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JP7515977B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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JP7515977B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関及び電動機が搭載された車両を制御する制御装置に関する。
車両に搭載される内燃機関には、気筒内での混合気の燃焼温度を低下させてNOxの排出量を削減し、かつポンピングロスの低減を図る排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置が付随していることが多い。EGR装置は、内燃機関の排気通路と吸気通路とをEGR通路を介して接続し、気筒で発生する燃焼ガスの一部をEGR通路経由で吸気通路に還流させて吸気に混交するものである。EGR通路上には、これを開閉するEGRバルブが設けられており、このEGRバルブの開度操作を通じてEGRガスの還流量を調節することができる。
EGRバルブに故障が生じると、適正なEGR制御の妨げとなり、燃焼の不安定化やエミッションの悪化、あるいはノッキングの発生につながる。それ故、EGRバルブの故障の有無をオンラインで診断し、故障を検出した暁にはその事実を運転者に報知するとともに記憶装置に記録を残すダイアグノーシス(自己診断)機構が実装される。
従来の車両におけるEGRバルブのダイアグノーシスは、運転者がアクセルペダルを踏んでおらず、車両がコースト走行する際の燃料カットの最中に遂行される。燃料カットは、内燃機関のクランクシャフトが惰性で回転し続ける間、インジェクタから気筒への燃料噴射を一時的に中断するものである。ダイアグノーシスでは、EGRバルブを開閉操作し、閉弁時及び開弁時の吸気通路内の吸気圧をそれぞれ計測して、その吸気圧の変化量を基にEGRバルブの故障の有無を判定する(以上、例えば下記特許文献1を参照)。
近時、内燃機関及び電動機の二種の動力源を備えるハイブリッド車両が一定の普及を見ている。シリーズ方式のハイブリッド車両は、内燃機関により発電用モータジェネレータを駆動して発電を行い、発電した電力を蓄電装置、即ちリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等のバッテリ及び/またはキャパシタに蓄えるとともに、走行用モータジェネレータに供給する。そして、走行用モータジェネレータによって車両の駆動輪を回転させて走行する。
発電用モータジェネレータのみならず、走行用モータジェネレータもまた、回生制動により発電を行い、発電した電力を蓄電装置に蓄えることができる。蓄電装置の容量一杯まで既に電荷が蓄えられている場合には、回生制動により得られる電力を敢えて発電用モータジェネレータに供給し、これを電動機として作動させて内燃機関を回転駆動するモータリングを行うことで、余剰の電力を消費する。
ハイブリッド車両では、内燃機関が燃料を燃焼させて回転駆動力を発生させるファイアリングを行わなくとも、走行用モータジェネレータが出力する回転駆動力により車両を走行させることが可能である。よって、車両の運用中であっても、内燃機関の回転を停止している状態が継続することがある。
蓄電装置に蓄えている電荷の量が減少したときや、走行用モータジェネレータに対する要求出力が大きいときには、内燃機関を始動し気筒に燃料を供給してこれを燃焼させ、内燃機関の出力する回転駆動力により発電用モータジェネレータを駆動し、発電を行って蓄電装置を充電、または走行用モータジェネレータに供給する電力を増強する。
シリーズ方式のハイブリッド車両にあって、発電用モータジェネレータは、停止した内燃機関を始動する準備として内燃機関をモータリング、即ちクランキングする役割を兼ねる。クランキング時には、蓄電装置から必要な電力の供給を受ける(以上、例えば下記特許文献2を参照)。
特開2019-023444号公報 特開2020-156134号公報
既に述べた通り、従来の車両では、内燃機関の燃料カット中にEGRバルブのダイアグノーシスを実行する。燃料カット中のエンジン回転数は、そのときの運転者の操作や、車両の搭乗人数若しくは積載重量、路面の勾配及び転がり抵抗等の影響を受ける車両の減速度に応じて変化する。そして、気筒に連なる吸気通路内の吸気負圧は、エンジン回転数が低下するにつれて小さくなる(圧力としては高くなる)。
