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JP7520559B2 - スポット溶接装置及びスポット溶接方法 - Google Patents
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JP7520559B2 - スポット溶接装置及びスポット溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スポット溶接装置及びスポット溶接方法に関し、特に、溶接対象となるワークに対し、加熱処理を施すことが可能なスポット溶接装置及びスポット溶接方法に関する。
従来、積層された複数の金属板からなるワークを溶接打点位置において一対の電極で挟持し、一方の電極から他方の電極へ電流を流して積層された金属板の接合を行うスポット溶接が知られている。
スポット溶接は、例えば、鋼板やアルミニウム板、ステンレス鋼板等の金属板や、引張強度の高い高張力鋼板(いわゆる、ハイテン鋼板)や、これよりも引張強度が高い、例えば引張強度が1000MPa以上の超高張力鋼板(いわゆる、超ハイテン鋼板)に対して適用することができる。ハイテン鋼板や超ハイテン鋼板は、軽量でありながら引張強度が高いことから、車両の車体を構成する板材など、近年、様々な分野で使用されている。
このようなスポット溶接装置において、一対の電極によりワークを溶接する際に、溶接の前処理又は後処理としてワークを加熱することで、溶接状態を良好にしたり、溶接部における靭性を向上させたりする技術が知られている。特に、引張強度の高い鋼板にスポット溶接を施す場合、非溶接領域を加熱することで、引張強度が低下するおそれがあるため、ワークの溶接領域をピンポイントで加熱する技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、一対の電極を用いて、ワークに対して溶接と加熱を実施可能なスポット溶接装置が記載されている。このスポット溶接装置は、装置本体に対して固定された固定電極と、この固定電極と対向配置されて、固定電極に対して接近・離間するように移動可能な可動電極とを備えており、固定電極及び可動電極でワークを挟持した状態で、各電極間に電流を流すことにより、ワークにナゲットを形成して板材同士を溶接する。また、このスポット溶接装置は、溶接後、所定の時間をおいて、ワークの溶接領域を再び通電することで、ワークを通電抵抗により加熱する。
特許文献1に記載のスポット溶接装置では、板材同士を溶接した後、溶接に用いた一対の電極と同一の電極を用いて、ワークの溶接領域をピンポイントで加熱することができる。
特開平7-68388号公報
しかしながら、ワークに対する通電によってワークを加熱する場合、ワークに形成されたナゲットのバラつきなどにより、ナゲットを流れる電流の密度などにバラつきが生じることから、製品の量産工程において、各ワークに対し、毎回、均一な加熱処理を施すことが難しいという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、簡易な構成でワークの溶接領域をピンポイントで加熱することができるとともに、量産されるワークに対して、均一な加熱処理を施すことができるスポット溶接装置及びスポット溶接方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るスポット溶接装置は、装置本体に対して固定された固定電極と、該固定電極と対向配置され、前記固定電極に対して接近・離間するように一軸方向に移動する可動電極と、を備え、複数枚の板材を重ねたワークを前記固定電極と前記可動電極で挟持して各電極間に電流を流すことで前記ワークにナゲットを形成して前記板材同士を溶接するスポット溶接装置において、前記固定電極及び前記可動電極のうち、一方の電極の基端側の前記装置本体に取り付けられた加熱装置を備え、前記加熱装置は、前記基端側から前記一方の電極側に向かって、前記可動電極の一軸方向と傾斜する方向に延び、先端が円弧状に旋回するように所定の回転軸周りに回動自在なアーム部と、前記アーム部の先端に設けられ、前記ワークに形成されるナゲットに対応した大きさに形成された加熱部と、を備え、前記加熱部は、前記アーム部の回動動作により、セットされた前記ワークの溶接領域に近接又は接触する加熱位置と、該加熱位置から退避した退避位置とに移動することを特徴とする。
