以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
以下の説明では、「テーブル」、「リスト」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いた場合、これらについてはお互いに置換が可能である。
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit))によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit))を含んでいてもよい。
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
以下に、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
(1.1 システム構成)
図1は本発明の第1の実施形態によるシステム構成を示した図である。
この図において、符号100は運行支援システム、符号200は運行管理システム、符号300は人流計測システム、符号400はユーザ端末、符号500と符号600、符号700、符号800は通信ネットワーク、符号101はCPU(中央処理装置)、符号102はメモリ、符号103は入力装置、符号104は送受信部、符号105は記憶部、符号106は通信部である。
運行支援システム100と、運行管理システム200と、人流計測システム300とは、通信ネットワーク500を介して相互に通信可能に接続されている。
運行支援システム100は、運行管理システム200から取得した情報、人流計測システム300から取得した情報、およびユーザ端末400から入力された情報に基づき、運行計画に対する再計画案を適宜作成または更新し、送受信部104から通信ネットワーク600を介してユーザ端末400のディスプレイに出力する。
運行管理システム200は、通信ネットワーク700を介して複数の列車901と相互に通信可能に接続されている。運行管理システム200は、運行計画に従って管理対象である列車運行ネットワーク内の複数の列車901を制御する。運行管理システム200は、通信ネットワーク500を介して列車運行管理に関わる各種情報を運行支援システム100に通知する。
人流計測システム300は、通信ネットワーク800を介してセンサ902およびセンサ903と相互に通信可能に接続されている。一例として、センサ902は監視カメラであり、センサ903は自動改札機である。なお、センサとして各列車に搭載されている赤外線装置や応荷重装置、各旅客が保有している携帯端末などを利用してもよい。人流計測システム300は、センサ902およびセンサ903からのセンサ情報を収集することができる。人流計測システム300は、通信ネットワーク500を介して人流情報に関する各種情報を運行支援システム100に通知する。
運行支援システム100は、CPU101と、メモリ102と、入力装置103と、送受信部104と、記憶部105と、通信部106とを有した、ハードウェアとしては一般的なコンピュータにより実現することができる。
CPU(中央処理装置)101は、記憶部105に格納されている各種ソフトウェアプログラムを実行する処理部である。メモリ102はCPU101の作業領域となる記憶装置である。CPU101は、ソフトウェアプログラムを実行する際にメモリ102へデータの書き込みあるいはデータを読み出す。
入力装置103は、運行支援システム100への指令やデータ入力を行うために、運行支援システム100の操作者が操作する装置である。入力装置103は、例えば、キーボードやマウスによって構成される。マウスは一般にポインティングデバイスと呼ばれる装置の一種であり、本発明の実施形態1ではマウスを利用しているが、他のポインティングデバイスでもかまわなく、例えばトラックボールやポインティング・スティック、タッチパッド、タッチパネル、ペンタブレットなどがあげられる。
送受信部104は、運行支援システム100と別端末との通信を可能にする。送受信部104は、例えば、NIC(Network Interface Card)のようなハードウェアを用いることができる。
記憶部105は、CPU101が実行する各種プログラムとCPU101が処理に利用する各種データとが格納される記憶装置である。なお、記憶部105に保存されたデータ等は、読み出すことによりメモリ102に複製を作成することができる。また、メモリ102に保存されたデータ等は、書き出すことにより記憶部105に複製を作成することができる。よって、記憶装置にデータなどを保存した場合、以降、メモリ102、記憶部105のどちらからも読み出せるものとする。また、記憶装置からデータ等を読み出す場合、メモリ102、記憶部105のどちらかに保存されているデータなどを読み出すものとする。
通信部106は、通信ネットワーク500に接続され、運行支援システム100による通信ネットワーク500を介した運行管理システム200および人流計測システム300との通信を可能にする。通信部106は、送受信部104と同様のハードウェアを用いてよい。
記憶部105には、運行計画再作成プログラムP01、運行計画変更プログラムP02、運行予測プログラムP03、人流予測プログラムP04、移動需要修正プログラムP05、運行計画実行プログラムP06と、運行計画データD01、運行実績データD02、人流実績データD03、基本データD04、拡張入力データD05、旅客行動モデルD06と、計画変更データベースD07、旅客流動データベースD08、および評価結果データベースD09とが格納されている。
運行計画再作成プログラムP01は、CPU101により実行されることで再計画案作成を実現するソフトウェアプログラムである。運行計画再作成処理は運行計画データD01、運行実績データD02、人流実績データD03、基本データD04、拡張入力データD05、旅客行動モデルD06をもとに運行計画に対する再計画案を作成する処理である。運行計画再作成処理の詳細は後述する。
運行計画変更プログラムP02は、CPU101により実行されることで運行計画変更処理を実現するソフトウェアプログラムである。運行計画変更処理は運行計画データD01、運行実績データD02、基本データD04、拡張入力データD05をもとに運行計画の変更候補を作成する処理である。運行計画変更処理は所与の変更手段の情報に基づき、運行計画を変更する。運行計画変更処理は公知の技術を用いて実施することができる。変更手段とは、例えば、列車の出発時刻を遅らせる、列車の走行順序を変えるといった、運行計画を変更するために採用される手段のことである。また、変更手段は、例えば、単一の変更として定められてもよいし、複数の変更の組合せとして定められてもよい。
運行予測プログラムP03は、CPU101により実行されることで運行予測処理を実現するソフトウェアプログラムである。運行予測処理は運行計画データD01、運行実績データD02、基本データD04、拡張入力データD05をもとに将来の列車運行を予測する処理である。運行予測処理は公知の技術を用いて実施することができる。
人流予測プログラムP04は、CPU101により実行されることで人流予測処理を実現するソフトウェアプログラムである。人流予測処理は運行計画データD01、運行実績データD02、人流実績データD03、基本データD04、拡張入力データD05をもとに各列車の乗車人数や各駅の滞留人数などの人流情報を予測する処理である。人流予測処理は公知の技術を用いて実施することができる。
移動需要修正プログラムP05は、CPU101により実行されることで移動需要修正処理を実現するソフトウェアプログラムである。移動需要修正処理は運行計画再作成処理の内部で生成される運行計画の変更候補と、旅客行動モデルD06をもとに移動需要情報を修正する処理である。移動需要修正処理の詳細は後述する。
運行計画実行プログラムP06は、CPU101により実行されることで運行計画実行処理を実現するソフトウェアプログラムである。運行計画実行処理は運行計画再作成処理により作成された再計画案においてユーザが実行した変更を実際の運行計画に反映する処理である。運行計画実行処理はユーザにより実行される変更が選択されると、計画変更データベースD07を参照し、該当する変更内容を運行計画に反映する。
運行計画データD01は、各列車が何時にどこに到着あるいは出発する予定で、他のどの列車と接続関係をもつ予定であるかという事前計画を示すデータである。運行計画データD01には、計画段階における運行データ(図2)、計画段階における運用データ(図3)などのデータが含まれる。運行データ、運用データの詳細については後述する。
運行実績データD02は、各列車が何時にどこに到着あるいは出発したか、他のどの列車と接続関係をもったかという実績を示すデータである。運行実績データD02には、運行データ、運用データなどのデータが含まれる。運行実績のある運行データ(図2)、運行実績のある運用データ(図3)の詳細については後述する。
人流実績データD03は、各旅客がどの駅からどの駅まで何時から移動したいか、各列車が何人の旅客を乗車させてどこを出発したか、各駅で何時から何時までの間に何人の旅客が滞留するかという実績を示すデータである。人流実績データD03には、移動需要データ(図4)、旅客乗車データ(図5)、旅客滞留データ(図6)などのデータが含まれる。移動需要データ、旅客乗車データ、旅客滞留データの詳細については後述する。
基本データD04は、設備に関する処理の基礎となる情報を示すデータである。基本データD04には、例えば、設備の識別情報(駅、番線、線路に対するIDコードなど)、経路情報(路線毎・上り下りの方向毎の駅の並びや、使用する番線、使用する線路、各駅で停車するか通過するかの情報など)、折返し設備情報、時分情報(基準運転時分、最小停車時分、続行時隔など)などのデータが含まれる。折返し設備情報には、走行経路上のどの駅において列車が折返し可能であるかという情報を含むように構成する。基準運転時分は、ある列車がある駅を出発してから次の駅に到着するまでに最低限必要とする時間であり、各隣接駅間に対応する値を、列車走行シミュレータ等を用いて算出し、格納しておく。なお、余裕時分を見込んで、ある列車がある駅を出発してから次の駅に到着するまでに掛かる時間の標準値を基準運転時分として用いてもよい。最小停車時分は、ある列車がある駅に停車する場合に、その列車がその駅に到着してから出発するまでに最低限必要とする時間である。全列車の全駅で共通の値としてもよいし、時間帯や混雑度に応じて異なる値を用いてもよい。