ダイアグノーシスの精度を高めるためには、燃料カット中に操作するEGRバルブの開閉量を大きくとり、吸気圧センサを介して検出される吸気圧の変動の幅を大きくしなければならない。だが、EGRバルブを大きく開閉するにはある程度の時間を要する。エンジン回転数の低下が速いと、燃料カット中にダイアグノーシスを完遂できない懸念が生じる。
加えて、燃料カット中にダイアグノーシスを実行した場合、燃料カットからの復帰後、即ちインジェクタから気筒に対する燃料噴射の再開後、一旦EGRバルブを全閉しなければEGRを行うことができない。これは、EGRによる恩恵を享受できないことを意味し、NOxの排出増及び燃費性能の低下を招くことに繋がり得る。
また、特に、シリーズ方式のハイブリッド車両では、運転者がアクセルペダルから足を離してコースト走行するからといって、内燃機関の燃料カットを実施するとは限らない。そもそも内燃機関が停止している蓋然性が高く、そのため、燃料カット中にダイアグノーシスを行うという処理手順そのものが成立し難い。
本発明は、車両に搭載された内燃機関のEGRバルブのダイアグノーシスの機会を確保し、またダイアグノーシスの精度の向上を図ることを所期の目的とする。
本発明では、排気通路と吸気通路とを連通するEGR通路及びEGR通路を開閉するEGRバルブを要素とする排気ガス再循環装置が付帯した内燃機関と、内燃機関を回転駆動できかつ内燃機関により回転駆動されて発電する発電用モータジェネレータ、駆動輪を駆動する走行用モータジェネレータとが搭載され、内燃機関を発電にのみ使用するシリーズハイブリッド方式の電気自動車である車両を制御するものであって、現在前記内燃機関を停止しており、前記走行用モータジェネレータに対する要求出力及び蓄電装置に蓄えている電荷量に基づき内燃機関をファイアリングして運転する必要がなく、ブレーキブースタに蓄えている負圧が下限値を下回っておらず、並びに、蓄電装置の蓄電量が上限値を上回りかつ走行用モータジェネレータが回生制動を実施して発電する状況でもないことを条件として、前記発電用モータジェネレータにより前記内燃機関を回転駆動しながら前記EGRバルブを開閉操作するとともに、その際の吸気通路におけるEGR通路の接続箇所の近傍または当該接続箇所よりも下流の吸気の圧力を検出し、その吸気圧の変化量に基づいてEGRバルブが適正に動作しているか否かを判定するダイアグノーシスを実行する車両の制御装置を構成した。
本発明によれば、車両に搭載された内燃機関のEGRバルブのダイアグノーシスの機会を確保し、かつダイアグノーシスの精度の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態におけるシリーズ方式のハイブリッド車両及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態のハイブリッド車両に搭載される内燃機関の概要を示す図。 同実施形態の制御装置がプログラムに従い実行する処理の手順例を示すフロー図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態におけるハイブリッド車両の主要システムの概略構成を示している。このハイブリッド車両は、内燃機関1と、内燃機関1により駆動されて発電を行う発電用モータジェネレータ2と、発電用モータジェネレータ2が発電した電力を蓄える蓄電装置3と、発電用モータジェネレータ2及び/または蓄電装置3から電力の供給を受けて車両の駆動輪62を駆動する走行用モータジェネレータ4とを備えている。
本実施形態のハイブリッド車両は、内燃機関1を発電にのみ使用するシリーズハイブリッド方式の電気自動車であり、車両の駆動輪62には専ら走行用モータジェネレータ4から走行のための駆動力を供給する。内燃機関1と駆動輪62との間は機械的に切り離されており、元来両者の間で回転駆動力の伝達がなされない。従って、内燃機関1は、走行用モータジェネレータ4及び駆動輪62から完全に独立して回転し、また完全に独立して停止することが可能である。従って、イグニッションスイッチ(パワースイッチ、またはイグニッションキー)がONに操作されている車両の運用中、運転者がアクセルペダルを踏むことで車両が走行可能な状態にあっても、蓄電装置3が充分な電荷を蓄え、かつブレーキブースタ15が充分な負圧を蓄えている状況下では、燃料の燃焼を伴う内燃機関1の運転を実施しないことがある。