この構成によれば、アーム部の回動動作させる簡易な構成で、加熱装置の加熱部を、セットされたワークの溶接領域に近接又は接触する加熱位置と、該加熱位置から退避した退避位置とに移動させることができる。また、加熱部は、ワークに形成されるナゲットに対応した大きさに形成されているので、加熱部を加熱位置に移動させてワークを加熱することにより、ワークの溶接領域が加熱されるように、溶接領域をピンポイントで加熱することができるとともに、量産されるワークに対して、ナゲットのバラつきによらずに、均一な加熱処理を施すことができる。
また、本発明は、前記スポット溶接装置において、前記加熱部は、コイルで形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、コイルに電流を流すことにより誘導電流によってワークを誘導加熱することができるので、量産されるワークに対して、ナゲットのバラつきによらずに、均一な加熱処理を施すことができる。
また、本発明は、前記スポット溶接装置において、前記アーム部における前記所定の回転軸の軸方向は、前記可動電極の一軸方向に対して傾斜していることを特徴とする
この構成によれば、アーム部の先端に設けられた加熱部は、可動電極の一軸方向に垂直な面に対して、傾斜した面上を移動する。これにより、加熱位置では、一軸方向でワークに接近する側に移動し、退避位置では、一軸方向でワークから離間する側に移動するように、加熱部を移動させることができる。
また、本発明は、前記スポット溶接装置において、前記加熱部は、前記ワークと対向する側の表面に、該表面から突出して前記ワークとの間の距離を確保するスペーサ部材を有することを特徴とする。
この構成によれば、スペーサ部材をワーク表面に当接させることで、ワークと加熱部との間の距離を均一に保つことができる。
また、上記目的を達成するために、本発明に係るスポット溶接方法は、装置本体に対して固定された固定電極と、該固定電極と対向配置されて、前記固定電極に対して接近・離間するように進退移動する可動電極と、加熱部を有する加熱装置と、を備えたスポット溶接装置を用いて、複数枚の板材を重ねたワークを溶接するスポット溶接方法であって、前記加熱装置は、前記固定電極及び前記可動電極のうち、一方の電極の基端側の前記装置本体に取り付けられており、前記基端側から前記一方の電極側に向かって、前記可動電極の一軸方向と傾斜する方向に延び、先端が円弧状に旋回するように所定の回転軸周りに回動自在なアーム部と、前記アーム部の先端に設けられ、前記ワークに形成されるナゲットに対応した大きさに形成された加熱部と、を備え、前記固定電極と前記可動電極により、前記ワークを挟持して、各電極間に電流を流し、前記ワークにナゲットを形成する溶接工程と、前記可動電極を通電位置から退避させた状態で前記アーム部を回動させて、前記加熱部をセットされた前記ワークの溶接領域に近接又は接触させ、前記加熱部により前記ワークを加熱する加熱工程と、を含み、前記溶接工程に対する前処理及び後処理のうち、少なくとも一方の処理として前記加熱工程を実行することを特徴とする。
この構成によれば、可動電極と固定電極とでワークに通電をする前又はワークに通電をした後に、可動電極を通電位置から退避させた状態で、加熱部をセットされたワークの溶接領域に近接又は接触させて、ワークを加熱することができる。また、加熱部は、ワークに形成されるナゲットに対応した大きさに形成されているので、ワークの溶接領域が加熱されるように、溶接領域をピンポイントで加熱することができる。
また、前記スポット溶接方法において、前記加熱部は、コイルで形成されており、前記加熱工程は、前記溶接工程の後に実施することを特徴とすることができる。この構成では、加熱部としてコイルを用いており、誘導電流によってワークを誘起加熱する構成であるので、量産されるワークに対して、ナゲットのバラつきによらずに、均一な加熱処理を施すことができる。また、ナゲットを形成した後の熱処理で、非溶接領域が加熱されることを抑制することができるので、例えばワークが超高張力鋼板で構成されている場合に、加熱によって引張強度が低下することを防止しながら、溶接領域の靭性を向上させることができる。
本発明に係るスポット溶接装置及びスポット溶接方法によれば、簡易な構成でワークの溶接領域をピンポイントで加熱することができるとともに、量産されるワークに対して、均一な加熱処理を施すことができる。