拡張入力データD05は、外部から入力される運行計画再作成時における条件を示すデータである。拡張入力データD05には、例えば、輸送障害情報や閾値情報などのデータが含まれる。輸送障害情報は、列車が何時にどこを運行することができないかという輸送障害を示すデータである。輸送障害情報は、列車を運行することができない時間範囲や対象区間(駅間など)などの情報によって指定されてもよいし、事故や故障が発生した設備(駅、番線、線路など)や車両などの情報によって指定されてもよい。閾値情報は、運行計画再作成時に指定される各種パラメータである。閾値情報には、例えば、運行計画を再作成する時間範囲や対象区間などのデータが含まれる。
旅客行動モデルD06は、旅客が運行状況によってどのように行動を変えるかを示すモデルである。旅客行動モデルD06は、例えば、運行計画の特徴量や旅客行動の変更内容などの情報が含まれる。旅客行動モデルD06の詳細は図7を用いて後述する。
計画変更データベースD07は、計画変更データ、変更履歴データなどを保持するデータベースである。計画変更データベースD07には、あらかじめ作成された計画変更データが事前に格納されており、運行計画再作成時に実施される変更に関して変更履歴データが随時格納される。計画変更データベースD07は、さらに、変更履歴データとそのデータに対応する運行計画とを紐づける情報を格納する。計画変更データは、運行状況に対する変更手段の候補を示すデータである。計画変更データには、例えば、輸送障害情報の対象区間の組み合わせごとに候補となる変更手段が登録されている。変更履歴データは、運行計画再作成時に適用した変更手段を示すデータである。変更履歴データの詳細は図8を用いて後述する。
旅客流動データベースD08は、人流実績データ、人流予測データなどを保持するデータベースである。旅客流動データベースD08には、計測または予測された各種データが随時格納される。旅客流動データベースD08は、さらに、過去に計測された人流実績データを格納する。人流実績データは、前述のように、移動需要データ、旅客乗車データ、旅客滞留データなどの実績に関するデータが含まれる。人流予測データは、移動需要データ、旅客乗車データ、旅客滞留データなどの予測結果に関するデータが含まれる。
評価結果データベースD09は、評価結果データ、各評価指標データなどを保持するデータベースである。評価結果データベースD09には、計算された各種データが随時格納される。評価結果データベースD09は、さらに、評価結果データおよび各評価指標データとそれらのデータに対応する運行計画とを紐づける情報を格納する。評価結果データは滞留の評価値や列車混雑度の評価値、列車遅延の評価値、運用コストの評価値、およびそれらの総合的な評価値を示すデータである。評価指標データは各駅での滞留量や各列車の混雑度、各列車の遅延量、各運用のコストなどに関する評価指標の計算結果を示すデータである。
(1.2 データ構造)
まず、処理の説明の前に、データの構造の一例について説明する。
(1.2.1 運行データのデータ構造)
運行データD10のデータ構造の一例について図2を用いて説明する。運行計画データD01に記憶される運行データ、運行実績データD02に記憶される運行データが、当該データ構造により構成される。
運行データD10には、図2に示すように、「列車番号」、「駅」、「番線」、「到着時刻」、および「出発時刻」が含まれている。以降で運行データD10の各列に記載されている情報について説明する。
「列車番号」には対象列車の列車番号が記載される。例えば、図2に示されているのは、「列車番号」が「HR101」および「HR102」であるものに関する記述の一部である。
「駅名」には当該列車の到着・出発・通過などに関わる駅名が記載される。例えば、図2の1行目は「駅名」が「St.A」であるものに関する記述であり、図2の2行目は「駅名」が「St.B」であるものに関する記述である。
「番線」には、当該列車の到着・出発・通過などに関わる番線名が記載される。例えば、図2の2行目は「番線」が「Tr.1」であるものに関する記述であり、図2の3行目は「番線」が「Tr.2」であるものに関する記述である。
「到着時刻」には、当該列車が当該駅に到着する時刻が記載される。なお、始発駅や通過駅などで到着時刻がない場合、例えば「-」等、データがないということを示すマーカーが入力される。
「発車時刻」には、当該列車が当該駅を発車する時刻が記載される。なお、終点駅などで発車時刻がない場合、例えば「-」等、データがないということを示すマーカーが入力される。発車時刻には通過時刻を含んでも良いし、図2では分けていないが、通過時刻を別フィールドとして用意しても良い。
図2を参照し、運行データD10の例について説明する。例えば、図2の1行目は「列車番号」「HR101」の列車が「駅名」「St.A」の駅における「番線」「Tr.1」の番線から「出発時刻」「08:00」に出発することを示し、図2の2行目は「列車番号」「HR101」の列車が「駅名」「St.B」の駅における「番線」「Tr.1」の番線で「到着時刻」「08:03」に到着し「出発時刻」「08:05」に出発することを示す。図2では3点リーダによって省略されている部分が存在するが、実際には少なくとも列車数と、当該列車の到着・出発・通過などに関わる駅数との組み合わせの数だけ行が存在している。
(1.2.2 運用データのデータ構造)
運用データD20のデータ構造の一例について図3を用いて説明する。運行計画データD01に記憶される運用データ、運行実績データD02に記憶される運用データが、当該データ構造により構成される。
運用データD20には、図3に示すように、「列車番号」、「前運用列車」、「後運用列車」が含まれている。以降で運用データD20の各列に記載されている情報について説明する。
「列車番号」には対象列車の列車番号が記載される。例えば、図3に示されているのは、「列車番号」が「HR101」、「HR102」、「HR103」、「HR705」、「HR706」、および「HR707」であるものに関する記述の一部である。
「前運用列車」には対象列車の前運用列車となる列車番号が記載される。ここで、前運用列車とは、対象列車と同一の車両(または編成)を使用する列車のうち、対象列車の直前に走行する列車である。例えば、図3の2行目は、目的の到着駅まで行き、当該目的の到着駅から折り返して運転する場合のように、「HR102」の列車の直前に「HR101」の列車が同一の車両を使用して走行することに関する記述である。なお、前運用列車がない場合、例えば「-」等、データがないということを示すマーカーが入力される。
「後運用列車」には対象列車の後運用列車となる列車番号が記載される。ここで、後運用列車とは、対象列車と同一の車両(または編成)を使用する列車のうち、対象列車の直後に走行する列車である。例えば、図3の2行目は、目的の到着駅まで行き、当該目的の到着駅から折り返して運転する場合のように、「HR102」の列車の直後に「HR103」の列車が同一の車両を使用して走行することに関する記述である。なお、後運用列車がない場合、例えば「-」等、データがないということを示すマーカーが入力される。
図3を参照し、運用データD20の例について説明する。例えば、図3の1行目は「列車番号」「HR101」の列車に対して、「前運用列車」が存在しないこと、「後運用列車」「HR102」が同一の車両を使用して直後に走行する列車であることを示し、図3の2行目は「HR102」の列車に対して、「前運用列車」「101」が同一の車両を使用して直前に走行する列車であること、「後運用列車」「HR103」が同一の車両を使用して直後に走行する列車であることを示す。図3では3点リーダによって省略されている部分が存在するが、実際には少なくとも列車数分の行が存在している。
(1.2.3 移動需要データのデータ構造)
移動需要データD30のデータ構造の一例について図4を用いて説明する。移動需要データD30は、旅客の移動需要に関する情報を記憶したデータである。
移動需要データD30には、図4に示すように、「旅客番号」、「出発駅」、および「到着駅」、「出発時刻」、「経路」が含まれている。以降で移動需要データD30の各列に記載されている情報について説明する。
「旅客番号」には対象旅客の旅客番号が記載される。例えば、図4に示されているのは、「旅客番号」が「1」、「2」、「3」、「51」、「52」、「53」であるものに関する記述の一部である。
「出発駅」には当該旅客が移動時に出発する駅名が記載される。例えば、図4の1行目は「出発駅」が「St.A」であるものに関する記述であり、図4の2行目は「駅名」が「St.C」であるものに関する記述である。
「到着駅」には当該旅客が移動時に到着する駅名が記載される。例えば、図4の1行目は「到着駅」が「St.Z」であるものに関する記述であり、図4の2行目は「到着駅」が「St.L」であるものに関する記述である。
「出発時刻」には当該旅客が出発駅に入場する時刻が記載される。例えば、図4の1行目は「出発時刻」が「07:58」であるものに関する記述であり、図4の2行目は「出発時刻」が「08:00」であるものに関する記述である。
「経路」には当該旅客が利用する路線名と乗車駅および降車駅の駅名を含む情報が記載される。例えば、1行目は路線名が「Line B」の路線に「St.A」から乗車し、「St.Z」で降車するものに関する記述であり、2行目は路線名が「Line B」の路線に「St.C」から乗車し、「St.L」で降車するものに関する記述である。図4では3点リーダによって省略されている部分が存在するが、実際には少なくとも旅客数分の行が存在している。なお、複数の路線を利用する旅客に関しては、全ての利用路線について記述されるものとする。ただし、旅客ごとの実際の経路が不明な場合は、出発駅と到着駅の1組に対してのみ経路を設定してもよい。
図4を参照し、移動需要データD30の例について説明する。例えば、図4の1行目は「旅客番号」「1」の旅客が「出発駅」「St.A」から「到着駅」「St.Z」まで「出発時刻」「07:58」から「経路」「Line B - St.A - St.Z」で移動することを示す。図4では3点リーダによって省略されている部分が存在するが、実際には少なくとも旅客数分の行が存在している。
なお、移動需要データD30には、同一の「出発駅」、「到着駅」、「出発時刻」、「経路」をもつ旅客のデータをまとめて定義してもよい。このとき、移動需要データD30は、例えば、「旅客番号」の代わりに「旅行番号」のデータをもち、新たに「人数」のデータをもつことで、同一の移動需要を定義する。これにより、同一の移動需要をまとめて処理することができるため、移動需要の計算に関わる処理を高速化することができる。
(1.2.4 旅客乗車データのデータ構造)
旅客乗車データD40のデータ構造の一例について図5を用いて説明する。旅客乗車データD40は、旅客が乗車する列車に関する情報を記憶したデータである。
旅客乗車データD40には、図5に示すように、「列車番号」、「路線名」、「駅名」、「走行順序」、および「人数」が含まれている。以降で旅客乗車データD40の各列に記載されている情報について説明する。