内燃機関1の回転軸であるクランクシャフトは、発電用モータジェネレータ2の回転軸と歯車機構を介して機械的に接続している。そして、内燃機関1が出力する回転駆動力を発電用モータジェネレータ2に入力することで、発電用モータジェネレータ2が発電する。発電した電力は、蓄電装置3に充電し、及び/または、走行用モータジェネレータ4に供給する。また、発電用モータジェネレータ2は、自らが回転駆動力を発生させて内燃機関1のクランクシャフトを回転駆動するモータリング用の電動機としても機能する。例えば、発電用モータジェネレータ2は、停止している内燃機関1を始動する準備としてのクランキングを実行する。
走行用モータジェネレータ4は、車両の走行のための駆動力を発生させ、その駆動力を減速機61を介して駆動輪62に入力する。また、走行用モータジェネレータ4は、駆動輪62に連れ回されて回転することで発電し、車両の運動エネルギを電気エネルギとして回収する。この回生制動により発電した電力は、蓄電装置3に充電する。
尤も、既に蓄電装置3の容量一杯まで電荷が蓄えられており、それ以上の充電が困難であるならば、走行用モータジェネレータ4が回生発電した電力を敢えて発電用モータジェネレータ2に供給し、発電用モータジェネレータ2を電動機として稼働させて内燃機関1を回転駆動する。これにより、車両の制動性能を維持しながら、余剰の電力を消尽する。また、このとき、内燃機関1の回転が保たれることから、内燃機関1の気筒への燃料供給を一時的に停止する燃料カットを実行することができる。
発電機インバータ21は、発電用モータジェネレータ2が発電する交流電力を直流電力に変換する。そして、その直流電力を蓄電装置3または駆動機インバータ41に入力する。並びに、発電機インバータ21は、発電用モータジェネレータ2を電動機として作動させる際に、蓄電装置3及び/または駆動機インバータ41から供給される直流電力を交流電力に変換した上で発電用モータジェネレータ2に入力する。
駆動機インバータ41は、蓄電装置3及び/または発電機インバータ21から供給される直流電力を交流電力に変換した上で走行用モータジェネレータ4に入力する。並びに、駆動機インバータ41は、車両の回生制動を行うときに走行用モータジェネレータ4が発電する交流電力を直流電力に変換した上で蓄電装置3または発電機インバータ21に入力する。発電機インバータ21及び駆動機インバータ41は、PCU(Power Control Unit)の一部をなす。
蓄電装置3は、バッテリ及び/またはキャパシタ等である。バッテリは、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等の、エネルギ密度の大きい高電圧の二次電池である。蓄電装置3は、発電用モータジェネレータ2及び走行用モータジェネレータ4の各々が発電する電力を充電して蓄える。並びに、蓄電装置3は、発電用モータジェネレータ2及び走行用モータジェネレータ4の各々を電動機として作動させるための電力を放電し、それらモータジェネレータ2、4に必要な電力を供給する。
図2に、本実施形態のハイブリッド車両に搭載される内燃機関1の概要を示している。内燃機関1は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、複数の気筒11(例えば、三気筒。図1には、そのうち一つを図示)を包有している。各気筒11の吸気ポート近傍には、吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタ111を設けている。また、各気筒11の燃焼室の天井部に、点火プラグ112を取り付けてある。点火プラグ112は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。
吸気を供給するための吸気通路13は、外部から空気を取り入れて各気筒11の吸気ポートへと導く。吸気通路13上には、エアクリーナ131、電子スロットルバルブ132、サージタンク133、吸気マニホルド134を、上流からこの順序に配置している。エアクリーナ131は、吸気通路13における最上流の位置、即ち空気を取り入れる吸気口に所在する。吸気口は、冷たい空気を取り入れて内燃機関の充填効率を上げるために、車両の前方に開口している。
排気を排出するための排気通路14は、気筒11内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒11の排気ポートから外部へと導く。この排気通路14上には、排気マニホルド142及び排気浄化用の三元触媒141を配置している。