本発明に係るスポット溶接装置の一実施形態の概略を示す側面図である。 図1に示すスポット溶接装置の要部拡大図である。 加熱装置の加熱部の説明図である。 加熱部による加熱状態を説明する一部断面側面図。 スポット溶接装置の動作を説明する図である。 スポット溶接装置の動作を説明する図である。 スポット溶接装置の動作を説明する図である。 スポット溶接装置の動作を説明する図である。 加熱部の変形例の説明図である。 図6に示す加熱部による加熱状態を説明する一部断面側面図。 スポット溶接装置の他の実施形態を示す概略図である。
図1は、本発明の第1の実施形態であるスポット溶接装置の概略を示す側面図である。スポット溶接装置10は、例えば、自動車等の車両の製造工程(例えば、車体を構成する板材の接合など)で用いられ、少なくとも一部が重ねられた複数の金属板51,52からなるワーク(被溶接部材)50に一対の電極を当接し、これらの電極の間を通電することで金属板51,52間を接合する。また、スポット溶接装置10は、電極とは別に設けられた加熱装置40により、溶接の前処理や後処理として、ワーク50に対して加熱処理を実行することができる。
本実施形態ではワーク50の一例として、2枚の金属板51,52を積層したものを記載しているが、金属板の枚数は2枚に限られず、3枚以上であってもよい。以下の説明では、スポット溶接装置10に対してワーク50をセットした状態において、一方の電極である可動電極14が当接する金属板を第1の金属板51とし、他方の電極である固定電極12が当接する金属板を第2の金属板52としている。本実施形態において、第1の金属板51及び第2の金属板52は、それぞれ、引張強度が1000MPa以上の超高張力鋼板である。なお、溶接される金属板は、超高張力鋼板に限られず、これよりも引張強度の低い高張力鋼板や、その他の金属板であってもよい。
スポット溶接装置10は、固定電極12及び可動電極14を保持する装置本体である、C型に形成された溶接ガン本体11(以下、単に「装置本体11」とも称する)を有している。この装置本体11は、図示しない溶接ロボットのロボットアームに取り付けられており、溶接ロボットの駆動機構により、ワーク50の被溶接部位に向けて移動するように構成されている。
スポット溶接装置10は、装置本体11に固定された固定電極12と、固定電極12に対向配置された可動電極14と、可動電極14を一軸方向に移動させる駆動機構20と、ワーク50を加熱する加熱装置40と、制御部16と、を備えている。制御部16は、駆動機構20、各電極12,14に対する電源ユニット(図示せず)及び加熱装置40と電気的に接続されている。本実施形態において、可動電極14が移動する一軸方向Xは、可動電極14の中心軸Pの軸方向と一致している。
駆動機構20は、アクチュエータ22と、アクチュエータ22に連結されて上下方向に延びるロッド24とを備える。
アクチュエータ22は、それぞれ、装置本体11の上側の支持ブラケット11aに固定されている。アクチュエータ22は、例えば、エアシリンダ、サーボシリンダ、又はサーボモータ等によりそれぞれ構成することができる。ロッド24は互いに平行に延びており、それぞれ、アクチュエータ22の駆動力により軸方向(即ち、可動電極14が移動する一軸方向X)である上下方向に進退移動する。
駆動機構20のロッド24の先端部には、可動電極14が設けられる。可動電極14は、駆動機構20の作動により、図2において実線で示すように、上方側へ移動した電極退避位置と、図2において仮想線で示すように、下方側へ移動してワーク50の第1の金属板51の表面に当接し、第1の金属板51に加圧力を付与する加圧溶接位置との間を移動する。
固定電極12は、装置本体11の下側の支持ブラケット11bの先端部に取り付けられている。固定電極12は、その中心軸が可動電極14の中心軸Pと同軸となるように、可動電極14と対向配置されている。固定電極12及び可動電極14は、図示しない電源ユニットに接続されている。この電源ユニットは、制御部16に電気的に接続されており、制御部16からの信号を受けて、各電極12,14間に電流を流す。
加熱装置40は、図1及び図2に示すように、可動電極14の基端側の装置本体11の支持ブラケット11aに取り付けられている。加熱装置40は、支持ブラケット11aに固定された本体部42と、可動電極14の基端側にある本体部42から可動電極14側に延びるアーム部44と、アーム部44の先端に設けられた加熱部46とを備える。