「列車番号」には対象列車の列車番号が記載される。例えば、図5に示されているのは、「列車番号」が「HR101」および「HR102」であるものに関する記述の一部である。
「路線名」には当該列車が走行する路線名が記載される。例えば、図5の1行目は「HR101」の列車が「Line B」の路線を走行することに関する記述である。
「駅名」には当該列車の出発に関わる駅名が記載される。例えば、図5の1行目は「駅名」が「St.A」であるものに関する記述であり、図5の2行目は「駅名」が「St.B」であるものに関する記述である。
「走行順序」には当該列車が各駅を走行する順序を示す番号が記載される。例えば、図5の1行目は「走行順序」が「1」番目であるものに関する記述であり、図5の2行目は「走行順序」が「2」番目であるものに関する記述である。
「人数」には当該列車が当該駅を出発する際に乗車している旅客の数が記載される。例えば、図5の1行目は「人数」が「200」人であるものに関する記述であり、図5の2行目は「人数」が「225」人であるものに関する記述である。
図5を参照し、旅客乗車データD40の例について説明する。例えば、図5の1行目は「列車番号」「HR101」の列車が「路線名」「Line B」の「駅名」「St.A」を出発する際、「走行順序」「1」番目に当該列車の到着・出発・通過などに関わった駅であること、「人数」「200」人の旅客が乗車していることを示し、図5の2行目は「列車番号」「HR101」の列車が「路線名」「Line B」の「駅名」「St.B」を出発する際、「走行順序」「2」番目に当該列車の到着・出発・通過などに関わった駅であること、「人数」「225」人の旅客が乗車していることを示す。図5では3点リーダによって省略されている部分が存在するが、実際には少なくとも列車数と、当該列車の到着・出発・通過などに関わる駅数との組み合わせ数分の行が存在している。
(1.2.5 旅客滞留データのデータ構造)
旅客滞留データD50のデータ構造の一例について図6を用いて説明する。旅客滞留データD50は、旅客の滞留に関する情報を記憶したデータである。
旅客滞留データD50には、図6に示すように、「駅名」、「時刻」、「到着駅」および「人数」が含まれている。以降で旅客滞留データD50の各列に記載されている情報について説明する。
「駅名」には各駅を個別に識別する駅名が記載される。例えば、図6に示されているのは、「駅名」が「St.X」、「St.N」および「St.O」であるものに関する記述の一部である。
「時刻」には当該駅の滞留人数を記録した時刻が記載される。例えば、図6の1行目は「時刻」が「10:00」であるものに関する記述であり、図6の2行目は「時刻」が「10:15」であるものに関する記述である。なお、「時刻」はあらかじめ定められた集計の時間単位(1分単位、5分単位、10分単位など)に基づいて記録される。
「到着駅」には当該駅で滞留している旅客が移動しようとしている駅名が記載される。例えば、図6の1行目は「到着駅」が「St.Y」であるものに関する記述であり、図6の2行目は「到着駅」が「St.Z」であるものに関する記述である。
「人数」には当該駅で各時刻に各到着駅へ移動しようとしている旅客の数が記載される。例えば、図6の1行目は「人数」が「60」人であるものに関する記述であり、図6の2行目は「人数」が「40」人であるものに関する記述である。
図6を参照し、旅客滞留データD50の例について説明する。例えば、図6の1行目は「駅名」「St.X」の駅で「時刻」「10:00」において「到着駅」「St.Y」に移動しようとしている「人数」「60」人の旅客が滞留していることを示し、図6の2行目は「駅名」「St.X」の駅で「時刻」「10:15」において「到着駅」「St.Z」に移動しようとしている「人数」「40」人の旅客が滞留していることを示す。図6では3点リーダによって省略されている部分が存在するが、実際には少なくとも駅数、時刻、到着駅の組み合わせ数分の行が存在している。
なお、旅客滞留データD50には、同一の「駅名」、「時刻」をもつ滞留量のデータをまとめて定義してもよい。すなわち、旅客滞留データD50は、例えば、「到着駅」のデータをもたず、同一の「駅名」、「時刻」をもつデータに対して「人数」のデータを合計した値を新たに「人数」のデータとして定義する。これにより、同一の駅と時刻の組に対する滞留量をまとめて処理することができるため、滞留量の計算に関わる処理を高速化することができる。
(1.2.6 旅客行動モデルのデータ構造)
旅客行動モデルD60のデータ構造の一例について図7を用いて説明する。旅客行動モデルD60は、旅客行動の特徴を記憶したデータである。図7では、ある1つのタイプの旅客についての旅客行動モデルを例示しているが、旅客行動モデルD60は、旅客のタイプごとにあらかじめ記憶される。
旅客行動モデルD60には、図7に示すように、「不通開始点」、「不通終了点」、「待ち時間」、「乗換駅」、および「迂回時間」が含まれている。以降で旅客行動モデルD60の各列に記載されている情報について説明する。
「不通開始点」には運行計画において不通区間の始点となっている駅名が記載される。例えば、図7に示されているのは、「不通開始点」が「St.A」、「St.N」および「St.O」であるものに関する記述の一部である。
「不通終了点」には運行計画において不通区間の終点となっている駅名が記載される。例えば、図7に示されているのは、「不通終了点」が「St.B」、「St.C」、および「St.M」であるものに関する記述の一部である。
「待ち時間」には当該不通開始点で旅客が列車を待つ必要のある時間が記載される。例えば、図7の1行目は「待ち時間」が「10」分であるものに関する記述であり、図7の2行目は「待ち時間」が「30」分であるものに関する記述である。「待ち時間」はあらかじめ定められた集計の時間単位(1分単位、5分単位、10分単位など)に基づいて設定される。なお、「待ち時間」には、例えば、当該不通開始点で列車を待つ必要のある時間のほかに、各旅客が出発駅で列車を待つ必要のある時間を設定してもよい。
「乗換駅」には当該不通開始点、当該不通終了点、待ち時間の条件が運行計画の内容と合致する場合に旅客が乗換を行う駅の組が記載される。例えば、図7の1行目は「乗換駅」が「(St.A,St.A)」であるものに関する記述であり、図7の2行目は「乗換駅」が「(St.A,St.C)」であるものに関する記述である。ここで、「(St.A,St.A)」は旅客が出発駅から列車に乗車して「St.A」で一度降車し、運行が再開されるまで「St.A」で別の列車を待ち、運行再開後に「St.A」から列車に乗車し到着駅で降車することを示す。また、「(St.A,St.C)」は旅客が出発駅から列車に乗車して「St.A」で一度降車し、対象路線内の「St.A」から対象路線外の他経路を利用して対象路線内の「St.C」へ迂回し、迂回後に「St.C」から列車に乗車し到着駅で降車することを示す。なお、旅客が対象路線内での移動に関して出発地もしくは到着地を変更する場合、例えば「*」等、移動需要が消失したことを示すマーカーが入力される。例えば、図7の3行目は「乗換駅」が「(St.A,*)」であり、旅客が出発駅から列車に乗車して「St.A」で一度降車した後、対象路線内の到着地に向かう移動需要が消失することを示している。これは、例えば、目的地の付近に到着駅のほかに対象路線外の駅が存在した際に対象路線外の経路のみを利用して目的地まで移動することや、駅自体を目的地としていたがその駅が不通区間に含まれてしまった際に目的地を別の場所に変更することなどの結果を表現している。なお、「乗換駅」には、例えば、対象路線内の駅から対象路線外への乗換が複数回発生する場合、乗換を行う駅の組を複数設定してもよい。
「迂回時間」には旅客が対象路線外の経路で迂回する場合に要する時間が記載される。例えば、図7の1行目は「迂回時間」が「0」分であるものに関する記述であり、図7の2行目は「迂回時間」が「10」分であるものに関する記述である。なお、「迂回時間」には、例えば、対象路線内の駅から対象路線外への乗換が複数回発生する場合、それぞれの乗換に対して迂回に要する時間を複数設定してもよい。
図7を参照し、旅客行動モデルD60の例について説明する。例えば、図7の1行目は運行計画における不通区間が「不通開始点」「St.A」と「不通終了点」「St.B」によって定義され「待ち時間」「10」分の場合、「乗換駅」「(St.A,St.A)」で設定されているように旅客の移動需要が出発駅から「St.A」までの移動需要と「St.A」から到着駅までの移動需要に分割されること、「迂回時間」「0」分であるため対象路線外の経路での迂回に要する時間はないことを示す。また、図7の2行目は運行計画における不通区間が「不通開始点」「St.A」と「不通終了点」「St.B」によって定義され「待ち時間」「30」分の場合、「乗換駅」「(St.A,St.C)」で設定されているように旅客の移動需要が出発駅から「St.A」までの移動需要と「St.C」から到着駅までの移動需要に分割されること、「迂回時間」「10」分だけ対象路線外の経路での迂回に時間を要することを示す。図7では3点リーダによって省略されている部分が存在するが、実際には少なくとも不通開始点、不通終了点、待ち時間の組み合わせ数分の行が存在している。
旅客行動モデルD60は、旅客行動の特徴ごとに複数作成される。ここで、旅客行動モデルD60は、例えば、事前に集計したアンケートに基づき統計的に作成されてもよいし、携帯端末のGPS(Global Positioning System)データや経路検索アプリケーションから得られるデータなどを用いて作成されてもよい。また、旅客行動モデルD60では、例えば、駅に設置されている自動改札機や監視カメラ、各列車に搭載されている赤外線装置や応荷重装置、各旅客が保有している携帯端末から得られるデータを用いて旅客行動の条件と結果が調整されてもよい。
なお、旅客行動モデルD60には、図7で示された以外のデータ項目を含んでもよい。旅客行動モデルD60には、例えば、旅客の出発駅や到着駅、列車の遅延状況、列車や駅の混雑状況、移動にかかる運賃などの旅客行動が変容する条件となる項目を追加してもよい。また、旅客行動モデルD60は、各情報を旅客が認識しているか否かを示すデータ項目を保有してもよい。これらにより、旅客行動の条件が細分化されることで、より緻密な旅客行動の結果を表現することができる。
(1.2.7 変更履歴データのデータ構造)
変更履歴データD70のデータ構造の一例について図8を用いて説明する。
変更履歴データD70には、図8に示すように、「変更手段」、「時間」、「列車」および「KPI」が含まれている。以降で変更履歴データD70の各列に記載されている情報について説明する。