EGR装置12は、排気通路14と吸気通路13とを連通する外部EGR通路121と、EGR通路121上に設けたEGRクーラ122と、EGR通路121を開閉し当該EGR通路121を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ123とを要素とする。EGR通路121の入口は、排気通路14における触媒141の下流の箇所に接続している。EGR通路121の出口は、吸気通路13におけるスロットルバルブ132の下流の箇所、より具体的にはサージタンク133または吸気マニホルド134に接続している。
内燃機関1、発電用モータジェネレータ2、蓄電装置3、インバータ21、41及び走行用モータジェネレータ4の制御を司る制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECU、即ち内燃機関1を制御するEFI(Electronic Fuel Injection)ECU01、発電用モータジェネレータ2及び発電機インバータ21を制御する発電機ECU02、蓄電装置3を制御するBMS(Battery Management System)ECU03、走行用モータジェネレータ4及び駆動機インバータ41を制御する駆動機ECU04等、並びに、それらの制御を統括する上位のコントローラであるHV(Hybrid Vehicle)ECU00が、CAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものである。
ECU0に対しては、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関1のクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、運転者によるアクセルペダルの踏込量をアクセル開度(いわば、運転者が車両(の走行用モータジェネレータ4)に対して要求している駆動力)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、内燃機関1の気筒11に連なる吸気通路13(特に、サージタンク133または吸気マニホルド134)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関1の冷却水の温度を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、蓄電装置3に蓄えている電荷量を検出するセンサ(特に、バッテリ電流及び/またはバッテリ電圧センサ)から出力されるバッテリSOC(State Of Charge)信号g等が入力される。
そして、ECU0は、各種センサを介してセンシングしている、運転者が操作するアクセルペダルの踏込量や、現在の車両の車速、蓄電装置3が蓄えている電荷の量、発電用モータジェネレータ2の発電電力等に応じて、走行用モータジェネレータ4が出力する回転駆動力、内燃機関1が出力する回転駆動力、及び発電用モータジェネレータ2が発電する電力の大きさを増減制御する。
原則として、蓄電装置3が現在充分な電荷を蓄えており、走行用モータジェネレータ4に対して要求される出力が小さいならば、内燃機関1への燃料の供給を遮断して内燃機関1を運転しない。翻って、蓄電装置3が蓄えている電荷の量が閾値を下回り、または走行用モータジェネレータ4に対して要求される出力が大きいならば、内燃機関1を始動し気筒11に燃料を供給してこれを燃焼させるファイアリングを実行し、内燃機関1の出力する回転駆動力により発電機モータジェネレータ2を駆動し、発電を実施して蓄電装置3を充電し、または走行用モータジェネレータ4に供給する電力を増強する。
因みに、ECU0の一部をなすEFI ECU01は、内燃機関1の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒11に吸入される空気量を推算する。そして、吸入空気量に見合った(目標空燃比を具現するために必要な)要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング(一度の燃焼に対する点火の回数を含む)、要求EGR率(または、EGRガス量)等といった内燃機関1の運転パラメータを決定する。このEFI ECU01は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを、出力インタフェースを介して点火プラグ112のイグナイタ、インジェクタ111、スロットルバルブ132、EGRバルブ123等に対して出力する。