アーム部44は、本体部42に、所定の回転軸Q周りに回動自在に設けられている。この回転軸Qの軸方向は、可動電極14が移動する一軸方向Xに対して、所定角度θ傾斜している。なお、図2中の直線P’は、一軸方向Xに延びる線である。
アーム部44は、回転軸Qの軸方向及び可動電極14が移動する一軸方向Xに対して傾斜する方向に延びている。ここで、アーム部44が延びる方向とは、アーム部44の基端44aと先端44bとを繋ぐ直線が延びる方向Sをいう。以下の説明では、このアーム部44が延びる方向Sをアーム部44の延在方向Sとも称する。
本実施形態のアーム部44は、本体部42から回転軸Qに沿って直線状に延びる第1アーム45aと、第1アーム44aの先端から回転軸Qに対して傾斜する方向に延びる第2アーム45bとを有している。なお、アーム部44の形状はこれに限られず、延在方向Sに直線状に延びていてもよいし、湾曲状に延びていてもよい。
本体部42には、アーム部44を回転軸Q周りに回転させる駆動モータ等を備えた駆動部41Aが内蔵されている。アーム部44は、駆動部41Aにより、回転軸Q周りに回転することによって、先端が円弧状に旋回する。これにより、アーム部44の先端に設けられた加熱部46は円弧状に旋回移動する。
アーム部44の延在方向Sと延在方向Sの長さとは、アーム部44の回動動作により、先端に取り付けられた加熱部46が、図2に示すように、スポット溶接装置10にセットされたワーク50の溶接領域に近接する加熱位置に移動できるように設定されている。加熱部46は、駆動部41Aによるアーム部44の回動動作にともなって旋回移動し、図2において実線で示す加熱位置と、図2において仮想線で示す退避位置とに移動する。
加熱部46は、回転軸Qが一軸方向X(即ち、上下方向)に対して傾斜していることにより、一軸方向Xに対して垂直な面(本実施形態では、水平面)に対して傾斜した面上を円弧状に移動する。加熱位置は、この移動軌跡において、上下方向で最も下方に位置するように設定されている。これにより、加熱部46は、退避位置において、加熱位置よりも上方に移動し、ワーク50に対してより離間した状態となる。本実施形態では、退避位置に移動した際に、上下方向において、加熱位置よりも距離L分、上方側へ移動した状態としている。
アーム部44の基端側には、加熱部46が退避位置から加熱位置へ移動した際に、アーム部44の回転動作を停止させるストッパ47Aが設けられている。本実施形態において、ストッパ47Aは棒状に形成されており、本体部42に固定された規制用当接片48Bに当接することで、アーム部44の回転を停止させる。このようなストッパ機構を設けることで、加熱部46を容易に規定された加熱位置で固定させることができる。
加熱部46は、ワーク50を加熱するものであり、ワーク50に形成されるナゲットに対応した大きさに形成されている。ここで、ナゲットに対応した大きさとは、加熱部46の外径(直径)が、ワーク50に形成されるナゲットの1.5倍以下の大きさ、好ましくは1.2倍以下の大きさ、より好ましくは、ナゲットと同じ又はそれ以下の大きさである。ここで、ワークに形成されるナゲットの大きさとは、設計段階で設定されたナゲットの大きさ(ナゲット径)である。本実施形態では、図3に示すように、加熱部46として加熱用のコイル61を用いている。また、本実施形態では、一例として、コイル61の大きさ(コイル61の直径D1)をワーク50に形成されるナゲット径D2と同じ大きさに設定している。なお、加熱部46は、コイル61に限られず、ワーク50に対する通電を伴わずにワーク50を加熱できるものであればよい。
コイル61を形成する導線62は、アーム部44内を通って本体部42に内蔵された電源部41Bに接続されている。電源部41Bは、制御部16と接続されており、制御部16からの指示信号により、導線62に高周波電流を流す。
図4に示すように、アーム部44の長さは、コイル61が加熱位置でワーク50との間に隙間Sを有して近接するように設定されている。隙間Sの距離は、例えば、5mm以下、好ましくは3mm以下に設定することができる。なお、加熱部46が、ワーク50に対して誘導加熱を行うものではない場合、例えば、誘導加熱を生じさせずに、加熱部46の抵抗によってジュール熱を発生させる抵抗加熱を行うものである場合、加熱部46をワーク50に接触させて直接加熱を行うことも可能である。