「変更手段」には運行計画の再作成で実施された変更手段の名称が記載される。例えば、図8に示されているのは、「変更手段」が「PT9000」、「PT1185」および「PT1192」であるものに関する記述の一部である。
「時間」には運行計画において当該変更手段が実施された時間が記載される。例えば、図8の1行目は「時刻」が「10:00-10:20」であるものに関する記述であり、図8の2行目は「時刻」が「10:15-10:30」であるものに関する記述である。
「列車」には当該変更手段で変更された列車が記載される。例えば、図8の1行目は「列車」が「HR301」であるものに関する記述であり、図8の2行目は「列車」が「HR302」であるものに関する記述である。なお、「列車」には、例えば、変更された列車が複数存在する場合、複数列車をリスト形式や辞書形式などでまとめて設定してもよいし、変更の基準となった列車や走行時刻が最も早い列車などを代表する列車として設定してもよい。
「KPI」には当該変更手段による評価値の変化量が記載される。例えば、図8の1行目は「KPI」が「-25」であるものに関する記述であり、図8の2行目は「KPI」が「-60」であるものに関する記述である。
図8を参照し、変更履歴データD70の例について説明する。例えば、図8の1行目は「変更手段」「PT9000」によって「時間」「10:00-10:20」の範囲にある「列車」「HR301」を含むいくつかの列車が変更され「KPI」「-25」の分だけ評価値が変化したことを示し、図8の2行目は「変更手段」「PT1185」によって「時間」「10:15-10:30」の範囲にある「列車」「HR302」を含むいくつかの列車が変更され「KPI」「-60」の分だけ評価値が変化したことを示す。図8では3点リーダによって省略されている部分が存在するが、実際には少なくともある再作成案に対する変更手段の実施数分の行が存在している。
(1.2.8 滞留評価データのデータ構造)
滞留評価データD80のデータ構造の一例について図9を用いて説明する。滞留評価データD80は、図6に示した旅客滞留データD50の時刻を含む時間帯ごとに滞留している旅客を評価したデータである。
滞留評価データD80には、図9に示すように、「駅名」、「時間」、「滞留人数」、「密度」および「最大人数」が含まれている。以降で変更履歴データD70の各列に記載されている情報について説明する。
「駅名」には各駅を個別に識別する駅名が記載される。例えば、図9に示されているのは、「駅名」が「St.X」、「St.N」、および「St.O」であるものに関する記述の一部である。
「時間」には滞留の評価指標の計算範囲となった時間が記載される。例えば、図9の1行目は「時間」が「10:00-11:00」であるものに関する記述であり、図9の2行目は「時間」が「11:00-12:00」であるものに関する記述である。
「滞留人数」には当該駅で当該時間内に滞留している旅客の人数が記載される。例えば、図9の1行目は「滞留人数」が「100」人であるものに関する記述であり、図9の2行目は「滞留人数」が「80」人であるものに関する記述である。なお、「滞留人数」には、例えば、当該駅で当該時間内に滞留する旅客の人数を計算した単位に応じた合計人数や平均人数、個別の時間単位における人数などを設定してもよいし、各旅客について滞留している駅を個別に計算することで同一旅客が重複しないような人数を設定してもよい。
「密度」には当該駅で当該時間内に滞留している旅客の密集の程度を示す値が記載される。例えば、図9の1行目は「密度」が「0.10」であるものに関する記述であり、図9の2行目は「密度」が「0.08」であるものに関する記述である。なお、「密度」には、例えば、当該駅における単位面積あたりの滞留人数や当該駅の3次元空間上での単位体積あたりの滞留人数などを設定してもよいし、当該駅の定員人数やあらかじめ設定された目標値などと滞留人数との比率を設定してもよい。
「最大人数」には当該駅で当該時間内に滞留している旅客の最大人数が記載される。例えば、図9の1行目は「最大人数」が「180」人であるものに関する記述であり、図9の2行目は「最大人数」が「135」人であるものに関する記述である。
図9を参照し、旅客滞留データD80の例について説明する。例えば、図9の1行目は「駅名」「St.X」で「時間」「10:00-11:00」において「滞留人数」「100」人の旅客が滞留すること、「密度」「0.10」で旅客が密集すること、「最大人数」「180」人の旅客が一時的に滞留することを示し、図9の2行目は「駅名」「St.X」で「時間」「11:00-12:00」において「滞留人数」「80」人の旅客が滞留すること、「密度」「0.08」で旅客が密集すること、「最大人数」「135」人の旅客が一時的に滞留することを示す。図9では3点リーダによって省略されている部分が存在するが、実際には少なくとも駅と時間との組み合わせ数分の行が存在している。
(1.3 実施例を適用する路線と運行状況)
続いて、図10に示された路線の一例を参照し、本実施例を適用する鉄道の運行状況について説明する。
図10で示された路線の一例は、Y字の路線形状をもち、端点の駅として「St.X」、「St.Y」、および「St.Z」をもつ。また、「St.X」方面からの線路は「St.O」で「St.Y」方面と「St.Z」方面の2方面に分岐している。図10に示された路線の一例では「St.X」と「St.O」の間には「St.A」から「St.N」までの駅が、「St.O」と「St.Y」の間には「St.P」から「St.S」までの駅が、「St.O」と「St.Z」の間には「St.T」から「St.W」までの駅がそれぞれアルファベット順に存在する。
図10に示された路線の一例では、「St.M」と「St.N」の間に輸送障害が上下方向に発生し、線路が使用できなくなっていることを表現している。このとき、各列車は輸送障害が解消されるまで「St.M」と「St.N」の間を走行できない状況となる。
なお、路線の特徴や運行状況は上記に限定されるものではなく、例えば、単線や環状線、複雑な線路形状などをもつ路線に適用されてもよいし、輸送障害が発生していない場合や輸送障害が図10で示された状況とは別の区間・方向に発生している場合において適用されてもよい。
(1.4 運行支援システムの処理)
次に、上述した運行支援システム100の動作の概要について説明する。
(1.4.1 概略)
図11は、図1に示した運行支援システム100の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
ステップS101は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、処理終了要求の有無を調べる処理である。処理終了要求の存在しなければ(ステップ101;No)、ステップS102へ進む。処理終了要求が存在する場合には(ステップ101;Yes)、運行支援処理を終了する。
ステップS102は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画の再作成が必要か否かを調べる処理である。ステップS102は、例えば、現在時刻からあらかじめ与えられた時間範囲までの再計画案が作成されていない場合や、新たに輸送障害情報が入力された場合などに運行計画の再作成が必要であると判断する。運行計画の再作成が必要な場合には(ステップ102;Yes)、ステップS103へ進む。運行計画の再作成が必要でない場合には(ステップ102;No)、ステップS101へ進む。
ステップS103は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、改善箇所を特定する処理である。ステップS103は、例えば、図2に示した運行データとして記憶されている運行計画の各列車の情報を探索し、遅延量や混雑度などの指標が所与の閾値を超えている列車に関する列車番号、出発または到着する駅名、到着時刻または出発時刻を記憶部105に保存する。
ステップS104は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画における改善箇所の有無を調べる処理である。運行計画における改善箇所が存在する場合には(ステップ104;Yes)、ステップS105へ進む。運行計画における改善箇所が存在しない場合には(ステップ104;No)、ステップS101へ進む。
ステップS105は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画を再作成する処理である。ステップS105の処理の詳細は後述する。
ステップS106は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、再計画案を出力する処理である。ステップS106は、例えば、ステップS105で作成された再計画案を送受信部104からユーザ端末400のディスプレイに出力する。
以上、本発明の第1の実施形態における運行支援システム100の処理の概略を示した。
以降、図11の運行計画再作成処理の詳細を説明する。
(1.4.2 ステップS105における処理の詳細:運行計画再作成処理)
ステップS105の処理の詳細について図12を用いて説明する。
(1.4.2.1 概略)
図12は、図11に示したステップS105の運行計画再作成処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
ステップS201は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、輸送障害情報により定められる支障箇所に対応する変更手段を取得する処理である。ステップS201は、例えば、計画変更データベースD07に格納された計画変更データを参照し、輸送障害情報により定められる支障箇所と、計画変更データに定義された支障箇所の条件が一致する情報を検索することで、候補となる変更手段を取得する。計画変更データから候補となる変更手段を取得する処理については、従来から知られている各種技術を用いることができるため、ここではその具体的な説明を省略する。
ステップS202aは、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、ステップS203からステップS208までの処理を、ステップS201で取得された変更手段の数だけ繰り返す処理である。ステップS202aは、繰返し処理の過程で、取得した変更手段を順次選択する。ステップS202aに関わる繰返し処理は、ステップS202bに到達することで一巡したこととなる。