本実施形態の車両では、内燃機関1の運転を停止しているときに、発電用モータジェネレータ2を電動機として作動させて電力を消費しながら内燃機関1のクランクシャフトを回転駆動するモータリングを行うことがある。モータリング中は、内燃機関1の気筒11に燃料を供給せず(インジェクタ111から燃料を噴射せず)、内燃機関1において燃料を燃焼させない。
停止した内燃機関1をモータリングする必要性の有無の判断は、HV ECU00が司る。モータリングを行う契機として、少なくとも以下の三つが挙げられる:
(i)運転者がフットブレーキ装置を使用した車両の制動に伴い、ブレーキブースタ15に蓄えている負圧が消費されて下限値を下回った
(ii)蓄電装置3に蓄えている電荷量が、満充電に近い上限値を上回った(さらには、走行用モータジェネレータ4が回生制動して発電する)
(iii)内燃機関1のEGR装置12のEGRバルブ123のダイアグノーシスを実行する
上記(i)について、EV ECU00は、ブレーキブースタ負圧信号hを参照し、ブレーキブースタ15に現在蓄えている負圧が下限値を下回っているか否かを判断する。そして、ブレーキブースタ15の負圧が下限値を下回っているならば、発電用モータジェネレータ2により内燃機関1を回転させるモータリングを行い、吸気通路13におけるスロットルバルブ132の下流に吸気負圧を発生させて、その吸気負圧をブレーキブースタ15に供給する。ブレーキブースタ15に蓄えている負圧が上限値以上に回復した暁には、モータリングを終了する。
上記(ii)について、EV ECU00は、バッテリSOC信号gを参照し、蓄電装置3に現在蓄えている電荷量が上限値を上回っているか否かを判断する。そして、蓄電装置3の蓄電量が上限値を上回っている、または、蓄電装置3の蓄電量が上限値を上回っておりかつ走行用モータジェネレータ4が回生制動を実施して発電するときに、発電用モータジェネレータ2により内燃機関1を回転させるモータリングを行い、余剰の電力を消費する。蓄電装置に蓄えている電荷量が上限値以下に低減し、または走行用モータジェネレータ4による回生制動が終了した暁には、モータリングを終了する。
他方、上記(iii)のOBD(On Board Diagnosis)要求は、EFI ECU01からEV ECU00にもたらされる。EGRバルブ123のダイアグノーシスを実行する際には、発電用モータジェネレータ2により内燃機関1を回転させるモータリングを行う。その上で、EFI ECU01が、エンジン回転数(電動機として作動する発電用モータジェネレータ2の回転数)及びスロットルバルブ132の開度(EGRバルブ123の開度が一定である状況下での、吸気通路13におけるスロットルバルブ132の下流の吸気圧、または気筒11に吸入される空気量)をそれぞれ一定に保ちながら、EGRバルブ123の開度を開閉操作する。そして、吸気圧信号eを参照し、吸気通路13におけるスロットルバルブ132の下流の吸気圧がEGRバルブ123の開閉に呼応して適正に変動しているか否かを確認する。
これらのモータリングの各契機(i)、(ii)、(iii)毎に、好適なエンジン回転数及びスロットルバルブ132の開度の範囲は異なる。(i)では、ブレーキブースタ15に確保する吸気負圧を十分に確保する必要上、スロットルバルブ132の開度を小さく絞ることが好ましい。しかも、(i)のモータリングは、車両が低車速で走行しているか停車している(何れも、走行騒音が低減する)ときに実施される頻度が高く、NV(Noise and Vibration)性能の観点から、(ii)や(iii)のモータリングと比較してエンジン回転数を低く設定することが望まれる。(ii)では、回生制動を行う走行用モータジェネレータ4が発電する電力の大きさに応じて、内燃機関1を駆動する発電用モータジェネレータ2の出力、ひいてはエンジン回転数を増減調整することになる。
従って、(i)及び/または(ii)によるモータリング要求と、(iii)によるモータリング要求とが同時期にもたらされた場合、HV ECU00が、それらのうちの何れを優先するのかを決定する調停を行わなければならない。
図3に、EGRバルブ123のダイアグノーシスにおいて、EV ECU00及びEFI ECU01がプログラムに従い実行する処理の手順例を示す。EFI ECU01からEGRバルブ123のダイアグノーシスを要求する旨の信号が発せられ(ステップS1)、この信号を受信した(ステップS2)EV ECU00は、EGRバルブ123のダイアグノーシスを許可できるか否かを判断する(ステップS3)。