制御部16は、例えばCPU等の情報処理部、RAMやROM等の記憶部、入出力インターフェイス等を有して構成される。制御部18は、記憶部に記憶されたプログラム(例えば、各タイミングにおける可動電極14の上下位置及び加圧力、各タイミングにおける固定電極12及び可動電極14の通電電流、各タイミングにおける加熱部46の位置及び加熱状態など)に基づいて、可動電極14の進退移動やワーク50に対する加圧力、各電極12,14に供給される溶接電流の電流値、加熱部46の旋回移動や通電量などを制御する。
次に、図5A~図5Dを用いて、上述したスポット溶接装置10による溶接方法について説明する。
まず、スポット溶接装置10の可動電極14及び加熱部46のそれぞれが退避位置にある状態で、図5Aに示すようにワーク50を溶接位置にセットする。ワーク50は、図示しないクランプ装置によって所定の溶接位置に固定される。
次に、図5Bに示すように、可動電極14を加圧溶接位置まで移動させ、固定電極12と可動電極14とでワーク50を挟持する。この状態のもとで、両方の電極12,14の間に図示しない電源ユニットから電流を流して、ワーク50の接合部にナゲット56を形成し、第1の金属板51及び第2の金属板52を溶接する(溶接工程)。
溶接工程の後、図5Cに示すように、可動電極14を電極退避位置に退避させ、加熱部46を退避位置から加熱位置に移動させる。これにより、加熱部46は、ワーク50の溶接領域に近接した状態となる。この状態で、電源部41Bからコイル61に高周波電流を流して磁界を発生させ、コイル61に近接するワーク50に誘導電流を流すと、鋼板からなるワーク50の電気抵抗により、ワーク50が誘導加熱される。コイル61はナゲット56と対応する大きさに設定されているため、コイル61の誘導電流によってワーク50の溶接領域がピンポイントで加熱される(加熱工程)。
加熱部46により、ワーク50を所定時間加熱した後、図Dに示すように、加熱部46を退避位置に移動させ、ワーク50を溶接位置から外す。
上述したスポット溶接装置10によるスポット溶接方法では、アーム部44の回動動作させる簡易な構成により、加熱部46をワーク50の溶接領域に近接する加熱位置と、該加熱位置から退避した退避位置とに移動させることができる。また、セットされたワーク50に対して、加熱部46を加熱位置に移動させて加熱部46であるコイル61の誘導電流によりワーク50を加熱することで、量産されるワーク50に対して、ワーク50に形成されたナゲットのバラつきによらずに、均一な加熱処理を施すことができる。また、コイル61への通電によって、加熱制御を容易に行うことができる。
また、加熱部46は、ワーク50に形成されるナゲットに対応した大きさに形成されているので、ワーク50の溶接領域のみが加熱されるように、溶接領域をピンポイントで加熱することができる。溶接される金属板51,52が、超高張力鋼板等の引張強度の高い板材である場合、引張強度は高いが、応力が集中する溶接部から脆性破壊が生じやすい。本実施形態のように、溶接後にワーク50の溶接部を熱処理することで、靭性を高めることができ、脆性破壊に対する耐久性の高いものとすることができる。また、溶接領域をピンポイントで加熱することで、ワーク50の溶接領域以外の領域が、加熱処理によって性質変化し、引張強度が低下してしまうことを防止することができる。
また、上述したスポット溶接装置10では、加熱装置40のアーム部44の回転軸Qを一軸方向Xから傾斜させており、加熱位置において最も下方側に位置するようにしているので、加熱部46を加熱位置と退避位置との間で移動させている間に、加熱部46やスペーサ部材48a,48bが、ワーク50表面に接触することを防止することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、図6及び図7に示す変形例ように、加熱部46は、ワーク50と対向する側の表面に、該表面から突出してワーク50との間の距離を確保するスペーサ部材48a,48bを有する構成であってもよい。スペーサ部材48a,48bは、ワーク50を加熱する際に、ワーク50との間の距離を確保するものであり、絶縁材料で形成されている。本実施形態においてスペーサ部材48a,48bは、コイル61の径方向の両端部に対を成して設けられている。このように、加熱部46にスペーサ部材48a,48bを設けることで、コイル61による誘導加熱でワーク50を加熱する構成であっても、加熱部46をワーク50に接触させて加熱を行うことができる。スペーサ部材48a,48bの高さは、例えば、5mm以下、好ましくは3mm以下に、より好ましくは2mm以下に設定することができる。図7に示すように、加熱部46にスペーサ部材48a,48bを設け、これをワーク50の表面に接触させることで、ワーク50とコイル61との間の距離を均一に保つことができる。