ステップS203は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画の変更候補を作成する処理である。ステップS203は、例えば、ステップS202aで選択された変更手段を用いて運行計画を変更する。変更手段による運行計画の変更については、公知の技術(例えば、WO2020-110487)に基づいて行ってもよい。このとき、変更手段には、例えば、運行計画を変更するプログラムへのディレクトリパスを設定しておいてもよいし、あらかじめプログラムを実行した際の変更内容をデータとして定義しておいてもよい。なお、運行計画の変更候補は、例えば、運行計画を変更するプログラムに応じて、運行計画における少数の列車に対して部分的に変更を適用することや、ある時刻までの運行計画を一括変更することで作成してもよいし、単一のプログラムを複数のパラメータで実行することや、複数のプログラムを組み合わせて利用することで作成してもよい。また、変更手段は、例えば、過去の再計画作業で実施された変更内容をもとに作成されてもよい。
ステップS204は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行予測を実行する処理である。運行予測については、公知の技術(例えば、特開2011-218838)に基づいて行ってもよい。
ステップS205は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画の変更内容に応じて移動需要を修正する処理である。ステップS205の処理の詳細は後述する。
ステップS206は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、人流予測を実行する処理である。ステップS206は、例えば、ステップS205で修正された移動需要情報(移動需要データD30の形式)を入力として、旅客乗車情報(旅客乗車データD40の形式)、旅客滞留情報(旅客滞留データD50の形式)の予測値を出力する人流予測を実行する。人流予測については、公知の技術(例えば、特開2019-177760)に基づいて行ってもよい。このように、人流予測部(例えば、人流予測プログラムP04)は、各列車が各駅を出発する際における旅客の乗車人数の情報を含む旅客乗車情報(例えば、旅客乗車データD40)を更に算出し、以降に示すように、運行計画再作成部(例えば、運行計画再作成プログラムP01)は、上記人流予測部から出力される旅客滞留情報(例えば、旅客滞留データD50)と上記旅客乗車情報を用いて運行計画に対する再計画案を作成する。したがって、人流予測や旅客の滞留予測を考慮した再計画案を出力することができる。
ステップS207は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画の変更候補を評価する処理である。ステップS207の処理の詳細は後述する。
ステップS208は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、最良解を更新する処理である。ステップS208は、例えば、ステップS207で計算した評価結果をもとに、これまでの最良解の評価値と対象としている運行計画の変更候補の評価値を比較し、評価値が良いものを最良解として更新する。
ステップS202bは、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、ステップS202aに戻る処理である。
以上、本発明の第1の実施形態におけるステップS105の運行計画再作成処理の詳細を示した。
以降、図12の各処理の詳細を説明する。
(1.4.2.2 ステップS205における処理の詳細:移動需要修正処理)
ステップS205における処理の詳細について図13を用いて説明する。
(1.4.2.2.1 概略)
図13は、図12に示したステップS205の移動需要修正処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
ステップS301aは、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、ステップS302からステップS304までの処理を、移動需要情報(移動需要データD30内の情報の複製)の要素数だけ繰り返す処理である。ステップS301aは、繰返し処理の過程で、移動需要情報の各要素を順次選択する(以降では、選択した移動需要情報の要素を「対象の移動需要」とよぶ)。ステップS301aに関わる繰返し処理は、ステップS301bに到達することで一巡したこととなる。
ステップS302は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、対象の移動需要により定められる移動区間と運行計画により定められる不通区間が重複するか否かを調べる処理である。移動区間と不通区間が重複する場合には(ステップ302;Yes)、ステップS303へ進む。移動区間と不通区間が重複しない場合には(ステップ302;No)、ステップS304へ進む。なお、ステップS302は、例えば、不通区間が複数箇所存在する場合、移動区間と不通区間の位置関係に応じて、複数の不通区間を包含するような新たな不通区間を定めて重複を判定してもよいし、移動区間に関わる1つの不通区間を選択して重複を判定してもよい。このように、ステップ302では、運行計画再作成部(例えば、運行計画再作成プログラムP01)は、移動需要情報(例えば、移動需要データD30)を修正する際、旅客行動モデルに定義された運行状況として不通区間に関する情報を用いるので、以降の処理において、不通区間を考慮して新たな移動需要情報を定めることができる。
ステップS303は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、重複の種別を分類し対応する修正対象データベース(DB)に修正する必要がある対象の移動需要を追加する処理である。ステップS303は、例えば、重複を(1)移動区間が不通区間を包含している、(2)不通区間に移動区間の出発地が含まれているが到着地は含まれていない、(3)不通区間に移動区間の到着地が含まれているが出発地は含まれていない、(4)不通区間が移動区間を包含している、といった種別に分類し、分類した種別に対応する修正対象データベース(DB)(不図示)に対象の移動需要を追加する。なお、重複の種別は、上記に限定されるものではなく、移動区間と不通区間で重複している駅数や距離などにより設定されてもよい。
ステップS304は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、新移動需要データベース(DB)に修正する必要がない対象の移動需要を追加する処理である。ステップS304は、例えば、新移動需要データベース(DB)(不図示)に対象の移動需要を追加する。
ステップS301bは、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、ステップS301aに戻る処理である。
ステップS305aは、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、ステップS306からステップS311までの処理を、重複の種別の数だけ繰り返す処理である。ステップS305aは、繰返し処理の過程で、重複の種別を順次選択する(以降では、選択した重複の種別を「対象の種別」とよぶ)。ステップS305aに関わる繰返し処理は、ステップS305bに到達することで一巡したこととなる。
ステップS306は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、旅客行動の割合を参照する処理である。ステップS306は、例えば、対象の種別や時間帯ごとにあらかじめ作成された旅客行動の割合を参照する。ここで、旅客行動の割合は、例えば、旅客行動モデルD60の種類に対して、事前に集計したアンケートに基づき統計的に設定されてもよいし、携帯端末のGPSデータや経路検索アプリケーションから得られるデータなどを用いて設定されてもよい。また、旅客行動の割合は、例えば、駅に設置されている自動改札機や監視カメラ、各列車に搭載されている赤外線装置や応荷重装置、各旅客が保有している携帯端末から得られるデータを用いて調整されてもよい。
このように、ステップ306では、列車の運行状況に対して旅客が選択する行動に関する割合の情報(例えば、上述した対象の種別や時間帯ごとにあらかじめ作成された旅客行動の割合)を含む統計量を記憶する記憶部(例えば、記憶部105)を更に有し、運行計画再作成部(例えば、運行計画再作成プログラムP01)は、運行計画変更部(例えば、運行計画変更プログラムP02)で変更された運行計画と、上記統計量を用いて移動需要情報(例えば、移動需要データD30)を修正する。ステップS306の処理により、運行状況に対して各旅客の行動が異なる場合においても、各旅客の行動に関する大局的な変化を推定することで、再計画案を作成することができる。
ステップS307は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、修正完了データベース(DB)を作成する処理である。ステップS307は、例えば、以下3つの処理を実行する。以下に示すように、ステップ307では、列車の運行状況に対して旅客の移動経路を示す旅客行動モデル(例えば、旅客行動モデルD60)を記憶する記憶部(例えば、記憶部105)を更に有し、運行計画再作成部(例えば、運行計画再作成プログラムP01)は、運行計画変更部(例えば、運行計画変更プログラムP02)で変更された運行計画と、上記旅客行動モデルを用いて移動需要情報(例えば、移動需要データD30)を修正するので、旅客の特性やおかれた状況ごとに、修正が必要な旅客について新たな移動需要情報を定めることができる。
1つ目の処理は、例えば、対象の種別に関する修正完了データベース(DB)(不図示)を初期化する。これにより、新需要データベース(DB)に登録済みの移動需要を再度追加することを防止する。
2つ目の処理は、例えば、対象の種別に関する修正対象データベース(DB)の各要素に関して、旅客行動の割合に基づき旅客行動モデルD60を割り当てることで移動需要を作成する。ここで、移動需要の作成は、例えば、旅客行動モデルD60において「不通開始点」、「不通終了点」の条件と運行計画の変更候補における不通区間が一致する行動情報のうち、「待ち時間」が運行計画の変更候補において対象の移動需要に対応する旅客の待ち時間と一致する、もしくは最も近い行動情報を抽出し、その行動情報の「乗換駅」に設定された駅の組にしたがって、出発駅から1つ目の乗換駅までの移動需要と2つめの乗換駅から到着駅までの移動需要を作成する(「乗換駅」に「*」が含まれている場合、出発駅から1つ目の乗換駅までの移動需要と2つ目の乗換駅から到着駅までの移動需要のどちらか、もしくは両方は作成されない)。
