じである。
なお、第5の実施の形態の変形例として、スクリュー部31b1の羽根Waを構成する全ての複数枚の小羽根Wa2の傾斜方向および巻方向を大羽根Wa1の傾斜方向および巻方向に対し逆にしても良い。
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
例えば、一対のスクリュー部31b1,31b2の大羽根Wa1,Wb1の形状は上記したものに限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、リボンスクリュー形状にしても良いし、羽根の外周一部に複数の欠けを形成したカットフライトスクリュー形状にしても良い。
また、一対のスクリュー部31b1,31b2の小羽根Wa2,Wb2の形状は板状に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、単純なピン形状にしても良いし、ピン部材の先端に有幅の板状部材を設けたパドル形状にしても良い。
また、一対の成形ローラ33a,33aは1段構成に限定されるものではなく、例えば、一対の成形ローラ33a,33aを上下方向に多段に設置しても良い。