また、例えば、図8に示す別の実施形態ように、アーム部44の回転軸Qの軸方向は、可動電極14が移動する一軸方向Xと同一の方向であってもよい。かかる場合、さらに、アーム部44が一軸方向Xに進退移動可能となるように、移動機構49を設ける構成とすることが好ましい。
また、例えば、加熱装置40は、固定電極12の基端側に取り付けられる構造であってもよい。
また、加熱装置40によるワーク50への加熱処理は、溶接後の後処理に限られない。例えば、後処理に代えて、又は、後処理とともに、溶接前の前処理として、加熱装置40を用いて、ワーク50の溶接領域に予備加熱を行ってもよい。
10 スポット溶接装置
11 装置本体
12 固定電極
14 可動電極
20 駆動機構
40 加熱装置
42 本体部
44 アーム部
46 加熱部
48a,48b スペーサ部材
50 ワーク

Claims (5)

  1. 装置本体に対して固定された固定電極と、
    該固定電極と対向配置され、前記固定電極に対して接近・離間するように一軸方向に移動する可動電極と、を備え、
    複数枚の板材を重ねたワークを前記固定電極と前記可動電極で挟持して各電極間に電流を流すことで前記ワークにナゲットを形成して前記板材同士を溶接するスポット溶接装置において、
    前記固定電極及び前記可動電極のうち、一方の電極の基端側の前記装置本体に取り付けられた加熱装置を備え、
    前記加熱装置は、
    前記基端側から前記一方の電極側に向かって、前記可動電極の一軸方向と傾斜する方向に延び、先端が円弧状に旋回するように所定の回転軸周りに回動自在なアーム部と、
    前記アーム部の先端に設けられ、前記ワークに形成されるナゲットに対応した大きさに形成された加熱部と、を備え、
    前記加熱部は、前記アーム部の回動動作により、セットされた前記ワークの溶接領域に近接又は接触する加熱位置と、該加熱位置から退避した退避位置とに移動することを特徴とするスポット溶接装置。
  2. 前記加熱部は、コイルで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接装置。
  3. 前記アーム部における前記所定の回転軸の軸方向は、前記可動電極の一軸方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載のスポット溶接装置。
  4. 前記加熱部は、前記ワークと対向する側の表面に、該表面から突出して前記ワークとの間の距離を確保するスペーサ部材を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のスポット溶接装置。
  5. 装置本体に対して固定された固定電極と、該固定電極と対向配置されて、前記固定電極に対して接近・離間するように進退移動する可動電極と、加熱部を有する加熱装置と、を備えたスポット溶接装置を用いて、複数枚の板材を重ねたワークを溶接するスポット溶接方法であって、
    前記加熱装置は、前記固定電極及び前記可動電極のうち、一方の電極の基端側の前記装置本体に取り付けられており、
    前記基端側から前記一方の電極側に向かって、前記可動電極の一軸方向と傾斜する方向に延び、先端が円弧状に旋回するように所定の回転軸周りに回動自在なアーム部と、
    前記アーム部の先端に設けられ、前記ワークに形成されるナゲットに対応した大きさに形成された加熱部と、を備え、
    前記固定電極と前記可動電極により、前記ワークを挟持して、各電極間に電流を流し、前記ワークにナゲットを形成する溶接工程と、
    前記可動電極を通電位置から退避させた状態で前記アーム部を回動させて、前記加熱部をセットされた前記ワークの溶接領域に近接又は接触させ、前記加熱部により前記ワークを加熱する加熱工程と、を含み、
    前記溶接工程に対する前処理及び後処理のうち、少なくとも一方の処理として前記加熱工程を実行することを特徴とするスポット溶接方法。
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