このとき、作成する移動需要の「出発時刻」は、例えば、参照された移動需要の「出発時刻」、1つ目の乗換駅まで対象路線内を列車で移動する時間である「経路時間」、行動情報で定められた「迂回時間」を用いて設定され、作成する移動需要の「経路」は、参照された移動需要の「出発駅」と「到着駅」、および行動情報で定められた「乗換駅」を用いて設定される。
なお、対象の移動需要に対応する旅客の待ち時間は、例えば、運行計画の変更候補において、不通区間が開通しない時間を用いて決定してもよいし、移動需要で定められた「出発駅」および「出発時刻」の情報から「不通開始点」に向かう列車に乗車した場合の「不通開始点」における到着時刻を待機開始時刻の推定値とし、待機開始時刻の推定値から到着駅に向かう列車に乗車するまでの時間を用いて決定してもよい。
また、移動需要の作成では、例えば、出発駅と1つ目の乗換駅が一致する場合には2つ目の乗換駅から到着駅までの移動需要のみを作成してもよいし、出発駅からの相対関係として1つ目の乗換駅が到着駅へ向かう方面と逆向きに位置する状況で出発駅と1つ目の乗換駅の間に所定の閾値を超過する駅数が存在する場合や、不通区間に移動区間の出発地が含まれているような重複の種別に関して出発駅と1つ目の乗換駅が異なる(または1つ目の乗換駅が「*」でない)場合などにおいて、移動需要を作成しない、または、参照した移動需要を複製するといった例外処理を行ってもよい。
図4と図7を参照し、移動需要の作成に関する処理を説明する。例えば、対象となる運行計画において「St.N」と「St.M」の間で10分程度の不通区間が発生している場合、図4に示される移動需要データD30の5行目は「旅客番号」「51」の旅客に関する「出発駅」「St.Y」から「到着駅」「St.A」までの移動需要を示しているが、図7に示される旅客行動モデルD60が旅客行動として選択された際、運行状況は5行目の「不通開始点」「St.N」、「不通終了点「St.M」、および「待ち時間」「10」に合致する。このため、旅客行動モデルD60の5行目の「乗換駅」と「迂回時間」の情報を用いて「出発駅」「St.Y」から「到着駅」「St.N」までの移動需要、「出発駅」「St.N」から「到着駅」「St.A」までの移動需要がそれぞれ作成される。このとき、前者の移動需要の「出発時刻」は、例えば、移動需要データD30の5行目の「出発時刻」「10;00」が設定され、後者の移動需要の「出発時刻」は、例えば、移動需要データD30の5行目の「出発時刻」「10;00」に「St.Y」から「St.N」まで列車で移動する時間を足した時刻が設定される。
なお、対象となる運行計画において「St.N」と「St.M」の間で30分程度の不通区間が発生している場合、図7に示される旅客行動モデルD60の6行目と運行状況が合致するため、出発駅」「St.Y」から「到着駅」「St.O」までの移動需要、「出発駅」「St.G」から「到着駅」「St.A」までの移動需要がそれぞれ作成される。このとき、前者の移動需要の「出発時刻」は、例えば、移動需要データD30の5行目の「出発時刻」「10;00」が設定され、後者の移動需要の「出発時刻」は、例えば、移動需要データD30の5行目の「出発時刻」「10;00」に「St.Y」から「St.O」まで列車で移動する時間と、「St.O」から「St.G」まで対象路線外の移動経路を迂回する「迂回時間」「20」を足した時刻が設定される。このとき、作成される移動需要の「出発時刻」は、例えば、移動需要データD30の5行目の「出発時刻」「10;00」が設定される。
また、対象となる運行計画において「St.O」と「St.M」の間で60分程度の不通区間が発生している場合、図7に示される旅客行動モデルD60の7行目と運行状況が合致するため、出発駅」「St.Y」から「到着駅」「St.O」までの移動需要のみが作成され、当初目的としていた到着駅への移動需要は消失する。
3つ目の処理は、例えば、作成した移動需要を対象の種別に関する修正完了データベース(DB)に追加し、追加した移動需要の作成時に参照された移動需要を対象の種別に関する修正対象データベース(DB)から削除する。なお、出発駅からの相対関係として1つ目の乗換駅が到着駅へ向かう方面と逆向きに位置する状況で出発駅と1つ目の乗換駅の間に所定の閾値を超過する駅数が存在する場合や、不通区間に移動区間の出発地が含まれているような重複の種別に関して出発駅と1つ目の乗換駅が異なる(または1つ目の乗換駅が「*」でない)場合などにおいて、移動需要の作成が実施されなかった際に参照された移動需要については修正対象データベース(DB)から削除しなくてもよい。
ステップS308は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、新移動需要データベース(DB)に修正完了データベース(DB)に格納されたデータを追加する処理である。ステップS308は、例えば、対象の種別に関する修正完了データベース(DB)に格納されたデータを取得し、新移動需要データベース(DB)に追加する。
ステップS309は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、対象の種別に関する修正対象データベースに(DB)に残された未修正データのデータ数が閾値以下か否かを調べる処理である。閾値以下である場合には(ステップ309;Yes)、ステップ305bへ進む。閾値以下でない場合には(ステップ309;No)、ステップS310へ進む。
ステップS310は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、未修正データのデータ数に関する閾値を再設定する処理である。ステップS310は、例えば、未修正データのデータ数の閾値を緩和する方向に再設定する。なお、閾値の再設定は、例えば、ステップS310が実行された回数に応じて、再設定を実施しなくてもよいし、緩和する値を変更して再設定を実施してもよい。
ステップS311は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、旅客行動の割合を再分配する処理である。ステップS311は、例えば、旅客行動モデルD60の種類に関して、移動需要の作成が成功している実績数の割合を算出し、対象の種別に関する修正対象データベース(DB)に残されたデータ数に応じて、ステップS306で参照した旅客行動の割合を可能な限り達成できるように旅客行動の割合を再分配する。なお、割合の再配分は、例えば、ステップS311が実行された回数に応じて、再分配を実施しなくてもよいし、分配する値を変更して再分配を実施してもよい。
ステップS305bは、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、ステップS305aに戻る処理である。
ステップS312は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、移動需要情報を更新する処理である。ステップS312は、例えば、新移動需要データベース(DB)に格納された移動需要を複製することで移動需要情報を更新する。
なお、移動需要修正処理は、例えば、対象路線内の駅から対象路線外への乗換が複数回発生する場合、旅客行動モデルD60に複数定義された乗換駅の組を順次処理していくことで、移動需要を修正してもよい。例えば、乗換駅の組が2つ定義されている場合、出発駅から1つ目の乗換駅(1つ目の乗換駅の組の第1要素)までの移動需要、2つ目の乗換駅(1つ目の乗換駅の組の第2要素)から3つ目の乗換駅(2つ目の乗換駅の組の第1要素)までの移動需要、4つ目の乗換駅(2つ目の乗換駅の組の第2要素)から到着駅までの移動需要をそれぞれ作成する。
(1.4.2.3 ステップS207における処理の詳細:運行計画評価処理)
ステップS207における処理の詳細について図14を用いて説明する。
(1.4.2.3.1 概略)
図14は図12で示したステップS207の運行計画評価処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
ステップS401は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画の変更候補に対して各駅における旅客の滞留量を評価する処理である。ステップS401の処理の詳細は後述する。
ステップS402は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画の変更候補に対して各列車の混雑度を評価する処理である。ステップS402は、例えば、運行計画の変更候補に対してステップS206で予測された旅客乗車情報を用いて、各列車が各駅を出発する際の乗車人数を取得し、列車が混雑していると判定される乗車人数よりも超過した人数、および列車が閑散していると判定される乗車人数よりも不足した人数を計算することで、それらの人数を重み付けして合計した量を評価値とする。なお、列車の混雑度に対する評価値は、乗車人数を定員人数で除した割合や列車の定員人数を超過した人数などを用いて計算してもよいし、列車や駅ごとに重み値を変えることで特定の列車・駅に対する重要度の設定や評価対象となる列車・駅の限定などを行って計算してもよい。
ステップS403は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画の変更候補に対して各列車の遅延量を評価する処理である。ステップS403は、例えば、運行情報(運行データD10の形式)に関して、事前に計画された計画運行情報と、ステップS204で予測された予測運行情報を比較することで、各列車の各駅における出発・到着する際の遅延時間を算出し、その合計値を評価値とする。なお、列車の遅延量に対する評価値は、列車の遅延時間が所定の閾値を超過した場合の列車数・遅延時間や計画運行情報から運転がされなくなった(運休となった)列車数などを用いて計算してもよいし、列車や駅ごとに重み値を変えることで特定の列車・駅・着発情報に対する重要度の設定や評価対象となる列車・駅・着発情報の限定などを行って計算してもよい。
ステップS404は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画の変更候補に対して各運用のコストを評価する処理である。ステップS404は、例えば、運行情報(運行データD10の形式)と運用情報(運用データD20の形式)を用いて、各運用における走行距離や消費電力などを算出し、それらのコストを重み付けして合計した量を評価値とする。走行距離や消費電力の計算は、あらかじめ定義データを用いて行ってもよいし、シミュレータを活用して行ってもよい。なお、運用のコストに対する評価値は、適当なデータやシミュレータを追加し、使用される車両数や事前に計画された運用情報との差分、保守作業への影響度(例えば、終日累積走行距離の変更量や検査の件数・工程・時間・人員の変更量)などを用いて計算してもよいし、運用ごとに重み値を変えることで特定の運用に対する重要度の設定や評価対象となる運用の限定などを行って計算してもよい。