ステップS3にて、EV ECU00は、例えば、現在内燃機関1の運転を停止しており、走行用モータジェネレータ4に対する要求出力及び蓄電装置3に蓄えている電荷量に基づき内燃機関1をファイアリングして運転する必要がなく、なおかつ他の事由即ちブレーキブースタ15の負圧の確保や余剰電力の放電のためのモータリング要求が発生していないかどうかを確認する。これらの条件がおしなべて充足されるならば、EGRバルブ123のダイアグノーシスを許可できる。逆に、これらの条件のうち何れかが充足されないならば、EGRバルブ123のダイアグノーシスを許可せずに、内燃機関1のファイアリングまたはモータリングを行う。
あるいは、ダイアグノーシス以外の事由によりモータリング要求が発生しているとしても、そのモータリング中にエンジン回転数及びスロットルバルブ132の開度(または、吸気通路13におけるスロットルバルブ132の吸気圧)をダイアグノーシスに適した所定の範囲内に調整することが許されるのであれば、EGRバルブ123のダイアグノーシスを許可できる。その場合、他の事由によるモータリングの機会を利用して、EGRバルブ123のダイアグノーシスをも遂行することになる。
EGRバルブ123のダイアグノーシスを許可できると判断したEV ECU00は、その旨の信号をEFI ECU01に返信する(ステップS4)。ステップS4では、併せて、ダイアグノーシス中のエンジン回転数及びスロットルバルブ132(または、吸気通路13におけるスロットルバルブ132の吸気圧)の目標値を、EFI ECU01に通知する。並びに、EV ECU00は、発電機ECU02を介して、発電用モータジェネレータ2を電動機として作動させ、内燃機関1を所要の目標エンジン回転数まで加速させるモータリングを開始する(ステップS5)。
EGRバルブ123のダイアグノーシスを許可する旨の信号を受信した(ステップS6)EFI ECU01は、スロットルバルブ132の開度を目標値に開いて維持し、かつEGRバルブ123を全閉して、遅延時間の経過を待ってから(ステップS7)、ダイアグノーシスを実行する(ステップS8)。遅延時間の経過を待つのは、モータリングされる内燃機関1のエンジン回転数及び吸気通路13内の吸気圧をダイアグノーシスに適した値に安定させる意図である。
EGRバルブ123のダイアグノーシスでは、エンジン回転数及びスロットルバルブ132の開度を略一定に保ちながら、全閉していたEGRバルブ123の開度を所定量開き、しかる後再びEGRバルブ123を全閉する操作を行う。エンジン回転数は、例えば約1600rpmに設定する。また、ダイアグノーシス中のEGRバルブ123の開度の操作量即ち最大開度は、専ら内燃機関が出力するエンジントルクを駆動輪に入力して走行する、ハイブリッド車両ではない従来型の車両におけるダイアグノーシス中の操作量よりも、幾分小さくすることができる。
そして、EGRバルブ123の閉弁時及び開弁時の吸気通路13内の吸気圧を、吸気圧信号eを参照して計測する。閉弁時の吸気圧及び開弁時の吸気圧、またはそれらの差分が所定の条件を満たしている(典型的には、閉弁時の吸気圧と開弁時の吸気圧との差分の絶対値が判定値を上回っている)ならば、EGRバルブ123が正常に動作していると判断できる。
さもなくば、EGRバルブ123が正常に動作していない、即ちEGRバルブ123に故障が生じているものと判断し、その事実を示す情報(いわゆるダイアグノーシスコードやフリーズフレームデータ等)をECU0(EV ECU00またはEFI ECU01)の不揮発性メモリに記憶保持する。それとともに、EGRバルブ123に故障が生じている事実を、運転者の視覚または聴覚に訴えかける態様で報知する。例えば、コックピットのエンジンチェックランプを点灯させたり、ディスプレイに表示したり、警告音若しくは音声を出力したりする。
EGRバルブ123のダイアグノーシスを完了した(ステップS9)EFI ECU01は、その旨及びダイアグノーシスの結果を示す信号を、EV ECU0に送信する(ステップS10)。これを受信した(ステップS11)EV ECU00は、EGRバルブ123のダイアグノーシスを目的としたモータリングを終了する(ステップS12)。このとき、ファイアリング要求が発生しているならば、内燃機関1の回転を停止させることなく、インジェクタ111からの燃料噴射及び点火プラグ112による火花点火を開始して内燃機関1を始動、ファイアリングへと移行する。他の事由によるモータリング要求が発生しているならば、引き続きモータリングを続行し、当該事由に対応する適した目標値にエンジン回転数及びスロットルバルブ132の開度を操作する。ファイアリング要求もモータリング要求も発生していないならば、内燃機関1及び発電用モータジェネレータ2を停止させる。