ステップS405は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、運行計画の変更候補に対する評価値を計算する処理である。ステップS405は、例えば、ステップS401からステップS404までに計算した各評価値を重み付けして合計した量を運行計画の変更候補に対する総合的な評価値とする。
ステップS406は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、ステップS401からステップS405までに計算した各評価値、各評価指標、および運行計画の変更候補を評価結果データベースD09に登録する処理である。ステップS405は、例えば、駅の滞留量、列車の混雑度、列車の遅延量、運用のコストなどに関する評価値と、各駅での滞留人数・密度・最大滞留人数、各列車が各駅を出発する際の乗車人数・混雑度および閾値や定員人数を超過した乗車人数、各列車の各駅における出発・到着する際の遅延時間および運休となった列車数、各運用の走行距離や消費電力などの評価指標を対象となる運行計画の変更候補と紐づけて評価結果データベースD09に登録する。なお、評価値や評価指標は、上記に限定されるものではなく、運行計画評価処理内の各評価処理で計算された数量について対象となる運行計画の変更候補と紐づけて評価結果データベースD09に登録してもよい。
以上、本発明の第1の実施形態におけるステップS207の処理の概略を示した。以降、図14の滞留評価処理の詳細を説明する。
(1.4.2.4 ステップS401における処理の詳細:滞留評価処理)
ステップS401における処理の詳細について図15を用いて説明する。以下に示すように、運行計画再作成部(例えば、運行計画再作成プログラムP01)は、人流予測部(例えば、人流予測プログラムP04)から出力される旅客滞留情報(例えば、旅客滞留データD50)を用いて、運行計画変更部(例えば、運行計画変更プログラムP02)で変更された運行計画に対して、各駅で時間帯ごとに滞留している旅客の人数を示す滞留人数と、各駅で時間帯ごとに滞留している旅客の密集の程度を示す密度のいずれか、または両方を含む滞留量を推定して、当該滞留量に関する評価値を算出し、当該評価値を用いて上記運行計画に対する再計画案を作成する。したがって、具体的に旅客の滞留量を考慮して、運行計画の再計画案を作成することができる。
(1.4.2.4.1 概略)
図15は図14で示したステップS401の滞留評価処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
ステップS501は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、滞留評価における各種条件を取得する処理である。ステップS501は、例えば、所定のパラメータを参照し、滞留指標計算と評価値加算の対象となる駅、各駅に対する重み値、滞留評価の時間区間、および評価指標の種類などの条件を取得する。
ステップS502aは、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、ステップS503からステップS509までの処理を、対象路線内に含まれる駅数だけ繰り返す処理である。ステップS502aは、繰返し処理の過程で、旅客乗車データD40を参照し、対象路線内に含まれる駅(以下、選択した駅を「対象駅」とよぶ)を順次選択する。ステップS502aに関わる繰返し処理は、ステップS502bに到達することで一巡したこととなる。
ステップS503は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、対象駅が滞留指標の計算対象であるか否かを調べる処理である。計算対象である場合には(ステップ503;Yes)、ステップS504へ進む。計算対象でない場合には(ステップ503;No)、ステップS502bへ進む。
ステップS504は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、対象駅の旅客滞留情報(旅客滞留データD50の形式)を取得する処理である。ステップS504は、例えば、ステップS206で予測した旅客滞留情報の予測値を参照し、「駅名」が対象駅と一致する情報をすべて取得する。なお、旅客滞留情報の取得は、例えば、滞留評価の時間区間に含まれない情報を除いて取得してもよい。
ステップS505は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、滞留指標を計算する処理である。ステップS505は、例えば、ステップS504で取得した旅客滞留情報を用いて、対象駅の対象時間区間における滞留人数、密度、最大滞留人数などの平均値を滞留指標として計算する。なお、滞留指標は、上記に限定されるものではなく、例えば、滞留量の分散や滞留量の時間変化率などを算出した上で滞留指標を計算してもよいし、対象時間区間における代表的な値(最大値や最小値、中央値など)や各データに重みを付した加重平均、所定の閾値に対して超過した(または不足した)値などを用いて計算してもよい。また、ステップS505では、例えば、滞留評価の時間区間の範囲を旅客流動情報の集計の時間単位に合わせることで、旅客流動情報に対して滞留指標の値を一意に定めてもよい。
ステップS506は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、計算した滞留指標を滞留評価情報(滞留評価データD80の形式)に追加する処理である。ステップS506は、例えば、ステップS505で計算した各滞留指標を滞留の評価指標に追加する。
ステップS507は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、対象駅が評価値の加算対象であるか否かを調べる処理である。加算対象である場合には(ステップ507;Yes)、ステップS508へ進む。加算対象でない場合には(ステップ507;No)、ステップS502bへ進む。対象駅が評価値の加算対象であるか否かについては、あらかじめ定められる。例えば、対象駅が複数路線の乗り入れ駅である場合には、運行計画において重要な駅であるため、当該対象駅を評価値の加算対象として定めることができる。
ステップS508は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、対象駅の重み値を取得する処理である。ステップS508は、例えば、ステップS501で取得した各駅に対する重み値の中から、対象駅に関する重み値を取得する。
ステップS509は、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、重み付けした滞留指標を滞留量の評価値に加算する処理である。ステップS509は、例えば、ステップS505で計算した滞留指標のうち評価値に加算対象の項目について、ステップS508で取得した重み値をかけた上で、滞留量の評価値に加算する。なお、駅の滞留量に対する評価値は、所定の閾値に対して超過した(または不足した)滞留人数・密度・最大滞留人数・滞留量の分散・滞留量の時間変化率などを用いて計算してもよいし、駅ごとに重み値を変えることで特定の駅に対する重要度の設定や評価対象となる駅の限定などを行って計算してもよい。
このように、運行計画再作成部(例えば、運行計画再作成プログラムP01)は、各駅に設定された重み値を用いて上記滞留量に関する上記評価値を算出する、乃至は、所定の閾値よりも大きい上記滞留量と所定の閾値より小さい上記滞留量のいずれか、または両方を用いて上記滞留量に関する上記評価値を算出するので、対象駅や滞留量について様々な状況下で上記評価値を算出することができる。
ステップS502bは、図1に示した運行支援システム100のCPU101が、ステップS502aに戻る処理である。
(1.5 ユーザに提示される運行支援情報)
ユーザに提示される運行支援情報について図16を用いて説明する。運行支援情報は、例えば、運行支援システム100のCPU101が運行計画再作成プログラムP01を実行することにより、ユーザ端末400のディスプレイに表示される。以下に示すように、上記運行計画の再計画案に対する旅客の滞留量の情報を含む旅客流動情報(例えば、滞留評価データD80)と上記再計画案を作成した際に実施された変更の情報を含む変更履歴情報(例えば、変更履歴データD70)のいずれか、または両方を記憶する記憶部(例えば、記憶部105)を更に有し、上記再計画案とともに、上記旅客流動情報と上記変更履歴情報のいずれか、または両方を出力する。したがって、ユーザは、再計画案とともに、当該再計画案の根拠となったこれらの情報を容易に把握することができる。
(1.5.1 運行支援情報の概略)
図16はユーザに提示される運行支援情報の一例である。
図16に示されるユーザに提示される運行支援情報は、「列車運行計画」、「旅客流動情報」、「変更履歴情報」から構成される。なお、ユーザに提示される運行支援情報は、上記に限られるものでなく、例えば、列車の運行状況を示す「列車運行情報」や運用のコストを示す「運用コスト情報」などを含んでもよい。
(1.5.2 列車運行計画の表示)
図16の「列車運行計画」には、例えば、縦軸を各駅、横軸を時間とした際の運行計画を表示する。「列車運行計画」における運行計画の表示は、例えば、「元計画」、「予測結果」、「再計画案」、および「試行内容」といったタブを選択することにより切り替わる。
「元計画」は、例えば、事前に定められた運行計画を表示するためのタブである。「元計画」には、例えば、運行計画データD01の情報が描画される。
「予測結果」は、例えば、運行実績や輸送障害情報に基づき、将来の列車運行に関する予測結果を表示するためのタブである。「予測結果」には、例えば、変更が実施されていない運行計画に対して、運行予測プログラムP03や人流予測プログラムP04が実行された際の予測結果が描画される。
「再計画案」は、例えば、運行支援システム100により作成された再計画案を表示するためのタブである。「再計画案」には、例えば、運行計画再作成プログラムP01により、最良解として抽出された再計画案が描画される。
「試行内容」は、例えば、運行支援システム100において再作成を試行中の運行計画を表示するためのタブである。「試行内容」には、例えば、運行計画再作成プログラムP01の処理中において、最良解として更新されている運行計画が描画される。
図16で示される「再計画案」の表示内容では、例えば、各線分が「Station X」から「Station M」、「Station Y」、「Station Z」まで向かう列車の走行や「Station Y」、「Station Z」から「Station O」、「Station N」、「Station X」まで向かう列車の走行などを表している。また、図16で示される「再計画案」の表示内容では、「×印」の箇所で輸送障害が発生した際に、運行計画再作成プログラムP01によって折返し運転が実施された場合の運行計画が描画されている。
なお、列車の走行を表す各線分は列車の乗車人数や混雑度に応じて色付けされてもよいし、各駅の位置を表す横線は各時間帯の駅の滞留量に応じて色付けされてもよい。
(1.5.3 旅客流動情報の提示)
図16の「旅客流動情報」には、例えば、再計画案に対する旅客流動に関する情報を表示する。「旅客流動情報」における旅客流動に関する情報の表示は、例えば、「列車」、「駅」、および「時刻」といったタブを選択することにより切り替わる。
「列車」は、例えば、各列車の混雑度や乗車人数などを表示するためのタブである。「列車」には、例えば、評価結果データベースD09に格納された各列車の乗車人数や混雑度などを表示する。なお、「列車」には、上記に限らず、例えば、列車の定員人数を超過した人数や、列車が混雑していると判定される乗車人数よりも超過した人数、列車が閑散していると判定される乗車人数よりもした不足した人数などを表示してもよい
「駅」は、例えば、各駅の滞留量を表示するためのタブである。「駅」には、例えば、評価結果データベースD09に格納された各駅の滞留人数、密度、最大滞留人数などを表示する。なお、「駅」には、上記に限らず、例えば、滞留量の分散や滞留量の時間変化率などを表示してもよい。
「時刻」は、例えば、各時刻において対象路線内に存在する旅客を表示するためのタブである。「時刻」には、例えば、運行情報、旅客乗車情報、旅客滞留情報を用いてある時間単位における乗車人数と滞留人数を合計した値を表示する。なお、「時刻」には、上記に限らず、ある時間単位における乗車人数のみを合計した値や滞留人数のみを合計した値を表示してもよい。
なお、「旅客流動情報」には、上記に限らず、例えば、旅客乗車情報や旅客滞留情報などを表示してもよい。
図16で示される「駅」の表示内容は、例えば、滞留評価データD80の情報に基づき、「駅名」、「時間」、「滞留人数」、および「密度」から構成される。
「駅名」には各駅を個別に識別する駅名が表示される。例えば、図16に示されているのは、「駅名」が「St.X」、「St.N」、および「St.O」であるものに関する表示である。
「時間」には滞留の評価指標の計算範囲となった時間が表示される。例えば、図16の1行目から3行目は「時間」が「10:00-11:00」であるものに関する表示である。
「滞留人数」には当該駅で当該時間内に滞留している旅客の人数が記載される。例えば、図16の1行目は「滞留人数」が「100」人であるものに関する表示であり、図16の2行目は「滞留人数」が「50」人であるものに関する表示である。なお、「滞留人数」には、例えば、当該駅で当該時間内に滞留する旅客の人数を計算した単位に応じた合計人数や平均人数、個別の時間単位における人数などを表示してもよいし、各旅客について滞留している駅を個別に計算することで同一旅客が重複しないような人数を表示してもよい。
「密度」には当該駅で当該時間内に滞留している旅客の密集の程度を示す値が表示される。例えば、図16の1行目は「密度」が「0.10」であるものに関する表示であり、図16の2行目は「密度」が「0.25」であるものに関する表示である。なお、「密度」には、例えば、当該駅における単位面積あたりの滞留人数や当該駅の3次元空間上での単位体積あたりの滞留人数などを表示してもよいし、当該駅の定員人数やあらかじめ設定された目標値などと滞留人数との比率を表示してもよい。
なお、図16の「旅客流動情報」では、例えば、検索条件を指定することで参照したい列車、駅、時間、人数、評価指標などの情報を絞り込んで表示してもよいし、「列車運行計画」の表示部分から参照したい列車や駅をクリック、あるいはドラック&ドロップすることで対象の情報を表示してもよい。また、表示情報をあらかじめデータとして定義しておくことで、特定の列車、駅、時間、人数、評価指標などの情報のみを表示してもよい。
(1.5.4 変更履歴情報の提示)
図16の「変更履歴情報」には、例えば、再計画案を作成した際の変更履歴に関する情報を表示する。「変更履歴情報」における変更履歴に関する情報は、例えば、「全変更」、「実行済み」、および「未実行」といったタブを選択することにより切り替わる。
「全変更」は、例えば、再計画案を作成した際に実施したすべての変更を表示するためのタブである。「全変更」には、例えば、計画変更データベースD07に格納された再計画案に対応する変更履歴データD70の情報を表示する。
「実行済み」は、例えば、再計画案を作成した際に実施した変更のうち、実行済みの変更を表示するためのタブである。「実行済み」には、例えば、計画変更データベースD07に格納された再計画案に対応する変更履歴データD70の情報のうち、すでに運行計画実行プログラムP06により実行されている情報を表示する。
「未実行」は、例えば、再計画案を作成した際に実施した変更のうち、未実行の変更を表示するためのタブである。「未実行」には、例えば、計画変更データベースD07に格納された再計画案に対応する変更履歴データD70の情報のうち、まだ運行計画実行プログラムP06により実行されていない情報を表示する。
図16で示される「全変更」の表示内容は、例えば、変更履歴データD70の情報に基づき、「変更手段」、「時間」、「列車」、および「KPI」から構成される。
「変更手段」には運行計画の再作成で実施された変更手段の名称が表示される。例えば、図8に示されているのは、「変更手段」が「PT9000」、「PT1185」および「PT1192」であるものに関する表示である。
「時間」には運行計画において当該変更手段が実施された時間が表示される。例えば、図16の1行目は「時刻」が「10:00-10:20」であるものに関する表示であり、図16の2行目は「時刻」が「10:15-10:30」であるものに関する表示である。
「列車」には当該変更手段で変更された列車が表示される。例えば、図16の1行目は「列車」が「HR301」であるものに関する表示であり、図16の2行目は「列車」が「HR302」であるものに関する表示である。なお、「列車」には、例えば、変更された列車が複数存在する場合、複数列車をリスト形式や辞書形式などでまとめて表示してもよいし、変更の基準となった列車や走行時刻が最も早い列車などを代表する列車として表示してもよい。
「KPI」には当該変更手段による評価値の変化量が表示される。例えば、図16の1行目は「KPI」が「▲25」であるものに関する表示であり、図16の2行目は「KPI」が「▲60」であるものに関する表示である(記号「▲」は「-25」、「-60」などのようにマイナスの数値であることを表す)。
なお、図16の「変更履歴情報」では、例えば、検索条件を指定することで参照したい変更手段、時間、列車、評価指標などの情報を絞り込んで表示してもよい。また、画面上で選択した変更手段を運行計画実行プログラムP06により実行してもよい。
このように、本発明の第1の実施形態において、運行計画の変更内容に応じて旅客の移動需要を修正し、修正した移動需要を用いて各駅における旅客の滞留量を推定し、最良の再計画案を抽出することにより、各駅において予想される旅客の滞留量を好適な値に調整した再計画案を提示することができる。具体的には、コンピュータ(例えば、CPU101)を用いて、列車の運行計画と、列車の運行実績とを用いて、運行計画に対する再計画案を出力する運行支援システム100において、所与の変更手段に基づいて、運行計画を変更する運行計画変更部(例えば、運行計画変更プログラムP02)と、列車が停車する各駅における時間帯ごとの旅客の行先を示す移動需要情報(例えば、移動需要データD30)を用いて、各駅における時間帯ごとの旅客の滞留人数の情報を含む旅客滞留情報(例えば、旅客滞留データD50)を算出する人流予測部(例えば、人流予測プログラムP04)と、上記運行計画変更部で変更された運行計画に基づき上記移動需要情報を修正して上記人流予測部に入力し、上記人流予測部から出力される上記旅客滞留情報を用いて上記運行計画に対する再計画案を作成する運行計画再作成部(例えば、運行計画再作成プログラムP01)と、上記運行計画再作成部で作成した上記再計画案を出力する出力部(例えば、運行計画再作成プログラムP01)と、を備えるので、上述のような滞留量調整後の再計画案をユーザに提示することができる。
(1.6 変形例)
以上、本発明の第1の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は例示したものに限るものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上述した実施形態では、輸送障害が発生した状況(運行乱れ対応)における再計画案を作成している。しかし、本実施形態は、これに限られない。本実施形態は、例えば、オンデマンド運行やイベント予定時の運行(スポーツ競技や展示会などが開催される際の運行)などにおける再計画案の作成を行ってもよい。ここで、再計画案は、例えば、予想される移動需要に合わせて変更された運行計画の変更内容に応じて旅客の移動需要を修正し、修正した移動需要を用いて各駅における旅客の滞留量を推定した結果により、最良の再計画を抽出することで作成できる。これにより、例えば、旅客の移動需要の変動に対して再計画作業を行う場合においても、予想される旅客の滞留量を好適な値に調整した再計画案を提示することができる。
また、上述した実施形態では、各駅で旅客の滞留が発生しないような再計画案を作成している。しかし、本実施形態は、これに限られない。再計画案は、例えば、ある特定の駅に旅客の滞留を誘導するように作成されてもよい。滞留を誘導するような再計画案は、例えば、各駅の滞留を評価する際の重み値を調整することで作成できる。これにより、例えば、規模の大きい駅や構内施設が充実している駅などの旅客を留めたい駅に滞留を誘導することができる。
また、上述した実施形態では、処理の精度を高めるために、ステップS207の運行計画評価処理において、運行計画の変更候補に対する運行予測の結果を評価するような構成としたが、本発明の構成はこれに限るものではない。例えば、ステップS203で作成された運行計画の変更候補をそのまま評価するような構成としてもよい。運行予測の結果が得られない場合には、このような構成とすることが好適である。