本実施形態では、排気通路14と吸気通路13とを連通するEGR通路121及びEGR通路121を開閉するEGRバルブ123を要素とする排気ガス再循環装置12が付帯した内燃機関1と、内燃機関1を回転駆動できる電動機2とが搭載された車両を制御するものであって、前記電動機2により前記内燃機関1を回転駆動しながら前記EGRバルブ123を開閉操作するとともに、その際の吸気通路13におけるEGR通路121の接続箇所の近傍または当該接続箇所よりも下流の吸気の圧力(サージタンク135内または吸気マニホルド136内の吸気圧であることがある)を検出し、その吸気圧の変化量に基づいてEGRバルブ123が適正に動作しているか否かを判定するダイアグノーシスを実行する車両の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、電動機たる発電用モータジェネレータ2により積極的に内燃機関1を回転駆動して、適時EGRバルブ123のダイアグノーシスを実行する機会を確保できる。しかも、発電用モータジェネレータ2によるモータリングではエンジン回転数を一定化することが可能であり、エンジン回転数の増減に起因する、即ちEGRバルブ123の開閉操作によらない吸気通路13内の吸気圧の変動を抑制できる。従って、ダイアグノーシスの実行開始を早めることができる上、ダイアグノーシスの精度の向上にも寄与し得る。
EGRバルブ123のダイアグノーシス中のEGRバルブ123の最大開度は、ハイブリッド車両でない従来型の車両におけるダイアグノーシス中の操作量よりも小さい。このことは、ダイアグノーシス期間の短縮に繋がる。しかも、一旦開いたEGRバルブ123をより短い時間で全閉できるので、ダイアグノーシス後即時に内燃機関1をファイアリングしなければならない場合に、可及的速やかにEGRを再開でき、EGRによる恩恵を最大限に享受できる、つまりはファイアリング開始直後のNOxの排出増及び燃費性能の低下を回避できる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、本発明を適用する対象は、シリーズ方式のハイブリッド車両には限定されない。
その他、各部の具体的な構成や処理の内容は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、ハイブリッド車両の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…内燃機関
12…排気ガス再循環(EGR)装置
121…EGR通路
123…EGRバルブ
13…吸気通路
132…スロットルバルブ
14…排気通路
2…発電機、モータリング用電動機(発電用モータジェネレータ)
3…蓄電装置
4…走行用電動機(走行用モータジェネレータ)
62…駆動輪
b…クランク角信号
e…吸気温・吸気圧信号
k…スロットルバルブの開度制御信号
l…EGRバルブの開度制御信号

Claims (1)

  1. 排気通路と吸気通路とを連通するEGR通路及びEGR通路を開閉するEGRバルブを要素とする排気ガス再循環装置が付帯した内燃機関と、内燃機関を回転駆動できかつ内燃機関により回転駆動されて発電する発電用モータジェネレータ、駆動輪を駆動する走行用モータジェネレータとが搭載され、内燃機関を発電にのみ使用するシリーズハイブリッド方式の電気自動車である車両を制御するものであって、
    現在前記内燃機関を停止しており、前記走行用モータジェネレータに対する要求出力及び蓄電装置に蓄えている電荷量に基づき内燃機関をファイアリングして運転する必要がなく、ブレーキブースタに蓄えている負圧が下限値を下回っておらず、並びに、蓄電装置の蓄電量が上限値を上回りかつ走行用モータジェネレータが回生制動を実施して発電する状況でもないことを条件として、前記発電用モータジェネレータにより前記内燃機関を回転駆動しながら前記EGRバルブを開閉操作するとともに、その際の吸気通路におけるEGR通路の接続箇所の近傍または当該接続箇所よりも下流の吸気の圧力を検出し、その吸気圧の変化量に基づいてEGRバルブが適正に動作しているか否かを判定するダイアグノーシスを実行する車両の制御装置。
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